気体検出装置、並びに、燃焼装置
【課題】排気抵抗を必要以上に大きくすることなく、複数の燃焼部から排出された排気を十分に混合した状態で有害気体の検出が可能であって、小型化が可能な気体検出装置、並びにそのような気体検出装置を備えた燃焼装置を提供することである。
【解決手段】複数の燃焼部と排気部との間に配され、燃焼部から排出される排出気体中に含まれる所定気体を検出する気体検出手段を備えた気体検出装置8に対し、排出気体の流れ方向を迂回させる仕切壁部25を設け、排気導入領域50から仕切壁部25に沿って延び、排気排出口26へと至る排気流路を形成する。そして、排気流路の排気排出口26を越えて排気の流れ方向の下流側に延長された部分に、流れ方向の異なる排気が撹拌される撹拌領域42を形成する。さらに、気体検出手段を配するセンサ室23の開口30を、撹拌領域42に向かって開放させる。
【解決手段】複数の燃焼部と排気部との間に配され、燃焼部から排出される排出気体中に含まれる所定気体を検出する気体検出手段を備えた気体検出装置8に対し、排出気体の流れ方向を迂回させる仕切壁部25を設け、排気導入領域50から仕切壁部25に沿って延び、排気排出口26へと至る排気流路を形成する。そして、排気流路の排気排出口26を越えて排気の流れ方向の下流側に延長された部分に、流れ方向の異なる排気が撹拌される撹拌領域42を形成する。さらに、気体検出手段を配するセンサ室23の開口30を、撹拌領域42に向かって開放させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナを備えた燃焼部を複数有する燃焼装置において、特に燃焼部で不完全燃焼が発生したときに排出される気体を検出する気体検出装置に関するものである。また、そのような、気体検出装置を備えた燃焼装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
給湯器等の燃焼装置には、バーナの不完全燃焼対策として、燃焼排気中の一酸化炭素や未燃焼の燃料ガス(所謂生ガス)といった有害性又は危険性を有する気体(以下単に有害気体とも称す)を検出するセンサ(気体検出手段)を有する気体検出装置を備えたものがある。そして、このような燃焼装置では、燃焼排気に含まれる有害気体の濃度が予め設定された基準値を上回ったとき、不完全燃焼が発生したものと判断して燃焼を停止する構成となっている。
【0003】
また、燃焼装置には、バーナを内蔵する燃焼部を複数備えたものがある。例えば、所謂2缶2水式の燃焼装置では、一般給湯等の給湯系統のバーナを備えた燃焼部と、風呂の追い焚き等の追い焚き系統のバーナを備えた燃焼部とを有しており、各燃焼部から排出された燃焼ガスがそれぞれ別の熱交換器へと供給される構造となっている。即ち、燃焼部と、燃交換器を備えた熱交換部とが組となって形成される燃焼系統が2つ設けられた構造となっている。そして、一方の燃焼系統で給湯系統の加熱を実施し、他方の燃焼系統で追い焚き系統の加熱を実施するといったように、2つの燃焼系統で別の加熱動作を実施している。この2つの燃焼系統によるそれぞれの加熱動作は、別途行われる場合と、2つの加熱動作が同時に行われる場合とがある。
【0004】
このような複数の燃焼系統を備えた燃焼装置では、各燃焼系統を流れるそれぞれの燃焼排気に対し、個々に有害気体の検出を実施できるように、複数のセンサを各燃焼系統にそれぞれ配することが望ましい。しかしながら、複数のセンサを設けると、燃焼装置のコストが高くなってしまうという問題があった。
【0005】
そこで、この問題を解決するため、従来の燃焼装置には、各燃焼系統を流れる燃焼排気を排気集合室に集合させ、排気集合室から排気筒へと排出する構成とし、排気集合室にセンサを配置して有害気体を検知する気体検出装置を採用したものがある。
【0006】
ところで、上記した2缶2水式のような、複数の燃焼系統を備えた燃焼装置では、1つの加熱動作のみを実施する場合であっても、加熱動作を実施する燃焼系統に対して燃焼用の空気を送風機で供給するだけでなく、加熱動作を実施しない燃焼系統に対しても送風機で空気を供給する構成となっている。具体的に説明すると、片側の燃焼系統のみで加熱動作を行う場合、加熱動作を行う燃焼系統だけに送風機で空気を供給する構成とすると、加熱動作を実施する燃焼系統において燃焼部から熱交換部へと流れた燃焼ガスが、加熱動作を実施しない燃焼系統に流れ込んでしまうおそれがある。そのため、2つの燃焼系統で加熱動作を実施する場合であっても、いずれか一方の燃焼系統だけで加熱動作を実施する場合であっても、双方の燃焼系統に空気を供給する構成となっている。
【0007】
このような場合、排気集合室には加熱動作を実施している燃焼系統からは燃焼部で発生した燃焼排気が流入し、加熱動作を実施していない燃焼系統からは空気のみが流入する。そのため、排気集合室には、燃焼排気が多く流れる場所と、空気のみが流れる場所とが形成されてしまう。そのため、排気集合室にセンサを配置して有害気体を検知するとき、空気のみが流れる場所にセンサが位置してしまうと、燃焼排気に含まれた有害気体を検知できないという問題がある。
【0008】
そこで、この問題を解決するため、従来の燃焼装置では、排気集合室に各燃焼系統から排出された燃焼排気を旋回させて撹拌する撹拌部を形成し、撹拌部の下流側にセンサを配している。このことによると、各燃焼系統から排出された燃焼排気が撹拌部で混合されるので、混合された燃焼排気に対して有害気体の検出を実施できる。そのため、いずれの燃焼系統から排出された燃焼排気に有害気体が含まれていても、これを検出できる。換言すると、いずれの燃焼部で不完全燃焼が発生しても、それを確実に検知することができる。
【0009】
ここで、各燃焼系統から排出された燃焼排気を撹拌部で十分に混合するためには、撹拌部における燃焼排気の排気流路を長くしたり、排気流路の断面積を小さくしたりする必要がある。例えば、特許文献1には、排気集合室を上下2室に仕切り、下室から上室へ燃焼排気を流すことにより、燃焼排気を混合する不完全燃焼検出装置(気体検出装置)が開示されている。特許文献1に開示されている不完全燃焼検出装置では、燃焼排気を混合するための広い空間が確保された下室と、センサを配するセンサ室が配された上室の2段構造としている。そして、下室から上室へと連なる連通口を狭めている。このことにより、下室を流れる燃焼排気は、導入口から上室へ向かって流れて連通口を通過する過程で、徐々に混合されていく。このことにより、上室のセンサ室に到達した燃焼排気は十分に混合された状態となるので、十分に混合された気体に対して有害気体の検出を実施できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許4071215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで近年、広い設置場所を必要としない小型化された燃焼装置が開発されている。このような燃焼装置では、筺体内部の容積が小さくなるので、各部材の小型化が要求される。
【0012】
このため、本発明者は、従来のような上下の2室に分岐した2段構造ではなく、複数の燃焼系統から排出された燃焼排気を撹拌する領域と、センサを配する領域とを略同一の高さに位置させることを考案した。つまり、気体検出装置の高さを2段構造に比べて低くすることで、気体検出装置を小型化することを考えた。
【0013】
しかしながら、従来の気体検出装置の構造では、燃焼排気を撹拌する領域と、センサを配する領域とを同じ高さにしてしまうと、燃焼排気がセンサの配置位置に至るまでに燃焼排気を十分撹拌することができなかった。つまり、燃焼排気の排気流路の長さが短くなることで、燃焼排気が十分混合されない状態でセンサの配置位置まで流れてしまうという問題があった。
【0014】
このような問題を解決するための方法として、燃焼排気を撹拌する領域に多数の仕切り壁を形成し、屈曲を繰り返して延びる断面積の小さな排気流路を形成することで、排気流路を細長くして燃焼排気を混合させるという方法が考えられる。しかしながら、この排気流路を細長くする構造によると、排気抵抗が高くなってしまうので、バーナの燃焼動作等に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0015】
そこで本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑み、排気抵抗を必要以上に大きくすることなく、複数の燃焼部から排出された排気を十分に混合した状態で有害気体の検出が可能であって、小型化が可能な気体検出装置、並びにそのような気体検出装置を備えた燃焼装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、燃料を燃焼するバーナを備えた燃焼部を複数有した燃焼装置において、複数の燃焼部と排気部との間に配され、燃焼部から排出される排出気体中に含まれる所定気体の有無及び/又は濃度を検出する気体検出手段を備えた気体検出装置であって、複数の燃焼部から排出された排出気体を集合させ、集合させた排出気体を前記排気部へと導入させる排気集合室と、前記気体検出手段が配されるセンサ室とを有し、排気集合室は、複数の側壁部に囲繞されて形成され、各燃焼部からの排気導入口が位置する排気導入領域を有するものであり、排出気体の流れ方向を迂回させる仕切壁部と、排気集合室の内部と前記排気部とを連通する排気排出口とを有し、前記仕切壁部は、排気導入口に沿って延設され、当該仕切壁部によって、排気導入領域から仕切壁部に沿って延び、排気排出口を末端とする排気流路が形成されるものであり、前記排気流路を越えた位置であり、前記排気排出口から外部へ向かう方向とは異なる方向に離反した位置に衝突壁部が形成され、前記衝突壁部は、前記排気流路の末端における排気の流れ方向と交わる方向に延びるものであり、前記排気排出口と、衝突壁部との間には、排出気体が撹拌される撹拌領域が形成され、前記センサ室の開口が、前記撹拌領域に向かって開いていることを特徴とする気体検出装置である。
【0017】
本発明の気体検出装置は、仕切壁部が排気導入口に沿って延設され、当該仕切壁部によって、排気導入領域から仕切壁部に沿って延び、排気排出口へと至る排気流路が形成されている。そして、その排気流路から外れた部分であって、排気排出口から外部へ向かう方向(排気の排出方向)とは異なる方向に離反した位置に衝突壁部が形成されている。このことにより、排気排出口へ至った排出気体(以下燃焼排気とも称す)は、一部が排気排出口から外部で排出されると共に、他の一部が外部へ排出されずに衝突壁部へ流れる。そして、排気排出口と衝突壁部との間には、排気排出口側から衝突壁部側へ流れる燃焼排気と、排気排出口側から衝突壁部側へ流れて衝突壁部に衝突し、さらに衝突壁部から離れる方向へと流れる燃焼排気とが撹拌される撹拌領域が形成される。また、本発明の気体検出装置では、この撹拌領域に向かってセンサ室の開口が開いている。つまり、本発明の気体検出装置では、排気導入口から排気排出口までの間に形成される排気流路の末端に連なる部分が、外部側へ向かう部分と撹拌領域側とに分岐しており、前記排気流路を越えた部分であって排気流路から排気が流れ込む部分に、燃焼排気が混合される撹拌領域が形成されている。換言すると、排気流路のさらに下流側に位置する部分で燃焼排気を混合している。このことにより、排気流路の排気抵抗を必要以上に大きくすることなく、複数の排気導入口から導入された燃焼排気を十分に混合することができる。
そして、本発明の気体検出装置では、センサ室の開口が撹拌領域に向かって開いているため、センサ室に撹拌領域で十分に混合された燃焼排気を取り込むことができる。このことにより、十分に混合された燃焼排気に対し、有害気体の検出を実施可能となっている。
【0018】
また、本発明の気体検出装置では、排気流路を越えた部分であって、排気流路から排気が流れ込む部分に、気体を混合する撹拌領域が形成されている。このため、排気流路を流れる排出気体がいずれの排気導入口から流入した場合であっても、必ず撹拌領域へと到達する。即ち、排気導入口から導入された排出気体は、排気流路を排気排出口へ向かって流れるので、異なる位置にある排気導入口のうち、どの排気導入口から排出気体が流入した場合であっても、排出気体は確実に撹拌領域へと至る。
ここで、上記したように、加熱動作を実施している燃焼系統から燃焼排気が流入し、加熱動作を実施していない燃焼系統から空気のみが流入することで、排気集合室には、燃焼排気が多く流れる場所と、空気のみが流れる場所とが形成されてしまう場合がある。
しかしながら、本発明の気体検出装置では、すべての排気導入口から流入したすべての排出気体が集合し、撹拌される撹拌領域を経由した排出気体がセンサ室へと流入するので、センサ室の気体検出手段が、燃焼排気のみに対して検出動作を実施したり、空気のみに対して検出動作を実施したりすることがない。このことにより、いずれの排気導入口から導入された燃焼排気に有害気体が含有されている場合であっても、有害気体を確実に検知可能となる。
【0019】
さらにまた、本発明の気体検出装置では、排気排出口と衝突壁部との間に撹拌領域を形成している。このことにより、撹拌領域では、排気排出口側から衝突壁部側へ流れる燃焼排気と、衝突壁部に衝突することで流れの向きが変更された燃焼排気とが混合される。このように、流れの異なる燃焼排気を合流させることで撹拌して混合させる構成によると、細長い排気流路を通過させることで燃焼排気を混合する構成に比べ、狭い範囲での燃焼排気の混合が可能となり、気体検出装置の大きさを小さくできる。また、細長い排気流路を通過させることで燃焼排気を混合する構成に比べ、屈曲しながら延びる流路の仕切壁等を設ける必要がなく、気体検出装置の構造を簡易化できる。
【0020】
請求項2に記載の発明は、前記排気導入領域は、排気集合室の底面側に形成され、排気導入領域には、2つの前記排気導入口が並列して位置するものであり、前記仕切壁部は、いずれか一方の排気導入口に沿って延設され、前記一方の排気導入口から排気集合室に導入された排出気体は、前記仕切壁部に沿って排気排出口を迂回し、他方の排気導入口側へと流れることを特徴とする請求項1に記載の気体検出装置である。
【0021】
本発明の気体検出装置では、2つの排気導入口が並列しており、仕切壁部が一方の排気導入口に沿って延設されている。そして、一方の排気導入口から排気集合室に導入された排出気体は、前記仕切壁部に沿って排気排出口を迂回し、他方の排気導入口側へと流れる構成となっている。このことにより、排気流路の上流側で異なる排気導入口から流入した燃焼排気を合流させることができる。即ち、燃焼排気が排気流路を流れていくとき、合流した状態で流れる距離を長くできるので、より確実に、異なる排気導入口から流入した燃焼排気を混合した状態にできる。
【0022】
請求項3に記載の発明は、前記複数の側壁部は、対向する1対の側壁部を備え、1対の側壁部のうち、一方の側壁部の近傍には排気導入領域が形成され、他方の側壁部の近傍には前記センサ室が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の気体検出装置である。
【0023】
本発明の気体検出装置では、排気導入領域とセンサ室との間に長い距離置くことができる。即ち、排気導入領域とセンサ室との間に位置する排気流路をより長くすることができるので、より確実に、異なる排気導入口から流入した燃焼排気を混合した状態にできる。
【0024】
請求項4に記載の発明は、前記センサ室は、前記排気集合室内であって、前記仕切壁部と対向する部位にあり、前記排気排出口は、前記センサ室と前記仕切壁部に挟まれた位置に形成されるものであって、前記排気排出口の全幅は、前記センサ室と前記仕切壁部との距離と略等しいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の気体検出装置である。
【0025】
本発明の気体検出装置では、排気排出口の全幅が、排気流路の一部であるセンサ室と前記仕切壁部との距離と略等しいため排気流路の末端部の略全幅に亘って排気排出口が形成される。このため、排気流路を流れる燃焼排気の多くを排気排出口から外部へと流出させることができ、排気流路から排気が流入する撹拌領域に必要以上の燃焼排気が流入することがない。つまり、撹拌領域に必要以上の燃焼排気が流入せず、気体検出装置全体を通過する燃焼排気の排気流が大きく乱れないので、燃焼排気の排出動作を安定化できる。
【0026】
請求項5に記載の発明は、前記センサ室の開口は、前記排気流路の末端近傍から衝突壁部に至るまでの間に位置することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の気体検出装置である。
【0027】
請求項6に記載の発明は、前記排気排出口の内幅であって、前記排気排出口の中心を通り前記排気流路での排気の流れ方向に測定した内幅を基準長さとし、排気排出口の最も衝突壁部に近接した位置を基準位置としたとき、前記基準位置から排気の流れ方向の上流側に前記基準長さの3分の1程度だけ離反した部分と、前記基準位置から排気の流れ方向の下流側に前記基準長さの3分の1程度だけ離反した部分との間に形成される領域に、前記センサ室の開口が位置することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の気体検出装置である。
【0028】
本発明の気体検出装置では、燃焼排気が混合される撹拌領域に対し、このような位置にセンサ室の開口を設けることが望ましい。即ち、センサ室の開口が撹拌領域側に近づきすぎると、センサ室の開口が衝突壁部に近接しすぎてしまう場合がある。このとき、衝突壁部に衝突して流れ方向の向きを変えた燃焼排気が、衝突壁部へ向かう方向に流れる燃焼排気と撹拌される前にセンサ室に流入してしまうおそれがある。対して、センサ室の開口が撹拌領域から離れすぎると、撹拌領域で撹拌された燃焼排気のみをセンサ室へ流入することが困難になってしまう。このことから、センサ室の開口は、前記排気流路の末端近傍から衝突壁部に至るまでの間に位置することが望ましく、さらには、前記基準位置から排気の流れ方向の上流側に前記基準長さの3分の1程度だけ離反した部分と、前記基準位置から排気の流れ方向の下流側に前記基準長さの3分の1程度だけ離反した部分との間に形成される領域に、前記センサ室の開口が位置することが望ましい。
【0029】
請求項7に記載の発明は、前記排気排出口の内幅であって、前記排気排出口の中心を通り前記排気流路での排気の流れ方向に測定した内幅を基準長さとし、排気排出口の最も衝突壁部に近接した位置を基準位置としたとき、基準位置と衝突壁部との間の距離は、基準長さの20パーセント以上となっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の気体検出装置である。
【0030】
このような構成によると、撹拌領域の大きさを十分に大きくできるので、複数の排気導入口から導入された燃焼排気の十分な混合と、十分に混合された燃焼排気のセンサ室への取り込みがより確実に実施できる。
【0031】
上記のことから、本発明の気体検出装置は、燃料を燃焼するバーナを備えた燃焼部を2つ有した燃焼装置において、2つの燃焼部と排気部との間に配され、燃焼部から排出される排出気体中に含まれる所定気体の有無及び/又は濃度を検出する気体検出手段を備えた気体検出装置であって、2つの燃焼部から排出された排出気体を集合させ、集合させた排出気体を前記排気部へと導入させる排気集合室と、前記気体検出手段が配されるセンサ室とを有し、排気集合室は、天面部と、天面部から垂下された4つの側壁部とに囲繞され、底面側が開放されており、底面側には、2つの燃焼部からの排気をそれぞれ導入する2つの排気導入口が並列して位置する排気導入領域が形成され、4つの側壁部は対向する1対の側壁部を備え、1対の側壁部のうち、一方の側壁部の近傍には排気導入領域が位置し、他方の側壁部の近傍には前記センサ室が位置するものであり、排出気体の流れ方向を迂回させる仕切壁部と、前記内部空間と前記排気部とを連通する排気排出口とを有し、前記仕切壁部は、一方の排気導入口に沿う位置にあり、排気導入口の並列方向に沿って延びるものであって、前記仕切壁部によって、前記排気導入領域から仕切壁部に沿って延び、前記排気排出口を末端とする排気流路が形成されており、前記センサ室が、前記排気集合室内であって、前記仕切壁部と対向する部位にあり、前記排気排出口は、前記センサ室と前記仕切壁部に挟まれた位置に形成され、前記排気排出口の全幅が、前記センサ室と前記仕切壁部との距離と略等しくなっており、前記排気流路を越えた位置であり、前記排気排出口から外部へ向かう方向とは異なる方向に離反した位置に衝突壁部が形成され、前記衝突壁部は、前記排気流路の末端における排気の流れ方向と交わる方向に延びるものであり、当該衝突壁部は、前記側壁部のうちの少なくとも1つの側壁部によって形成され、前記排気流路の末端における排気の流れ方向と交わる方向に延びるものであって、前記排気排出口と、衝突壁部との間には、排気排出口側から衝突壁部側へ流れる排出気体と、排気排出口側から衝突壁部側へ流れて衝突壁部に衝突し、さらに衝突壁部から離れる方向へと流れる排出気体とが撹拌される撹拌領域が形成されており、前記排気排出口の内幅であって、前記排気排出口の中心を通り前記排気流路での排気の流れ方向に測定した内幅を基準長さとし、排気排出口の最も衝突壁部に近接した位置を基準位置としたとき、前記基準位置から排気の流れ方向の上流側に前記基準長さの3分の1程度だけ離反した部分と、前記基準位置から排気の流れ方向の下流側に前記基準長さの3分の1程度だけ離反した部分との間に形成される領域に、前記センサ室の開口が位置するとともに、前記センサ室の開口が前記撹拌領域に向かって開いており、基準位置と衝突壁部との間の距離は、基準長さの20パーセント以上となっていることが望ましい(請求項8)。
【0032】
請求項9に記載の発明は、燃料を燃焼するバーナと、バーナが作動して生成される燃焼ガスの熱を回収する熱交換器とを含む燃焼系統を複数有し、請求項1乃至8のいずれかの気体検出装置を備えたことを特徴とする燃焼装置である。
【0033】
本発明の燃焼装置は、小型化が可能であり、小型化しても排気流路の排気抵抗を必要以上に大きくすることなく、複数の排気導入口から導入された燃焼排気を十分に混合した状態で有害気体を検出可能な気体検出装置を備えている。そのため、燃焼装置全体の小型化が可能であり、小型化しても排気抵抗が高いことに起因するバーナの燃焼動作の不具合等が発生することがない。また、複数の燃焼部から排出された排気を十分に混合した状態で有害気体の検出が実施できるので、不完全燃焼等の不具合で発生する有害気体が、いずれの燃焼系統で発生してしまった場合であっても、それを確実に検知できる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の気体検出装置は、排気流路を越えた部分で燃焼排気を混合しているので、排気流路の排気抵抗を必要以上に大きくすることなく、複数の排気導入口から導入された燃焼排気を十分に混合することができるという効果がある。加えて、燃焼排気が混合される領域に向かってセンサ室の開口が開いているため、センサ室に十分に混合された燃焼排気を取り込むことが可能となり、複数の燃焼部から排出された排気を十分に混合した状態で有害気体の検出が実施できる。
さらに、本発明の気体検出装置は、流れの異なる燃焼排気を合流させることで撹拌して混合させるので、比較的狭い範囲での燃焼排気の混合が可能となり、気体検出装置を小型化できるという効果がある。
また、そのような気体検出装置を備えた本発明の燃焼装置は、燃焼装置全体の小型化が可能であり、小型化しても排気抵抗が高いことに起因するバーナの燃焼動作の不具合等が発生しないという効果がある。
さらに、本発明の燃焼装置は、複数の燃焼部から排出された排気を十分に混合した状態で有害気体の検出が実施できるので、複数の燃焼系統のどの燃焼系統で有害気体が発生してしまった場合であっても、それを確実に検知できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態に係る燃焼装置を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る気体検出装置を示す斜視図である。
【図3】図2の気体検出装置の底面図である。
【図4】図2の気体検出装置を別方向からみた一部破断斜視図であり、破断した部分の一部を点線で示す。
【図5】図4のセンサ室を示す斜視図であり、(a)は内側金具と外側金具を分解した状態を示し、(b)は内側金具と外側金具とを一体に取り付けた状態を示す。
【図6】図2の気体検出装置の一部破断斜視図であり、破断した部分の一部を点線で示す。
【図7】図6の排気排出口の開放部分と閉塞部分との境界位置を示す概念図である。
【図8】図2の気体検出装置の底面図であり、仕切壁部を透過した状態で示す。
【図9】図2の気体検出装置に流入した燃焼排気の流れ方向を示す説明図である。
【図10】図2とは異なる形態の気体検出装置の底面図である。
【図11】図2,10とは異なる形態の気体検出装置の底面図である。
【図12】図2,10,11とは異なる形態の気体検出装置の底面図である。
【図13】図1とは異なる形態の燃焼装置を示す作動原理図である。
【図14】図1,13とは異なる形態の燃焼装置を示す作動原理図である。
【図15】本発明の実施形態に係る燃焼装置において、燃焼動作を実施したときに気体検出装置内を通過する排気の流れを示す模式図であり、斜め後方から見た状態を示す。
【図16】図15の気体検出装置の外壁部分を透過して示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の詳細な実施形態の説明に先立ち、構成の概要及び概略的な作用効果を説明するための実施形態について説明する。
【0037】
本実施形態の燃焼装置300は、図15,16で示されるように、燃料を燃焼するバーナを備えた燃焼部(図示せず)を2つ備えた燃焼装置である。
【0038】
そして、本実施形態の燃焼装置300は、2つの燃焼部から排出された排気を集合する気体検出装置301を有している。即ち、本実施形態の気体検出装置301は、排気集合管として機能する。
【0039】
気体検出装置301は、2つの燃焼部の上部に配され、2つの燃焼部から排出された排気を集合して外部に排出する流路となるものである。即ち、本実施形態の燃焼装置300は、図示しない排気部との間に配され、燃焼部から排出される排出気体中に含まれる所定気体の有無及び/又は濃度を検出するセンサ(気体検出手段)を備える。
【0040】
気体検出装置301は、2つの燃焼部から排出された排出気体を集合させ、集合させた排出気体を前記排気部へと導入させる排気集合室302と、センサが配されるセンサ室303とを有している。排気集合室302は、天面部と4つの側壁部とに囲繞されて形成された空間である。
【0041】
排気集合室302の天面部には、円形の排気排出口304が開口している。排気排出口304は、排気集合室302の内部と外部とを連通する孔である。本実施形態では、排気排出口304は、前記した4つの側壁部のいずれからも離れた位置に開口している。
【0042】
また排気集合室302は、底面側が開放されており、底面側には、2つの燃焼部からの排気をそれぞれ導入する2つの排気導入口305,306が並列して開口している。即ち排気集合室302の底面側には、2つの排気導入口305,306が並列して開口する排気導入領域307が形成されている
【0043】
前記した4つの側壁部のうち、長辺を形成する対向する1対の側壁部に注目すると、一方の側壁部の近傍には前記した排気導入領域307が位置し、他方の側壁部の近傍には前記したセンサ室303がある。
【0044】
また、本実施形態の燃焼装置300では、排気集合室302の内部に仕切壁部308が設けられている。
【0045】
仕切壁部308は、排出気体の流れ方向を迂回する流路を形成するものである。即ち本実施形態では、排気集合室302の内部に仕切壁部308があり、2つの排気導入口305,306から排気排出口304に至る排気流路が形成されている。
具体的には、仕切壁部308は、長手方向の一端部が側壁部310と一体に形成されており、上下方向全域に亘って設けられている。このことにより、排気集合室302の一部は、排気導入領域307側の空間311と、センサ室303側の空間312とに前後方向で分割されている。そして、排気集合室302は、仕切壁部308の長手方向の他方端部側で前後方向に連続している。
【0046】
また、この仕切壁部308は、一方の排気導入口305に沿う位置にあり、2つの排気導入口305,306の並列方向に沿って延びるものである。
【0047】
またセンサ室303が、排気集合室302内であって、仕切壁部308と対向する部位にある。そして、排気排出口304は、センサ室303と仕切壁部308に挟まれた位置に形成され、排気排出口304の全幅が、センサ室303と仕切壁部308との距離と略等しくなっている。
【0048】
さらに、本実施形態に特有の構成として、排気集合室302内の一部に撹拌領域309が設定されている。
【0049】
本実施形態では、撹拌領域309は、前記した排気流路の排気排出口304を越えて排気の流れ方向の下流側に延長された位置に設けられている。
【0050】
即ち、排気集合室302は、4つの側壁部を有しているが、その内の短辺を構成する一対の側壁の内、一方の排気導入口305に近く、他方の排気導入口306から遠い位置にある側壁部310に注目すると、本実施形態では、排気排出口304はこの側壁部310から離れた位置にある。
【0051】
つまり、本実施形態では、排気排出口304は、前記した4つの側壁部のいずれからも離れた位置に開口しているから、排気流路の排気排出口304を越えた位置にも、空間があり、この空間が撹拌領域309として機能する。
【0052】
そして、撹拌領域309の奥側には、前記した側壁部310があるが、この側壁部310は、排気の流れ方向と交わる方向に延びるものであり、衝突壁部として機能する。
【0053】
なお、センサ室303は、一面だけが開口し、他の面が閉塞されたている。本実施形態では、センサ室303は衝突壁部に面した平面だけが開口し、他の面は閉塞している。そして、センサ室303の開口の位置と排気排出口304を平面視して比較すると、排気排出口304の最も衝突壁に近い点と同等の領域にセンサ室303の開口位置がある
【0054】
さらに、本発明の気体検出装置301を採用した燃焼装置300において、燃焼運転を実施したときに気体検出装置301の内部を流れる排気流について、前記した図15,16を参照しつつ説明する。なお、上下左右の位置関係については特に断りのない限り通常の設置状態を基準として説明する。
【0055】
燃焼装置300は、前記した様に2つの燃焼部を備えており、各燃焼部で燃焼運転を実施すると、各燃焼部で発生した燃焼排気が、それぞれ排気導入口305,306を介して排気集合室302に流入する。
【0056】
そして、排気集合室302に流入した燃焼排気は、排気導入口305,307から、仕切壁部308に沿って排気排出口304を迂回して流れる。即ち、排気導入領域307側の空間311から、仕切壁部308を回り込むように流れ、センサ室303側の空間312へと至る。
【0057】
なお、このとき排気排出口304から排出されなかった燃焼排気は、排気排出口304より、燃焼排気の流れ方向下流側に形成される撹拌領域309へ流れ込む。そして、この撹拌領域では、排気排出口304側から側壁部310側へ向かって流れる燃焼排気と、側壁部310に衝突することで側壁部310側から排気排出口304側へ向かって流れる燃焼排気とが混合される。この混合された燃焼排気は、撹拌領域309に向かって開口したセンサ室303内に流入する。
【0058】
次に、より実際に使用する場合に近い構造の実施形態について詳細に説明する。
【0059】
以下、本発明の実施形態にかかる燃焼装置1、並びに気体検出装置8について詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また以下の説明において、上下左右の位置関係については特に断りのない限り通常の設置状態を基準として説明する。
【0060】
燃焼装置1は、図1に示すように、筺体2の内部に独立した2つの燃焼系統3a,3bを備えており、これら2つの燃焼系統3a,3bがそれぞれ別系統の缶体及び配管系統から形成されている、所謂2缶2水型と称される燃焼装置である。なお、右側に位置する比較的大きな燃焼系統3aは、主に一般給湯における加熱動作に使用される。そして、左側に位置するもう一方の燃焼系統3bは、主に風呂の追い焚きや暖房機器等の熱負荷への熱の供給に使用される。
【0061】
燃焼系統3a,3bは、燃焼部4と、燃焼部4に空気を供給する送風機(図示せず)と、主に顕熱を回収する一次熱交換器5と、主に潜熱を回収する二次熱交換器6によって形成される。
【0062】
燃焼部4は、ガスや灯油等の燃料を燃焼するバーナを備えており、燃料を燃焼することで高温の燃焼ガスを発生させるものである。
【0063】
一次熱交換器5は、燃焼部4より燃焼ガスの流れ方向下流側に位置しており、二次熱交換器6は、一次熱交換器5よりさらに燃焼ガスの流れ方向下流側に位置している。そして、一次熱交換器5と二次熱交換器6とは、直列に接続されている。
【0064】
また、燃焼装置1では、各燃焼系統3a,3bの燃焼ガスの流れ方向下流側に、各燃焼系統3a,3bから排出された燃焼ガスが導入される気体検出装置8が設けられている。そして、この気体検出装置8は、図示しない排気筒(排気部)に接続されている。このとき、燃焼部4の内部から、一次熱交換器5、二次熱交換器6、気体検出装置8、排気筒の各内部を連通する空間が形成され、燃焼部4で発生した燃焼ガスが流動可能となっている。
【0065】
したがって、この燃焼装置1を稼働すると、燃焼部4で発生した燃焼ガスが一次熱交換器5、二次熱交換器6、気体検出装置8と流れ、排気筒へと至る。そして、排気筒の上方に形成された排気口から外部へと放出される。その一方、外部から供給されてきた湯水や、循環する熱媒体が、二次熱交換器6を経て一次熱交換器5に流入し、加熱される。このように湯水や熱媒を加熱することで、給湯先となるカランや浴槽等に湯水を供給する一般給湯運転、浴槽に加熱した湯水を供給する風呂自動落とし込み運転、暖房器具に熱を供給する熱媒を加熱する暖房運転、風呂の湯水を循環させて加熱する風呂運転といった各種運転を実施可能な構成となっている。
【0066】
ここで本発明の特徴的構成部材たる、気体検出装置8について詳細に説明する。
【0067】
気体検出装置8は、図2で示されるように、天面部14と、天面部14の縁端部分から下方へ延びる4つの側壁部15,16,17,18を備えている。
【0068】
天面部14は、前方から後方側へ向かってやや傾斜しており、後方部分が前方部分に比べてやや高くなっている。また、天面部14には、天面部14と4つの側壁部15,16,17,18とによって囲繞された内部空間(後述する排気集合室22)と、外部とを連通する排気筒取付部19が設けられている。この排気筒取付部19は、外形が円筒形であり、天面部14から上方に向かって鉛直方向に沿って突出している。そして、内孔部分で内部空間(後述する排気集合室22)と外部とを連通している。
【0069】
4つの側壁部15,16,17,18は、大別して、前後方向で対向する1対の側壁部15,16と、左右方向で対向する1対の側壁部17,18とによって形成されている。そして、各側壁部15,16,17,18は、それぞれ長手方向両端部で、隣接する他の側壁部15,16,17,18のうちの2つと連続し、天面部14の下方に形成される空間である排気集合室22を環状に取り囲んでいる。
【0070】
このとき、前方に位置する側壁部15には、気体検出装置8の内部空間(後述する排気集合室22)に一体に取付けられたセンサ室23の内部と、気体検出装置8の外部とを連通するセンサ取付孔20が設けられている。
また、左右方向で対向する1対の側壁部17,18のうち、一方の側壁部18は鉛直方向に対して傾斜するものであり、天面部14の縁端部から斜め下方へ延びている。そして、もう一方の側壁部17(衝突壁部)は、詳しくは後述するが、排気集合室22に排気を導入したとき、導入した燃焼排気が衝突する衝突壁となる。
【0071】
続いて、気体検出装置8の内部構造について説明する。
気体検出装置8の内部には、図3で示されるように、天面部14と4つの側壁部15,16,17,18とによって取り囲まれ、下方が開放された空間である排気集合室22が形成されている。
【0072】
排気集合室22は、断面形状略台形で前後方向に延びる空間であり、前後方向(図3の上下方向)の長さが、左右方向の長さより短くなっている。この排気集合室22の内部には、センサ室23と、仕切壁部25とが設けられており、その天面には、排気排出口26が形成されている。
【0073】
センサ室23は、図4で示されるように、前方に位置する側壁部15の内側に一体に取り付けられた、外形略直方体状の部材である。より詳細には、図5で示されるように、外側金具28と、内側金具29とによって形成されている。
【0074】
外側金具28は、図5(a)で示されるように、金属板を折り曲げ加工して形成されるものであり、断面略「コ」字状に延びる固定具本体28aと、固定具本体28aの一端側を閉塞するように設けられる長方形板状の閉塞板部28bとによって形成されている。
【0075】
内側金具29は、図5(a)で示されるように、平板状の金属板を外形略「コ」字状に屈曲させて形成されている。即ち、内側金具29は、平板状の天板部29a、底板部29b、中間板部29cによって形成されている。そして、天板部29aと底板部29bとが平行な位置にあり、これらと垂直に交わる中間板部29cが天板部29aと底板部29bとを連結している。
【0076】
そして、図5(b)で示されるように、外側金具28の内側から内側金具29を接触させた状態で一体に取り付けることで、センサ室23が形成されている。具体的に説明すると、内側金具29の天板部29aと固定具本体28aの上板、内側金具29の底板部29bと固定具本体28aの下板、内側金具29の中間板部29cと閉塞板部28bのそれぞれが密着するように、外側金具28と内側金具29とをスポット接合等の適宜な手段で一体に取り付ける。このとき、内側金具29の天板部29a、底板部29b、中間板部29cの幅L7(前後方向の長さ)は、固定具本体28aの上板、下板、閉塞板部28bの幅(前後方向の長さ)より長くなっている。このため、外側金具28と内側金具29とを一体に取り付けると、図5(b)で示されるように、内側金具29の幅方向の端部が、外側金具28の内側に形成される空間から外側に向かってわずかに突出する。そして、内側金具29の外側に向かって突出した部分と、側壁部15(図4参照)とをスポット接合等の適宜な手段で一体に取り付けることにより、センサ室23を形成する。
【0077】
このように、センサ室23を形成することで、外側金具28の固定具本体28aと閉塞板部28bとの間に形成される僅かな隙間が内側金具29によって閉塞される。そのため、本実施形態のセンサ室23では、シリコン製のコーキング材等を使用することなく、センサ室23の開口30以外の部分からの燃焼排気の流入を阻止できる構造となっている。
即ち、仮にシリコン製のコーキング材を使用して、外側金具28の隙間を閉塞した場合、コーキング材が高温の燃焼排気に晒されてしまう。このことにより、燃焼排気を媒介にしてセンサ室23内のセンサにシリコンが付着してしまい、センサが劣化してしまう(所謂シリコン被毒が発生してしまう)おそれがある。これに対し、本実施形態では、シリコン製のコーキング材を使用しないので、このようなセンサの劣化を防止できる。
【0078】
仕切壁部25は、図3で示されるように、排気集合室22の前後方向の中心近傍であり、前後方向の中心よりやや後方(図3における下方)よりの部分に設けられ、排気集合室22の左右方向に沿って延びている。より詳細には、図6で示されるように、排気集合室22の天面に沿って延びる長方形平板状の天板部32と、天板部32の短手方向の片側端部から斜め下方へと延びる長方形平板状の中心板部33と、中心板部33の下端から略水平方向へ延びる下板部34を有している。つまり、仕切壁部25は、金属板を折り曲げて加工して形成されるものであって、鉛直方向に対して傾斜する中心板部33の上端部分と下端部分とをそれぞれ折り曲げることで、天板部32と下板部34とが形成されている。このとき、天板部32と下板部34は、中心板部33の上下端でそれぞれ互いに離れる方向へ突出している。即ち、下板部34は排気集合室22の前方側へ向かって中心板部33から突出し、天板部32は排気集合室22の後方側へ向かって中心板部33から突出している。
【0079】
また、図3で示されるように、仕切壁部25の左右方向の一端部は、排気集合室22の左右方向で対向する2つの側壁部17,18のうち、一方の側壁部17と一体となっている。そして、仕切壁部25の左右方向の他端部は、排気集合室22の左右方向の中心近傍に位置している。より詳細には、仕切壁部25の左右方向の他端部は、排気集合室22の左右方向の中心より、他方の側壁部18にやや近い位置にある。このことにより、排気集合室22では、左右方向の一方端から中心部分近傍までの部分が、仕切壁部25によって前後方向に分割されて、2つの領域36,37を形成する。なお、仕切壁部25の中心板部33が上下方向に対して傾斜しているので、図6で示されるように、これらの各領域36,37のうち、前方側に位置する前側領域36は、上側に近づくにつれて広くなっていき、後方側に位置する後側領域37は、上側に近づくにつれて狭くなっていく。
【0080】
排気排出口26は、図3,6に示されるように、排気筒取付部19(図2参照)の内孔と連通する略円形の開口である。ここで、排気排出口26は、その一部が仕切壁部25の天板部32によって閉塞されている。即ち、図6,7で示されるように、排気排出口26の後端部側に位置する部分が閉塞されるものであって、排気排出口26の開放された開放部分26aの前後方向の長さL2は、排気排出口26の前後方向の全体の長さ(径の長さ)L1の6分の5程度の長さとなっており、排気排出口26の閉塞された閉塞部分26bの前後方向の長さL3は、排気排出口26の前後方向の全体の長さ(径の長さ)L1の6分の1程度の長さとなっている。
【0081】
つまり、排気排出口26は、前方側の大部分が開放され、後方側の一部が閉塞されている。このため、排気排出口26は、図6で示されるように、仕切壁部25で区切られた領域36,37のうち、前方側に位置する前側領域36に対してのみ開放されており、後方側に位置する後側領域37に対しては閉じている。換言すると、排気排出口26は前側領域36のみと連通し、後側領域37とは分断されている。このことから、排気排出口26は、前側領域36からは気体の流入が可能であり、後側領域37からは気体の流入が不可能となっている。
【0082】
ここで、上記した、仕切壁部25で区切られた領域36,37のうち、前方側に位置する前側領域36について詳細に説明する。
【0083】
前側領域36の前端側の部分には、図8で示されるように、左右方向の大半部分に亘ってセンサ室23が配されている。このとき、センサ室23の開口30は、側壁部17と対向しており、側壁部17側に向かって開いている。そして、センサ室23の開口30から側壁部17までの長さL4は、前側領域36の左右方向の長さ(仕切壁部25の長手方向の長さ)L5の5分の1程度の長さとなっている。また、このとき、センサ室23の開口30から側壁部17までの長さL4は、排気排出口26の径の長さ(排気排出口26の内幅であって、排気排出口26の中心を通る左右方向の長さ)L1の20パーセント程度の長さとなっている。
【0084】
また、前側領域36では、センサ室23と仕切壁部25との間に、排気排出口26が位置しており、具体的には、センサ室23の後端部分(図8の下端部分)から、仕切壁部25の天板部32の前端部分(図8の上端部分)の間に、排気排出口26の開放部分26aが位置している。このとき、センサ室23の後端部分から天板部32の前端部分までの長さL6と、排気排出口26の開放部分26aの前後方向の長さL2とは、略同一の長さとなっている。
【0085】
また、センサ室23の左右方向の長さ(長手方向の長さ)と、排気排出口26の左右方向の長さ(径の長さ)L1とは、略同一となっている。そして、センサ室23の開口30と、排気排出口26の左右方向の一端部39とは、左右方向の位置が同一となっている。つまり、仕切壁部25と一体に形成されている側壁部17からセンサ室23の開口30までの距離L4と、当該側壁部17からこの側壁部17に近接する位置にある排気排出口26の端部39までの距離L4とが、同一となっている。即ち、センサ室23と排気排出口26とは、前後方向で並列すると共に、左右方向の両端部の位置がそれぞれ略同一であり、左右方向の長さが略同一となっている。
【0086】
次に、気体検出装置8を燃焼装置1に取付け、2つの燃焼系統3,3で燃焼動作を実施したときの、気体検出装置8内の燃焼排気の流れについて説明する。
【0087】
燃焼装置1では、図1で示されるように、気体検出装置8が燃焼系統3,3の上部に取り付けられている。このように、気体検出装置8が燃焼装置1に取り付けられると、気体検出装置8の開放された底面側の部分が他部材によって閉塞された状態となる。そして、図9で示されるように、内部空間である排気集合室22の下方側に、各燃焼系統3,3からの燃焼排気を導入するための排気導入口46,47が位置する。そのことにより、各燃焼系統3,3で発生した燃焼排気が、それぞれ別の排気導入口46,47を介して、排気集合室22へと導入される。
【0088】
より具体的に説明すると、気体検出装置8の底面側の後端(図9の下側)近傍に排気導入領域50が形成されており、この排気導入領域50には、2つの排気導入口46,47が左右方向に並列して配されている。なお、2つの排気導入口46,47は大きさが異なっており、主に一般給湯における加熱動作に使用される燃焼系統3に連なる排気導入口47が、主に風呂の追い焚きや熱負荷への熱の供給に使用される燃焼系統3に連なる排気導入口46に比べて、開口面積が大きくなっている。
【0089】
このとき、開口面積が大きな排気導入口47は、仕切壁部25によって前後方向に分割された2つの各領域36,37のうち、後方側に位置する後側領域37に位置している。そして、この排気導入口47は、仕切壁部25の長手方向(左右方向)に沿って延びている。このとき、この排気導入口47の長手方向の長さと、仕切壁部25の長手方向の長さとは略同一となっている。つまり、この排気導入口47は、後側領域37の左右方向の略全域に亘って配されている。
【0090】
このことにより、一方の排気導入口47から排気集合室22内へ流入した燃焼排気は、仕切壁部25に沿って、他方の排気導入口46側へ流れる。そして、他方の排気導入口46が位置する部分、又はその上方部分等の他方の排気導入口46の近傍、あるいは排気導入口46が配された部分の前方側に位置する中継領域51で、一方の排気導入口47から排気集合室22内へ流入した燃焼排気が、他方の排気導入口46から排気集合室22内へ流入した燃焼排気と合流する。
【0091】
ここで中継領域51は、仕切壁部25によって前後方向に分割された2つの各領域36,37のうち、前方側に位置する前側領域36と左右方向で並列する位置にある空間である。
【0092】
この中継領域51へと流入した燃焼排気は、中継領域51側から前側領域36側へと流れていく。
【0093】
ここで、前側領域36は、左右方向で2つに分けられるものであり、図9で示されるように、センサ室23及び排気排出口26が位置する流路末端領域41と、撹拌領域42とに分割される。具体的には、センサ室23の開口30と、排気排出口26の左右方向の端部であって、仕切壁部25と一体に設けられた側壁部17に近い位置にある端部39とを結ぶ直線l1を境界として、流路末端領域41と、撹拌領域42とに分割される。
なお、特に限定されるものではないが、撹拌領域42の左右方向の長さL4は、排気排出口26の左右方向の長さ(径の長さ)L1の3分の1程度となっている。
【0094】
したがって、中継領域51側から前側領域36側へと流れた燃焼排気は、まず流路末端領域41へと流入する。ここで、燃焼排気の一部は、排気排出口26から外部へと排出される。対して、外部へ排出されなかった燃焼排気は、撹拌領域42へと流入する。そして、撹拌領域42へ流入した燃焼排気は、側壁部17に衝突してその流れ方向を変え、排気排出口26側へ向かって流れる。
【0095】
ここで、撹拌領域42では、新たに排気排出口26側から流入した燃焼排気は、側壁部17側へ向かって流れ、すでに側壁部17(衝突壁部)に衝突した燃焼排気は、排気排出口26側へ向かって流れる。このため、撹拌領域42では、それぞれ略逆向きに流れる燃焼排気が衝突する。即ち、撹拌領域42では、互いに近づく方向へ流れる燃焼排気がぶつかり合う。このことにより、撹拌領域42で乱流が発生し、撹拌領域42を流れる燃焼排気が十分に混合される。
【0096】
即ち、本実実施形態の気体検出装置8の内部には、排気導入領域50、中継領域51、流路末端領域41を順に流れる排気流路が形成されている。そして、その排気流路の燃焼排気の流れ方向の下流側に、撹拌領域42が形成されている。そのため、2つの排気導入口46,47から流入した燃焼排気は、排気流路を流れていく過程で徐々に混合されるものであり、仮に排気流路で十分に混合されなかった場合であっても、排気流路の下流側に位置する撹拌領域42において、確実に混合される。
【0097】
ここで、センサ室23の開口30は、側壁部17(衝突壁部)と対向する位置にある。したがって、センサ室23の開口30は、開口30と側壁部17の間の空間、即ち、撹拌領域42に向かって開放されている。このため、撹拌領域42で十分に混合された燃焼排気は、センサ室23にも流入する。そして、センサ室23内に配されたCOセンサ54(気体検出手段)によって、センサ室23に流入する燃焼排気に対し、燃焼排気中の一酸化炭素の有無、又は燃焼排気中の一酸化炭素の濃度の検出が実施される。
【0098】
次に、燃焼排気中の一酸化炭素の有無、一酸化炭素の濃度等の検出動作について説明する。
【0099】
本実施形態では、COセンサ54として、所謂接触式と称されるセンサを使用している。この接触反応式センサは、一部を一酸化炭素に反応して発熱する物質で形成し、一酸化炭素が接触したとき発熱する部分と、一酸化炭素が接触しても発熱しない部分の温度差により、一酸化炭素を検知する構成となっている。そのため、仮に燃焼排気の排気流速が速い部分に接触式のセンサを配すると、強い燃焼排気の流れに晒されることにより、発熱温度が変化してしまい、検知誤差が発生してしまう。
【0100】
以上のような検知誤差の発生を防止すべく、本実施形態の気体検出装置8では、図9で示されるように、センサ室23を左右方向に延びた構造とし、左右方向の片側端部に開口30を設けると共に、センサ室23の内部において、左右方向の他方端部に近接する位置に、COセンサ54を配する構成となっている。即ち、燃焼排気の流速が速い排気流路(排気導入領域50、中継領域51、流路末端領域41によって形成される流路)、及び撹拌領域42から離れた位置にCOセンサ54が位置しており、COセンサ54が、排気流路と撹拌領域42の燃焼排気に直接晒されることのない構成となっている。このことにより、精度の高い検出動作が可能となる。
【0101】
即ち、センサ室23に流入した燃焼排気は、センサ室23中で排気流路や撹拌領域42を流れる燃焼排気の干渉を受けないので、排気流路や撹拌領域42を流れる燃焼排気に比べて流速が遅くなる。このため、センサ室23の開口30から離れた位置にあるCOセンサ54の近傍では、燃焼排気の流速が遅くなり、COセンサ54が強い排気の流れに晒されることがない。したがって、強い排気流に晒されることに起因するCOセンサ54の検知誤差が発生せず、精度の高い検出動作が可能となる。
【0102】
このように、本実施形態の気体検出装置8では、各排気導入口46,47から導入された燃焼排気を十分に混合することが可能であり、十分に混合された燃焼排気に対して精度の高い一酸化炭素の検出動作を実施できる。
【0103】
以上で、気体検出装置8を燃焼装置1に取付け、2つの燃焼系統3,3で燃焼動作を実施したときの、気体検出装置8内の燃焼排気の流れについて説明と、燃焼排気中の一酸化炭素の有無、一酸化炭素の濃度等の検出動作について説明を終了する。
【0104】
上記した実施形態では、図2で示されるように、側壁部15にセンサ取付孔20が設けられており、気体検出装置8の外部から内部のセンサ室23(図3参照)に対するCOセンサ54の配置、取り出しが可能となっている。そのため、COセンサ54の着脱のために気体検出装置8を燃焼装置1から取り外さなくてもよく、COセンサ54の着脱作業が容易な構成となっている。
【0105】
上記した実施形態では、気体検出手段として、接触式のCOセンサ54を採用した例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、気体検出手段として、未燃焼の燃料と空気の混合気(所謂生ガス)中に含有される、メタン、プロパン、硫黄等の他の気体の有無、又は他の気体の濃度を検出するセンサを採用する構成であってもよい。
【0106】
上記した実施形態では、仕切壁部25が1つの排気導入口47の側方にのみ設けられた例について示したが、本発明の気体検出装置はこれに限るものではない。2つ以上の排気導入口の側方に仕切壁部が設けられる構成であってもよい。仕切壁部25は、上流側と下流側とが連続するように設けられればよい。
【0107】
上記した実施形態では、図8で示されるように、仕切壁部25で前後に区切られた前側領域36において、センサ室23から天板部32の前端部分までの長さL6と、排気排出口26の開放部分26aの前後方向の長さL2とは、略同一の長さとなっている。換言すると、排気導入領域50、中継領域51、流路末端領域41によって形成される排気流路の末端部である流路末端領域41では、排気流路の幅方向の長さL6と、同方向における排気排出口26の長さL2とが略同一となっている。このように、排気流路の末端部において、幅方向の略全域に亘って前記排気排出口が形成される構成であれば、排気流路の排気の流れ方向下流側に形成される撹拌領域42への必要以上の燃焼排気の流入をより確実に防止できる。即ち、撹拌領域42に適量の燃焼排気を流入させることで、撹拌領域42での燃焼排気の確実な混合と、センサ室23への適量な燃焼排気の供給とをより確実に実施できるため望ましい。
【0108】
上記した実施形態では、図8で示されるように、排気流路外であって、排気流路の末端である流路末端領域41のさらに排気の流れ方向下流側に、撹拌領域42が設けられている。2つの排気導入口46,47から流入した燃焼排気は、いずれも流路末端領域41に形成された排気排出口26へ向かって流れるので、どちらの排気導入口46,47から燃焼排気が流入した場合であっても、燃焼排気は確実に流路末端領域41を経由して撹拌領域42へと至る。そして、センサ室23がこの撹拌領域42に向かって開いているため、撹拌領域42へと至った燃焼排気に対して、有害気体の検出動作を実施することができる。即ち、どちらの排気導入口46,47から燃焼排気が流入した場合であっても、流入した燃焼排気に対して必ず有害気体の検出動作を実施できるので、発生した有害気体を確実に検知可能となる。換言すると、撹拌領域42には2つの排気導入口46,47から流入した燃焼排気のうちの両方が流入するので、いずれか一方の燃焼排気に対する検知漏れが発生しない。
【0109】
しかしながら、本発明はこれに限るものでなく、排気流路の末端部分の幅方向の長さL6に対し、同方向における排気排出口26の長さがより小さい構成であってもよい。これらの大きさの関係は、導入される燃焼排気の量、気体検出装置の大きさ等の変化により、適宜変更してよい。例えば、排気流路の末端部分の幅方向の長さに対し、同方向における排気排出口の長さが3分の1程度であってもかまわない。換言すると、排気排出口の長さは、排気流路の末端部分の幅方向の長さの3分の1程度の長さから、排気流路の末端部分の幅方向の長さと略同じ長さまでの間の適宜な長さであってもかまわない。
【0110】
上記した実施形態では、図8で示されるように、センサ室23の開口30と、排気排出口26の左右方向の一端部39の左右方向の位置が同一である例を示したが、本発明はこれに限るものではない。即ち、センサ室23の開口30は、より衝突壁部たる側壁部17に近接する位置であってもよく、より側壁部17から離れた位置であってもよい。換言すると、センサ室23の開口30は、より撹拌領域42側に形成してもよく、より撹拌領域42から離反した位置に形成してもよい。例えば、排気排出口26の左右方向における端部のうちで側壁部17に近接する端部39と、前後方向に沿って延びる直線l1が交わる位置を基準位置とし、排気排出口26の左右方向の長さL1を基準長さとしたとき、センサ室23の開口30は、基準位置から基準長さL1の3分の1程度だけ側壁部17に近づいた位置に設けてもよい。また、基準位置から基準長さL1の3分の1程度だけ側壁部17から離れた位置に設けてもよい。換言すると、センサ室23の開口30は、基準位置から基準長さの3分の1程度だけ側壁部17側に近接した位置から、基準位置から基準長さの3分の1程度だけ側壁部17から離れた位置の間に形成される領域に位置すればよい。
【0111】
上記した実施形態では、図8で示されるように、センサ室23を排気流路の末端部である流路末端領域41に形成すると共に、センサ室23の長手方向を排気流路における排気の流れ方向に沿う方向と同一とした例を示したが、本発明のセンサ室23はこれに限るものではない。例えば、図10で示されるように、流路末端領域41を流れる燃焼排気の流れ方向に略直交する方向(気体検出装置100の前後方向)に延びるセンサ室101であってもよい。さらに、図11で示されるように、流路末端領域41を流れる燃焼排気の流れ方向に略直交する方向(気体検出装置110の前後方向)と、流路末端領域41を流れる燃焼排気の流れ方向に沿う方向(気体検出装置110の左右方向)との間であって、それらの方向に対して傾斜する方向に延びるセンサ室111であってもよい。またさらに、これらのセンサ室101,111は、気体検出装置100,110の上下方向に対して傾斜する方向に延びるものであってもよい。さらにまた、図12で示されるように、センサ室121を仕切壁部122と一体に形成し、撹拌領域42から仕切壁部122側へ延びるセンサ室121を有する気体検出装置120であってもよい。そしてまた、センサ室は直線状に延びるものに限るものでなく、例えば、略L字状のように、屈曲して延びる構成であってもよい。また、センサ室は延設される形状に限るものではなく、略立方体状の空間や、球形の空間を内部に形成するセンサ室であってもよい。
【0112】
そして、このようなセンサ室の位置の変化等に応じて、センサ室の開口の位置もまた、適宜変更してよい。即ち、上記したように、側壁部17と対向する位置であってよく、側壁部17に対して直交する位置であってよく、側壁部17に対して傾斜する位置であってよい。またさらに、それらの位置において、気体検出装置の上下方向に傾斜する位置であってよい。即ち、センサ室の開口は、その少なくとも一部が、撹拌領域に対して開いていればよい。
【0113】
上記した実施形態では、各燃焼系統3,3がそれぞれ別々の缶体によって形成される所謂2缶2水式の燃焼装置1の例を示したが、本発明の気体検出装置を取り付ける燃焼装置は、これに限るものではない。例えば、図13で示されるように、1つの缶体内に2つの燃焼系統を設け、これらを仕切り板201で分断した、所謂1缶2水式と称される燃焼装置であってもよい。また、図14で示されるように、1つの缶体内に2系統のバーナを設け、少なくとも1系統のバーナは独立して燃焼動作を実施可能とした燃焼装置であってもよい。即ち、1つの缶体内に流れ方向の異なる2つの排気流路を形成することで、2つの燃焼系統を1缶内に形成する燃焼装置であってもよい。
【0114】
また、上記した実施形態では、図9で示されるように、気体検出装置8の排気導入領域50に複数(2つ)の排気排出口が並列して位置する構成の例を示したが、本発明の気体検出装置及び燃焼装置はこれに限るものではない。例えば、排気導入領域には1つのみの排気排出口が位置する構成であってもよい。即ち、1つの排気排出口から、2つの燃焼系統のそれぞれで発生した燃焼排気を排気集合室22へと導入する構成であってもよい。換言すると、気体検出装置全体よりも燃焼排気の流れ方向上流側の部分で、2つの燃焼系統のそれぞれで発生した燃焼排気が合流するように排気流路を構成してもよい。つまり、排気導入領域に配される排気導入口は1つであってもよく、複数であってもよい。
【0115】
上記した実施形態では、図5で示されるように、外側金具28の固定具本体28aと閉塞板部28bとの間に形成される隙間を内側金具29で閉塞する例を示したが、本発明のセンサ室23はこれに限るものではない。本発明の外側金具の形状は適宜変更してよく、側壁部に取り付けたときに、5面を閉塞された箱状のセンサ室が形成されればよい。したがって、外側金具の形状の変化に応じて、内側金具が閉塞する隙間の位置や形状は、適宜変化してよい。即ち、センサ室23が形成されたとき、センサ室の角部分に形成される隙間を金具で閉塞できればよい。
【符号の説明】
【0116】
1,200,210,300 燃焼装置
4 燃焼部
8,100,110,120,301 気体検出装置
15,16,18,310 側壁部
17 側壁部(衝突壁部)
22,302 排気集合室
23,101,111,121,303 センサ室
25,122,308 仕切壁部
26,304 排気排出口
30 開口
42,309 撹拌領域
46,47,305,306 排気導入口
50,307 排気導入領域
54 COセンサ(気体検出手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナを備えた燃焼部を複数有する燃焼装置において、特に燃焼部で不完全燃焼が発生したときに排出される気体を検出する気体検出装置に関するものである。また、そのような、気体検出装置を備えた燃焼装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
給湯器等の燃焼装置には、バーナの不完全燃焼対策として、燃焼排気中の一酸化炭素や未燃焼の燃料ガス(所謂生ガス)といった有害性又は危険性を有する気体(以下単に有害気体とも称す)を検出するセンサ(気体検出手段)を有する気体検出装置を備えたものがある。そして、このような燃焼装置では、燃焼排気に含まれる有害気体の濃度が予め設定された基準値を上回ったとき、不完全燃焼が発生したものと判断して燃焼を停止する構成となっている。
【0003】
また、燃焼装置には、バーナを内蔵する燃焼部を複数備えたものがある。例えば、所謂2缶2水式の燃焼装置では、一般給湯等の給湯系統のバーナを備えた燃焼部と、風呂の追い焚き等の追い焚き系統のバーナを備えた燃焼部とを有しており、各燃焼部から排出された燃焼ガスがそれぞれ別の熱交換器へと供給される構造となっている。即ち、燃焼部と、燃交換器を備えた熱交換部とが組となって形成される燃焼系統が2つ設けられた構造となっている。そして、一方の燃焼系統で給湯系統の加熱を実施し、他方の燃焼系統で追い焚き系統の加熱を実施するといったように、2つの燃焼系統で別の加熱動作を実施している。この2つの燃焼系統によるそれぞれの加熱動作は、別途行われる場合と、2つの加熱動作が同時に行われる場合とがある。
【0004】
このような複数の燃焼系統を備えた燃焼装置では、各燃焼系統を流れるそれぞれの燃焼排気に対し、個々に有害気体の検出を実施できるように、複数のセンサを各燃焼系統にそれぞれ配することが望ましい。しかしながら、複数のセンサを設けると、燃焼装置のコストが高くなってしまうという問題があった。
【0005】
そこで、この問題を解決するため、従来の燃焼装置には、各燃焼系統を流れる燃焼排気を排気集合室に集合させ、排気集合室から排気筒へと排出する構成とし、排気集合室にセンサを配置して有害気体を検知する気体検出装置を採用したものがある。
【0006】
ところで、上記した2缶2水式のような、複数の燃焼系統を備えた燃焼装置では、1つの加熱動作のみを実施する場合であっても、加熱動作を実施する燃焼系統に対して燃焼用の空気を送風機で供給するだけでなく、加熱動作を実施しない燃焼系統に対しても送風機で空気を供給する構成となっている。具体的に説明すると、片側の燃焼系統のみで加熱動作を行う場合、加熱動作を行う燃焼系統だけに送風機で空気を供給する構成とすると、加熱動作を実施する燃焼系統において燃焼部から熱交換部へと流れた燃焼ガスが、加熱動作を実施しない燃焼系統に流れ込んでしまうおそれがある。そのため、2つの燃焼系統で加熱動作を実施する場合であっても、いずれか一方の燃焼系統だけで加熱動作を実施する場合であっても、双方の燃焼系統に空気を供給する構成となっている。
【0007】
このような場合、排気集合室には加熱動作を実施している燃焼系統からは燃焼部で発生した燃焼排気が流入し、加熱動作を実施していない燃焼系統からは空気のみが流入する。そのため、排気集合室には、燃焼排気が多く流れる場所と、空気のみが流れる場所とが形成されてしまう。そのため、排気集合室にセンサを配置して有害気体を検知するとき、空気のみが流れる場所にセンサが位置してしまうと、燃焼排気に含まれた有害気体を検知できないという問題がある。
【0008】
そこで、この問題を解決するため、従来の燃焼装置では、排気集合室に各燃焼系統から排出された燃焼排気を旋回させて撹拌する撹拌部を形成し、撹拌部の下流側にセンサを配している。このことによると、各燃焼系統から排出された燃焼排気が撹拌部で混合されるので、混合された燃焼排気に対して有害気体の検出を実施できる。そのため、いずれの燃焼系統から排出された燃焼排気に有害気体が含まれていても、これを検出できる。換言すると、いずれの燃焼部で不完全燃焼が発生しても、それを確実に検知することができる。
【0009】
ここで、各燃焼系統から排出された燃焼排気を撹拌部で十分に混合するためには、撹拌部における燃焼排気の排気流路を長くしたり、排気流路の断面積を小さくしたりする必要がある。例えば、特許文献1には、排気集合室を上下2室に仕切り、下室から上室へ燃焼排気を流すことにより、燃焼排気を混合する不完全燃焼検出装置(気体検出装置)が開示されている。特許文献1に開示されている不完全燃焼検出装置では、燃焼排気を混合するための広い空間が確保された下室と、センサを配するセンサ室が配された上室の2段構造としている。そして、下室から上室へと連なる連通口を狭めている。このことにより、下室を流れる燃焼排気は、導入口から上室へ向かって流れて連通口を通過する過程で、徐々に混合されていく。このことにより、上室のセンサ室に到達した燃焼排気は十分に混合された状態となるので、十分に混合された気体に対して有害気体の検出を実施できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許4071215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで近年、広い設置場所を必要としない小型化された燃焼装置が開発されている。このような燃焼装置では、筺体内部の容積が小さくなるので、各部材の小型化が要求される。
【0012】
このため、本発明者は、従来のような上下の2室に分岐した2段構造ではなく、複数の燃焼系統から排出された燃焼排気を撹拌する領域と、センサを配する領域とを略同一の高さに位置させることを考案した。つまり、気体検出装置の高さを2段構造に比べて低くすることで、気体検出装置を小型化することを考えた。
【0013】
しかしながら、従来の気体検出装置の構造では、燃焼排気を撹拌する領域と、センサを配する領域とを同じ高さにしてしまうと、燃焼排気がセンサの配置位置に至るまでに燃焼排気を十分撹拌することができなかった。つまり、燃焼排気の排気流路の長さが短くなることで、燃焼排気が十分混合されない状態でセンサの配置位置まで流れてしまうという問題があった。
【0014】
このような問題を解決するための方法として、燃焼排気を撹拌する領域に多数の仕切り壁を形成し、屈曲を繰り返して延びる断面積の小さな排気流路を形成することで、排気流路を細長くして燃焼排気を混合させるという方法が考えられる。しかしながら、この排気流路を細長くする構造によると、排気抵抗が高くなってしまうので、バーナの燃焼動作等に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0015】
そこで本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑み、排気抵抗を必要以上に大きくすることなく、複数の燃焼部から排出された排気を十分に混合した状態で有害気体の検出が可能であって、小型化が可能な気体検出装置、並びにそのような気体検出装置を備えた燃焼装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、燃料を燃焼するバーナを備えた燃焼部を複数有した燃焼装置において、複数の燃焼部と排気部との間に配され、燃焼部から排出される排出気体中に含まれる所定気体の有無及び/又は濃度を検出する気体検出手段を備えた気体検出装置であって、複数の燃焼部から排出された排出気体を集合させ、集合させた排出気体を前記排気部へと導入させる排気集合室と、前記気体検出手段が配されるセンサ室とを有し、排気集合室は、複数の側壁部に囲繞されて形成され、各燃焼部からの排気導入口が位置する排気導入領域を有するものであり、排出気体の流れ方向を迂回させる仕切壁部と、排気集合室の内部と前記排気部とを連通する排気排出口とを有し、前記仕切壁部は、排気導入口に沿って延設され、当該仕切壁部によって、排気導入領域から仕切壁部に沿って延び、排気排出口を末端とする排気流路が形成されるものであり、前記排気流路を越えた位置であり、前記排気排出口から外部へ向かう方向とは異なる方向に離反した位置に衝突壁部が形成され、前記衝突壁部は、前記排気流路の末端における排気の流れ方向と交わる方向に延びるものであり、前記排気排出口と、衝突壁部との間には、排出気体が撹拌される撹拌領域が形成され、前記センサ室の開口が、前記撹拌領域に向かって開いていることを特徴とする気体検出装置である。
【0017】
本発明の気体検出装置は、仕切壁部が排気導入口に沿って延設され、当該仕切壁部によって、排気導入領域から仕切壁部に沿って延び、排気排出口へと至る排気流路が形成されている。そして、その排気流路から外れた部分であって、排気排出口から外部へ向かう方向(排気の排出方向)とは異なる方向に離反した位置に衝突壁部が形成されている。このことにより、排気排出口へ至った排出気体(以下燃焼排気とも称す)は、一部が排気排出口から外部で排出されると共に、他の一部が外部へ排出されずに衝突壁部へ流れる。そして、排気排出口と衝突壁部との間には、排気排出口側から衝突壁部側へ流れる燃焼排気と、排気排出口側から衝突壁部側へ流れて衝突壁部に衝突し、さらに衝突壁部から離れる方向へと流れる燃焼排気とが撹拌される撹拌領域が形成される。また、本発明の気体検出装置では、この撹拌領域に向かってセンサ室の開口が開いている。つまり、本発明の気体検出装置では、排気導入口から排気排出口までの間に形成される排気流路の末端に連なる部分が、外部側へ向かう部分と撹拌領域側とに分岐しており、前記排気流路を越えた部分であって排気流路から排気が流れ込む部分に、燃焼排気が混合される撹拌領域が形成されている。換言すると、排気流路のさらに下流側に位置する部分で燃焼排気を混合している。このことにより、排気流路の排気抵抗を必要以上に大きくすることなく、複数の排気導入口から導入された燃焼排気を十分に混合することができる。
そして、本発明の気体検出装置では、センサ室の開口が撹拌領域に向かって開いているため、センサ室に撹拌領域で十分に混合された燃焼排気を取り込むことができる。このことにより、十分に混合された燃焼排気に対し、有害気体の検出を実施可能となっている。
【0018】
また、本発明の気体検出装置では、排気流路を越えた部分であって、排気流路から排気が流れ込む部分に、気体を混合する撹拌領域が形成されている。このため、排気流路を流れる排出気体がいずれの排気導入口から流入した場合であっても、必ず撹拌領域へと到達する。即ち、排気導入口から導入された排出気体は、排気流路を排気排出口へ向かって流れるので、異なる位置にある排気導入口のうち、どの排気導入口から排出気体が流入した場合であっても、排出気体は確実に撹拌領域へと至る。
ここで、上記したように、加熱動作を実施している燃焼系統から燃焼排気が流入し、加熱動作を実施していない燃焼系統から空気のみが流入することで、排気集合室には、燃焼排気が多く流れる場所と、空気のみが流れる場所とが形成されてしまう場合がある。
しかしながら、本発明の気体検出装置では、すべての排気導入口から流入したすべての排出気体が集合し、撹拌される撹拌領域を経由した排出気体がセンサ室へと流入するので、センサ室の気体検出手段が、燃焼排気のみに対して検出動作を実施したり、空気のみに対して検出動作を実施したりすることがない。このことにより、いずれの排気導入口から導入された燃焼排気に有害気体が含有されている場合であっても、有害気体を確実に検知可能となる。
【0019】
さらにまた、本発明の気体検出装置では、排気排出口と衝突壁部との間に撹拌領域を形成している。このことにより、撹拌領域では、排気排出口側から衝突壁部側へ流れる燃焼排気と、衝突壁部に衝突することで流れの向きが変更された燃焼排気とが混合される。このように、流れの異なる燃焼排気を合流させることで撹拌して混合させる構成によると、細長い排気流路を通過させることで燃焼排気を混合する構成に比べ、狭い範囲での燃焼排気の混合が可能となり、気体検出装置の大きさを小さくできる。また、細長い排気流路を通過させることで燃焼排気を混合する構成に比べ、屈曲しながら延びる流路の仕切壁等を設ける必要がなく、気体検出装置の構造を簡易化できる。
【0020】
請求項2に記載の発明は、前記排気導入領域は、排気集合室の底面側に形成され、排気導入領域には、2つの前記排気導入口が並列して位置するものであり、前記仕切壁部は、いずれか一方の排気導入口に沿って延設され、前記一方の排気導入口から排気集合室に導入された排出気体は、前記仕切壁部に沿って排気排出口を迂回し、他方の排気導入口側へと流れることを特徴とする請求項1に記載の気体検出装置である。
【0021】
本発明の気体検出装置では、2つの排気導入口が並列しており、仕切壁部が一方の排気導入口に沿って延設されている。そして、一方の排気導入口から排気集合室に導入された排出気体は、前記仕切壁部に沿って排気排出口を迂回し、他方の排気導入口側へと流れる構成となっている。このことにより、排気流路の上流側で異なる排気導入口から流入した燃焼排気を合流させることができる。即ち、燃焼排気が排気流路を流れていくとき、合流した状態で流れる距離を長くできるので、より確実に、異なる排気導入口から流入した燃焼排気を混合した状態にできる。
【0022】
請求項3に記載の発明は、前記複数の側壁部は、対向する1対の側壁部を備え、1対の側壁部のうち、一方の側壁部の近傍には排気導入領域が形成され、他方の側壁部の近傍には前記センサ室が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の気体検出装置である。
【0023】
本発明の気体検出装置では、排気導入領域とセンサ室との間に長い距離置くことができる。即ち、排気導入領域とセンサ室との間に位置する排気流路をより長くすることができるので、より確実に、異なる排気導入口から流入した燃焼排気を混合した状態にできる。
【0024】
請求項4に記載の発明は、前記センサ室は、前記排気集合室内であって、前記仕切壁部と対向する部位にあり、前記排気排出口は、前記センサ室と前記仕切壁部に挟まれた位置に形成されるものであって、前記排気排出口の全幅は、前記センサ室と前記仕切壁部との距離と略等しいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の気体検出装置である。
【0025】
本発明の気体検出装置では、排気排出口の全幅が、排気流路の一部であるセンサ室と前記仕切壁部との距離と略等しいため排気流路の末端部の略全幅に亘って排気排出口が形成される。このため、排気流路を流れる燃焼排気の多くを排気排出口から外部へと流出させることができ、排気流路から排気が流入する撹拌領域に必要以上の燃焼排気が流入することがない。つまり、撹拌領域に必要以上の燃焼排気が流入せず、気体検出装置全体を通過する燃焼排気の排気流が大きく乱れないので、燃焼排気の排出動作を安定化できる。
【0026】
請求項5に記載の発明は、前記センサ室の開口は、前記排気流路の末端近傍から衝突壁部に至るまでの間に位置することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の気体検出装置である。
【0027】
請求項6に記載の発明は、前記排気排出口の内幅であって、前記排気排出口の中心を通り前記排気流路での排気の流れ方向に測定した内幅を基準長さとし、排気排出口の最も衝突壁部に近接した位置を基準位置としたとき、前記基準位置から排気の流れ方向の上流側に前記基準長さの3分の1程度だけ離反した部分と、前記基準位置から排気の流れ方向の下流側に前記基準長さの3分の1程度だけ離反した部分との間に形成される領域に、前記センサ室の開口が位置することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の気体検出装置である。
【0028】
本発明の気体検出装置では、燃焼排気が混合される撹拌領域に対し、このような位置にセンサ室の開口を設けることが望ましい。即ち、センサ室の開口が撹拌領域側に近づきすぎると、センサ室の開口が衝突壁部に近接しすぎてしまう場合がある。このとき、衝突壁部に衝突して流れ方向の向きを変えた燃焼排気が、衝突壁部へ向かう方向に流れる燃焼排気と撹拌される前にセンサ室に流入してしまうおそれがある。対して、センサ室の開口が撹拌領域から離れすぎると、撹拌領域で撹拌された燃焼排気のみをセンサ室へ流入することが困難になってしまう。このことから、センサ室の開口は、前記排気流路の末端近傍から衝突壁部に至るまでの間に位置することが望ましく、さらには、前記基準位置から排気の流れ方向の上流側に前記基準長さの3分の1程度だけ離反した部分と、前記基準位置から排気の流れ方向の下流側に前記基準長さの3分の1程度だけ離反した部分との間に形成される領域に、前記センサ室の開口が位置することが望ましい。
【0029】
請求項7に記載の発明は、前記排気排出口の内幅であって、前記排気排出口の中心を通り前記排気流路での排気の流れ方向に測定した内幅を基準長さとし、排気排出口の最も衝突壁部に近接した位置を基準位置としたとき、基準位置と衝突壁部との間の距離は、基準長さの20パーセント以上となっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の気体検出装置である。
【0030】
このような構成によると、撹拌領域の大きさを十分に大きくできるので、複数の排気導入口から導入された燃焼排気の十分な混合と、十分に混合された燃焼排気のセンサ室への取り込みがより確実に実施できる。
【0031】
上記のことから、本発明の気体検出装置は、燃料を燃焼するバーナを備えた燃焼部を2つ有した燃焼装置において、2つの燃焼部と排気部との間に配され、燃焼部から排出される排出気体中に含まれる所定気体の有無及び/又は濃度を検出する気体検出手段を備えた気体検出装置であって、2つの燃焼部から排出された排出気体を集合させ、集合させた排出気体を前記排気部へと導入させる排気集合室と、前記気体検出手段が配されるセンサ室とを有し、排気集合室は、天面部と、天面部から垂下された4つの側壁部とに囲繞され、底面側が開放されており、底面側には、2つの燃焼部からの排気をそれぞれ導入する2つの排気導入口が並列して位置する排気導入領域が形成され、4つの側壁部は対向する1対の側壁部を備え、1対の側壁部のうち、一方の側壁部の近傍には排気導入領域が位置し、他方の側壁部の近傍には前記センサ室が位置するものであり、排出気体の流れ方向を迂回させる仕切壁部と、前記内部空間と前記排気部とを連通する排気排出口とを有し、前記仕切壁部は、一方の排気導入口に沿う位置にあり、排気導入口の並列方向に沿って延びるものであって、前記仕切壁部によって、前記排気導入領域から仕切壁部に沿って延び、前記排気排出口を末端とする排気流路が形成されており、前記センサ室が、前記排気集合室内であって、前記仕切壁部と対向する部位にあり、前記排気排出口は、前記センサ室と前記仕切壁部に挟まれた位置に形成され、前記排気排出口の全幅が、前記センサ室と前記仕切壁部との距離と略等しくなっており、前記排気流路を越えた位置であり、前記排気排出口から外部へ向かう方向とは異なる方向に離反した位置に衝突壁部が形成され、前記衝突壁部は、前記排気流路の末端における排気の流れ方向と交わる方向に延びるものであり、当該衝突壁部は、前記側壁部のうちの少なくとも1つの側壁部によって形成され、前記排気流路の末端における排気の流れ方向と交わる方向に延びるものであって、前記排気排出口と、衝突壁部との間には、排気排出口側から衝突壁部側へ流れる排出気体と、排気排出口側から衝突壁部側へ流れて衝突壁部に衝突し、さらに衝突壁部から離れる方向へと流れる排出気体とが撹拌される撹拌領域が形成されており、前記排気排出口の内幅であって、前記排気排出口の中心を通り前記排気流路での排気の流れ方向に測定した内幅を基準長さとし、排気排出口の最も衝突壁部に近接した位置を基準位置としたとき、前記基準位置から排気の流れ方向の上流側に前記基準長さの3分の1程度だけ離反した部分と、前記基準位置から排気の流れ方向の下流側に前記基準長さの3分の1程度だけ離反した部分との間に形成される領域に、前記センサ室の開口が位置するとともに、前記センサ室の開口が前記撹拌領域に向かって開いており、基準位置と衝突壁部との間の距離は、基準長さの20パーセント以上となっていることが望ましい(請求項8)。
【0032】
請求項9に記載の発明は、燃料を燃焼するバーナと、バーナが作動して生成される燃焼ガスの熱を回収する熱交換器とを含む燃焼系統を複数有し、請求項1乃至8のいずれかの気体検出装置を備えたことを特徴とする燃焼装置である。
【0033】
本発明の燃焼装置は、小型化が可能であり、小型化しても排気流路の排気抵抗を必要以上に大きくすることなく、複数の排気導入口から導入された燃焼排気を十分に混合した状態で有害気体を検出可能な気体検出装置を備えている。そのため、燃焼装置全体の小型化が可能であり、小型化しても排気抵抗が高いことに起因するバーナの燃焼動作の不具合等が発生することがない。また、複数の燃焼部から排出された排気を十分に混合した状態で有害気体の検出が実施できるので、不完全燃焼等の不具合で発生する有害気体が、いずれの燃焼系統で発生してしまった場合であっても、それを確実に検知できる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の気体検出装置は、排気流路を越えた部分で燃焼排気を混合しているので、排気流路の排気抵抗を必要以上に大きくすることなく、複数の排気導入口から導入された燃焼排気を十分に混合することができるという効果がある。加えて、燃焼排気が混合される領域に向かってセンサ室の開口が開いているため、センサ室に十分に混合された燃焼排気を取り込むことが可能となり、複数の燃焼部から排出された排気を十分に混合した状態で有害気体の検出が実施できる。
さらに、本発明の気体検出装置は、流れの異なる燃焼排気を合流させることで撹拌して混合させるので、比較的狭い範囲での燃焼排気の混合が可能となり、気体検出装置を小型化できるという効果がある。
また、そのような気体検出装置を備えた本発明の燃焼装置は、燃焼装置全体の小型化が可能であり、小型化しても排気抵抗が高いことに起因するバーナの燃焼動作の不具合等が発生しないという効果がある。
さらに、本発明の燃焼装置は、複数の燃焼部から排出された排気を十分に混合した状態で有害気体の検出が実施できるので、複数の燃焼系統のどの燃焼系統で有害気体が発生してしまった場合であっても、それを確実に検知できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態に係る燃焼装置を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る気体検出装置を示す斜視図である。
【図3】図2の気体検出装置の底面図である。
【図4】図2の気体検出装置を別方向からみた一部破断斜視図であり、破断した部分の一部を点線で示す。
【図5】図4のセンサ室を示す斜視図であり、(a)は内側金具と外側金具を分解した状態を示し、(b)は内側金具と外側金具とを一体に取り付けた状態を示す。
【図6】図2の気体検出装置の一部破断斜視図であり、破断した部分の一部を点線で示す。
【図7】図6の排気排出口の開放部分と閉塞部分との境界位置を示す概念図である。
【図8】図2の気体検出装置の底面図であり、仕切壁部を透過した状態で示す。
【図9】図2の気体検出装置に流入した燃焼排気の流れ方向を示す説明図である。
【図10】図2とは異なる形態の気体検出装置の底面図である。
【図11】図2,10とは異なる形態の気体検出装置の底面図である。
【図12】図2,10,11とは異なる形態の気体検出装置の底面図である。
【図13】図1とは異なる形態の燃焼装置を示す作動原理図である。
【図14】図1,13とは異なる形態の燃焼装置を示す作動原理図である。
【図15】本発明の実施形態に係る燃焼装置において、燃焼動作を実施したときに気体検出装置内を通過する排気の流れを示す模式図であり、斜め後方から見た状態を示す。
【図16】図15の気体検出装置の外壁部分を透過して示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の詳細な実施形態の説明に先立ち、構成の概要及び概略的な作用効果を説明するための実施形態について説明する。
【0037】
本実施形態の燃焼装置300は、図15,16で示されるように、燃料を燃焼するバーナを備えた燃焼部(図示せず)を2つ備えた燃焼装置である。
【0038】
そして、本実施形態の燃焼装置300は、2つの燃焼部から排出された排気を集合する気体検出装置301を有している。即ち、本実施形態の気体検出装置301は、排気集合管として機能する。
【0039】
気体検出装置301は、2つの燃焼部の上部に配され、2つの燃焼部から排出された排気を集合して外部に排出する流路となるものである。即ち、本実施形態の燃焼装置300は、図示しない排気部との間に配され、燃焼部から排出される排出気体中に含まれる所定気体の有無及び/又は濃度を検出するセンサ(気体検出手段)を備える。
【0040】
気体検出装置301は、2つの燃焼部から排出された排出気体を集合させ、集合させた排出気体を前記排気部へと導入させる排気集合室302と、センサが配されるセンサ室303とを有している。排気集合室302は、天面部と4つの側壁部とに囲繞されて形成された空間である。
【0041】
排気集合室302の天面部には、円形の排気排出口304が開口している。排気排出口304は、排気集合室302の内部と外部とを連通する孔である。本実施形態では、排気排出口304は、前記した4つの側壁部のいずれからも離れた位置に開口している。
【0042】
また排気集合室302は、底面側が開放されており、底面側には、2つの燃焼部からの排気をそれぞれ導入する2つの排気導入口305,306が並列して開口している。即ち排気集合室302の底面側には、2つの排気導入口305,306が並列して開口する排気導入領域307が形成されている
【0043】
前記した4つの側壁部のうち、長辺を形成する対向する1対の側壁部に注目すると、一方の側壁部の近傍には前記した排気導入領域307が位置し、他方の側壁部の近傍には前記したセンサ室303がある。
【0044】
また、本実施形態の燃焼装置300では、排気集合室302の内部に仕切壁部308が設けられている。
【0045】
仕切壁部308は、排出気体の流れ方向を迂回する流路を形成するものである。即ち本実施形態では、排気集合室302の内部に仕切壁部308があり、2つの排気導入口305,306から排気排出口304に至る排気流路が形成されている。
具体的には、仕切壁部308は、長手方向の一端部が側壁部310と一体に形成されており、上下方向全域に亘って設けられている。このことにより、排気集合室302の一部は、排気導入領域307側の空間311と、センサ室303側の空間312とに前後方向で分割されている。そして、排気集合室302は、仕切壁部308の長手方向の他方端部側で前後方向に連続している。
【0046】
また、この仕切壁部308は、一方の排気導入口305に沿う位置にあり、2つの排気導入口305,306の並列方向に沿って延びるものである。
【0047】
またセンサ室303が、排気集合室302内であって、仕切壁部308と対向する部位にある。そして、排気排出口304は、センサ室303と仕切壁部308に挟まれた位置に形成され、排気排出口304の全幅が、センサ室303と仕切壁部308との距離と略等しくなっている。
【0048】
さらに、本実施形態に特有の構成として、排気集合室302内の一部に撹拌領域309が設定されている。
【0049】
本実施形態では、撹拌領域309は、前記した排気流路の排気排出口304を越えて排気の流れ方向の下流側に延長された位置に設けられている。
【0050】
即ち、排気集合室302は、4つの側壁部を有しているが、その内の短辺を構成する一対の側壁の内、一方の排気導入口305に近く、他方の排気導入口306から遠い位置にある側壁部310に注目すると、本実施形態では、排気排出口304はこの側壁部310から離れた位置にある。
【0051】
つまり、本実施形態では、排気排出口304は、前記した4つの側壁部のいずれからも離れた位置に開口しているから、排気流路の排気排出口304を越えた位置にも、空間があり、この空間が撹拌領域309として機能する。
【0052】
そして、撹拌領域309の奥側には、前記した側壁部310があるが、この側壁部310は、排気の流れ方向と交わる方向に延びるものであり、衝突壁部として機能する。
【0053】
なお、センサ室303は、一面だけが開口し、他の面が閉塞されたている。本実施形態では、センサ室303は衝突壁部に面した平面だけが開口し、他の面は閉塞している。そして、センサ室303の開口の位置と排気排出口304を平面視して比較すると、排気排出口304の最も衝突壁に近い点と同等の領域にセンサ室303の開口位置がある
【0054】
さらに、本発明の気体検出装置301を採用した燃焼装置300において、燃焼運転を実施したときに気体検出装置301の内部を流れる排気流について、前記した図15,16を参照しつつ説明する。なお、上下左右の位置関係については特に断りのない限り通常の設置状態を基準として説明する。
【0055】
燃焼装置300は、前記した様に2つの燃焼部を備えており、各燃焼部で燃焼運転を実施すると、各燃焼部で発生した燃焼排気が、それぞれ排気導入口305,306を介して排気集合室302に流入する。
【0056】
そして、排気集合室302に流入した燃焼排気は、排気導入口305,307から、仕切壁部308に沿って排気排出口304を迂回して流れる。即ち、排気導入領域307側の空間311から、仕切壁部308を回り込むように流れ、センサ室303側の空間312へと至る。
【0057】
なお、このとき排気排出口304から排出されなかった燃焼排気は、排気排出口304より、燃焼排気の流れ方向下流側に形成される撹拌領域309へ流れ込む。そして、この撹拌領域では、排気排出口304側から側壁部310側へ向かって流れる燃焼排気と、側壁部310に衝突することで側壁部310側から排気排出口304側へ向かって流れる燃焼排気とが混合される。この混合された燃焼排気は、撹拌領域309に向かって開口したセンサ室303内に流入する。
【0058】
次に、より実際に使用する場合に近い構造の実施形態について詳細に説明する。
【0059】
以下、本発明の実施形態にかかる燃焼装置1、並びに気体検出装置8について詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また以下の説明において、上下左右の位置関係については特に断りのない限り通常の設置状態を基準として説明する。
【0060】
燃焼装置1は、図1に示すように、筺体2の内部に独立した2つの燃焼系統3a,3bを備えており、これら2つの燃焼系統3a,3bがそれぞれ別系統の缶体及び配管系統から形成されている、所謂2缶2水型と称される燃焼装置である。なお、右側に位置する比較的大きな燃焼系統3aは、主に一般給湯における加熱動作に使用される。そして、左側に位置するもう一方の燃焼系統3bは、主に風呂の追い焚きや暖房機器等の熱負荷への熱の供給に使用される。
【0061】
燃焼系統3a,3bは、燃焼部4と、燃焼部4に空気を供給する送風機(図示せず)と、主に顕熱を回収する一次熱交換器5と、主に潜熱を回収する二次熱交換器6によって形成される。
【0062】
燃焼部4は、ガスや灯油等の燃料を燃焼するバーナを備えており、燃料を燃焼することで高温の燃焼ガスを発生させるものである。
【0063】
一次熱交換器5は、燃焼部4より燃焼ガスの流れ方向下流側に位置しており、二次熱交換器6は、一次熱交換器5よりさらに燃焼ガスの流れ方向下流側に位置している。そして、一次熱交換器5と二次熱交換器6とは、直列に接続されている。
【0064】
また、燃焼装置1では、各燃焼系統3a,3bの燃焼ガスの流れ方向下流側に、各燃焼系統3a,3bから排出された燃焼ガスが導入される気体検出装置8が設けられている。そして、この気体検出装置8は、図示しない排気筒(排気部)に接続されている。このとき、燃焼部4の内部から、一次熱交換器5、二次熱交換器6、気体検出装置8、排気筒の各内部を連通する空間が形成され、燃焼部4で発生した燃焼ガスが流動可能となっている。
【0065】
したがって、この燃焼装置1を稼働すると、燃焼部4で発生した燃焼ガスが一次熱交換器5、二次熱交換器6、気体検出装置8と流れ、排気筒へと至る。そして、排気筒の上方に形成された排気口から外部へと放出される。その一方、外部から供給されてきた湯水や、循環する熱媒体が、二次熱交換器6を経て一次熱交換器5に流入し、加熱される。このように湯水や熱媒を加熱することで、給湯先となるカランや浴槽等に湯水を供給する一般給湯運転、浴槽に加熱した湯水を供給する風呂自動落とし込み運転、暖房器具に熱を供給する熱媒を加熱する暖房運転、風呂の湯水を循環させて加熱する風呂運転といった各種運転を実施可能な構成となっている。
【0066】
ここで本発明の特徴的構成部材たる、気体検出装置8について詳細に説明する。
【0067】
気体検出装置8は、図2で示されるように、天面部14と、天面部14の縁端部分から下方へ延びる4つの側壁部15,16,17,18を備えている。
【0068】
天面部14は、前方から後方側へ向かってやや傾斜しており、後方部分が前方部分に比べてやや高くなっている。また、天面部14には、天面部14と4つの側壁部15,16,17,18とによって囲繞された内部空間(後述する排気集合室22)と、外部とを連通する排気筒取付部19が設けられている。この排気筒取付部19は、外形が円筒形であり、天面部14から上方に向かって鉛直方向に沿って突出している。そして、内孔部分で内部空間(後述する排気集合室22)と外部とを連通している。
【0069】
4つの側壁部15,16,17,18は、大別して、前後方向で対向する1対の側壁部15,16と、左右方向で対向する1対の側壁部17,18とによって形成されている。そして、各側壁部15,16,17,18は、それぞれ長手方向両端部で、隣接する他の側壁部15,16,17,18のうちの2つと連続し、天面部14の下方に形成される空間である排気集合室22を環状に取り囲んでいる。
【0070】
このとき、前方に位置する側壁部15には、気体検出装置8の内部空間(後述する排気集合室22)に一体に取付けられたセンサ室23の内部と、気体検出装置8の外部とを連通するセンサ取付孔20が設けられている。
また、左右方向で対向する1対の側壁部17,18のうち、一方の側壁部18は鉛直方向に対して傾斜するものであり、天面部14の縁端部から斜め下方へ延びている。そして、もう一方の側壁部17(衝突壁部)は、詳しくは後述するが、排気集合室22に排気を導入したとき、導入した燃焼排気が衝突する衝突壁となる。
【0071】
続いて、気体検出装置8の内部構造について説明する。
気体検出装置8の内部には、図3で示されるように、天面部14と4つの側壁部15,16,17,18とによって取り囲まれ、下方が開放された空間である排気集合室22が形成されている。
【0072】
排気集合室22は、断面形状略台形で前後方向に延びる空間であり、前後方向(図3の上下方向)の長さが、左右方向の長さより短くなっている。この排気集合室22の内部には、センサ室23と、仕切壁部25とが設けられており、その天面には、排気排出口26が形成されている。
【0073】
センサ室23は、図4で示されるように、前方に位置する側壁部15の内側に一体に取り付けられた、外形略直方体状の部材である。より詳細には、図5で示されるように、外側金具28と、内側金具29とによって形成されている。
【0074】
外側金具28は、図5(a)で示されるように、金属板を折り曲げ加工して形成されるものであり、断面略「コ」字状に延びる固定具本体28aと、固定具本体28aの一端側を閉塞するように設けられる長方形板状の閉塞板部28bとによって形成されている。
【0075】
内側金具29は、図5(a)で示されるように、平板状の金属板を外形略「コ」字状に屈曲させて形成されている。即ち、内側金具29は、平板状の天板部29a、底板部29b、中間板部29cによって形成されている。そして、天板部29aと底板部29bとが平行な位置にあり、これらと垂直に交わる中間板部29cが天板部29aと底板部29bとを連結している。
【0076】
そして、図5(b)で示されるように、外側金具28の内側から内側金具29を接触させた状態で一体に取り付けることで、センサ室23が形成されている。具体的に説明すると、内側金具29の天板部29aと固定具本体28aの上板、内側金具29の底板部29bと固定具本体28aの下板、内側金具29の中間板部29cと閉塞板部28bのそれぞれが密着するように、外側金具28と内側金具29とをスポット接合等の適宜な手段で一体に取り付ける。このとき、内側金具29の天板部29a、底板部29b、中間板部29cの幅L7(前後方向の長さ)は、固定具本体28aの上板、下板、閉塞板部28bの幅(前後方向の長さ)より長くなっている。このため、外側金具28と内側金具29とを一体に取り付けると、図5(b)で示されるように、内側金具29の幅方向の端部が、外側金具28の内側に形成される空間から外側に向かってわずかに突出する。そして、内側金具29の外側に向かって突出した部分と、側壁部15(図4参照)とをスポット接合等の適宜な手段で一体に取り付けることにより、センサ室23を形成する。
【0077】
このように、センサ室23を形成することで、外側金具28の固定具本体28aと閉塞板部28bとの間に形成される僅かな隙間が内側金具29によって閉塞される。そのため、本実施形態のセンサ室23では、シリコン製のコーキング材等を使用することなく、センサ室23の開口30以外の部分からの燃焼排気の流入を阻止できる構造となっている。
即ち、仮にシリコン製のコーキング材を使用して、外側金具28の隙間を閉塞した場合、コーキング材が高温の燃焼排気に晒されてしまう。このことにより、燃焼排気を媒介にしてセンサ室23内のセンサにシリコンが付着してしまい、センサが劣化してしまう(所謂シリコン被毒が発生してしまう)おそれがある。これに対し、本実施形態では、シリコン製のコーキング材を使用しないので、このようなセンサの劣化を防止できる。
【0078】
仕切壁部25は、図3で示されるように、排気集合室22の前後方向の中心近傍であり、前後方向の中心よりやや後方(図3における下方)よりの部分に設けられ、排気集合室22の左右方向に沿って延びている。より詳細には、図6で示されるように、排気集合室22の天面に沿って延びる長方形平板状の天板部32と、天板部32の短手方向の片側端部から斜め下方へと延びる長方形平板状の中心板部33と、中心板部33の下端から略水平方向へ延びる下板部34を有している。つまり、仕切壁部25は、金属板を折り曲げて加工して形成されるものであって、鉛直方向に対して傾斜する中心板部33の上端部分と下端部分とをそれぞれ折り曲げることで、天板部32と下板部34とが形成されている。このとき、天板部32と下板部34は、中心板部33の上下端でそれぞれ互いに離れる方向へ突出している。即ち、下板部34は排気集合室22の前方側へ向かって中心板部33から突出し、天板部32は排気集合室22の後方側へ向かって中心板部33から突出している。
【0079】
また、図3で示されるように、仕切壁部25の左右方向の一端部は、排気集合室22の左右方向で対向する2つの側壁部17,18のうち、一方の側壁部17と一体となっている。そして、仕切壁部25の左右方向の他端部は、排気集合室22の左右方向の中心近傍に位置している。より詳細には、仕切壁部25の左右方向の他端部は、排気集合室22の左右方向の中心より、他方の側壁部18にやや近い位置にある。このことにより、排気集合室22では、左右方向の一方端から中心部分近傍までの部分が、仕切壁部25によって前後方向に分割されて、2つの領域36,37を形成する。なお、仕切壁部25の中心板部33が上下方向に対して傾斜しているので、図6で示されるように、これらの各領域36,37のうち、前方側に位置する前側領域36は、上側に近づくにつれて広くなっていき、後方側に位置する後側領域37は、上側に近づくにつれて狭くなっていく。
【0080】
排気排出口26は、図3,6に示されるように、排気筒取付部19(図2参照)の内孔と連通する略円形の開口である。ここで、排気排出口26は、その一部が仕切壁部25の天板部32によって閉塞されている。即ち、図6,7で示されるように、排気排出口26の後端部側に位置する部分が閉塞されるものであって、排気排出口26の開放された開放部分26aの前後方向の長さL2は、排気排出口26の前後方向の全体の長さ(径の長さ)L1の6分の5程度の長さとなっており、排気排出口26の閉塞された閉塞部分26bの前後方向の長さL3は、排気排出口26の前後方向の全体の長さ(径の長さ)L1の6分の1程度の長さとなっている。
【0081】
つまり、排気排出口26は、前方側の大部分が開放され、後方側の一部が閉塞されている。このため、排気排出口26は、図6で示されるように、仕切壁部25で区切られた領域36,37のうち、前方側に位置する前側領域36に対してのみ開放されており、後方側に位置する後側領域37に対しては閉じている。換言すると、排気排出口26は前側領域36のみと連通し、後側領域37とは分断されている。このことから、排気排出口26は、前側領域36からは気体の流入が可能であり、後側領域37からは気体の流入が不可能となっている。
【0082】
ここで、上記した、仕切壁部25で区切られた領域36,37のうち、前方側に位置する前側領域36について詳細に説明する。
【0083】
前側領域36の前端側の部分には、図8で示されるように、左右方向の大半部分に亘ってセンサ室23が配されている。このとき、センサ室23の開口30は、側壁部17と対向しており、側壁部17側に向かって開いている。そして、センサ室23の開口30から側壁部17までの長さL4は、前側領域36の左右方向の長さ(仕切壁部25の長手方向の長さ)L5の5分の1程度の長さとなっている。また、このとき、センサ室23の開口30から側壁部17までの長さL4は、排気排出口26の径の長さ(排気排出口26の内幅であって、排気排出口26の中心を通る左右方向の長さ)L1の20パーセント程度の長さとなっている。
【0084】
また、前側領域36では、センサ室23と仕切壁部25との間に、排気排出口26が位置しており、具体的には、センサ室23の後端部分(図8の下端部分)から、仕切壁部25の天板部32の前端部分(図8の上端部分)の間に、排気排出口26の開放部分26aが位置している。このとき、センサ室23の後端部分から天板部32の前端部分までの長さL6と、排気排出口26の開放部分26aの前後方向の長さL2とは、略同一の長さとなっている。
【0085】
また、センサ室23の左右方向の長さ(長手方向の長さ)と、排気排出口26の左右方向の長さ(径の長さ)L1とは、略同一となっている。そして、センサ室23の開口30と、排気排出口26の左右方向の一端部39とは、左右方向の位置が同一となっている。つまり、仕切壁部25と一体に形成されている側壁部17からセンサ室23の開口30までの距離L4と、当該側壁部17からこの側壁部17に近接する位置にある排気排出口26の端部39までの距離L4とが、同一となっている。即ち、センサ室23と排気排出口26とは、前後方向で並列すると共に、左右方向の両端部の位置がそれぞれ略同一であり、左右方向の長さが略同一となっている。
【0086】
次に、気体検出装置8を燃焼装置1に取付け、2つの燃焼系統3,3で燃焼動作を実施したときの、気体検出装置8内の燃焼排気の流れについて説明する。
【0087】
燃焼装置1では、図1で示されるように、気体検出装置8が燃焼系統3,3の上部に取り付けられている。このように、気体検出装置8が燃焼装置1に取り付けられると、気体検出装置8の開放された底面側の部分が他部材によって閉塞された状態となる。そして、図9で示されるように、内部空間である排気集合室22の下方側に、各燃焼系統3,3からの燃焼排気を導入するための排気導入口46,47が位置する。そのことにより、各燃焼系統3,3で発生した燃焼排気が、それぞれ別の排気導入口46,47を介して、排気集合室22へと導入される。
【0088】
より具体的に説明すると、気体検出装置8の底面側の後端(図9の下側)近傍に排気導入領域50が形成されており、この排気導入領域50には、2つの排気導入口46,47が左右方向に並列して配されている。なお、2つの排気導入口46,47は大きさが異なっており、主に一般給湯における加熱動作に使用される燃焼系統3に連なる排気導入口47が、主に風呂の追い焚きや熱負荷への熱の供給に使用される燃焼系統3に連なる排気導入口46に比べて、開口面積が大きくなっている。
【0089】
このとき、開口面積が大きな排気導入口47は、仕切壁部25によって前後方向に分割された2つの各領域36,37のうち、後方側に位置する後側領域37に位置している。そして、この排気導入口47は、仕切壁部25の長手方向(左右方向)に沿って延びている。このとき、この排気導入口47の長手方向の長さと、仕切壁部25の長手方向の長さとは略同一となっている。つまり、この排気導入口47は、後側領域37の左右方向の略全域に亘って配されている。
【0090】
このことにより、一方の排気導入口47から排気集合室22内へ流入した燃焼排気は、仕切壁部25に沿って、他方の排気導入口46側へ流れる。そして、他方の排気導入口46が位置する部分、又はその上方部分等の他方の排気導入口46の近傍、あるいは排気導入口46が配された部分の前方側に位置する中継領域51で、一方の排気導入口47から排気集合室22内へ流入した燃焼排気が、他方の排気導入口46から排気集合室22内へ流入した燃焼排気と合流する。
【0091】
ここで中継領域51は、仕切壁部25によって前後方向に分割された2つの各領域36,37のうち、前方側に位置する前側領域36と左右方向で並列する位置にある空間である。
【0092】
この中継領域51へと流入した燃焼排気は、中継領域51側から前側領域36側へと流れていく。
【0093】
ここで、前側領域36は、左右方向で2つに分けられるものであり、図9で示されるように、センサ室23及び排気排出口26が位置する流路末端領域41と、撹拌領域42とに分割される。具体的には、センサ室23の開口30と、排気排出口26の左右方向の端部であって、仕切壁部25と一体に設けられた側壁部17に近い位置にある端部39とを結ぶ直線l1を境界として、流路末端領域41と、撹拌領域42とに分割される。
なお、特に限定されるものではないが、撹拌領域42の左右方向の長さL4は、排気排出口26の左右方向の長さ(径の長さ)L1の3分の1程度となっている。
【0094】
したがって、中継領域51側から前側領域36側へと流れた燃焼排気は、まず流路末端領域41へと流入する。ここで、燃焼排気の一部は、排気排出口26から外部へと排出される。対して、外部へ排出されなかった燃焼排気は、撹拌領域42へと流入する。そして、撹拌領域42へ流入した燃焼排気は、側壁部17に衝突してその流れ方向を変え、排気排出口26側へ向かって流れる。
【0095】
ここで、撹拌領域42では、新たに排気排出口26側から流入した燃焼排気は、側壁部17側へ向かって流れ、すでに側壁部17(衝突壁部)に衝突した燃焼排気は、排気排出口26側へ向かって流れる。このため、撹拌領域42では、それぞれ略逆向きに流れる燃焼排気が衝突する。即ち、撹拌領域42では、互いに近づく方向へ流れる燃焼排気がぶつかり合う。このことにより、撹拌領域42で乱流が発生し、撹拌領域42を流れる燃焼排気が十分に混合される。
【0096】
即ち、本実実施形態の気体検出装置8の内部には、排気導入領域50、中継領域51、流路末端領域41を順に流れる排気流路が形成されている。そして、その排気流路の燃焼排気の流れ方向の下流側に、撹拌領域42が形成されている。そのため、2つの排気導入口46,47から流入した燃焼排気は、排気流路を流れていく過程で徐々に混合されるものであり、仮に排気流路で十分に混合されなかった場合であっても、排気流路の下流側に位置する撹拌領域42において、確実に混合される。
【0097】
ここで、センサ室23の開口30は、側壁部17(衝突壁部)と対向する位置にある。したがって、センサ室23の開口30は、開口30と側壁部17の間の空間、即ち、撹拌領域42に向かって開放されている。このため、撹拌領域42で十分に混合された燃焼排気は、センサ室23にも流入する。そして、センサ室23内に配されたCOセンサ54(気体検出手段)によって、センサ室23に流入する燃焼排気に対し、燃焼排気中の一酸化炭素の有無、又は燃焼排気中の一酸化炭素の濃度の検出が実施される。
【0098】
次に、燃焼排気中の一酸化炭素の有無、一酸化炭素の濃度等の検出動作について説明する。
【0099】
本実施形態では、COセンサ54として、所謂接触式と称されるセンサを使用している。この接触反応式センサは、一部を一酸化炭素に反応して発熱する物質で形成し、一酸化炭素が接触したとき発熱する部分と、一酸化炭素が接触しても発熱しない部分の温度差により、一酸化炭素を検知する構成となっている。そのため、仮に燃焼排気の排気流速が速い部分に接触式のセンサを配すると、強い燃焼排気の流れに晒されることにより、発熱温度が変化してしまい、検知誤差が発生してしまう。
【0100】
以上のような検知誤差の発生を防止すべく、本実施形態の気体検出装置8では、図9で示されるように、センサ室23を左右方向に延びた構造とし、左右方向の片側端部に開口30を設けると共に、センサ室23の内部において、左右方向の他方端部に近接する位置に、COセンサ54を配する構成となっている。即ち、燃焼排気の流速が速い排気流路(排気導入領域50、中継領域51、流路末端領域41によって形成される流路)、及び撹拌領域42から離れた位置にCOセンサ54が位置しており、COセンサ54が、排気流路と撹拌領域42の燃焼排気に直接晒されることのない構成となっている。このことにより、精度の高い検出動作が可能となる。
【0101】
即ち、センサ室23に流入した燃焼排気は、センサ室23中で排気流路や撹拌領域42を流れる燃焼排気の干渉を受けないので、排気流路や撹拌領域42を流れる燃焼排気に比べて流速が遅くなる。このため、センサ室23の開口30から離れた位置にあるCOセンサ54の近傍では、燃焼排気の流速が遅くなり、COセンサ54が強い排気の流れに晒されることがない。したがって、強い排気流に晒されることに起因するCOセンサ54の検知誤差が発生せず、精度の高い検出動作が可能となる。
【0102】
このように、本実施形態の気体検出装置8では、各排気導入口46,47から導入された燃焼排気を十分に混合することが可能であり、十分に混合された燃焼排気に対して精度の高い一酸化炭素の検出動作を実施できる。
【0103】
以上で、気体検出装置8を燃焼装置1に取付け、2つの燃焼系統3,3で燃焼動作を実施したときの、気体検出装置8内の燃焼排気の流れについて説明と、燃焼排気中の一酸化炭素の有無、一酸化炭素の濃度等の検出動作について説明を終了する。
【0104】
上記した実施形態では、図2で示されるように、側壁部15にセンサ取付孔20が設けられており、気体検出装置8の外部から内部のセンサ室23(図3参照)に対するCOセンサ54の配置、取り出しが可能となっている。そのため、COセンサ54の着脱のために気体検出装置8を燃焼装置1から取り外さなくてもよく、COセンサ54の着脱作業が容易な構成となっている。
【0105】
上記した実施形態では、気体検出手段として、接触式のCOセンサ54を採用した例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、気体検出手段として、未燃焼の燃料と空気の混合気(所謂生ガス)中に含有される、メタン、プロパン、硫黄等の他の気体の有無、又は他の気体の濃度を検出するセンサを採用する構成であってもよい。
【0106】
上記した実施形態では、仕切壁部25が1つの排気導入口47の側方にのみ設けられた例について示したが、本発明の気体検出装置はこれに限るものではない。2つ以上の排気導入口の側方に仕切壁部が設けられる構成であってもよい。仕切壁部25は、上流側と下流側とが連続するように設けられればよい。
【0107】
上記した実施形態では、図8で示されるように、仕切壁部25で前後に区切られた前側領域36において、センサ室23から天板部32の前端部分までの長さL6と、排気排出口26の開放部分26aの前後方向の長さL2とは、略同一の長さとなっている。換言すると、排気導入領域50、中継領域51、流路末端領域41によって形成される排気流路の末端部である流路末端領域41では、排気流路の幅方向の長さL6と、同方向における排気排出口26の長さL2とが略同一となっている。このように、排気流路の末端部において、幅方向の略全域に亘って前記排気排出口が形成される構成であれば、排気流路の排気の流れ方向下流側に形成される撹拌領域42への必要以上の燃焼排気の流入をより確実に防止できる。即ち、撹拌領域42に適量の燃焼排気を流入させることで、撹拌領域42での燃焼排気の確実な混合と、センサ室23への適量な燃焼排気の供給とをより確実に実施できるため望ましい。
【0108】
上記した実施形態では、図8で示されるように、排気流路外であって、排気流路の末端である流路末端領域41のさらに排気の流れ方向下流側に、撹拌領域42が設けられている。2つの排気導入口46,47から流入した燃焼排気は、いずれも流路末端領域41に形成された排気排出口26へ向かって流れるので、どちらの排気導入口46,47から燃焼排気が流入した場合であっても、燃焼排気は確実に流路末端領域41を経由して撹拌領域42へと至る。そして、センサ室23がこの撹拌領域42に向かって開いているため、撹拌領域42へと至った燃焼排気に対して、有害気体の検出動作を実施することができる。即ち、どちらの排気導入口46,47から燃焼排気が流入した場合であっても、流入した燃焼排気に対して必ず有害気体の検出動作を実施できるので、発生した有害気体を確実に検知可能となる。換言すると、撹拌領域42には2つの排気導入口46,47から流入した燃焼排気のうちの両方が流入するので、いずれか一方の燃焼排気に対する検知漏れが発生しない。
【0109】
しかしながら、本発明はこれに限るものでなく、排気流路の末端部分の幅方向の長さL6に対し、同方向における排気排出口26の長さがより小さい構成であってもよい。これらの大きさの関係は、導入される燃焼排気の量、気体検出装置の大きさ等の変化により、適宜変更してよい。例えば、排気流路の末端部分の幅方向の長さに対し、同方向における排気排出口の長さが3分の1程度であってもかまわない。換言すると、排気排出口の長さは、排気流路の末端部分の幅方向の長さの3分の1程度の長さから、排気流路の末端部分の幅方向の長さと略同じ長さまでの間の適宜な長さであってもかまわない。
【0110】
上記した実施形態では、図8で示されるように、センサ室23の開口30と、排気排出口26の左右方向の一端部39の左右方向の位置が同一である例を示したが、本発明はこれに限るものではない。即ち、センサ室23の開口30は、より衝突壁部たる側壁部17に近接する位置であってもよく、より側壁部17から離れた位置であってもよい。換言すると、センサ室23の開口30は、より撹拌領域42側に形成してもよく、より撹拌領域42から離反した位置に形成してもよい。例えば、排気排出口26の左右方向における端部のうちで側壁部17に近接する端部39と、前後方向に沿って延びる直線l1が交わる位置を基準位置とし、排気排出口26の左右方向の長さL1を基準長さとしたとき、センサ室23の開口30は、基準位置から基準長さL1の3分の1程度だけ側壁部17に近づいた位置に設けてもよい。また、基準位置から基準長さL1の3分の1程度だけ側壁部17から離れた位置に設けてもよい。換言すると、センサ室23の開口30は、基準位置から基準長さの3分の1程度だけ側壁部17側に近接した位置から、基準位置から基準長さの3分の1程度だけ側壁部17から離れた位置の間に形成される領域に位置すればよい。
【0111】
上記した実施形態では、図8で示されるように、センサ室23を排気流路の末端部である流路末端領域41に形成すると共に、センサ室23の長手方向を排気流路における排気の流れ方向に沿う方向と同一とした例を示したが、本発明のセンサ室23はこれに限るものではない。例えば、図10で示されるように、流路末端領域41を流れる燃焼排気の流れ方向に略直交する方向(気体検出装置100の前後方向)に延びるセンサ室101であってもよい。さらに、図11で示されるように、流路末端領域41を流れる燃焼排気の流れ方向に略直交する方向(気体検出装置110の前後方向)と、流路末端領域41を流れる燃焼排気の流れ方向に沿う方向(気体検出装置110の左右方向)との間であって、それらの方向に対して傾斜する方向に延びるセンサ室111であってもよい。またさらに、これらのセンサ室101,111は、気体検出装置100,110の上下方向に対して傾斜する方向に延びるものであってもよい。さらにまた、図12で示されるように、センサ室121を仕切壁部122と一体に形成し、撹拌領域42から仕切壁部122側へ延びるセンサ室121を有する気体検出装置120であってもよい。そしてまた、センサ室は直線状に延びるものに限るものでなく、例えば、略L字状のように、屈曲して延びる構成であってもよい。また、センサ室は延設される形状に限るものではなく、略立方体状の空間や、球形の空間を内部に形成するセンサ室であってもよい。
【0112】
そして、このようなセンサ室の位置の変化等に応じて、センサ室の開口の位置もまた、適宜変更してよい。即ち、上記したように、側壁部17と対向する位置であってよく、側壁部17に対して直交する位置であってよく、側壁部17に対して傾斜する位置であってよい。またさらに、それらの位置において、気体検出装置の上下方向に傾斜する位置であってよい。即ち、センサ室の開口は、その少なくとも一部が、撹拌領域に対して開いていればよい。
【0113】
上記した実施形態では、各燃焼系統3,3がそれぞれ別々の缶体によって形成される所謂2缶2水式の燃焼装置1の例を示したが、本発明の気体検出装置を取り付ける燃焼装置は、これに限るものではない。例えば、図13で示されるように、1つの缶体内に2つの燃焼系統を設け、これらを仕切り板201で分断した、所謂1缶2水式と称される燃焼装置であってもよい。また、図14で示されるように、1つの缶体内に2系統のバーナを設け、少なくとも1系統のバーナは独立して燃焼動作を実施可能とした燃焼装置であってもよい。即ち、1つの缶体内に流れ方向の異なる2つの排気流路を形成することで、2つの燃焼系統を1缶内に形成する燃焼装置であってもよい。
【0114】
また、上記した実施形態では、図9で示されるように、気体検出装置8の排気導入領域50に複数(2つ)の排気排出口が並列して位置する構成の例を示したが、本発明の気体検出装置及び燃焼装置はこれに限るものではない。例えば、排気導入領域には1つのみの排気排出口が位置する構成であってもよい。即ち、1つの排気排出口から、2つの燃焼系統のそれぞれで発生した燃焼排気を排気集合室22へと導入する構成であってもよい。換言すると、気体検出装置全体よりも燃焼排気の流れ方向上流側の部分で、2つの燃焼系統のそれぞれで発生した燃焼排気が合流するように排気流路を構成してもよい。つまり、排気導入領域に配される排気導入口は1つであってもよく、複数であってもよい。
【0115】
上記した実施形態では、図5で示されるように、外側金具28の固定具本体28aと閉塞板部28bとの間に形成される隙間を内側金具29で閉塞する例を示したが、本発明のセンサ室23はこれに限るものではない。本発明の外側金具の形状は適宜変更してよく、側壁部に取り付けたときに、5面を閉塞された箱状のセンサ室が形成されればよい。したがって、外側金具の形状の変化に応じて、内側金具が閉塞する隙間の位置や形状は、適宜変化してよい。即ち、センサ室23が形成されたとき、センサ室の角部分に形成される隙間を金具で閉塞できればよい。
【符号の説明】
【0116】
1,200,210,300 燃焼装置
4 燃焼部
8,100,110,120,301 気体検出装置
15,16,18,310 側壁部
17 側壁部(衝突壁部)
22,302 排気集合室
23,101,111,121,303 センサ室
25,122,308 仕切壁部
26,304 排気排出口
30 開口
42,309 撹拌領域
46,47,305,306 排気導入口
50,307 排気導入領域
54 COセンサ(気体検出手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を燃焼するバーナを備えた燃焼部を複数有した燃焼装置において、複数の燃焼部と排気部との間に配され、燃焼部から排出される排出気体中に含まれる所定気体の有無及び/又は濃度を検出する気体検出手段を備えた気体検出装置であって、
複数の燃焼部から排出された排出気体を集合させ、集合させた排出気体を前記排気部へと導入させる排気集合室と、前記気体検出手段が配されるセンサ室とを有し、
排気集合室は、複数の側壁部に囲繞されて形成され、各燃焼部からの排気導入口が位置する排気導入領域を有するものであり、
排出気体の流れ方向を迂回させる仕切壁部と、排気集合室の内部と前記排気部とを連通する排気排出口とを有し、
前記仕切壁部は、排気導入口に沿って延設され、当該仕切壁部によって、排気導入領域から仕切壁部に沿って延び、排気排出口を末端とする排気流路が形成されるものであり、
前記排気流路を越えた位置であり、前記排気排出口から外部へ向かう方向とは異なる方向に離反した位置に衝突壁部が形成され、
前記衝突壁部は、前記排気流路の末端における排気の流れ方向と交わる方向に延びるものであり、
前記排気排出口と、衝突壁部との間には、排出気体が撹拌される撹拌領域が形成され、
前記センサ室の開口が、前記撹拌領域に向かって開いていることを特徴とする気体検出装置。
【請求項2】
前記排気導入領域は、排気集合室の底面側に形成され、
排気導入領域には、2つの前記排気導入口が並列して位置するものであり、
前記仕切壁部は、いずれか一方の排気導入口に沿って延設され、
前記一方の排気導入口から排気集合室に導入された排出気体は、前記仕切壁部に沿って排気排出口を迂回し、他方の排気導入口側へと流れることを特徴とする請求項1に記載の気体検出装置。
【請求項3】
前記複数の側壁部は、対向する1対の側壁部を備え、
1対の側壁部のうち、一方の側壁部の近傍には排気導入領域が形成され、他方の側壁部の近傍には前記センサ室が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の気体検出装置。
【請求項4】
前記センサ室は、前記排気集合室内であって、前記仕切壁部と対向する部位にあり、
前記排気排出口は、前記センサ室と前記仕切壁部に挟まれた位置に形成されるものであって、
前記排気排出口の全幅は、前記センサ室と前記仕切壁部との距離と略等しいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の気体検出装置。
【請求項5】
前記センサ室の開口は、前記排気流路の末端近傍から衝突壁部に至るまでの間に位置することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の気体検出装置。
【請求項6】
前記排気排出口の内幅であって、前記排気排出口の中心を通り前記排気流路での排気の流れ方向に測定した内幅を基準長さとし、
排気排出口の最も衝突壁部に近接した位置を基準位置としたとき、
前記基準位置から排気の流れ方向の上流側に前記基準長さの3分の1程度だけ離反した部分と、前記基準位置から排気の流れ方向の下流側に前記基準長さの3分の1程度だけ離反した部分との間に形成される領域に、前記センサ室の開口が位置することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の気体検出装置。
【請求項7】
前記排気排出口の内幅であって、前記排気排出口の中心を通り前記排気流路での排気の流れ方向に測定した内幅を基準長さとし、
排気排出口の最も衝突壁部に近接した位置を基準位置としたとき、
基準位置と衝突壁部との間の距離は、基準長さの20パーセント以上となっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の気体検出装置。
【請求項8】
燃料を燃焼するバーナを備えた燃焼部を2つ有した燃焼装置において、2つの燃焼部と排気部との間に配され、燃焼部から排出される排出気体中に含まれる所定気体の有無及び/又は濃度を検出する気体検出手段を備えた気体検出装置であって、
2つの燃焼部から排出された排出気体を集合させ、集合させた排出気体を前記排気部へと導入させる排気集合室と、前記気体検出手段が配されるセンサ室とを有し、
排気集合室は、天面部と、天面部から垂下された4つの側壁部とに囲繞され、底面側が開放されており、底面側には、2つの燃焼部からの排気をそれぞれ導入する2つの排気導入口が並列して位置する排気導入領域が形成され、
4つの側壁部は対向する1対の側壁部を備え、1対の側壁部のうち、一方の側壁部の近傍には排気導入領域が位置し、他方の側壁部の近傍には前記センサ室が位置するものであり、
排出気体の流れ方向を迂回させる仕切壁部と、前記内部空間と前記排気部とを連通する排気排出口とを有し、
前記仕切壁部は、一方の排気導入口に沿う位置にあり、排気導入口の並列方向に沿って延びるものであって、
前記仕切壁部によって、前記排気導入領域から仕切壁部に沿って延び、前記排気排出口を末端とする排気流路が形成されており、
前記センサ室が、前記排気集合室内であって、前記仕切壁部と対向する部位にあり、
前記排気排出口は、前記センサ室と前記仕切壁部に挟まれた位置に形成され、前記排気排出口の全幅が、前記センサ室と前記仕切壁部との距離と略等しくなっており、
前記排気流路を越えた位置であり、前記排気排出口から外部へ向かう方向とは異なる方向に離反した位置に衝突壁部が形成され、
前記衝突壁部は、前記排気流路の末端における排気の流れ方向と交わる方向に延びるものであり、
当該衝突壁部は、前記側壁部のうちの少なくとも1つの側壁部によって形成され、前記排気流路の末端における排気の流れ方向と交わる方向に延びるものであって、
前記排気排出口と、衝突壁部との間には、排気排出口側から衝突壁部側へ流れる排出気体と、排気排出口側から衝突壁部側へ流れて衝突壁部に衝突し、さらに衝突壁部から離れる方向へと流れる排出気体とが撹拌される撹拌領域が形成されており、
前記排気排出口の内幅であって、前記排気排出口の中心を通り前記排気流路での排気の流れ方向に測定した内幅を基準長さとし、排気排出口の最も衝突壁部に近接した位置を基準位置としたとき、前記基準位置から排気の流れ方向の上流側に前記基準長さの3分の1程度だけ離反した部分と、前記基準位置から排気の流れ方向の下流側に前記基準長さの3分の1程度だけ離反した部分との間に形成される領域に、前記センサ室の開口が位置するとともに、前記センサ室の開口が前記撹拌領域に向かって開いており、基準位置と衝突壁部との間の距離は、基準長さの20パーセント以上となっていることを特徴とする気体検出装置。
【請求項9】
燃料を燃焼するバーナと、バーナが作動して生成される燃焼ガスの熱を回収する熱交換器とを含む燃焼系統を複数有し、請求項1乃至8のいずれかの気体検出装置を備えたことを特徴とする燃焼装置。
【請求項1】
燃料を燃焼するバーナを備えた燃焼部を複数有した燃焼装置において、複数の燃焼部と排気部との間に配され、燃焼部から排出される排出気体中に含まれる所定気体の有無及び/又は濃度を検出する気体検出手段を備えた気体検出装置であって、
複数の燃焼部から排出された排出気体を集合させ、集合させた排出気体を前記排気部へと導入させる排気集合室と、前記気体検出手段が配されるセンサ室とを有し、
排気集合室は、複数の側壁部に囲繞されて形成され、各燃焼部からの排気導入口が位置する排気導入領域を有するものであり、
排出気体の流れ方向を迂回させる仕切壁部と、排気集合室の内部と前記排気部とを連通する排気排出口とを有し、
前記仕切壁部は、排気導入口に沿って延設され、当該仕切壁部によって、排気導入領域から仕切壁部に沿って延び、排気排出口を末端とする排気流路が形成されるものであり、
前記排気流路を越えた位置であり、前記排気排出口から外部へ向かう方向とは異なる方向に離反した位置に衝突壁部が形成され、
前記衝突壁部は、前記排気流路の末端における排気の流れ方向と交わる方向に延びるものであり、
前記排気排出口と、衝突壁部との間には、排出気体が撹拌される撹拌領域が形成され、
前記センサ室の開口が、前記撹拌領域に向かって開いていることを特徴とする気体検出装置。
【請求項2】
前記排気導入領域は、排気集合室の底面側に形成され、
排気導入領域には、2つの前記排気導入口が並列して位置するものであり、
前記仕切壁部は、いずれか一方の排気導入口に沿って延設され、
前記一方の排気導入口から排気集合室に導入された排出気体は、前記仕切壁部に沿って排気排出口を迂回し、他方の排気導入口側へと流れることを特徴とする請求項1に記載の気体検出装置。
【請求項3】
前記複数の側壁部は、対向する1対の側壁部を備え、
1対の側壁部のうち、一方の側壁部の近傍には排気導入領域が形成され、他方の側壁部の近傍には前記センサ室が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の気体検出装置。
【請求項4】
前記センサ室は、前記排気集合室内であって、前記仕切壁部と対向する部位にあり、
前記排気排出口は、前記センサ室と前記仕切壁部に挟まれた位置に形成されるものであって、
前記排気排出口の全幅は、前記センサ室と前記仕切壁部との距離と略等しいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の気体検出装置。
【請求項5】
前記センサ室の開口は、前記排気流路の末端近傍から衝突壁部に至るまでの間に位置することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の気体検出装置。
【請求項6】
前記排気排出口の内幅であって、前記排気排出口の中心を通り前記排気流路での排気の流れ方向に測定した内幅を基準長さとし、
排気排出口の最も衝突壁部に近接した位置を基準位置としたとき、
前記基準位置から排気の流れ方向の上流側に前記基準長さの3分の1程度だけ離反した部分と、前記基準位置から排気の流れ方向の下流側に前記基準長さの3分の1程度だけ離反した部分との間に形成される領域に、前記センサ室の開口が位置することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の気体検出装置。
【請求項7】
前記排気排出口の内幅であって、前記排気排出口の中心を通り前記排気流路での排気の流れ方向に測定した内幅を基準長さとし、
排気排出口の最も衝突壁部に近接した位置を基準位置としたとき、
基準位置と衝突壁部との間の距離は、基準長さの20パーセント以上となっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の気体検出装置。
【請求項8】
燃料を燃焼するバーナを備えた燃焼部を2つ有した燃焼装置において、2つの燃焼部と排気部との間に配され、燃焼部から排出される排出気体中に含まれる所定気体の有無及び/又は濃度を検出する気体検出手段を備えた気体検出装置であって、
2つの燃焼部から排出された排出気体を集合させ、集合させた排出気体を前記排気部へと導入させる排気集合室と、前記気体検出手段が配されるセンサ室とを有し、
排気集合室は、天面部と、天面部から垂下された4つの側壁部とに囲繞され、底面側が開放されており、底面側には、2つの燃焼部からの排気をそれぞれ導入する2つの排気導入口が並列して位置する排気導入領域が形成され、
4つの側壁部は対向する1対の側壁部を備え、1対の側壁部のうち、一方の側壁部の近傍には排気導入領域が位置し、他方の側壁部の近傍には前記センサ室が位置するものであり、
排出気体の流れ方向を迂回させる仕切壁部と、前記内部空間と前記排気部とを連通する排気排出口とを有し、
前記仕切壁部は、一方の排気導入口に沿う位置にあり、排気導入口の並列方向に沿って延びるものであって、
前記仕切壁部によって、前記排気導入領域から仕切壁部に沿って延び、前記排気排出口を末端とする排気流路が形成されており、
前記センサ室が、前記排気集合室内であって、前記仕切壁部と対向する部位にあり、
前記排気排出口は、前記センサ室と前記仕切壁部に挟まれた位置に形成され、前記排気排出口の全幅が、前記センサ室と前記仕切壁部との距離と略等しくなっており、
前記排気流路を越えた位置であり、前記排気排出口から外部へ向かう方向とは異なる方向に離反した位置に衝突壁部が形成され、
前記衝突壁部は、前記排気流路の末端における排気の流れ方向と交わる方向に延びるものであり、
当該衝突壁部は、前記側壁部のうちの少なくとも1つの側壁部によって形成され、前記排気流路の末端における排気の流れ方向と交わる方向に延びるものであって、
前記排気排出口と、衝突壁部との間には、排気排出口側から衝突壁部側へ流れる排出気体と、排気排出口側から衝突壁部側へ流れて衝突壁部に衝突し、さらに衝突壁部から離れる方向へと流れる排出気体とが撹拌される撹拌領域が形成されており、
前記排気排出口の内幅であって、前記排気排出口の中心を通り前記排気流路での排気の流れ方向に測定した内幅を基準長さとし、排気排出口の最も衝突壁部に近接した位置を基準位置としたとき、前記基準位置から排気の流れ方向の上流側に前記基準長さの3分の1程度だけ離反した部分と、前記基準位置から排気の流れ方向の下流側に前記基準長さの3分の1程度だけ離反した部分との間に形成される領域に、前記センサ室の開口が位置するとともに、前記センサ室の開口が前記撹拌領域に向かって開いており、基準位置と衝突壁部との間の距離は、基準長さの20パーセント以上となっていることを特徴とする気体検出装置。
【請求項9】
燃料を燃焼するバーナと、バーナが作動して生成される燃焼ガスの熱を回収する熱交換器とを含む燃焼系統を複数有し、請求項1乃至8のいずれかの気体検出装置を備えたことを特徴とする燃焼装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
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【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−96606(P2013−96606A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237969(P2011−237969)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】
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