説明

水中の溶存酸素の減少方法

【課題】 水中の溶存酸素を水温を変化させずに、また生物の呼吸作用を利用せずに低下させる技術はない。
【解決手段】 本発明は、溶媒としての水に浮遊するセラミック微粒子の多様な機能(磁性、圧電素子による超音波、表面誘起電荷、遠赤外線等)とその相互作用あるいは、圧電素子に電圧を負荷し超音波を発生させることにより水中の溶存酸素が低下する。これらにより、▲1▼好気性生物の管渠内の付着は減少する。▲2▼赤サビの生成は抑制され、鉄還元細菌により、黒サビ化する。▲3▼嫌気呼吸による生成物であるヨーグルト、エチルアルコール等の発酵時間が早まる。などの効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶媒としての水(淡水、海水等)に浮遊するセラミックス微粒子の多様な機能(磁性、圧電素子による超音波、表面誘起電荷、遠赤外線等)とその相互作用により、また、超音波により水中の溶存酸素が低下する事に関する。
【背景技術】
【0002】
水中の溶存酸素を水温を変化させずに、また生物の呼吸作用を利用せずに低下させる技術はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば、配水管などの管渠においても、溶存酸素により好気性生物の生息環境が維持され、海水に於いては、牡蠣、フジツボなどの生物が付着する。その為、管渠の機能を維持する為に付着生物の除去を行わなければならない。
【0004】
配水管などの管渠において、溶存酸素や鉄酸化細菌により、鉄の酸化(赤サビ)が起こる。赤サビは管渠の劣化が早い。その為、管渠の取替え、清掃を行わなければならない。
【0005】
二重代謝経路を持つ微生物は、溶存酸素の低下により、解糖系を中心とした呼吸となる。溶存酸素の充分な存在下では嫌気呼吸は働かない。その為、溶存酸素の多い水では、好気性呼吸作用により溶存酸素が減少するまで嫌気呼吸は働かない。嫌気呼吸による生成物であるヨーグルト、エチルアルコール等の製造に時間がかかる。
【問題を解決する為の手段】
【0006】
上述の課題を解決する為、本発明は、高温焼成した酸化系鉱物の焼結体からなるセラミック粒子を充填した容器に、溶媒を接触させ、溶媒中のセラミック粒子を溶媒の通過流速などにより流動、相互摩擦、衝突させることにより、セラミック微粒子を溶媒中に浮遊させる。また、直接にセラミックス微粒子を添加することによる。あるいは圧電素子に電圧を負荷し超音波を発生させることによる。全てにおいて水中の酸素分圧が大気と平衡になる大気との接触面が必要となる。
【発明の効果】
【0007】
溶媒としての水に浮遊するセラミック微粒子の多様な機能(磁性、圧電素子による超音波、表面誘起電荷、遠赤外線等)とその相互作用あるいは、あるいは圧電セラミックスに電圧を負荷し超音波を発生させることにより水中の溶存酸素が低下する。これらにより、▲1▼好気性生物の管渠内の付着は減少する▲2▼赤サビの生成は抑制され、鉄還元細菌により、黒サビ化する▲3▼嫌気呼吸による生成物であるヨーグルト、エチルアルコール等の発酵時間が早まる。などの効果がある。
【発明を実施する為の最良の形態】
【0008】
本発明は、溶存酸素の減少法であり、様々な形が考えられる。高温焼成した酸化系鉱物の焼結体からなるセラミック粒子を充填した容器に、溶媒を接触させ、溶媒中のセラミック粒子を流動、相互摩擦、衝突させることにより、セラミック微粒子を溶媒中に浮遊させることが出来れば良い為、例えば、溶媒をセラミック充填容器に一定流速で通過させる筒状の容器、溶媒をセラミック充填容器に滞留させ振動、撹拌などの様々な運動を加える容器等である。またセラミック微粒子を直接に添加することもできる。あるいは圧電素子に電圧を負荷し超音波を発生させることによる。全てにおいて水中の酸素分圧が大気と平衡になる大気との接触面が必要となる。
【産業上の利用分野】
【0009】
海水利用の冷却水の生物の付着による管渠の機能低下改善や配水管の赤サビ防止、発酵食品などの発酵時間の短縮などに利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は、高温焼成した酸化系鉱物の焼結体からなるセラミック粒子を充填した容器に、水を接触させ、水中のセラミック粒子を水の通過流速などにより流動、相互摩擦、衝突させることにより、セラミック微粒子を溶媒としての水(淡水、海水等)に浮遊させる。また、直接にセラミック微粒子を添加することにより、溶媒としての水(淡水、海水等)に浮遊するセラミック微粒子の多様な機能(フェライトや希土類の磁性、圧電素子による超音波、熱電効果による表面誘起電荷、遠赤外線等)とその相互作用による。その為、水中の酸素分圧が大気と平衡になる大気との接触面が必要となる。溶液としての水の溶存酸素を減少させる事を特徴とする水中の溶存酸素の減少方法。
【請求項2】
圧電素子に電圧を負荷し超音波を発生させることによる。その為、水中の酸素分圧が大気と平衡になる大気との接触面が必要となる。溶存酸素を減少させる事を、特徴とする水中の溶存酸素の減少方法。
【請求項3】
溶存酸素の減少により、配水管などの管渠において、好気性生物の生息環境が抑制され、海水に於いては、牡蠣、フジツボなどの生物の付着が減少する事を、特徴とする水中の溶存酸素の減少方法。
【請求項4】
溶存酸素の減少により、溶存酸素や鉄酸化細菌による、鉄の酸化(赤サビ)は抑制され、鉄還元細菌により、黒サビ化する事を、特徴とする水中の溶存酸素の減少方法。
【請求項5】
二重代謝経路を持つ微生物は、溶存酸素の低下により、解糖系を中心とした嫌気呼吸となる。溶存酸素の充分な存在下では嫌気呼吸は働かない。その為、溶存酸素の多い水では、好気性呼吸作用により溶存酸素が減少するまで嫌気呼吸は働かない。嫌気呼吸による生成物であるヨーグルト、エチルアルコール等の発酵時間が早まる事を、特徴とする水中の溶存酸素の減少方法。

【公開番号】特開2009−148738(P2009−148738A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−341824(P2007−341824)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(507018447)
【出願人】(507018436)
【Fターム(参考)】