説明

民間航空機の乗客用酸素供給の分配を調節するシステムの改善

【解決手段】航空機非常時酸素供給システム(10)は、一つ以上の呼吸可能な酸素の補給源(12a、12b)と、入口弁に接続される一つ以上の呼吸装置(18a、18b)用の一つ以上の入口弁(16a、16b)と、一つ以上の客室空気圧トランスデューサ(24)と、を備える。圧力コントローラ(20)は、一つ以上の客室空気圧トランスデューサに応答して入口弁を制御する。一つ以上の第2圧力トランスデューサが、監視される入口弁の下流で導管に接続されてもよい。圧力コントローラは、一つ以上の第2圧力トランスデューサに応答して入口弁の動作を制御してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流体の計測および制御に関し、より詳細には、特に民間旅客機で使用される、乗客に補給される酸素の流体を計測および制御することに関する。
【背景技術】
【0002】
約12,000フィート以上の高度で客室与圧が失われたときに乗客に酸素を供給するために航空機に通常備え付けられているような緊急時酸素供給システムは、必要なときに頭上の収納区画から放出されるフェイスマスクに接続された、呼吸可能な酸素の補給源を備えている。呼吸可能な酸素の流れは、客室与圧が回復するまで、またはより低く安全である高度に到達するまで、乗客の呼吸を維持するよう十分なものでなければならない。
【0003】
現在、気体酸素の供給源を利用する大型航空機の乗客用酸素システムにおいては、中心に配置された貯蔵容器またはシリンダのバンクから、座席の各列に近接して配置されるマニホールドまで、パイプ網によって酸素が分配される。各乗客用マスクには、通常、マニホールドの別々のオリフィスを経由して酸素が供給される。マニホールドへの入力圧力を変化させることによって、各マスクへの酸素の流れを変えることができる。
【0004】
フェイスマスクに緊急用酸素を供給すべき場合、フェイスマスクに取り付けられた貯蔵バッグによって、通常は一定流量の酸素が受け取られる。平均的な呼吸速度よりも速く呼吸する、平均よりも顕著に大きな換気量を持つ乗客の必要量でさえも提供できるように計算された速度で、酸素が連続的に供給される。貯蔵バッグおよびマスクへの一定流量の酸素は、通常、客室の空気によって薄められる。
【0005】
航空機の非常時酸素供給システムにおける非効率性のために、必要以上に大きく重い非常時酸素供給源が必要となることがあり、これは、航空機の最大積載量および燃費に悪影響を与える。例えば、ある既知の航空機非常時酸素供給システムは、実際の機内高度にかかわらず、考えられる最大機内高度に適した固定の酸素流量を供給する。これは安全なアプローチではあるが、大きく重い酸素供給源が必要となる大量の酸素消費が発生する。
【0006】
したがって、酸素の生成、貯蔵、分配または消費のいずれかの観点から、このような航空機の非常時酸素供給システムの効率を高めると、重量を節約することができる。反対に、相応のダウンサイズをせずに航空機の非常時酸素供給システムの効率を高めると、システム動作の安全マージンがより大きくなる。したがって、可能な限りの方法で非常時酸素供給システムの効率を高めることが大変望ましい。
【0007】
航空機客室の占有者に適切に酸素を送り込むために必要な補給酸素流量は、現行の気圧高度によって決まる。ユーザに送り込まれる酸素の量を高度の関数として変化させることができれば有利であり、送り込まれた量が適切な酸素供給をする一方、必要以上の酸素量を送り込むという非効率および浪費を避けることができる。
【0008】
所与の高度に対して最小の必要流量で各客室占有者に酸素を効率的に供給することは望ましいが、パイプシステム内の異なる場所間での圧力損失の変動に起因して、客室に分配された様々なマスクへの酸素供給が変化すると、一部の酸素マスクが平均酸素流量よりも低い流量の酸素を受け取ることになる場合がある。最も恵まれないマスクでさえも十分な供給を確実に受けられるようにシステムを設計することが要求されるので、マスクのユーザに適切に酸素供給するために必要である最小量よりも多くの酸素を、平均酸素流を受け取っているマスクに供給することができる。分配システム内の圧力変動を補償するためにマスクに平均して過度の酸素を供給することは、酸素供給における第2の非効率性を生み出す。
【0009】
高度変化の問題に対する従来の回答の一つは、いわゆる「高度補償レギュレータ」を使用することである。典型的な高度補償レギュレータでは、客室内の気圧高度の変化に反応して、アネロイド気圧計がレギュレータの出力圧力を調節する。しかしながら、高度補償レギュレータは、動作原理および空気式酸素レギュレータの性能を支配する制御法則の結果として、ある高度範囲では適切な流れを提供するが、別の高度では最適以上の流れを提供することが多い。さらに、中央に配置された高度補償レギュレータは、パイプ網の異なる領域内での圧力損失の変動で生じる、パイプ網の様々な場所での流量の違いには対処しない。
【0010】
従来の電子高度補償レギュレータの欠点は、複雑さおよびコストに加えて、複数の位置に弁を移動させる信号をコントローラが生成できなければならないことである。弁は、複数の位置の採用によって応答可能であるという特徴を持たなければならない。さらに、単一の電子レギュレータの使用では、分配ライン内の変化する圧力損失に起因して航空機内の異なる場所に異なる流れを供給するという問題に対処できない。
【0011】
従来の航空機の非常時酸素供給システムの一つは、全開と全閉との間で複数の状態をとることができる電動弁を利用する。このアプローチにより、航空機非常時酸素供給システムはある高度範囲でより効率的に動作することが可能になるが、動作原理および性能が複雑である弁を利用するために高価なシステムとなり、設計および製造が困難になる。
【0012】
別の従来の航空機非常時酸素供給システムは、通常の巡航高度と中間のルート変更高度の間での航空機の下降段階の間、酸素富化された空気の第1の割合を高圧の酸素シリンダから乗客に供給する。航空機内の圧縮空気源から圧縮空気が取られて、5500メートルよりも高い航空機の安定飛行段階の間に乗客に供給される酸素富化された空気の第2の割合が生成される。
【0013】
別の従来の航空機非常時酸素供給システムは、非常の客室減圧の後に、必要な酸素を計算し酸素供給とフライトレベルを監視する。システムは、高機内高度を飛行するときに飛行機の内部に酸素を供給する加圧酸素供給源を利用する。システムは、酸素がシステムから流れ出ると、供給の状態変化を表示する。システムは、供給源に結合された圧力トランスデューサを備え、供給源の圧力が低下する速度を求め、この圧力減率を表す第1の信号を発生し、供給源内の酸素のリットル数が低下する減率を同時に求め、リットル減率を表す第2の信号を発生する。供給源から酸素が流出すると、システムは、現在の酸素消費率に基づき、現行の供給圧力、供給源内の残存リットル数、および供給源が使い果たされるまでの残存時分を計算する。
【0014】
別の既知の航空機非常時酸素供給システムは、パイプに加圧酸素を供給するための加圧酸素供給源と、高高度における加圧の喪失に応答する分配ユニットとを備える。分配ユニットは、約40,000フィート以下の高度で加圧が失われたときに到達する第1の値まで増大する圧力で加圧酸素を供給し、約40,000フィート以上の高度で、第1の値の約2倍である第2の値の圧力で加圧酸素を供給する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
一つまたは複数の適切な圧力トランスデューサと、現行の機内高度に応答して調節される態様で酸素を供給する適切な制御ロジックとともに、オン位置とオフ位置とを有する単純な電動弁を利用して、高度条件下で必要とされるよりも多量の酸素を分配することなく現行の特定の機内高度条件に対して十分な補給酸素が確実に分配されるようにし、かつ関連する酸素供給源の重量を最小化する、航空機非常時酸素供給システムを提供することが望ましい。また、航空機内に分配される複数の酸素供給源とともに、航空機内の複数の制御ゾーンを効率的に使用する航空機非常時酸素供給システムを提供することが望ましい。本発明は、これらの要求および他の要求を満足する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
簡潔にかつ一般的に述べると、本発明は、一つまたは複数の適切な圧力トランスデューサと一つまたは複数の適切なコントローラとともに電子制御オンオフ入口弁を利用して、必要とされるよりも多量の酸素を分配することなく現行の機内高度で必要とされる補給酸素を供給し、酸素供給源の重量を最小化し、かつ航空機内の複数の制御ゾーンおよび酸素供給源を効率的に利用する、航空機非常時酸素供給システムを提供する。
【0017】
したがって、本発明は、それぞれが対応する入口弁に接続された一つ以上の呼吸可能な酸素の補給源を備える、航空機非常時酸素供給システムを提供する。一態様では、入口弁は、二位置ソレノイド弁などのオンオフ入口弁である。一つ以上の呼吸装置が各入口弁に接続され、客室与圧および対応する高度を表す客室空気圧入力信号を生成するために、一つ以上の客室空気圧トランスデューサが設けられる。圧力コントローラが入口弁に接続され、一つ以上の客室空気圧トランスデューサから受け取る入力信号に応答して入口弁の動作を制御するように構成される。この構成により、一つ以上の圧力コントローラおよび対応する呼吸可能な酸素の補給源、入口弁、呼吸装置、航空機内の様々な場所に配置された客室空気圧トランスデューサを備えるゾーンシステム構成が可能になる。別の態様では、入口弁は、上流の第1入口弁と、第1入口弁の下流に接続された下流の第2入口弁とを備えてもよく、一つ以上の呼吸装置が下流の第2入口弁に接続される。
【0018】
別の態様では、本発明は、複数の呼吸可能な酸素の補給源と、複数の呼吸可能な酸素の補給源にそれぞれ接続された対応する複数の入口弁と、複数の入口弁にそれぞれ接続された対応する複数の呼吸装置と、複数の入口弁に接続され複数の入口弁の動作を制御するよう構成された圧力コントローラと、を備える航空機非常時酸素供給システムを提供する。複数の呼吸可能な酸素の補給源と、対応する複数の入口弁との間に、複数の入口弁に酸素流を提供する導管が接続されてもよい。別の好適な態様では、入口弁は、対応する複数の上流第1オンオフ入口弁と、複数の第1オンオフ入口弁に直列で下流にそれぞれ接続される対応する複数の下流第2オンオフ入口弁とを備えてもよく、複数の呼吸装置が対応する複数の下流第2オンオフ入口弁にそれぞれ接続される。
【0019】
好適な態様では、一つ以上の客室空気圧トランスデューサは、客室与圧および対応する高度を表す客室空気圧入力信号を生成するように構成されてもよい。別の好適な態様では、一つ以上の第2圧力トランスデューサが、監視対象の入口弁の一つの下流の位置で導管の一つに接続されて、監視される入口弁の下流ガス圧を表すガス圧入力信号を生成してもよい。一つ以上の圧力コントローラは、客室与圧および対応する高度を表す第1圧力トランスデューサから受け取る第1入力信号に応答して、および第2圧力トランスデューサから受け取る第2入力信号に応答して、入口弁の動作を制御する。一つ以上の第2圧力トランスデューサは、上流の第1オンオフ入口弁から下流でそれぞれ導管に接続される複数の第2圧力トランスデューサと、下流第2オンオフ弁から下流でそれぞれ導管に接続され、監視される入口弁の下流ガス圧を表す複数の第3圧力トランスデューサとを備えてもよい。この場合、一つ以上の圧力コントローラは、客室与圧および対応する高度を表す、第1圧力トランスデューサから受け取る第1入力信号に応答して、および複数の第2圧力トランスデューサおよび複数の第3圧力トランスデューサに応答して、入口弁の動作を制御する。一つ以上の圧力コントローラは、測定された下流圧力と所望の供給圧力とを比較し、測定された下流圧力が所望の供給圧力以上である場合、一つ以上の圧力コントローラは入口弁を閉じるように動作可能であり、測定された下流圧力が所望の供給圧力未満である場合、一つ以上の圧力コントローラは入口弁を一時的に開くように動作可能である。
【0020】
別の好適な態様では、非常時酸素供給システムは、一つ以上の入口弁と一つ以上の呼吸装置との間にそれぞれ接続された一つ以上のマニホールドをさらに備える。別の好適な態様では、非常時酸素供給システムは、複数の呼吸可能な酸素の補給源にそれぞれ接続された対応する複数の圧力低減レギュレータをさらに備えてもよい。別の態様では、複数の圧力低減レギュレータは高度補償構造を備えない。
【0021】
本発明の他の態様および利点は、以下の好適な実施形態の詳細な説明と、本発明の動作を例として表す添付図面とから明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る民間航空機の乗客の酸素供給の分配を調節するシステムの第1実施形態の模式図である。
【図2】本発明に係る民間航空機の乗客の酸素供給の分配を調節するシステムの第2実施形態の模式図である。
【図3】本発明に係る民間航空機の乗客の酸素供給の分配を調節するシステムの第3実施形態の模式図である。
【図4】本発明に係る民間航空機の乗客の酸素供給の分配を調節するシステムの第4実施形態の模式図である。
【図5】図4の第4実施形態の変形例の模式図である。
【図6】本発明に係る民間航空機の乗客の酸素供給の分配を調節するシステムの第5実施形態の模式図である。
【図7】図6の第5実施形態の変形例の模式図である。
【図8】本発明に係る民間航空機の乗客の酸素供給の分配を調節するシステムの第6実施形態の模式図である。
【図9】本発明に係る民間航空機の乗客の酸素供給の分配を調節するシステムの第7実施形態の模式図である。
【図10】本発明に係る民間航空機の乗客の酸素供給の分配を調節するシステムの第8実施形態の模式図である。
【図11】本発明に係る民間航空機の乗客の酸素供給の分配を調節するシステムの第9実施形態の模式図である。
【図12】図11の第9実施形態の変形例の模式図である。
【図13】本発明に係る民間航空機の乗客の酸素供給の分配を調節するシステムの第10実施形態の模式図である。
【図14】図13の第10実施形態の変形例の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図解を目的とし例示として提供される図面を参照して、本発明は、一つまたは複数の適切な圧力トランスデューサと一つまたは複数の適切なコントローラとともに電子制御オンオフ入口弁を利用して、必要とされるよりも多量の酸素を分配することなく現行の機内高度で必要とされる補給酸素を供給し、酸素供給源の重量を最小化し、かつ航空機内の複数の制御ゾーンおよび酸素供給源を効率的に利用する、航空機非常時酸素供給システムを提供する。
【0024】
図1に示す、本発明の非常時酸素供給システム10の第1の好適な実施形態では、例えば圧縮酸素の複数のシリンダなどの、複数の呼吸可能な酸素の補給源12a、12b、12cが、必要な酸素供給を貯蔵する。対応する導管14a、14b、14cが複数の呼吸可能な酸素の補給源にそれぞれ接続され、対応する比較的単純なオンオフ型の入口弁16a、16b、16cによってそれぞれ制御されて、対応する呼吸装置のセット18a、18b、18cに酸素流を提供する。呼吸装置は、通常、一つ以上の個別貯蔵バッグと付属のフェイスマスクとをそれぞれ備える。好適な態様では、対応する複数の呼吸可能な酸素の補給源に近接して入口弁が配置される。少なくとも一つの圧力コントローラ20が入口弁に接続され、単一の客室空気圧力トランスデューサP(24)から受け取る、客室与圧および対応する高度を表す入力信号に応答して、制御線22のネットワークを介して入口弁の動作を制御する。この構成により、高度補償のないシステムよりも軽量であり、また複数の複雑なレギュレータを用いた従来の高度補償を使用するシステムよりも単純なシステムが得られる。
【0025】
図2に示す本発明の第2実施形態では、非常時酸素供給システム30は、例えば圧縮酸素の複数のシリンダなどである、必要な酸素供給を貯蔵する複数の呼吸可能な酸素の供給源32a、32b、32cを備える。対応する導管34a、34b、34cが複数の呼吸可能な酸素の補給源にそれぞれ接続され、対応する呼吸装置のセット38a、38b、38cに酸素流を提供する。これは、例えば二位置ソレノイド弁などの、対応する比較的単純なオンオフ入口弁36a、36b、36cによって制御される。呼吸装置は、通常、一つ以上の個別の貯蔵バッグと付属のフェイスマスクとをそれぞれ備える。好適な態様では、対応する複数の呼吸可能な酸素の補給源に近接して入口弁が配置される。圧力コントローラ40などの少なくとも一つの圧力コントローラが入口弁に接続され、第1の圧力トランスデューサP(44)から受け取る、客室与圧および対応する高度を表す第1入力信号に応答して、および、監視対象の入口弁のうち一つの下流の位置48にある導管の一つに接続された第2の圧力トランスデューサP(46)から受け取る、監視される弁の現在の下流ガス圧力を表す第2入力信号に応答して、制御線42のネットワークを介して入口弁の動作を制御する。下流圧力トランスデューサPからの入力から、コントローラは、現在の下流ガス圧力(P)と所望の供給圧力とを比較する。現在の下流圧力が所望の供給圧力以上である場合、入口弁は閉じられたままである。下流圧力が所望の供給圧力未満の場合、コントローラは入口弁を一瞬開いて、酸素分配システムの下流部に追加の酸素を放出して下流圧力を上昇させる。
【0026】
この実施形態においては、各開弁事象に対して一定である間隔だけ入口弁を開くことができ、パルス間の継続時間を調節することによってのみ、供給が制御される。代替的に、開弁間隔の長さと、間隔の間の閉鎖継続時間の両方をそれぞれ調節して全体の結果を達成するようにしてもよい。
【0027】
呼吸装置を通して酸素がシステムの外に流出するので、下流圧力が測定される地点の圧力は、入口弁が閉じられると連続的に低下し、入口弁が開かれると連続的に増加するというように、時間の関数として若干変化する。システムから流出する体積流量に対する、システム下流に含まれる体積の大きさは、このような変動の大きさに影響を与えうる。オンオフ間隔の時間スケール適切に変化させることによって、出力圧力を調節して定常状態に適切に近づけることができる。
【0028】
航空機乗客用の酸素システムの多くは、酸素分配装置として、「フェーズダイリューションマスク(phase dilution mask)」として知られる一定流型の酸素マスクを利用する。この種のマスクは、SAE航空宇宙規格AS8025によって考慮されている。マスクは、ユーザが息を吐くときの呼吸サイクルの一部の間、および呼吸間の休止の間に供給される酸素を収集する貯蔵部を有しており、この収集された酸素が次回の吸入の開始時に供給される。供給圧力の変動の時間スケールが呼吸サイクルの時間スケールに対して短い場合、この種のマスクに供給する目的に対して適した態様で、出力圧力が定常状態に近づくように考慮される。
【0029】
こうして、本発明の第2実施形態では、二位置ソレノイド弁などの単純な入口弁で、より複雑でコストの高い制御弁を置き換えることができる。この弁の種類の変更に関連して、コントローラは単純なオンまたはオフの信号のみを生成できればよいので、コントローラも対応して簡単なものになる。
【0030】
図3に示す本発明の第3実施形態では、酸素分配パイプシステム内の様々な場所に、各入口弁の下流に圧力トランスデューサを備える複数の単純な入口弁が配置される。この実施形態では、非常時酸素供給システム50は、例えば圧縮酸素の複数のシリンダなどの、必要な酸素供給を貯蔵する複数の呼吸可能な酸素の補給源52a、52b、52cを備える。対応する導管54a、54b、54cが複数の呼吸可能な酸素の補給源にそれぞれ接続され、対応する呼吸装置のセット60a、60b、60cに酸素流を提供する。これは、対応する第1の比較的単純な上流オンオフ入口弁V(56a)、V(56b)、V(56c)、および、直列接続された、例えば二位置ソレノイド弁などの対応する第2の比較的単純な下流オンオフ入口弁V(58a)、V(58b)、V(58c)によって、それぞれ制御される。呼吸装置は、通常、一つ以上の個別の貯蔵バッグと付属のフェイスマスクとをそれぞれ備える。単一の圧力コントローラ62などの少なくとも一つの圧力コントローラが入口弁に接続され、第1圧力トランスデューサP(64)から受け取る、客室与圧および対応する高度を表す入力信号と、上流オンオフ入口弁V、V、Vのそれぞれ下流にある複数の第2圧力トランスデューサP(66a)、P(66b)、P(66c)から受け取る入力信号と、下流オンオフ入口弁V、V、Vのそれぞれ下流にある複数の第2圧力トランスデューサP(68a)、P(68b)、P(68c)から受け取る、監視される弁の現在下流ガス圧力を表す入力信号とに応答して、制御線63のネットワークを介して、入口弁の動作を制御する。各入口弁および関連する圧力トランスデューサのセットは、複数のワイヤセットによってコントローラに接続される。コントローラは複数の独立チャンネルを有してもよく、したがって各入口弁および関連する圧力トランスデューサは専用の制御チャンネルを有する。代替的に、一度に一つの下流圧力トランスデューサからの信号が読み取られ、検出された圧力値がこの動作を必要とするほど低い場合に関連する入口弁にパルスが発せられるように、圧力コントローラがシーケンス動作してもよい。
【0031】
この実施形態では、パイプ網の異なる領域内での圧力損失の変動により生じる、パイプ網内の様々な場所での流量の違いによって性能が制限されることなく、酸素供給圧力をゾーン毎に最適値に設定することができる。
【0032】
図4に示す本発明の第4実施形態では、非常時酸素供給システム70は、航空機の全体に分配された、非常に多数の別個の比較的小さな酸素シリンダなどの複数の呼吸可能な酸素の補給源72a、72b、72cを備える。このようなアプローチの限られたケースでは、個別の一人用のシリンダによって各客室占有者に酸素が供給されてもよい。対応する導管74a、74b、74cが複数の呼吸可能な酸素の補給源にそれぞれ接続され、例えば二位置ソレノイド弁などの対応する比較的単純なオンオフ入口弁76a、76b、76cによってそれぞれ制御され、対応する個別の呼吸装置78a、78b、78cに酸素流をそれぞれ提供する。呼吸装置は、通常、一つ以上の貯蔵バッグと付属のフェイスマスクとをそれぞれ備える。小型シリンダと酸素供給を受ける少数の呼吸装置との間のパイプは比較的単純であるので、圧力損失が本質的に等しくなる。したがって、ゾーン内の最も恵まれない呼吸装置で供給が不足しないようにするために、所与のゾーン内で平均的な呼吸装置に過度の酸素を供給する必要がほとんどないか、またはその必要が全くない。各酸素容器は、高度補償の構造を含むことなく、単純な圧力低減レギュレータ80a、80b、80cにそれぞれ適合される。多数の小型で別個のシリンダを使用する酸素システム設計に対するこのようなアプローチにおいて、コントローラは、非常に多数の同時動作する別個のチャンネルを備えるか、または非常に多数の信号を次々と管理可能に構成されなければならない。各入口弁の下流には、対応する入口弁と関連する貯蔵バッグとの間に、一つ以上の分配オリフィスが設けられたマニホールド82a、82b、82cがそれぞれ間挿される。マニホールドオリフィスはそれぞれ、一つの呼吸装置に供給する。二つ以上の分配オリフィスが存在する場合、これらの分配オリフィスの全てが同一の上流酸素圧力を受け取るように酸素マニホールドが構成される。
【0033】
単一の圧力コントローラ84などの少なくとも一つのコントローラが入口弁に接続され、単一の圧力トランスデューサP(88)から受け取る、客室与圧および対応する高度を表す第1入力信号に応答して、制御線のネットワーク86を介して入口弁の動作を制御する。コントローラは圧力トランスデューサ信号を評価し、単純な入口弁の全てに対して単一の信号を生成する。このとき、単純な入口弁が継続して開いていた場合、各分配オリフィス通して達成される固有の流量が存在する。この固有の流量は、圧力低減器からの出力圧力と分配オリフィスの特性との関数である。所与の高度に対して適した流れに応じて、動作時間の適切な割合に開弁信号が与えられる。各分配オリフィスによって達成される流量は、可能な固有の流量と、入口弁が開いている時間の割合との積に等しくなる。例えば、入口弁が連続して開いているときに取り得る固有の流量が毎分4リットルであり、入口弁が時間の30%開いている場合、達成される流量は毎分1.2リットルとなる。
【0034】
図5に示す、図4と同一の要素が図4と同一の参照番号で表される第4実施形態の変形例では、各酸素供給シリンダによって二人以上の客室占有者に酸素が供給されてもよい。対応する導管74a、74b、74cが複数の呼吸可能な酸素の補給源にそれぞれ接続され、呼吸装置の対応するセット89a、89b、89cに酸素流を提供する。これは、例えば二位置ソレノイド弁などの対応する比較的単純なオンオフ入口弁76a、76b、76cによってそれぞれ制御される。呼吸装置は、通常、一つ以上の貯蔵バッグと付属のフェイスマスクとをそれぞれ備える。各酸素容器には、高度補償の構成を備えない単純な圧力低減レギュレータ80a、80b、80cにそれぞれ設けられる。各入口弁の下流には、一つ以上の分配オリフィスを備えたマニホールド82a、82b、82cが、対応する入口弁と関連する貯蔵バッグとの間にそれぞれ間挿されている。各マニホールドオリフィスは、二つ以上の呼吸装置に酸素を供給する。単一の圧力コントローラ84などの少なくとも一つの圧力コントローラが入口弁に接続され、単一の圧力トランスデューサP(88)から受け取る、客室与圧と対応する高度とを表す第1入力信号に応答して、制御線のネットワーク86を介して入口弁の動作を制御する。
【0035】
図6に示す本発明の第5実施形態では、非常時酸素供給システム90は、航空機の全体に分配された非常に多数の別々の比較的小型の酸素シリンダなどの複数の呼吸可能な酸素の補給源92a、92b、92cを備える。図6に示すように、別々の一人用のシリンダによって各客室占有者に酸素を供給してもよいが、以下でさらに述べるように、各酸素供給シリンダによって二人以上の人物に酸素を供給してもよい。対応する導管94a、94b、94cが複数の呼吸可能な酸素の補給源にそれぞれ接続され、対応する個別の呼吸装置98a、98b、98cに酸素流を提供する。これは、例えば二位置ソレノイド弁などの対応する比較的単純なオンオフ入口弁96a、96b、96cによってそれぞれ制御される。呼吸装置は、通常、一つ以上の貯蔵バッグと付属のフェイスマスクとをそれぞれ備える。この実施形態では、局所的な酸素容器の出口の圧力低減器が排除されている。小型シリンダと酸素供給を受ける少数の呼吸装置との間のパイプが比較的単純なので、圧力損失も全て本質的に等しくなる。したがって、ゾーン内の最も恵まれない呼吸装置でも供給が不十分とならないようにするために、所与のゾーン内の平均の呼吸装置に対して過度の酸素を供給する必要がほとんどないか、またはその必要が全くない。各入口弁の下流には、一つ以上の分配オリフィスを備えたマニホールド99a、99b、99cが、対応する入口弁と関連する貯蔵バッグとの間にそれぞれ間挿されている。図6に示すように、各マニホールドオリフィスは一つの呼吸装置に供給するが、以下に述べるように各マニホールドが二つ以上の呼吸装置に供給してもよい。二つ以上の分配オリフィスが存在する場合、これらの分配オリフィスの全てが同一の上流酸素圧力を受けるように酸素マニホールドが構成される。
【0036】
単一の圧力コントローラ100などの少なくとも一つの圧力コントローラが入口弁に接続され、単一の圧力トランスデューサP(104)から受け取る、客室与圧と対応する高度とを表す第1入力信号に応答して、制御線のネットワーク102を介して入口弁の動作を制御する。コントローラは圧力トランスデューサ信号を評価し、単純な入口弁の全てに対し単一の信号を生成する。このとき、単純な入口弁が継続して開いていた場合、各分配オリフィスを通して達成される固有の流量が存在する。この固有の流量は、圧力低減器からの出力圧力と分配オリフィスの特性との関数である。所与の高度に対して適切である流れに応じて、動作時間の適切な割合に開弁信号が与えられる。各分配オリフィスによって達成される流量は、可能な固有の流量と、弁が開いている時間の割合との積に等しくなる。例えば、弁が連続して開いているときに取り得る固有流量が毎分4リットルであり、弁が時間の30%開いている場合、達成される流量は毎分1.2リットルとなる。
【0037】
図7に示す、図6と同一の要素が図6と同一の参照番号で表される第5実施形態の変形例では、各酸素供給シリンダによって二人以上の客室占有者に酸素が供給されてもよい。対応する導管94a、94b、94cが複数の呼吸可能な酸素の補給源にそれぞれ接続され、呼吸装置の対応するセット106a、106b、106cに酸素流を提供する。これは、例えば二位置ソレノイド弁などの対応する比較的単純なオンオフ入口弁96a、96b、96cによってそれぞれ制御される。呼吸装置は、通常、一つ以上の個別の貯蔵バッグと付属のフェイスマスクとをそれぞれ備える。各入口弁の下流には、一つ以上の分配オリフィスを備えたマニホールド99a、99b、99cが、対応する入口弁と関連する貯蔵バッグとの間にそれぞれ間挿されている。各マニホールドオリフィスは、二つ以上の呼吸装置に酸素を供給し、その分配オリフィスの全てが同じ上流酸素圧力を受けるように各酸素マニホールドが構成される。単一の圧力コントローラ100などの少なくとも一つの圧力コントローラが入口弁に接続され、単一の圧力トランスデューサP(104)から受け取る、客室与圧および対応する高度を表す第1入力信号に応答して制御線のネットワーク102を介して入口弁の動作を制御する。各酸素容器と分配オリフィスを含む関連するマニホールドとの間に、単純な電子入口弁が取り付けられる。単純な入口弁が継続して開いている場合、各分配オリフィスを通して任意の所与の時点で固有の流量を達成することができる。しかしながら、装置の動作中に分配オリフィスの上流の酸素貯蔵容器内の圧力が時間の経過とともに低下するにつれて、この流量は変化する。流量は、動作時間履歴と、酸素貯蔵ユニットの圧力低下特性と、分配オリフィス自身の特性との関数である。この文脈にいて「動作時間」とは入口弁が開いている時間のことを指し、補給酸素を使用しなければならなくなる減圧事象の開始からの経過時間の全体と必ずしも等しくない。
【0038】
第5実施形態では、単一の圧力トランスデューサが客室与圧高度を検出する。コントローラは、酸素貯蔵容器内の圧力が低下する態様を動作時間の関数として数学的に記述した情報を含む。コントローラは、使用期間中、動作時間履歴についての情報を測定しそれを保持する。コントローラは圧力トランスデューサ信号および動作時間履歴を評価し、単純な入口弁の全てに対し単一の信号を生成する。所与の高度および所与の前回動作時間履歴の組み合わせに対する適切な流れに応じて、動作時間の適切な割合に開弁信号が与えられる。各分配オリフィスによって達成される流量は、取り得る固有流量と、入口弁が開いている時間の割合との積に等しくなる。この実施形態は、コントローラのより大きな計算能力を必要とするものの、多数の圧力低減レギュレータが排除されるのに加えて多数の圧力トランスデューサおよびそれらの配線が排除される。
【0039】
図8に示す、本発明の非常時酸素供給システム110の第6の好適な実施形態では、例えば一つ以上の圧縮酸素のシリンダなどの呼吸可能な酸素の補給源112が、必要な酸素供給を貯蔵する役割をする。対応する導管114が複数の呼吸可能な酸素の補給源に接続され、一つ以上の呼吸装置118a、118b、118c、118dのセット117に酸素流を提供する。これは、比較的単純なオンオフ入口弁116によって制御される。呼吸装置は、通常、一つ以上の個別の貯蔵バッグと付属のフェイスマスクとをそれぞれ備える。好適な態様では、呼吸可能な酸素の補給源に近接して入口弁が配置される。単一の圧力コントローラ120が入口弁に接続され、単一の客室空気圧トランスデューサP(124)から受け取る、客室与圧と対応する高度とを表す入力信号に応答して、制御線122を介して入口弁の動作を制御する。この構成により、高度補償を持たないシステムよりも軽量であり、複数の複雑なレギュレータを用いた従来の高度補償を使用するシステムよりも単純なシステムが得られる。この構成により、一つ以上の圧力コントローラおよび対応する呼吸可能な酸素の補給源、入口弁、呼吸装置、客室空気圧トランスデューサ、航空機内の様々な場所に配置された呼吸装置を備える、ゾーンシステム構成が可能になる。
【0040】
図9に示す本発明の第7実施形態では、非常時酸素供給システム130は、例えば一つ以上の圧縮酸素のシリンダなどの、必要な酸素供給を貯蔵する呼吸可能な酸素の補給源132を備える。導管134が呼吸可能な酸素の補給源に接続され、呼吸装置138a、138b、138c、138dの対応するセット137に酸素流を提供する。これは、例えば二位置ソレノイド弁などの比較的単純なオンオフ入口弁136によって制御される。呼吸装置は、通常、一つ以上の個別の貯蔵バッグと付属のフェイスマスクとをそれぞれ備える。好適な態様では、呼吸可能な酸素の補給源に近接して入口弁が配置される。単一の圧力コントローラ140が入口弁に接続され、第1圧力トランスデューサP(144)から受け取る、客室与圧および対応する高度を表す第1入力信号に応答して、および監視対象の入口弁の下流の場所148で導管に接続された第2圧力トランスデューサP(146)から受け取る、監視される入口弁の現在下流ガス圧力を表す第2入力信号に応答して、制御線142を介して入口弁の動作を制御する。下流圧力トランスデューサPからの入力から、コントローラは、現在の下流ガス圧(P)と所望の供給圧力とを比較する。現在の下流圧力が所望の供給圧力以上である場合、単純な入口弁は閉じられたままである。下流圧力が所望の供給圧力未満である場合、コントローラは入口弁を一瞬開いて、酸素分配システムの下流部分に追加の酸素を放出して下流圧力を上昇させる。
【0041】
この実施形態では、各開弁事象に対して一定である間隔だけ入口弁を開くことができ、パルス間の継続時間を調節することによってのみ、供給が制御される。代替的に、開弁間隔の長さと、各間隔の間の閉弁継続時間の両方をそれぞれ調節して全体の結果を達成するようにしてもよい。呼吸装置を通して酸素がシステムから流出するので、下流圧力が測定される地点の圧力は、入口弁が閉じられると連続的に低下し、入口弁が開かれると連続的に増加するというように、時間の関数として若干変化する。システムから流出する体積流量に対する、システム下流に含まれる容積の大きさは、このような変動の大きさに影響を与えうる。オンオフ間隔の時間スケールを適切に変化させることによって、出力圧力を調節して定常状態に適切に近づけることができる。
【0042】
航空機乗客用の多くの酸素システムの多くは、「フェーズダイリューションマスク」として知られる一定流型の酸素マスクを利用する。このようなマスクは、SAE航空宇宙規格AS8025によって考慮されている。マスクは、ユーザが息を吐くときの呼吸サイクルの一部の間、および呼吸間の休止の間に供給される酸素を収集する貯蔵部を有しており、この収集された酸素が次回の吸入の開始時に供給される。供給圧力の変動の時間スケールが呼吸サイクルの時間スケールに対して短い場合、この種のマスクに供給する目的に対して適した態様で、出力圧力が定常状態に近づくように考慮される。
【0043】
こうして、本発明の第7実施形態では、二位置ソレノイド弁などの単純な入口弁で、より複雑でコストの高い制御弁を置き換えることができる。この弁の種類の変更に関連して、コントローラは単純なオンまたはオフの信号のみを生成できればよいので、コントローラも対応して簡単なものになる。この構成により、一つ以上の圧力コントローラおよび対応する呼吸可能な酸素の補給源、入口弁、呼吸装置、航空機内の様々な場所に配置された客室空気圧トランスデューサを有する、ゾーンシステム構成が実現される。
【0044】
図10に示す本発明の第8実施形態では、酸素分配パイプシステム内の様々な場所に複数の単純な入口弁が配置される。各入口弁の下流に圧力トランスデューサが配置される。この実施形態では、非常時酸素供給システム150は、例えば一つ以上の圧縮酸素のシリンダなどの呼吸可能な酸素の補給源152を備え、これが必要な酸素供給を貯蔵する役割をする。導管154が呼吸可能な酸素の補給源に接続され、呼吸装置160a、160b、160cのセット159に酸素流を提供する。これは、例えば二位置弁などの第1の比較的単純な上流オンオフ入口弁V(156)と、第2の比較的単純な下流オンオフ入口弁V(158)によって制御される。呼吸装置は、通常、一つ以上の個別の貯蔵バッグと付属のフェイスマスクとをそれぞれ備える。単一の圧力コントローラ162が入口弁に接続され、第1圧力トランスデューサP(164)から受け取る、客室与圧および対応する高度を表す入力信号と、上流オンオフ入口弁Vの下流にある第2圧力トランスデューサP(166a)から受け取る入力信号と、下流オンオフ入口弁Vの下流にある第3圧力トランスデューサP(168a)から受け取る、監視される弁の現在の下流ガス圧を表す入力信号とに応じて、制御線163a、163bを介して入口弁の動作を制御する。各入口弁および関連する圧力トランスデューサのセットは、別々のワイヤセットによってコントローラと接続される。コントローラは複数の独立チャンネルを有してもよく、したがって各入口弁および関連する圧力トランスデューサは専用の制御チャンネルを有する。代替的に、一度に一つの下流圧力トランスデューサからの信号が読み取られ、検出された圧力値がこの動作を必要とするほど低い場合に関連する入口弁にパルスが発せられるように、コントローラがシーケンス動作してもよい。
【0045】
この実施形態では、パイプ網の異なる領域内での圧力損失の変動により生じる、パイプ網内の様々な場所での流量の違いによって性能が制限されることなく、酸素供給圧力をゾーン毎に最適値に設定することができる。この構成により、一つ以上の圧力コントローラおよび対応する呼吸可能な酸素の補給源、入口弁、呼吸装置および航空機内の様々な場所に配置された客室空気圧トランスデューサを有する、ゾーンシステム構成が可能になる。
【0046】
図11に示す本発明の第9実施形態では、非常時酸素供給システム170は、一つ以上の酸素シリンダなどの呼吸可能な酸素の補給源172を備える。このようなアプローチの限られたケースでは、別々の一人用のシリンダによって各客室占有者に酸素が供給されてもよい。導管174が呼吸可能な酸素の補給源に接続され、個別の呼吸装置178に酸素流を提供する。これは、例えば二位置ソレノイド弁などの比較的単純なオンオフ入口弁176によって制御される。呼吸装置は、通常、貯蔵バッグと付属のフェイスマスクとを備える。このような一人用の小型の酸素シリンダおよび関連する非常時酸素供給システム用の装置は、航空機の乗客客室領域の全体に分配することができる。各酸素容器には、高度補償構成を持たない単純な圧力低減レギュレータ180が設けられる。入口弁の下流には、入口弁と関連する貯蔵バッグとの間に、マニホールド182が間挿される。
【0047】
単一の圧力コントローラ184が入口弁に接続され、単一の圧力トランスデューサP(188)から受け取る、客室与圧および対応する高度を表す第1入力信号に応答して、制御線186を介して入口弁の動作を制御する。コントローラは圧力トランスデューサ信号を評価し、単純な入口弁に対して単一の信号を生成する。このとき、単純な入口弁が継続して開いていた場合、各分配オリフィスを通して達成される固有の流量が存在する。この固有の流量は、圧力低減器からの出力圧力と、分配オリフィスの特性との関数である。所与の高度に対して適した流れに応じて、動作時間の適切な割合に開弁信号が与えられる。分配オリフィスによって達成される流量は、可能な固有の流量と、弁が開いている時間の割合との積に等しくなる。例えば、入口弁が継続して開いているときに取り得る固有流量が毎分4リットルであり、入口弁が時間の30%開いている場合、達成される流量は毎分1.2リットルとなる。この構成により、一つ以上の圧力コントローラおよび対応する呼吸可能な酸素の補給源、入口弁、呼吸装置および航空機内の様々な場所に配置された客室空気圧トランスデューサを有する、ゾーンシステム構成が可能になる。
【0048】
図12に示す、図11と同一の要素が図11と同一の参照番号で表される第9実施形態の変形例では、非常時酸素供給システム170の酸素補給源172によって二人以上の客室占有者にそれぞれ酸素が供給されてもよい。導管174が呼吸可能な酸素の補給源に接続され、呼吸装置179a、179b、179c、179dのセット178に酸素流を提供する。これは、例えば二位置ソレノイド弁などの比較的単純なオンオフ入口弁176によって制御される。呼吸装置は、通常、一つ以上の個別の貯蔵バッグと付属のフェイスマスクとをそれぞれ備える。各酸素容器には、高度補償構成を含まない単純な圧力低減レギュレータ180が設けられる。入口弁の下流には、一つ以上の分配オリフィスが設けられたマニホールド182が、入口弁と関連する貯蔵バッグとの間に間挿される。各マニホールドオリフィスは、通常、二つ以上の酸素マスクに酸素を供給する。単一の圧力コントローラ184が入口弁に接続され、単一の圧力トランスデューサP(188)から受け取る、客室与圧および対応する高度を表す第1入力信号に応答して、制御線186を介して入口弁の動作を制御する。この構成により、一つ以上の圧力コントローラおよび対応する呼吸可能な酸素の補給源、入口弁、呼吸装置および航空機内の様々な場所に配置された客室空気圧トランスデューサを有する、ゾーンシステム構成が可能になる。
【0049】
図13に示す本発明の第10実施形態では、非常時酸素供給システム190は、比較的小型の酸素シリンダなどの呼吸可能な酸素の補給源192を備える。このような一人用の小型酸素シリンダおよび非常時酸素供給システム用の関連する装置は、航空機の乗客客室領域の全体にわたり分配することができる。図13に示すように、別々の一人用のシリンダによって各客室占有者に酸素を供給してもよいが、以下でさらに述べるように、各酸素供給シリンダによって二人以上の人物に酸素を供給してもよい。導管194が呼吸可能な酸素の補給源に接続され、個別の呼吸装置198に酸素流を提供する。これは、例えば二位置ソレノイド弁などの比較的単純なオンオフ入口弁196によって制御される。呼吸装置は、通常、貯蔵バッグと付属のフェイスマスクとを備える。この実施形態では、局所酸素容器の出口の圧力低減器が排除される。入口弁の下流には、入口弁と関連する貯蔵バッグとの間にマニホールド197が間挿される。
【0050】
単一の圧力コントローラ200が入口弁に接続され、単一の圧力トランスデューサP(204)から受け取る、客室与圧および対応する高度を表す入力信号に応答して、制御線202を介して入口弁の動作を制御する。コントローラは圧力トランスデューサ信号を評価し、単純な入口弁に対して信号を生成する。このとき、単純な入口弁が継続して開いていた場合、各分配オリフィスを通して達成される固有の流量が存在する。この固有の流量は、圧力低減器からの出力圧力と分配オリフィスの特性との関数である。所与の高度に対して適した流れに応じて、動作時間の適切な割合に開弁信号が与えられる。各分配オリフィスによって達成される流量は、可能な固有の流量と、弁が開いている時間の割合との積に等しくなる。例えば、弁が連続して開いているときに取り得る固有流量が毎分4リットルであり、弁が時間の30%開いている場合、達成される流量は毎分1.2リットルとなる。この構成により、一つ以上の圧力コントローラおよび対応する呼吸可能な酸素の補給源、入口弁、呼吸装置および航空機内の様々な場所に配置された客室空気圧トランスデューサを有する、ゾーンシステム構成が可能になる。
【0051】
図14に示す、図13と同一の要素が図13と同一の参照番号で表される第10実施形態の変形例では、非常時酸素供給システム190の酸素補給源192によって二人以上の客室占有者にそれぞれ酸素が供給されてもよい。導管194が呼吸可能な酸素の補給源に接続され、呼吸装置199a、199b、199c、199dの対応するセット198に酸素流を提供する。これは、例えば二位置ソレノイド弁などの比較的単純なオンオフ入口弁196によって制御される。呼吸装置は、通常、一つ以上の個別の貯蔵バッグと付属のフェイスマスクとをそれぞれ備える。入口弁の下流には、入口弁と関連する貯蔵バッグとの間に、一つ以上の分配オリフィスが設けられたマニホールド197が間挿される。単一の圧力コントローラ200が入口弁に接続され、単一の圧力トランスデューサPA(204)から受け取る、客室与圧および対応する高度を表す第1入力信号に応答して、制御線のネットワーク202を介して入口弁の動作を制御する。単純な入口弁が継続して開いている場合、各分配オリフィスを通して任意の所与の時点で固有の流量を達成することができる。しかしながら、装置の動作中に分配オリフィスの上流の酸素貯蔵容器内の圧力が時間の経過とともに低下するにつれて、この流量は変化する。流量は、動作時間履歴と、酸素貯蔵ユニットの圧力低下特性と、分配オリフィス自身の特性との関数である。この文脈において「動作時間」とは入口弁が開いている時間のことを指し、補給酸素を使用しなければならなくなる減圧事象の開始からの経過時間の全体と必ずしも等しくない。この構成により、一つ以上の圧力コントローラおよび対応する呼吸可能な酸素の補給源、入口弁、呼吸装置および航空機内の様々な場所に配置された客室空気圧トランスデューサを有する、ゾーンシステム構成が可能になる。
【0052】
単一の圧力トランスデューサが客室与圧高度を検出する。コントローラは、酸素貯蔵容器内の圧力が低下する態様を動作時間の関数として数学的に記述した情報を含む。コントローラは、使用期間中、動作時間履歴についての情報を測定しそれを保持する。コントローラは圧力トランスデューサ信号および動作時間履歴を評価し、単純な入口弁に対して単一の信号を生成する。所与の高度および所与の前回動作時間履歴の組み合わせに対する適切な流れに応じて、動作時間の適切な割合に開弁信号が与えられる。各分配オリフィスによって達成される流量は、取り得る固有流量と、入口弁が開いている時間の割合との積に等しくなる。
【0053】
説明に役立つ事例として、毎分2リットルの流量を供給することが望ましい客室与圧高度について想定する。始めに、シリンダ内の含有圧力とオリフィス特性の組み合わせによって、弁が継続して開いている場合に毎分5リットルの流れが可能であるとする。コントローラ内に適切なデータが格納されているので、コントローラは、最初に時間の40%だけ入口弁を開く。この結果、毎分2リットルの適切な流量が生み出される。動作時間の一部の期間が経過すると、シリンダ内の内容物が部分的に放出され、弁が継続して開いている場合に毎分3リットルの流れが可能である程度まで含有圧力が低下する。弁が開かれていた時間の長さの履歴を追跡し、設備の特性についての他の格納された情報とともにこの格納された情報を使用することによって、コントローラは、この条件が通用すると計算することができる。続いて、コントローラは、時間の67%だけ入口弁を開いて、毎分2リットルの流量の供給を継続する。
【0054】
多くの気体酸素システムにおいて、動作の開始時に数秒間だけ急上昇する酸素を供給して、酸素マスクが必要になる前に収容されている区画の扉を開放する空気式ラッチを動作させるのに十分な圧力が提供される。本発明の教示の範囲内に、コントローラにより必要に応じてこのような急上昇を提供できることは明らかである。
【0055】
区画の扉を開く別の方法は、電子式ラッチによるものである。通常、ラッチ回路用の電力は、本発明で使用される電子弁に供給される電力とは独立して供給される。しかしながら、これらの電子弁と同じ回路に電子式ラッチが接続されてもよい。この場合、電子式ラッチは、電子弁に電力が供給される毎に電力を引き出す。この追加の電力消費は、電子式ラッチ用の第2の電力回路の配線と関連する重量の排除と、受容可能なトレードオフの関係になるかもしれない。
【0056】
扉を開放するためのラッチへのエネルギー供給によってラッチ内の接触部を開く動作を実行し、ラッチを通した連結を中断して接触位置がリセットされるまでラッチが再び電力を引き出せないようにする構造が、ラッチに備えられていてもよい。この場合、回路に初めてエネルギーが供給されるときにのみ扉を開放させるのに必要な電力をラッチが引き出すが、後続の電力パルスが回路に付与されるときは扉ラッチは電力を引き出さない。適切な直列−並列回路によって、ラッチを通した連結なしに、弁の動作継続が可能になる。
【0057】
多くの酸素システムにおいて、システム全体の信頼性を高めるために、いくつかの冗長な構成が設けられることがある。この実務は本発明の範囲内で含まれる。例えば、客室高度圧力を検出する単一の圧力トランスデューサを使用するものとして上記実施形態を説明したが、第2の冗長なトランスデューサの追加も本発明の意図された範囲内にある。同様に、配線の損傷による設備の失活の可能性を防ぐ冗長な接続を提供する配線構成の使用も、本発明の意図された範囲内にある。
【0058】
本発明の特定の形態について例示し説明してきたが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく様々な修正をなし得ることは上述から明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲によるものを除き、本発明を限定する意図はない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸可能な酸素の補給源と、
前記呼吸可能な酸素の補給源に接続された入口弁と、
前記入口弁に接続された少なくとも一つの呼吸装置と、
客室与圧および対応する高度を表す客室空気圧入力信号を生成する少なくとも一つの客室空気圧トランスデューサと、
前記少なくとも一つの客室空気圧トランスデューサに接続され、前記客室空気圧入力信号を受け取る圧力コントローラであって、前記入口弁に接続され、前記少なくとも一つの客室空気圧トランスデューサから受け取った前記客室空気圧入力信号に応答して前記入口弁の動作を制御する、圧力コントローラと、
を備える、与圧可能な客室を有する航空機用の非常時酸素供給システム。
【請求項2】
複数の呼吸可能な酸素の補給源と、
前記複数の呼吸可能な酸素の補給源にそれぞれ接続された、対応する複数の入口弁と、
前記複数の入口弁にそれぞれ接続された、対応する複数の呼吸装置と、
前記複数の入口弁に接続され、該複数の入口弁の動作を制御する前記圧力コントローラと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の非常時酸素供給システム。
【請求項3】
前記入口弁が二位置ソレノイド弁であることを特徴とする請求項1に記載の非常時酸素供給システム。
【請求項4】
前記呼吸可能な酸素の補給源と前記入口弁との間に導管が接続され、前記入口弁に酸素流を提供することを特徴とする請求項1に記載の非常時酸素供給システム。
【請求項5】
前記複数の呼吸可能な酸素の補給源と前記対応する複数の入口弁との間に、対応する複数の導管がそれぞれ接続され、前記複数の入口弁に酸素流を提供することを特徴とする請求項2に記載の非常時酸素供給システム。
【請求項6】
前記入口弁は、上流第1オンオフ入口弁と、該第1オンオフ入口弁に直列で下流に接続される下流第2オンオフ入口弁とを備え、前記少なくとも一つの呼吸装置は前記下流第2オンオフ入口弁に接続されることを特徴とする請求項1に記載の非常時酸素供給システム。
【請求項7】
前記入口弁は、対応する複数の上流第1オンオフ入口弁と、該複数の第1オンオフ入口弁に直列で下流に接続される対応する複数の下流第2オンオフ入口弁とをそれぞれ備え、前記少なくとも一つの呼吸装置は前記複数の下流第2オンオフ入口弁にそれぞれ接続されることを特徴とする請求項2に記載の非常時酸素供給システム。
【請求項8】
前記少なくとも一つの客室空気圧トランスデューサは、客室与圧および対応する高度を表す客室空気圧入力信号を生成する第1客室空気圧トランスデューサと、監視される前記入口弁の下流の場所で前記導管に接続される第2圧力トランスデューサとを備え、該第2圧力トランスデューサは、前記監視される入口弁の下流のガス圧を表すガス圧入力信号を生成するように構成されることを特徴とする請求項4に記載の非常時酸素供給システム。
【請求項9】
前記少なくとも一つの客室空気圧トランスデューサは、客室与圧および対応する高度を表す客室空気圧入力信号を生成する第1客室空気圧トランスデューサと、監視される前記入口弁のうち一つの下流の場所で前記複数の導管のうち少なくとも一つに接続される少なくとも一つの第2圧力トランスデューサとを備え、該少なくとも一つの第2圧力トランスデューサは、前記監視される入口弁の下流のガス圧を表すガス圧入力信号を生成するように構成されることを特徴とする請求項5に記載の非常時酸素供給システム。
【請求項10】
前記少なくとも一つの客室空気圧トランスデューサは、前記上流第1入口弁の下流で前記導管に接続される第2圧力トランスデューサと、前記第2入口弁の下流で前記導管に接続される第3圧力トランスデューサと、を備え、前記第2および第3圧力トランスデューサは、前記第1および第2入口弁の下流のガス圧を検出するように構成されることを特徴とする請求項4に記載の非常時酸素供給システム。
【請求項11】
前記少なくとも一つの客室空気圧トランスデューサは、前記上流第1入口弁の下流で前記導管にそれぞれ接続される複数の第2圧力トランスデューサと、前記第2入口弁の下流で前記導管にそれぞれ接続される複数の第3圧力トランスデューサと、を備え、前記第2および第3圧力トランスデューサは、前記第1および第2入口弁の下流のガス圧を検出するように構成されることを特徴とする請求項5に記載の非常時酸素供給システム。
【請求項12】
前記入口弁と前記少なくとも一つの呼吸装置との間に接続される対応するマニホールドをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の非常時酸素供給システム。
【請求項13】
前記複数の入口弁と前記複数の呼吸装置との間にそれぞれ接続される対応する複数のマニホールドをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の非常時酸素供給システム。
【請求項14】
前記呼吸可能な酸素の補給源と前記入口弁との間に接続される圧力低減レギュレータをさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の非常時酸素供給システム。
【請求項15】
前記複数の呼吸可能な酸素の補給源と前記複数の入口弁との間にそれぞれ接続される対応する複数の圧力低減レギュレータをさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の非常時酸素供給システム。
【請求項16】
前記圧力コントローラは、前記客室与圧および対応する高度を表す、前記第1圧力トランスデューサから受け取る前記第1入力信号に応答して、および前記第2圧力トランスデューサから受け取る前記第2入力信号に応答して、前記入口弁の動作を制御するよう動作可能であることを特徴とする請求項8に記載の非常時酸素供給システム。
【請求項17】
前記圧力コントローラは、前記客室与圧および対応する高度を表す、前記第1圧力トランスデューサから受け取る前記第1入力信号に応答して、および前記少なくとも一つの第2圧力トランスデューサから受け取る前記第2入力信号に応答して、前記入口弁の動作を制御するよう動作可能であることを特徴とする請求項9に記載の非常時酸素供給システム。
【請求項18】
前記圧力コントローラは、前記客室与圧および対応する高度を表す、前記第1圧力トランスデューサから受け取る前記第1入力信号に応答して、および前記第2および第3圧力トランスデューサに応答して、前記入口弁の動作を制御するよう動作可能であることを特徴とする請求項10に記載の非常時酸素供給システム。
【請求項19】
前記圧力コントローラは、前記客室与圧および対応する高度を表す、前記第1圧力トランスデューサから受け取る前記第1入力信号に応答して、並びに前記複数の第2圧力トランスデューサおよび前記複数の第3圧力トランスデューサに応答して、前記入口弁の動作を制御するよう動作可能であることを特徴とする請求項12に記載の非常時酸素供給システム。
【請求項20】
前記圧力コントローラは、測定された下流圧力と所望の供給圧力とを比較し、
前記測定された下流圧力が前記所望の供給圧力以上である場合、前記圧力コントローラは前記入口弁を閉じるように動作可能であり、
前記測定された下流圧力が前記所望の供給圧力未満である場合、前記圧力コントローラは前記入口弁を一時的に開くように動作可能であることを特徴とする請求項8に記載の非常時酸素供給システム。
【請求項21】
前記圧力コントローラは、測定された下流圧力と所望の供給圧力とを比較し、
前記測定された下流圧力が前記所望の供給圧力以上である場合、前記圧力コントローラは前記入口弁を閉じるように動作可能であり、
前記測定された下流圧力が前記所望の供給圧力未満である場合、前記圧力コントローラは前記入口弁を一時的に開くように動作可能であることを特徴とする請求項9に記載の非常時酸素供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2011−525407(P2011−525407A)
【公表日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516411(P2011−516411)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/046753
【国際公開番号】WO2009/158185
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(598154383)ビーイー・インテレクチュアル・プロパティー・インコーポレイテッド (16)
【氏名又は名称原語表記】BE INTELLECTUAL PROPERTY,INC.
【住所又は居所原語表記】1400 Corporate Center Way,Wellington,Florida 33414,United States of America
【Fターム(参考)】