説明

毛髪強調用システム

本発明は毛髪強調用システムに関する。本システムは、装置(10)及び組成物(50)を含む。装置(10)は、第2部分に可動的に結合する第1部分を備える。組成物(50)は、前記組成物(50)に対してある重量パーセントの過酸化水素とある重量パーセントのアルカリ化剤を含む。過酸化水素及びアルカリ化剤の重量パーセントは式(I):X+1.5Y≧15(I)で定義され、式中Xは組成物(50)に対する過酸化水素の重量パーセントであり、式中Yは組成物(50)に対するアルカリ化剤の重量パーセントである。前記組成物(50)は、前記組成物(50)の少なくとも2重量%の過酸化水素を含み、前記アルカリ化剤はケイ酸ナトリウムと、メタケイ酸ナトリウムと、炭酸水素カリウムと、炭酸アンモニウムと、炭酸水素アンモニウムと炭酸水素ナトリウム、並びにこれらの混合物からなる群から選択される無機塩である。前記組成物(50)を本明細書に記載される方法で装置(10)を用いて塗布するとき、強調をもたらすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物と、2つの可動的に結合された部分を備える装置とを含む毛髪強調用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
強調などの毛髪ストランドに対する効果により、ユーザーは、頭部全体への塗布とは異なる外観を達成することができる。
【0003】
強調を提供する周知の方法の1つにキャップ・フック式システムがあり、これは、穴のあいたキャップで頭部全体を覆い、その穴からフックを用いて毛髪ストランドの束を引き出すものである。その後、毛髪ストランドの束に過量の強調組成物を塗布し、毛髪にしみこませる。美容室においては、経験を積んだ美容師はキャップ・フック式システムよりホイル式を好む。毛髪ストランドの束を選択し、ホイル上に置いて大量の強調組成物でカバーし、毛髪にしみこませる。この方法は、毛髪ストランドの束をホイル内に包んで完了する。
【0004】
上記のいずれの方法とも自分自身で行うには難しく、ユーザーの多くは、従来通り美容院へ行き満足できる結果を得ることを好む。毛髪強調用組成物の自宅での塗布を容易にするために、様々な装置が開発されている。これらの装置は、2つの一般的領域に属している。1つの領域は、くし及び/又はブラシをベースとした装置を含み、他の領域には、2つの可動的に結合した部分、例えば2枚の平板部、平板部とくぼみ部、又は2つのくぼみ部などを備える装置を含む。このような装置は、毛髪強調用組成物を収容する第1部分と、第1部分に可動的に結合され、第1部分に対して並置関係の状態にできる第2部分とを備えることを特徴とする。毛髪強調用組成物を部分的に吸収させる目的、及び/又は装置外部への組成物の漏れを防ぐ目的で、これらの部分のいずれかに、不織布、スポンジ、発泡体及びその他繊維状材料を取り付ける場合がある。通常は、毛髪強調用組成物を、毛髪ストランドの束を可動的に結合した部分間に置き、2つの部分を並置関係の状態にすることで装置内に毛髪ストランドの束を挟んで塗布する。続いて、毛髪ストランドの束全長に装置を1〜2回スライドさせることにより、塗布が完了する。
【0005】
これらの装置のいくつかの例は、当該技術分野において米国特許第3,030,968号、同第6,062,231号、同第7,025,069号、英国出願特許公開第2242357号、日本国特許公開第1999−178630号、同第2001−211925号、及び欧州特許第1433399号などで開示される。
【0006】
これらの装置は、潜在的に高精度、安価、かつユーザーフレンドリーであるが、キャップ・フック式又はホイル式システムで使用する毛髪強調用組成物量の、たった3分の1の量しか塗布しない。その結果、これら装置と共に使用する市販の毛髪強調用組成物では、ユーザーが当然のように期待する結果をもたらさない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第3,030,968号
【特許文献2】米国特許第6,062,231号
【特許文献3】米国特許第7,025,069号
【特許文献4】英国出願特許公開第2242357号
【特許文献5】日本国特許公開第1999−178630号
【特許文献6】日本国特許公開第2001−211925号
【特許文献7】欧州特許第1433399号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、当該技術分野において未だ解決すべきなのは、2つの可動的に結合した部分を備える装置で毛髪強調用組成物を提供することである。
【0009】
あるシステム(以下で定義)が、上記技術的問題を克服できることが、今では判明している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明により毛髪処置用システムが提供され、前記システムは装置(10)と組成物(50)を包含し、前記装置(10)は接続部(30)により第2部分に可動的に結合する第1部分を備え、前記組成物(50)は組成物(50)のX重量パーセントの過酸化水素と組成物(50)のY重量パーセントのアルカリ化剤とを含み、前記組成物(50)は組成物(50)の最低2重量パーセントの過酸化水素を含み、前記組成物(50)中の過酸化水素とアルカリ化剤のパーセンテージは式(I)で定義され、式(I)は
X+1.5Y≧15% (I)であり、
前記アルカリ化剤は、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、及び炭酸水素ナトリウム、並びにこれらの混合物からなる群から選択される無機塩である。
【0011】
更に、組成物(50)を装置(10)を用いて毛髪ストランドに塗布する方法、及び、1つ以上の装置(10)と、組成物(50)を形成する別個にパッケージ化された構成成分とを含むキットについて記載される。最後に、第2部分に可動的に結合する第1部分を備える装置(10)を使用して、毛髪ストランドの強調することを目的とした本発明の組成物(50)の使用について記載される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】前記装置(10)と前記組成物(50)を含む本発明のシステムの斜視図。この実施形態では、前記装置(10)は、接続部(30)を介して別の平板部(120)に可動的に結合される平板部(110)を備える。前記後者の平板部(120)は内部表面(121)を含み、その上面には材料(60)が置かれる。組成物(50)は、ここでは材料(60)上に載っている。
【図2A】本発明の前記装置(10)の実施形態の斜視図。平板部(120)は、接続部(30)によりくぼみ部(115)に可動的に結合される。くぼみ部(115)は、基部(116)と、壁部(117)と、周縁部(118)を備え、これら全体で開口部(203)及びくぼみ部(115)の内部容積(204)を画定する。封止手段(401)は、基部(116)の一部で壁部(117)に近接し、接続部(30)の一側面に位置する。この実施形態では、2つの実質的に同一の半球部(402、403)によって表される2か所の止め具機構が、周縁部(118)上に位置する。前記平板部(120)は、外部表面(122)と、内部表面(121)と、前記平板部(120)の内部表面(121)から突出する部材(40)とを含む。
【図2B】図2Aに示される前記装置(10)の平板部(120)の内部表面(121)の図。軸線Yは、前記平板部(120)の中心をまっすぐに延び、前記接続部(30)を、好ましくは接続部(30)に対して垂直に横切る。部材(40)は、前記内部表面(121)に沿って、その最大長(L)で延びる。
【図2C】図2Bに示される前記平板部(120)の中心を軸線Yに対して垂直に切り取った断面図。前記平板部(120)は、外辺部(103)と、外部表面(122)と、部材(40)が最大高さ(H)で突出し、最大幅(W)で内部表面(121)に沿って延びる前記内部表面(121)を含む。前記近位基部(41)及び遠位基部(42)も示されている。
【図3A】本発明の装置(10)の斜視図であり、前記装置(10)は、前記平板部(120)に接続部(30)で可動的に結合するくぼみ部(115)を備え、前記平板部(120)は軸線Yを含み、内部表面(121)と外部表面(122)を有する。前記平板部(120)の内部表面(121)は、前記くぼみ部(115)の開口部(ここには図示せず)に並置される。前記くぼみ部(115)の壁部(117)の一部が除かれ、第1フィン(70)及び第2フィン(71)が見える。第1フィン(70)及び第2フィン(71)は、前記平板部(120)の内部表面(121)から別個に突出する。各々の前記フィン(70、71)は、遠位縁(80、81)及び近位縁(90、91)を含む。前記近位縁(90、91)は、前記平板部(120)の内部表面(121)に接着されたものであり、一方前記遠位縁(80、81)は、この実施形態では一方がもう一方の方向へ傾く。
【図3B】図3Aに示される前記装置(10)の前記平板部(120)の内部表面(121)の図。軸線Yは、前記平板部(120)の中心から直線的に延び、前記接続部(30)を横切る。第1フィン(70)及び第2フィン(71)は、前記内部表面(121)から別個に突出する。近位縁(90、91)は両方とも前記軸線Yと平行に延びる。
【図3C】図3A及び3Bに示される前記平板部(120)の中心を軸線Yに対して垂直に切り取った断面図。実質的に同様のフィン(70、71)が前記内部表面(121)から突出し、内部表面と共に2つの実質的に同等の角度α及びβを形成する。前記フィン(70、71)は、実質的に同等の平均長さ(L1、L2)で延び、これらの遠位縁(80、81)は、一方がもう一方の方向へ傾く。
【図4】接続部(30)により第2部分に可動的に結合される第1部分を備える装置(10)の実施形態の斜視図。前記組成物(50)は、前記部分の一方に置かれる。
【図5】式(I)で定義される、前記組成物(50)中における、本明細書で記載する過酸化水素のパーセンテージXとアルカリ化剤のパーセンテージY間の関係。発明を実施するための形態で特に言及するデータポイントは、本明細書中で使用する番号に対応させて示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の目的では、毛髪という用語は、生きている毛髪、すなわち、生物上の毛髪と、生きていない毛髪、すなわち、かつら、ヘアピース、又は生きていないケラチン繊維の他の集合体との両方を指す。哺乳類、好ましくはヒトの毛髪が意図される。
【0014】
本発明の目的では、「毛髪ストランド」という用語は単数のケラチン性繊維を意味し、「毛髪ストランドの束」という用語は、本明細書で意味する複数の毛髪ストランドを意味する。
【0015】
本発明は、本明細書に記載する特徴が上記技術的問題を解決するために本発明中で選択される特定の関係で組み合わされるとき、それらが有する相乗関係によって特徴付けられる。
【0016】
本発明の毛髪処置用システムは、装置(10)と組成物(50)とを含む。前記装置(10)は、第2部分に可動的に結合される第1部分を備え、前記装置(10)の第1部分は平板部(110)又はくぼみ部(115)のいずれかであってもよく、好ましくは前記第1部分はくぼみ部(115)であり、前記装置(10)の前記第2部分は平板部(120)又はくぼみ部(125)のいずれかであってもよく、好ましくは前記装置(10)の第2部分は平板部(120)である。前記第1部分がくぼみ部(115)のとき、好ましくは前記くぼみ部(115)は、基部(116)と、壁部(117)と周縁部(118)を備える。前記基部(116)と、壁部(117)と周縁部(118)は、開口部(203)及び前記くぼみ部(115)の内部容積(204)を画定する。前記内部容積(204)は、好ましくは、前記組成物(50)を収容するためにある。好ましくは、前記第2部分が平板部(120)のとき、前記平板部(120)は、外辺部(103)と、内部表面(121)と外部表面(122)を備える。前記平板部(120)の内部表面(121)は、前記くぼみ部(115)の開口部(203)に対し並置関係とすることができる。好ましくは、少なくとも1つの部材(40)又は第1フィン(70)は、前記平板部(120)の内部表面(121)から突出する。より好ましくは、第1フィン(70)及び第2フィン(71)は、前記平板部(120)の内部表面(121)から突出する。不織布、発泡体及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料(60)を、好ましくは前記第1部分上及び/又は第2部分上に置くことができる。より好ましくは、前記材料(60)を、前記くぼみ部(115)の壁部(117)の前記周縁部(118)に置く。より好ましくは、前記材料(60)を前記くぼみ部(115)の前記壁部(117)の前記周縁部(118)に、更には前記平板部(120)の前記内部表面(121)の前記外辺部(103)にも置く。
【0017】
前記組成物(50)は、前記組成物(50)のX重量パーセントの過酸化水素と前記組成物(50)のY重量パーセントのアルカリ化剤とを含有する。前記組成物(50)は、前記組成物(50)の少なくとも最低約2重量%の過酸化水素を含有する。前記組成物(50)中の前記過酸化水素及び前記アルカリ化剤の重量パーセントは、式(I)で定義される。
【0018】
X+1.5Y≧15% (I)
【0019】
組成物(50)に含まれる前記アルカリ化剤は、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム及び炭酸水素ナトリウム、並びにこれらの混合物からなる群から選択される無機塩である。あるいは、前記アルカリ化剤を有機塩としてもよい。
【0020】
市販の毛髪強調用組成物は、選択した毛髪ストランドの束全体に完全に塗布することが推奨される。ブラシ、くし又は更には指を用いる場合、このような自己塗布は比較的容易であるが、おそらく清潔さ、正確さ、塗布後の短時間での乾燥に欠けるであろう。2つの可動的に結合する部分を備える装置(10)を用いる場合、家庭での塗布が清潔かつ適切に行われるように、組成物(50)を正確に塗布することが可能である。このような装置(10)は安価で軽量、かつユーザーフレンドリーであるが、大きな欠点がある。この欠点は、このような装置(10)が毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束に塗布することができる組成物の量に関係する。本発明の発明者らは、3種類の実施形態が図1〜3に示される、このようなタイプの装置(10)を用いると、毛髪1グラムあたりに塗布される毛髪強調用組成物量が、約0.5グラム〜約1.0グラムであることを見出した。このことにより、認知される乾燥速度を向上することもできる。
【0021】
装置(10)は以下のように製造された。長さ約10cm、幅約5cmの厚紙1片を、ほぼ中間の長さで折り、接続部(30)で第2部分に可動的に結合する第1部分を得た。前記第1部分及び第2部分は並置関係の状態にできた。前記第1部分及び第2部分のそれぞれは、約25cm2の表面積を有していた。長さ及び幅が約5cmの不織布、リベルテックス(Libeltex)01−766 DI−8を、前記第1部分及び第2部分の各並置側に置いた。不織布リベルテックス(Libeltex)01−766 DI−8片を両面接着テープ(3M(商標)465)を用いて接着した。この装置(10)を用い、毛髪ストランドの束に、前記装置(10)で塗布される毛髪強調組成物の量を評価した。約4グラムのレヴロン(Revlon)(商標)カスタムエフェクツ(Custom Effects)(商標)H10(レヴロン(Revlon)(商標)、米国内で2007年6月に購入)を、不織布リベルテックス(Libeltex)01−766 DI−8上の一部に置いた。約0.30グラム、長さ約30.5cmの毛髪ストランドの束(コーカサスライトブラウン(Caucasian Light Brown)−インターナショナル・ヘアー・インポーツ・アンド・プロダクツ(International Hair Imports and Products)、ニューヨーク州ヴァルハラ(Valhalla))の上端を接着剤と結束バンドでまとめた。毛髪ストランドの束を、不織布リベルテックス(Libeltex)01−766 DI−8で覆われた並置側上の、前記可動的に結合された第1部分と第2部分との間に配置した。前記第1部分及び第2部分を並置関係の状態にし、前記毛髪ストランドの束の長さに沿って前記装置(10)をスライドさせた。スライド操作を2回繰り返した。前記組成物の塗布前後における毛髪ストランドの束の重量の差により、前記毛髪ストランドの束に塗布された組成物量を計算した。この実験を3回繰り返し、結果を平均して平均毛髪上塗布量を得た。その量は、毛髪1グラムあたり組成物約0.8グラムとなった。
【0022】
市販の毛髪強調用組成物のほとんど全てに、過酸化水素とアルカリ化剤が含まれる。しかし、これら市販の組成物内に含有される過酸化水素とアルカリ化剤の重量パーセントは、毛髪1グラムあたり組成物が約0.5グラム〜約1.0グラム量で毛髪に塗布されることを考慮していない。
【0023】
装置(10)による平均毛髪上塗布量測定に上記で使用したものと同じ組成物(レヴロン(Revlon)(商標)カスタムエフェクツ(Custom Effects)(商標)H10)(以下、テスト組成物と呼ぶ)を、製造業者指定の方法で調製した。過酸化水素を含む構成成分とアルカリ化剤を含む構成成分とを混合し、テスト組成物の約7重量%の過酸化水素を含有するテスト組成物を得た。アルカリ化剤の量は、テスト組成物の約2.7重量%と推測された(図5、データポイント(1))。約1.2グラム量の前記テスト組成物を、毛髪1グラムあたり0.8グラムのテスト組成物が塗布されるように、約1.5グラムのライトブラウンの毛髪ストランドの束(インターナショナル・ヘアー・インポーツ・アンド・プロダクツ(International Hair Imports and Products)、ニューヨーク州ヴァルハラ(Valhalla))に均一に塗布した。毛髪ストランドの束を30分間30℃で放置した。続いて、毛髪ストランドの束を水で1分間すすぎ、24時間空気乾燥した。この実験を、2つの別の毛髪ストランドの束に対して繰り返した。ミノルタ(Minolta)分光分析装置CM−3600d(積分球、D65規格、観測角10°)を用い、各毛髪ストランドの束に対して6回の測定値を記録して平均することにより平均色測定を行い、明度(L)を得た。塗布前(A)及び塗布後(B)に得られた明度を表1で報告する。同様に、ただし、毛髪1グラムあたり約4グラムのテスト組成物が塗布されるように、約1.5グラムの毛髪ストランドの束に約6グラムのテスト組成物を塗布し、実験を再度繰り返した。この量は、キャップ・フック式システム又はホイル式システムにより毛髪に塗布されるテスト組成物の概略量を意味する。塗布前(C)及び塗布後(D)に得られた明度をこちらも表1で報告する。
【0024】
明度、すなわちLは、別名CIELAB色空間として知られるCIE 1976(L**b)色空間で使用される明るさ/暗さの測定値である。Lの尺度は、黒である0から白である100となる。L値は毛髪の明るさを測定するパラメーターとして用いられ、したがって、異なる毛髪強調用組成物の定量化が可能となる。未処置の毛髪と組成物塗布後の毛髪で測定したL値との差はΔLであり、組成物が既定時間内にもたらした明るさの量の計測値である。ΔLは式(II)で与えられる。
【0025】
ΔL=L(塗布後)−L(未処置の毛髪) (II)
【0026】
ΔL値が高いほど、得られた明るさの程度と視認性が高くなる。明るさの程度は、当業者には「色落ち度」という用語で呼ばれることも多い。毛髪強調用組成物のユーザーは、ライトブラウンの毛髪において、少なくとも14ΔLの明るさを期待するのが一般的である。
【0027】
【表1】

【0028】
表1からわかるように、前記テスト組成物などの標準的な市販組成物を毛髪1グラムあたり0.8グラムで塗布するとき、得られたΔL値は、この種の組成物が約14ΔLの十分に視認可能な色落ちをもたらさないことを反映している。
【0029】
ごくわずかな色落ちを期待する特定のユーザーもいるが、多くのユーザーは、特に初めて毛髪に強調を入れる場合は、視認可能な、すなわち顕著な色落ちを達成することを目標とする。視認可能な強調とは、例えば、上述の標準的な市販組成物で得られる値よりも約3単位大きいL値変化に相当する。
【0030】
驚くべきことに、本発明の発明者らは、前記組成物(50)が毛髪1グラムあたり約0.5グラム〜約1.0グラムで供給されるとき、期待される最終結果をもたらすために、非常に限定した数学的関係で前記組成物(50)に対する過酸化水素とアルカリ化剤の重量パーセントを制御することを見出した。
【0031】
この数学的関係とは、式(I)で表される。
【0032】
X+1.5Y≧15% (I)
式中、Xは前記組成物(50)の重量に対する過酸化水素のパーセンテージであり、Yは前記組成物(50)の重量に対するアルカリ化剤のパーセンテージである。
【0033】
更に驚くべきことに、本発明の発明者らは、本明細書に記載する技術的効果を得るために、前記アルカリ化剤は前記組成物(50)のY重量パーセントで存在するだけではなく、前記アルカリ化剤は、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム及び炭酸水素ナトリウム、並びにこれらの混合物からなる群から選択される無機塩でなくてはならないことも見出した。
【0034】
更に本発明の発明者らは、前記組成物(50)の少なくとも約2重量%の過酸化水素の存在が必要であることも見出した。理論に束縛されるものではないが、過酸化水素が前記組成物(50)の約2重量%未満で存在するとき、未処置の毛髪に少なくとも視認可能な色落ちをもたらすには、必要とされる前記組成物(50)中アルカリ化剤の重量パーセントでは、前記組成物(50)のpHが非常に塩基性に偏ると考えられている。毛髪強調用組成物のpHは好ましくは約9.5〜約10.5、より好ましくは約9.7〜約10.4である。約10.5を超えてpHが上昇すると、毛髪を損傷しやすく、繊維の切断、強調後の濡れた状態での感触の悪さ、櫛通りの悪さ、及び輝きの悪さの原因となる。加えて、前記組成物(50)の約12重量%を超える過酸化水素のパーセンテージは、視認可能な、すなわち顕著な色落ちをもたらすことができるものの、混合前の構成成分が前記組成物の約12重量%を超える量の過酸化水素を含有していることは、商業的に実現不可能である。したがって、前記組成物(50)は、前記組成物(50)の約2重量%〜約11重量%の過酸化水素、好ましくは前記組成物(50)の約2重量%〜約10重量%の過酸化水素を含有する。
【0035】
以下の表2は、いくつかの組成物(50)の例と、少なくとも14ΔLの色落ちを得るために式(I)で要求される前記組成物(50)に対する過酸化水素及びアルカリ化剤の重量パーセントを示す。表2に示される前記組成物(50)は、目視で均一になるまで混合し、混合直後、約1.5グラム重量の毛髪ストランドの束(インターナショナル・ヘアー・インポーツ・アンド・プロダクツ(International Hair Imports and Products)、ニューヨーク州ヴァルハラ(Valhalla))にそれぞれ約1.2グラムの量を塗布した。したがって、塗布した組成物(50)量は毛髪1グラムあたり0.8グラムであった。
【0036】
表2に示すこれら3種の組成物(50)は、前記組成物(50)の約12重量%の過硫酸アンモニウム及び過硫酸カリウムを更に含む。前記過硫酸アンモニウムと過硫酸カリウムの割合は約15:85である。
【0037】
【表2】

【0038】
過酸化水素が前記組成物(50)の約2重量%のとき、表2及び図5のデータポイント(2)に示すように、アルカリ化剤は、少なくとも前記組成物(50)の約8.66重量%となる。図5のデータポイント(3)に示すように、前記組成物(50)に対するアルカリ化剤の重量パーセントが約8.6重量%より大きくなると、表2のデータポイント(3)に示すように明らかに前記組成物(50)より高い色落ちをもたらすことができ、ここで過酸化物濃度は約2%でアルカリ化剤濃度は約12%である。
【0039】
引き続き、少なくとも視認可能な色落ち度を得ながらも、前記組成物(50)に対するアルカリ化剤の重量パーセントを下げるには、式(I)に従って、前記組成物(50)に対する過酸化水素の重量パーセントを上げる必要がある。したがって、前記組成物(50)の約5重量%のアルカリ化剤が望まれる場合、図5のデータポイント(4)に示すように、前記組成物(50)の少なくとも約7.5重量%の過酸化水素を含有しなくてはならない。ΔL値で表される、未処置の毛髪に対する強調後の色落ちは、表2のデータポイント(4)に示される。
【0040】
好ましくは、前記組成物(50)は、前記組成物(50)に対する過酸化水素の重量パーセントに前記組成物(50)に対するアルカリ化剤の重量パーセントの1.5倍を足して、少なくとも約17重量%、より好ましくは少なくとも約20重量%、更により好ましくは前記組成物(50)の約20重量%を超える量を含有する。
【0041】
本発明の前記組成物(50)は、好ましくは前記組成物(50)に対して約3重量%〜約12重量%、より好ましくは約4重量%〜約10重量%、更に、より好ましくは約5重量%〜約9重量%のアルカリ化剤を含む。本発明の前記組成物(50)は、好ましくは前記組成物(50)に対して約2重量%〜約11重量%、より好ましくは約3重量%〜約11重量%、更に、より好ましくは約3重量%〜約9重量%の過酸化水素を含む。
【0042】
毛髪強調用組成物
1.過酸化水素
組成物(50)で使用する過酸化水素は、好ましくは水溶液で、安定性を向上させる添加剤を含む状態で提供される。供給元として、活性成分量35重量%、50重量%、60重量%、及び70重量%の過酸化水素を販売するソルベイグループ(Solvay Group)が挙げられる。
【0043】
2.アルカリ化剤
前記組成物(50)に存在するアルカリ化剤は、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム及び炭酸水素ナトリウム、又はこれらの混合物からなる群から選択される無機塩である。
【0044】
好ましくは、本発明の前記組成物(50)に含まれる前記アルカリ化剤は、ケイ酸ナトリウムと炭酸水素塩との混合物である。より好ましくは、前記混合物は、前記ケイ酸ナトリウムと前記炭酸水素塩とを約90:10〜約60:40で、より好ましくは約85:15〜約70:30の割合で含む。
【0045】
また、好ましくは前記アルカリ化剤は、ケイ酸ナトリウムとメタケイ酸ナトリウムとの混合物を含む。
【0046】
前記組成物(50)内に任意に存在してもよい追加の無機塩として、塩化ナトリウム、クエン酸アルミニウム、サッカリンカルシウム、サリチル酸カルシウム、クエン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、酢酸マグネシウム、アスコルビン酸マグネシウム、塩化アンモニウム、グルコン酸マグネシウム、酢酸カリウム、安息香酸カリウム、クエン酸カリウム、ソルビン酸カリウム、酢酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、ピルビン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
3.追加の構成成分
本発明の組成物(50)には、更に過硫酸塩を含めてもよい。前記過硫酸塩は、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム及びこれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは前記組成物(50)は、前記組成物(50)の少なくとも約2重量%、より好ましくは少なくとも約4重量%、及び更により好ましくは少なくとも約6重量%の前記無機過硫酸塩を含む。
【0048】
好ましくは前記過硫酸塩には、過硫酸アンモニウムと過硫酸カリウムの混合物を含む。より好ましくは、前記過硫酸アンモニウムと過硫酸カリウムとの混合物中の割合は、約5:95〜約50:50、更により好ましくは約10:90〜約25:75である。
【0049】
前記組成物(50)は、更に、既知である、従来使用されている、ないしは別の形でヘアトリートメント組成物に、特に酸化脱色用及び染色用組成物に使用するのに有効である成分を含んでもよく、顕色剤と染料との配合物(developer dye compounds);発色剤配合物(coupler dye compounds);直接染料、例えば医薬品及び化粧品用オレンジ4号、アシッドイエロー1号、医薬品及び化粧品用赤色28号、ディスパース赤色17号、HC青色15号、アシッドブルー;酸化剤、還元剤、1種以上の増粘剤、キレート剤、pH変性剤及び緩衝剤、アルカリ化剤、炭酸塩イオン源及びラジカルスカベンジャー系、グリシン、アモジメチコン、エチレンジアミンジコハク酸(ethylenediamine disuccinic acid)、界面活性剤(アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性、若しくは両性イオン性)又はそれらの混合物、ポリマー(アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性、若しくは両性イオン性)、疎水性変性ポリマー又はそれらの混合物、香料、分散剤、溶剤、過酸化物安定化剤、キレート剤、湿潤剤、タンパク質及びその誘導体、植物材料(例えば、アロエ、カモミール、及びヘンナ抽出物)、シリコーン(揮発性若しくは不揮発性、変性若しくは未変性)、被膜形成剤、オレオゲル、セルロースポリマー及びその誘導体、セラミド、防腐剤、ゲル網目、1種以上のカラーインディケーター、並びに、二酸化チタン及びウルトラマリンを含む乳白剤が挙げられるが、それらに限定されない。好適ないくつかの補助剤は、国際化粧品成分事典及びハンドブック(International Cosmetics Ingredient Dictionary and Handbook)(第8版、化粧品、洗面用化粧品、及び芳香剤協会(The Cosmetics, Toiletry, and Fragrance Association)に列挙されている。特に、第2巻、3項(化学分類)及び4項(機能)は、特定の目的又は複数の目的を達成するための具体的な補助剤を識別するのに有用である。代表的であるが網羅的ではないポリマー及び増粘剤のリストは、「化粧品用のポリマー及び増粘剤百科事典(The Encyclopaedia of Polymers and Thickeners for Cosmetics)」、ロバート・Y・ロックヘッド(Robert Y. Lochhead)PhD及びウィリアム・R・フロン(William R. Fron)編集・監修、南ミシシッピ大学(University of Southern Mississippi)、ポリマー科学学部(Department of Polymer Science)に見出すことができる。
【0050】
装置
本発明のシステムは、装置(10)を含む。前記装置(10)は、第2部分に可動的に結合される第1部分を備える。前記第1部分を平板部(110)又はくぼみ部(115)のいずれかであってもよく、好ましくは前記第1部分はくぼみ部(115)である。前記第2部分を平板部(120)又はくぼみ部(125)のいずれかであってもよく、好ましくは前記第2部分は平板部(120)である。
【0051】
本発明の前記装置(10)の平板部(120)及びくぼみ部(115)は人間工学的な寸法であり、そのため容易にいずれかの手にフィットさせることができる。前記平板部(120)の形状は可変としてもよい。矩形、正方形、円形、楕円形、長円形又はこれらの組み合わせは、製造し易いため有用である場合があるが、他の形状、特に消費者によって容易に認識される形状を使用してもよい。
【0052】
前記平板部(120)は外辺部(103)と、内部表面(121)と外部表面(122)を含む。前記くぼみ部(115)は基部(116)と、壁部(117)とを含み、前記壁部(117)は周縁部(118)を含む。前記基部(116)と、前記壁部(117)と前記周縁部(118)は、開口部(203)と前記くぼみ部(115)の内部容積(204)を画定し、ここで前記内部容積(204)は、好ましくは前記組成物(50)を収容するためのものである。前記平板部(120)の前記外辺部(103)と、前記くぼみ部(115)の前記壁部(117)の前記周縁部(118)とは、曲線状又は直線状としてもよい。これらの形状とは無関係に、好ましくは前記平板部(120)の外辺部(103)は、前記くぼみ部(115)の周縁部(118)と実質的に同じように伸長延びる。
【0053】
前記平板部(120)の前記内部表面(121)及び前記外部表面(122)、並びに前記くぼみ部(115)の前記基部(116)及び前記壁部(117)は、内部表面(121)及び/又は前記外部表面(122)及び/又は前記底部(116)及び/又は前記壁部(117)とは視認可能及び/又は触知可能な相違を有する、1つ以上の領域を更に含んでもよい。視認可能又は触知可能な相違は、色及び/又は色合いの相違、パターン、マーキング、及び/又はエンボスの相違を含む。これらの視認可能又は触知可能な相違、色及び/又は色合いの相違、パターン、マーキング、及び/又はエンボスの相違、特にくぼみ部(115)にある相違を、前記装置(10)への組成物(50)の収容場所や収容量を示すのに用いることができる。
【0054】
前記平板部(120)の前記内部表面(121)は、好ましくは実質的に平らであり、一方、前記平板部(10)の前記外部表面(122)、前記くぼみ部(115)の前記基部(116)及び前記壁部(117)はそれぞれ実質的に平ら又は曲線であってもよい。好ましくは、前記くぼみ部(115)の前記基部(116)は実質的に平らである。前記内部表面(121)が実質的に平らであるとき、その表面積は、好ましくは約2cm2〜約150cm2、好ましくは約2cm2〜約70cm2、より好ましくは約3cm2〜約50cm2、更により好ましくは約4cm2〜約30cm2である。
【0055】
前記平板部(120)及び/若しくは前記くぼみ部(115)、又はこれらの少なくとも一部は、1つ以上の空隙、1つ以上のV型若しくはU型の溝又はこれらの組み合わせを備えてもよい。前記空隙又は溝は、前記内部表面(121)、前記外部表面(122)、前記基部(116)、前記壁部(117)又はこれらの組み合わせに別個に位置してもよい。
【0056】
前記平板部(120)及び前記くぼみ部(115)を、必要に応じてポリオレフィン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、板紙などの可撓性の柔軟な基材、及び、特にポリカーボネート、これらの組み合わせなどの任意の周知の材料から製造することができる。有用な製造方法には、射出成形、共射出成形及び特に真空成形、並びにこれらの組み合わせが挙げることができる。
【0057】
材料(60)を前記装置(10)の前記第1部分上及び/又は第2部分上に置くことができる。前記材料(60)は好ましくは、不織布、発泡体及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。1つの実施形態を図1に示しており、ここでは円盤状の材料(60)を前記平板部(120)の前記内部表面(121)上に置いている。別の実施形態を図4に示しており、ここでは不織布リベルテックス(Libeltex)01−766 DI−4を、可動的に結合する第1部分及び第2部分の両方に置いている。好ましくは、不織布リベルテックス(Libeltex)01−766 DI−8を前記くぼみ部(115)の前記壁部(117)の前記周縁部(118)に置き、更により好ましくは、前記不織布リベルテックス(Libeltex)01−766 DI−4を前記平板部(120)の前記内部表面(121)に前記外辺部(103)に沿って置く。
【0058】
前記材料(60)を、取り外し可能に、又は持続的に、前記装置(10)の前記第1部分上及び/又は第2部分上に置くことができる。前記材料(60)を取り付けるのに適した、いずれの方法も、その方法が前記材料(60)の性能を損なわない又は変化させないことを条件として、本明細書で使用してもよい。前記材料(60)の取り付けに有用な方法には、熱溶接、接着、及び特に押出成層、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。前記装置(10)が閉じた状態のとき、前記材料(60)を含む前記第1部分及び第2部分が実質的に並置されるように、好ましくは前記材料(60)は前記装置(10)の第1部分及び第2部分の両方に置かれる。前記材料(60)があることで、毛髪処置用組成物をより均一に塗布させ、組成物が装置(10)の外に滴り出ることを防ぐ。
【0059】
前記装置(10)の第1部分及び第2部分は可動的に結合される。前記第1部分及び第2部分は、接続部(30)を介して可動的に結合されてもよい。好ましくは、接続部(30)は、前記平板部(120)及びくぼみ部(115)に可動的に結合される。装置(10)中に接続部(30)は不可欠であり、装置(10)にわたっての制御に対するユーザー感覚を向上し、片手を使って、各毛髪ストランドの束まで正確にかつ容易に装置(10)を誘導できるようにする。
【0060】
前記平板部(120)及び前記くぼみ部(115)が可動的に結合されていることと、前記平板部(120)と前記くぼみ部(115)との間に接続部(30)があることで、前記装置(10)を、開いた状態から閉じた状態に替えることが可能である。図1及び2には、前記装置(10)を開いた状態で示す。図3Aに示すように、前記装置(10)が閉じた状態のとき、前記平板部(120)の内部表面(121)は、前記くぼみ部(115)の前記開口部(203)と並置関係にある。前記平板部(120)及び前記くぼみ部(115)は、接続部(30)の周りを回転して開いた状態から閉じた状態に替えてもよく、1つの実施形態では、装置(10)が開いた状態で、ユーザーが前記平板部(120)の前記外部表面(122)と前記くぼみ部(115)に圧力を加え、装置(10)を閉じた状態にする。前記平板部(120)及び前記くぼみ部(115)を閉じた状態から開いた状態に戻すために、前記平板部(120)の前記外部表面(122)又は前記くぼみ部(115)のどちらにも、ユーザーの指で使用するための1つ以上の嵌合手段が別個に提供されてもよく、又は接続部(30)自体が、好ましくは戻しばねによって前記平板部(120)と前記くぼみ部(115)を当初の向きに戻せてもよい。
【0061】
平板部(120)及びくぼみ部(115)は、接続部(30)に対する上述の要件を満たす任意の好適な手段(ユーザーの手、例えば親指と人差し指によるものを含む)をを介して接続される。1つの実施形態では、前記平板部(120)及び前記くぼみ部(115)は、ピンセット様又はトング様の接続部(30)のアームの末端に取り付けられる。他の実施形態では、前記平板部(120)及び前記くぼみ部(115)は1つ以上のヒンジを介して接続され、好ましくは前記接続部(30)がヒンジである。
【0062】
装置(10)は、1つ以上の封止手段を更に備えてもよく、好ましくは1つの封止手段(401)が装置(10)内に存在する。図2Aに示すように、前記封止手段(401)は、前記くぼみ部(115)内の前記基部(116)上で前記接続部(30)に隣接した壁部(117)に位置してもよい。前記封止手段(401)は、接続部(30)側の前記壁部(117)に隣接した前記くぼみ部(115)の基部(116)上、又は前記接続部(30)に隣接した内部表面(121)に位置してもよい。好ましくは前記封止手段(401)は前記接続部(30)の一部である。
【0063】
1つ以上の止め具機構が前記装置(10)上に組み込まれてもよい。止め具機構は前記接続部(30)と協動して、前記平板部(120)の内部表面(121)が、前記くぼみ部(115)の前記開口部(203)に対して適切に並置関係となるのを確実にする。1つ以上の止め具機構は、前記組成物(50)が前記くぼみ部(115)の前記周縁部(118)からはみ出ることを低減することができる。
【0064】
ある実施形態では、止め具機構を1つ以上の歯、くし様構造の歯群としてもよい。1つの実施形態では、図2Aに示すように、2つの止め具機構は前記くぼみ部(115)の前記壁部(118)の前記周縁部(117)上に備えられ、好ましくは2つの止め具機構は、ほぼ同一の半球である(402、403)。ここには示していないが、特定の別の実施形態において、止め具機構を接続部(30)自体の内部に一体化してもよい。
【0065】
止め具機構(402)の製造に有用な材料として、前記平板部(120)の製造用として上述したもの、及びそれらの組み合わせを挙げてもよい。
【0066】
本発明の1つの実施形態では、図2Aに示すように、部材(40)が前記平板部(120)の前記内部表面(121)から突出する。前記近位基部(41)は、前記内部表面(121)に取り付けられる。本発明の前記装置(10)の前記平板部(120)は軸線Yを含む。前記軸線Yは、前記平板部(120)の中心から実質的に直線的に延び、図2Bに示すように、前記接続部(30)を、好ましくは前記接続部(30)に対して垂直に横切る。図2Bに示すように、前記部材(40)は最大長(L)を有する。図2Cに示すように、前記部材(40)は近位基部(41)及び遠位基部(42)を含む。図2Cに示すように、前記部材(40)は最大高さ(H)と最大幅(W)を有する。前記部材(40)は、好ましくは前記平板部(120)の前記内部表面(121)から、前記最大高さ(H)で軸線Yと直交するように突出する。前記部材(40)は、その最大長(L)で軸線Yに対して横断的に延びてもよい。前記部材(40)は、その最大長(L)で、好ましくは軸線Yに沿って及び/又は実質的に平行に延びる。
【0067】
好ましくは、前記最大長(L)は最大幅(W)の少なくとも2倍である。最大長(L)は、好ましくは約20.0cm〜約0.2cm、より好ましくは約15.0cm〜約0.3cm、更により好ましくは約10.0cm〜約0.5cmである。最大幅(W)は、好ましくは約2.5cm〜約0.01cm、より好ましくは約1.0cm〜約0.02cm、更により好ましくは約0.5cm〜約0.03cmである。最大高さ(H)は、好ましくは約5.0cm〜約0.1cm、より好ましくは約2.5cm〜約0.2cm、更により好ましくは約1.5cm〜約0.3cmである。
【0068】
部材(40)は、平行六面体形、立方体形、円筒形、円錘形又は角錘台形などを非限定的に含む様々な形状としてもよい。図2Aに示す本発明の実施形態では、前記部材(40)は、好ましくは実質的に角錘台形である。
【0069】
ここには示していないが、他の実施形態では、前記部材(40)は、前記平板部(120)の前記内部表面(121)から出る2本のピンによって、円形基部を介して前記内部表面(121)に回転的に嵌合する円筒を含む。
【0070】
前記装置(10)が閉じた状態のとき、前記部材(40)の前記遠位基部(42)は前記くぼみ部(115)の前記基部(116)に接触しないため、通過部が残されており、前記毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束は拘束されない。
【0071】
理論に束縛されるものではないが、部材(40)が存在することで、毛髪ストランドを曲げて前記くぼみ部(20)内に毛髪ストランドを挿入しやすくし、それにより前記組成物(50)と毛髪ストランドが接触すると考えられている。これにより毛髪ストランドへ前記組成物(50)を均一に塗布させる。
【0072】
前記部材(40)の製造用材料は、前記平板部(120)の製造用として上述したもの及びそれらの組み合わせから選択してもよい。
【0073】
本発明の他の実施形態では、前記装置(10)は、第1フィン(70)、好ましくは前記平板部(120)の前記内部表面(121)からそれぞれ突出する第1フィン(70)及び第2フィン(71)を含む。本発明の範囲内で用語「フィン」とは、好ましくは以下に記載するように実質的に一定の厚さを有する、ストリップ状又はシート状の材料と定義する。前記第1フィン(70)及び/又は第2フィン(71)の形状は可変であってもよく、好ましくは前記第1フィン(70)及び/又は第2フィン(71)は平行六面体形を有し、6面のうち2面が、他の4面の面積よりも少なくとも2倍の面積で拡がる。これらの2面は、好ましくは実質的に平らな表面を有する。前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)の形状は可変であってもよい。矩形、正方形、円形、楕円形、長円形、又はこれらの組み合わせが、有用である場合がある。図3に示す矩形が好ましい。
【0074】
理論に束縛されるものではないが、前記第1フィン(70)存在することで、及び好ましくは前記第2フィン(71)も存在することにより、毛髪ストランドを曲げて前記くぼみ部(20)内に毛髪ストランドを挿入しやすくし、それにより前記組成物(50)と毛髪ストランドを接触させると考えられている。これにより、毛髪ストランドへ前記組成物(50)を均一に塗布させる。
【0075】
図3Cに示すように、第1フィン(70)は前記平板部(120)の前記内部表面(121)から突出し、約1mm〜約50mmの平均第1長さ(L1)で延びる。前記第1フィン(50)は、前記平板部(10)の実質的に平らな内部表面(101)と約15°〜約75°の角度αを形成する。好ましくは、前記平板部(120)の前記内部表面(121)が実質的に平らであるとき、前記角度αは約35°〜約55°、より好ましくは約35°〜約50°である。図3A、3B、及び3Cに示すように、好ましくは第2フィン(71)は、前記平板部(120)の前記内部表面(121)から前記第1フィン(70)とは別個に突出し、約1mm〜約50mmの平均第2長さ(L2)で前記第1フィン(70)とは別個に伸びる。前記第2フィン(71)は、前記平板部(120)の内部表面(121)と約15°〜約75°の角度βを、前記第1フィン(70)により形成される角度αとは別個に形成する。好ましくは、前記平板部(120)の前記内部表面(121)が実質的に平らであるとき、前記角度βは、約35°〜約55°、より好ましくは約35°〜約50°である。より好ましくは、前記平板部(120)の前記内部表面(121)は実質的に平らであり、前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)は、前記実質的に平らな内部表面(121)と、約35°〜約55°のほぼ同一の角度α及びβを形成する。
【0076】
各々の前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)は、遠位縁(80、81)及び近位縁(90、91)を含む。前記近位縁(90、91)は、図3Aに示す前記平板部(120)の前記内部表面(121)に取り付けられる。前記近位縁(90、91)は、それぞれ別個に前記第1フィン(70)の第1平均幅(W1)及び前記第2フィン(71)の第2平均幅(W2)で、またそれぞれ別個に前記第1フィン(70)の第1平均厚さ(T1)及び前記第2フィン(71)の第2平均厚さ(T2)で囲まれる。前記第1平均幅及び第2平均幅である(W1)及び(W2)は、好ましくは約20cm〜約0.5cm、より好ましくは約15cm〜約1cmであり、一方前記第1平均厚さ及び第2平均厚さ(T1)及び(T2)は、好ましくは約5mm〜約0.1mm、より好ましくは約4mm〜約0.5mmである。好ましくは、前記近位縁(90、91)は、ほぼ同一の第1平均幅及び第2平均幅(W1、W2)とほぼ同一の第1及平均厚さび第2平均厚さ(T1、T2)を有する。前記第1フィン及び第2フィン(70、71)の前記遠位縁(80、81)は、好ましくは前記近位縁(90、91)とほぼ同一の寸法を有する。
【0077】
本発明によると、第1フィン(70)及び第2フィン(71)が存在するとき、2つのフィンのどちらを第1フィン(70)又は第2フィン(71)とするかは問わない。前記装置(10)がフィンを1つのみ備えるとき、前記フィンを第1フィン(70)と呼び、前記装置(10)が2つのフィンを備えるとき、平均幅が長い方のフィンを第1フィン(70)と呼ぶ。
【0078】
前記第1フィン及び第2フィン(70、71)は、前記平板部(120)の前記内部表面(121)から、一方に対して任意の方向で突出してもよい。好ましくは、図3Aに示すように、前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)は、前記第1フィン(70)の前記近位縁(90)が前記第2フィン(71)の前記近位縁(91)に対して実質的に平行になるように内部表面(121)から突出する。図3A及び3Cに示すように、好ましくは前記第1フィン(71)の前記近位縁(90)、より好ましくは前記第1フィン(71)の前記近位縁(90)及び前記第2フィン(71)の前記近位縁(91)は、内部表面(121)から前記平板部(120)の軸線Yと平行に突出する。
【0079】
装置(10)が第1フィン及び第2フィン(70、71)を備えるとき、図3Bに示すように、前記第1フィン(70)の前記遠位縁(80)及び前記第2フィン(71)の前記遠位縁(81)は、一方がもう一方の方向へ傾いてよく、あるいは反対方向へ反らしてもよく、あるいは傾きのない同一方向に向けてもよい。
【0080】
本発明の前記装置(10)の1つの好ましい実施形態は第1フィン(70)及び第2フィン(71)を備え、前記第1フィン及び第2フィン(70、71)が実質的に同一の平均長さ(L1)及び(L2)で別個に延び、前記平板部(120)の前記内部表面(121)は実質的に平らであり、前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)が前記実質的に平らな内部表面(121)と約35°〜約55°のほぼ同一の角度α及びβを形成し、図3Aに示すように、前記第1フィン及び第2フィン(70、71)が前記平板部(120)の前記内部表面(121)から、前記遠位縁(80、81)の一方がもう一方の方向へ傾くように突出する。
【0081】
前記第1フィン及び第2フィン(70、71)は様々な材料で提供されてもよく、平板部(120)の材料として上述したもの、及びポリテトラフルオロエチレン、ラテックス、熱可塑性エラストマー、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは材料は可撓性である。
【0082】
使用方法
本発明は更に、毛髪ストランドを本明細書に記載する方法で前記装置(10)と接触させることによる、毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束への組成物(50)の塗布方法にも関する。前記装置(10)は、あらかじめ前記組成物(50)を収容しておいてもよいが、好ましくは前記組成物(50)は、毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束と前記装置(10)が接触する前に前記装置(10)に載せられる。
【0083】
毛髪処置用組成物は、任意の手段で装置(10)上に載せることができる。1つの実施形態では、前記組成物(50)を、例えば、へらや注射器を用いて、絞り出しチューブ、ディスペンサーボトル、単相若しくは二相ポンプ、容量を排出する単相若しくは二相ピストン、サッシェ、又は任意のその他好適なディスペンサーで塗布し、毛髪処置用組成物を前記くぼみ部(115)の内部容積(204)内に直接載せる。
【0084】
前記装置(10)に前記組成物(50)を載せた後、ユーザーは、前記平板部(120)の外部表面(122)とくぼみ部(115)とを片手に、好ましくは親指と人差し指との間に挟んで前記装置(10)を保持する。ユーザーが処置する毛髪ストランドを選択した後、その毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束を前記装置(10)を開いた状態にして、平板部(120)とくぼみ部(115)の間に配置する。その後、前記平板部(120)の前記内部表面(121)を前記くぼみ部(115)の開口部(203)と並置関係にして、前記装置(10)を閉じた状態にする。閉じた状態に保持しながら、毛髪ストランドの長さに沿って前記装置(10)をスライドさせ、前記組成物(50)を塗布する。より好ましくは、前記装置(10)を毛髪ストランドの根元線、好ましくは毛髪ストランドの束の根元線に置く。また、毛髪の限られた領域のみに前記組成物(50)を塗布してもよく、即ち、ユーザーは、毛髪処理組成物で根元線のみをコーティングすることができる。スライド操作を2回以上、好ましくは2回繰り返してもよい。前記組成物(50)を任意に水及び/又はシャンプーで落とし、次いで必要に応じてスタイリング及び/又は乾燥を行う。
【0085】
前記組成物(50)を装置(10)を用いて、毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束の強調に使用でき、前記組成物(50)は前記組成物(50)のY重量パーセントのアルカリ化剤及び前記組成物(50)のX重量パーセントの過酸化水素を含有し、前記組成物(50)は前記組成物(50)の最低2重量%の過酸化水素を含有し、前記過酸化水素及びアルカリ化剤の重量パーセントは式(I)で定義されるかそれ以上であり、式(I)は
X+1.5Y≧15% (I)であり、
前記アルカリ化剤はケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム及び炭酸水素ナトリウム、並びにこれらの混合物からなる群から選択される無機塩である。
【0086】
好ましくは、前記組成物(50)は、1.0s-1において、約10Pa〜約160Pa、より好ましくは約12Pa〜約120Pa、最も好ましくは15Pa〜80Paのレオロジーを有する。
【0087】
毛髪処置用組成物のレオロジーは、TAインスツルメンツ・アドバンスド・レオメーター(TA Instruments Advanced Rheometer)(AR)2000を用いて測定する。この装置は、内半径15.00mmの同心円基部、及び半径14.00mm、高さ42.00mmの標準寸法の翼状部を備える。間隙形状は4000マイクロメートルに設定する。2種以上の製剤から作られる毛髪処置用組成物は、これら種々の処方をサンプル容器内で30秒間、手で振って完全に混合することで調製する。混合した毛髪処置用組成物を、直ちに同心円基部内に置き、翼状部の頂点が毛髪処置用組成物で覆われるように、標準的翼状部を間隙形状まで下げる。温度を25℃に平衡化し、毛髪処置用組成物を、せん断速度が対数的に約0.05から約200s-1まで増加する前に、更に30秒間放置し、10進毎に7ポイントを記録する。全ての段階で温度を25℃に維持する。剪断応力を1.0s-1で記録し、Paで示す。
【0088】
キット
本発明は、更にキットを含む。前記キットは1つ以上の装置(10)(ここで前記装置(10)は第2部分に可動的に結合される第1部分を備える)と、本明細書に記載される組成物(50)を形成する、少なくとも別個にパッケージ化された第1構成部分及び第2構成成分とを含む。前記別個に別個にパッケージ化された第1構成成分は過酸化水素を含有し、別個にパッケージ化された第2構成成分はアルカリ化剤を含有する。前記アルカリ化剤はケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム及び炭酸水素ナトリウム、並びにこれらの混合物からなる群から選択される無機塩である。
【0089】
本発明のキットの1つの実施形態では、前記別個にパッケージ化された第1構成成分は、別個にパッケージ化された第1構成成分の約2重量%〜約12重量%の過酸化水素を含有し、前記別個にパッケージ化された第2構成成分は、別個にパッケージ化された第2構成成分の約10重量%〜約60重量%のアルカリ化剤を含有し、別個にパッケージ化された第2構成成分は粉末状又はペースト状であり、別個にパッケージ化された第2構成成分が約20重量%〜約60重量%の過硫酸塩を更に含有し、過硫酸塩は過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム及びこれらの混合物からなる群から選択される。前記キットは、第3及びそれ以上の別個にパッケージ化された構成成分を任意に含んでもよい。
【0090】
本発明の他の実施形態では、前記別個にパッケージ化された第1構成成分は、別個にパッケージ化された第1構成成分の約2重量%〜約12重量%の過酸化水素を含有し、前記別個にパッケージ化された第2構成成分は、別個にパッケージ化された第2構成成分の約10重量%〜約100重量%のアルカリ化剤を含有し、前記アルカリ化剤は、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム及び炭酸水素ナトリウム、並びにこれらの混合物からなる群から選択される無機塩であり、別個にパッケージ化された第2構成成分は粉末状又はペースト状であり、前記キットは別個にパッケージ化された第3構成成分を更に含み、別個にパッケージ化された第3構成成分は約20重量%〜約95重量%の過硫酸塩を含有し、過硫酸塩は過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記キットは第4及びそれ以上の別個にパッケージ化された構成成分を任意に含む。
【0091】
更なる別個にパッケージ化された構成成分が本発明のキット中にあってもよく、シャンプー、コンディショナー、又はスタイリング製品を含めてもよい。本発明のキットは、毛髪ストランドを選択する手段、くし若しくはブラシ、グローブ、穴あきキャップ、ピンセット、トング(tongues)、フック、又はこれらの組み合わせなどの追加の構成要素を更に含んでもよい。
【0092】
本発明のキットは、前記装置(10)の使用法、前記組成物(50)の調製及び/又は塗布方法に対する説明書を更に含んでもよい。前記説明を、キットのパッケージ自体、紙媒体、コンパクトディスク、DVD、ウェブサイトのアドレス、又は分配手段及び/若しくは装置(10)自体など、任意の種類の媒体に記録してもよい。
【実施例】
【0093】
以下には、本発明の装置(10)内に収容され得るいくつかの組成物(50)例を示す。
【0094】
組成物(50)を、過酸化水素相(E〜K)約45グラムと対応するアルカリ化剤相(e〜k)約15グラムを混合することにより配合した。
【0095】
【表3】

【0096】
組成物(50)を、液状の相1(表4の1.1、2.1、3.1、4.1、5.1、6.1、7.1、8.1又は9.1)の任意の製剤約45gと、固体状の相2(表4の1.2、2.2、3.2、4.2、5.2、6.2、7.2、8.2又は9.2)の任意の製剤約15gとを混合することにより調製した。混合は以下のように行った。相2の固体製剤を混合トレイ内に入れ、相1の液体製剤を固体相1の頂点から注いだ。続いてへらを用いて2種類の製剤を混合し、毛髪強調用組成物(50)を作った。混合は、組成物(50)が目視で均質になったときに終了した。
【0097】
【表4】

1カーボポール(Carbopol)(商標)956、ノベオン社(Noveon Inc.)
2ケルトロール(Keltrol)(商標)T−CPケルコ(CP Kelco)
3ステアリルアルコール、クロダコール(Crodacol)S−95、クローダ社(Croda, Inc.)
4セチルアルコール、クロダコール(Crodacol)C−70、クローダ社(Croda, Inc.)
5セテアレス(Cetearth)25、クレモフォア(Cremophor)A25、BASF社(BASF Corporation)
6アキュリン(Aculyn)(商標)33、ローム&ハース社(Rohm and Hass Company Inc.)
7ナトロゾル(Natrosol)(商標)プラス(Plus)CSグレード330、ハーキュレス社(Hercules Incorporated)
8サルケア(Salcare)(商標)SC 90、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals Corporation)
9カーボポール(Carbopol)(商標)ウルトレッツ(Ultrez)10、ノベオン社(Noveon Inc.)
【0098】
別の実施例では、過酸化水素を含む表5の構成成分(a1)30gと、過硫酸塩を含む表5の構成成分(b1)15gとをトレイ内に入れ、へらで混合することにより組成物(50)を調製した。
【0099】
【表5】

10セテアリルアルコール−クロダコール(Crodacol)CS−50、クローダ社(Croda Inc)
11トリデセス2カルボキサミドMEA−アミノール(Aminol)A15、カオウ・ケミカルズ社(Kao Chemicals GmbH)
12セテアレス−30−オイムルギン(Eumulgin)(商標)B3、コグニス社(Cognis GmbH)
13ペンテト酸五ナトリウム−ベルセネックス(Versenex)80、ダウ・ケミカルズ社(Dow Chemicals)
19アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー、カーボポール(Carbopol)(商標)ウルトレッツ(Ultrez)20、ノベオン社(Noveon Inc.)
20ステアリン酸マグネシウム−ラジアスター(Radiastar)(商標)1100、オレオン社(Oleon NV)
21スルホコハク酸ジエチルヘキシルナトリウム、ゲロポン(Geropon)SS−0−75、ローディア社(Rhodia Inc.)
22VP/VAコポリマー−ルビスコール(Luviskol)(商標)VA73E、BASF社(BASF Corporation)
23ポリデセン−ピュアシン(Puresyn)(商標)1000、エクソンモービル・ケミカル社(ExxonMobil Chemical Company)
【0100】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置(10)と、組成物(50)とを含む毛髪処置用システムであって、
前記装置(10)は、接続部(30)によって第2部分に可動的に結合される第1部分を備え、前記組成物(50)は、該組成物(50)のX重量パーセントの過酸化水素と、前記組成物(50)のY重量パーセントのアルカリ化剤とを含み、前記組成物(50)は、該組成物(50)の最低2重量%の過酸化水素を含み、前記組成物(50)中の前記過酸化水素及び前記アルカリ化剤の重量パーセントが式(I)で定義され、式(I)は、
X+1.5Y≧15% (I)であり、
前記アルカリ化剤は、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム及び炭酸水素ナトリウム、並びにこれらの混合物からなる群から選択される無機塩であるシステム。
【請求項2】
前記装置(10)の前記第1部分は、平板部(110)又はくぼみ部(115)のいずれか、好ましくはくぼみ部(115)であり、前記装置(1)の前記第2部分は、平板部(120)又はくぼみ部(125)のいずれか、好ましくは平板部(120)である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記接続部(30)がヒンジである、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1部分は、基部(116)と、壁部(117)と、周縁部(118)とを備えるくぼみ部(115)であり、前記基部(116)と、前記壁部(117)と、前記周縁部(118)とは、開口部(203)と、前記くぼみ部(115)の内部容積(204)とを画定し、前記第2部分は、外辺部(103)と、内部表面(121)と、外部表面(122)とを備える平板部(120)であり、前記平板部(120)の前記内部表面(121)は、前記くぼみ部(115)の前記開口部(203)に対して並置関係になることができる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
少なくとも部材(40)が前記平板部(120)の前記内部表面(121)から突出する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
少なくとも第1フィン(71)、好ましくは第1フィン(71)及び第2フィン(72)が前記平板部(120)の前記内部表面(121)から突出する、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記組成物(50)が過硫酸塩を更に含み、前記過硫酸塩は、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記過硫酸塩は、過硫酸アンモニウムと過硫酸カリウムとの混合物を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記過硫酸アンモニウムと前記過硫酸カリウムとの前記混合物中の割合が5:95〜50:50である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記アルカリ化剤は、ケイ酸ナトリウムと炭酸水素塩との混合物である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記混合物は、90:10〜60:40、より好ましくは85:15〜70:30の割合の前記ケイ酸ナトリウムと前記炭酸水素塩とを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記組成物(50)は、1種以上の増粘剤、1種以上のカラーインディケーター及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分を更に含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束を、請求項4に記載の前記装置(10)に接触させると共に前記装置(10)が開いた状態のときに前記平板部(120)と前記くぼみ部(115)との間に置き、前記平板部(120)の前記内部表面(121)を前記くぼみ部(115)の開口部(203)に対して並置関係とし、前記装置(10)を前記毛髪ストランドの長さに沿って通すことにより、前記毛髪ストランドに組成物(50)を塗布する方法。
【請求項14】
1つ以上の装置(10)と、請求項1〜12のいずれか一項に記載の前記組成物(50)を形成するために別個にパッケージ化された少なくとも第1構成成分及び第2構成成分とを含むキットであって、
前記装置(10)は、第2部分に可動的に結合する第1部分を備え、前記別個にパッケージ化された第1構成成分が過酸化水素を含み、前記別個にパッケージ化された第2構成成分がアルカリ化剤を含み、前記アルカリ化剤は、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム及び炭酸水素ナトリウム、並びにこれらの混合物からなる群から選択される無機塩であるキット。
【請求項15】
前記装置(10)を使用するための説明書と、前記組成物(50)を調製及び/又は塗布するための説明書とを更に含む、請求項14に記載のキット。
【請求項16】
装置(10)を用いて毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束を強調するための組成物(50)の使用であって、
前記装置(10)は、第2部分に可動的に結合する第1部分を備え、前記組成物(50)は、該組成物(50)のY重量パーセントのアルカリ化剤と前記組成物(50)のX重量パーセントの過酸化水素とを含み、前記組成物(50)は、前記組成物(50)の最低2重量%の過酸化水素を含み、前記過酸化水素及び前記アルカリ化剤の重量パーセントが式(I)で定義されるかそれより大きく、式(I)が
X+1.5Y≧15% (I)であり、
前記アルカリ化剤は、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム及び炭酸水素ナトリウム、並びにこれらの混合物からなる群から選択される無機塩である、組成物(50)の使用。
【請求項17】
前記組成物(50)は、1s-1において10Pa〜160Pa、好ましくは12Pa〜120Paのレオロジーを有する、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
前記組成物を含む毛髪ストランドの認識される乾燥速度を向上する、請求項16に記載の使用。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−527732(P2010−527732A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509941(P2010−509941)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【国際出願番号】PCT/IB2008/052271
【国際公開番号】WO2008/152570
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】