説明

気液分離装置

【課題】 気体と液体との混合物を気体成分と液体成分とに気液分離して回収する際に、混合物の表面に生じるスカムが回収する気体成分に混入することがない気液分離装置を提供する。
【解決手段】 気体と液体との混合物26を気体成分と液体成分とに分離する気液分離装置1であって、前記混合物26を貯留させる第1室5と、前記第1室5内の前記混合物26の表面に生じたスカム27を回収して貯留させる第2室10とに区画された容器2と、前記第2室10内に消泡剤20を供給して、前記第2室10内のスカム26の泡分を消泡させる消泡剤供給手段16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体と液体との混合物を気体成分と液体成分とに分離して回収する気液分離装置に関し、特に、混合物の表面に生じるスカムが回収する気体成分に混入するのを防止する機能を備えた気液分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
気体と液体との混合物を気体成分と液体成分とに分離して回収する気液分離装置には種々のタイプのものであり、例えば、気体と液体との混合物を貯留させる容器と、容器内に貯留される混合物のレベルを検出するセンサと、センサが検出した信号により容器の底部を開閉するバルブとを備えた気液分離装置が知られている。
【0003】
このような構成の気液分離装置は、例えば、家畜排泄物、生ゴミ、食品廃棄物、下水汚泥等のバイオマスから燃料ガスを生成する技術(バイオマスガス化システム)に適用され、生成した燃料ガスをガス成分と液体成分とに分離する際に使用される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このバイオマスガス化システムは、バイオマス及び非金属系触媒を攪拌混合する攪拌機、攪拌機によって攪拌混合された混合物中のバイオマスを混合物中の非金属系触媒を利用して所定の条件下で熱水処理することによりバイオマスのスラリー体を形成する第1の加圧熱水処理装置、第1の加圧熱水処理装置で熱水処理を行うことにより得られたバイオマスのスラリー体を非金属系触媒を利用して所定の条件下で熱水処理することにより燃料ガスを生成する第2の加圧熱水処理装置、第2の加圧熱水処理装置から排出されるガスを冷却する冷却装置、冷却装置によって冷却された排出ガスをガス成分と液体成分(水、非金属系触媒等)とを分離する分離器等を備えたものであって、分離器に上記の気液分離装置が使用されている。
【0005】
このバイオマスガス化システムは、第1の加圧熱水処理装置において、非金属系触媒の存在下でバイオマスに対して、100〜250℃の範囲内の温度、及び0.1〜4MPaの範囲内の圧力の条件下で熱水処理を行い、第2の加圧熱水処理装置において、第1の加圧熱水処理装置による熱水処理により得られた非金属系触媒を含むスラリー体に対して、374℃以上の温度、及び22.1MPa以上の圧力の条件下で熱水処理を行っている。
【0006】
また、第2の加熱熱水処理装置による熱水処理によって得られた燃料ガス(ガス成分と液体成分(水、非金属系触媒等)との混合物)は、気液分離装置の容器内に貯留され、容器内で周知の気液分離技術により、ガス成分と液体成分とに分離され、それぞれ別系統で回収されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−274013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記のような構成の気液分離装置にあっては、容器内に貯留される混合物のレベルをセンサで検出し、センサからの検出信号に応じてバルブを開閉させることにより容器内の混合物のレベルを一定に保っているが、容器内に貯留される混合物の表面に泡状のスカムが生じた場合、このスカムがセンサに付着することによりセンサが誤作動を起こすことがある。このような場合に、容器内の混合物のレベルを一定に保つことができなくなるため、混合物の表面のスカムがガス成分の回収系統に流入してしまい、回収するガス成分にスカムが混入し、回収するガス成分の品質が低下する虞がある。
【0009】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、気体と液体との混合物を気体成分と液体成分とに分離して回収する際に、混合物の表面に発生するスカムが回収する気体成分に混入する虞がない気液分離器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明は、気体と液体との混合物を気体成分と液体成分とに分離する気液分離装置であって、前記混合物を貯留させる第1室と、前記第1室内の前記混合物の表面に生じたスカムを回収して貯留させる第2室とに区画された容器と、前記第2室内に消泡剤を供給して、前記第2室内のスカムの泡分を消泡させる消泡剤供給手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の気液分離装置によれば、容器の第1室内に気体と液体との混合物が貯留され、この混合物の表面に生じたスカムは、第2室内に回収されて貯留され、第2室内で消泡手段から供給される消泡剤により泡分が消泡される。従って、回収する気体成分にスカムの泡分が混入することはなく、回収する気体成分の品質を高めることができる。
【0012】
また、本発明は、前記消泡剤供給手段は、前記第2室との間で消泡剤を循環させる循環系統を備えていることを特徴とすることとしてもよい。
【0013】
本発明の気液分離装置によれば、消泡手段によって第2室内に供給される消泡剤は、消泡剤供給手段の循環系統によって第2室との間で循環されることになるので、第2室内のスカムの泡分の消泡に消泡剤を繰り返し使用することができる。
【0014】
さらに、本発明は、前記容器には、前記第1室内の混合物の表面に生じたスカムを前記第2室の方向に送る送泡手段が設けられていることを特徴とすることとしてもよい。
【0015】
本発明の気液分離装置によれば、第1室内に貯留される気体と液体との混合物の表面に生じたスカムは、送泡手段によって第2室の方向に送られることになるので、第1室内で発生するスカムを効率良く第2室内に回収することができる。
【0016】
さらに、本発明は、前記消泡剤は、油又は界面活性剤であることを特徴とすることとしてもよい。
【0017】
本発明の気液分離装置によれば、第2室内に回収したスカムに、油又は界面活性剤からなる消泡剤を供給することにより、スカムの泡分が消泡されることになる。
【0018】
さらに、本発明は、前記混合物は、バイオマスに非金属系触媒を混合して所定の条件下で熱水処理を行うことにより得られたスラリー体を、所定の条件下で熱水処理することにより生成されたガス成分と液体成分との混合物の燃料ガスであることを特徴とすることとしてもよい。
【0019】
本発明の気液分離装置によれば、バイオマスのスラリー体を所定の条件下で熱水処理することにより生成された燃料ガス(ガス成分と液体成分との混合物)を第1室内に貯留させ、この際に燃料ガスの表面に生じたスカムは、第2室内内に回収されて消泡剤によって泡分が消泡される。従って、回収するガス成分にスカムの泡分が混入するようなことはなく、高品質のガス成分を回収することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上、説明したように、本発明の気液分離装置によれば、気体と液体との混合物を気液分離技術によって気体成分と液体成分とに分離する際に、混合物の表面に生じたスカムの泡分を消泡させることができるので、回収する気体成分にスカムの泡分が混入することはなく、高品質の気体成分を回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による気液分離装置を適用したバイオマスガス化システムの全体を示した概略図である。
【図2】本発明による気液分離装置の一実施の形態の全体を示した概略図である。
【図3】気液分離装置の変形例を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図3には、本発明による気液分離装置の一実施の形態が示されている。図1はバイオマスガス化システムの全体を示す概略図、図2は気液分離装置の全体を示す概略図、図3は気液分離装置の変形例を示す概略図である。
【0023】
すなわち、本実施の形態の気液分離装置1は、家畜排泄物、生ゴミ、食品廃棄物、下水汚泥のバイオマスから燃料ガスを生成する技術(バイオマスガス化システム)に適用したものであって、バイオマスガス化システムで生成した燃料ガスをガス成分と液体成分とに分離するに有効なものである。
【0024】
バイオマスガス化システム30は、例えば、図1に示すように、バイオマスをガス化処理して燃料ガスを生成するガス化処理手段32と、ガス化処理手段32に原料としてのバイオマスを供給する原料供給手段31とを備えている。
【0025】
ガス化処理手段32は、原料供給手段31から供給されるバイオマスと非金属系触媒(活性炭、ゼオライト等)とを一緒に攪拌混合する攪拌機33、攪拌機33によって攪拌混合された混合物中のバイオマスを混合物中の非金属系触媒を利用して所定の条件下で熱水処理することによりバイオマスのスラリー体を形成する第1の加圧熱水処理装置38、第1の加圧熱水処理装置38で熱水処理を行うことにより得られたバイオマスのスラリー体を非金属系触媒を利用して所定の条件下で熱水処理することにより燃料ガスを生成する第2の加圧熱水処理装置40、第2の加圧熱水処理装置40から排出される燃料ガスを冷却する冷却装置41、冷却装置41によって冷却された排出ガスをガス成分と液体成分(水、非金属系触媒等)とに分離する本発明の気液分離装置1等を備えている。
【0026】
上記のような構成のバイオマスガス化システム30の原料供給手段31からガス化処理手段32の攪拌機33にバイオマスを供給し、攪拌機33によってバイオマスと非金属系触媒とを一緒に攪拌混合し、この混合物を供給ポンプ34によって攪拌機33から熱交換機35、36を介して第1の加圧熱水処理装置38に供給し、第1の加圧熱水処理装置38において非金属系触媒の存在下で所定の条件下で熱水処理することにより、バイオマスのスラリー体が形成される。
【0027】
そして、第1の加圧熱水処理装置38で得られた非金属系触媒を含むバイオマスのスラリー体を高圧ポンプ39で圧力をかけながら熱交換機37及び加熱装置42を介して第2の加圧熱水処理装置40に供給し、第2の加圧熱水処理装置40において非金属系触媒の存在下で所定の条件下で熱水処理することにより、燃料ガスが生成される。
【0028】
第2の加圧熱水処理装置40で生成された燃料ガスは、熱交換機37、36、及び冷却装置41を介して気液分離装置1に供給され、ガス成分(水素、メタン、エタン等の燃料ガス)と液体成分(水、非金属系触媒等)とに分離される。
【0029】
気液分離装置1は、第2の加圧熱水処理装置40によって生成され、冷却装置41によって冷却された燃料ガス(ガス成分と液体成分(水、非金属系触媒等)との混合物、以下、「混合物」という。)を、周知の気液分離技術によってガス成分と液体成分とに分離するものであって、図2に示すように、内部に混合物26を貯留させる密閉された容器2と、容器2に連設される消泡剤供給手段16とを備えている。
【0030】
容器2は、内部が第1室5と第2室10の2室に区画され、第1室5と第2室10とは、容器2の内部で上端同士が互いに連通している。第1室5内には冷却装置41からの混合物26が貯留され、第2室10内には第1室5内の混合物26の表面に生じたスカム27が回収されて貯留される。
【0031】
容器2内の所定の位置(第1室5の上端部近傍)には、第1室5内に貯留される混合物26のレベルを検出するセンサ9が設けられ、このセンサ9の検出信号に応じて制御部15を介して後述する第1開閉弁7及び第2開閉弁8の開閉動作が制御される。センサ9には、電気抵抗式、光学式、液圧式等の各種のセンサが用いられる。なお、図3中の9aはセンサ9の周囲を覆うカバーである。
【0032】
容器2の上部の第1室5に対応する部分には、容器2内外を連通する混合物26の供給管3とガスの回収管4とが設けられ、供給管3を介して冷却装置41からの混合物26が第1室5内に供給され、回収管4を介して第1室5内で混合物26を気液分離することによって得られた気体成分がガスタンク等(図示せず)に回収される。
【0033】
容器2の第1室5の底部に対応する部分には、第1室5の内外を連通する第1排出管6が設けられ、第1室5内で混合物26を気液分離することによって得られた液体成分(水、非金属系触媒等)が第1排出管6を介して第1室5外に排出され、固液分離装置等(図示せず)に回収される。
【0034】
第1排出管6には、第1開閉弁7及び第2開閉弁8が直列に設けられ、この第1開閉弁7及び第2開閉弁8は、センサ9の検出信号に応じて制御部15を介して開閉動作が制御される。
【0035】
例えば、センサ9が第1室5内の混合物26のレベルが設定値以下を検出した場合には、センサ9からの検出信号によって制御部15を介して第1開閉弁7及び第2開閉弁8が「閉」状態に制御される。
【0036】
また、センサ9が第1室5内の混合物26のレベルが設定値以上を検出した場合には、センサ9からの信号によって制御部15を介して第2開閉弁8が「閉」状態のまま、第1開閉弁7が「開」状態に制御され、第1室5内の液体成分が第1室5内から第1排出管6内に排出される。この後に、第1開閉弁7が「閉」状態に制御され、この後に、第2開閉弁8が「開」状態に制御され、第1開閉弁7と第2開閉弁8との間の液体成分が第1排出管6を介して排出される。そして、液体成分の排出が完了した後に、第1開閉弁7、及び第2開閉弁8は共に「閉」状態に制御される。このような第1開閉弁7及び第2開閉弁8の開閉動作は、センサ9からの検出信号によって繰り返し行われる。
【0037】
このように、下流側の第2開閉弁8を閉じた状態で上流側の第1開閉弁7を開き、この後に第1開閉弁7を閉じて第2開閉弁8を開いて第1排出管6を介して液体成分を排出させることにより、容器2内を所定の圧力に保持することができるとともに、第1排出管6を介して容器2内に外部から空気等が流入するのを防止することができる。
【0038】
容器2の第2室10の底部に対応する部分には、第2室10内外を連通する第2排出管11が設けられ、第2室10内に回収して循環するように消泡させたスカム27の固形分が第2排出管11を介して第2室10外に排出され、回収される。
【0039】
第2排出管11には、第3開閉弁12及び第4開閉弁13が直列に設けられ、この第3開閉弁12及び第4開閉弁13は、タイマー14及び制御部15を介して開閉動作が制御される。
【0040】
例えば、最初に第3開閉弁12及び第4開閉弁14を「閉」状態としておき、タイマー14からの信号により一定時間経過後に、第4開閉弁14が「閉」状態のまま、第3開閉弁13を「開」状態に制御し、第2室10内のスカム27の固形分を第2室10内から第2排出管11内に排出する。この後、一定時間経過後に第3開閉弁12を「閉」状態とし、この後、一定時間経過後に第4開閉弁13を「開」状態に制御し、第3開閉弁12と第4開閉弁14との間のスカム27の固形分を第2排出管11を介して排出する。そして、スカム27の固形分の排出が完了した後に、第3開閉弁12、及び第4開閉弁14を共に「閉」状態に制御する。
【0041】
消泡剤供給手段16は、容器2の第2室10内に消泡剤20(油、界面活性剤等)を供給することにより、容器2内の第2室10内のスカム27の泡分を消泡させるものであって、消泡剤20を第2室10内に供給し、第2室10内のスカム27の泡分を消泡させた後に、第2室10内から排出して回収し、再び第2室10内に供給する循環系統17を備えている。スカム27は、消泡剤20によって泡分が消泡された後に、第2室10の底部に固形分が沈殿する。
【0042】
循環系統17は、例えば、容器2の第2室10の上端部と下端部との間を相互に連通する循環配管18と、循環配管18の途中に設けられる循環ポンプ19とを備え、循環ポンプ19の作動によって循環配管18を介して消泡剤20を第2室10内に供給し、第2室10内から排出して回収し、再び第2室10内に供給することを繰り返し行うことができる。
【0043】
なお、消泡剤20は、循環系統17によって循環させずに、第2室10内に供給した後に、スカム27の固形分と一緒に排出して廃棄し、又はスカム27の固形分と一緒に排出して回収し、図示しない分離装置によって消泡剤20とスカム27の固形分とを分離し、消泡剤20を再度利用するように構成してもよい。
【0044】
また、循環配管18の第2室10の上端部への連通部に、消泡剤20をシャワー状に噴霧するシャワー部(図示せず)を設け、このシャワー部を介して第2室10のスカム27の全体に消泡剤20を噴霧することにより、スカム27の泡分の消泡効率を高めるように構成してもよい。
【0045】
容器2の上部には、第1室5内の混合物26の表面に生じたスカム27を第2室10の方向に送泡する送泡手段21が設けられ、この送泡手段21によって第1室5内に生じたスカム27を第2室10内に効率良く回収して貯留させることができる。
【0046】
送泡手段21は、例えば、図2に示すように、空気の流れにより、第1室5内のスカム27を第2室10の方向に送泡する送風ファン22であってもよいし、あるいは、図3に示すように、回転軸24と、回転軸24の周囲に一体に設けたフィン25とを備え、回転軸24と一体にフィン25を回転させることにより、第1室5内のスカム27を第2室10の方向に送泡する掻き寄せ部材23であってもよい。
【0047】
そして、上記のように構成した本実施の形態による気液分離装置1の容器2内の第1室5内に冷却装置41から供給された混合物26を貯留させ、混合物26に対して気液分離処理を行うことにより、混合物26が気体成分と液体成分とに分離され、気体成分は回収管4を介して容器2外に排出されてガスタンク等に回収され、液体成分は第1排出管6を介して容器2外に排出されて固液分離装置等に回収される。
【0048】
この場合、第1室5内に貯留される混合物26の表面に泡状のスカム27が生じるが、このスカム27は、第1室5内から溢れ出て第2室10内に回収されて貯留されるとともに、消泡剤供給手段16から第2室10内に供給される消泡剤20によって泡分が消泡される。従って、回収管4を介して回収する気体成分にスカム27の泡分が混入するようなことはなく、高品質のガス成分を回収することができる。
【0049】
また、第1室5内の混合物26の表面に生じるスカム27は、送泡手段21によって第2室10の方向に送泡することができるので、第1室5内で生じたスカム27を第2室10内に効率良く回収して貯留させることができる。
【0050】
さらに、第1室5内に生じたスカム27がセンサ9の表面に付着するのを防止できるので、スカム27の付着によってセンサ9が誤動作を起こすようなことはなく、第1室5内に貯留される混合物26が所定のレベルを超えて、スカム27の泡分が回収する気体成分に混入するようなことはなく、高品質の気体成分を回収することができる。
【0051】
さらに、第2室10内に貯留されるスカム27の固形分は、消泡剤20よりも比重が大きいので、消泡剤20によって泡分を消泡させた後に第2室10内の底部に沈殿し、その上部に消泡剤20が貯留されることになるので、第2排出管11を介して第2室10内からスカム27の固形分を排出させる際に、スカム27の固形分と一緒に排出される消泡剤20の量を少なくすることができる。また、消泡剤20を循環系統17によって循環させて繰り返し使用することができるので、消泡剤20の消費量を削減することができ、ランニングコストを低減させることもできる。
【0052】
なお、前記の説明においては、本発明による気液分離装置1をバイオマスガス化システム30により生成された燃料ガスを気体成分と液体成分とに分離する分離装置に適用したが、これに限定することなく、気体と液体との混合物を気体成分と液体成分とに分離する各種の分離装置に適用してもよいのは勿論のことである。
【0053】
また、前記の説明においては、容器2の内部を第1室5と第2室10とに区画したが、2つの容器の上端部を相互に連通して、一方の容器によって混合物を貯留させる第1室を構成し、他方の容器によって第1の室からのスカムを回収して貯留させる第2室を構成してもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 気液分離装置
2 容器
3 供給管
4 回収管
5 第1室
6 第1排出管
7 第1開閉弁
8 第2開閉弁
9 センサ
10 第2室
11 第2排出管
12 第3開閉弁
13 第4開閉弁
14 タイマー
15 制御部
16 消泡剤供給手段
17 循環系統
18 循環配管
19 循環ポンプ
20 消泡剤
21 送泡手段
22 送風ファン
23 掻き寄せ部材
24 回転軸
25 フィン
26 混合物
27 スカム
30 バイオマスガス化システム
31 原料供給手段
32 ガス化処理手段
33 攪拌機
34 供給ポンプ
35 熱交換機
36 熱交換機
37 熱交換機
38 第1の加圧熱水処理装置
39 高圧ポンプ
40 第2の加圧熱水処理装置
41 冷却装置
42 加熱装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体と液体との混合物を気体成分と液体成分とに分離する気液分離装置であって、
前記混合物を貯留させる第1室と、前記第1室内の前記混合物の表面に生じたスカムを回収して貯留させる第2室とに区画された容器と、前記第2室内に消泡剤を供給して、前記第2室内のスカムの泡分を消泡させる消泡剤供給手段とを備えることを特徴とする気液分離装置。
【請求項2】
前記消泡剤供給手段は、前記第2室との間で消泡剤を循環させる循環系統を備えていることを特徴とする請求項1に記載の気液分離装置。
【請求項3】
前記容器には、前記第1室内の混合物の表面に生じたスカムを前記第2室の方向に送る送泡手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の気液分離装置。
【請求項4】
前記消泡剤は、油又は界面活性剤であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の気液分離装置。
【請求項5】
前記混合物は、バイオマスに非金属系触媒を混合して所定の条件下で熱水処理を行うことにより得られたスラリー体を、所定の条件下で熱水処理することにより生成されたガス成分と液体成分との混合物の燃料ガスであることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の気液分離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−206657(P2011−206657A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75846(P2010−75846)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(596133119)中電プラント株式会社 (101)
【Fターム(参考)】