説明

水位検出装置

【課題】汚水槽の底部に堆積する堆積物に水位検出スイッチが埋もれてしまうことを防止し、水位検出動作の信頼性を維持する。
【解決手段】本実施形態の水位検出装置は、汚水槽の内部の防波管の内部に吊り下げられた吊りロープにおける最下位の水位検出スイッチよりも低い位置に、前記汚水槽の底部に堆積する堆積物を検出する堆積物検出部を備える。前記堆積物検出部は、前記吊りロープに上下方向に回動可能に取り付けられた軸芯部と、当該軸芯部から異なる2方向に延びる第1アーム部および第2アーム部とを有する連結部と、前記第1アーム部の先端部に取り付けられたフロート部と、前記第2アーム部の先端部に取り付けられた錘部と、前記連結部が前記軸芯部を中心に上方に回動したことを検出する回動検出部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、水位検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、汚水を貯留する汚水槽内に、水位検出スイッチを備えた装置が公知である。この種の装置においては、汚水槽の底部に堆積する堆積物(例えばヘドロなど)に水位検出スイッチが埋もれてしまい、水位検出動作の信頼性が損なわれてしまう場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−18729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、汚水槽の底部に堆積する堆積物に水位検出スイッチが埋もれてしまうことを防止でき、水位検出動作の信頼性を維持することができる水位検出装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の水位検出装置は、汚水を貯留する汚水槽と、前記汚水槽の内部に設けられ、上下方向に延びる筒状の防波管と、前記防波管の内部に吊り下げられ、下端に重錘が取り付けられた吊りロープと、前記吊りロープの異なる高さにそれぞれ取り付けられ、前記汚水槽内の複数の水位をそれぞれ検出する複数の水位検出スイッチと、前記吊りロープにおける最下位の前記水位検出スイッチよりも低い位置に取り付けられ、前記汚水槽の底部に堆積する堆積物を検出する堆積物検出部と、を備える。前記堆積物検出部は、前記吊りロープに上下方向に回動可能に取り付けられた軸芯部と、当該軸芯部から異なる2方向に延びる第1アーム部および第2アーム部とを有する連結部と、前記第1アーム部の先端部に取り付けられたフロート部と、前記第2アーム部の先端部に取り付けられた錘部と、前記連結部が前記軸芯部を中心に上方に回動したことを検出する回動検出部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1実施形態に係る水位検出装置の全体構成を概略的に示す図
【図2】堆積物検出部の構成を概略的に示す図
【図3】第2実施形態に係る図2相当図
【図4】第3実施形態に係る図2相当図
【図5】第4実施形態に係る図2相当図
【図6】第5実施形態に係る図1相当図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、複数の実施形態による水位検出装置を、図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について、図1および図2を参照して説明する。図1に示すフリクト式の水位検出装置10は、下水や雨水などの汚水を貯留する汚水槽11の内部に、防波管12と、吊りロープ13と、複数(この場合、3つ)のフロートスイッチ14a,14b,14c(水位検出スイッチに相当)と、堆積物検出部15とを備えている。また、汚水槽11の内部には、当該汚水槽11内の汚水を例えば水処理施設に汲み上げる汲み上げポンプ(図示せず)が配設されている。
【0008】
防波管12は、汚水槽11の内部において上下方向に延びる筒状の部材である。防波管12の上端部は、汚水槽11の上部の開口部11aに取り付けられている。防波管12の下端部は、汚水槽11の底部に向かって開放している。防波管12の下部には、通水可能な複数の連通孔12aが形成されている。これにより、汚水槽11内の水位と防波管12内の水位とが相互に連動し易くなり、両水位が同レベルに維持される。吊りロープ13は、防波管12の内部に吊り下げられている。この吊りロープ13の下端には重錘16が取り付けられており、これにより、吊りロープ13が殆ど撓むことなく上下方向に延びる。なお、後述するフロートスイッチ14a,14b,14c内やフロート部18内に備えられる検出素子に接続されるケーブル類13aが、汚水槽11上部のプルボックス11bから吊りロープ13に沿って配設されている。
【0009】
フロートスイッチ14a,14b,14cは、吊りロープ13の異なる高さにそれぞれ取り付けられており、汚水槽11内の複数の水位をそれぞれ検出する。これらフロートスイッチ14a,14b,14cは、それぞれ、例えば内部が中空である断面楕円形状の合成樹脂製の浮体ケース内に、検出素子としてリードスイッチ(図示せず)を備えた構成である。このリードスイッチは、水平よりも上方側に設定された所定の基準角度(動作角度)よりも上方に傾斜すると接点が閉じてオンし、所定の基準角度(動作角度)よりも下方に傾斜が復帰すると接点が開いてオフする。
【0010】
この場合、最上位のフロートスイッチ14aは、汲み上げポンプを自動的に起動させる水位として設定された高水位を検出する。フロートスイッチ14bは、汲み上げポンプを自動的に停止させる水位として設定された低水位を検出する。最下位のフロートスイッチ14cは、許容低水位を検出する。この許容低水位は、汲み上げポンプを手動操作によって起動、或いは、停止させる場合に、汲み上げポンプを起動することが許容される最低水位、換言すれば、汲み上げポンプを起動させてはならない基準水位として設定された水位である。汚水槽11内の水位を許容低水位以上に維持することで、汲み上げポンプが空気を吸い込んでしまうこと(エアがみ)やポンプ本体の過熱などが防止される。なお、これら高水位、低水位、許容低水位は、適宜変更して設定することができる。また、フロートスイッチの数を適宜変更することで、これら3つの水位以外の水位を検出可能な構成としてもよい。
【0011】
堆積物検出部15は、吊りロープ13における最下位のフロートスイッチ14cよりも低い位置に取り付けられ、汚水槽11の底部に堆積する例えばヘドロ(有機質や無機質からなる微細な沈殿物)やスカム(固形成分や油脂成分の集合体)などの堆積物を検出する。ここで、この堆積物検出部15の構成について図2を参照して説明する。
堆積物検出部15は、連結部17と、フロート部18と、錘部19とを備える。連結部17は、軸芯部17aと、第1アーム部17bと、第2アーム部17cとを備える。軸芯部17aは、吊りロープ13に取り付けられた係留具20に上下方向に回動可能に取り付けられている。第1アーム部17bおよび第2アーム部17cは、軸芯部17aから異なる2方向に延びる。この場合、第1アーム部17bは、軸芯部17aから上方に傾斜して延びている。第2アーム部17cは、軸芯部17aから下方に傾斜して延びている。また、第1アーム部17bと第2アーム部17cとの間の角度は、この場合、概ね90度である。即ち、連結部17は、全体としてほぼL字状をなしている。
【0012】
フロート部18は、例えば内部が中空である断面楕円形状の浮体ケース内に低密度の発泡材などを充填した構成であり、第1アーム部17bの先端部に取り付けられている。また、フロート部18内には、発泡材などが充填されていないスペースが設けられており、このスペース内に、検出素子としてリードスイッチが備えられている。このリードスイッチは、フロート部18、ひいては、連結部17が軸芯部17aを中心に所定の基準角度(動作角度)よりも上方に回動したことを検出する回動検出部としての機能を担う。なお、フロート部18内に設置するリードスイッチの動作角度は、フロートスイッチ14a,14b,14c内にそれぞれ設置するリードスイッチの動作角度とは異なる角度に設定してもよいし、同一の角度に設定してもよい。要は、汚水槽11の底部に堆積する堆積物を検出可能な角度に設定すればよい。また、このような構成のフロート部18は、上述のフロートスイッチ14a,14b,14cと同様の部品を流用して構成することができる。
【0013】
錘部19は、例えばフロート部18と同様の浮体ケース内に砂などの高密度の材料を適量だけ充填した構成であり、第2アーム部17cの先端部に取り付けられている。即ち、上記のフロート部18および当該錘部19は、何れも、内部が中空の浮体ケースを備えた構成であり、部品(浮体ケース)の共通化が図られている。
【0014】
このような構成の堆積物検出部15は、当該堆積物検出部15が水中に存する状態において、フロート部18の浮力(この場合、堆積物検出部15が水中に存しない状態においてフロート部18に加わる重力と堆積物検出部15が水中に存する状態においてフロート部18に加わる浮力との差)による上方へのモーメントと、錘部19の重力(この場合、堆積物検出部15が水中に存しない状態において錘部19に加わる重力と堆積物検出部15が水中に存する状態において錘部19に加わる浮力との差)による下方へのモーメントとのバランスを調整することで、第2アーム部17cが吊りロープ13に対して所定角度を有した状態で安定するようになっている。なお、この状態では、フロート部18内のリードスイッチは、その動作角度には達しないようになっている。第2アーム部17cの吊りロープ13に対する所定角度は、フロート部18に作用する浮力と錘部19に作用する重力とのバランスを調整することで、適宜変更して設計することができる。
【0015】
次に、上記構成の水位検出装置10の動作、特に汚水槽11の底部に堆積する堆積物(ヘドロやスカムなど)を検出する動作について説明する。
汚水槽11の底部において堆積物の堆積が進行すると、その堆積物が盛り上がることに伴い第2アーム部17cが上方に突き上げられ、フロート部18を含む堆積物検出部15全体が軸芯部17aを中心に上方に回動する。そして、フロート部18が所定の基準角度(動作角度)よりも上方に傾斜すると、当該フロート部18内のリードスイッチがオンし、これにより、汚水槽11内の堆積物の堆積量が所定量を超えたことが検出される。
【0016】
本実施形態によれば、汚水槽11内の堆積物の堆積を、錘部19および連結部17を介して精度良くフロート部18内のリードスイッチに伝達することができる。また、堆積物検出部15を最下位のフロートスイッチ14cよりも低い位置に備えたので、水位検出用のフロートスイッチ14a,14b,14cが堆積物に埋もれてしまう前に、当該堆積物の除去などの措置を行うことが可能である。これにより、汚水槽11の底部に堆積する堆積物にフロートスイッチ14a,14b,14cが埋もれてしまうことを防止でき、水位検出装置10による汚水槽11内の水位検出動作の信頼性を維持することができる。
【0017】
(第2実施形態)
図3は第2実施形態を示す。この第2実施形態は、堆積物検出部15の構成が、上述の実施形態とは異なっている。
即ち、堆積物検出部15は、上述の連結部17に代わる連結部21を備えている。この連結部21の第1アーム部21bと第2アーム部21cは、相互間の角度(第1アーム部21bと第2アーム部21cとの間の角度)が90度未満となる範囲内で、それぞれ軸芯部21aを中心に回動可能に構成されている。即ち、第1アーム部21bおよび第2アーム部21cは、ヒンジ構造となっている。
【0018】
第1アーム部21bの基端部には、当該第1アーム部21bが延びる方向に直交し、且つ、軸芯部21aが延びる方向に平行となるように延びる矩形板状のストッパ22が設けられている。このストッパ22は、第1アーム部21bと第2アーム部21cとの間の角度が概ね90度に広がった状態において、第2アーム部21cの基端部の側面に所定の押圧力を付した状態で当接し、第1アーム部21bと第2アーム部21cとの間の角度がそれ以上(概ね90度以上)に広がらないように規制する。そして、ストッパ22が第2アーム部21cの基端部の側面に所定の押圧力を付して当接した状態では、第2アーム部21cに所定の大きさ以上の上方側(第1アーム部21b側)への回動力が加えられない限り、連結部21は、第1アーム部21bと第2アーム部21cとの間の角度(概ね90度)を維持したまま軸芯部21aを中心に回動する。
【0019】
また、第2アーム部21cの基端部の角部は円弧状に設けられている。そして、第2アーム部21cに所定の大きさ以上の上方側(第1アーム部21b側)への回動力が加えられると、ストッパ22が第2アーム部21cの基端部の側面に押圧力を付した状態が解除され、第2アーム部21cの基端部の円弧状の角部がストッパ22に対向しながら移動するようになり、第2アーム部21cが第1アーム部21b側に回動可能な状態となる。
【0020】
このような構成によれば、汚水槽11の底部において堆積物の堆積が進行すると、その堆積物が盛り上がることに伴い第2アーム部21cが上方に突き上げられ、連結部21全体が第1アーム部21bと第2アーム部21cとの間の角度を維持したまま軸芯部21aを中心に上方に回動する。そして、第1アーム部21bの先端部のフロート部18が所定の基準角度(動作角度)よりも上方に傾斜すると、当該フロート部18内のリードスイッチがオンし、これにより、汚水槽11内の堆積物の堆積量が所定量を超えたことが検出される。
【0021】
そして、さらに汚水槽11の底部において堆積物の堆積が進行すると、その堆積物によって連結部21の第2アーム部21cに所定の大きさ以上の上方側(第1アーム部21b側)への回動力が加えられるようになり、連結部21のうち第2アーム部21cのみが第1アーム部21b側に回動するようになる。
【0022】
本実施形態によれば、堆積物の堆積の進行に伴い、フロート部18内のリードスイッチが一旦オンした後においては、連結部21のうち第2アーム部21cのみの回動を許容するようにした。これにより、フロート部18内のリードスイッチが必要以上(動作接点以上)に傾いた状態となってしまうことを防止でき、リードスイッチの故障や堆積物の検出動作の信頼性の低下を回避することができる。
【0023】
(第3実施形態)
図4は第3実施形態を示す。この第3実施形態は、堆積物検出部15の構成が、上述の実施形態とは異なっている。
この場合、フロート部18の密度Mf(Mf<1)および体積Qfと、錘部19に代わる錘部31の密度Mw(Mw>1)および体積Qwは、
(1−Mf)×Qf<(Mw−1)×Qw
の関係を満たすように設定されている。また、フロート部18の体積Qfは、錘部31の体積Qwよりも大幅に小さく設定され、錘部31の体積Qwは、フロート部18の体積Qfよりも大幅に大きく設定されている。即ち、フロート部18および錘部31は、Qf<<Qwの関係を満たすように設計されている。
【0024】
本実施形態によれば、錘部31の体積Qwを大きく設定することにより、当該錘部31が堆積物に埋もれ難くなり、堆積物の堆積の進行に連結部17が応動し易くなる。また、錘部31の体積Qwを大きくしたことに伴う当該錘部31の浮力の上昇を考慮して、錘部31の密度Mwも大きく設定する。これにより、錘部31の錘としての機能が損なわれることがない。
【0025】
(第4実施形態)
図5は第4実施形態を示す。この第4実施形態は、回動検出部を錘部19にも設けた点が、上述の実施形態とは異なっている。
この場合、錘部19の内部には、砂などの高密度の材料が充填されていないスペースが設けられ、このスペース内に、検出素子としてリードスイッチが備えられている。このリードスイッチには、プルボックス11b(図1参照)から延びるケーブル類13bが接続されている。
【0026】
この構成によれば、汚水槽11内に堆積する堆積物を、フロート部18に備えられたリードスイッチ、および、錘部19に備えられたリードスイッチの2つの回動検出部によって検出することができる。このように堆積物の検出を二重化して行うことができ、堆積物の検出動作の信頼性を向上することができる。また、仮に一方のリードスイッチが故障したとしても、他方のリードスイッチによって堆積物を検出することができる。
【0027】
(第5実施形態)
図6は第5実施形態を示す。この場合、水位検出装置10は、最上位のフロートスイッチ14aよりも下方寄りまたは同じ水位において浮くフロート51を備えている。そして、堆積物検出部15の錘部19は、フロート51に連結ロープ52を介して連結されている。なお、フロート51の水位変動に伴う上下変位は大きいため、フロート51とフロートスイッチ14aなどとの絡まりを回避するために、吊りロープ13に準じて吊り具(図示せず)などによってフロート51を吊る構成とし、汚水槽11内の水位が下降してもフロート51が最上位の水位の下方近傍に留まり、大きく下降しないように保持するようにしてもよい。
【0028】
この構成によれば、仮に堆積物検出部15の錘部19が汚水槽11内に堆積する堆積物に埋もれてしまったとしても、最上位のフロートスイッチ14aよりも下方寄りまたは同じ水位において浮くフロート51によって当該錘部19を引き上げることができる。つまり、汲み上げポンプの運転状況(起動/停止の状況)と汚水槽11内の水位の状況とに応じて、例えば錘部19が堆積物に埋もれた直後に汚水槽11内の水位が高水位に上昇すると、フロート51によって錘部19が引き上げられて、堆積物に埋もれた状態から脱する。その後、汲み上げポンプの動作により汚水槽11内の水位が下がると、フロート51による錘部19の引き上げ力が徐々に消滅し、フロート51による錘部19の引き上げ作用も徐々に無くなる。そして、錘部19は、堆積物の上方に引き上げられた状態から当該堆積物の上面域に下降して、堆積物に埋もれることなく軟着する。これにより、堆積物の検出を確実とすることができる。
【0029】
以上のように各実施形態の水位検出装置は、汚水を貯留する汚水槽と、前記汚水槽の内部に設けられ、上下方向に延びる筒状の防波管と、前記防波管の内部に吊り下げられ、下端に重錘が取り付けられた吊りロープと、前記吊りロープの異なる高さにそれぞれ取り付けられ、前記汚水槽内の複数の水位をそれぞれ検出する複数の水位検出スイッチと、前記吊りロープにおける最下位の前記水位検出スイッチよりも低い位置に取り付けられ、前記汚水槽の底部に堆積する堆積物を検出する堆積物検出部と、を備える。そして、前記堆積物検出部は、前記吊りロープに上下方向に回動可能に取り付けられた軸芯部と、当該軸芯部から異なる2方向に延びる第1アーム部および第2アーム部とを有する連結部と、前記第1アーム部の先端部に取り付けられたフロート部と、前記第2アーム部の先端部に取り付けられた錘部と、前記連結部が前記軸芯部を中心に上方に回動したことを検出する回動検出部と、を備える。この構成によれば、汚水槽の底部に堆積する堆積物に水位検出スイッチが埋もれてしまうことを防止でき、水位検出動作の信頼性を維持することができる。
【0030】
なお、水位検出スイッチは、リードスイッチを備えた構成に限られるものではなく、例えばスイッチが傾くことに伴い内部の水銀が移動して接点が導通される構成(水銀式の構成)、スイッチが傾くことに伴い内部の鋼球が移動して接点が導通される構成(回転球式の構成)など、種々の構成を採用することができる。
最下位の水位検出スイッチに、2つの動作角度(水検知用の動作角度、および、堆積物検出用の動作角度)を有する検出素子を組み込むことで、最下位の水検出スイッチと堆積物検出部とを兼用する構成としてもよい。
水位検出装置に対し同時に複数の実施形態を適用してもよい。
上述の各実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0031】
図面中、10は水位検出装置、11は汚水槽、12は防波管、13は吊りロープ、14a,14b,14cはフロートスイッチ(水位検出スイッチ)、15は堆積物検出部、17は連結部、17aは軸芯部、17bは第1アーム部、17cは第2アーム部、18はフロート部(回動検出部)、19は錘部、21は連結部、21aは軸芯部、21bは第1アーム部、21cは第2アーム部、31は錘部、51はフロート、52は連結ロープを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚水を貯留する汚水槽と、
前記汚水槽の内部に設けられ、上下方向に延びる筒状の防波管と、
前記防波管の内部に吊り下げられ、下端に重錘が取り付けられた吊りロープと、
前記吊りロープの異なる高さにそれぞれ取り付けられ、前記汚水槽内の複数の水位をそれぞれ検出する複数の水位検出スイッチと、
前記吊りロープにおける最下位の前記水位検出スイッチよりも低い位置に取り付けられ、前記汚水槽の底部に堆積する堆積物を検出する堆積物検出部と、
を備え、
前記堆積物検出部は、
前記吊りロープに上下方向に回動可能に取り付けられた軸芯部と、当該軸芯部から異なる2方向に延びる第1アーム部および第2アーム部とを有する連結部と、
前記第1アーム部の先端部に取り付けられたフロート部と、
前記第2アーム部の先端部に取り付けられた錘部と、
前記連結部が前記軸芯部を中心に上方に回動したことを検出する回動検出部と、
を備えることを特徴とする水位検出装置。
【請求項2】
前記第1アーム部と前記第2アーム部は、相互間の角度が90度未満となる範囲内で回動可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の水位検出装置。
【請求項3】
前記フロート部の密度Mfおよび体積Qfと、前記錘部の密度Mwおよび体積Qwは、
(1−Mf)×Qf<(Mw−1)×Qw
の関係を満たすように設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の水位検出装置。
【請求項4】
前記フロート部および前記錘部は、何れも内部が中空のケースから構成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の水位検出装置。
【請求項5】
前記回動検出部は、前記錘部に設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の水位検出装置。
【請求項6】
最上位の前記水位検出スイッチよりも下方寄りまたは同じ水位において浮くフロートを備え、
前記錘部は、前記フロートに連結ロープを介して連結されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の水位検出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−26109(P2012−26109A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−163782(P2010−163782)
【出願日】平成22年7月21日(2010.7.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】