説明

毛髪のための器具および製剤

ヘッドと、噴霧器と、そのための電力供給装置と、使用中噴霧器によって毛髪に塗布される組成物を収容するリザーバとを備える整髪器具であって、組成物は、乳剤の粘度が25℃で8CSt未満である乳化された組成物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整髪器具およびそれと共に使用するための製剤に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明は、整髪器具からの有益剤、特に高分子量シリコーンの付着問題を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0003】
したがって、本発明は、ヘッドと、噴霧器と、そのための電力供給装置と、使用中噴霧器によって毛髪に塗布される組成物を収容するリザーバとを備える整髪器具を提供し、組成物は、乳剤の粘度が25℃で8cST未満である乳化された組成物を含む。
【0004】
好ましくは、ヘッドは、剛毛または歯状支持部のものであり、より好ましくは、器具は、くしまたはブラシである。最も好ましくは、器具はブラシである。
【0005】
噴霧器は、当技術分野で知られているものから選択される。好ましくは、噴霧器は、剛性リングによって画定されたガーゼと、噴霧される組成物を収容するためのリザーバと、電力供給装置に接続された回路とを備える。そのような噴霧器は、Aerogen(R)から市販されている。
【0006】
好ましくは、ガーゼは、リザーバに対して出っ張っている。これは、使用中、噴霧される流体の毛髪方向への移動を改良する。
【0007】
好ましくは、噴霧器は、ヘッド内に位置しており、ヘッドはまた、使用中、噴霧される流体を毛髪に放出するための開口も備える。好ましくは、開口は、ヘッド内の穴または長穴である。好ましい実施形態では、複数の開口が存在する。
【0008】
器具がブラシである場合、開口は、ブラシヘッド上の中央に位置することが好ましい。より好ましくは開口は、剛毛によって取り囲まれる。2つ以上の開口が存在する場合、これらは、好ましくは、噴霧されるものの均一な放出をもたらすためにブラシヘッド上に対称に配置される。
【0009】
器具がくしである場合、くしヘッド上に均一に位置する複数の開口が存在することが好ましい。
【0010】
好ましくは、噴霧器は、器具内のチャンバ内に位置しており、チャンバは、チャネルによって外部に連結される。
【0011】
好ましくは、器具は、電力源を収容するハンドルを備える。あるいは、電力源は、別個のものでもよく、器具は、主電源から供給されてもよい。
【0012】
有益剤は、香料、シリコーンオイル、ワックス、炭化水素、高級脂肪酸、エッセンシャルオイル、ヘアスタイリングポリマー、着色剤、ヘアコンディショナー、洗髪剤、毛髪成長促進剤、ビタミン、ヘアーストレート剤、毛髪成長刺激剤、毛髪成長遅延剤、脱毛阻害剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗炎症剤、かゆみ止め剤、皮脂抑制剤、日焼け止め剤およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0013】
特に好ましい有益剤は、シリコーンである。適切なシリコーンは、ポリオルガノシロキサン、特にCTFA指定のジメチコーンを有するポリジメチルシロキサンを含む。また、CTFA指定ジメチコノールを有する、ヒドロキシル末端基を有するポリジメチルシロキサンが、本発明の使用組成物に特に適している。
【0014】
乳化されたシリコーン自体の粘度(乳剤または最終ヘアコンディショニング組成物ではない)は、好ましくは、少なくとも10,000cSt(25°C)である。シリコーン自体の粘度は、好ましくは少なくとも60,000cSt(25°C)であり、最も好ましくは少なくとも500,000cSt(25°C)であり、理想的には少なくとも900,000cSt(25°C)である。好ましくは、粘度は、3McSt(25°C)を超えない。
【0015】
本発明で使用する乳化されたシリコーンは、通常、組成物において、1000nm未満、好ましくは800nm未満、より好ましくは700nm未満の平均シリコーン粒子サイズ(D50)を有するが、理想的にはこれは、100から800nmであり、より好ましくは150nmから600nmである。
【0016】
本発明の組成物に使用される適切なシリコーン乳剤は、Dow CorningおよびGE Siliconesなどのシリコーンの供給者から入手可能である。そのようなあらかじめ調剤されたシリコーン乳剤の使用は、シリコーン粒子サイズを加工し、制御することが容易になるために好ましい。そのようなあらかじめ調剤されたシリコーン乳剤は、通常、アニオン性または非イオン性の乳化剤などの適切な乳化剤、またはそれらの混合物を追加的に含み、乳化重合などの化学的乳化プロセスまたは高せん断ミキサを用いた機械的乳化によって調製され得る。
【0017】
適切なあらかじめ調剤されたシリコーン乳剤の例は、いずれもDow Corningから入手可能である、DC2−1766、DC−1785、DDC−1788、DC2−1865およびDC2−1870の乳剤を含む。ジメチコノールのすべての乳剤/マイクロ乳剤が存在している。好ましいシリコーンは、DC5−7051であり、特に好ましいのは、DC1788およびDC1785である。
【0018】
上記で説明されたシリコーン乳剤のどのような混合物も使用されてもよい。
【0019】
シリコーンレベルは、好ましくは、全組成の0.1から40%重量、より好ましくは0.5から35%重量、特に1から30%重量で存在する。付着され得るシリコーンのレベルは、使用されるシリコーンによって決まる。
【0020】
本発明と共に使用される組成物は、適切には、担体を含む。好ましくは、この担体は水である。
【0021】
好ましくは、全組成における担体のレベルは、全組成の60重量%を上回り、より好ましくは70重量%を上回り、最も好ましくは80重量%を上回る。
【0022】
最終組成物の粘度は、好ましくは25℃で1cStから8cSt、より好ましくは2cStから7.5cSt(25℃)、最も好ましくは、これらは、3.5McSt(25°C)を上回る粘度を有する。シリコーン乳剤を噴霧する際、シリコーンの溶液が使用される場合と比べて、より多くのシリコーンがより高い組成物粘度で付着され得ることが見出される。
【0023】
生成物が、塗布後毛髪上に残されており、すぐに(塗布10分以内)洗い流されない場合が好ましい。そのような生成物は、洗い流さない組成物として知られている。
【0024】
製剤のpHは、好ましくは25°Cで2.5から6である。より好ましくは3から5である。
【0025】
適切な乳化剤の例は、非イオン性、カチオン性、アニオン性の界面活性剤またはそれらの混合物を含む。そのような乳化剤が使用される場合、これは、好ましくは、組成物の総重量に基づいて重量で約0.01%から約7.5%のレベルで存在する。
【0026】
本発明は、次に、非限定的な図を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明によるブラシの概略断面図である。
【図2a】本発明によるブラシの平面図である。
【図2b】本発明によるブラシの平面図である。
【図2c】本発明によるブラシの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
詳細には、図1は、電力供給装置3を収容するハンドル2に連結されたブラシヘッド1を示している。ヘッド1は、ガーゼ7用の支持体5と、毛髪ケア組成物を収容するリザーバ6とからなる噴霧器10を収容する。ブラシヘッド1はまた、そこに従属する剛毛8と、噴霧される毛髪ケア組成物の放出のためのヘッド1内の開口9とを有する。
【0029】
図2は、本発明による開口の3つの実施形態を示している。図2aは、ブラシヘッドの中央を下方向に通り、剛毛8によってすべての側部が取り囲まれている開口9を備えたブラシヘッド1を示している。図2bでは、均一に離間され、ブラシ(図示せず)のほぼ長手方向の軸に垂直な3つの開口が存在している。図2cでは、3つのダイアモンド形状の開口の2本線として配置された6つの開口が存在している。
【0030】
以下は、本発明による非限定的な例である。
【0031】
約1gの各水性乳剤が、知られている重量の密閉された容器内に噴霧された。水が、容器から蒸発し、噴霧されたシリコーンの量が、容器を再度量ることによって測定された。
【0032】
この実験の標準誤差が計算されたが、これは、0.0014gである付着値における誤差に等しい。
【0033】
【表1】

この実験の結果は、本発明の乳剤によるシリコーン移送の損失は存在しないことを決定的に表している。
【0034】
毛髪を乾かすために、DC5−7051(水分中2重量%)およびイソドデカン中DC200 350cStが、噴霧器を使用して塗布された。平坦に広げられた2.5gTAスイッチ。X線蛍光試料が、スイッチの中心から取り出され、シリコーンのレベルが測定された。
【0035】
【表2】

上記のデータは、2%のDC5−7051乳剤が、イソドデカン中0.5%のDC200の溶液よりより良好な付着(予想値に対して)を呈していることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドと、噴霧器と、そのための電力供給装置と、使用中噴霧器によって毛髪に塗布される組成物を収容するリザーバとを備える整髪器具であって、組成物が、乳剤の粘度が25℃で8cSt未満である乳化された組成物を含む、整髪器具。
【請求項2】
乳化された組成物が、有益剤を含む、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
有益剤が、シリコーンである、請求項2に記載の器具。
【請求項4】
シリコーンが、25℃で3McStを下回る粘度を有する、請求項2に記載の器具。
【請求項5】
組成物内のシリコーンの合計レベルが、全組成の0.5から35重量%である、請求項3または4に記載の器具。
【請求項6】
ヘッドが、剛毛または歯状支持部である、請求項1から5のいずれか一項に記載の整髪器具。
【請求項7】
ブラシである、請求項1から6のいずれか一項に記載の器具。
【請求項8】
噴霧器が、剛性リングによって画定されたガーゼと、噴霧される組成物を収容するためのリザーバと、電力供給装置に接続された回路とを備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の器具。
【請求項9】
ガーゼが、リザーバに対して出っ張っている、請求項8に記載の器具。
【請求項10】
噴霧器が、ヘッド内に位置しており、ヘッドがまた、使用中、噴霧される流体を毛髪上に放出するための開口も備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の器具。
【請求項11】
電力供給装置を収容するハンドルを備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の器具。
【請求項12】
毛髪有益剤を毛髪上に付着させるための方法であって、
i)請求項1から11のいずれか一項に記載の乳化された組成物を調剤するステップと、
ii)請求項1から11のいずれか一項に説明された機器を用いて製剤を噴霧するステップとを含む、方法。

【図1】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図2c】
image rotate


【公表番号】特表2012−504989(P2012−504989A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530429(P2011−530429)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059942
【国際公開番号】WO2010/040578
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】