説明

水処理システム

【課題】ユーザの止水時間を低減することができると共に、水資源を有効に利用しつつ、過処理装置の濾過性能を効果的に回復させることができる水処理システムを提供すること。
【解決手段】水処理システムは、濾過処理装置と、逆洗水供給ライン、逆洗水供給ポンプ15、逆洗バルブ16及び排水ラインと、原水ライン、原水ポンプ2、原水バルブ3及び排水ラインと、流量計19と、時間帯入力部20と、洗浄動作における標準の洗浄時間よりも短い洗浄時間を設定する洗浄時間入力部21と、時間情報計測部32と、洗浄動作実施時期判定部33と、洗浄動作実施時期判定部33によって判定された洗浄動作の実施時期に、洗浄時間入力部21によって設定された洗浄時間に基づいて洗浄動作を実施する洗浄動作実施制御部35と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原水に含まれる懸濁物質を濾材により捕捉して処理水を製造する濾過処理装置を備えた水処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、地下水等の原水に含まれる懸濁物質(例えば、微粒子、有機物、溶存鉄の酸化析出物等)を濾材により捕捉して処理水を製造する濾過処理装置を備えた水処理システムが提供されている(例えば、特許文献1,2参照)。
このような濾過処理装置の濾材は、捕捉した懸濁物質の増加に伴って、次第に濾過性能が低下する。そのため、洗浄水(原水又は処理水)を用いて濾材を定期的に洗浄(逆洗浄及び水洗)することにより、濾過処理装置の濾過性能を回復させている。このような洗浄を一日に複数回行う場合、濾過性能の低下の程度によらず、同じ時刻に、同じ洗浄水量で一律に行っていた。また、濾材の洗浄を行う場合には、処理水の製造を一時的に停止する止水時間の確保が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−191014号公報
【特許文献2】特開2003−190973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザによる処理水の使用態様は様々であり、処理水の単位時間毎の積算使用量も一日の中で変動(増減)することが多い。
しかし、上記特許文献1に記載の水処理システムにおいて、洗浄を一日に複数回行う場合には、濾過性能の低下の程度によらず、同じ時刻に、同じ洗浄水量で一律に行っていた。そのため、ユーザによる処理水の積算使用量が多い時間帯に、必要性の少ない洗浄が一律に行われると、ユーザはより多くの止水時間を確保しなければならなかった。
また、濾過性能がさほど低下していない時に濾材の洗浄を行っても、濾過性能を効果的に回復させることができないばかりか、過剰な洗浄水が使用され、水資源の無駄が多かった。
【0005】
本発明は、ユーザの止水時間を低減することができると共に、水資源を有効に利用しつつ、過処理装置の濾過性能を効果的に回復させることができる水処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、原水に含まれる懸濁物質を濾材により捕捉して処理水を製造する濾過処理装置と、前記濾材を逆洗浄するために該濾材に洗浄水を供給すると共に、捕捉された前記懸濁物質を洗浄水と共に系外へ排出する逆洗浄手段と、逆洗浄された前記濾材を濯ぐために該濾材に濯ぎ水を供給すると共に、該濾材を濯いだ濯ぎ水を系外へ排出する水洗手段と、処理水の単位時間毎の積算使用量を検出する処理水使用量検出手段と、前記処理水使用量検出手段によって検出された処理水の単位時間毎の積算使用量が、所定値以下に低下する時間帯を入力操作によって設定する時間帯入力手段と、前記時間帯入力手段によって設定された前記時間帯に実施され、かつ前記逆洗浄手段による逆洗工程及び前記水洗手段による水洗工程からなる洗浄動作の洗浄時間であって、標準の洗浄時間よりも短い洗浄時間を入力操作によって設定する洗浄時間入力手段と、時間情報を計測する時間情報計測手段と、前記時間帯入力手段によって設定された前記時間帯と前記時間情報計測手段によって計測された前記時間情報とに基づいて、洗浄動作を実施する時期になったか否かを判定する洗浄動作実施時期判定手段と、前記洗浄動作実施時期判定手段によって判定された洗浄動作の実施時期に、前記洗浄時間入力手段によって設定された洗浄時間に基づいて洗浄動作を実施する洗浄動作実施制御手段と、を備える水処理システムに関する。
【0007】
また、前記洗浄時間入力手段によって設定される洗浄時間は、前記逆洗浄工程における逆洗浄時間及び前記水洗工程における水洗時間が個別に設定されることにより、標準の洗浄時間よりも短い洗浄時間が設定されることが好ましい。
【0008】
また、本発明は、原水に含まれる懸濁物質を濾材により捕捉して処理水を製造する濾過処理装置と、前記濾材を逆洗浄するために該濾材に洗浄水を供給すると共に、捕捉された前記懸濁物質を洗浄水と共に系外へ排出する逆洗浄手段と、逆洗浄された前記濾材を濯ぐために該濾材に濯ぎ水を供給すると共に、該濾材を濯いだ濯ぎ水を系外へ排出する水洗手段と、処理水の単位時間毎の積算使用量を検出する処理水使用量検出手段と、時間情報を計測する時間情報計測手段と、前記処理水使用量検出手段によって検出された処理水の単位時間毎の積算使用量及び前記時間情報計測手段によって計測された時間情報を含む処理水使用情報を記憶する処理水使用情報記憶手段と、前記処理水使用情報記憶手段に記憶された前記処理水使用情報に基づいて、処理水の使用量が所定値以下に低下する時間帯を、処理水使用量低下時間帯として学習する処理水使用量低下時間帯学習手段と、前記処理水使用量低下時間帯学習手段が学習するべき学習期間を入力する学習期間入力手段と、前記学習期間入力手段から入力された前記学習期間が経過したか否かを判定する学習期間判定手段と、前記処理水使用量低下時間帯学習手段によって学習された前記処理水使用量低下時間帯と前記時間情報計測手段によって計測された前記時間情報とに基づいて、前記逆洗浄手段による逆洗浄工程及び前記水洗手段による水洗工程からなる洗浄動作を実施する時期になったか否かを判定する洗浄動作実施時期判定手段と、前記処理水使用量検出手段によって検出された処理水の単位時間毎の積算使用量に基づいて、洗浄動作における標準の洗浄時間よりも短い洗浄時間を設定する洗浄時間設定手段と、前記洗浄動作実施時期判定手段によって判定された洗浄動作の実施時期に、前記洗浄時間設定手段によって設定された洗浄時間に基づいて洗浄動作を実施する洗浄動作実施制御手段と、を備える水処理システムに関する。
【0009】
また、前記洗浄時間設定手段によって設定される洗浄時間は、前記逆洗浄工程における逆洗浄時間及び前記水洗工程における水洗時間が個別に設定されることにより、標準の洗浄時間よりも短い洗浄時間が設定されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザの止水時間を低減することができると共に、水資源を有効に利用しつつ、過処理装置の濾過性能を効果的に回復させることができる水処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施形態の水処理システム1を示す構成図である。
【図2】第1実施形態の水処理システム1の制御に係る機能ブロック図である。
【図3】(a)は、水処理システム1における処理水W2の単位時間毎の積算使用量の時間変化を示す図であり、(b)は、濾過処理装置4の濾過性能レベルの時間変化を示す図である。
【図4】第1実施形態の水処理システム1の制御を示すフローチャートである。
【図5】第2実施形態の水処理システム1Aを示す構成図である。
【図6】第2実施形態の水処理システム1Aの制御に係る機能ブロック図である。
【図7】第2実施形態の水処理システム1Aの処理水使用量低下時間帯を学習する制御を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態の水処理システム1Aの洗浄動作を実施する制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔第1実施形態〕
以下に、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態の水処理システム1を示す構成図である。図2は、第1実施形態の水処理システム1の制御に係る機能ブロック図である。
【0013】
図1に示すように、本発明の第1実施形態の水処理システム1は、地下水等の原水W1が流通する原水ラインL1と、原水ポンプ2と、原水バルブ3と、原水W1に含まれる懸濁物質を濾材(図示せず)により捕捉して処理水W2を製造する濾過処理装置4と、処理水W2が流通する処理水ラインL2と、給水バルブ7と、処理水W2を貯留する処理水タンク8と、処理水配給ラインL3と、処理水配給ポンプ9と、逆洗水供給ラインL5と、逆洗水供給ポンプ15と、逆洗バルブ16と、排水ラインL4と、バックアップ給水ラインLbと、薬剤添加装置11と、処理水用水質計18と、処理水使用量検出手段としての流量計19と、制御装置30と、時間帯入力手段としての時間帯入力部20と、洗浄時間入力手段としての洗浄時間入力部21と、を主体に構成されている。
なお、本明細書でいう「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
【0014】
原水ラインL1の上流側の端部は、原水W1の供給源(図示せず)に接続されている。原水ラインL1の下流側の端部は、濾過処理装置4(後述のコントロールバルブ6)に接続されている。原水ポンプ2は、原水ラインL1に設けられている。原水ポンプ2は、地下水等の原水W1を濾過処理装置4に向けて送出する。原水ポンプ2は、制御装置30(後述)によって運転(駆動及び停止)を制御される。原水バルブ3は、原水ラインL1に設けられ、原水ラインL1を開閉する。原水バルブ3は、制御装置30(後述)によって開閉を制御される。
【0015】
これら原水ラインL1、原水ポンプ2及び原水バルブ3は、逆洗浄された濾過処理装置4の濾材を原水W1で濯ぎ、濾材を濯いだ原水W1を系外へ排出する水洗手段としても機能する。
【0016】
また、原水ラインL1は、添加点J1において、薬剤添加装置11によって所定の薬剤が添加されるようになっている。原水ラインL1の合流点J3には、逆洗水供給ラインL5(後述)が合流している。
薬剤添加装置11は、下流側の濾過処理装置4(後述)において懸濁物質を除去するために、所定の薬剤を添加するものである。薬剤は、凝集剤や酸化剤であり、濾過処理装置4の濾過方法に応じて、適宜選択される。薬剤の詳細については、後述する。
【0017】
薬剤添加装置11は、薬剤貯留部11aと、薬剤添加ポンプ11bと、を備える。薬剤貯留部11aは、薬剤を貯留する。薬剤添加ポンプ11bは、原水ラインL1の添加点J1において、薬剤貯留部11aに貯留された薬剤を原水W1に送出し、添加する。薬剤添加ポンプ11bは、制御装置30(後述)によって運転(駆動及び停止)を制御される。
【0018】
濾過処理装置4は、原水ラインL1の下流側の端部に設けられ、原水W1に含まれる懸濁物質を濾材(図示せず)により捕捉することにより処理水W2を製造するものである。濾過処理装置4は、濾材を有する濾過塔5と、逆洗浄手段としてのコントロールバルブ6と、排水ラインL4と、を備え、濾材を定期的に洗浄(逆洗浄工程及び水洗工程を実施)できるように構成されている。
【0019】
つまり、逆洗浄工程時には、逆洗水供給ラインL5(後述)を介して濾材に洗浄水(本実施形態においては、処理水W2である。以下、適宜、「逆洗水」ということもある)が供給され、濾材によって捕捉された懸濁物質が洗浄水と共に系外へ排出されるように構成されている。水洗工程時には、逆洗浄された濾材を濯ぐために、濾材に濯ぎ水(本実施形態においては、原水W1)が供給され、濾材を濯いだ濯ぎ水が系外へ排出されるように構成されている。
【0020】
濾過塔5は、懸濁物質を濾過するための濾材(図示せず)を有する。コントロールバルブ6は、濾過塔5に対して流入又は流出する水(原水W1、処理水W2、濾材洗浄時の逆洗水や濯ぎ水等)の流路を制御する。コントロールバルブ6は、制御装置30(後述)によって開閉を制御される。コントロールバルブ6は、逆洗浄手段及び水洗手段として機能する。排水ラインL4は、コントロールバルブ6に接続され、後述する濾材洗浄時の逆洗水(処理水W2)や濾材水洗時の濯ぎ水(原水W1)等を系外に排出する。排水ラインL4は、逆洗浄手段及び水洗手段として機能する。
【0021】
濾過処理装置4は、処理水タンク8から逆洗水供給ラインL5を介して供給される処理水W2(逆洗水)によって、逆洗浄可能に構成されている。逆洗水供給ラインL5は、上流側の端部が処理水タンク8に接続され、下流側の端部が原水ラインL1の合流点J3に合流している。
【0022】
逆洗水供給ラインL5には、逆洗水を送出する逆洗浄手段としての逆洗水供給ポンプ15と、逆洗水供給ラインL5を開閉する逆洗浄手段としての逆洗バルブ16と、が設けられている。逆洗水供給ポンプ15は、制御装置30(後述)と接続されており、制御装置30によって運転(駆動及び停止)を制御される。逆洗バルブ16は、制御装置30(後述)と接続されており、制御装置30によって開閉を制御される。
【0023】
濾過処理装置4は、原水W1中の除去対象物質に応じて種々選択される。濾過処理装置4の例として、例えば、次のような砂濾過装置、除鉄除マンガン装置及び活性炭濾過装置を挙げることができる。これらの装置は、いずれも原水W1に含まれる懸濁物質を濾材の篩効果により捕捉して除去可能なものである。
【0024】
砂濾過装置は、原水W1に含まれる微粒子等の懸濁物質を濾材(図示せず)により捕捉して除去するものである。砂濾過装置としては、例えば、硅石等の粗粒濾材と、アンスラサイト、濾過砂等の細粒濾材と、から形成された濾材層(図示せず)を有する塔式のものが挙げられる。濾過処理装置4として、砂濾過装置が使用される場合には、原水W1に含まれる懸濁物質を凝集(フロック化)させて除去し易くする必要がある。そのため、濾過塔の上流側に配置された薬剤添加装置11によって、凝集剤を添加する。凝集剤としては、例えば、無機系凝集剤を用いることができ、具体的には、ポリ塩化アルミニウム(PAC)や硫酸アルミニウム等が挙げられる。
【0025】
除鉄除マンガン装置は、原水W1に含まれる微粒子等の懸濁物質と共に、溶存鉄及び溶存マンガンを濾材(図示せず)により捕捉して除去するものであり、この濾材が充填された濾過塔を備えている。濾材には、通常、粒子状のマンガンシャモットやマンガンゼオライトが使用される。また、濾過処理装置4として、除鉄除マンガン装置が使用される場合には、原水W1に含まれる溶存鉄及び溶存マンガンを酸化してから除去する。そのため、濾過塔の上流側に配置された薬剤添加装置11によって、酸化剤(例えば、次亜塩素酸ナトリウム)を添加する。
【0026】
具体的には、原水W1に含まれる溶存鉄は、上記酸化剤の作用により酸化され、不溶性の水酸化第一鉄を経て水酸化第二鉄へと変化(すなわち、懸濁物質化)し、上記濾材によって濾過される。原水W1に含まれる溶存マンガンは、上記酸化剤の作用により上記濾材と接触したときに、酸化が進行し、濾材によって吸着され除去される。
【0027】
活性炭濾過装置は、原水W1に含まれる懸濁物質と共に、有機物、色度成分及び臭気成分等の不純物を吸着材からなる濾材で除去するものであり、この吸着材が充填された濾過塔を備えている。吸着材には、通常、粒子状又は繊維状の活性炭が使用される。
なお、活性炭濾過装置は、上記砂濾過装置及び/又は除鉄除マンガン装置と併用してもよい。その場合、活性炭濾過装置を、上記砂濾過装置及び/又は除鉄除マンガン装置の下流側に配置することが好ましい。このように配置することにより、例えば、除鉄除マンガン装置を通過した酸化剤由来の残留塩素を、活性炭濾過装置によって分解できるからである。
【0028】
以上のように構成された濾過処理装置4には、処理水ラインL2が接続されている。
次に、処理水ラインL2及び処理水ラインL2に関連する構成要素について説明する。処理水ラインL2の上流側の端部は、濾過処理装置4(コントロールバルブ6)に接続されている。処理水ラインL2の下流側の端部は、処理水タンク8に接続されている。処理水ラインL2は、濾過処理装置4によって製造された処理水W2が流通する。
処理水ラインL2には、給水バルブ7が設けられている。給水バルブ7は、処理水ラインL2を開閉する。給水バルブ7は、制御装置30(後述)と接続されており、制御装置30によって開閉を制御される。
【0029】
また、処理水ラインL2には、計測点J5において、処理水用水質計18が接続されている。処理水用水質計18は、処理水ラインL2を流通する処理水W2の水質(例えば、濁度又は色度等)を計測するものである。処理水用水質計18は、制御装置30(後述)と接続されている。処理水用水質計18によって計測された信号は、制御装置30に入力され、この制御装置30によって処理水W2の水質が判定されるようになっている。
【0030】
また、処理水ラインL2には、計測点J6において、流量計19が接続されている。流量計19は、処理水ラインL2を流通する処理水W2の積算流量を計測するものである。つまり、流量計19は、システムの保守管理者による処理水W2の単位時間毎の積算使用量を検出する処理水使用量検出手段として機能する。流量計19は、制御装置30(後述)と接続されている。流量計19によって計測された信号は、制御装置30に入力され、この制御装置30によって処理水W2の単位時間毎の積算流量が算出されると共に、その履歴が後述するメモリ部45に記憶されるようになっている。なお、流量計19は、後述する処理水配給ラインL3に設けることもできる。
【0031】
処理水タンク8は、処理水ラインL2の下流側の端部に接続され、処理水ラインL2を介して導入された処理水W2を貯留するものである。
処理水タンク8は、水位計8aを備えている。水位計8aは、処理水タンク8に貯留された処理水W2の水位を計測する。水位計8aは、制御装置30(後述)と接続されている。水位計8aによって計測された信号は、制御装置30に入力され、この制御装置30によって、処理水タンク8の水位が算出されるようになっている。
【0032】
本実施形態の濾過処理装置4においては、処理水W2の配給要求時には、後述する処理水配給ポンプ9が稼働され、処理水タンク8内の処理水W2が需要箇所に配給される。そのため、水位計8aによって処理水タンク8の減水及び満水を検出することによって、濾過工程時に、処理水W2の給水開始タイミング及び給水停止タイミング(すなわち、原水ポンプ2の駆動及び停止タイミング)を判断することができる。
【0033】
また、処理水タンク8には、バックアップ給水ラインLbが接続されている。バックアップ給水ラインLbは、処理水タンク8における処理水W2の貯留量が、処理水W2の需要量に対して不足する場合等において、別系統の水処理システム等で製造された処理水や上水等からなるバックアップ水Wbを、処理水タンク8に供給するためのものである。
【0034】
バックアップ給水ラインLbには、バックアップ給水バルブ26が設けられている。バックアップ給水バルブ26は、バックアップ給水ラインLbを開閉する。バックアップ給水バルブ26は、制御装置30(後述)と接続されており、制御装置30によって開閉を制御される。
【0035】
処理水配給ラインL3は、処理水W2が流通可能に構成されている。処理水配給ラインL3の上流側の端部は、処理水タンク8に接続されている。処理水配給ラインL3の下流側の端部は、処理水W2の需要箇所に接続されている。前述したように、流量計19は、処理水ラインL2に代えて、この処理水配給ラインL3に設けることができる。
処理水配給ラインL3には、処理水配給ポンプ9が設けられている。処理水配給ポンプ9は、処理水タンク8からの処理水W2を、下流側の需要箇所に送出する。処理水配給ポンプ9は、制御装置30(後述)と接続されており、制御装置30によって運転(駆動及び停止)を制御される。
【0036】
時間帯入力部20は、流量計19によって検出された処理水の単位時間毎の積算使用量が、所定値以下に低下する時間帯(時間情報)を入力操作によって設定する。ここで、「所定値」とは、処理水W2の止水時間を最も短くできる処理水W2の使用量の閾値である。具体的には、この所定値は、処理水W2の使用量の下限値であることが好ましい。また、入力する時間帯は、この閾値の条件を満足し、かつ、濾過処理装置4の濾過性能がある程度低下した後であることが好ましい。必要性の少ない洗浄動作を実施しないようにするためである。
時間帯入力部20は、例えば、制御装置30に接続されるキーボード(図示せず)である。
【0037】
洗浄時間入力部21は、時間帯入力部20によって設定された時間帯(時間情報)に実施される洗浄動作の洗浄時間を入力操作によって設定する。この際、洗浄時間は、所定の標準洗浄時間(標準時間)よりも短い逆洗浄時間及び水洗時間をそれぞれ個別に設定する。逆洗浄時間及び水洗時間の設定の具体例については、後述する。
洗浄時間入力部21は、例えば、制御装置30に接続されるキーボード(図示せず)である。
【0038】
次に、図2を参照して、第1実施形態の水処理システム1の制御に係る機能について説明する。図2は、第1実施形態の水処理システム1の制御に係る機能ブロック図である。
制御装置30は、第1実施形態の水処理システム1における各部を制御する。図2に示すように、制御装置30は、例えば、原水ポンプ2、処理水配給ポンプ9、薬剤添加ポンプ11b、逆洗水供給ポンプ15、原水バルブ3、コントロールバルブ6、給水バルブ7、逆洗バルブ16、バックアップ給水バルブ26、に電気的に接続される。
【0039】
また、制御装置30は、時間帯入力部20、洗浄時間入力部21及び水処理システム1における各計測装置に電気的に接続され、時間帯入力部20から入力された時間帯の設定情報、洗浄時間入力部21から入力された洗浄時間の設定情報及び各計測装置により計測された計測情報を受信する。計測装置は、例えば、流量計19、水位計8a、処理水用水質計18である。
【0040】
制御装置30は、制御部31と、メモリ部45と、を備える。制御部31は、時間情報計測部32と、洗浄動作実施時期判定部33と、洗浄動作実施制御部35と、を備える。
【0041】
時間情報計測部32は、現在の日時等の時間情報を計測する時計手段である。
洗浄動作実施時期判定部33は、時間帯入力部20によって設定された時間帯(時刻)情報と時間情報計測部32によって計測された時間情報とに基づいて、洗浄動作を実施する時期になったか否かを判定する。
【0042】
洗浄動作実施制御部35は、洗浄動作実施時期判定部33によって判定された洗浄動作の実施時期に、洗浄時間入力部21によって設定された逆洗浄時間及び水洗時間に基づいて逆洗浄工程及び水洗工程を実施する。具体的には、洗浄動作実施制御部35は、逆洗浄工程を実施する場合には、コントロールバルブ6を逆洗浄工程用の流路設定に切り換え、原水バルブ3及び給水バルブ7を閉弁すると共に、逆洗バルブ16を開弁する。そして、設定された逆洗浄時間だけ逆洗水供給ポンプ15を運転してから停止する。
【0043】
洗浄動作実施制御部35は、続いて水洗工程を実施する場合には、コントロールバルブ6を水洗工程用の流路設定に切り換え、給水バルブ7を閉弁したまま逆洗バルブ16を閉弁し、原水バルブ3を開弁する。そして、設定された水洗時間だけ原水ポンプ2を運転してから停止する。
【0044】
メモリ部45は、水処理システム1の制御に必要な制御プログラムや各種データ等を記憶する。具体的には、メモリ部45は、水処理システム1の制御に必要な各種機能を動作させる制御プログラム、時間帯入力部20から入力された時間帯の設定情報、洗浄時間入力部21から入力された洗浄時間の設定情報、前記各計測装置によって計測された各種計測データ(例えば、流量計19によって検出された処理水W2の単位時間毎の積算使用量データ、処理水用水質計18による水質データ等)、各種閾値(例えば、処理水W2の使用量の下限閾値)等を記憶する。
【0045】
次に、第1実施形態の水処理システム1の基本動作について、図1を参照しながら説明する。通常運転時の濾過工程の場合、濾過処理装置4のコントロールバルブ6は、濾過工程用の流路に設定されている。処理水W2の配給要求があると、制御装置30によって処理水配給ポンプ9が稼働されることにより、処理水タンク8に貯留された処理水W2が下流側の需要箇所に送出される(配給開始)。そして、水位計8aにより処理水タンク8の減水が検出されると、制御装置30によって、原水ラインL1における原水ポンプ2及び薬剤添加ポンプ11bが稼働されると共に、原水バルブ3が開弁される。また、制御装置30によって、処理水ラインL2の給水バルブ7が開弁される。この場合、逆洗水供給ラインL5における逆洗水供給ポンプ15は、稼働されず、逆洗バルブ16は閉弁されたままとなっている。
【0046】
原水W1は、原水ポンプ2によって原水ラインL1に供給される。そして、添加点J1において、薬剤添加装置11によって所定の薬剤が添加される。
薬剤が添加された原水W1は、濾過処理装置4のコントロールバルブ6を介して濾過塔5内に導入される。濾過塔5においては、原水W1が上記濾材層に対して下降するように流される。これにより、原水W1に含まれる懸濁物質が濾材により捕捉され、処理水W2が製造される。製造された処理水W2は、コントロールバルブ6を介して処理水ラインL2に流通され、処理水タンク8に貯留される。
【0047】
処理水ラインL2においては、処理水用水質計18によって処理水W2の水質が計測されると共に、流量計19によって処理水W2の積算流量が計測される。これらの計測情報は、制御装置30によって受信される。
処理水W2の配給要求がなくなると、制御装置30によって処理水配給ポンプ9が停止される(配給停止)。続いて、水位計8aにより処理水タンク8の満水が検出されると、制御装置30によって、原水ラインL1における原水ポンプ2及び薬剤添加ポンプ11bが停止されると共に、原水バルブ3が閉弁される。また、制御装置30によって、処理水ラインL2の給水バルブ7が閉弁される。
【0048】
なお、制御装置30によって、処理水タンク8における処理水W2の水位が、所定の下限値になったと判定された場合には、制御装置30によって、バックアップ給水ラインLbのバックアップ給水バルブ26が開弁される。これにより、バックアップ水Wbが、処理水タンク8に補給される。
【0049】
次に、濾過処理装置4の洗浄動作(逆洗浄工程及び水洗工程)について説明する。
逆洗浄工程時には、制御装置30(洗浄動作実施制御部35)によって、原水ラインL1における原水ポンプ2が停止されると共に、原水バルブ3が閉弁され、かつ、濾過処理装置4のコントロールバルブ6が逆洗浄工程用の流路に設定される。また、制御装置30によって、処理水ラインL2の給水バルブ7が閉弁されると共に、逆洗水供給ラインL5における逆洗水供給ポンプ15が稼働され、逆洗バルブ16が開弁される。これにより、濾過塔5において、処理水W2が上記濾材層に対して上昇するように流され、濾材が展開される。洗浄後の逆洗水は、排水ラインL4を介して、系外に排出される。この逆洗浄工程は、洗浄時間入力部21からの入力操作によって設定される逆洗浄時間(後述)に基づいて実施される。
【0050】
また、水洗工程時には、制御装置30(洗浄動作実施制御部35)によって、原水ラインL1における原水ポンプ2が稼働されると共に、原水バルブ3が開弁され、かつ、濾過処理装置4のコントロールバルブ6が水洗工程用の流路に設定される。また、制御装置30によって、処理水ラインL2の給水バルブ7が閉弁状態を維持されると共に、逆洗水供給ラインL5における逆洗水供給ポンプ15が停止され、逆洗バルブ16が閉弁される。これにより、濾過塔5において、濯ぎ水としての原水W1が上記濾材層に対して下降するように流され、濾材が濯がれる。水洗後の濯ぎ水は、排水ラインL4を介して、系外に排出される。この水洗工程は、洗浄時間入力部21からの入力操作によって設定された水洗時間(後述)に基づいて実施される。
【0051】
制御装置30(洗浄動作実施制御部35)による洗浄動作が終了した後は、通常の運転モードに復帰する。つまり、処理水W2を製造するために濾過工程に復帰し、原水バルブ3及び給水バルブ7が開弁され、原水ポンプ2等が運転される。
【0052】
次に、第1実施形態の水処理システム1における洗浄動作の実施時期について、図3を参照しながら説明する。図3(a)は、水処理システム1における処理水W2の単位時間毎の積算使用量の時間変化を示す図であり、図3(b)は、濾過処理装置4の濾過性能レベルの時間変化を示す図である。図3(a)及び図3(b)は、一日における水処理システム1の使用例を示している。
【0053】
図3(a)において、縦軸は、水処理システム1における処理水W2の単位時間毎(例えば、1時間毎)の積算使用量を示し、横軸は、水処理システム1を運用しているときの時間経過(時刻)を示す。図3(b)において、縦軸は、濾過処理装置4の濾過性能レベルを示し、横軸は、水処理システム1を運用しているときの時間経過(時刻)を示す。なお、図3(b)の縦軸における濾過性能レベルは、例えば処理水W2の濁度の相対値として示すことができる。
【0054】
また、図3(b)において、曲線101は、原水W1の水質が通常であり、かつ、従来の定期的な洗浄動作が実施された場合における濾過処理装置4の濾過性能レベルの時間変化を示す。曲線102及び曲線103は、原水W1の水質が悪くなった場合であり、かつ、本実施形態の特徴的な洗浄動作が実施された場合における濾過処理装置4の濾過性能レベルの時間変化を示す。なお、原水W1の水質とは、例えば濁度である。
【0055】
図3に示す例では、3時から5時の時間帯や12時から17時の時間帯は、他の時間帯に比べて処理水W2の単位時間毎の積算使用量が多くなっている。一方、6時から8時の時間帯は、他の時間帯に比べて処理水W2の単位時間毎の積算使用量が少なくなっている。
【0056】
次に、第1実施形態の水処理システム1の特徴的な制御について図4を参照しながら説明する。図4は、第1実施形態の水処理システム1の制御を示すフローチャートである。本実施形態は、洗浄動作を、処理水W2の単位時間毎の積算使用量が少ない時間帯に、通常時よりも短い時間で1回実施するものである。
【0057】
図4に示すように、ステップST1において、流量計19は、処理水W2の単位時間毎の積算使用量を検出する。制御装置30は、この積算使用量のデータを受信し、メモリ部45に記憶する。
【0058】
ステップST2において、システムの保守管理者は、メモリ部45に記憶された処理水W2の積算使用量のデータを参照し、処理水W2の積算使用量が少ない時間帯(例えば、図3(a)に示す6時から8時の時間帯)を特定し、時間帯入力部20(図2参照)によって制御装置30に入力する。所定の時間帯が入力されると、その時間帯の中間時刻(例えば、7時)が、洗浄動作を実施する時期(時刻)として設定されるようになっている。
【0059】
ステップST3において、システムの保守管理者は、所定の標準洗浄時間(標準時間)よりも短い逆洗浄時間及び水洗時間を、洗浄時間入力部21(図2参照)によって制御装置30に入力する。ここにおいて、例えば、工場等が稼働していない夜間(例えば、図3に示す22時)等において洗浄動作が実施される標準時間(止水時間が30分)の内訳として、逆洗浄時間及び水洗時間のそれぞれが15分ずつであるとする。
【0060】
このような場合、システムの保守管理者は、この標準の洗浄時間に対して、例えば、逆洗浄時間を7分、水洗時間を10分というように個別に設定する。つまり、合計の洗浄時間を17分に設定する。そのため、止水時間を標準の止水時間よりも13分短くすることができる。また、止水時間を短縮(低減)することができるため、洗浄水(原水W1及び処理水W2)の使用量を少なくすることができる。また、逆洗浄時間及び水洗時間を個別に設定することができるため、濾過性能の低下の度合いに応じて、逆洗浄時間及び水洗時間を任意に設定することができ、きめ細かな洗浄動作を実施することができる。
【0061】
ステップST4において、時間情報計測部32は、現在の時間情報を計測し、ステップST5に進む。
【0062】
ステップST5において、洗浄動作実施時期判定部33は、時間帯入力部20から入力された時間帯(時刻)情報と時間情報計測部32によって計測された時間情報(現在時刻)とに基づいて、現在の時刻が上記入力された時間帯になったか否かを判定する。つまり、洗浄動作実施時期判定部33は、現在の時刻が、洗浄動作を実施する時期(例えば、図3(a)における7時に相当する時期)になったか否かを判定する。
【0063】
洗浄動作を実施する時期になった(YES)場合(現在時刻が、図3(a)における時刻が7時になった場合に対応)には、ステップST3へ進む。
一方、洗浄動作を実施する時期になっていない(NO)場合(図3(a)において、7時以前に相当する時期)には、ステップST4に戻り、洗浄動作を実施する時期になるまでステップST4及びステップST5の処理を繰り返す。
【0064】
ステップST6において、洗浄動作実施制御部35は、ステップST3において設定された逆洗浄時間に基づいて、例えば、図3(a)に示す7時に逆洗浄工程を実施する。続いて、洗浄動作実施制御部35は、ステップST3において設定された水洗時間に基づいて、水洗工程を実施する。
【0065】
このように洗浄時間を短く設定し、洗浄動作を簡易的に実施する。そのため、濾過処理装置4の濾過性能を完全に回復させることは困難であるが、処理水W2の水質が悪化しない程度にまで濾過性能を回復させることができる。
【0066】
具体的には、上記簡易的な洗浄動作を実施しなければ、例えば、図3(b)の曲線102に示すように、原水W1の水質が悪化した場合に、7時以降では、時間経過と共に濾過性能が急激に悪化(2点鎖線参照)する虞がある。そのため、処理水W2の水質が急激に悪化したり、濾材が完全に目詰まりを起こしたりする虞がある。
【0067】
これに対し、原水W1の水質が悪化した場合であっても、7時に上記簡易的な洗浄動作を実施することにより、図3(b)の曲線103に示すように、濾過性能レベルを一時的に回復させることができる。回復後の濾過性能レベルは、その後の時間経過と共に次第に悪化していく。つまり、原水W1の水質が通常である場合の曲線101と略同様に、濾過性能レベルが定常状態を経て、徐々に悪化していく。そして、例えば、工場等が稼働していない夜間の22時において、標準の洗浄時間による洗浄動作を実施することにより、濾過処理装置4の濾過性能を完全に回復させることができる。
【0068】
ステップST6において、洗浄動作実施制御部35による洗浄動作を実施した後は、本制御は終了し、通常の水処理の運転モードに復帰する。つまり、処理水W2を製造するために濾過工程に復帰する。
【0069】
以上に説明した第1実施形態の水処理システム1によれば、以下に示す各効果が奏される。
第1実施形態の水処理システム1は、逆洗浄手段及び水洗手段としてのコントロールバルブ6を有する濾過処理装置4と、逆洗浄手段としての逆洗水供給ラインL5、逆洗水供給ポンプ15、逆洗バルブ16及び排水ラインL4と、水洗手段としての原水ラインL1、原水ポンプ2、原水バルブ3及び排水ラインL4と、処理水使用量検出手段としての流量計19と、処理水使用量検出手段によって検出された処理水の単位時間毎の積算使用量が、所定値以下に低下する時間帯を入力操作によって設定する時間帯入力部20と、洗浄動作における標準の洗浄時間よりも短い洗浄時間を入力操作によって設定する洗浄時間入力部21と、時間情報計測部32と、洗浄動作実施時期判定部33と、洗浄動作実施時期判定部33によって判定された洗浄動作の実施時期に、洗浄時間入力部21によって設定された洗浄時間に基づいて洗浄動作を実施する洗浄動作実施制御部35と、を備える。
【0070】
そのため、時間帯入力部20によって入力された処理水W2の単位時間毎の積算使用量が少ない時間帯に、所定の標準時間よりも短い時間で洗浄動作を実施することができる。従って、処理水W2の積算使用量が少ない時間帯に洗浄動作を簡易的に実施することで、ユーザの止水時間を低減することができると共に、処理水W2の水質が悪化しない程度にまで濾過性能を回復させることができる。つまり、濾過処理装置4の一日における使用期間において、濾過処理性能をできるだけ維持(延命)することができ、濾過処理性能を効果的に回復させることができる。
【0071】
また、ユーザによる処理水W2の使用状況に応じて洗浄時間を短くすることにより、洗浄水(原水W1及び処理水W2)の使用量を少なくすることができる。従って、水資源を有効に利用することができる。
【0072】
また、第1実施形態の水処理システム1においては、前記逆洗浄手段による濾材の逆洗浄時間及び前記水洗手段による濾材の水洗時間は、洗浄時間入力部21によって、個別に設定され得る。そのため、濾過性能の低下の度合いに応じて、逆洗浄時間及び水洗時間を任意に設定することができ、きめ細かな洗浄動作を実施することができる。
【0073】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。他の実施形態については、主として、第1実施形態の制御方法とは異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。他の実施形態において特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用又は援用される。
【0074】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態の水処理システム1Aの構成について図5及び図6を参照しながら説明する。図5は、第2実施形態の水処理システム1Aを示す構成図である。図6は、第2実施形態の水処理システム1Aの制御に係る機能ブロック図である。
【0075】
図5に示すように、本発明の第2実施形態の水処理システム1Aは、原水ラインL1と、原水ポンプ2と、原水バルブ3と、濾過処理装置4と、処理水ラインL2と、給水バルブ7と、処理水タンク8と、処理水配給ラインL3と、処理水配給ポンプ9と、逆洗浄手段としての逆洗水供給ラインL5、逆洗水供給ポンプ15、逆洗バルブ16及び排水ラインL4と、バックアップ給水ラインLbと、薬剤添加装置11と、処理水用水質計18と、処理水使用量検出手段としての流量計19と、制御装置30Aと、学習期間入力部50と、を主体に構成されている。
【0076】
前述した第1実施形態の水処理システム1においては、処理水W2の単位時間毎の積算使用量が所定値以下に低下する時間帯は、時間帯入力部20(図1参照)から保守管理者によって入力されるように構成されていた。これに対し、第2実施形態の水処理システム1Aにおいては、上記時間帯は、制御装置30A(図5及び図6参照)によって一定期間、自動的に学習され、その学習値が入力されるように構成されている。
また、第1実施形態の水処理システム1においては、逆洗浄工程及び水洗工程からなる洗浄動作の洗浄時間は、洗浄時間入力部21(図1参照)から保守管理者によって入力されるように構成されていた。これに対し、第2実施形態の水処理システム1Aにおいては、上記洗浄時間は、制御装置30A(図5及び図6参照)によって、自動的に設定されるように構成されている。
【0077】
従って、図5に示すように、第2実施形態の水処理システム1Aの構成は、第1実施形態の水処理システム1の構成と略同様である。主な異なる点は、第2実施形態の水処理システム1Aが、時間帯入力部20に代えて学習期間入力部50を備える点、及び制御装置30に代えて制御装置30A(図6参照)を備える点である。従って、以下、この相違点を中心に説明する。
【0078】
図5に示すように、学習期間入力部50は、制御装置30A(後述の処理水使用量低下時間帯学習部36)が処理水使用量低下時間帯(後述)を学習するべき学習期間を入力する。学習期間入力部50は、例えば、水処理システム1Aの制御盤(図示せず)に設けられるキーボード(図示せず)である。
【0079】
次に、図6を参照して、第2実施形態の水処理システム1Aの制御に係る機能について説明する。図6に示すように、制御装置30Aは、第2実施形態の水処理システム1Aにおける各部を制御する。制御装置30Aは、制御部31Aと、メモリ部45と、を備える。
【0080】
制御部31Aは、時間情報計測手段としての時間情報計測部32と、洗浄動作実施時期判定手段としての洗浄動作実施時期判定部33と、洗浄時間設定手段としての洗浄時間設定部34と、洗浄動作実施制御手段としての洗浄動作実施制御部35と、処理水使用量低下時間帯学習手段としての処理水使用量低下時間帯学習部36と、学習期間判定手段としての学習期間判定部37と、を備える。
【0081】
時間情報計測部32は、現在の日時等の時間情報を計測する時計手段である。
洗浄動作実施時期判定部33は、処理水使用量低下時間帯学習部36(後述)により学習された処理水使用量低下時間帯(後述)と時間情報計測部32によって計測された時間情報とに基づいて、洗浄動作を実施する時期になったか否かを判定する。
【0082】
洗浄時間設定部34は、流量計19によって検出された処理水W2の単位時間毎の積算使用量に基づいて、所定の標準洗浄時間(標準時間)よりも短い逆洗浄時間及び水洗時間を設定する。
洗浄動作実施制御部35は、処理水使用量低下時間帯学習部36により学習され、処理水使用情報記憶部46(後述)に記憶された処理水使用量低下時間帯のデータを読み出す。また、洗浄動作実施制御部35は、この処理水使用量低下時間帯において、洗浄時間設定部34によって設定された逆洗浄時間及び水洗時間に基づいて逆洗浄工程及び水洗工程を実施する。
【0083】
処理水使用量低下時間帯学習部36は、処理水使用情報記憶部46(後述)に記憶された処理水使用情報に基づいて、処理水W2の単位時間毎の積算使用量が所定値以下に低下する時間帯を処理水使用量低下時間帯として学習する。ここで、「所定値」とは、処理水W2の止水時間を最も短くできる処理水W2の使用量の閾値である。具体的には、この所定値は、処理水W2の使用量の下限値であることが好ましい。
【0084】
学習期間判定部37は、学習期間入力部50から入力された学習期間(例えば、1週間)と、時間情報計測部32によって計測された時間情報とに基づいて、処理水使用量低下時間帯学習部36が学習するべき期間(学習期間)が経過したか否かを判定する。
【0085】
メモリ部45は、水処理システム1Aの制御に必要な制御プログラムや各種データ等を記憶する。メモリ部45は、学習期間入力部50から入力された学習期間(設定値)を記憶する。また、メモリ部45は、処理水使用情報記憶手段としての処理水使用情報記憶部46を備える。
【0086】
処理水使用情報記憶部46は、流量計19によって検出された処理水W2の単位時間毎の積算使用量及び時間情報計測部32によって計測された時間情報を含む処理水使用情報を記憶する。この処理水使用情報は、処理水使用量低下時間帯学習部36によって用いられる。また、処理水使用情報記憶部46は、処理水使用量低下時間帯学習部36によって学習された処理水使用量低下時間帯のデータを記憶する。
【0087】
次に、第2実施形態の水処理システム1Aの特徴的な制御について図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、第2実施形態の水処理システム1Aの処理水使用量低下時間帯を学習する制御を示すフローチャートである。図8は、第2実施形態の水処理システム1Aの洗浄動作を実施する制御を示すフローチャートである。
【0088】
第2実施形態の水処理システム1Aの制御は、処理水使用量低下時間帯を学習する学習モード(図7参照)と、この学習モードによって得られた処理水使用量低下時間帯に洗浄動作を1回実施する洗浄動作実施モード(図8参照)とからなる。
【0089】
先ず、学習モードについて図7を参照しながら説明する。図7に示すように、ステップST11において、ユーザは、学習期間入力部50(図5及び図6参照)により、処理水使用量低下時間帯を学習させる期間(学習期間)を入力する。学習期間が入力されると、ステップST12に進む。例えば、システムの保守管理者が、水処理システム1Aにおける1週間分の処理水使用量低下時間帯のデータを学習させたい場合には、この1週間を設定値として入力する。
【0090】
ステップST12において、時間情報計測部32は、現在の時間情報(日時)を計測し、ステップST13に進む。
【0091】
ステップST13において、流量計19は、処理水W2の単位時間毎の積算使用量を検出する。洗浄時間設定部34は、この積算使用量のデータを受信し、ステップST14に進む。
【0092】
ステップST14において、処理水使用情報記憶部46は、ステップST13において検出された処理水W2の単位時間毎の積算使用量及びステップST12において計測された時間情報を含む処理水使用情報を記憶し、ステップST15に進む。
【0093】
ステップST15において、処理水使用量低下時間帯学習部36は、ステップST14において記憶された処理水使用情報に基づいて、処理水W2の使用量が所定値以下に低下する時間帯を処理水使用量低下時間帯として学習し、ステップST16に進む。
【0094】
ステップST16において、学習期間判定部37は、学習期間入力部50から入力された学習期間(例えば、1週間)と、時間情報計測部32によって計測された時間情報とに基づいて、処理水使用量低下時間帯学習部36が学習するべき期間(学習期間)が経過したか否かを判定する。学習期間が経過した(YES)場合には、ステップST17に進む。
【0095】
一方、学習期間が経過していない(NO)場合には、ステップST12に戻り、学習期間が経過するまでステップST12からステップST15を繰り返す。
【0096】
ステップST17において、処理水使用情報記憶部46は、ステップST15において処理水使用量低下時間帯学習部36により学習された処理水使用量低下時間帯のデータを記憶し、学習モードの制御を終了する。これにより、予め設定された期間において、処理水使用量低下時間帯を自動的に学習することができる。この学習された処理水使用量低下時間帯のデータは、図8に示す洗浄動作実施モードにおいて使用される。
【0097】
次に、洗浄動作実施モードについて図8を参照しながら説明する。図8に示すように、ステップST21において、洗浄動作実施制御部35は、図7に示すステップST17において記憶された処理水使用量低下時間帯のデータを処理水使用情報記憶部46から読み出し、ステップST22に進む。
【0098】
ステップST22において、時間情報計測部32は、現在の時間情報を計測し、ステップST23に進む。
【0099】
ステップST23において、洗浄動作実施時期判定部33は、ステップST21において読み出された処理水使用量低下時間帯のデータとステップST22において計測された時間情報(現在時刻)とに基づいて、現在の時刻が上記処理水使用量低下時間帯になったか否かを判定する。つまり、洗浄動作実施時期判定部33は、現在の時刻が、洗浄動作を実施する時期(例えば、前述した図3(a)における7時に相当する時期)になったか否かを判定する。
【0100】
洗浄動作を実施する時期になった(YES)場合には、ステップST24へ進む。
一方、洗浄動作を実施する時期になっていない(NO)場合(例えば、前述した図3(a)において、7時以前に相当する時期)には、ステップST22に戻り、洗浄動作を実施する時期になるまでステップST22及びステップST23の処理を繰り返す。
【0101】
ステップST24において、流量計19は、洗浄動作の実施時期における処理水W2の単位時間毎の積算使用量を検出する。洗浄時間設定部34は、この積算使用量のデータを受信し、ステップST25に進む。
【0102】
ステップST25において、洗浄時間設定部34は、ステップST24において検出された処理水W2の単位時間毎の積算使用量に基づいて、所定の標準洗浄時間(標準時間)よりも短い逆洗浄時間及び水洗時間を設定し、ステップST26に進む。この洗浄時間の設定は、前記第1実施形態の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0103】
このように洗浄時間を標準の洗浄時間よりも短く設定することにより、止水時間を標準の止水時間よりも短くすることができる。また、止水時間を短縮(低減)することができるため、洗浄水(原水W1及び処理水W2)の使用量を少なくすることができる。
【0104】
ステップST26において、洗浄動作実施制御部35は、ステップST25において設定された逆洗浄時間に基づいて、例えば、前述の図3(a)に示す7時に逆洗浄工程を実施する。続いて、洗浄動作実施制御部35は、ステップST25において設定された水洗時間に基づいて、水洗工程を実施する。
【0105】
このように、第2実施形態によれば、洗浄時間を短く設定し、洗浄動作を簡易的に実施する。そのため、濾過処理装置4の濾過性能を完全に回復させることは困難であるが、処理水W2の水質が悪化しない程度にまで濾過性能を回復させることができる。
【0106】
ステップST26において、洗浄動作実施制御部35による洗浄動作を実施した後、本制御は終了し、通常の水処理の運転モードに復帰する。つまり、処理水W2を製造するために濾過工程に復帰する。
【0107】
以上に説明した第2実施形態の水処理システム1Aによれば、第1実施形態の水処理システム1の場合と同様の効果が奏されるほか、以下に示す各効果が奏される。
第2実施形態の水処理システム1Aは、逆洗浄手段及び水洗手段としてのコントロールバルブ6を有する濾過処理装置4と、逆洗浄手段としての逆洗水供給ラインL5、逆洗水供給ポンプ15、逆洗バルブ16及び排水ラインL4と、水洗手段としての原水ラインL1、原水ポンプ2、原水バルブ3及び排水ラインL4と、処理水使用量検出手段としての流量計19と、時間情報計測部32と、処理水W2の単位時間毎の積算使用量及び時間情報を含む処理水使用情報を記憶する処理水使用情報記憶部46と、処理水使用量低下時間帯を学習する処理水使用量低下時間帯学習部36と、学習期間入力部50と、学習期間判定部37と、洗浄動作実施時期判定部33と、洗浄動作における標準の洗浄時間よりも短い洗浄時間を設定する洗浄時間設定部34と、洗浄動作実施時期判定部33によって判定された洗浄動作の実施時期に、洗浄時間設定部34によって設定された洗浄時間に基づいて洗浄動作を実施する洗浄動作実施制御部35と、を備える。
【0108】
そのため、処理水使用量低下時間帯学習部36によって、処理水W2の積算使用量が少ない時間帯(処理水使用量低下時間帯)を容易に学習(把握)することができる。従って、システムの保守管理者は、処理水使用量低下時間帯のデータ収集のための労力から解放される。
【0109】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記第1実施形態においては、洗浄時間設定部34は、標準洗浄時間に対して、逆洗浄時間を7分、水洗時間を10分というように個別に設定するものとして説明したが、これに制限されない。標準洗浄時間及び処理水W2の単位時間毎の積算使用量に基づいて、逆洗浄時間及び/又は水洗時間を適宜、増減して設定してもよい。また、逆洗浄時間及び水洗時間は、同一の時間であってもよい。
【0110】
また、前記第1実施形態及び前記第2実施形態においては、洗浄動作を、処理水W2の単位時間毎の積算使用量が少ない時間帯に、通常時よりも短い時間で1回実施するものとして説明したが、これに制限されない。例えば、原水W1の水質が更に悪化することが予想される場合には、処理水W2の単位時間毎の積算使用量が少ない他の時間帯にも、洗浄動作を実施するように制御してもよい。つまり、上記の簡易的な洗浄動作を複数回実施してもよい。
【0111】
また、前記第1実施形態及び前記第2実施形態においては、処理水W2の単位時間毎の積算使用量が1時間毎の積算使用量として検出されるものとして説明したが、これに制限されない。処理水W2の単位時間毎の積算使用量は、例えば15分毎の積算使用量であってもよいし、30分毎の積算使用量であってもよい。
【0112】
また、前記第1実施形態及び前記第2実施形態においては、逆洗浄工程時の逆洗水に処理水W2を用い、水洗時の濯ぎ水に原水W1を用いるものとして説明したが、これに制限されない。例えば、逆洗水及び濯ぎ水に処理水W2を用いたり、逆洗水及び濯ぎ水に原水W1を用いたりしてもよい。
【符号の説明】
【0113】
1,1A 水処理システム
2 原水ポンプ(水洗手段)
3 原水バルブ(水洗手段)
4 濾過処理装置
6 コントロールバルブ(逆洗浄手段、水洗手段)
15 逆洗水供給ポンプ(逆洗浄手段)
16 逆洗バルブ(逆洗浄手段)
18 処理水用水質計
19 流量計(処理水使用量検出手段)
20 時間帯入力部(時間帯入力手段)
21 洗浄時間入力部(洗浄時間入力手段)
30,30A 制御装置
32 時間情報計測部(時間情報計測手段)
33 洗浄動作実施時期判定部(洗浄動作実施時期判定手段)
34 洗浄時間設定部(洗浄時間設定手段)
35 洗浄動作実施制御部(洗浄動作実施制御手段)
36 処理水使用量低下時間帯学習部(処理水使用量低下時間帯学習手段)
37 学習期間判定部(学習期間判定手段)
46 処理水使用情報記憶部(処理水使用情報記憶手段)
50 学習期間入力部(学習期間入力手段)
L1 原水ライン(水洗手段)
L4 排水ライン(逆洗浄手段、水洗手段)
L5 逆洗水供給ライン(逆洗浄手段)
W1 原水
W2 処理水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水に含まれる懸濁物質を濾材により捕捉して処理水を製造する濾過処理装置と、
前記濾材を逆洗浄するために該濾材に洗浄水を供給すると共に、捕捉された前記懸濁物質を洗浄水と共に系外へ排出する逆洗浄手段と、
逆洗浄された前記濾材を濯ぐために該濾材に濯ぎ水を供給すると共に、該濾材を濯いだ濯ぎ水を系外へ排出する水洗手段と、
処理水の単位時間毎の積算使用量を検出する処理水使用量検出手段と、
前記処理水使用量検出手段によって検出された処理水の単位時間毎の積算使用量が、所定値以下に低下する時間帯を入力操作によって設定する時間帯入力手段と、
前記時間帯入力手段によって設定された前記時間帯に実施され、かつ前記逆洗浄手段による逆洗浄工程及び前記水洗手段による水洗工程からなる洗浄動作の洗浄時間であって、標準の洗浄時間よりも短い洗浄時間を入力操作によって設定する洗浄時間入力手段と、
時間情報を計測する時間情報計測手段と、
前記時間帯入力手段によって設定された前記時間帯と前記時間情報計測手段によって計測された前記時間情報とに基づいて、洗浄動作を実施する時期になったか否かを判定する洗浄動作実施時期判定手段と、
前記洗浄動作実施時期判定手段によって判定された洗浄動作の実施時期に、前記洗浄時間入力手段によって設定された洗浄時間に基づいて洗浄動作を実施する洗浄動作実施制御手段と、を備える水処理システム。
【請求項2】
前記洗浄時間入力手段によって設定される洗浄時間は、前記逆洗浄工程における逆洗浄時間及び前記水洗工程における水洗時間が個別に設定されることにより、標準の洗浄時間よりも短い洗浄時間が設定される請求項1に記載の水処理システム。
【請求項3】
原水に含まれる懸濁物質を濾材により捕捉して処理水を製造する濾過処理装置と、
前記濾材を逆洗浄するために該濾材に洗浄水を供給すると共に、捕捉された前記懸濁物質を洗浄水と共に系外へ排出する逆洗浄手段と、
逆洗浄された前記濾材を濯ぐために該濾材に濯ぎ水を供給すると共に、該濾材を濯いだ濯ぎ水を系外へ排出する水洗手段と、
処理水の単位時間毎の積算使用量を検出する処理水使用量検出手段と、
時間情報を計測する時間情報計測手段と、
前記処理水使用量検出手段によって検出された処理水の単位時間毎の積算使用量及び前記時間情報計測手段によって計測された時間情報を含む処理水使用情報を記憶する処理水使用情報記憶手段と、
前記処理水使用情報記憶手段に記憶された前記処理水使用情報に基づいて、処理水の使用量が所定値以下に低下する時間帯を、処理水使用量低下時間帯として学習する処理水使用量低下時間帯学習手段と、
前記処理水使用量低下時間帯学習手段が学習するべき学習期間を入力する学習期間入力手段と、
前記学習期間入力手段から入力された前記学習期間が経過したか否かを判定する学習期間判定手段と、
前記処理水使用量低下時間帯学習手段によって学習された前記処理水使用量低下時間帯と前記時間情報計測手段によって計測された前記時間情報とに基づいて、前記逆洗浄手段による逆洗浄工程及び前記水洗手段による水洗工程からなる洗浄動作を実施する時期になったか否かを判定する洗浄動作実施時期判定手段と、
前記処理水使用量検出手段によって検出された処理水の単位時間毎の積算使用量に基づいて、洗浄動作における標準の洗浄時間よりも短い洗浄時間を設定する洗浄時間設定手段と、
前記洗浄動作実施時期判定手段によって判定された洗浄動作の実施時期に、前記洗浄時間設定手段によって設定された洗浄時間に基づいて洗浄動作を実施する洗浄動作実施制御手段と、を備える水処理システム。
【請求項4】
前記洗浄時間設定手段によって設定される洗浄時間は、前記逆洗浄工程における逆洗浄時間及び前記水洗工程における水洗時間が個別に設定されることにより、標準の洗浄時間よりも短い洗浄時間が設定される請求項3に記載の水処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−183351(P2011−183351A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53921(P2010−53921)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【Fターム(参考)】