説明

殺虫組成物

植物繁殖材料、植物、植物の一部及び/又は植物器官であって、遅れて生育するもの、における病害又は虫害を防除又は予防する方法であって、前記植物、植物の一部、又はその周囲に、例えば少なくとも3つの活性成分(成分(I)が1又は複数の−アゾール系殺真菌剤であり、成分(II)は1又は複数のフェニルアミド系殺真菌剤であり、成分(III)は1又は複数のストロビルリン系殺真菌剤及び/又は1又は複数のフェニルピロール系殺真菌剤である)を含んで成る殺虫剤の組み合わせを、任意の所望な順序で又は同時に施与することを含んで成る方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺虫活性成分の規定の組み合わせの使用、及びその組成物、並びに病害及び虫害、特に植物繁殖材料及びより遅れた時点で生育する植物器官におけるかかる害を、当該植物繁殖材料に化合物を施与することで制御又は予防する際の前記組み合わせの使用方法、に関する。
【0002】
病原及び害虫の防除のための活性成分の特定の組み合わせが文献中で説明されている。これらの既知の組み合わせの生物学的特性は、病害防除、薬害、並びに環境及び作業者の被爆等の面で完全に満足のいくものではない。特に、一旦病原が既知の組み合わせに対し抵抗性を持つか、又はその恐れがあるとき、防除又は予防の改良方法が求められる。
【0003】
植物繁殖材料(特に種子)を活性成分で保護することは、標的とする施与であり、これにより、単独で使用する場合、あるいは葉又は畝間(in−furrow)に活性成分を施与するのと併用する場合、環境及び作業者への被爆を軽減する必要が部分的に対処される。
【0004】
改良された殺虫剤の組み合わせ、特に、病害防除について、例えば生物学的特性、例えば相乗作用の改良をもたらす組み合わせを引き続き提供していく必要性がある。
【0005】
かかる必要性は、本発明に従い、本発明の殺虫剤の組み合わせの提供により解消される。従って、第一の観点において、本発明は、3つの活性成分を含んで成る、好ましくは本質的に3つの活性成分から成る、より好ましくは少なくとも3つの活性成分から成る、任意に1又は複数の常用の製剤助剤を含んで成る殺虫剤の組み合わせであって、成分(I)が1又は複数の−アゾール系殺真菌剤であり、成分(II)は1又は複数のフェニルアミド系殺真菌剤であり、成分(III)は1又は複数のストロビルリン系殺真菌剤及び/又は1又は複数のフェニルピロール系殺真菌剤である、組み合わせを提供する。
【0006】
−アゾール系殺真菌剤の例には、チアベンダゾール、オキスポコナゾール、イプコナゾール及びプロチオコナゾールがあり;特に好ましくはチアベンダゾール、イプコナゾール及びプロチオコナゾールである。
【0007】
フェニルアミド方の殺真菌剤の例にはメフェノキサム(メタラキシル−M)、メタラキシル、ベナラキシル、ベナラキシル−M、オキサジキシル及びフララキシルが含まれる。特に好ましいフェニルアミド型殺真菌剤は、メフェノキサム(メタラキシル−M)、メタラキシル、ベナラキシル、ベナラキシル−Mである。
【0008】
ストロビルリン殺真菌剤の例には、アゾキシストロビン、ピコキシストロビン、メトミノストロビン、ピラクロストロビン、ファモキサドン、フェナミドン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、及びトリフロキシストロビンがある。特に好ましいストロビルリン型殺真菌剤は、アゾキシストロビン、トリフロキシストロビン、フルオキサストロビン、ピコキシストロビン、及び、クレソキシム−メチルである。
【0009】
フェニルピロール系殺真菌剤の例には、フェンピクロニル及びフルジオキソニルがあり;特に好ましくはフルジオキソニルである。
【0010】
前記組み合わせはそれぞれ、化合物単独の活性と比較して相乗活性を示す。
【0011】
第二の観点において、本発明は、植物繁殖材料、植物、植物の一部及び/又は植物器官であって、遅れて生育するもの、における病害又は虫害を防除又は予防する方法であって、前記植物、植物の一部、又はその周囲に、第一の観点で定義したような組み合わせを、任意の所望な順序で又は同時に施与することを含んで成る方法、を提供する。
【0012】
第三の観点において、本発明は、植物繁殖材料、植物、植物の一部及び/又は植物器官であって、遅れて生育するものを、前記植物、植物の一部、又はその周囲に対し第一の観点で定義したような組み合わせを任意の所望な順序で又は同時に施与することより、病害又は虫害から保護する方法、を提供する。
【0013】
本発明はまた、第一の観点で定義したような組み合わせで処理した植物繁殖材料に関する。
【0014】
更に、ある態様において、本発明は、(i)植物繁殖材料、例えば種子を、第一の観点で定義したような殺虫剤の組み合わせで処理すること、及び(ii)処理済みの植物繁殖材料を栽植又は播種すること、を含んで成り、前記組み合わせが処理済みの植物繁殖材料、処理済みの植物繁殖材料から生育した植物の一部及び/又は植物の病害又は虫害から防護する、方法、に関する。
【0015】
また、ある態様において、本発明は、(i)植物繁殖材料、例えば種子を、第一の観点で定義したような殺虫剤の組み合わせで処理すること、(ii)処理済みの植物繁殖材料を栽植又は播種すること、及び(iii)処理済みの植物繁殖材料、処理済みの植物繁殖材料から生育した植物の一部及び/又は植物の、病害又は虫害からの保護を達成すること、を含んで成る方法を提供する。
【0016】
本発明の任意の観点の好ましい態様において、各組み合わせは、(I)、(II)及び(III)を含んで成る組成物、好ましくは(I)、(II)及び(III)の組成物であり、そして任意に常用の製剤助剤を含んで成る。
【0017】
第一の観点で定義されている成分(I)、(II)及び(III)は、農薬産業で使用するための活性成分(殺虫剤としても知られているもの)である。それらの構造の説明は、他の殺虫剤(例えば、殺真菌剤、殺昆虫剤、殺線虫剤)と同様に、e- Pesticide Manual, version 3.1 , 13th Edition, Ed. CDC Tomlin, British Crop Protection Council, 2004-05で見ることができる。
【0018】
本文での文脈における防除、保護又は防除及びその変化形は、任意な不所望の効果、例えば、植物、当該植物の一部又は植物繁殖材料に対する、
−病原性の、例えば植物病原性の、特に真菌からの、被害又はそれらの攻撃、及び
−病害又は虫害
を、改良が示される程度に軽減することを意味する。
【0019】
本発明の殺虫剤の組み合わせは、(i)病原性の、特に植物病原性の、特に真菌からの、被害又はそれらの攻撃であって、植物に疾患及び損傷をもたらすもの、及び/又は(ii)害虫の攻撃又はそれらによる損害;特に、植物の場合において、本発明は、種子、植物の一部及び/又は処理済みの種子から生育した植物に対して病害及び/又は虫害の防除又は予防をすることができる。
【0020】
これらの特性は、例えば化合物(I)、(II)及び(III)の組み合わせの相乗的に増強された作用であり、これらは病害及び/又は虫害の軽減、施与量の軽減、あるいは作用期間の長期化、をもたらしている。農業の場合においては、作用の増強は、例えば病原菌による被害及び/又は虫害の防除の予想される防除よりも高い防除により、植物の生育特性の向上を示すことでわかる。
【0021】
植物の生育する特性(又は生育特性)の向上は、多数の異なる様式で顕在化することがあるが、最終的にはそれは植物のより良い生産物をもたらす。それは、例えば、当該植物の収量及び/又は強勢あるいは当該植物から収穫した生産物の品質を向上させることで顕在化することがあるが、病気及び/又は害虫の防除と結びついていないこともある。
【0022】
本明細書で使用する場合、植物の「収量の向上」なる用語は、当該植物の生産物の収量が、対象の方法を施与しないことを除き同一の条件下で生産される植物の同一の生産物の収量よりも、測定可能な量増大することに関連している。好ましくは、収量は少なくとも約0.5%増大し、より好ましくは、当該増大は少なくとも約1%であり、より更に好ましくは2%、そしてまた更に好ましくは約4%、あるいはそれ以上である。収量は、幾つかの基準で、植物の生産物の重量又は容積による量で表現することができる。この基準は、時間、栽培面積、生産される植物の重量、使用する原材料の量等の観点で表現することができる。
【0023】
本明細書で使用する場合、植物の「強勢の向上」は、強勢の格付け、又はスタンド(単位面積当たりの植物の数)、又は植物の高さ、植物キャノピー、又は実際の外観(例えばより緑色の葉の色)、又は根の格付け、又は出芽、又はタンパク質含量、又は分げつの増大、又はより大きな葉身、又は枯れた根出葉がより少ないこと、又はより力強いひこばえ(tiller)、必要とされる肥料がより少ないこと、又は必要とされる種子がより少ないこと、又はひこばえがより生産性があること、又は開花期がより早いこと、又は穀類の成熟度が早いこと、又は植物バース(plant verse)(倒伏)がより低いこと、又はシュート生長の増大、又はより早期の発芽、あるいはこれらの因子の任意の組み合わせ、あるいは当業者によく知られているこれ以外の任意な利点に関連しており、これは、対象の方法を施与しないことを除き同一の条件下で生産される植物の同一の因子よりも測定可能又は認識可能な量による。
【0024】
本発明が植物の「収量及び/又は強勢を向上する」ことができると言われる場合、本発明の方法は、植物の、上述の収量、又は強勢、あるいは植物の収量及び強勢の両方の増大をもたらす。
【0025】
従って、本発明はまた、植物の生育特性を向上させる方法であって、当該植物、及び/又は植物の一部に対し、前記第一の観点で定義したような組み合わせを、任意の所望な順序で又は同時に施与することを含んで成る方法、を提供する。
【0026】
好ましい態様において、(I)チアベンダゾール、(II)メフェノキサム及び(III)フルジオキソニル;(I)チアベンダゾール、(II)メフェノキサム並びに(III)フルジオキソニル及びアゾキシストロビン;(I)チアベンダゾール、(II)メタラキシル及び(III)トリフロキシストロビン;(I)チアベンダゾール及びイプコナゾール、(II)メタラキシル及び(III)トリフロキシストロビン;(I)チアベンダゾール、(II)ベナラキシル及び(III)トリフロキシストロビン;(I)チアベンダゾール、(II)ベナラキシル及び(III)トリフロキシストロビン;(I)チアベンダゾール及びイプコナゾール、(II)ベナラキシル及び(III)トリフロキシストロビン;(I)チアベンダゾール及びプロチオコナゾール、(II)メタラキシル及び(III)トリフロキシストロビン;(I)チアベンダゾール及びプロチオコナゾール、(II)ベナラキシル及び(III)トリフロキシストロビン;(I)チアベンダゾール及びプロチオコナゾール、(II)メタラキシル及び(III)フルオキサストロビン;(I)チアベンダゾール及びプロチオコナゾール、(II)ベナラキシル及び(III)フルオキサストロビン;(I)プロチオコナゾール、(II)メタラキシル及び(III)フルオキサストロビン;(I)プロチオコナゾール、(II)ベナラキシル及び(III)フルオキサストロビン;(I)プロチオコナゾール、(II)メタラキシル及び(III)トリフロキシストロビン;(I)プロチオコナゾール、(II)ベナラキシル及び(III)トリフロキシストロビン、を含んで成る組み合わせが好ましい。
【0027】
(a)チアベンダゾール、メタラキシル、及びペンシクロン:(b)チアベンダゾール、イプコナゾール、メタラキシル、及びペンシクロン;又は(c)チアベンダゾール、ペンシクロン及びプロパモカルブ、を含んで成る組み合わせも、本発明の追加の観点において、植物、植物の一部、又はその周囲に、任意の所望の順序で又は同時に施与した場合、植物繁殖材料、より遅い時点で生育するその植物、及び/又は植物器官における病害を防除又は予防することが分かっている。
【0028】
本発明の組み合わせはそれぞれ、植物への病気の蔓延及び/又は虫害を防除又は予防するために、農業部門及び関連の使用分野において使用することができる。
【0029】
本発明の組み合わせはそれぞれ、植物病原性真菌、特に植物で発生するもの、例えば、種子伝染性真菌及び以下の綱に属するものである:子嚢菌綱(Ascomycetes) 〔例えば、ペニシリウム属 (Penicillium)、ムギ類立枯病菌 (Gaeumannomyces graminis)〕;担子菌綱(Basidiomycetes)〔例えば、ヘミレイア(Hemileia)属、リゾクトニア (Rhizoctonia) 属、プシニア(Puccinia)属〕;不完全菌綱(Fungi imperfecti)〔例えば、ボトリチス(Botrytis) 属、ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)属、リンコスポリウム(Rhynchosporium ) 属、フザリウム(Fusarium)属、セプトリア(Septoria)属、セルコスポラ(Cercospora)属、アルテリナリア(Alternaria)属、ピリキュラリア(Pyricuralia) 属及びシュードセルコスポーラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides) 〕;卵菌綱(Oomycetes) 〔例えば、エキビョウキシ(Phytophthora)、ツユカビ(Peronospora) 、ラッパツユカビ(Bremia)、フハイカビ(Pythium) 、タンジクツユカビ(Plasmopara)〕;接合菌綱(Zygomycetes) 〔例えば、クモノスカビ種 (Rhizopus spp.)。ある組み合わせが特にアルテリナリア(Alternaria)種、アスペルギルス(Aspergillus)種、麦類麦角病菌 (Claviceps purpurea)、コチリオボラス(Cochliobolus)種、コレトトリクム (Colletotrichum)種、ディプロディア・マイディス (Diplodia maydis)、うどんこ病 (Erysiphe graminis)、フザリウム (Fusarium)種 (例えば、フザリウム・カルモラム(Fusarium culmorum)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)、フザリウム グラミネアラム(Fusarium graminearum)及びフザリウム・モニリフォルメ(Fusariummoniliforme))、ムギ類立枯病菌 (Gaeumannomyces graminis)、イネ馬鹿苗病菌(Giberella fujikuroi)、赤カビ病菌 (Giberella zeae)、ヘルミンソスポリアム・グラミネアラム (Helminthosporium graminearum)、紅色雪腐病菌(Monographella nivalis)、プクシニア (Puccinia)種、ピレノフォラ(Pyrenophora)種 (例えば、オオムギ斑葉病菌(Pyrenophora graminea)、ペロノスクレロスポラ (Peronosclerospora)種、ペロンスポラ (Peronspora)種、〕アジア型ダイズさび病菌(Phakopsora pachyrhizi)、フィチウム (Phythium)種、フォマ(Phoma)種、フォモシス (Phomopsis)種、イネ紋枯病菌(Rhizoctonia solani)、セプトプリア (Septoria)種、 シュードモナス (Pseudocercosporella)種、チレチア (Tilletia)種、リゾプス (Rhizopus)種、タイフラ (Typhula) 種、ウスチラゴ (Ustilago)種、スファセロセラ (Sphacelotheca)種 (例えば、スファセロセラ・レイルリアニ (Spacelotheca reilliani)、サナテフォラス・ククメリス (Thanatephorus cucumeris)、及びベルチシリウム (Verticillium)種。
【0030】
本発明の組み合わせは、フザリウム、フハイカビ及びリゾクトニア属の真菌病原体に対して特に有効である。
【0031】
本発明の組み合わせは、特定の用途のために製剤化することができる。好ましくは、当該組み合わせは、栽培植物又はそれらの繁殖材料を保護するために製剤化される。従って、本発明の組み合わせは、常用の方法で、例えば葉面散布で植物に対し施与することができる。有利には、前記組み合わせは、農業及び/又は林業で見られ、且つ植物の発達の初期段階で植物に特に損害を与えうる、害虫及び/又は病原による損害を防除又は予防するための種子処理施与のために製剤化される。
【0032】
更に、本発明はまた、本発明の組み合わせを土壌に施与して、土壌に住む害虫及び/又は土壌に介在する病原を防除することも想定している。土壌に対する施与方法は、任意の適当な方法であって、前記組み合わせが土壌に浸透することを保障する方法、例えば苗トレー施与、畝間施与、土壌ドレンチ、土壌注入、細流かんがい、スプリンクラー又は中心枢軸を経由した施与、土壌への組み込み(全面又は一部)を通じてなされることがある。
【0033】
本発明の利点は、(i)植物繁殖材料をある組み合わせで処理するか、又は(ii)防除が望まれる場所、通常栽植部位に、前記組み合わせを施与するか、あるいは(i)及び(ii)の両方により達成することができる。
【0034】
用語「植物繁殖材料」は、植物における生殖力があるあらゆる部分、例えば種子を意味しており、これはその後の生長力のある植物材料、例えば挿し木及び塊茎(例えば、ジャガイモ)の複製に使用することができる。例えば、種子(厳密な意味でのもの)、根、果実、塊茎、球根、根茎、植物の一部を挙げることもできる。発芽後又は土壌から出芽後に移植されうる、発芽した植物及び若い植物も挙げることができる。これらの若い植物は、浸漬による全体的又は部分的な処理によって移植前に保護することができる。
【0035】
遅れて生育する植物の一部及び植物器官は、植物繁殖材料、例えば種子から発生する植物の任意の箇所である。植物の一部、植物器官、及び植物はまた、植物繁殖材料に対する前記組み合わせの施与によって達成される病害及び/又は虫害からの保護について恩恵を受けることができる。ある態様において、遅れて生育する植物の特定の一部及び特定の植物器官はまた、植物繁殖材料とみなすこともでき、これは、それら自身が前記組み合わせを施与(又は当該組み合わせで処理)されることがあり;その結果、当該植物、更には当該植物の一部及び更には処理済みの植物の一部及び処理済みの植物器官から発生する植物器官も、植物の特定の一部に対する前記組み合わせの施与によって達成される病害及び/又は虫害からの保護について恩恵を受けることができる。
【0036】
殺虫性の活性成分及びそれらの混合物を植物繁殖材料、特に種子に施与又は処理する方法は当業界で知られており、植物繁殖材料のドレッシング、コーティング、ペレッティング及びソーキングによる施与方法がある。
【0037】
活性成分は、常用の処理技術及び機械、例えば流動床技術、ローラーミル法、rotostaticのシードトリーター、及びドラムコーターを用いて種子に施与することができる。他の方法、例えば噴流層も有用な場合がある。種子は、コーティング前にプレサイジングされることがある。コーティング後、種子は典型的に乾燥され、そしてサイジングのためにサイジング機に移される。かかる手順は当業界で知られている。
【0038】
好ましい態様において、かかる組み合わせは、発芽が誘導されないような方法により、植物繁殖材料に対し施与又は処理され;通常、浸種により発芽が誘導され、これは、生じた種子の水分含量が高すぎるためである。従って、植物繁殖材料、例えば種子に施与(又は処理)を行うのに適した方法の例は、種子ドレッシング、種子コーティング又は種子ペレッティング等である。
【0039】
好ましくは、植物繁殖材料は種子である。本発明の方法は、あらゆる生理状態で種子に施与可能であると考えられるが、種子は、処理工程の間損害を招かない十分に耐久性のある状態のものであることが好ましい。典型的に、種子は、畑から収穫された種子;植物から取り出された種子;及び任意の穂軸、茎、外側の殻、及び周辺の果肉(pulp)又は他の種子以外の植物材料から分離された種子であろう。当該種子は、好ましくは、前記処理が種子に全く損傷をもたらさない程度に更に生理学的に安定であろう。前記処理は、種子の採集と播種の間又は播種工程の間のいずれの時期にでも種子に施与することができると考えられる(種子向きの施与)。種子は、処理の前又は後のいずれかに下塗り(prime)されることもある。
【0040】
活性成分を配分したり、それらを種子に付着させることも、前記繁殖材料、例えば種子の処理の間、望まれることである。当該処理は、植物繁殖材料、例えば種子上の活性成分を含む製剤の薄膜(ドレッシング)(ここで、本来のサイズ及び/又は形状は認識可能)から中間状態(例えばコーティング)、そして厚膜(例えば、異なる材料(例えば担体、例えば粘土;異なる製剤、例えば他の活性成分の製剤;ポリマー;及び着色剤)による多数の層)(種子の本来の形状及び/又はサイズはもはや認識できない)に及ぶことがある。
【0041】
種子の処理は、蒔かれていない種子に行われ、そして用語「蒔かれていない種子」とは、種子の採集と種子の播種との間の任意な時期における、植物の発芽及び生長のために地中にある種子を含むことを意味する。
【0042】
蒔かれていない種子に対する処理は、殺虫剤が土壌に施与される慣行のものを含むことを意味するものではなく、栽植工程の間に種子を標的とするあらゆる施与で慣行されているものを含むことを意味する。
【0043】
好ましくは、前記処理は種子の播種の前に行われ、その結果播種された種子は前記組み合わせで予め処理されている。特に、種子コーティング又は種子ペレッティングが本発明の組み合わせの処理において好ましい。処理の結果として、前記組み合わせにおける活性成分は、種子上に付着され、そしてそれにより虫害防除及び/又は病害防除に利用可能となる。
【0044】
処理された種子は、それ以外の活性成分で処理した種子と同様に保存され、取り扱われ、蒔かれ、そして耕されることがある。
【0045】
本発明の組み合わせは、作物:穀草(小麦、大麦、ライ麦、オート麦、トウモロコシ、イネ、ソルガム、モロコシ及び関連作物);ビート(砂糖ビート及びフォダービート);マメ化植物(ソラマメ、レンズマメ、エンドウマメ、ダイズ);油脂植物(アブラナ、カラシ、ヒマワリ);ウリ科植物(マロー、ウリ、メロン);繊維植物(綿花、亜麻、麻、黄麻);野菜(ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、パプリカ);及び観用植物(花卉、低木、灌木、広葉樹と緑葉樹、例えば針葉樹)、に適している。特に適しているのは小麦、大麦、ライ麦、オート麦、モロコシ、トウモロコシ、及びダイズであり;各組み合わせは、トウモロコシ及びダイズの収穫に有利に好ましい。
【0046】
適当な標的作物はまた、前述の型のトランスジェニック作物を含む。本発明に従い使用されるトランスジェニック作物は、それらが、例えば毒素を産生する無脊椎動物、特に節足動物門の無脊椎動物に由来する毒素、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)から得られることができる毒素;又は植物由来の既知の毒素、例えばレクチン、例えば、既知の選択的に作用する毒素、を合成することができるように、組換えDNA技術によって形質転換されている植物、又はその繁殖材料であり;あるいは、除草剤又は殺真菌剤耐性を発現することができるものである。かかる毒素の例、あるいはそのような毒素を合成することができるトランスジェニック植物の例は、例えばEP−A−0 374 753、WO93/07278、WO95/34656、EP−A−0 427 529及びEP−A−451 878において開示されており、これらは本願において引用により組み込まれる。
【0047】
従って、本発明の組み合わせによって処理される植物繁殖材料は、病害及び/又は虫害に抵抗性があり;それにより、本発明はまた、前記組み合わせで処理される病害及び/又は虫害抵抗性植物繁殖材料を提供し、そしてその結果少なくともその活性成分は当該植物繁殖材料、例えば種子上に付着される。
【0048】
種子処理の組み合わせ及び組成物は、追加の活性化合物を含んで成ることもあり、あるいは、それと一緒に、そして/あるいは連続して施与してもよい。これらの追加の化合物は、他の殺虫活性成分、肥料又は微量栄養素ドナー、あるいは植物の生育に影響を及ぼす他の調製物、例えば接種原であってもよい。
【0049】
一つの殺虫活性成分が複数の害虫防除の分野で活性を有することがあり、例えば殺虫剤が殺真菌活性、殺虫活性及び殺線虫活性、を有することがある。具体的に、アルジカルブは、殺虫活性、ダニ駆除活性及び殺線虫活性について知られており、一方、メタムは、殺虫活性、除草活性、殺真菌活性及び殺線虫活性について知られており、チアベンダゾール及びカプタンは、殺線虫活性及び殺真菌活性を提供しうる。
【0050】
本発明の組み合わせは、他の殺虫剤、例えば他の殺真菌剤、殺昆虫剤及び殺線虫剤と混合してもよい。
【0051】
適当な例には、トリアゾール誘導体、ストロビルリン、カルバメート(例えばチオカルバメート)、N−トリハロメチルチオ化合物(カプタン)、置換ベンゼン、カルボキサミド、及びそれらの混合物;並びにネオニコチノイド、カルバメート、ピレスロイド及びそれらの混合物、を含む。
【0052】
好ましい態様において、(I)チアベンダゾール、(II)メフェノキサム及び(III)フルジオキソニル、を含んで成る組み合わせは、更に、チアメトキサムを含んで成り;(I)チアベンダゾール及びイプコナゾール、(II)メタラキシル並びに(III)トリフロキシストロビン、を含んで成る組み合わせは、更にカプタンを含んで成り;(I)チアベンダゾール、(II)メフェノキサム及び(III)アゾキシストロビン、を含んで成る組み合わせは、更にチアメトキサムを含んで成る。
【0053】
いずれにしても、本発明の組み合わせは更に、化合物(II)のような殺真菌剤以外の殺虫剤(例えばアバメクチン、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム、テフルトリン、ラムダ−シハロトリン)を含み、その結果、かかる組み合わせの殺虫スペクトルが広がり、防除、例えば線形動物門(Nematoda)、昆虫綱(Insecta)及びクモ綱(Arachnida)を含む。その場合、かかる組み合わせは、虫害を防除又は予防し、そして所望の材料(例えば植物及び植物の一部)を虫害から保護するために害虫に施与することができる。害虫の例には:
鱗翅目(order Lipidoptera) から、例えば、アクレリス種(Acleris spp.)、アドキソフィエス種(Adoxophyes spp.)、アエゲリア種(Aegeria spp.)、アグロチス種(Agrotis spp.)、アラバマ アルギラケエ(Alabama argillaceae)、アミロイス種(Amylois spp.)、アンチカルシア ゲマタリス(Anticarsia gemmatalis)、アルチプス種(Archips spp.)、アルギロテニア種(Atgyrotaenia spp.)、アウトグラファ種(Autographa spp.)、ブッセオラ フスカ(Busseola fusca)、カドラ カウテラ(Carda cautella)、カルポシナ ニッポネンシス(Carposina nipponensis)、チロ種(Chilo spp.)、コリストネウラ種(Choristoneura spp.)、クリシア アムビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロクロシス種(Cnaphalocrosis spp.)、クネファジア種(Cnephasia spp.)、コクリス種(Cochylis spp.)、コレオフォラ種(Coleophora spp.)、クロシドロミア ビノタリス(Crocidolomia binotalis)、クリプトフレビア レウコトレタ(Cryptophlebia leucotreta)、クリソデイキシス・インクルデンス(Crysodeixis includens)、シジア種(Cydia spp.)、ジアトレア種(Diatraea spp.)、ジパロプシス カスタネア(Diparopsis castanea)、エアリアス種(Earias spp.)、エラスモパルプス種 (Elasmopalpus spp.)、エフェスチア種(Ephestia spp.)、オイコスマ種(Eucosma spp.)、オイペシリア アムビグエラ(Eupoecillia ambiguella)、オイプロクチス種(Euproctis spp.)、オイキソア種(Euxoa spp.)、グラホリタ種(Grapholita spp.)、ヘジア ヌビフェラナ(Hedya nubiferana)、ヘリオチス種(Heliothis spp.)、ヘルラ ウンダリス (Hellula undalis.)、ヒファントリア クネア(Hyphantria cunea)、ケイフェリア リコペルシセラ(Keiferia lycopersicella)、ロイコプテラ シテラ(Leucoptera scitella)、リトコレシス種(Lithocollethis spp.)、ロベシア ボトラナ(Lobesia botrana)、ルマントリア種(Lymanthria spp.)、リオネチア種(Lyonetia spp.)、マラコゾーマ種(Malacosoma spp.)、マメストラ ブラッシケ(Mamestra brassicae)、マンドカ セクスタ(Manduca sexta) ,オペロフテラ種(Operophtera spp.)、オストリニア ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)、パメネ種(Pammene spp.)、パンデミス種(Pandemis spp.)、パノリス フラメア(Panolis flammea)、ペクチノフォーラ ゴシッピェラ(Pectinophora gossypiella)、フトリメア オペルクエラ(Phthorimaea operculella)、ピエリス ラパエ(Pierisrapae)、ピエリス種(Pieris spp.)、プルテラ キシロステラ(Plutella xylostella)、プレイス種(Prays spp.)、シルポファガ種(Scirpophaga spp.)、セザミア種(Sesamia spp.)、スパルガノチス種(Sparganothis spp.)、スポドプテラ種(Spodoptera spp.)、シナンテドン種(Synanthedon spp.)、タウメトペア(Thaumetopoeaspp.)、トルトリックス種(Tortrix spp.)、トリコプルシア ニ(Trichoplusia ni) 及びウポノモイタ種(Yponomeuta spp.);
【0054】
鞘翅目(order Coleoptera)から、例えば、アグリオテス種(Agriotes spp.)、アントノムス種(Anthonomus spp.)、アトマリア リネアリス(Atomaria linearis)、セウトリンクス種 (Ceutorhynchus spp.)、ケトクネマ チビアリス(Chetocnema tibialis)、コスモポリテス種(Cosmopolites spp.)、クルクリオ種(Curculio spp.)、デルメステス(Dermestes spp.)、ジアブロチカ種(Diabrotica spp.)、エピラクナ種(Epilachna spp.)、エレムヌス種(Elemnus spp.)、ゴノセファルム種(Gonocephalum spp.)、ヘテロニクス種(Heteronychus spp.)、レプチノタルサ デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リッソルホプトルス種(Lissorhoptrus spp.)、メロロンタ種(Melolontha spp.)、オリゼフィルス種(Oryzaephilus spp.)、オチオリンクス種(Otiorhynchus spp.)、フリクチヌス種(Phlyctinus spp.)、フィロトレタ種(Phyllotreta spp.)、ポピッリア種(Popillia spp.)、プロトストロファス種(Protostrophus spp.)、プシリオデス種(Psylliodes spp.)、リゾペルタ種(Rhizopertha spp.)、スカラベイダエ(Scalabeidae)、シトフィルス種(Sitophilus spp.)、シトトロガ種(Sitotroga spp.)、テネブリオ種(Tenebrio spp.)、トリボリウム種(Tribolium spp.) 及びトロゴデルマ(Trogoderma spp.) ;
【0055】
直翅目(order Orthoptera)から、例えば、ブラッタ種(Blatta spp.)、ブラッテラ種(Blattella spp.)、グリッロタルパ種(Gryllotalpa spp.)、ロイコフェアマデレ(Leucophaea maderae)、ロクスタ種(Locusta spp.)、ペリプラネタ種(Periplaneta spp.)及びシストセルカ種(Schistocerca spp.)、
【0056】
等翅(シロアリ)目(order Isoptera)から、例えば、レチクリテルメス種(Reticulitermes spp.)、
チャタテムシ目(order Psocoptera)から、例えばリポセリス種(Liposcelisspp.)、
ノミ目(order Anoplura)から、例えば、ハエマトピナス種(Haematopinus spp.)、リノグナツス種(Linognathus spp.)、ペジクルス(Pediculus spp.)、ペムフィグス(Pemphigus spp.)、及びフィロキセラ種(Phylloxera spp.)、
【0057】
食毛目(order Mellophaga)から、例えば、ダマリネア種(Damalinea spp.)及びトリコデクテス種(Trichodectes spp.) ;
総翅目(order Thysanoptera)から、例えば、フランクリニエラ種(Frankliniella spp.)、ヘルキノトリップス種(Hercinothrips spp.)、タエニオトリップス種(Taeniothrips spp.)、トリップス パルミ(Thrips palmi)、トリップス タバキ(Thrips tabaci) 及びシルトトリップス アウランチイ(Scirtothrips aurantii) ;
異翅目(order Heteroptera) から、例えば、ジセロプス メラカンタス(Dichelops melacanthus)、ジスタンチエラ テオブロマ(Distantiella theobroma)、ジスデルクス(Dysdercus spp.)、オイキスツス種(Euchistus spp.)、オイリガステル種(Eurygaster spp.)、レプトコリサ種(Leptocorisa spp.)、ネザラ種(Nezara spp.)、ピエスマ種(Piesma spp.)、ロドニウス種(Rhodnius spp.)、ザールベルゲラ シングラリス(Sahlbergella singularis)、スコチノファラ種(Scotinophara spp.)、及びトリアトマ種(Triatoma spp.) ;
【0058】
同翅目(order Homoptera) から、例えば、アロイロスリキスス フロッコスス(Aleurothrixus floccosus)、アレイロデス ブラッシカエ(Aleyrodes brassicae)、アオニジエラ種(Aonidiella spp.)、アフィジダエ(Aphididae)、アフィス種(Aphis spp.)、アスピジオツス種(Aspidiotus spp.)、ベミシア タバキ(Bemisia tabaci)、ケロプラステル種(Ceroplaster spp.)、クリソムファルス アオニジウム(Chrysomphalus aonidium)、クリソムファルス ジクチオスペルミ(Chrysomphalus dictyospermi)、コッカス ヘスペリズム(Coccus hesperidum) 、エムポアスカ種(Empoasca spp.)、エリオゾマ ラリゲルム(Eriosoma larigerum)、エリトロノイラ種(Erythroneura spp.)、ガスカルジア種(Gascardia spp.)、ラオデルファックス種(Laodelphax spp.)、レカニウム コルニ(Lecanium corni)、レピドサフェス種(Lepidosaphes spp.)、マクロシフス種(Macrosiphus spp.)、ミズス種(Myzus spp.)、ネホテチックス種(Nephotettix spp.)、ニラパルバータ種(Nilaparvata spp.)、パラトリア種(Paratoria spp.)、ぺムフィグス種(Pemphigus spp.)、プラノコックス種(Planococcus spp.)、プシューダウラカスピス種(Pseudaulacaspis spp.)、プシュードコッカス種(Pseudococcus spp.)、プシラ種(Psylla spp.)、プルビナリア エチオピカ(Pulvinaria aethiopica) 、クアドラスピジオツス種(Quadraspidiotus spp.)、ローパロジフム種(Rhopalosiphum spp.)、ザイセッチア種(Saissetia spp.)、スカフォイデウス種(Scaphoideus spp.)、シザフィス種(Schizaphis spp.)、シトビオン種(Sitobion spp.)、トリアロイロデス ヴァポラリオルム種(Trialeurodes spp.)、トロイザ エルトレエ(Troiza erytreae) 及びウナスピス シトリ(Unaspis citri);
【0059】
膜翅目(order Hymenoptera) から、例えば、アクロミルメックス(Acromyrmex)、アタリア ロサエ(Athalia rosae)、アッタ種(Atta spp.)、セフス種(Cephus spp.)、ジプリオン種(Diprion spp.)、ジプリオニデ(Diprionidae)、ギルピニア ポリトマ(Gilpinia polytoma)、ホプロカンパ種(Hoplocampa spp.)、ラジウス種(Lasius spp.)、モノモリウム ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ネオジプリオン種(Neodiprion spp.)、ソレノプシス種(Solenopsis spp.)、及びベスパ種(Vespa spp.);
【0060】
双翅目(order Diptera) から、例えば、アンテリゴナ ソカッタ(Antherigona soccata)、ビビオ ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、セラチチス種(Ceratitis spp.)、クリゾミイア種(Chrysomyia spp.)、クレックス種(Culex spp.)、クテレブラ種(Cuterebra spp.)、ダクス種(Dacus spp.)、デリア種(Delia spp.)、ドロソフィラ メラノガステル(Drosophila melanogaster)、リリオミザ種(Liriomyza spp.)、ルシリア種(Lucilia spp.)、メラナグロミザ種(Melanagromyza spp.)、オルセオリア種(Orseolia spp.)、オシネラ フリト種(Oscinella frit)、ペゴミア ヒオシアミ(Pegomyia hyoscyami)、フォルビア種(Phorbia spp.)、ラゴレチス ポモネラ(Rhagoletis pomonella)、シアラ種(Sciara spp.);
【0061】
及びダニ目(order Acarina) から、例えば、アカルス シロ(Acarus siro)、アセリア シェルドニ(Aceria sheldoni)、アクルス シュレクテンダリ(Aculus schlechtendali)、アムブリオマ種(Amblyomma spp.)、アルガス種(Argas spp.)、ブレビパルプス(Blevipalpus spp.)、ブリオビア プラエチオーザ(Bryobia praetiosa)、カリピトリメルス種(Calipitrimerus spp.)、コリオプテス種(Chorioptes spp.)、デルマニスス ガリネ(Dermanyssus gallinae)、エオテトラニクス カルピニ(Eotetranychus carpini)、エリオフィエス種(Eriophyes spp.)、ヒアロマ種(Hyalomma spp.)、オリゴニクス プラテンシス(Olygonychus pratensis)、オルニトドロス種(Ornithodros spp.)、パノニクス種(Panonychus spp.)、フィロコプツルタ オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)、ポリファゴタルソネムス ラツス(Polyphagotarsonemus latus)、プソロプテス種(Psoroptes spp.)、リピケファルス種(Rhipicephalus spp.)、リゾグリフス種(Rhizoglyphus spp.)、ザルコプテス種(Sarcoptes spp.)、タルソネムス種(Tarsonemus spp.) 及びテトラニクス種(Tetranychus spp.;並びに
【0062】
線虫綱由来のもの、例えばメロイドジャイネ(Meloidogyne)種(例えばメロイドジャイネ・インコグニータ(Meloidogyne incognita)及びメロイドジャイネ・ジャバニカ(Meloidogyne javaica)、ヘテロデラ(Heterodera)種(例えばヘテロデラ・グリシン(Heterodera glycines)、ヘテロデラ・シャクチイ(Heterodera Schachtii)、ヘテロドラ・アベナエ(Heterodora avenae)及びヘテロドラ・トリフォリイ(Heterodora trifolii))、グロボデラ(Globodera)種(例えばグロボデラ・ロストチエンシス(Globodera rostochiensis))、ラドフォラス(Radopholus)種(例えばラドフォラス・シミリス(Radopholus similis))、ロチレンチュラス(Rotylenchulus)、プラチレンカス(Pratylenchus)種(例えばプラチレンカス・ネグレクタンス(Pratylenchus neglectans)及びプラチレンカス・ペネトランス(Pratylenchus penetrans))、アフィレンコイデス種(Aphelenchoides)、ヘリコンティレンクス種(Helicotylenchus)、ホプロライムス種(Hoplolaimus)、プラトリコドラス種(Pratrichodorus)、ロンギドルス種(Longidorus)、ナコブス種(Nacobbus)、スバングイナ種(Subanguina)、ベロンライムス種(Belonlaimus)、クリコネメラ種(Criconemella)、クリコネモイデス種(Criconemoides)、ジチレンクス種(Ditylenchus)、ドリコドラス種(Dolichodorus)、ヘミクリコネモイデス種(Hemicriconemoides)、ヘミシクリオフォラ種(Hemicycliophora)、ヒルシュマニエラ種(Hirschmanella)、ヒプロペリネ種(Hypsoperine)、マクロポスソニア種(Macroposthonia)、メリニウス種(Melinius)、パンクトデラ種(Punctodera)、キニスルシウス種(Quinisulcius)、スキュテロネマ種(Scutellonema)、サイフィネマ種(Xiphinema)、及びタイレンコルヒニクス種(Tylenchorhynchus)、が含まれる。
【0063】
本発明の追加的な観点において、(i)チアベンダゾール並びに(ii)アバメクチン及び/又はネオニコチノイド殺虫剤、例えばチアメトキサム、イミダクロプリド又はクロチアニジンを含んで成る組み合わせが病害及び虫害、特にダイズ作物におけるかかる害の防除に特によく適していることも明らかとなっている。かかる組み合わせは、線虫の害に対して有効であり、特に、植物繁殖材料、例えば種子上に施与する場合である。好ましい組み合わせは、(i)チアベンダゾール並びに(ii)アバメクチン、及び/又はチアメトキサム、を含んで成る。
【0064】
活性成分の化合物の重量比は、所望の作用、例えば相乗作用をもたらすように選択される。通常、当該重量比は特定の活性成分によって変化し、そして幾つの活性成分が当該組み合わせに存在しているかによる。概して、いずれにしても、当該組み合わせが3つの活性成分から成る場合、任意の2つの活性成分間の重量比は、互いに独立して、100:1〜1:100、好ましくは75:1〜1:75、更に好ましくは50:1〜1:50、特に25:1〜1:25、有利には10:1〜1:10、例えば5:1〜1:5である。
【0065】
かかる組み合わせを施与(使用)する量は、例えば、使用のタイプによって、作物のタイプ、前記組み合わせにおける特定の活性成分、植物繁殖材料のタイプにより(必要に応じて)変化するが、かかる組み合わせにおける活性成分が所望の増強作用(例えば病害防除又は虫害防除)を提供するのに有効な量であり、かつ試験で決定することができるようなものである。
【0066】
通常、茎葉又は土壌の処理の場合、施与量は、1ヘクタール当たり0.05〜3kg(g/ha)の活性成分の量で変化しうる。茎葉処理に適した施与量の例は、5〜1000、好ましくは75〜500、特に100〜300、g/haの成分(I);50〜1000、好ましくは250〜750g/haの成分(II);50〜1000、好ましくは75〜500、特に100〜300、g/haの成分(III)である。
【0067】
通常、種子処理の場合、施与量は、100kgの種子当たり0.5〜1000kgの活性成分の量で変化しうる。種子処理の施与量の例は、100kgの種子当たり、5〜100、好ましくは10〜50、特に12〜25、gの成分(I);100kgの種子当たり0.5〜10、好ましくは0.75〜7、特に1〜5、gの成分(II);100kgの種子当たり、0.5〜10、好ましくは0.75〜7、特に1〜5gの成分(III)である傾向にある。
【0068】
前記組み合わせが、(I)チアベンダゾール、(II)メフェノキサム及び(III)フルジオキソニルを含んで成る場合、種子処理のための、特にダイズに対する典型的な施与量は、10〜20gのチアベンダゾール、1〜4gのメフェノキサム及び1〜5gのフルジオキソニルであり、これらはそれぞれ100kgの種子ベースでのgである。
【0069】
前記組み合わせが、(I)チアベンダゾール、(II)メフェノキサム及び(III)フルジオキソニル及びアゾキシストロビンを含んで成る場合、種子処理のための、特にトウモロコシに対する典型的な施与量は、15〜25gのチアベンダゾール、1〜4gのメフェノキサム、1〜5gのフルジオキソニル及び0.5〜2gのアゾキシストロビンであり、これらはそれぞれ100kgの種子ベースでのgである。
【0070】
前記組み合わせが、(I)チアベンダゾール、(II)メフェノキサム及び(III)フルジオキソニル及びチアメトキサムを含んで成る場合、種子処理のための、特にダイズに対する典型的な施与量は、10〜20gのチアベンダゾール、1〜4gのメフェノキサム、1〜5gのフルジオキソニル及び30〜40gのチアメトキサムであり、これらはそれぞれ100kgの種子ベースでのgである。
【0071】
成分(I)、(II)又は(III)、及び任意な他の殺虫剤は、本発明において、純粋な形態で、すなわち固形の活性成分として、例えば特定の粒径で、あるいは、好ましくは製剤技術において常用の助剤(またはアジュバントとして知られているもの)、例えば増量剤、例えば溶媒又は固体担体、あるいは表面活性化合物(界面活性剤)の少なくとも1つと一緒に、製剤の形態で使用してもよい。通常、化合物(I)、(II)及び(III)は、1又は複数の常用の製剤助剤とともに、製剤組成物の形態にある。
【0072】
従って、化合物(I)、(II)及び(III)の組み合わせは、製剤の形態で通常使用される。化合物(I)、(II)及び(III)は、防除が望まれる場所に、同時に、又は短い間隔で連続して、例えば同日に連続して、所望により追加の担体、界面活性剤又は製剤技術において常用されている他の施与促進アジュバントと一緒に施与することができる。好ましい態様において、(I)、(II)及び(III)は同時に施与される。
【0073】
化合物(I)、(II)及び(III)が本発明において同時に施与される場合、それらは、(I)、(II)及び(III)のそれぞれが、別の製剤源から得ることができ、そして一緒に混合(タンクミックス、レディートゥーアプライ、スプレーブロス、又はスラリーとして知られている)、任意に他の殺虫剤と一緒に混合されうるか、あるいは(I)、(II)及び(III)が一つの製剤混合物源(プレミックス、濃縮物、製剤化された化合物(又は製品))として得ることができ、そして任意に他の殺虫剤と一緒に混合することができる場合、(I)、(II)及び(III)を含む組成物として施与してもよくい。
【0074】
1つの態様において、本発明の組み合わせは、組成物として施与される。従って、本発明は、活性成分として(I)、(II)及び(III)を、そして任意の他の殺虫剤、そして任意に1又は複数の常用の製剤助剤を含んで成る組成物であり、これはタンクミックス又はプレミックス組成物の形態であってもよい。
【0075】
本発明の好ましい態様において、(I)チアベンダゾール、(II)メフェノキサム及び(III)フルジオキソニル;(I)チアベンダゾール、(II)メフェノキサム並びに(III)フルジオキソニル、及びチアメトキサム;(I)チアベンダゾール、(II)メフェノキサム及び(III)アゾキシストロビン及びフルジオキソニル;及び(I)チアベンダゾール、(II)メフェノキサム及び(III)アゾキシストロビン及びフルジオキソニル、並びにチアメトキサム、の組み合わせがプレミックス組成物(又は混合物)の形態で提供される。
【0076】
プレミックス組成物の茎葉製剤型の例は:
GR:顆粒
WP:水和剤
WG:水和性顆粒剤(粉末)
SG:水溶性顆粒
SL:可溶性濃縮物
EC:乳剤
EW:エマルジョン、水中油
ME:マイクロエマルジョン
SC:水性濃縮懸濁液
CS:水性カプセル懸濁液
OD:油ベースの濃縮懸濁液
SE:水性サスポエマルジョン
【0077】
一方、プレミックス組成物の種子処理製剤のタイプの例は:
WS:種子処理スラリー用の水和剤
LS:種子処理用の溶液
ES:種子処理用のエマルジョン
FS:種子処理用の濃縮懸濁液
WG:WG:水和性顆粒剤、及び
CS:水性カプセル懸濁液
【0078】
タンクミックス組成物に適した製剤のタイプの例は、溶液、希釈エマルジョン、懸濁液、又はそれらの混合物、及び粉剤、である。
【0079】
製剤の性質と同様に、施与の方法、例えば葉面に対するもの、ドレンチ、スプレー、噴霧、ダスティング、散布、コーティング又はポアリング(pouring)は、目的の対象及び一般的な事情に従い選択される。
【0080】
タンクミックス組成物は、通常、溶媒(例えば水)で、異なる殺虫剤、及び任意に追加の助剤を含む1又は複数のプレミックス組成物を希釈することによって調製される。
【0081】
適当な担体及びアジュバントは、固体又は液体であってもよく、製剤技術で通常用いられる物質、例えば天然又は再生した鉱物、溶媒、分散剤、湿潤剤、粘着付与剤、増粘剤、結合剤又は肥料である。
【0082】
本製剤は、既知の方法で、例えば活性成分を増量剤、例えば溶媒、固体担体と、適切な場合には表面活性化合物(界面活性剤)と均一に混合し、そして/あるいはそれらで当該活性成分をすりつぶすことで調製される。
【0083】
適当な溶媒は:芳香族炭化水素、好ましくは8〜12個の炭素原子を含む画分、例えばキシレン混合物又は置換ナフタレン、フタル酸塩、例えばフタル酸ジブチル又はフタル酸ジオクチル、脂肪族炭化水素、例えばシクロヘキサン又はパラフィン、アルコール及びグリコール並びにそれらのエーテル及びエステル、例えばエタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル若しくはモノエチルエーテル、ケトン、例えばシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えばN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド又はジメチルホルムアミド、並びに植物油、又はエポキシ化植物油、例えばココナッツ油又は大豆;あるいは水、である。
【0084】
例えば粉剤及び分散性粉剤のために使用される固体担体は通常、天然鉱物充填材、例えば、方解石、タルク、カオリン、モンモリロナイト又はアタパルジャイトである。物性を改良するために、高分散ケイ酸又は高分散吸収性ポリマーを加えることも可能である。適する粒状の吸着担体は多孔性型、例えば軽石、破砕レンガ、セピオライト又はベントナイトであり、そして適する非吸収性担体は、例えば方解石又は砂である。更に、非常に多数の無機又は有機天然物からなる予め粒状にした材料、例えばドロマイト又は粉砕植物残渣、を使用することができる。
【0085】
製剤化される活性成分化合物の性質に依存して、適当な界面活性化合物は、良好な乳化性、分散性及び水和性を有する非イオン性、陽イオン性及び/又は陰イオン性界面活性剤である。用語「界面活性剤」は又、界面活性剤の混合物も意味するものと理解される。
【0086】
特に有利な施与促進アジュバントは、セファリン又はレシチン系の天然又は合成のリン脂質であり、例えばホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール及びリゾレシチンである。
【0087】
通常、茎葉又は土壌施与のためのタンクミックス製剤は、0.1〜20%、特に0.1〜15%の活性成分化合物、及び99.9〜80%、特に99.9〜85%の固体又は液体の助剤(例えば、溶媒、例えば水を含む)を含んで成り、ここで、助剤とは、タンクミックス製剤ベースで、0〜20%、特に0.1〜15%の量の界面活性剤であってもよい。
【0088】
典型的に、茎葉施与のためのプレミックス製剤は、0.1〜99.9%、特に1〜95%の活性成分化合物、及び99.9〜0.1%、特に99〜5%の固体又は液体アジュバント(例えば、溶媒、例えば水を含む)を含んで成り、ここで、助剤とは、プレミックス製剤ベースで、0〜50%、特に0.5〜40%の量の界面活性剤であってもよい。
【0089】
通常、種子処理用施与のためのタンクミックス製剤が、0.25〜80%、特に1〜75%の活性成分化合物、及び99.75〜20%、特に99〜25%の固体又は液体の助剤(例えば、溶媒、例えば水を含む)を含んで成り、ここで、助剤とは、タンクミックス製剤ベースで、0〜40%、特に0.5〜30%の量の界面活性剤であってもよい。
【0090】
典型的に、種子処理用施与のためのプレミックス製剤は、0.5〜99.9%、特に1〜95%の活性成分化合物、及び99.5〜0.1%、特に99〜5%の固体又は液体アジュバント(例えば、溶媒、例えば水を含む)を含んで成り、ここで、助剤とは、プレミックス製剤ベースで、0〜50%、特に0.5〜40%の量の界面活性剤であってもよい。
【0091】
市販品は、好ましくは濃縮物として製剤化されるが(例えば、プレミックス組成物(製剤))、エンドユーザーは通常は希釈製剤を使用する(例えば、タンクミックス組成物)。
【0092】
好ましい種子処理用プレミックス製剤は、水性懸濁濃縮物である。当該製剤は、常用の処理技術及び機械、例えば流動床技術、ローラーミル法、rotostaticのシードトリーター、及びドラムコーターを用いて種子に施与することができる。他の方法、例えば噴流層も有用な場合がある。種子は、コーティング前にプレサイジングされることがある。コーティング後、種子は典型的に乾燥され、そしてサイジングのためにサイジング機に移される。かかる手順は当業界で知られている。
【0093】
本明細書の実施例は、化合物(I)及び(II)に適した製剤を例示する役割を果たすものであり、「活性成分」とは、特定の混合比の化合物Iと化合物IIの組み合わせを表す。
【0094】
製剤例
水和剤 a) b) c)
活性成分[I:II=1:6(a)、1:2(b)、1:1(c)] 25% 50% 75%
リグノスルホン酸ナトリウム 5% 5% −
ラウリル硫酸ナトリウム 3% − 5%
ジイソブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム − 6% 10%
フェノールポリエチレングリコールエーテル − 2% −
(7〜8モルのエチレンオキシド)
高分散ケイ酸 5% 10% 10%
カオリン 62% 27% −
【0095】
活性成分をアジュバントと十分混合し、そして当該混合物を適当なミル内で十分すりつぶすことで、水で希釈されて所望の濃度の懸濁液を形成しうる水和剤が生成する。
【0096】
粉剤 a) b) c)
活性成分[I:II=1:6(a)、1:2(b)、1:10(c)] 5% 6% 4%
滑石粉 95% − −
カオリン 94% −
無機充填剤 − − 96%
【0097】
レディー・トゥー・ユーズの粉剤は、活性成分を担体と混合し、そして混合物を適当なミルで粉砕することにより得られる。かかる粉末は、種子の乾燥ドレッシングに使用することができる。
【0098】
懸濁濃縮物 a) b)
活性成分[I:II=1:1(a); 1:8(b)] 5% 30%
プロピレングリコール 10% 10%
トリスチリルフェノールエトキシラート 5% 6%
リグノスルホン酸ナトリウム − 10%
カルボキシメチルセルロース − 1%
シリコン油(75%乳濁液/水の形態) 1% 1%
着色顔料 5% 5%
水 74% 37%
【0099】
細かくすりつぶした活性成分をアジュバントと均一に混合することで、懸濁液濃縮物がもたらされ、これから、任意な所望の希釈物の懸濁液が水で希釈することにより得られる。
【0100】
希釈されていない又は希釈されたかかる製剤を用いて、植物繁殖材料はスプレー、ポアリング又は浸漬により処理され、そして害、例えば病害から保護されうる。
【0101】
本発明に従う活性成分の組み合わせは、それらが特によく植物に許容されるものであり、且つ環境に優しいという事実によって区別される。
【0102】
本発明に係る各活性成分の組み合わせは、植物繁殖材料の処理に特に有利である。
【0103】
好ましい態様において、本発明の組み合わせは、それぞれ、植物繁殖材料、好ましくは種子を処理する組成物である。
【0104】
本発明のそれぞれの観点及び態様において、「本質的に〜から成る」及びその変形は、「含んで成る」及びその変形の好ましい態様であり、そして、「から成る」及びその変形は「本質的に〜から成る」及びその変形の好ましい態様である。
【0105】
以下の実施例は、例示目的で挙げられているものであり、本発明を限定するものではない。
【0106】
生物学的実施例
実施例1.トウモロコシ種子上でのフザリウム種に対するメフェノキサム、フルジオキソニル及びチアベンダゾールの組成物の活性
1.寒天試験
寒天試験を実施して、フルジオキソニル(2.5g/100kg種子)+メフェノキサム(1.0g/100kg種子)、種子100kg当たり10、15及び20gのチアベンダゾール、及びこれら3つの成分全ての相当の混合物による種子処理が、種子の健康及びトウモロコシの生存能力に対して及ぼす効果を評価する。トウモロコシの栽培品種であるMagisterの種子ロットをF. プラリフェラタム(F. proliferatum)又はF.サブグルチナンス(F. subglutinans)に人為的に汚染させる。
【0107】
Czepek−Dox(OXOID)は、取扱説明書に従い調製する:1Lの水性bidestに対し45.4gの寒天を15分間45℃でオートクレーブし、そして55℃に冷却する。15mlの培地を各ペトリ皿(直径10cm)に注ぎ、そしれ冷却させる。10個の種子を寒天の表面に据える。処理当たり5回繰り返す。ペトリ皿を、NUV光のもと20℃のインキュベーター内に置く(1日12時間)。フザリウム種が寒天上で生育した種子の数を6日のインキュベーション期間後に格付けする。
【0108】
2.処理
・メフェノキサム(1.0g ai/100kg種子)+フルジオキソニル(2.5g ai/100kg種子)。
・100kgの種子当たり10、15及び20g aiのチアベンダゾール。
・メフェノキサム(1.0g ai/100kg種子)+フルジオキソニル(2.5g ai/100kg種子)+チアベンダゾール(100kgの種子当たり10、15及び20g ai)。
【0109】
組み合わせによる処理の場合、メフェノキサム+フルジオキソニルを複合製剤として最初に種子に施与し、そして乾燥後に、チアベンダゾールを用いて種子に対する第二施与を実施する。
【0110】
3.相乗作用
相乗作用が存在するのは、例えば、活性成分の組み合わせの作用が個々の化合物の作用の合計を超える場合である。
【0111】
所定の活性成分の組み合わせについて予測される効果Eは、いわゆるCOLBYの式に従う(Colby S. R. "Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combination". Weeds, Vol. 15, p20-22; 1967):
ppm=スプレー混合物1L当たり活性成分(=a.i.)のミリグラム
X=p ppmの活性成分を用いた活性成分Iによる作用の%
Y=q ppmの活性成分を用いた活性成分IIによる作用の%
【0112】
Colbyによると、p+q ppmの活性成分を用いた活性成分I+IIの予想される(相加的)作用は
【数1】

である。
【0113】
実際に観察された作用(O)が予測される作用(E)を上回る場合、前記組み合わせの作用が超相加的(superadditive)であり、すなわち、相乗作用が存在している。
【0114】
4.結果
表1−種子の汚染に対する種子処理の活性及びトウモロコシの栽培品種であるMagister上でのフザリウム種の菌糸体の生育
【表1】

【0115】
フザリウム・サブグルチナンス(Fusarium subglutinans)
上記チェックは、100%の感染した種子と、100%の寒天が菌糸体に覆われることを示す。メフェノキサムとフルジオキソニル(それぞれ、2.5g ai及び1.0g ai)は、感染した種子の数に影響を与えず(100%)、そして菌糸体の生育にも影響を与えない(チェックの95%)。試験したチアベンダゾールの最大量のもの(20g)のみが、感染した種子の数の有意な軽減を示す(9%)。菌糸体の生育は、全てのチアベンダゾール処理で軽減し、線形の用量反応を示している。メフェノキサム及びフルジオキソニルと、10、15及び15gのチアベンダゾールとの組み合わせは、感染した種子の数をそれぞれ98%、64%及び30%に軽減する。菌糸体の生育は、チアベンダゾールをそれぞれ10、15及び20g用いたタンクミックスの場合、それぞれ46、14及び4%に軽減する。
【0116】
フザリウム・プラリフェラタム(Fusarium proliferatum)
上記チェックは、100%の感染した種子と、約80%の寒天が菌糸体に覆われることを示す。メフェノキサムとフルジオキソニル(それぞれ、2.5g ai及び1.0g ai)は、感染した種子の数に影響を与えないが(100%)、菌糸体の生育を50%に軽減する。10gのチアベンダゾールは、種子の感染及び菌糸体の生育をチェックのほぼ60%に軽減する。15及び20gのチアベンダゾールは、感染した種子の数をそれぞれ44及び40%に減少させる。メフェノキサム及びフルジオキソニルと、10、15及び15gのチアベンダゾールとの組み合わせは、感染した種子の数をそれぞれ60%、16%及び0%に軽減する。菌糸体の生育は、チアベンダゾールを10及び15g用いたミックスによりほぼ完全に阻害され(それぞれ8%及び1%)、そして完全な阻害はチアベンダゾールを20g用いたミックスにより達成される。
【0117】
これらの結果は、100kg当たり20gの最高量のチアベンダゾールが、フザリウムに感染した種子の数を両種の場合とも軽減させることを示唆している。しかしながら、メフェノキサム、フルジオキソニル及びチアベンダゾールの全ての組み合わせが、フザリウムに感染した種子の数を軽減し、特に、20gのチアベンダゾールを用いたミックスは、優れたフザリウムの防除を示した。
【0118】
チアベンダゾール、メフェノキサム及びフルジオキソニルの全混合物は、所定量で前記混合物中の活性成分単独のものの大部分よりも明らかに優れており、ほとんどの混合物が相乗的な相互作用を示す。従って、本発明の組み合わせは予測できない活性を示す。
【0119】
実施例2.トウモロコシ種子上でのフザリウム・サブグルチナンスに対するチアベンダゾール、メフェノキサム、フルジオキソニル及びアゾキシストロビンの活性
種子を実施例1に記載のように調製し、そして播種する。
【0120】
殺虫剤を含む種子を20gのチアベンダゾール、2gのメフェノキサム、2.5gのフルジオキソニル及び1gのアゾキシストロビンで処理する(ここで、各gは100kgの種子ベースである)。
【0121】
以下の表は、未処理の種子と比較した場合の殺虫剤の性能を示すものである。
【表2】

【0122】
実施例3.ダイズにおけるチアベンダゾール及びアバメクチンの活性
多くのダイズシスト線虫(Heterodera glycines)が蔓延っている畑において、以下の処理をして、種子を植える:
(a)フルジオキソニル(2.5g ai/100kg種子)+メフェノキサム(3.75g ai/100kg種子)
(b)フルジオキソニル(2.5g ai/100kg種子)+メフェノキサム(3.75g ai/100kg種子)、アバメクチン(0.25mg ai/種子)
(c)フルジオキソニル(2.5g ai/100kg種子)+メフェノキサム(3.75g ai/100kg種子)、アバメクチン(0.25mg ai/種子)+チアベンダゾール(20g ai/100kg種子)
【0123】
以下の表は異なる処理の場合の収量を示す。
【表3】

【0124】
この結果は、アバメクチンと組み合わせたチアベンダゾールが、ダイズの収量を有意に増大させることを示唆するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3つの活性成分と、任意に1又は複数の常用の製剤助剤とを含んで成る殺虫剤の組み合わせであって、成分(I)が1又は複数のアゾール系殺真菌剤であり、成分(II)は1又は複数のフェニルアミド系殺真菌剤であり、成分(III)は1又は複数のストロビルリン系殺真菌剤及び/又は1又は複数のフェニルピロール系殺真菌剤である、組み合わせ。
【請求項2】
(I)がチアベンダゾールであり、(II)がメフェノキサムであり、(III)がフルジオキソニルであり;あるいは(I)がチアベンダゾールであり、(II)がメフェノキサムであり、(III)がフルジオキソニル及びアゾキシストロビンである、請求項1に記載の組み合わせ。
【請求項3】
更に1又は複数の他の殺昆虫剤及び/又は殺線虫剤を含んで成る、請求項1又は2に記載の組み合わせ。
【請求項4】
(I)がチアベンダゾールであり、(II)がメフェノキサムであり、(III)がフルジオキソニル、及びチアメトキサムである、請求項3に記載の組み合わせ。
【請求項5】
植物繁殖材料を処理する殺虫用組成物の形態の、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組み合わせ。
【請求項6】
(I)、(II)及び(III)由来の任意の2つの成分が、互いに独立して、1:100〜100:1である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組み合わせ。
【請求項7】
植物繁殖材料、植物、植物の一部及び/又は植物器官であって、遅れて生育するもの、における病害又は虫害を防除又は予防する方法であって、前記植物、植物の一部、又はその周囲に、請求項1〜5のいずれか1項で規定されているような組み合わせを、任意の所望な順序で又は同時に施与することを含んで成る方法。
【請求項8】
植物繁殖材料、植物、植物の一部及び/又は植物器官であって、遅れて生育するものを、前記植物、植物の一部、又はその周囲に対し、請求項1〜5のいずれか1項で規定されているような組み合わせを任意の所望な順序で又は同時に施与することより、病害又は虫害から保護する方法。
【請求項9】
植物の生育特性を向上させる方法であって、請求項1〜5のいずれか1項で規定されているような組み合わせを、前記植物繁殖材料、植物、植物の一部及び/又は植物器官に、任意の所望な順序で又は同時に施与することを含んで成る方法。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれか1項で規定されている組み合わせが、同時に施与される、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜6のいずれか1項で規定されている組み合わせが、植物繁殖材料上に施与される、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1〜6のいずれか1項で規定されている組み合わせで処理された植物繁殖材料。
【請求項13】
植物繁殖材料、植物、植物の一部及び/又は植物器官であって、遅れて生育するもの、における病害又は虫害を防除又は予防する方法であって、前記植物、植物の一部、又はその周囲に、(i)チアベンダゾール並びに(ii)アバメクチン及び/又はチアメトキサムを含んで成る組み合わせを、任意の所望な順序で又は同時に施与することを含んで成る方法。
【請求項14】
植物繁殖材料、植物、植物の一部及び/又は植物器官であって、遅れて生育するもの、における病害又は虫害を防除又は予防する方法であって、前記植物、植物の一部、又はその周囲に、(a)チアベンダゾール、メタラキシル、及びペンシクロン;(b)チアベンダゾール、イプコナゾール、メタラキシル、及びペンシクロン;又は(c)チアベンダゾール、ペンシクロン及びプロパモカルブ、を含んで成る組み合わせを、任意の所望な順序で又は同時に施与することを含んで成る方法。

【公表番号】特表2008−540360(P2008−540360A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509368(P2008−509368)
【出願日】平成18年5月2日(2006.5.2)
【国際出願番号】PCT/EP2006/004094
【国際公開番号】WO2006/117192
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】