説明

気泡除去用加圧装置および方法

【課題】気泡除去用加圧装置および方法が開示される。
【解決手段】本発明の加圧装置は、外部から提供されるエアーの圧力を制御する入力バルブと、前記入力バルブから提供されるエアーを前記パネルに噴射する複数のノズル部と、前記複数のノズル部それぞれを個別に開閉する複数のノズルバルブを備えてパネルのオープンされた一面に向かってエアーを噴射して加圧することによって、接着された2枚のパネルの間の気泡を除去する。ここで、前記複数のノズルバルブは、前記パネルに噴射されたエアーが前記パネルの中心から縁辺へ向かう方向に前記パネルを加圧し、一定の周期に繰り返して前記複数のノズル部を開閉する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアープレス(air pressing)を用いて基板の間に存在する気泡を除去する気泡除去用加圧装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diodes)は、蛍光性の有機化合物に電流を流せば発光する電界発光現象を用いて、自ら光を出す「自体発光型の有機物質」であり、2つの電極の間に有機物を配列し電界を加えて発光するディスプレイ装置のことを指す。低い電圧で駆動可能であり、薄い薄型に製造可能であるだけではなく、広い視野角と速い応答速度を有することでディスプレイ手段として幅広く用いられている。
【0003】
OLEDディスプレイパネル100は、OLEDパネル10とカバーグラス20とに分けられる。OLEDパネル10は、基板上に陽極(anode)、正孔注入層(hole injection layer)、正孔運送層(hole transfer layer)、発光層(emitting layer)、電子運送層(eletron transfer layer)、電子注入層(eletron injection layer)、陰極(cathode)などの順に積層されて形成された後、水分または酸素に極めて脆弱な有機素材を保護するために金属缶またはグラスキャップに封止(encapsulation)したものである。
【0004】
カバーグラス20は、OLEDパネル10上に接着される。従来におけるカバーグラス20およびOLEDパネル10の接着方法として、主に紫外線硬化樹脂が用いられた。OLEDパネル10上に紫外線硬化樹脂(UV resin)を塗布した後、真空加圧チャンバに入庫して一定時間の間に加圧して接着する。チャンバ内における加圧工程によってカバーグラス20がOLEDパネル10に密着しながら、カバーグラス20とOLEDパネル10の接着面の外に押し出された紫外線硬化樹脂を除去した後、最後に紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させることで工程が完了する。
このような工程は別の真空加圧チャンバ内で行われるため、OLEDディスプレイパネルを大型化するには限界があり、加圧工程の後に押し出される硬化樹脂を洗浄するにも追加的な人力および時間が必要とされるという問題がある。
【0005】
一方、一般的にグラスとグラスはOCAフィルムに接着してもよい。OCAフィルムによる接着において重要なことは、接着後にグラスとフィルムとの間に残存する気泡を除去することにある。従来に知られた気泡除去方法は、OCAフィルムに接着された2枚のグラスをオートクレーブ(autoclave)のような真空加圧チャンバに入庫して相当な圧力を加えて除去する方法である。
このような方法による気泡の除去もチャンバ形態を有することで様々な問題を引き起こす場合があり、その効率的な面においても一定の限界があるだけではなく、特にOLEDパネルについて付加的な問題が存在する。
【0006】
OLEDパネル10は上記で説明したように、湿気または酸素から保護するために密閉された封止構造を有する。したがって、OLEDパネル10はその封止構造の種類に応じて耐えることのできる圧力に一定の限界があり、約1.5〜3.5barレベルである。しかし、OCAフィルムに接着されたOLEDパネル10とカバーグラス20をその程度の許容圧力に加圧するとしても気泡は除去されず、パネルが大型化するほどその傾向が強い。
したがって、従来にはOLEDパネル10とカバーグラス20の接着にOCAフィルムを用いることができなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、エアープレスを用いて基板の間に存在する気泡を除去する気泡除去用加圧装置および方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、OCA(Optical Clear Adhesive)フィルムに接着された有機発光ダイオードパネルとカバーグラスとの間に存在する気泡をエアープレスを用いて除去する気泡除去用加圧装置および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明によって接着された2枚のパネルの間の気泡を除去する気泡除去用加圧装置は、外部から提供されるエアーの圧力を制御する入力バルブと、前記入力バルブから提供されるエアーを前記パネルに噴射する複数のノズル部と、前記複数のノズル部それぞれを個別に開閉する複数のノズルバルブを備え、前記パネルのオープンされた一面に向かってエアーを噴射して加圧するエアープレスユニットを備える。
前記複数のノズルバルブは、前記パネルに噴射されたエアーが前記パネルの中心から縁辺に向かう方向へ前記パネルを加圧するよう前記複数のノズル部を開閉してもよい。
本発明の実施形態によって、前記複数のノズル部は、前記パネルのオープンされた一面と向かい合うノズルプレート上に形成され、前記ノズルプレートの中心に配置される第1ノズル部と、前記第1ノズル部を取り囲む領域に配置された第2ノズル部と、前記第2ノズル部を取り囲む領域に配置された第3ノズル部とを備える。ここで、第1ノズル部、第2ノズル部および第3ノズル部は、一定の周期に繰り返して順次にオープンされて同時に閉鎖される。このように一定の周期に繰り返して加圧し、その加圧速度を一定のレベル以上にすることによって、1回の加圧時の圧力を一定範囲に制限しながらも気泡除去の効果を獲得することができる。
本発明の実施形態によって、複数のノズルバルブは、前記入力バルブに連結されるカバープレートと、ノズルゲートと、回転ゲートとを備える形態に実現されてもよい。
ここで、ノズルゲートは、前記第1ノズル部に連結される少なくとも1つの第1貫通ホール、前記第2ノズル部に連結される少なくとも1つの第2貫通ホール、前記第3ノズル部に連結される少なくとも1つの第3貫通ホールが形成されて前記ノズルプレートに固定される。
前記ノズル部それぞれは、複数のノズルを備え、前記複数のノズルの上側端部は上側がオープンされた1つの溝に連結されてもよく、前記貫通ホールは前記 溝上の一地点に形成されることによって、前記 溝に連結された複数のノズルを同時に開閉してもよい。
さらに回転ゲートは、前記入力バルブから提供されるエアーを受け入れるエアー空間部が内部に形成され、前記カバープレートとノズルゲートとの間に回転自在に結合される。前記回転ゲートには、その回転によって前記第1貫通ホール、第2貫通ホール、および第3貫通ホールをそれぞれオープンして同時に前記第1貫通ホール、第2貫通ホール、および第3貫通ホールを閉鎖する第1スロット、第2スロット、および第3スロットが形成されてもよい。さらに、前記第1スロットを除いた残りのスロットがそれぞれ複数形成されてもよく、前記回転ゲートの外周面には外部モータからの回転力を伝達されるためのギヤまたはプーリー構造が形成されてもよい。
さらに、前記第1貫通ホール、第2貫通ホール、および第3貫通ホールは、前記ノズルゲートの中心を通過する中心線上に配置され、前記第1スロットを除いた残りのスロットは所定の角度の円弧状を有して同心円上にそれぞれ配置されてもよい。その先端のうち前記回転の反対方向の先端は前記回転ゲートの中心を通過する同一の中心線上に位置し、前記回転ゲートの中心から遠いほど前記角度が小さくなることが好ましい。
【0009】
本発明の他の実施形態によって、接着された2枚のパネルの間の気泡を除去する気泡除去用加圧方法は、前記パネルの中心の部分に第1ノズル部を配置し、前記第1ノズル部を取り囲む領域に第2ノズル部を配置し、前記第2ノズル部を取り囲む領域に第3ノズル部を配置するステップと、前記第1ノズル部がエアーを噴射する間に前記第2ノズル部がエアーを噴射し、前記第1ノズル部および第2ノズル部がエアーを噴射する間に前記第3ノズル部がエアーを噴射するステップと、エアーを噴射する間の前記第1ノズル部、第2ノズル部、および第3ノズル部を同時に閉鎖するステップと、前記噴射するステップおよび閉鎖するステップを一定の周期に繰り返すステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る気泡除去用加圧装置は、気泡を除去するパネルをエアーに加圧してそのパネル間の気泡を除去することができる。このとき、エアーによる加圧はパネルの中心から縁辺に向かって行われることによって、パネルの中心から縁辺に向かってその接着されたパネル間の空間(接着物質の空間)を最大に減らす方式によって、その間に存在する気泡を縁辺側に押し出すことができる。
また、本発明の気泡除去用加圧装置のエアー噴射は、極めて速い速度で繰り返して行われるため、1回の加圧に適用される圧力がたとえ低い圧力であっても十分に気泡除去の効果を獲得できる。したがって、OLEDパネルのように一定の圧力以上を加えることができない場合でも本発明の気泡除去用加圧装置を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】OLEDディスプレイパネルの構造を示す断面図である。
【図2】本発明の気泡除去用加圧装置を概念的に示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るノズルプレートを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るエアープレスユニットの分解斜視図である。
【図5】図4に示すエアープレスユニットの断面図である。
【図6】図4に示すエアープレスユニットに適用されたノズルプレートの平面図である。
【図7】図4に示すエアープレスユニットに適用されたノズルゲートの平面図である。
【図8】図4に示すエアープレスユニットに適用された回転ゲートの平面図である。
【図9】回転ゲートの動作によるノズルのオープン状態を示す図である。
【図10】回転ゲートの回転によるノズルのオープン状態を説明するために提供されるグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明をより詳しく説明する。
本発明は、一般的に互いに接着された2枚の第1パネル(または基板)と第2パネルとの間に存在する気泡を除去するために適用してもよく、特に、OCA(Optical Clear Adhesive)フィルムに接着された有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diodes)パネル(簡単にOLEDパネル)とカバーグラスとの間に存在する気泡をエアープレスを用いて除去するために用いることができる。以下の説明もOCAフィルムに接着されたOLEDパネル10とカバーグラス20との間に存在する気泡を除去することについて例示的に説明する。
【0013】
図2に示すように、OLEDパネル10とカバーグラス20との間にOCAフィルム30が積層されたOLEDディスプレイパネル100が示され、その上側に本発明の気泡除去装置が示されている。
【0014】
本発明の気泡除去装置は、エアープレスユニット200と、該エアープレスユニット200に高圧のエアーを供給するエアポンプ(図示せず)を備える。
エアープレスユニット200は、カバーグラス20の上面に向かってエアーを噴射することによって、カバーグラス20とOLEDパネル10との間の気泡を除去する。このためにエアープレスユニット200は、入力バルブ230、カバーグラス20に向かい合うようオープンして備えられたノズルプレート(nozzle plate)211、入力バルブ230とノズルプレート211との間に備えられてノズルプレート211へのエアー噴射を制御するノズルバルブ装置213とを備える。
【0015】
入力バルブ230は、エアポンプ(図示せず)からエアープレスユニット200に供給されるエアーの圧力を制御することによって、エアープレスユニット200内の圧力を一定の圧力Psに維持する。
ノズルプレート211にはエアーを噴射する複数のノズル部211a、211b、211cが形成され、各ノズル部211a、211b、211cは複数のノズル301を備える。
【0016】
エアープレスユニット200が噴射するエアーの許容圧力の範囲は、従来技術の説明で明らかにしたように多少低い値であって、OLEDパネル10の封止構造に応じて決定される。したがって、カバーグラス20の全面に複数のノズル部211a、211b、211cを用いて均一なエアーを単純に提供することでは従来技術のように気泡が除去されない場合がある。これを解消するために、本発明のエアープレスユニット200の複数のノズル部211a、211b、211cは他の動作を行う。
【0017】
カバーグラス20と向かい合って配置された複数のノズル部211a、211b、211cはノズルプレート211の中心から縁辺に向かって順次配置されてもよい。また、ノズルバルブ装置213は、各ノズル部211a、211b、211cと入力バルブ230を互いに異なる排出管を介して連結され、該当のノズル部を開閉するために各排出管に備えられたノズルバルブ213a〜213cを備える。
【0018】
図2は、ノズルプレート211およびノズルバルブ装置213を備えるエアープレスユニット200を概念的に示す例であり、ノズルプレート211は、第1ノズル部211a、第2ノズル部211b、および第3ノズル部211cを備え、ノズルバルブ装置213は、第1ノズル部211aを開閉する第1ノズルバルブ213a、第2ノズル部211bを開閉する第2ノズルバルブ213b、第3ノズル部211cを開閉する第3ノズルバルブ213cを備えた一例である。図2において、第2ノズルバルブ213bと第3ノズルバルブ213cをそれぞれ2つ備えるものと図示したが、1つのバルブを備えてもよい。
【0019】
図3に示すように、第1ノズル部211a、第2ノズル部211b、および第3ノズル部211cは、ノズルプレート211の中心から同心円状(円形に限らない)に配置される。ノズル部のエアー噴射は、ノズルプレート211の中心から始めて順次に加えられる形態である。例えば、[第1ノズル部211a噴射]→[第1および第2ノズル部211a、211b噴射]→[第1〜第3ノズル部211a、211b、211c噴射]の順にエアーを噴射する。第2ノズル部211bが噴射するとき、第1ノズル部211aはエアー噴射をそのまま維持し、第3ノズル部211cが噴射するとき第1および第2ノズル部211bはエアー噴射をそのまま維持する。
【0020】
これによって、カバーグラス20に提供されるエアーは、カバーグラス20を中心から加圧して縁辺に向かってその加圧を拡張していく。このような加圧は、カバーグラス20とOLEDパネル10との間の体積、言い換えれば、OCAフィルム30と気泡が占めている空間の体積を減らし、かかる接着空間の密着現象はカバーグラス20の中心から縁辺に向かうことによって気泡を縁辺方向に押し出す役割を果す。これによって、たとえ制限された許容圧力に加圧しても気泡を除去することができる。
カバーグラス20の中心から縁辺に向かってエアーをプレスすることは、まるで手の平で気泡を掃き出すような効果がある。第1〜第3ノズルバルブ213a〜213cは、このようなエアー噴射を一定の周期に繰り返して行うことで気泡除去の効果を極大化することができる。言い換えれば、[第1ノズル部211a噴射]→[第1および第2ノズル部211a、211b噴射]→[第1〜第3ノズル部211a、211b、211c噴射]が一定の周期(T)に繰り返し行われる。
【0021】
ここで、掃き出し動作の反復速度(すなわち、周波数f=1/T)が速い程よく、第1〜第3ノズルバルブ213cがその役割を行う。ただし、掃き出し動作の反復速度が一定のレベル以上の周波数を有する場合、一般的なバルブではその速度にあわせることができない場合もある。そのため本発明は、次のように提示する異なる形態のノズルバルブ構造を提案する。
【0022】
図4〜図9に示すエアープレスユニット400は、6個のノズル部とノズルバルブを備えている一例である。
図4に示すエアープレスユニット400は、ノズルプレート410、入力バルブ490からエアーが供給されるカバープレート430、ノズルプレート410とカバープレート430との間に備えられたノズルゲート450、該ノズルゲート450とカバープレート430との間に備えられて回転(または自転)する回転ゲート470を備える。ここで、ノズルプレート410は、図2に示すノズルプレート211と同一なものであってもよく、カバープレート430、ノズルゲート450、および回転ゲート470がノズルバルブ装置213としての役割を行う。
【0023】
図6に示すように、ノズルプレート410にはその中心から縁辺に向かって同心円状に第1ノズル部410a、第2ノズル部410b、第3ノズル部410c、第4ノズル部410d、第5ノズル部410e、および第6ノズル部410fが形成されている。第1〜第6ノズル部410a〜410fは仮想の同心円について一定の間隔に形成された複数のノズル411と、同一同心円上に配置されたノズル411を互いに貫通して連結する第1〜第6溝413(groove)413a〜413fを備える。ただし、第1ノズル部410aは中心に位置して同心円上に配置されないだけではなく、別の溝を含まない場合もある。ノズルプレート410の上面にはノズルゲート450が密着結合して固定されることによって、溝413がノズルゲート450によって密閉される。
【0024】
図7に示すように、ノズルゲート450には、ノズルプレート410の各溝413上の少なくとも1つの地点に連結される貫通ホール451が少なくとも1つ形成されることによって、ノズルプレート410の各ノズル411は、溝413を経て貫通ホール451に連結される。ただし、回転ゲート470と共にバルブとして機能するため、貫通ホール451はノズルゲート450の中心を通過する中心線上に設けられることが好ましく、図7は、各溝413に連結される貫通ホール451が90°間隔に4個ずつ配置された例を示している。
したがって、各ノズル411は溝413の出口となり、貫通ホール451は溝413の入口となる。例えば、ノズルゲート450の第6貫通ホール451fを通過したエアーは第6貫通ホール451fに連結される第6溝413fにエアーを供給し、第6溝413fに形成された複数のノズル411を介してエアーが噴射される。
【0025】
回転ゲート470は、カバープレート430から供給されるエアーを受け入れるためにシリンダ状の内部空間部(エアー空間部)を形成し、カバープレート430とノズルゲート450との間に回転自在に取り付けられる。
回転ゲート470を回転自在に受け入れるため、カバープレート430の下面430aには回転ゲート470の上側円形の縁辺部が挟まれる円形トラック431が形成され、ノズルゲート450の上面には回転ゲート470を受け入れる円形の収容溝453が形成される。回転ゲート470は、外部からの回転力が伝達されて回転し、例えば、回転ゲート470の外周面に沿ってギヤ(gear)やプーリー(pulley)構造が形成されて外部モータ(図示せず)からの回転力を伝達されてもよい。
【0026】
円形トラック431と収容溝453との間の空間は回転ゲート470によって密閉される。回転ゲート470は、上側がオープンされたシリンダ状に備えられ、回転ゲート470の下面はノズルゲート450の上面に密着してノズルゲート450上の貫通ホール451を密閉またはオープンする。回転ゲート470のオープンされた上側は、カバープレート430によって密閉される。回転ゲート470およびカバープレート430によって形成された密閉されたシリンダの内部空間(以下、「エアー空間部」と称する)471には、カバープレート430を介して外部から供給されるエアーが充填される。
【0027】
図8に示すように、回転ゲート470には第1〜第6スロット473(slot)473a〜473fが形成される。各スロット473は、回転ゲート470が1回転周期の一定部分の間に対応する貫通ホール451上を通過するよう形成されることで、回転ゲート470の回転によってノズルゲート450の第1〜第6貫通ホール451を順次的かつ一定の周期(T)に繰り返してオープンしなければならない。ここで、回転ゲート470が回転するためにオープンの速度(回/秒当たり)は回転ゲート470の秒当たり回転数となる。
【0028】
スロット473の形状は様々に備えられてもよく、図8に示す形状に限定されることはない。
【0029】
スロット473の形状に応じて連続的な一部ノズル部は同時に開閉されてもよく、これによって各ノズル部の区分も変わり得る。ただし、回転ゲート470が1回転する間、[第1貫通ホール451a]→[第1および第2貫通ホール451a、451b]→[第1〜第3貫通ホール451a、451b、451c]→...→[第1〜第6貫通ホール451a〜451f]の順にオープンが行われるようスロット473の形状を備えなければならない。さらに、2つ以上の貫通ホールが同時に開閉されることができ、それによってスロットの形状も変わり得る。
【0030】
図8に示す回転ゲート470は、反時計回りに回転すると仮定した例である。貫通ホール451がその中心線上に一列に配置されているため、スロット473も回転ゲート470の中心を共通とする同心円上に円弧状に配置され、回転ゲート470の回転によってノズルゲート450の第1〜第6貫通ホール451を順次的かつ一定の周期(T)に繰り返してオープンする。
【0031】
第1スロット473aは、回転ゲート470の中心に設けられる。残りの第2スロット〜第6スロット473b〜47fの右側先端(回転方向の反対側の先端)は回転ゲート470の中心の部分を通過する第1中心線L1上に同一に位置することで、回転ゲート470の回転によって同時に貫通ホール451を閉鎖させる。
【0032】
第2スロット〜第6スロット473b〜47fの左側先端(回転方向側の先端)は、回転ゲート470の中心から遠く位置するスロット473であるほど、その円弧の角度が小さくなり、回転ゲート470の回転によって第2スロット473bから第6スロット473fの順に貫通ホール451をオープンする。したがって、回転ゲート470の中心から遠く位置するスロット473であるほど、該当の左側先端と回転ゲート470の中心の部分を連結する第2中心線L2〜L6と第1中心線L1がなす角度は次第に小さくなるよう設けられる。
【0033】
以下、図9を参照してスロット473の形状による回転ゲート470の動作を中心にして本発明の気泡除去装置の動作について説明する。
まず、外部のエアポンプ(図示せず)で圧縮されたエアーはカバープレート430を介してエアー空間部471に充填されれば、第1スロット473a、第1貫通ホール451a、第1ノズル部410aを介してカバーグラス20に噴射を開始する(S901)。
【0034】
その後、回転ゲート470が反時計回りに回転することによって、第2スロット473bは第2スロット473bが先に第2貫通ホール451bに達して第2貫通ホール451bおよび第2ノズル部410bに連結され、第2ノズル部410bがエアーを噴射する(S903)。
回転が引き続き行われながら第3スロット473c、第4スロット473d、第5スロット473e、第6スロット473fの順に貫通ホール451およびノズル部410に連結されてエアーが噴射される(S905〜S911)。
【0035】
したがって、カバーグラス20に加えられるエアーによる加圧は、カバーグラス20の中心から縁辺に向かって行われ、このような加圧はカバーグラス20とOLEDパネル10との間の体積を減らすことによって、その間に存在する気泡を縁辺側に押し出す役割を果す。
【0036】
回転ゲート470の1回転によってステップS901〜ステップS911が行われ、回転ゲート470が所定の速度に回転を繰り返せば、第1ノズル部410a〜第6ノズル部410fによる順次的なエアー噴射が繰り返して行われ、図10に示すグラフのようなエアー噴射が行われる。また、回転ゲート470の速度は自在に早くすることができ、その反復周期または速度を一定のレベルまで上げることができる。このようにエアープレスユニット400のエアー噴射または加圧が一定の周期または速度を有して繰り返し行われるため、1回の加圧に適用された圧力がたとえ低い圧力であっても十分に気泡除去の効果を獲得することができ、OLEDパネル10のように一定の圧力以上に加えることができない場合でも適用可能である。
【0037】
以上で説明した図4〜図9に示す構造は、図2に示すノズル部とノズルバルブの数が6個である例について説明したが、その数が異なる場合でも同じ形式に適用され得る。
以上、本発明の好ましい実施形態について図示かつ説明したが、本発明は、上記で述べた特定の実施形態に限定されることなく、請求範囲で請求する本発明の要旨から離れることなく当該の発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能であることはもちろん、このような変形実施は本発明の技術的な思想や展望から個別に理解されてはいけないのであろう。
【符号の説明】
【0038】
10 OLEDパネル
20 カバーグラス
30 OCAフィルム
100 OLEDディスプレイパネル
200、400 エアープレスユニット
211、410 ノズルプレート
211a〜211c、410a〜410f ノズル部
213 ノズルバルブ装置
213a〜213c ノズルバルブ
230、490 入力バルブ
301、411 ノズル
413 溝
430 カバープレート
431 円形トラック
450 ノズルゲート
451 貫通ホール
470 回転ゲート
471 エアー空間部
473 スロット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着された2枚のパネルの間の気泡を除去する気泡除去用加圧装置であって、
外部から提供されるエアーの圧力を制御する入力バルブと、
前記入力バルブから提供されるエアーを前記パネルに噴射する複数のノズル部と、
前記複数のノズル部それぞれを個別に開閉する複数のノズルバルブを備え、前記パネルのオープンされた一面に向かってエアーを噴射して加圧し、
前記複数のノズルバルブは、前記パネルに噴射されたエアーが前記パネルの中心から縁辺に向かう方向へ前記パネルを加圧するよう前記複数のノズル部を開閉することを特徴とする気泡除去用加圧装置。
【請求項2】
前記複数のノズル部は、
前記パネルのオープンされた一面と向かい合うノズルプレート上に形成され、
前記ノズルプレートの中心に配置される第1ノズル部と、
前記第1ノズル部を取り囲む領域に配置された第2ノズル部と、
前記第2ノズル部を取り囲む領域に配置された第3ノズル部と、を備え、
一定の周期に繰り返して、前記第1ノズル部、第2ノズル部、および第3ノズル部が順次にオープンされて同時に閉鎖されることを特徴とする請求項1に記載の気泡除去用加圧装置。
【請求項3】
前記複数のノズルバルブは、
前記入力バルブに連結されるカバープレートと、
前記第1ノズル部に連結される少なくとも1つの第1貫通ホール、前記第2ノズル部に連結される少なくとも1つの第2貫通ホール、前記第3ノズル部に連結される少なくとも1つの第3貫通ホールが形成されて前記ノズルプレートに固定されたノズルゲートと、
前記入力バルブから提供されるエアーを受け入れるエアー空間部が内部に形成され、前記カバープレートとノズルゲートとの間に回転自在に結合される回転ゲートと、を備え、
前記回転ゲートには、その回転によって前記第1貫通ホール、第2貫通ホール、および第3貫通ホールをそれぞれオープンして同時に前記第1貫通ホール、第2貫通ホール、および第3貫通ホールを閉鎖する第1スロット、第2スロット、および第3スロットが形成されることを特徴とする請求項2に記載の気泡除去用加圧装置。
【請求項4】
前記第1貫通ホール、第2貫通ホール、および第3貫通ホールは、前記ノズルゲートの中心を通過する中心線上に配置され、
前記第1スロットを除いた残りのスロットは所定の角度の円弧状を有して同心円上にそれぞれ配置され、その先端のうち前記回転の反対方向の先端は前記回転ゲートの中心を通過する同一の中心線上に位置し、前記回転ゲートの中心から遠いほど前記角度が小さくなることを特徴とする請求項3に記載の気泡除去用加圧装置。
【請求項5】
前記回転ゲートの外周面には外部モータからの回転力を伝達されるためのギヤまたはプーリー構造が形成されることを特徴とする請求項3に記載の気泡除去用加圧装置。
【請求項6】
前記回転ゲートには、前記第1スロットを除いた残りのスロットがそれぞれ複数形成されることを特徴とする請求項3または4に記載の気泡除去用加圧装置。
【請求項7】
前記ノズル部それぞれは複数のノズルを備え、前記複数のノズルの上側端部は上側がオープンされた1つの溝に連結され、
前記貫通ホールは、前記溝上の一地点に形成されることによって、前記溝に連結された複数のノズルを同時に開閉することを特徴とする請求項3または4に記載の気泡除去用加圧装置。
【請求項8】
接着された2枚のパネルの間の気泡を除去する気泡除去用加圧方法であって、
前記パネルの中心の部分に第1ノズル部を配置し、前記第1ノズル部を取り囲む領域に第2ノズル部を配置し、前記第2ノズル部を取り囲む領域に第3ノズル部を配置するステップと、
前記第1ノズル部がエアーを噴射する間に前記第2ノズル部がエアーを噴射し、前記第1ノズル部および第2ノズル部がエアーを噴射する間に前記第3ノズル部がエアーを噴射するステップと、
エアーを噴射する間の前記第1ノズル部、第2ノズル部、および第3ノズル部を同時に閉鎖するステップと、
前記噴射するステップおよび閉鎖するステップを一定の周期に繰り返すステップと、
を含むことを特徴とする気泡除去用加圧方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−130964(P2012−130964A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68060(P2011−68060)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(507148928)アプロシステム株式会社 (5)
【Fターム(参考)】