説明

気液相囲み壁の防蝕構造

【課題】腐蝕性の液相及び気相が存在する空間を囲む壁面の防蝕構造に関し、防蝕性能、耐久性及び施工の簡便性に優れた構造を提供する。
【解決手段】腐蝕性の液相及びその上の気相が存在する空間を囲み、これらの相の一方からより高い腐蝕を受ける壁面の防蝕構造であって、該壁面における高腐蝕相と接触する領域及び該領域から低腐蝕相と接触する領域に進入した部分を耐蝕性樹脂シート5で被覆し、低腐蝕相と接触する領域における残りの部分に防蝕塗料10を塗布した構造をなし、前記耐蝕性樹脂シート5は、前記低腐蝕相との接触領域に近い側の端部の内面に、含浸性材料8が固着されており、前記防蝕塗料10の塗布範囲が、該含浸性材料8の部分まで連続的に延びていることを特徴とする防蝕構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腐蝕性の液相及びその上の気相が存在する空間を囲む壁面の防蝕構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下水や汚水のコンクリート製処理槽においては、下水等から硫化水素が発生し、壁面に付着している結露水や嫌気性細菌の作用で硫酸が生成される。そして、これらの硫化水素や硫酸により、コンクリート壁面は、下水等の液相及びその上の気相の双方において腐蝕される。この他、下水や汚水の管路や暗渠、薬品の処理容器や反応槽等を構成し気液相を囲む壁面は、収容する液体及びそこから発生する気体成分により腐蝕を受けやすい。
【0003】
このような構造物において、壁面の防蝕を行なうには、内壁面にシート材を敷設する方法(例えば、特許文献1を参照)と、樹脂、ゴム、FRP等の防蝕材を内壁面に塗布する方法(例えば、特許文献2を参照)がある。
【0004】
シート材の施設は、防蝕性能と耐久性に優れ、高い信頼性を有するが、その施工に要する壁面へのシート材の固定とシート材同士の接合作業に多大の手間を要する。
【0005】
一方、防蝕材の塗布は、塗料の吹き付け等により簡便に行なうことができるが、シート材を施設した場合のような高い防食性能と耐久性が得られない。
【特許文献1】特開2000−63561号公報
【特許文献2】特開平7−317139号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、腐蝕性の液相及び気相が存在する空間を囲む壁面の防蝕構造に関し、防蝕性能、耐久性及び施工の簡便性に優れた構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記目的を達成するため、腐蝕性の液相及びその上の気相が存在する空間を囲み、これらの相の一方からより高い腐蝕を受ける壁面の防蝕構造であって、該壁面における高腐蝕相と接触する領域及び該領域から低腐蝕相と接触する領域に進入した部分を耐蝕性樹脂シートで被覆し、低腐蝕相と接触する領域における残りの部分に防蝕塗料を塗布した構造をなし、前記耐蝕性樹脂シートは、前記低腐蝕相との接触領域に近い側の端部の内面に、含浸性材料が固着されており、前記防蝕塗料の塗布範囲が、該含浸性材料の部分まで連続的に延びていることを特徴とする防蝕構造を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る防蝕構造は、壁面における高腐蝕相と接触する領域及び該領域から低腐蝕相と接触する領域に進入した部分を耐蝕性樹脂シートで被覆し、低腐蝕相と接触する領域における残りの部分に防蝕塗料を塗布した構造をなす。したがって、要求される防蝕性の高さに応じて、耐蝕性樹脂シートと防蝕塗料とを合理的に配分した構造とすることができ、防蝕性能、耐久性及び施工の簡便性に優れた構造が実現される。また、高腐蝕相と接触する壁面領域のみならず、該領域から低腐蝕相と接触する領域に進入した部分も、耐蝕性樹脂シートで被覆することにより、液面の高さに変動があっても樹脂シートによる防蝕性が確保される。
【0009】
特に、前記耐蝕性樹脂シートは、前記低腐蝕相との接触領域に近い側の端部の内面に、含浸性材料が固着されており、前記防蝕塗料の塗布範囲が、該含浸性材料の部分まで連続的に延びた構造とされる。樹脂シートと防蝕塗料が双方の縁部を突き合わせて境界を形成すると、その境界部から腐蝕性成分が侵入し易く、その部分から腐蝕が広がる。これを防止するためには、防蝕塗料の塗布部分を樹脂シート上にまで及ぼすのがよい。しかしながら、耐蝕性樹脂シート自体は、耐化学薬品性が高いため、有機溶剤を含む防蝕塗料との接合性が悪く、外力や経年変化により塗料が樹脂シート上から剥離し易い。これでは、やはり腐蝕性成分が剥離箇所を通って侵入することとなり、防蝕性が損なわれる。これに対し、本発明では、耐蝕性樹脂シートは、前述の端部内面に含浸性材料が固着され、防蝕塗料の塗布範囲が該含浸性材料の部分まで連続的に延びているので、防蝕塗料は含浸性材料に含浸して強固に結合する。その結果、防蝕塗料と樹脂シートとの接合が、含浸性材料を介して確実に行なわれ、防蝕構造全体の優れた防蝕性能及び耐久性が保証される。
【0010】
また、前記耐蝕性樹脂シートは、少なくとも壁面に付着する側とは反対側の防蝕面が耐食性樹脂で形成され、前記含浸性材料は前記耐蝕性樹脂シートの溶融固化により該紡織面に固着したものとすることができる。耐蝕性に優れた樹脂は、他の材料との接着性が低いことが多い。したがって、含浸性材料の固着も困難であり、接着剤による接合では容易に剥がれて、境界部での腐蝕の問題を生じる。また、接着剤自身が腐蝕を受けて接着層が破壊されることもある。これに対し、含浸性材料を耐蝕性樹脂シートの溶融固化により該耐蝕性樹脂シートに固着すれば、溶融した樹脂シートに含浸性材料が食い込み、固化後に強固な接合が得られる。これにより、防蝕塗料と耐蝕性樹脂シートとの接合が確実に行なわれ、防蝕構造全体の優れた防蝕性能及び耐久性が保証される。
【0011】
前記耐蝕性樹脂シートは、少なくとも前記防蝕面がポリプロピレンで形成され、前記含浸性材料は繊維材料で形成されたものとすることができる。ポリプロピレンは、耐食性に優れる反面、他の材料との接着性が極めて低いが、その溶融固化により含浸性材料を固着すれば、溶融部分に含浸性材料の繊維材料が食い込み固化後に強固な接合が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。図面中の同一又は同種の部分については、同じ番号を付して説明を省略することがある。なお、各図においては、理解を容易にするため、シート、含浸性材料、塗膜等を、通常より厚く示している。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る防蝕構造を備えた下水処理槽(ピット)の断面を示している。この下水処理槽は、上壁、底壁及び側壁で周囲を囲まれた室を形成している。下水処理槽は、必要な処理量に応じて容積等が決められ、貯留すべき量の変動に応じられるように、通常状態での液面は、上壁より或る程度下に設定される。したがって、通常の下水処理槽では、下水の液相Lとその上の気相Gが存在する。そして、下水中で発生した硫化水素は気相中へ拡散し、環境によっては壁面で硫酸を生成することもあるので、これらの成分による腐蝕は、一般に下水処理槽の壁面中、気相に接する領域が液相に接する領域より生じやすい。
【0014】
この状況を考慮して、図1に示す防蝕構造では、気相と接触する領域及び該領域から液相(下水)と接触する領域に或る程度進入した部分、すなわち、上壁1及び側壁3の上部を耐蝕性樹脂シート5で被覆し、液相と接触する領域における残りの部分、すなわち、底壁2及び側壁3の下部に防蝕塗料10を塗布している。
【0015】
耐蝕性樹脂シート5は、この実施形態では、図3に示すように、シート材6の一方の面に、多数の突起7が縦横に所定の間隔をおいて固着されたものである。各突起7は、シート材6への1つの接合箇所から2方へ開く細長片により形成されている。このシート5の製造は、一般的には、突起7に対応した凹所を有する成形型を用いてシート材6と共に一体成形される。
【0016】
突起7は、以下に説明する貼り付け面へのアンカー作用が得られるような種々の材質、形状とすることができ、取付面から遠ざかる方向に延びた状態において、広がる形状のもの、スパイラル状のもの等とすることができる。また、接着等により貼り付け面へのシートの接合が強固に得られる場合は、突起を省略することも可能である。
【0017】
耐蝕性樹脂シートを構成する樹脂は、接触する物質の腐蝕成分に応じて決められ、シート材の構成は、少なくとも腐蝕性物質と接触する面が耐食性樹脂で形成された単層又は複層とされ、必要に応じて表面処理を施したものとされる。一般的な下水を対象とする場合は、耐蝕性樹脂シートを構成する樹脂として、高密度ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ビニルエステル、ポリエステル、エポキシ樹脂やこれらの複合体、或いは、これらに防蝕成分を添加した樹脂を用いることができ、補強繊維を混入したFRPとしたり、セラミック粉や砂を混入することにより強度を高めたものとすることもできる。
【0018】
防蝕塗料の成分も、接触する物質の腐蝕成分に応じて決められる。一般的な下水を対象とする場合は、防蝕成分として、エポキシ樹脂、タールエポキシ樹脂、塩化ゴム、アクリルウレタン等を含んだ塗料を使用することができる。
【0019】
図1の防蝕構造は、処理槽の新設時に形成されたものであり、打設されたコンクリート壁に対し、コンクリートの固化前に耐蝕性樹脂シート5が貼り付けられる。その貼り付けは、突起7のある面をコンクリートに向けてシート5を押し付け、該突起7をコンクリート内に埋設させるようにして行なわれる。これにより、コンクリートの固化後は、突起7がアンカー作用をなし、シート5は強固に貼り付け状態に保持される。複数のシート5を並べて貼り付ける場合は、シートの端部同士を溶接又は接着によって接合する。
【0020】
図3に示すように、耐蝕性樹脂シート5における突起7のある側とは反対側の面の一端部には、含浸性材料8が固着されている。含浸性材料8は、この実施形態においては、ポリプロピレンの不織布とされているが、不織布の他、編織物、抄造物等の種々の形態の繊維材料、連続気泡を有する発泡体等で形成することができる。その繊維は、ポリプロピレン製の他、Sガラス等の高強度ガラス繊維、炭素繊維等を単独で又は複合して用いることができる。含浸性材料8とシート材6との接合体は、例えば、シート材の製造時に含浸性材料8を一体化するようにして行なわれる。
【0021】
耐蝕性樹脂シート5を壁面に貼り付ける際は、図1に示すように、含浸性材料8が、液相との接触領域に進入した位置となるようにする。図2は、図1における含浸性材料8の設置箇所を中心にした部分Aの拡大図であり、図2(a)は含浸性材料8の位置をより明らかに示している。
【0022】
防蝕塗料10は、吹き付け等の方法により壁面に塗布される。その塗布範囲は、底壁2から側壁3の下部に掛けてであり、側壁3では、下端から含浸性材料8の部分までの連続した範囲とされる。図2(b)は防蝕塗料10が、含浸性材料8のほぼ全体を覆う位置まで塗布されている状態を示している。このように、防蝕塗料10の塗布範囲が含浸性材料8の部分まで連続的に延びているので、防蝕塗料は含浸性材料に含浸して強固に結合する。その結果、防蝕塗料10と樹脂シート5との境界部分から腐蝕性成分が侵入するという不具合が、確実に防止される。そして、耐蝕性樹脂シート5は気相に接する領域、防蝕塗料10は液相に接する領域というように、合理的に配分した被覆構造により、防蝕性能、耐久性及び施工の簡便性に優れた構造が実現される。
【0023】
図4は、既存の下水処理槽(ピット)に対して、本発明の防蝕構造を適用した例を示している。この防蝕構造は、次のようにして形成することができる。先ず、下水処理槽への下水の流入を止め、排水して処理槽内を下水のない状態とする。施工箇所の壁面は、必要に応じてサンプリングや検査を行ない、腐蝕や中性化が生じている場合には腐蝕層や中性化層を削り落とし、表面を清浄にする。
【0024】
その後、気相と接触する領域及び該領域から液相(下水)と接触する領域に或る程度進入した部分、すなわち、上壁1及び側壁3の上部に、コンクリート又はモルタルを塗布して固定層4を形成し、その固化前に、図3に示した耐蝕性樹脂シート5で被覆する。固定層4の固化により、突起7がアンカーとなって、シート5は壁面に固定される。この後は、先の実施形態と同様にして、防蝕塗料10を塗布する。図5は、図4における含浸性材料8の設置箇所を中心にした部分Bの拡大図であり、図5の(a)は含浸性材料8の位置をより明らかに示しており、(b)は防蝕塗料10が含浸性材料8のほぼ全体を覆う位置まで塗布されている状態を示している。このようにして、先の実施形態と同様に、防蝕性能、耐久性及び施工の簡便性に優れた防蝕構造が実現される。
【0025】
図6は、既存の上水路に対して、本発明の防蝕構造を適用した例を示している。この水路は、上壁及び側壁を形成する半円筒状の壁13、底壁14、及び幅方向中間部に起立する仕切り壁15により形成されている。上水路や配水池の場合は、下水路と異なり、滅菌のための塩素剤によりコンクリートが劣化することがあるので、その防止のために、防蝕構造が施される。防蝕構造は、基本的には図4に示した構造と同じであり、同様にして施工することができる。すなわち、半円筒状壁13の上部(気相と接触する領域及び該領域から液相(上水)と接触する領域に或る程度進入した部分)を耐蝕性樹脂シート5で被覆し、半円筒状壁13の下部及び底壁14(液相と接触する領域における残りの部分)に防蝕塗料10を塗布している。これらの耐蝕性樹脂シート及び防蝕塗料としては、下水を対象とする場合と同様のものを使用することができる。
【0026】
図7は、多数並ぶ下水処理槽の各々の内壁面に対して本発明の防蝕構造を適用した例を示している。各処理槽は、コンクリート製であり、底壁21と下部側壁22により下水の貯留部が形成され、その上側は上部側壁23及び上壁24によって閉じられ、上部側壁23の内側には、所定量を越えた下水を隣接する処理槽へ導くトラフ25が形成されている。この防蝕構造においても、気相Gと接触する領域及び該領域から液相Lと接触する領域に或る程度進入した部分、すなわち、上壁24、上部側壁23、トラフ25の壁を耐蝕性樹脂シート5で被覆し、液相と接触する領域における残りの部分、すなわち、底壁21及び下部側壁22に防蝕塗料10を塗布している。また、耐蝕性樹脂シート5の下端部には含浸性材料8が取り付けられており、防蝕塗料10の塗布範囲は、底壁2、下部側壁22から含浸性材料8の部分まで連続的に延びた状態とされる。
【0027】
図8は、化学薬品の処理容器に対して本発明の防蝕構造を適用した例を示している。この種の処理容器では、例えば、酸、アルカリ、溶剤等からなる薬品を中和、無害化する場合等において、容器壁の腐蝕が問題となる。通常の腐蝕性薬品は、気相よりも液相において接触物をより強く腐蝕する。この例の場合、処理容器は、鋼板で形成され、底壁31、側壁32を有し、上方は開放されている。防蝕構造は、液相及び気相による腐蝕性の相違を考慮して、液相Lと接触する領域及び該領域から気相Gと接触する領域に或る程度進入した部分、すなわち、底壁31、側壁の下部から中央部32の内面を耐蝕性樹脂シート5で被覆し、液相と接触する領域における残りの部分、すなわち、側壁上部33の内面に防蝕塗料10を塗布している。また、耐蝕性樹脂シート5の上端部には含浸性材料8が取り付けられており、防蝕塗料10の塗布範囲は、側壁上部33から含浸性材料8の部分まで連続的に延びた状態とされる。この例では、樹脂シート5と処理容器の鋼板との接着性が良好であるので、シート材料には先の例のような突起は設けず、接着剤により固定している。
【0028】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。図9は、耐蝕性樹脂シート5と防蝕塗料10との接合部分の他の形態を示している。ここでは、耐蝕性樹脂シート5における含浸性材料8の上、及びシート5で覆っていない壁11の内面に亘って連続的に延びるブリッジ層9が設けられ、防蝕塗料10の塗布範囲は、壁11からブリッジ層9の上に達している。ブリッジ層9は、含浸性材料8と同様に種々の含浸性の繊維材料等で形成することができ、現場施工により、耐蝕性樹脂シート5を壁11に取り付けた後に接着剤等により貼り付けられる。このように、含浸性材料8から壁11の面を連続的にブリッジ層9で覆うことにより、シート5の端面もブリッジ層9で覆われる。その結果、防蝕塗料10と樹脂シート5との境界部分から腐蝕性成分が侵入するという不具合が、より確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る防蝕構造を備えた下水処理槽の例を示す縦断面図である。
【図2】図1の下水処理槽における要部を拡大して示す断面図である。
【図3】図1の防蝕構造に使用する耐蝕性樹脂シートの一例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る防蝕構造を既設の下水処理槽に適用した例を示す縦断面図である。
【図5】図4の下水処理槽における要部を拡大して示す断面図である。
【図6】本発明に係る防蝕構造を既設の上水路に適用した例を示す縦断面図である。
【図7】本発明に係る防蝕構造を備えた下水処理槽の例を示す縦断面図である。
【図8】本発明に係る防蝕構造を備えた化学薬品処理容器の例を示す縦断面図である。
【図9】本発明に係る防蝕構造の他の例の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0030】
5 耐蝕性樹脂シート
8 含浸性材料
10 防蝕塗料
G 気相
L 液相

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腐蝕性の液相及びその上の気相が存在する空間を囲み、これらの相の一方からより高い腐蝕を受ける壁面の防蝕構造であって、該壁面における高腐蝕相と接触する領域及び該領域から低腐蝕相と接触する領域に進入した部分を耐蝕性樹脂シートで被覆し、低腐蝕相と接触する領域における残りの部分に防蝕塗料を塗布した構造をなし、前記耐蝕性樹脂シートは、前記低腐蝕相との接触領域に近い側の端部の内面に、含浸性材料が固着されており、前記防蝕塗料の塗布範囲が、該含浸性材料の部分まで連続的に延びていることを特徴とする防蝕構造。
【請求項2】
前記耐蝕性樹脂シートは、少なくとも壁面に付着する側とは反対側の防蝕面が耐食性樹脂で形成され、前記含浸性材料は前記耐蝕性樹脂シートの溶融固化により該防蝕面に固着されていることを特徴とする請求項1に記載の防蝕構造。
【請求項3】
前記耐蝕性樹脂シートは、少なくとも前記防蝕面がポリプロピレンで形成され、前記含浸性材料は繊維材料で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の防蝕構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−179379(P2008−179379A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12810(P2007−12810)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(000129758)株式会社ケー・エフ・シー (120)
【Fターム(参考)】