説明

殺菌殺虫組成物

【課題】殺菌殺虫組成物を提供すること。
【解決手段】
(a)3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)イソチアゾール−5−カルボキサミドと、
(b)フィプロニル又はエチプロールを組み合わせて含んでなる殺菌殺虫組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は殺菌殺虫組成物に関する。詳しくは、育苗箱に施用する殺菌殺虫組成物に関し、副次作用として植物生長促進作用を有する該組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
水稲箱育苗において、播種時に、長期残効性殺虫剤および殺菌剤を処理する方法は、本田生育期間中の防除回数を低減できるため、水稲栽培の省力化・低コスト化に有効な手段として普及が進み、既に日本の各地で広く行われている。
【0003】
本発明の組成物に含まれるそれぞれの有効成分は、通常の栽培条件下で播種時に単独で処理した場合、イネの生育に影響はないが、湛水育苗(通称プール育苗)や、異常高温、低温、乾燥などの条件によっては、根部の生育が多少遅延する場合がある。
【0004】
殺菌性化合物の3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)イソチアゾール−5−カルボキサミドと公知殺虫剤との混合組成物はすでに知られている(特許文献1)。
【特許文献1】WO 2005/009131公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、下記に示す組み合わせが、本田移植後の水稲の病害虫に対し、優れた防除効果を現わすと共に、根の生育を促進して育苗期間を短縮し、通常と異なる条件においても、安定した水稲苗の根部の良好な生育をもたらすことを見出し、本発明を完成した。
【0006】
かくして、本発明は
(a)3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)イソチアゾール−5−カルボキサミド(以下、イソチアニルと略記する)と、
(b)フィプロニル又はエチプロールを組み合わせて含んでなる殺菌殺虫組成物を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、育苗箱に水稲種子を播種し、上記組成物を覆土前に施用することからなる、本田移植後の病害虫を防除する方法、並びに、育苗箱の床土、又は水稲種子を覆土する土に同じく上記組成物を混合することからなる、本田移植後の病害虫を防除する方法を提供するものでもある。
【0008】
本発明によれば、上記(a)のイソチアニルと(b)のフィプロニル又はエチプロールを組み合わせてなる組成物に具体的に特定された記載も、該組成物の具体的な生物効果も本願出願日前の刊行物には開示されていない。そして驚くべきことに、本発明の(a)のイソチアニルと(b)のフィプロニル又はエチプロールを組み合わせて含んでなる殺菌殺虫組成物は水稲の病害虫に対し、優れた防除効果を現わすと共に、該組成物を施用しない場合に比べて、水稲苗の根の生育を極めて良好に促進するという植物生長促進作用を示すことができ、その結果、水稲苗の育苗期間の短縮をもたらし、通常と異なる条件下でも安定な根部の生育を達成させることができる。従って、本発明の組成物は、病害虫防除と育苗期間の短縮という生産性の両面で極めて有利で有用なものである。
【0009】
本発明は、更に、上記(a)と(b)の二成分の組み合わせに加えて、(c)のイミダクロプリド、チアクロプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、チアメトキサム、スピノサド、チフルザミド、フラメトピル、オリサストロビン及びBYF14182より成る群から選ばれる少なくとも1種を含んでなる組成物も提供するものであり、そして、この(a)、(b)及び(c)の各成分を組み合わせてなる組成物も、上記した病害虫防除と生産性の両面で極めて有利且つ有用なものである。
【0010】
本発明における(a)のイソチアニルは、特表2001−522840号公報に示される病害防除剤の一つであり、(b)のフィプロニル及びエチプロール、また(c)の前記各成分の内、オリサストロビンとBYF14182を除き、Pesticide Manual(2003年 13版 BCPC発行)に記載される化合物である。オリサストロビンは独公開特許第19539324号に記載の化合物である。BYF14182はWO 2006/092291公報に記載の化合物である。
【0011】
本発明の組み合わせ組成物において、各有効成分の混合比は、限定的に制限されるものではなく、混合する活性化合物の種類、病害虫の発生予察等に応じて相対的に広い範囲にわたり変えることができる。一般には、混合比は、例えば、(a)のイソチアニル 1重量部に対して、(b)のフィプロニル又はエチプロールは0.02〜3重量部、好ましくは、0.05〜2.5重量部の範囲、そして(c)成分を加えてなる場合には、(c)成分は、0.5〜2重量部、好ましくは、1〜1.5重量部の範囲内で使用することができる。
【0012】
本発明の組み合わせ組成物を使用するに当たっては、育苗箱に水稲種子を播種し、当該組成物を覆土前に施用する方法か、又は育苗箱の床土又は水稲種子を覆土する土に、当該組成物を混合する方法により、本田移植後の病害虫の防除を的確に行なうことができる。
【0013】
本発明の組み合わせ組成物が防除の対照とする病害虫としては、以下のものを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
水稲害虫として
半翅目:ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus(Fallen))、セジロウンカ(Sogatella furcifera(Horvath))など。
【0015】
甲虫目:イネドロオイムシ(Oulema oryzae(Kuwayama))、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus Kuschel)など。
【0016】
鱗翅目:ニカメイチュウ(Chilo suppressalis(Walker))、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis(Guenee))、イネツトムシ(Parnara guttata(Bremex et Grey))など。
【0017】
水稲病害として、イモチ病(Pyricularia oryzae)、紋枯病(Pellicularia sasakii)など。
【0018】
本発明の組み合わせ組成物は、水稲病害虫の防除のために使用するに際して、通常の製剤形態にすることができる。
【0019】
その製剤形態としては、例えば、液剤、エマルジョン、水和剤、フロアブル剤、顆粒水和剤、粒剤、重合体物質中のマイクロカプセル等を挙げることができる。
【0020】
これらの製剤はそれ自体既知の方法によって調製することができる。例えば、前記の各有効成分を、固体又は液体の担体又は希釈剤、必要な場合には、界面活性剤やその他の製剤用補助剤と混合することによって本発明に従う製剤を調製することができる。
【0021】
本発明の組成物の製剤化に際して用い得る固体担体及び/又は固体希釈剤としては、例えば、クレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、珪藻土、ゼオライト、ベントナイト、酸性白土、活性白土、アタパルガスクレー、バーミキューライト、パーライト、軽石、硅砂、硅石等の鉱石を原料とする無機物質;
親水性シリカ、疎水性シリカ、ケイ酸カルシウム等のホワイトカーボン、合成ゼオライト、二酸化チタン等の合成品;
大豆粉、タバコ粉、トウモロコシ穂軸粉、クルミ粉、小麦粉、木粉、でんぷん、結晶セルロース等の植物性有機物質;
クマロン樹脂、石油樹脂、アルキッド樹脂、ポリアルキレングリコール、ケトン樹脂、エステルガム等の合成又は天然の高分子化合物;
カルナバロウ、蜜ロウ等のワックス類;
尿素、乳糖、ショ糖、硫酸アンモニウム、塩化カリウム等の水溶性物質が例示できる。
【0022】
適当な液体担体及び/又は液体希釈剤としては、例えば、
ヤシ油、菜種油、コーン油、大豆油、米ぬか油等の油脂類;
ケロシン、鉱油、スピンドル油、ホワイトオイル、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ナフテン等のパラフィン系もしくはナフテン系炭化水素系溶剤;
キシレン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶剤;
エタノール、ベンジルアルコール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類;
エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル等のエーテルアルコール類;
メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イソホロン、γ−ブチロラクトン等のケトン類;
ヤシ油脂肪酸メチルエステル等の脂肪酸メチルエステル、コハク酸ジメチルエステル、グリタミン酸ジメチルエステルやアジピン酸ジメチルエステル等の二塩基酸メチルエステル、酢酸エチル、酢酸アミル、エチレングリコールアセテート、ジエチレングリコールアセテート等のエステル類;
ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−アルキルピロリドン等の極性溶媒あるいは水等が例示できる。
【0023】
その他に有効成分の乳化、分散、湿潤、拡展、分解防止、効力増強等の目的及び/又は製剤物性の改良(崩壊性調節、流動性改善、凍結防止、耐雨性付与等)の目的で、界面活性剤、結合剤及びその他の補助剤を使用することができる。使用し得る界面活性剤としては、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性及び両性イオン性のいずれのタイプの化合物でも使用し得るが、通常は非イオン性及び/又は陰イオン性の化合物が使用される。適当な非イオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン樹脂酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸ジエステル;ポリオキシアルキレンひまし油、ポリオキシアルキレン硬化ひまし油;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンジアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルホルマリン縮合物;ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー、アルキルポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、アルキルフェニルポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル;ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド;ポリオキシアルキレンベンジルフェニル(又はフェニルフェニル)エーテル、ポリオキシアルキレンスチリルフェニル(又はフェニルフェニル)エーテル;ポリオキシアルキレンエーテル及びエステル型シリコン及びフッ素系界面活性剤等を挙げることができる。
【0024】
また、適当な陰イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルサルフェート塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルサルフェート塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ポリオキシアルキレンベンジル(又はスチリル)フェニル(又はフェニルフェニル)エーテルサルフェート塩、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーサルフェート塩;パラフィン(アルカン)スルホネート塩、アルファオレフィンスルホネート塩、ジアルキルスルホサクシネート塩、アルキルベンゼンスルホネート塩、モノ又はジアルキルナフタレンスルホネート塩、ナフタレンスルホネート・ホルマリン縮合物塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホネート塩、リグニンスルホネート塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルスルホネート塩、ポリオキシアルキレンエーテルスルホコハク酸ハーフエステル塩;脂肪酸塩、Nメチル脂肪酸サルコシネート、樹脂酸塩;ポリオキシアルキレンアルキルエーテルホスフェート塩、ポリオキシアルキレンモノ又はジアルキルフェニルエーテルホスフェート塩、ポリオキシアルキレンベンジル(又はスチリル)化フェニル(又はフェニルフェニル)エーテルホスフェート塩、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーホスフェート塩;ポリアクリル酸塩、ポリカルボン酸塩等を挙げることができる。
【0025】
陽イオン性界面活性剤としてはアルキルトリメチルアンモニウムクロライド、メチル・ポリオキシエチレン・アルキルアンモニウムクロライド、アルキル・Nメチルピリジニウムブロマイド、モノ又はジアルキルメチル化アンモニウムクロライド、アルキルペンタメチルプロピレンジアミンジクロライド等のアンモニウム型;アルキルジメチルベンザルコニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド等のベンザルコニウム型を挙げることができる。
【0026】
両イオン性界面活性剤としてはジアルキルジアミノエチルベタイン、アルキルジメチルベンジルベタイン等のベタイン型を挙げることができる。
【0027】
また、結合剤としてはベントナイト、カゼイン、ゼラチン、デンプン、デキストリン、リグニンスルホン酸塩、アルギン酸塩、アラビアゴム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等を例示することができる。
【0028】
その他の補助剤として、崩壊性調製剤、凍結防止剤、防腐剤、流動性改良材、消泡剤、保湿剤、拡展剤、耐雨性付与剤、着色剤等を挙げることができる。
【0029】
上記の担体及び界面活性剤、結合剤や種々の補助剤は、製剤の剤型、適用場面等を考慮して、目的に応じてそれぞれ単独で又は組み合わせて適宜使用することができる。
【0030】
製剤は、一般に、各有効成分の合計で0.1〜95重量%、好ましくは0.5〜90重量%の濃度で含有することができる。
【0031】
本発明の組み合わせ組成物は、使用に際して、そのままあるいはその製剤の形態で使用することができ、また、使用時に各有効成分をタンク混合することも可能である。
【0032】
本発明の組み合わせ組成物は、そのまま、あるいは前記した製剤の形態で、又は該製剤から更に希釈して調製した施用形態、例えば、散布用調製液(ready−to−use solution)の形態で使用することができる。これらの形態のものは通常の方法、例えば、液剤散布(watering)、噴霧(spraying,atomizing)、散粒等の方法で育苗箱に施用することができる。
【0033】
本発明の組み合わせ組成物を育苗箱に施用するに際して、育苗箱の床土又は水稲種子を覆土する土に、該組成物を混合することができる。また、他の方法として、予め播種前に水稲種子を本発明の組み合わせ組成物で種子処理、例えば粉衣、コーティング等を行なっておき、育苗箱に播種し育苗し、本田移植後の病害虫防除を行なうという体系的な方法も、本発明は包含するものである。
【0034】
本発明の組み合わせ組成物の施用量を実質的な範囲で変えることができる。そして、その施用量は、概して、各有効成分の合計量として、育苗箱(30cm×60cm×3cm)当たり、1g〜6g、好ましくは、1.05g〜5gの範囲内とすることができる。
【0035】
本発明による組み合わせ組成物の優れた効果を以下の実施例により更に具体的に説明する。しかし、本発明はこれらのみに限定されるべきものではない。
【実施例】
【0036】
試験例1 水稲苗の強度及び生育試験
方法
水稲用標準育苗箱(30cm×60cm×3cm)に育苗用人口培土を約2.5l敷き詰め、催芽した種籾(品種・コシヒカリ)を播種した。潅水後、直ちに所定濃度になるように予め調製された各有効成分の粒状物を箱あたり50g均一に散粒し、育苗用人工培土1lにより覆土した。その後、育苗箱を加温出芽器に入れ、約30度で2日間保持した。出芽後、育苗用ビニールハウスに移動し、継続的に苗の生育程度を肉眼観察した。播種3週間後(移植適期)に、茎葉部および根部(いわゆるマット形成程度、特に箱底面、側面の発根量)を肉眼観察した。更に、箱苗の一部(10cm×10cm)を切り出し、この苗片の破断限界値を測定することで箱苗の強度を評価した。即ち、苗片の一方を固定し、もう一方をメカニカルフォースゲージを用い箱苗を徐々に引っ張り、苗片が破断した時の値を破断限界値(=引張強度)として測定した。肉眼観察による評価は3反復の平均値、破断限界値測定用苗片(10cm×10cm)は、各反復2ケ所ずつ合計6片を測定した平均の結果を第1表に示した。
肉眼観察の評価基準:
1=健全
2=極軽微な根の生育遅延がみられる
3=軽微な根の生育遅延がみられるが実用上問題なし
4=実用上やや問題となる根の生育遅延
5=実用上問題となる根の生育遅延
箱苗強度の評価基準:
無処理区におけるメカニカルフォースゲージによる引っ張り強度の平均値を100として、
1=95以上
2=90以上95未満
3=70以上90未満
4=50以上70未満
5=50未満
【0037】
【表1】

【0038】
試験例2 イネツトムシに対する防除効果試験
方法
水稲用標準育苗箱で栽培した移植適期のイネ(品種コシヒカリ)にイソチアニル2%(w/w)とフィプロニル1%(w/w)を含む粒剤組成物を箱あたり50g散布し、軽く潅水後直ちに田植え機を用いて移植した。現地の慣行に従って栽培管理し、移植70日後に各区600株について被害株数を計数した。
結果を第2表に示す。
【0039】
【表2】

【0040】
試験例3 イネいもち病に対する防除効果試験
方法
水稲用標準育苗箱で栽培した移植適期のイネ(品種ひとめぼれ)に試験例2と同様の粒剤組成物を箱あたり50g散布し、軽く潅水後直ちに田植え機を用いて移植した。現地の慣行に従って栽培管理し、移植72日後に各区120株について病斑面積率を調査した。結果を第3表に示す。
【0041】
【表3】

【0042】
製剤例1(微粒剤)
0.2−0.7mmの粒度分布を有する粘土鉱物粒 85.5重量部を容器回転型混合機に入れ、回転下に液体希釈剤 10重量部とともにイソチアニル 2重量部、フィプロニル 1重量部を噴霧し、ホワイトカーボン 1.5重量部を加え、微粒剤とする。
【0043】
製剤例2(微粒剤)
0.2−0.7mmの粒度分布を有する粘土鉱物粒 84.5重量部を容器回転型混合機に入れ、回転下に液体希釈剤 10重量部とともにイソチアニル 2重量部、フィプロニル 1重量部、イミダクロプリド 1重量部を噴霧し、ホワイトカーボン 1.5重量部を加え、微粒剤とする。
【0044】
製剤例3(顆粒状水和剤)
イソチアニル 30重量部、フィプロニル 15重量部、リグニンスルホン酸ナトリウム塩 15重量部、ナトリウムベントナイト(モンモリロナイト) 15重量部、焼成珪藻土粉末 15重量部及びタルク 10重量部を充分に混合し、これにポリオキシアルキレントリスチリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム塩 5重量部を含む水を加えて混練した後、0.5mmのスクリーンを装着した押し出し式造粒機で押出し、乾燥して顆粒状水和剤とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)イソチアゾール−5−カルボキサミドと、
(b)フィプロニル又はエチプロールを組み合わせて含んでなる殺菌殺虫組成物。
【請求項2】
(c)イミダクロプリド、チアクロプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、チアメトキサム、スピノサド、チフルザミド、フラメトピル、オリサストロビン及びBYF14182より成る群から選ばれる少なくとも1種を加えてなる請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
副次作用として植物生長促進作用を有する請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
植物生長促進作用が発根促進作用である請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
(a)成分1重量部に対しては、(b)成分を0.02〜3重量部の範囲内で配合してなる請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
(a)成分1重量部に対しては、(c)成分を0.5〜2重量部の範囲内で配合してなる請求項1、2又は5に記載の組成物。
【請求項7】
育苗箱に水稲種子を播種し、請求項1又は2に記載の組成物を覆土前に施用することからなる、本田移植後の病害虫を防除する方法。
【請求項8】
育苗箱の床土、又は水稲種子を覆土する土に、請求項1又は2に記載の組成物を混合することからなる、本田移植後の病害虫を防除する方法。

【公開番号】特開2008−100946(P2008−100946A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−284626(P2006−284626)
【出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】