説明

気体透過性無菌栓

【課題】気体透過性無菌栓を提供すること。
【解決手段】スリーブ(64)を形成するために一緒に接合された複数のパネル(12〜18)を有する容器(10)。パネル(12〜18)は、それぞれ、末端を有し、これは、協同して、スリーブ(64)の一端で、想像面(P)を規定する。容器(10)は、さらに、末端パネル(20、22)を有し、これらは、スリーブ(64)の一端で、パネル(12〜18)に連結されている。末端パネル(20、22)は、少なくとも、想像面(P)を超えて伸長している部分を有する。容器(10)を支持するために、支持ボックス(100)が設けられている。容器(10)はまた、ポート栓(300)を備えており、これは、滅菌および気体透過性の両方の障壁を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、可撓性容器に関し、さらに特定すると、大容量の三次元可撓性容器に関する。
【背景技術】
【0002】
液体(例えば、治療流体、または他の医療用途で使用する流体)を出荷し保存し配達するのに使用される容器は、しばしば、1層または複数層の高分子材料から製作される。これらの材料は、典型的には、シート形態である。これらの材料の2枚のシートは、重ね合わせる関係で置かれ、重ね合わせるシートは、それらの周辺で結合されて、これらの流体を含有させるチャンバまたはパウチを規定する。これらの種類のバッグは、典型的には、二次元可撓性容器、フラットバッグ(書類封筒)または「ピローバッグ」と呼ばれている。米国特許第4,968,624号(これは、Bacehowskiらに発行され、本出願の譲受人であるBaxter International Inc.に譲渡された)(「Bacehowski」)は、大容量の二次元可撓性容器を開示している。これらの種類のバッグは、600リットル程度に大きい容量を達し得る。
【0003】
600リットルは、可撓性容器には相当な量であるものの、さらに大きい容量の可撓性容器を提供することが、ますます必要とされている。これにより、三次元可撓性容器(これらは、時には、「立方バッグ」と呼ばれている)が開発された。
【0004】
このような容量の三次元可撓性容器の設計および使用では、特定の問題に遭遇する。これらの容器で保持される液体の大容量は、その容器の継ぎ目に液圧を加え、これは、支持されていない状態なので、容器の故障を引き起こすのに十分であり得る。実際、このような大きい容器は、水または他の液体で満たすと、3000ポンドを超える重さになり得る。このような液体容量に付随した力により、この容器の継ぎ目は、損傷または破裂を引き起こし得、従って、容器に漏れが起こる。この容器によって保持される液体は、商品溶液ではなく、無菌の特注処方した溶液であり得る。従って、非常に僅かな漏れでさえ、どこかの継ぎ目が破裂して容器の全内容物の無菌性が損なわれるという点で、費用がかかり得る。また、容器継ぎ目が損傷すると、事実上、その容器から数百リットルの液体が漏れ得る。これは、この容器の失われた液体内容物を取り替える点で、費用がかかる。掃除の費用もまたかかる。
【0005】
これらの大容量の三次元可撓性容器は、そのまま直立するように向けられておらず、むしろ、剛性または半剛性支持容器(これは、通例、ボックスまたはタンクと呼ばれている)で支持されるように設計されている。このボックスは、種々の材料(通例、ステンレス鋼)から作製できる。このステンレス鋼材料では、生来、このボックスの中を見ることができない光学的障害物である。典型的には、オペレータは、このボックスを上部から見下ろさなければならない。このボックスは、オペレータがボックスの内側を見ることができるように、側壁にアクセスドアを有し得る。しかしながら、このドアは、大きさが非常に小さく、そのボックス内の可撓性容器を十分に見ることができない。これらの側壁は、その容器内の液体レベルを決定できるように、一連の小さい視界開口部を有し得る。しかしながら、同様に、これらの小さい視界開口部では、このボックス内の容器を十分に見ることができない。
【0006】
必然的に、このボックスおよび可撓性容器は、一定の相互作用を有する。満たした可撓性容器は、その負荷および付随した力を、含有された液体からボックスへと移動することが望ましく、その結果、その可撓性材料(特に、この容器の継ぎ目)によって運ばれる負荷は、最小(好ましくは、ゼロ)になる。また、この容器の継ぎ目は、「クリープ」が原因の容器の損傷(これは、小さいが連続した張力が原因の密封完全性の損失と呼ばれている)を防止するように、十分に支持するのが望ましい。
【0007】
これらの容器の大きさのために、このボックス内で容器を正しく整列することは、困難であり得る。最初に正しく整列している間、この可撓性容器は、その容器充填プロセスの間に、位置がずれて、誤整列となり得る。もし、誤整列となると、この容器は、好ましくない折り目を有し得、これらは、そのバッグを満たすとき、正しく膨張しない。誤整列から起こるこのような容器の折り目により、その容器の継ぎ目に過度の応力がかかり得、容器が損傷する。
【0008】
例えば、この容器に液体を満たすにつれて、その容器は、膨張して、それを取り囲むボックスに適合する。理想的には、この容器は、容器に襞が付き得るものの、このボックスの内壁にできるだけ近づいて適合する。適切な時点では、この液体は、この容器から排出それ、ここで、その容器は、崩壊する。この容器は、支持されていないなら、水平に襞を付けて崩壊する傾向にある。これらの襞は、その容器内に液体を取り込むことができ、それゆえ、容器が十分に排水できなくなる。ある場合には、この容器は、一旦排水されると、その目的を果たし、次いで、捨てられる。他の場合には、この容器は、さらに大きいプロセスの一部として、補充され得る。これらの場合、この容器に水平に襞が付くと、この補充プロセス中にて、望ましい再整列を制限し得る。この結果、配向がうまくいかなくなるか、この容器の有効容量の損失が起こり得る。それはまた、この容器の不十分な支持を引き起こし得る。それゆえ、また、この排水プロセスおよび充填プロセスを最適にするために、このボックス内にて、この容器を垂直に支持することが望ましい。このボックス内での容器の垂直支持は、その容器を二度目に満たすとき、特に重要である。
【0009】
特許文献1は、生物薬剤流体製品用のにおい袋に関する。このにおい袋は、三次元容器であるのに対して、その容器は、容器の側面間で、最適な角度の構成を有しない。これは、このような容器がそれを取り囲むボックスでいかにして支持できるかに影響を与える。従って、この容器の最適な充填、排水および再充填は、達成できない。
【0010】
一部の大容量可撓性容器は、しばしば、剛性または半剛性のチューブを使用し、これらは、この容器の充填および排水で用いられ、しばしば、「ディップチューブ」と呼ばれている。このディップチューブは、この容器の上部に装着され、容器の内部下面へと下方に伸長している。このディップチューブは、テントの支柱のように、排水中の容器の上部パネルの中心部を支持する。この形状では、このディップチューブは、容器の排水中にて、垂直の襞を作り出し、また、容器の再充填展開が可能となる。
【0011】
しかしながら、このディップチューブは、いくつかの欠点がある。第一に、このディップチューブは、この容器のフットプリント形状が円形よりも複雑であるなら、その容器の遠位垂直面を配向できない。それに加えて、この容器を排水するにつれて、その容器の壁は、その中心に向かって集中して、事実上、非迎合的なディップチューブに対する圧縮負荷を作り出す。これらの圧縮力は、いくつかの問題を引き起こし得る。このディップチューブは、それ自体、これらの力の下で、曲がることができる。このディップチューブと容器の上部との間の密封は、損なわれ得る。このディップチューブの下部もまた、この容器の底を破裂し得る。ディップチューブ構造を使用すると、また、その容器システムの費用が高くなる。それに加えて、ディップチューブには、また、しばしば、容器通気孔が付随しており、入来する空気は、その容器材料を崩壊する代わりに、流体で置き換えることができる。最後に、このディップチューブはまた、その容器の内容物に、他の様式で汚染物が入るおそれがある。それゆえ、依然として、このボックス内の容器用の垂直支持システムであって、ディップチューブおよび通気孔で容器をさらに複雑にすることなく、排水および再充填の要求を検討することが必要とされている。
【0012】
これらの大容量の容器はまた、典型的には、1個またはそれ以上のポートを備え付けており、これらは、この容器内の流体にアクセスするポート栓を備えている。この容器は、下部パネルにおいて、このポートを有し得、これは、容器の方へと通じる。しばしば、このポート栓は、チューブを含み、これは、一端がポートに連結されている。この容器は、しばしば、医療用途および生物工学用途で使用されるので、このポート栓は、このチューブの他の自由端が汚染されないように維持する手段を含まなければならない。言い換えれば、このチューブの自由端は、このチューブおよび容器に潜在的な汚染物が入るのを防止する無菌閉合を備え付けなければならない。しかしながら、また、取扱および設置中の容器の操縦がし易くなるので、この容器に空気を入れることも望ましい。
【0013】
このチューブの自由端で無菌閉合を設けるには、2つの一般的なアプローチがある。第一には、このチューブの自由端は、密封して閉じることができる。この用途では、その配管は、熱可塑性材料、例えば、PVCまたはポリエチレン(これにより、その材料の密封が可能となる)から選択されなければならない。この材料は、熱で密封できるか、または他の密封エネルギー(例えば、高周波または超音波)を使用して密封できる。この容器を使用する製造プロセス用途では、シリコーンチューブを使用することが望ましい。例えば、この容器から流体がポンプ上げできるように、その配管には、長時間にわたって、ポンプが連結できる。このシリコーン配管はまた、特に、このチューブの末端を蒸気適所(S.I.P.)方法を使用して滅菌するとき、高温に耐える性能を有する。しかしながら、密封シリコーンチューブを使用する際に存在する1つの問題には、無菌閉合を設ける際に、気体が自由に通過できないことにある。取扱および設置中に容器を操縦し易くするために、気体の移動(通気)が望ましい。それに加えて、密封チューブを有する容器にアクセスするために、オペレータは、鋭い器具(例えば、ナイフ、刃物、またはチューブを開く他の切断器具)を使用しなければならない。これにより、このチューブが汚染する機会ができ、また、オペレータが傷つく危険もたらす。
【0014】
このチューブの自由端で無菌閉合を設ける第二のアプローチには、成形部品(例えば、射出成形部品またはステンレス鋼継手)を使用することがある。その配管は、この部品または継手に取り付けられ、次いで、この部品または継手は、他の噛み合い射出成形部品または継手で覆われる。密封チューブアプローチと同様に、このような取付具は、無菌閉合を与えるが、無菌性を失うことなく、気体の移動を生じない。それに加えて、射出成形部品またはステンレス鋼継手を使用すると、費用がかかる。
【0015】
本発明は、これらの問題点および他の問題点を解決するために、提供されている。
【特許文献1】米国特許第5,988,422号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0016】
(発明の要旨)
本発明は、容器に関し、特に、大容量の三次元可撓性容器に関する。
【0017】
本発明の第一局面によれば、複数のパネルを共に接合してスリーブを形成した容器が提供される。該パネルは、それぞれ、末端を有し、該末端は、該スリーブの一端にて、想像面を規定するように、協同する。該容器は、さらに、末端パネルを有し、該末端パネルは、該スリーブの一端で、該パネルに連結されている。該末端パネルは、該想像面を超えて伸長している少なくとも1個の部分を有する。本発明の他の局面によれば、該パネルは、多角形スリーブを形成する。該末端パネルの一部は、該スリーブから外向きに伸長している。あるいは、該部分は、該スリーブから内向きに伸長している。
【0018】
本発明のさらに他の局面によれば、無菌状態で維持するべき流体を含有できる大容量可撓性容器が提供される。該容器は、第一パネル、第二パネル、第三パネルおよび第四パネルを有し、これらは、共に連結されて、略立方構造を形成する。該第一パネルは、中心セグメントを有し、該中心セグメントは、末端セグメントに隣接している。該中心セグメントは、長手縁部を有し、該末端セグメントは、テーパー状縁部を有し、該テーパー状縁部は、該長手縁部から伸長している。該長手縁部と該テーパー状縁部との間では、角度が規定される。該角度は、約135.01°〜約138°の範囲である。最も好ましい実施形態では、該角度は、136°である。該角度は、容器10のパネルが共に溶接されるとき、維持される。
【0019】
本発明のさらに他の局面によれば、該三次元可撓性医療容器(これには、流体が満たされる)を支持する支持容器またはボックスが提供される。該ボックスは、フレームを含み、該フレームは、上部および下部を有する。該フレームは、複数の側壁を有し、該側壁は、それらの末端で共に連結されてその中でチャンバを形成する。該フレームは、さらに、床を有し、該床は、該下部から間隔を開けて配置されている。該チャンバは、該可撓性医療容器を収容する大きさであり、ここで、該容器の底壁は、該床により支持され、そして該容器の該側壁は、該フレームの側壁により支持される。各側壁は、略透明パネル(好ましくは、ポリカーボネートパネル、例えば、LexanTM)を支持する。
【0020】
本発明の他の局面によれば、前記ボックス内で支持された容器の垂直支持を与えるハンガーシステムが提供される。該ボックスの上部には、支持部材が連結されている。複数の従属部材を有するハンガーが提供され、該従属部材は、該容器の末端パネルに連結されるように適合されている。該ハンガーは、該支持部材に連結されている。好ましい実施形態では、該ハンガーは、第一部材および第二部材を含み、該部材は、実質的にそれらの各中央点で共に連結されて、x形状部材を形成する。各従属部材は、該ハンガー部材の末端に旋回的に連結されるように適合されている。
【0021】
本発明のさらに他の局面によれば、前記容器用のポート栓が提供される。該ポート栓は、該ポートに無菌気体透過性障壁を設ける手段を提供する。1実施形態では、該ポート栓は、連絡部材を有し、該連絡部材は、第一末端および第二末端を有し、該第一末端は、該容器と連絡するように適合されている。該連絡部材の該第二末端には、ストップ部材が挿入され、ここで、該ストップ部材は、多孔性材料から作製される。カバー部材が提供され、これは、該連絡部材の該第二末端を収容する。該カバー部材は、該連絡部材に取り外し可能に固定されている。好ましい実施形態では、該連絡部材は、チューブであり、該チューブは、熱可塑性材料から作製される。該ストップ部材は、プラグである。該パウチおよび該連絡部材の周りには、弾性バンドが包まれ、該カバー部材を該連絡部材に取り外し可能に固定している。該ポート栓には、タンパーエビデント機構もまた、取り込むことができる。
【0022】
本発明は、さらに以下を提供する。
(項目1)
ポートを有する容器用のポート栓であって、該栓は、以下の部分:
該ポートに無菌気体透過性障壁を設ける手段、
を含む、ポート栓。
(項目2)
容器用の無菌気体透過性ポート栓であって、該栓は、以下の部分:
連絡部材であって、該連絡部材は、第一末端および第二末端を有し、該第一末端は、該容器と連絡するように適合されている、連絡部材;
ストップ部材であって、該ストップ部材は、該連絡部材の該第二末端に挿入され、そして多孔性材料から作製される、ストップ部材;
カバー部材であって、該カバー部材は、該連絡部材の該第二末端を収容し、そして該連絡部材に取り外し可能に固定されている、カバー部材、
を含む、ポート栓。
(項目3)
前記連絡部材が、チューブである、項目2に記載のポート栓。
(項目4)
前記チューブが、熱可塑性材料から作製される、項目3に記載のポート栓。
(項目5)
前記ストップ部材が、プラグである、項目2に記載のポート栓。
(項目6)
前記ストップ部材が、微小孔疎水性材料から作製される、項目2に記載のポート栓。
(項目7)
前記ストップ部材が、微小孔ポリエチレンから作製される、項目2に記載のポート栓。
(項目8)
さらに、弾性バンドを含み、該弾性バンドが、前記パウチおよび前記連絡部材の周りに巻かれ、該カバー部材を該連絡部材に取り外し可能に固定している、項目2に記載のポート栓。
(項目9)
前記弾性バンドが、前記カバー部材から離れるように前記チューブを転がることができ、ここで、該カバー部材が、前記連絡部材の前記第二末端から引き離され得る、項目8に記載のポート栓。
(項目10)
前記パウチが、第二部材と連絡された第一部材を含み、該部材が、引き離されて、前記連絡部材の前記第二末端で、前記ストップ部材を露出できる、項目2に記載のポート栓。
(項目11)
前記第一部材が、紙から作製され、そして前記第二部材が、セロファンから作製される、項目10に記載のポート栓。
(項目12)
さらに、弁を含み、該弁が、前記第一末端と前記第二末端との間で、前記連絡部材内で位置付けられている、項目2に記載のポート栓。
(項目13)
さらに、タンパーエビデントストリップを含み、該タンパーエビデントストリップが、前記カバー部材および前記連絡部材の周りに巻かれている、項目2に記載のポート栓。
(項目14)
ポートを有する容器用の無菌気体透過性ポート栓であって、該栓は、以下の部分:
チューブであって、該チューブは、第一末端および第二末端を有し、該第一末端は、該ポートと連結されるように適合されている、チューブ;
プラグであって、該プラグは、該チューブの該第二末端に挿入され、該プラグは、気体透過性多孔性材料から作製される、プラグ;
カバーであって、該カバーは、第一部材および第二部材を有し、該チューブの該第二末端は、該部材間に位置付けられ、該部材は、それらの各周端で、共に密封されている、カバー;および
弾性バンドであって、該弾性バンドは、該カバーおよび該チューブの周りに巻かれている、弾性バンド、
を含む、ポート栓。
【0023】
本発明の他の長所および局面は、図面および発明の詳細な説明の以下の説明を読むと、明らかとなる。
【0024】
(詳細な説明)
本発明は、多くの異なる様式の実施形態が可能であるものの、本発明の開示が本発明の原理の1つの例示と見なされるべきであり本発明の広範な局面を例示の実施形態に限定するようには解釈されないことを理解して、本発明の好ましい実施形態が図面で示され本明細書中で詳細に記述されている。
【0025】
図面を参照すると、図1は、本発明に従って作製した容器を示し、これは、一般的に参照番号10で示されている。容器10は、三次元容器であり、これは、大容量の流体を保持できる。図1で示した容器10は、約200リットルの流体を保持する。しかしながら、容器10は、種々の大きさで作製できる。例えば、図2は、約500リットルの流体を保持する大きさにした容器10を示し、また、図3は、約1500リットルの流体を保持する大きさにした容器10を示す。容器10は、独特の形状を有し、これは、容器10内に保持された流体から発生する液圧により引き起こされる容器10に対する継ぎ目応力を減らす。
【0026】
図1で示すように、容器10は、三次元であり、一般に、矩形を有し、これは、6側面を有し、時には、4側面と2端面とを有すると言われる。
【0027】
容器10は、一般に、以下の4枚のパネルから形成される:第一パネル12(すなわち、上部パネル12)、第二パネル14(すなわち、下部パネル14)、第一側面ガセットパネル16および第二側面ガセットパネル18。これらの壁12〜18は、この容器の4枚のパネルを形成し、各壁の末端部は、協同して、三次元容器10の残りの2枚のパネル(第一ガセット末端パネル20および第二ガセット末端パネル22)を形成する。容器10の構造を示すために、第一に、個々の壁が記述され、次いで、これらの壁の間の連結が記述されている。
【0028】
図5は、第一パネル12(すなわち、上部パネル12)の平面図を示す。第二パネル14(すなわち、下部パネル14)は、類似の構造を有し、個々には記述されていないことが分かる。上部パネル12は、一般に、中心セグメント24、第一末端セグメント26および第二末端セグメント28を有する。折り目線FLは、中心セグメント24と末端セグメント26、28との間の界面を表わす。末端セグメント26、28は、折り畳まれ、他のパネルの末端セグメントと協同して、以下でさらに詳細に記述するように、協同的に、末端パネル20、22を形成する。
【0029】
図5でさらに示すように、上部パネル12は、第一周端30および第二周端32を有する。各周端30、32は、中心セグメント24に長手部分34を有し、第一末端セグメント26および第二末端セグメント28にテーパー状部分36を有する。各末端セグメント26、28では、テーパー状部分36は、互いに向かって集中しているが、合流しない。むしろ、テーパー状部分36は、末端部38と合流する。以下でさらに詳細に記述するように、周端30、32の長手部分34は、角度Aで、テーパー状部分36と合流する。同様に、テーパー状部分36と折り目線FLとの間には、角度Bが存在している。容器10の継ぎ目強度を最適化する角度AおよびBの好ましい測定は、以下でさらに詳細に記述する。上部パネル12は、もし望ましいなら、ポート40を含むことができる。下部パネル14もまた、ポート40を有し得る。追加ポート41もまた、設けることができる(図1)。容器10の任意のパネルには、ポートが設置できることが分かる。
【0030】
図6は、第一側面ガセットパネル16の平面図を開示している。第二側面ガセットパネル18は、類似の構造を有するので、別々には記述されていないことが分かる。第一側面ガセットパネル16はまた、ガセット中心セグメント42、第一ガセット末端セグメント44および第二ガセット末端セグメント46を有する。折り目線FLは、ガセット中心セグメント42とガセット末端セグメント44、46との間の界面を表わす。ガセット末端セグメント44、46は、折り畳まれ、上部パネルおよび下部パネル12、14の末端セグメント26、28と協同して、以下でさらに詳細に記述するように、協同的に、末端パネル20、22を形成する。
【0031】
図6でさらに示すように、ガセットパネル16は、第一周端48および第二周端50を有する。各周端48、50は、中心セグメント42に長手部分52を有し、第一ガセット末端セグメント44および第二ガセット末端セグメント46にテーパー状部分54を有する。各ガセット末端セグメント44、46では、テーパー状部分54は、互いに向かって集中しており、点56で合流している。開示されているように、ガセットパネル16、18は、このパネルの略中心線で、ガセット折り目GFを有する。パネル16、18は、ガセット折り目GFで、内向きに折られる。
【0032】
容器10を三次元形態に構成する際には、パネル12〜18の周端は、一般に、当該技術分野で公知の適切な手段(例えば、熱エネルギー、RFエネルギー、音波または他の密封エネルギー)により、接合される。第一および第二ガセット側面パネル16、18は、上部パネル12および下部パネル14と間隔を開けるように位置付けられる。上部パネル12の周端は、継ぎ目を形成するように、ガセット側面パネル16、18の各周端に密封される。同様に、下部パネル14の周端は、ガセット側面パネル16、18の対向周端に密封される。具体的には、例えば、上部パネル12の周端30は、第一ガセットパネル16の周端48に密封され、ここで、各長手部分34、52は、共に密封されて、側面継ぎ目60を形成し(図1)、各テーパー状部分36、54は、共に密封されて、末端パネル継ぎ目62を形成する。この様式で、図1で示すように、可撓性容器10は、略三次元矩形で形成される。パネル12〜18の中心セグメント24、42は、容器10の側面を形成する。第一および第二パネル12、14の末端セグメント26、28およびガセット側面パネル16、18の末端セグメント44、46は、協同して、ガセット末端パネル20、22を形成する。この形状では、末端セグメント26、28、44、46は、末端パネル20、22を形成する連結部材として働く。これらの末端セグメントは、互い向かって集中し、ある点、線または多角形で合体するように構成できる。好ましい実施形態では、これらの末端セグメントは、線に集中する。さらに、容器10は、任意数N個の側面を有する多角形に構成できることが分かる。さらに、個々のパネルは、複数の別々のパネル(これらは、共に連結されて、容器10のパネルを形成する)から構成できることが分かる。これは、例えば、容器10を図3で示した1500L容器よりも大きくする際に、行われ得る。
【0033】
三次元容器の典型的な構成では、角度Bは、45°であり、これは、周端30、32の長手部分34とテーパー状部分36との間で、135°の角度Aを作り出す(図5)。これにより、末端パネル20、22がパネル12〜18の中心セグメント24、42と大体垂直な構造が得られる。本発明の容器10では、角度Aは、135°から、約135.01°〜138°の範囲内まで高くなる。最も好ましい実施形態では、角度Aは、約136°である。この角度を大きくすることにより、ガセット末端パネル20、22では、さらに多くの材料が供給される。図4で示すように、この余分な材料により、末端パネル20、22は、中心セグメント24、42から外向きに伸長でき、「ペントルーフ」を提供する(図2、4および7を参照)。図4でさらに示すように、パネル12〜18は、共に連結するとき、スリーブ64を形成する。好ましい実施形態では、スリーブ64は、矩形の平行パイプ形状である。これらのパネルは、それぞれ、末端63を有し、これは、折り目線FLで、中心セグメント24、42の末端に対応している。末端63は、スリーブ64の末端で、想像面Pを規定する。末端パネル20、22は、少なくとも1個の部分を有し、これは、想像面Pを超えて伸長する。最も好ましい実施形態では、この末端パネルは、このスリーブと連続しており、全末端パネル20、22は、想像面Pを超えて伸長している。この形状では、スリーブ64の末端は、折り目線FLで表わされる。この伸長して形状を使うと、容器10を液体で満たすとき、末端パネル継ぎ目62にかかる応力が減る。これはまた、さらなる応力が容器10の他の部分に移動するのを防止する。
【0034】
図8および9は、図1および2で示すような容器10(例えば、水平に配置した容器10)の充填方法を開示している。最初に明瞭にするために、容器10は、支持ボックス(描写される予定である)に位置付けた後に液体で満たされることが分かるものの、容器10は、このボックスから出して示されている。容器10は、このボックスの基部と接してパネル14と水平に位置付けられる。容器10は、平らにされており、ここで、第一および第二ガセット側面パネル16、18は、図8では伸長して示されているものの、容器10に内向きに折り畳むことができる。ガセット末端パネル20、22は、この容器が支持ボックス内にあるとき、上部パネル12の頂部に折り畳まれる。この形状では、この容器は、容易に満たされる。図9で示すように、容器10を満たすとき、ガセット側面パネル16、18は、展開し始める。各パネル16、18が、垂直ガセット折り目とは反対に、単一の水平折り目GFを有するので、パネル16、18がボックスに引っ掛かって十分に展開しない可能性が少ない。もし、パネル16、18がボックスに引っ掛かるなら、容器10が完全には膨張できず、これにより、容器10の充填および輸送中にて、その容器継ぎ目に過度の応力がかかり得る。図9は、容器10を部分的に充填して示している。
【0035】
図2は、他の容器10を開示しており、これは、約500リットルを保持するように設計されている。図3は、さらに大きい容器10を開示しており、これは、約1500リットルを保持するように設計されている。図3で示した大きさの容器10では、時には、ガセット末端パネル20、22が容器10の上部および下部にあるように、この容器を構成するのが望ましい。この形状の容器は、高さが15フィートにもなり得る。これにより、容器10は、フットプリントが小さくなり、これは、望ましく、標準パレット上で運ぶことができる。垂直フットプリントもまた、この容器が占める床空間ができるだけ小さくなり、これは、大量の容器を保存するのに重要であり得る。容器10は、略矩形のフットプリントを有し、これは、同じ高さの略円筒形容器よりも大きい全容量を与える。垂直配置の容器10(図3)では、末端パネル20、22の1枚は、下部パネル(例えば、図3で示した末端パネル20)と呼ばれ得る。
【0036】
本発明の容器10は、それ自体で支持するようには設計されておらず、むしろ、支持容器100(すなわち、剛性ボックス100)で支持される。図10〜12は、容器10を支持するボックス100を開示している。図10〜12で開示されたボックス100は、図3で示したような垂直配置で容器10を支持するように設計されているものの、ボックス100は、水平形状で容器10を支持するように構成できることが分かる。このボックスは、外部フレームを有し、これは、複数のフレーム部材102から構成される。フレーム部材102は、共に連結されて、前壁104、後壁106および2個の側壁108、110を形成する。壁104〜110は、共に連結されて、チャンバを形成し、これは、略正方形または矩形の断面を有する。各壁104〜110は、これらの壁に剛性を加えるために、垂直部材112および交差部材114を有する。垂直部材112の下部は、支持床表面で静止するように適合されている。各壁104〜110のフレーム部材102は、パネル113を支持する。最も好ましい実施形態では、これらのパネルは、透明ポリカーボネートパネル(例えば、LexanTMパネル)である。壁104〜110およびパネル113のフレーム部材102は、協同して、ボックス100の側面パネルと呼ばれている。前壁104は、ドア105を有し、これは、前壁104に取り外し可能に連結されている。ドア105により、ボックス100内に配置された容器10を満たす前に、ボックス100の内側にアクセスできるようになる。ボックス110は、さらに、底壁116を有し、これは、底壁116が支持床表面から僅かに隆起するように、垂直部材112の下部から内向きに位置付けられる。底壁116は、第一開口部118および第二開口部120を有する。これらの開口部118、120は、容器10に位置しているポート40、41に対応している。開口部118、120は、容器10がボックス100内に正しく位置するのを助ける。ボックス100の上部は、開いており、可撓性容器10を収容するように設計されている。可撓性容器10をボックス100に挿入するとき、この容器に連結された排出ポートおよびホース(例えば、図20を参照)は、第一開口部118を通って給送される。容器10はまた、第二ポート41(これは、閉じられ得る)を有し、これは、第二開口部120に挿入され、容器10をボックス100内でさらに正しく位置するのを助ける。容器10は、容器10の下部パネル20が底壁116で支持されるように、また、容器10の下部パネル20の隅が実質的に底壁116の隅で位置するように、位置付けられる。次いで、容器10は、記述のハンガーシステムに連結され、次いで、充填する準備が出来ている。
【0037】
図10〜17は、本発明に従って使用されるハンガーシステム150を開示している。ハンガーシステム150は、容器10の充填および排出を最適にするために、容器10の空の上部を支持するのに使用される。明瞭にするために、図13、15および16では、ボックス100の一部だけが示されている。ハンガーシステム150は、一般に、ハンガー152、支持部材154、ケーブル156および釣り合いおもりシステム158を含む。
【0038】
図13で示すように、ハンガー150は、第一部材160および第二部材162を有し、これらは、実質的にそれらの各中央点で共に連結されて、x形状部材を形成する。部材160、162間の角度は、望ましいように変えることができる。好ましい1実施形態では、角度Aは、約70°であり、そして角度Bは、約110°である。第一部材160は、第一末端164および第二末端166を有する。第二部材162は、第一末端168および第二末端170を有する。ハンガー150は、延展部材として働き、ここで、部材160、162の末端は、可撓性容器10の末端パネルまたは上部パネル22の上で展開する。各末端164〜170は、従属部材172を有し、これは、そこから下向きに伸長している。好ましい実施形態では、従属部材172は、第一部材160および第二部材162と旋回可能に連結されている。この旋回的な連結により、下記のように、この排出プロセスおよび充填プロセスにおいて、利点が得られる。従属部材172は、それぞれ、突出部を有し、これは、容器10に連結されたアイレット173に収容されて、容器10をハンガー152から吊す。好ましい実施形態では、図7で示すように、アイレット173は、充填容器10の外側隅Cから測定されるように、この継ぎ目の長さの35%と65%の間の対角線継ぎ目に沿って、位置している。ハンガー部材160、162は、異なる大きさの容器10を収容するように、異なる長さを有し得ることが分かる。ハンガー152は、クモ形支持体形状を与え、これは、容器10がボックス100の側面パネルのLexanTMパネル113に接して襞を最小量にして、流体で満たされるように容器10を広げる。さらに、ハンガー152の部材および従属部材の数は、容器10および所望の吊し形状の大きさに依存して、変えることができることが分かる。
【0039】
図11および12で示すように、支持部材154は、一般に、オーバーヘッド支持ブラケット154である。支持ブラケット154は、第一ポート174および第二ポート176を有し、これらは、クロスレール178で連結されている。第一ポート174は、ボックス100の上部の一面に連結され、そして第二ポスト176は、ボックス100の上部の対向面に連結されている。それゆえ、クロスレール178は、ボックス100の開放上部の上に架かる。その最も簡単な形状では、容器10は、ケーブル156(これは、ハンガー156と支持部材154との間で連結されている)により、ハンガー152から吊されるように適合されている。
【0040】
釣り合いおもりシステム158は、一般に、第一滑車180、第二滑車182および釣り合いおもり184を含む。釣り合いおもりシステム158により、容器10の上部にかかる張力を調節できるようになる。第一滑車180は、クロスレール178に連結されており、そして第二滑車182は、ボックス100の側面に連結されている。ハンガーシステム150は、ケーブル156の第一末端186がハンガー152に連結されケーブル156の第二末端188が釣り合いおもり184に連結されるように、連結される。釣り合いおもり184は、ボックス100の外側に隣接して吊されている。ケーブル156は、第一滑車180および第二滑車182を通り過ぎる。ハンガーシステム150は、可撓性容器10の上部に上向きに付勢力を加える。釣り合いおもり184の重量を変えることにより、容器10の容量を維持して、容器10にかかる張力が調節できる。
【0041】
図15および16は、容器10のハンガーシステムの代替実施形態を開示している。図15は、ハンガー202を有するハンガーシステム200を開示している。ハンガー202は、複数のケーブル204を有し、これらは、ハンガー202から垂れ下がっており、容器10に連結されている。ハンガー202は、もつれを防止するために、ケーブル204を展開するように作用する。ハンガーシステム200は、支持部材154から吊され、釣り合いおもりシステム158を有する。図16は、他のハンガーシステム210を開示している。ハンガーシステム210は、第一可撓性部材212および第二可撓性部材214を有し、これらは、実質的にそれらの各中央点で共に連結される。可撓性部材212、214の末端は、容器10に連結されるように適合される。可撓性部材212、214は、曲線形状を有する。ハンガーシステム210は、支持部材154から吊され、また、釣り合いおもりシステム158を利用する。容器10を最初に吊すとき、部材212、214は、下向きにU形状に曲がる。容器10を充填している間、部材212、214は、この容器の上部パネルが垂直配置から水平配置へと移行するにつれて、真っ直ぐになる。本発明のハンガーシステムのハンガーは、例えば、1隅あたり少なくとも1つの連結を備えたN個の側面の多角形フットプリントと併用するために、追加部材を含むように改良できる。
【0042】
図26および27は、容器10のハンガーシステムの追加実施形態を開示している。図26は、バネアセンブリ400を開示しており、これは、バネボックス100の上部に取り付けられ、概略的に示されている。バネアセンブリ400は、ロッド402を有し、これは、ロッド402から伸長してそこに連結されているコード404を有する。ロッド402は、これらのコードをロッド402に巻き付けるように、回転可能に偏っている。これにより、容器10には、上向きの付勢力が生じる。図27で示すように、2個のバネアセンブリ400もまた、提供できる。さらに、望ましいとき、追加バネアセンブリ400も使用できることが分かる。
【0043】
さらに、容器10に上向きの付勢力を与えるために異なる形状を有するハンガーシステムが可能であることが分かる。例えば、ボックス100と容器10との間では、バネが使用できる。この容器に上向き力を加えるには、他の弾性部材が設計できる。ボックス100には、共軸様式で、他のボックスが使用でき連結できる。容器10の上部に上向きの付勢力または張力を加えるには、これらの2個の共軸ボックス間にて、シリンダアセンブリが連結できる。
【0044】
一旦、容器10がボックス100に設置されハンガーシステム150を使用して吊されると、容器10は、満たすことができる。流体は、例えば、蠕動ポンプ(図示せず)(これは、ボックス100の側面部に装着できる)を使用して、ポンプ上げされる。このポンプは、容器10の下部パネル20にあるポート40に装着されたポートホースを通って、流体をポンプ上げする(図3)。ハンガーシステム150は、ボックス100の側面パネルに接した容器10の襞が最小量になるように、ボックス100内で、容器10を均一に吊すのを助ける。また、ハンガーシステム150により、ボックス100の底床116の輪郭に沿って、容器10の下部パネル20を十分に展開できるようになる。容器10を引き続いて満たすにつれて、容器10の側壁は、ボックス100の側壁パネルに接して、実質的に均一に展開する。容器10がその全容量に近くなるにつれて、旋回従属部材172は、容器10の上部パネル22が略垂直配置から実質的に水平な配置へと移行するにつれて、旋回する。
【0045】
一旦、満たされると、容器10は、例えば、次のプロセスの一部として、装着する準備が出来る。このようなプロセスでは、さらに別の処理のために、この流体を他の位置に送達するために、容器10を排水する必要があり得る。この状況において、ポンプは、流体を容器10からポンプ上げする。容器10から流体をポンプ上げするにつれて、釣り合いおもり184は、この排水プロセスを助けるために、容器10に対する上向き付勢力を維持する。図17a〜17eは、ハンガーシステム150によって垂直に支持された垂直配置での可撓性容器10の排水プロセスを概略的に開示している。図17a〜17cで示すように、可撓性容器10は、容器10が排水されるにつれて、ボックス100から引き離れる。容器10は、従属部材172との連結点の位置のために、容器10の最も外側の隅で崩壊し始める。得られる形状は、尖っており、空の容器10の容量減少は、内向きに尖った折り目襞により、規定される。図17dおよび17eで示すように、規定の形状は、テント様であり、垂直の皺185が形成されている。垂直の皺185は、このハンガーの連結点と、容器10内の流体の排水レベルとの間で、規定されている。垂直の皺は、再充填プロセス中にボックス100内で容器10をさらに大きく展開できるので、水平の襞よりも望ましい。図17eで示すように、この流体をポンプで排水するにつれて、ボックス100の隅に適切に設置された容器10の下部パネルの隅で、容器10の下部パネルは、排水ポンプの脱気作用により、ボックス100の中間床から上向きに離れて凸状に吸引される。これは、容器10で排水点を規定し、それにより、流体は、この表面を下向きに流れて、ポート40に至る。図14で示すように、従属部材172は、この上部パネルが実質的に水平な形状からより垂直な形状へとシフトするにつれて、内向きに旋回する。
【0046】
再充填プロセス中にて、このポンプは、容器10の下部パネル20にある同じポート40を通って、この容器に流体をポンプ上げして戻す。下部パネル20の凸状上向き形状は、この流体の重量により、ボックス100の底床116に再び輪郭を描く。次いで、この流体はまた、容器10の側面パネルにある垂直皺185の交差点にて、下部パネル20の下隅を再充填する。容器10の再充填中にて、垂直皺185は、この場合もやはり、ボックス100の隅に向かう物質を押す流体のレベルにより、また、ハンガー152の上向き連結により、規定される。ハンガー152の形状および容器10の上部パネルとのその連結のために、容器10の隅は、容器10が満たされるにつれて、ボックス100の隅で、それ自体、互いに位置付けられるのを助ける傾向がある。皺185が垂直配置であるので、皺185は、水平折り目が取り込まれるにつれて、ボックス100の側面パネルに接して取り込まれない。垂直皺185は、むしろ、ボックス100の側面パネルに接して、開いて展開する。
【0047】
ハンガーシステム150には、いくつかの有利な点がある。ハンガーシステム150により、ディップチューブまたは通気孔の設計的特徴を含む可撓性容器に付随したさらなる費用および危険を伴わずに、充填し排水し再充填することを必要とする用途で使用する単一ポートを備えた大容量可撓性容器を使用できるようになる。ハンガーシステム150により、また、容器10に空気を入れる必要なしに、排水プロセス中にて、充填した容器10を完全に崩壊でき、それにより、閉鎖システムを維持する。システム150は、さらに、容器10の再充填展開に支持を与え、これにより、容器10の望ましくない襞をできるだけ少なくする。システム150は、再充填中に容器10の再展開ができない水平の皺ではなく、主に垂直の皺で、排水中の容器の崩壊を強制的に起こす。この垂直崩壊配置により、容器10の下部パネルが凸状に上向きに吸引されて容器10で低い排水点を規定するので、この容器の排水性能が向上する。
【0048】
図22および23は、本発明のさらに他の局面を開示している。可撓性容器10は、ボックス100よりも大きいサイズである。この形状では、その容器継ぎ目にかかる応力の量は、例えば、容器10がボックス内で最適に整列されず、この容器の四隅は、実質的に、このボックスの四隅と隣接している場合、最小になる。図22は、ボックス100内の容器10の概略平面図を開示している。容器10は、流体で部分的に満たされるにすぎない。この容器のパネルは、容器幅CWおよび容器深さCDで規定される。容器10のパネルは、協同して、第一周囲P1を規定する(すなわち、P1=2*(CW+CD))。このボックスの側面パネルは、ボックス幅BWおよびボックス深さBDで規定される。このボックスのパネルは、協同して、第二周囲P2を規定する(すなわち、P2=2*(BW+BD))。容器10のパネルは、第一周囲P1が第二周囲P2よりも大きいようなサイズにされる。これにより、ボックス100内の容器10に関して、一定の「遊び」ができ、好ましくは、容器10およびボックス100の隅で、容器10に一定量の皺ができる。好ましい実施形態では、容器10は、ボックス100に関して、第一周囲P1がボックス100の第二周囲P2よりも約2%〜約10%大きいようなサイズにされる。図23で示すように、容器10を実質的にボックス100内にて流体で満たすとき、容器10では、その隅またはその近くで、皺が形成される。容器10がボックス100と実質的に同じ大きさなら、容器10の隅は、図24で示すように、その隅から引き離すことができ、それにより、容器10にさらに大きな応力を加える。図25で示すように、容器10のサイズが大きくなると、それらの潜在的な問題が改善され、ここで、容器10の隅は、最適には、ボックス100の隅で支持されている。
【0049】
図18〜21は、本発明によるポート栓300を開示しており、これは、容器10のポート40に対して、独特の閉合を与えるように、設計されている。ポート栓300は、滅菌および気体透過性の両方の障壁を与える。ポート栓300は、一般に、連絡部材302、ストップ部材304、カバー部材306およびバンド308を含む。連絡部材302は、典型的には、チューブの形態である。チューブ302は、典型的には、エラストマー材料(例えば、シリコーン)から作製される。このチューブのサイズは、特定の用途に依存して、変えることができる。好ましい1実施形態では、3/4インチのチューブが使用される。チューブ302は、第一末端および第二末端を有し、このチューブの長さは、所望の用途により、決定される。このストップ部材は、典型的には、プラグ304の形態である。プラグ304は、典型的には、円筒形であり、気体(例えば、空気)をプラグ304に通すが流体がプラグ304に通るのを妨げるように、多孔性であるが疎水性を有する材料から選択される。好ましい1実施形態では、プラグ304は、多孔性プラスチック材料(例えば、ポリエチレン)から作製される。ポリテトラフルオロエチレン材料もまた、使用できる。他の材料もまた可能であり、疎水性を有するように処理した材料が使用できる。この材料の細孔サイズは、気体透過性の滅菌障壁を提供できるような大きさである。最も好ましい実施形態では、このプラグは、市販のPorex(登録商標)疎水性材料である。プラグ304は、一般に、約1インチの長さであり、チューブ302の末端に挿入したときに締まりばめを形成するような大きさの直径を有する。図18〜20でさらに示すように、カバー部材306は、第一部材310および第二部材312を有する。部材310、312は、セルファンまたは紙から作製できる。それに加えて、1つの部材は、紙であり得、また、1つの部材は、セルファンであり得る。以下でさらに詳細に説明するように、部材310、312は、互いに密封されて、2層の剥離可能パウチを形成し、チューブ302の第二末端を収容する開口部を有する。バンド308もまた、典型的には、弾性材料(例えば、シリコーン)から作製され、ポート栓300で使用するチューブと同じチューブストックから切断できる。
【0050】
図20でさらに示すように、ポート栓300を作製して容器10に連結する際には、チューブ302は、まず、所望の長さ(例えば、6〜30フィートの配管)に切断される。チューブ302の第一末端314は、容器10のポート40上に挿入され、締まりばめを形成する。ポート40に設置したとき、チューブ302の第一末端314の周りには、ケーブルタイ316が設置でき、チューブ302をポート40にさらに確実に連結する。ケーブルタイ316は、締めたとき、それに従って切り取られる。プラグ304は、所望のプラグストックから、1インチ長に切断される。図18および19で示すように、プラグ304は、次いで、チューブ302の第二末端318に挿入される。プラグ304の一部は、チューブ302の第二末端から伸長して、オペレータがチューブ302から取り外す際にプラグ304を握ることができるようにする。カバー306の第一および第二部材310、312は、1つの開放端320を残すこと以外は(図20)互いに密封され、パウチ322を形成する。カバー306は、次いで、チューブ302およびプラグ304の第二末端318に設置される。バンド308は、次いで、カバー306およびチューブ302の周りで設置されて、カバー306をチューブ302に固定する。弾性バンド308は、チューブ302と同じチューブストックから切断されるので、バンド308をチューブ302の周りで設置したとき、チューブ302に対して、カバー306に放射状の圧縮力を加える。カバー306は、もし、チューブ302の第二末端318が不用意に床に落ちたり接触汚染されても、多孔性プラグ304およびチューブ末端318が清浄で無菌のままであるように、ダストカバーを提供する。タンパーエビデント機構が望ましいなら、カバー部材306は、取り外し不能な付属品(例えば、収縮バンド309(図19))を使って、チューブ302の第二末端318に永久的に固着され得る。それに加えて、図18で示すように、カバー306は、直接、チューブ302に熱密封でき、それにより、タンパーエビデント機構を与える。
【0051】
チューブ302の第二末端318でプラグ304にアクセスするには、2つの一般的な方法がある。図18で示すように、第一および第二部材310、312の上端324は、カバー306に開くように、剥離できる。あるいは、図19で示すように、バンド308は、チューブ302を転がり落ちることができ、カバー306は、チューブ302の第二末端318から引き離される。いずれかの場合、一旦、カバー306が取り外されると、プラグ304もまた、取り外すことができ、ここで、その流体は、容器10から排水またはポンプ上げできる。
【0052】
ある場合には、容器は、複数のポート(例えば、充填ポート、排水ポートおよび通気ポート)を有し得る。図21は、通気栓332で閉じられた追加ポート330を有する容器10を開示している。通気栓332は、上記ポート栓300と類似している。通気栓332は、短いシリコーンチューブ334を有し、その一端は、追加ポート330に連結されている。チューブ334の自由端には、ポート栓プラグ304と同じ材料から作製された通気プラグ336が挿入される。通気プラグ336により、気体は、そこを通ることができ、容器10の内側の圧力を、容器10の外側の圧力と等しくする。通気プラグ336により、容器10の完全な充填およびヘッド空間(すなわち、この流体レベルから容器上部の空間)の付随した減少が可能になる。ヘッド空間が制御されていないと、この流体中の気体濃度が変わり得、それにより、その流体のpHがシフトさせるので、これは、静止容器用途に有利である。容器10を運搬する際には、ヘッド空間によって出荷中に流体が跳ね回るので、ヘッド空間は、特に重要な問題である。このような流体の運動により、変性(起泡)が原因で、流体中のタンパク質が分解し得るだけでなく、繰り返しの機械的な応力(曲げ亀裂)が原因で、この容器それ自体が傷つく。
【0053】
図21でさらに示すように、もし望ましいなら、チューブ334内には、第一末端と第二末端との間で、弁338または連絡部材を位置付けることができる。弁338(例えば、止めコック弁または他の適切な弁)は、望ましいように、容器10の通気を許容または防止するために、開閉できる。例えば、弁338は、後の充填段階中に、容器10を通気するように開くことができる。逆に、弁338は、例えば、出荷および排水中にて、閉じることができる。
【0054】
本発明のポート栓300は、多く有利な点があり、すなわち、無菌閉合を与えるが依然として気体透過性を有する。この無菌障壁は、汚染を防止する。栓300の透過性により、チューブ302内の内圧が等しくなり、従って、チューブ302と連絡している容器10、および容器10の周りの外圧が等しくなる。圧力が等しくなることで、滅菌空気が容器10に入ることができ、これにより、取扱および設置中にて、容器10を操作し易くなる。例えば、圧力が等しくなると、大きい可撓性で崩壊可能な容器10は、無菌でない空気が容器10に導入するおそれなしに、空の間に、簡単に操縦できるようになる。取扱および設置中には、空気が潤滑剤として作用して容器パネルが別々に移動できるので、容器10内に空気があることが重要である。しかしながら、滅菌および出荷中に容器10内に空気があると、容器が嵩張る原因となる。容器の嵩張りは、望ましくなく、できる限り少なくしようと試みられている。それゆえ、流体で満たされているができるだけ空気が少ない容器10を出荷できることが望ましく、次いで、無菌を損なうことなく容器10に空気を入れることが望ましい。この無菌気体透過性ポート栓は、これらの利点がある。もし、チューブ302の第二末端318が、偶然、落ちるか、汚染物に導入されたなら、カバー部材306は、チューブ302およびプラグ304の第二末端318を無菌で維持する。それに加えて、ポート栓300は、射出成形ポートまたはステンレス鋼接合を必要とせず、それゆえ、費用が節約される。さらに、チューブ302とプラグ304との間で締まりばめを使用することにより、プラグ304をチューブ302に連結するのに溶媒を必要とせず、従って、容器10に入る浸出液の量が少なくなる。
【0055】
本発明の実施形態の上記記述を仮定して、当業者により、種々の改良が行われ得ることが分かる。このような改良は、上記請求の範囲に含まれると解釈される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は、本発明の医療用流体容器の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の他の医療用流体容器の斜視図であり、これは、図1で示した容器よりも大きい。
【図3】図3は、本発明の他の医療用流体容器の斜視図であり、これは、図1および2で示した容器よりも大きく、垂直配置で示されている。
【図4】図4は、図1の容器の側面立面図である。
【図5】図5は、この容器のパネルの平面図である。
【図6】図6は、この容器のガセットパネルの平面図である。
【図7】図7は、この容器の末端パネルの斜視図である。
【図8】図8は、略折り畳み配置での本発明の容器の斜視図であり、支持ボックスは、想像線で示されている。
【図9】図9は、図8の容器の斜視図であり、これは、充填プロセス中にて、流体で満たされる。
【図10】図10は、この容器を支持するのに使用されるボックスの斜視図であり、この容器は、このボックス内で位置付けられる。
【図11】図11は、ボックス内で支持された本発明の容器の前面立面図であり、これは、この容器のハンガーシステムを使用する。
【図12】図12は、ボックス内で支持された本発明の容器の側面立面図であり、これは、この容器のハンガーシステムを使用する。
【図13】図13は、本発明の容器ハンガーシステムの斜視図である。
【図14】図14は、図13のボックス内の容器の上面図であり、ここで、この容器は、部分的に排水されている。
【図15】図15は、本発明の容器ハンガーシステムの代替実施形態の概略斜視図である。
【図16】図16は、本発明の容器システムの他の代替実施形態の概略斜視図である。
【図17a】図17aは、この容器ハンガーシステムで支持された容器の排水プロセスの概略図である。
【図17b】図17bは、この容器ハンガーシステムで支持された容器の排水プロセスの概略図である。
【図17c】図17cは、この容器ハンガーシステムで支持された容器の排水プロセスの概略図である。
【図17d】図17dは、この容器ハンガーシステムで支持された容器の排水プロセスの概略図である。
【図17e】図17eは、この容器ハンガーシステムで支持された容器の排水プロセスの概略図である。
【図18】図18は、この容器と併用されるポート栓の平面図である。
【図19】図19は、代替配置での図18のポート栓の平面図である。
【図20】図20は、容器に連結されたポート栓の斜視図である。
【図21】図21は、複数のポートを有する容器の斜視図であり、1つのポートでは、ポート栓が連結され、また、他のポートでは、代替ポート栓が連結されている。
【図22】図22は、このボックスに位置付けられた容器の平面図であり、この容器は、部分的に満たされている。
【図23】図23は、このボックスに位置付けられた容器の平面図であり、この容器は、実質的に満たされている。
【図24】図24は、ボックス内に位置付けられた容器の隅部分の部分拡大図である。
【図25】図25は、このボックス内での本発明の容器の部分拡大図である。
【図26】図26は、本発明の容器ハンガーシステムの代替実施形態の概略斜視図である。
【図27】図27は、本発明の容器ハンガーシステムの代替実施形態の概略斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書中に記載の栓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17a】
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【図17b】
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【図17c】
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【図17d】
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【図17e】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2008−87859(P2008−87859A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−277027(P2007−277027)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【分割の表示】特願2002−572937(P2002−572937)の分割
【原出願日】平成14年2月14日(2002.2.14)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【Fターム(参考)】