説明

殺菌灯付きパスボックス及びその制御方法

【課題】 物品の全表面に対する適切な殺菌処理を容易に行い、殺菌処理時間の短縮を図り、しかも、構造が簡単で、メンテナンスが容易で、耐久性に優れたパスボックス及びその制御方法を提供する。
【解決手段】 所定雰囲気に設定された室内側と室外側とに面してそれぞれ扉を有する箱体からなり、該箱体を介して室内外間の物品の受け渡しを行うパスボックスであって、前記箱体の内面の6面側から前記物品に対して紫外線が照射されるように、前記6面側に前記物品から所定間隔を設けて配置した殺菌灯を備えるようにし、前記扉以外の箱体内部に設けられた前記殺菌灯への電流供給回路は、前記箱体と前記扉とが閉状態にある時に接する接点のみを介して、前記各扉に設けられた前記殺菌灯に対して電流を供給できるように構成し、前記両扉が閉状態にある時にのみ点灯できるように構成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定雰囲気に設定された室内側と室外側とに面してそれぞれ扉を有する箱体からなり、この箱体を介して室内外間の物品の受け渡しを行うパスボックスに関し、特に、パスボックス内の殺菌能力を向上させるようにした殺菌灯付きパスボックス及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品関係の製剤工場、研究所等のクリーンルームは、雑菌が外部から入らないように内部の圧力を陽圧に設定している。また、バイオハザード施設では、ハザード内の微生物を外部に出さないように内部の圧力を陰圧に設定している。このような圧力差が生じている内外間における物品の受け渡し時には、雑菌や微生物の出入を阻止するためにパスボックスが用いられる。
【0003】
従来のパスボックスは、クリーンルーム等を構成する側壁等の一部に設けられた箱体と、この箱体のクリーンルーム側及び外側にそれぞれ面した内扉及び外扉と、箱体内に設置された紫外線発光用の殺菌灯とによって概略構成される。そして、例えば、物品をクリーンルーム内へ搬入する場合では、内扉が閉じた状態で外扉を開けて物品を箱体内に入れ、外扉を閉じてから殺菌灯を駆動して箱体内に紫外線を照射し、所定時間経過後に殺菌灯の駆動を停止してから内扉を開けてクリーンルーム内に物品を取り出すといった手順により物品の搬入が行われる。これにより、箱体内の物品は紫外線の照射を受けて殺菌されてからクリーンルーム内に搬入され、雑菌が不用意にクリーンルーム内へ浸入することを防いでいる。また、クリーンルームから物品を取り出す場合は上記手順と逆の順序で行われる。
【0004】
従来のパスボックスは、紫外線照射用の殺菌灯が箱体の天井部や側壁部などの特定箇所に設置され、この特定箇所から箱体内に向けて紫外線を照射するように構成されている。物品を箱体内に入れた状態で殺菌灯を駆動しても、殺菌灯とは反対側の物品表面(いわゆる陰側表面)や箱体内に載せた面(いわゆる裏面)に紫外線が直接照射されないことになる。これを解消するために、箱体内に反射鏡を配置して紫外線の照射方向を変えることも考えられるが、物品の全表面に対して紫外線を適切に照射することは難しく、いずれにせよ物品に対する適切な殺菌処理が施されず、雑菌がクリーンルーム内に取り込まれ、クリーンルーム内が汚染される可能性が高いといった問題点を有している。
【0005】
また、従来のパスボックスのような紫外線の照射による殺菌は短時間で十分な滅菌効果を得ることが難しく、物品の適切な殺菌処理には長い時間が必要となるため、クリーンルーム内外間の物品の受け渡しに長い時間がかかり、物品の搬入及び搬出が不便となる。
【0006】
以上の問題点に対して、オゾンガスの殺菌効果に着目してこれをパスボックスに適用することにより、物品の全表面に対する適切な殺菌処理を容易に行い、クリーンルーム内の汚染を効果的に防止するとともに、殺菌処理時間の短縮を図ることができるパスボックスが、特許文献1で開示されている。ところが、オゾンガスは使用濃度によっては人体に対して悪影響を与えるため、使用後のガスの中和処理等の管理が必須であり、作業性・管理上の観点から現実には採用されていない。
【0007】
このため、現状では、パスボックス内の物品に対して、消毒剤を全面噴霧する湿式タイプの殺菌方法が採用されている。ところが、湿式タイプの殺菌方法には次のような短所がある。
(1)消毒液の管理が複雑であり、メンテナンスが大変で、例えば、(a)消毒液の処理が必要(b)付着消毒液の乾燥設備、付帯排気ダストの設置が必要(c)付帯設備が複雑で多数必要(d)部品交換頻度が多い(e)取り扱いが複雑(f)消毒液漏れ、漏電、空気漏れ等の安全対策が必要等の諸問題があること。
(2)箱体内での液漏れやそのためにドレンを設ける必要があるため、構造が複雑となり高価であること。
(3)箱体の内面の表面清浄化作業が大変であること。
【0008】
また、この種のパスボックスは、通常、ドアの蝶番の部分に配線を設けているため、ドアの開閉を何度も行うと、この配線部分が破断し、耐久性に問題があるという欠点がある。
【0009】
【特許文献1】特開平2000−254212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、以上の課題を解決するため、物品の全表面に対する適切な殺菌処理を容易に行い、殺菌処理時間の短縮を図り、しかも、構造が簡単で、メンテナンスが容易で、耐久性に優れたパスボックス及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上の目的を達成するため、本発明者等は鋭意検討の結果、前記箱体の内面の6面側から前記物品に対して紫外線が照射されるように、前記6面側に前記物品から所定間隔を設けて配置した殺菌灯を設けることで、前記目的を達成できることを知見した。また、このように6面に殺菌灯を設けた場合には、箱体内の殺菌灯の数が増え、しかも扉に設けた殺菌灯は扉を開けた際に箱体外に出現するため、全ての殺菌灯が両扉の閉時にのみ、点灯させる必要があり、このような点灯作動は、殺菌灯を両扉の閉状態においてのみ点灯するように制御し、両扉が閉状態にあるときに、扉以外の箱体内部に設けられた殺菌灯への電流供給回路から、扉と箱体との接点を介して電流を供給されるようにすることによってできることを知見した。
本発明のパスボックスはこれらの知見に基づきなされたもので、請求項1に記載の通り、所定雰囲気に設定された室内側と室外側とに面してそれぞれ扉を有する箱体からなり、該箱体を介して室内外間の物品の受け渡しを行うパスボックスであって、前記箱体の内面の6面側から前記物品に対して紫外線が照射されるように、前記6面側に前記物品から所定間隔を設けて配置した殺菌灯を備えるようにし、前記扉以外の箱体内部に設けられた前記殺菌灯への電流供給回路は、前記箱体と前記扉とが閉状態にある時に接する接点のみを介して、前記各扉に設けられた前記殺菌灯に対して電流を供給できるように構成し、前記両扉が閉状態にある時にのみ点灯できるように構成したことを特徴とする。
また、請求項2に記載の殺菌灯付きパスボックスは、請求項1記載の殺菌灯付きパスボックスにおいて、前記扉の内面側に設けられる前記殺菌灯以外の殺菌灯を、長手方向を前記物品の通過方向に揃え、該物品を取り囲むことができるトンネル状に配列したことを特徴とする。
また、請求項3に記載の殺菌灯付きパスボックスは、請求項1又は2に記載の殺菌灯付きパスボックスにおいて、前記箱体内の前記物品が載置される部分を透光性を有する部材で構成し、前記透光性を有する部材の下方に殺菌灯を設けるようにしたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の殺菌灯付きパスボックスは、請求項1乃至3の何れかに記載のパスボックスにおいて、前記箱体の天井部または/及び側部に吹出口を設け、ファンによりフィルタで清浄化された気流を、前記箱体に循環供給できるようにしたことを特徴とする。
また、本発明の殺菌灯付きパスボックスの制御方法は、請求項5に記載の通り、所定雰囲気に設定された室内側と室外側とに面してそれぞれ扉を有する箱体からなり、該箱体を介して室内外間の物品の受け渡しを行うパスボックスにおいて、前記箱体の内面の6面側から前記物品に対して紫外線が照射されるように、前記6面側に前記物品から所定間隔を設けて配置した殺菌灯を備えるようにし、前記扉以外の箱体内部に設けられた前記殺菌灯への電流供給回路は、前記箱体と前記扉とが閉状態にある時に接する接点のみを介して、前記各扉に設けられた前記殺菌灯に対して電流を供給できるように構成し、前記殺菌灯は、前記両扉の閉状態にのみ点灯されるように構成し、前記殺菌灯が点灯している間は、前記両扉の閉状態を維持できるようにロックすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
このように、本発明によれば所定雰囲気に設定された室内側と室外側とに面してそれぞれ扉を有する箱体からなり、該箱体を介して室内外間の物品の受け渡しを行うパスボックスであって、前記箱体の内面の6面側から前記物品に対して紫外線が照射されるように、前記6面側に前記物品から所定間隔を設けて配置した殺菌灯を備えるようにしたことを特徴とするため、箱体内に入れた物品はその全表面が確実に殺菌されるため、物品の全表面に対する殺菌処理を効率よく行うことができ、物品の全表面に対する殺菌処理を効果的かつ短時間で殺菌することができる。また消毒液を使用しないためメンテナンスが容易で、またオゾンガスを使用しないため、作業員の安全性が確保され、特別な中和装置の必要がないので、構造が簡単で安価なパスボックスを提供できる。また、前記両扉の閉状態のみに前記殺菌灯が点灯するように、扉以外の箱体内部に設けられた殺菌灯への電流供給回路から、扉と箱体との接点を介してのみ電流を供給されるようにして点灯されるようにしたので、簡単な回路構成で、両扉に殺菌灯を設けた場合でも、確実に両扉の閉状態でのみ通電されることを確実に行える。また、記箱体の天井部または/及び側部に吹出口を設け、ファンによりフィルタで清浄化された気流を、前記箱体に循環供給できるようにした場合、バクテリア等は塵埃に付着して生存するため、清浄な空気流でパスボックス内を清浄化して、前記殺菌処理と合わせて、物品への汚染を効率よく回避できる。
また、本発明の制御方法によれば、上記のパスボックスにおいて、殺菌灯が点灯中は両扉がロックされるため、より安全なパスボックスとすることができる。
【実施例】
【0013】
本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1は本発明のパスボックスの扉を開けた状態の正面側から見た拡大斜視図、図2は扉を閉じた状態の拡大正面図、図3は設置状態の側面図、図4は同平面図、図5は殺菌灯への電流の制御を示す説明図である。図3、図4によく示されるように、本実施例のパスボックス1は、所定雰囲気に設定された室内側としてのクリーンルーム2と、室外側としての一般室3との間の物品4の受け渡しを行うものであり、脚部材18を用いて側壁5に設置されている。ただし、本発明のパスボックス1は、クリーンルーム2と一般室3との間に設置されることに限定されず、例えば、所定ガス雰囲気に設定された室と一般室との間や、所定圧力雰囲気に設定された室と一般室との間に設置することも可能である。
【0014】
本実施例のパスボックス1は、箱体6のクリーンルーム2側にクリーンルーム側扉7を備えると共に一般室3側に一般室側扉8を備え、これら扉7、8は、閉状態をロックするロック機構9を備えた取っ手10を有し、更に、このロック機構9は両扉7、8の閉状態から何れか一方の扉のみ開けることを許容する選択的ロック解除機構11を備えている。この選択的ロック解除機構11により、両扉7、8が同時に開けられることを規制し、一般室3の雑菌がクリーンルーム2内に不用意に入り込むのを防止するようになっている。
【0015】
前記箱体6の内壁12の底面13側には透光性を有する部材としてスリット台14が設けられ、このスリット台14の上に物品4を載置自在としてある。このスリット台14の下方の底面13には、物品4の通過方向に長手方向を揃えた殺菌灯20、20が2本間隔を存して平行に配列して設けられている。また、内壁12の両側壁15、15の中央と、天井16の中央に各1本ずつ、殺菌灯20をその長手方向を物品4の通過方向に揃えて設けられている。かくして、底面13と両側壁15,15及び天井16側に設けられた5本の殺菌灯20は、前記物品4を取り囲むことができるトンネル状に配列されることとなる。これら5本の殺菌灯20によって前記物品4に対してその全面に確実に紫外線が照射されることとなる。
【0016】
また、本実施例では、両扉7、8の内面側にも、殺菌灯20、20を設けるようにした。前記内壁7は、前記殺菌灯20から照射された紫外線を反射させて、更に、殺菌の効率を向上させるために、ステンレス製部材で形成することが好ましい。尚、図5に示すように上記7本の殺菌灯20は、本体側の殺菌灯20を点灯するための電流供給回路が、前記各扉に設けられた殺菌灯20に対して、接点を介して通電できるように構成し、両扉7、8が閉められた状態の時のみに点灯するようにした。両扉7,8が閉められた状態の時のみ点灯する方法は、図示はしないが、例えば、両扉7,8の開閉状態を、下記の接点a,bの状態をセンサや通電の有無を監視し、接点a,bのいずれもが閉状態の時に、電流供給回路から電流を供給するようにする方法や、両扉7,8が閉状態であることを検知した後、両扉7,8をロックし、殺菌灯20を点灯し、前記殺菌灯20の点灯している間、両扉7,8の閉状態を維持する(ロックを解除しない)という方法により行うことが可能である。また、両扉7,8が閉められた状態で、且つ、クリーンルーム2側から一般室側3に物品の受け渡しを行う場合に限定して、殺菌灯20を点灯しないようにして節電をすることもできる。
前記各扉7,8の内側上方には各扉7、8側の殺菌灯20に連通される扉側の接点aが設けられ、また箱体6の天井側16の前記扉側の接点aに当接する位置にそれぞれ箱体側の接点bが設けられ、両扉7、8が閉められた状態、即ち、これら扉側接点a、aと箱体側接点b、bが全て接触した時のみに、扉7、8側の殺菌灯20に通電されるようにし、何れか一方の扉7、8が開いた状態では、箱体6内に出ている扉7、8側の殺菌灯20だけは絶対に紫外線を照射しないようにした。前記実施例では、箱体6内には5本の殺菌灯20を設け、各扉7、8には各1本の殺菌灯20を設けるようにしたが、それぞれ、更に殺菌灯2を設ける数を任意の数に増やして殺菌力を高めるようにすることができることは云うまでもない。
尚、上記接点を設ける位置については、扉7,8を蝶番等の開閉手段が設けられている位置以外とすることが好ましい。配線を複雑とすることなく、しかも、開閉動作の検知が容易になるからである。
【0017】
尚、前記実施例では、物品4と殺菌灯20との間に所定空間を保持するため、スリット台14を利用したが、この時、スリット台14の中央付近に物品4を載置するようにすれば、紫外線の直接光がより物品4の表面に均一に照射されることとなる。また、物品4を載置する台としては、必ずしも平板状のスリット台14に限定されるものでなく、クランプ金網、丸網棒製棚(ワイヤーラック)またはパンチング板の中央付近を凸状に形成するとともに前記凸部上に物品を載置できるように形成した架台とすれば、物品4と殺菌灯20との距離を等間隔にすることができ、天井面側の殺菌灯20と底面側の殺菌灯20からの紫外線の直接光がより均一に物品に照射されることになる。
【0018】
尚、扉7、8や箱体6の側面等に透明または半透明のガラス窓を設け、箱体6の内部を確認できるようにしてもよく、本実施例では、両扉7、8に窓17を設けるようにした。また、前記殺菌灯ランプ20としては波長253.7nmの紫外線を豊富に発生する殺菌ランプを使用することができるが、必ずしも前記したものに限定されるものではない。
【0019】
次に、本発明のパスボックス1の動作について説明する。一般室3側からクリーンルーム2に物品4を搬入するには、まず一般室側扉8を開けて室内のスリット台14上に前記物品4を載置する。この時、殺菌灯20は消灯状態となる。前記扉8を閉めると、トンネル状に配列された殺菌灯20と両扉7、8の内面側に設けられた殺菌灯20が点灯し、長手方向を物品の搬送方向に揃えられトンネル状に配列された5本の殺菌灯20のみでも十分に前記物品4の上下面、側周面全てに均一に紫外線が照射されて、前記物品4の表面または近傍のバクテリアを殺菌する。本実施例では両扉7、8の内面にも殺菌灯20が備えられているため、前記物品4の全周への紫外線の照射がより確実となる。次に、クリーンルーム側扉7を開錠して、前記扉7開けて、前記物品4をクリーンルーム2に搬入する。この時も殺菌灯20は消灯状態となる。
【0020】
次に、前記実施例であるパスボックスの6面全ての側から物品に対して紫外線を照射するものを実施例1とし、両扉7、8の内面側を除く内壁12の4面から物品に対して紫外線を照射するものを実施例2とし、これら実施例1、2の殺菌能力を比較例を用いて比較試験を行い、殺菌能力(時間、除菌効率等)を相対評価した。尚、比較例には、箱体の内壁の両側面のみから物品に対して紫外線を照射するパスボックスを使用した。この結果、実施例1のパスボックスでは、6つの内面側から紫外線を照射しているため、殺菌効果大で、かつ、紫外線照射のみでよかった。実施例2のパスボックスでも、実施例1と比べるとやや殺菌効果は若干落ち、殺菌に要する照射時間は実施例1の約1.5倍を必要としたが、4面側の殺菌灯が、前記物品に対して確実に紫外線が照射されるように、長手方向を前記物品の通過方向に揃えた殺菌灯で、該物品をトンネル状に取り囲むように設けられているため、優れた殺菌効果があった。これに対し、比較例1では、2面の照射だけのため、殺菌効果は落ちて、殺菌に要する照射時間は実施例1の3倍となる上、更に、物品の底面を消毒液処理する等により2次消毒する必要があった。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のパスボックスの一実施例の扉を開けた状態の正面側から見た拡大斜視図
【図2】同扉を閉じた状態の拡大正面図
【図3】同設置状態を示す側面図
【図4】同平面図
【図5】殺菌灯への電流の制御を示す説明図
【符号の説明】
【0022】
1 パスボックス
2 培地室
3 前処理室
4 物品
5 側壁
6 箱体
7 培地室側扉
8 前処理室側扉
9 ロック機構
10 取っ手
11 選択的ロック解除機構
12 内壁
13 底面
14 スリット台
15 側壁
16 天井
17 窓
18 脚部材
20 殺菌灯
a 扉側接点
b 箱体側接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定雰囲気に設定された室内側と室外側とに面してそれぞれ扉を有する箱体からなり、該箱体を介して室内外間の物品の受け渡しを行うパスボックスであって、前記箱体の内面の6面側から前記物品に対して紫外線が照射されるように、前記6面側に前記物品から所定間隔を設けて配置した殺菌灯を備えるようにし、前記扉以外の箱体内部に設けられた前記殺菌灯への電流供給回路は、前記箱体と前記扉とが閉状態にある時に接する接点のみを介して、前記各扉に設けられた前記殺菌灯に対して電流を供給できるように構成し、前記両扉が閉状態にある時にのみ点灯できるように構成したことを特徴とする殺菌灯付きパスボックス。
【請求項2】
前記扉の内面側に設けられる前記殺菌灯以外の殺菌灯を、長手方向を前記物品の通過方向に揃え、該物品を取り囲むことができるトンネル状に配列したことを特徴とする請求項1に記載の殺菌灯付きパスボックス。
【請求項3】
前記箱体内の前記物品が載置される部分を透光性を有する部材で構成し、前記透光性を有する部材の下方に殺菌灯を設けるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の殺菌灯付きパスボックス。
【請求項4】
前記箱体の天井部または/及び側部に吹出口を設け、ファンによりフィルタで清浄化された気流を、前記箱体に循環供給できるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の殺菌灯付きパスボックス。
【請求項5】
所定雰囲気に設定された室内側と室外側とに面してそれぞれ扉を有する箱体からなり、該箱体を介して室内外間の物品の受け渡しを行うパスボックスにおいて、前記箱体の内面の6面側から前記物品に対して紫外線が照射されるように、前記6面側に前記物品から所定間隔を設けて配置した殺菌灯を備えるようにし、前記扉以外の箱体内部に設けられた前記殺菌灯への電流供給回路は、前記箱体と前記扉とが閉状態にある時に接する接点のみを介して、前記各扉に設けられた前記殺菌灯に対して電流を供給できるように構成し、前記殺菌灯は、前記両扉の閉状態にのみ点灯されるように構成し、前記殺菌灯が点灯している間は、前記両扉の閉状態を維持できるようにロックすることを特徴とする殺菌灯付きパスボックスの制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate