説明

気体流量測定装置

【課題】流量信号を補正する際の補正精度を向上すること。
【解決手段】気体流路中に配置される一又は複数の抵抗体と、前記抵抗体に流れる電流又はこの電流に応じて発生する電圧を検出することにより前記気体流路中に流れる気体流量に応じた気体流量検出信号を出力する気体流量検出回路と、前記気体流路中の気体温度を検出するための気体温度検出素子あるいは集積回路内部に設けた基板温度を検出するための基板温度検出素子と、を有し、これらの温度検出信号を基に流量信号の特性補正を行う気体流量測定装置において、前記気体流量検出信号の目標特性からある一定量以上外れた特性曲がりを補正する信号変換手段を備えることを特徴とする気体流量測定装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体流量測定装置に関わり、特に、エンジンの吸入空気流量測定に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用エンジンにおいては、燃料噴射量を制御するために吸入空気流量を測定する必要がある。この吸入空気流量を測定する装置の一種に、発熱抵抗体式気体流量測定装置がある。この発熱抵抗体式気体流量測定装置の出力信号は温度が変化しても出力信号変化が小さい、すなわち、温度依存誤差が小さいことが望ましい。
【0003】
この温度依存誤差を小さくするために、気体温度、基板温度検出信号から、気体流量検出信号の温度依存誤差を補正する必要がある。
【0004】
必要最小限の分解能の向上をさせるために、不等間隔の補正テーブルで、局所的に分解能を向上させる特開2007−071889号公報に記載されている技術がある。一般的に発熱抵抗体式気体流量測定装置では、空気流量−出力特性に関するテーブルデータを有し、このテーブルデータの領域を分割して各空気流量領域ごとに出力特性の補正式を変更して空気流量を算出する演算回路を備え、前記テーブルデータの領域分割は、空気流量の低流量域を高流量域よりも細かく分割してなる。これにより、テーブルのデータ数を極端に増やすことなく低流量精度を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−071889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、デジタル補正において、補正誤差を低減し、かつ全流量域において高精度化するためには、テーブルの分解能を向上させる必要があるが、テーブルのデータ数が増えることで検索数が増加し演算処理が遅くなってしまう。
【0007】
特許文献1では、気体流量信号の補正および気体温度依存性の補正において、関数による補間ではなく、テーブルを用いて補正を行うことで、気体流量信号および気体温度依存性の非線形性を補正することができる。しかし、テーブルを用いた補正を行う場合、データ数に応じて補正精度が決定するため、データ数が多い程、高精度な補正ができるが、データ数が少ないと、補正誤差が大きくなってしまう。
【0008】
そのため、精度を向上させるためにテーブルのデータ数を増やすことが考えられるが、演算回路が大きくなることからコストが上昇してしまう。また、テーブルのデータ数を増やさずに精度を向上させる方法として、テーブルのデータ間隔を不等間隔にすることで、局所的に分解能を向上させることが考えられる。しかし、不等間隔のテーブルを用いると演算負荷が大きくなってしまい演算処理が遅くなるおそれがある。
【0009】
さらに、低流量以外に局所的に分解能を向上させるためには、あらかじめテーブルのデータ間隔を決めておく必要があった。
【0010】
本発明の目的は、流量信号を補正する際の補正精度を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の気体流量測定装置は、気体流路中に配置される一又は複数の抵抗体に流れる電流又はこの電流に応じて発生する電圧を検出することにより前記気体流路中に流れる気体流量に応じた気体流量検出信号を出力する気体流量検出回路と、前記気体流路中の気体温度を検出するための気体温度検出素子あるいは集積回路内部に設けた基板温度を検出するための基板温度検出素子と、を有し、前記気体温度検出素子あるいは前記基板温度検出素子から得られる温度検出信号を基に前記気体流量検出信号の特性補正を行う気体流量測定装置において、前記気体流量検出信号の目標特性からある一定量以上外れた特性曲がりを補正する信号変換手段を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、流量信号を補正する際の補正精度を向上することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】空気流量測定装置のボディへの装着図。
【図2】図1のA-A′断面図。
【図3】第1の実施形態の空気流量測定装置の回路図。
【図4】空気流量検出信号の特性。
【図5】第1の実施形態における検出信号の変換図。
【図6】流量信号の座標変換図。
【図7】第1の実施形態における空気流量検出信号の特性曲がり。
【図8】流量信号特性変換の図。
【図9】テーブルを用いた補正のフロー図。
【図10】迂回副通路形状の空気流量測定装置のボディへの装着図。
【図11】コの字副通路形状の空気流量測定装置のボディへの装着図。
【図12】α型副通路形状の空気流量測定装置のボディへの装着図。
【図13】第2の実施形態における検出信号の変換図。
【図14】第3の実施形態における検出信号の変換図。
【図15】第3の実施形態における座標変換組合せ図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明による空気流量測定装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。以下、空気流量測定装置について説明する。
【0015】
まず、本発明の第1の実施形態について、図1から図6を用いて説明する。
【0016】
図1において、吸気温度検出素子1が設けられた、空気流量測定装置2が気体流路ボディ3に挿入されている。
【0017】
図2において、空気流量測定装置2は内燃機関の吸気流路を形成する気体通路ボディ3に取り付けて主通路6を流れる気体8にさらす構成である。そのため、気体温度検出素子(サーミスタあるいは気体温度測定抵抗体とも呼ばれる)1は吸気流体に直接さらされるように、空気流量測定装置2の上流側に備えられている。また、気体流量検出素子4は、基板5上に取り付けられており、気体流量検出素子4が取り付けられた部分のみが副通路7内に設置されている。基板5には、気体温度検出回路22も備えられており、副通路7とは隔離されている。
【0018】
図3において、気体温度検出素子1で検出した気体温度は、基板5上の気体温度検出回路22により電圧信号に変換されアナログ−デジタル変換器AD3 14に入力される。また、集積回路21内には、基板5相当の温度を検出するための基板温度を検出するために集積回路内の温度センサ12が備え付けられている。これにより、気体温度と空気流量測定装置2のそれぞれの温度を検出することができる。
また、気体温度検出回路22は、吸気流路に配置した気体温度検出素子1と固定抵抗9を直列接続して構成されており、気体温度検出回路22にはレギュレータ23出力の定電圧が供給される。
【0019】
また、補正を行うにあたって、気体流量検出素子4からの気体流量検出信号Taをアナログ−デジタル変換器AD1 11によって変換したデジタル値、集積回路内の温度センサ12からの基板温度信号をアナログ−デジタル変換器AD2 13によって変換したデジタル値、気体温度検出素子1からの気体温度信号Taをアナログ−デジタル変換器AD3 14によって変換したデジタル値、これらのデジタル信号を元にテーブルにより補正を行う。テーブルとは、規格化された気体流量信号と気体温度信号に対する補正定数を格子状に並べたものをテーブルいい、このテーブルを用いて、流量信号及び温度信号に応じて補正値を算出する方法をテーブル補正という。規格化された流量信号と温度信号の交点を格子点と呼び、補正定数を与える。テーブル補正に用いられる補正定数は、あらかじめPROM15内に保存されている定数を元にデジタル信号処理DSP10によって補正演算処理される。このように補正された気体流量信号および気体温度信号のデジタル値は、デジタル−アナログ変換器DA1 16およびデジタル−アナログ変換器DA2 18を用いてアナログ変換され、電圧信号として出力される。一方、気体流量信号のデジタル値をフリーランニングカウンタFRC1 17を用いてアナログ変換すると、周波数信号として出力さる。同様に、気体温度信号のデジタル値をフリーランニングカウンタFRC2 19を用いてアナログ変換すると、周波数信号として出力される。デジタル−アナログ変換器DA1 16とフリーランニングカウンタFRC1 17の選択はマルチプレクサMUX1 24の設定で選択実施できる、デジタル−アナログ変換器DA2 18とフリーランニングカウンタFRC2 19の選択はマルチプレクサMUX2 25の設定で選択実施できる。また、発振器20により回路全体を駆動している。さらに、空気流量測定装置は電気的にECU26と接続されている。
【0020】
図4は、気体流量検出信号と目標出力を示している。流体には、層流と乱流があり、層流が乱流に遷移する点が存在し、この影響で気体流量検出信号に特性曲がりが生じる。この特性曲がりは、空気流量計測装置の構造、特に気体流量検出素子4近傍の構造によって、特性曲がりの大きさや特性曲がりの生じる場所が異なる。ここで特性曲がりとは、図4に示す目標特性から、ある一定量以上外れてしまった曲がりのことをいう。
【0021】
図5に特性曲がりを補正するための方法を示す。気体流量信号、基板温度信号、気体温度信号をデジタル値に変換した信号を用いて補正を行うにあたって、温度信号に関しては、基板温度信号Tlと気体温度信号Taのどちらを用いるかを選択できるスイッチが設けられており、このスイッチはPROM15内の定数によって切り替えることが可能である。気体流量検出信号Qを第1座標変換テーブルによりQ1、気体温度検出信号Taを第2座標変換テーブルによりT1に変換する。このとき、第1座標変換テーブルは気体流量信号Qを特性変換するためのテーブルで、17点の格子点をもったテーブルである。これに対し、第2座標変換テーブルは気体温度信号Tlを特性変換するためのテーブルで5点の格子点をもったテーブルである。気体流量信号と気体温度信号の特性は異なるため、座標変換テーブルも異なる座標変換テーブルを用いる。このように、元の特性を座標変換し、特性変換した信号Q1、T1を用いることにより、QおよびTaを用いて補正テーブルで補正するよりも、Q1およびT1で補正したほうが補正テーブルでの特性曲がり近傍の分解能が向上する。補正テーブルにより補正した出力Q2に元の気体流量検出信号Qに加えて出力する。これらQ1、T1を入力信号として補正テーブルによる気体流量信号および気体温度依存誤差を補正することで、温度及び流量の特性曲がり近傍の分解能を向上させ高精度に補正することができる。図6に座標変換前後の特性を示す。特性曲がりの大きな部分を座標変換により特性変換することで、特性曲がりの部分に割り当てられる格子数が増え、分解能が向上する。
【0022】
一方、局所的な特性曲がり部分を高精度に補正するためには、特性曲がり部分の分解能を第1及び第2座標変換テーブルにて向上させる必要がある。このため、局所的な特性曲がりの大きさを判断し曲がりの大きさによって特性曲がりの近傍の分解能を決定する方法を図7を用いて説明する。図7には、横軸に気体流量信号Q、縦軸には目標出力と気体流量検出素子4によって検出された気体流量検出信号との差ΔYを示したグラフである。但し、このグラフは、気体流量検出信号を目標出力に対して、高流量と低流量の2点でゼロスパン調整した時の差を示している。ここで、特性曲がりの判断に(1)式の値を用いて判断をする。
【0023】
【数1】

【0024】
Sは、特性曲がりの大きさを示す値で、この値の大きさで特性曲がりの大きさを判断し、a−bの範囲で、どこに特性曲がりが存在するかを判断する。このように、場所と大きさを特定することで、第1及び第2座標変換テーブルによって特性曲がり部近傍の分割数を決定することが可能となる。図8に示すように、Sが0.055以上となるa及びbがそれぞれa=60kg/h、b=220kg/hであるとき、60kg/hと220kg/hの間の格子分解能が2倍となるように座標変換テーブルで特性変換する。Sが0.055は流量誤差で約2%に相当する。aとbは、特性曲がりを覆うように決定する。aとbの間に特性曲がりが半分しか入らなかった場合にSを正しく計算できないからである。そのため、特性曲がりの大きさによってaとbの間隔が決まる。特性曲がりの大きさが大きい場合にはaとbの間隔が大きくなり、特性曲がりが小さいとaとbの間隔も小さくなる。
【0025】
また、第1及び第2座標変換でテーブルを用いる場合、図9に示すテーブルを用いる。特性曲がりの大きさを表すSから変換量Yが決定し、入力Xと変換量Yの関係を表すテーブルが複数のデータ(入力はx1〜xnまでn個、変換量はy1〜ynまでのn個)で構成されている。変換後の出力ΔYは、入力Xにテーブルによって算出された変換量Yを加えることで算出される。但し、テーブルのデータ数nが多ければ、補正精度が向上するが、PROM15内に書き込むデータ容量が増大してしまいコストが上昇してしまう。逆に、データ数nが少なければ、PROM15内に書き込むデータ容量が小さいため、コスト上昇を防ぐことができるが、補正精度が低下してしまう。そのため、テーブルに用いるデータ数nは、気体流量検出信号の特性曲がりの大きさや数から最適なデータ数に設定する必要がある。このテーブルを用いた手法にすることで、関数を用いた補正方法よりも演算処理量を小さくすることが可能である。
【0026】
以上、説明したように、本実施例では流量信号を特性変換することで、テーブルのデータ数を増やすことなく、かつ間隔を不等間隔にすることなく、局所的な曲がりを高精度に補正することができるので流量計測の精度を向上させることができる。
【0027】
また、本実施例は、図2に示す副通路7のように、主通路6に平行な形状だけでなく、図10に示す副通路7のような渦巻き状で、副通路入り口28から入った気体は副通路7に沿って気体流量検出素子4を通過し、副通路出口29から出ていく構造にも適応できる。さらには、渦巻き状以外にも図11に示すようなコの字形や図12に示すようなα形などの副通路でも実施することが可能である。
【0028】
なお、空気流量測定装置の実施例は、空気を測定する場合について説明したが、本発明は、空気以外の気体の流量を検出する場合にも適応できる。
【0029】
次に、第2の実施形態について図13を用いて説明する。第2の実施形態では、図13に示すように、第1の実施形態の気体温度の信号を用いたのに変え、基板温度の信号を用いたものである。気体温度信号Taを用いて温度依存誤差を補正している。しかし、気体温度検出素子1は、気体温度を検出するため、吸気流体に直接さらされるように、空気流量測定装置2の上流側に備えられている。気体温度検出素子1が断線した場合には、気体温度が検出できなくなるため、気体温度依存誤差補正ができなくなってしまう。そこで、集積回路21内には、基板5相当の温度を検出するための基板温度を検出するために集積回路内の温度センサ12が備え付けられており、この温度信号Tlを基に温度依存誤差補正を行う。温度依存誤差補正を行うために用いる温度信号は、気体温度検出素子1からの温度信号Taを用いるか基板温度を検出するための集積回路内の温度センサからの温度信号Tlを用いるかは、PROM15内にあらかじめ設定する情報によって切り替えることができる。このように、集積回路内の温度センサからの温度信号Tlを用いることで、気体温度検出素子を支えるターミナルが無くなり、断線することがなくなる。また、集積回路内の温度センサは吸気流体に直接さらされることがないため、気体温度検出素子のように汚損することがない。そのため、汚損による抵抗値の変化の影響を受けないので、温度特性の耐久変化を低減でき、精度が向上する。
【0030】
次に、第3の実施形態について図14を用いて説明する。第1及び第2の実施形態に対して座標変換がテーブルではなく、N次の関数を用いている。気体流量検出信号Qを第1座標変換によりQ1に変換する。この座標変換は、N次の関数で変換する。また、気体温度信号Tを第2座標変換によりT1に変換する。この座標変換もN次の関数を用いて変換する。図15に示すように、この第1座標変換と第2座標変換においてテーブルとN次関数の変換の組み合わせはいくつかある。第1座標変換、第2座標変換共にテーブルによる変換。第1座標変換はテーブルで第2座標変換はN次関数による変換。第1座標変換がN次関数で第2座標変換はテーブルによる変換。第1座標変換、第2座標変換共にN次関数による変換による補正ができる。補正テーブルもN次関数による補正もできるが、補正テーブルでは、気体流量検出信号の特性曲がりを関数で対応することが難しくテーブルで特性曲がり部の分解能が低下してしまう。それに対し、第1及び第2座標変換においては、それぞれ気体流量信号及び気体温度信号の非線形性を緩和するための変換であり、補正テーブルで特性曲がり部の分解能を向上させるための変換であるため、N次関数でも対応できる。第1座標変換がテーブルで第2座標変換がN次関数の場合、実施例1と同等に精度を向上することが可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 気体温度検出素子
2 空気流量測定装置
3 ボディ
4 気体流量検出素子
5 基板
6 主通路
7 副通路
8 空気の流れ
9 固定抵抗
10 デジタル信号処理DSP
11 アナログ−デジタル変換器AD1
12 集積回路内の温度センサ
13 アナログ−デジタル変換器AD2
14 アナログ−デジタル変換器AD3
15 PROM
16 デジタル−アナログ変換器DA1
17 フリーランニングカウンタFRC1
18 デジタル−アナログ変換器DA2
19 フリーランニングカウンタFRC2
20 発振器
21 集積回路
22 気体温度検出回路
23 レギュレータ
24 マルチプレクサMUX1
25 マルチプレクサMUX2
26 エンジンコントロールユニットECU
27 副通路入り口
28 副通路出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体流路中に配置される一又は複数の抵抗体に流れる電流又はこの電流に応じて発生する電圧を検出することにより前記気体流路中に流れる気体流量に応じた気体流量検出信号を出力する気体流量検出回路と、前記気体流路中の気体温度を検出するための気体温度検出素子あるいは集積回路内部に設けた基板温度を検出するための基板温度検出素子と、を有し、前記気体温度検出素子あるいは前記基板温度検出素子から得られる温度検出信号を基に前記気体流量検出信号の特性補正を行う気体流量測定装置において、
前記気体流量検出信号の目標特性からある一定量以上外れた特性曲がりを補正する信号変換手段を備えることを特徴とする気体流量測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の気体流量測定装置において、
前記信号変換手段は、
気体流量をQ、補正後の目標とする気体流量検出信号の出力特性と前記抵抗体の気体流量信号の出力をゼロスパンした値をΔYとし、
前記特性曲がりの探索領域の最小値をa、前記特性曲がりの探索領域の最大値をb、aとbの間の分割数をnとし、
aとbの間で分割した区間ごとのΔYとQの勾配の和を分割数で割った値とaとbの間で最もΔYが大きかったときの値をΔYmax、あるいは、aとbの間で最もΔYが小さかったときの値ΔYmaxの積をSとしたとき、
前記a及びbにより前記特性曲がりの場所を探索し、前記Sの大きさによって特性曲がりの大きさを判断し、前記Sの絶対値|S|の値が0.005以上のとき、前記a及びb及びSの値に応じて前記気体流量検出信号を|S|の値が0.055以下となるように補正する信号変換手段であることを特徴とする気体流量測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の気体流量測定装置において、
前記信号変換手段は、
前記気体流量検出信号の非線形性を緩和するための第1座標変換テーブルと、
前記温度検出信号の非線形性を緩和するための第2座標変換テーブルと有し、
前記座標変換された信号を元に補正行う補正テーブルを有する気体流量計測装置。
【請求項4】
請求項3に記載の気体流量測定装置において、
前記第1及び第2座標変換テーブルは、任意の分割数の等間隔テーブルであることを特徴とする気体流量測定装置。
【請求項5】
請求項2に記載の気体流量測定装置において、
前記気体流量測定装置は前記気体流量検出回路からの出力と前記気体温度検出素子からの出力信号をデジタル信号に変換し、それぞれの信号を補正した出力信号をアナログ信号に変換し出力する集積回路を備えることを特徴とする気体流量測定装置。
【請求項6】
請求項3に記載の気体流量測定装置において、
前記補正テーブルに用いる気体温度検出信号は、前記気体温度検出素子からの気体温度信号であることを特徴とする気体流量測定装置。
【請求項7】
請求項3に記載の気体流量測定装置において、
前記補正テーブルに用いる気体温度検出信号は、前記集積回路内に備えられた基板温度センサからの温度信号であることを特徴とする気体流量測定装置。
【請求項8】
請求項2に記載の気体流量測定装置において、
デジタル信号に変換された前記気体温度検出信号および前記集積回路内に備えられた基板温度センサからの基板温度検出信号および前記気体流量検出回路からの気体流量検出信号が入力され、入力されたデジタル信号に基づいて補正演算処理を行うことを特徴とする気体流量測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−76601(P2013−76601A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215905(P2011−215905)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】