説明

水処理再生ステージ用システム及び方法

本発明の実施形態は水処理システムの再生ステージを提供するための方法及びシステムを提供する。この方法は、加圧され脱酸素化した空気をこの水処理システムから出て行かせるための第1の空気抜き状態に入るステップと、この水処理システムの内側に残存した脱酸素化した空気の第1の圧力と水処理システムの外側の空気の第2の圧力とをつりあわせるための第2の空気抜き状態に入るステップと、この水処理システムの内側から残存している脱酸素化した空気と粒子を追い出すための逆洗状態に入るステップと、この水処理システムに酸素を含んだ空気を入らせる吸気状態に入るステップとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水処理システムに関し、特に水処理再生ステージ用システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄、硫化物、マンガンといったミネラルの除去システム及び/又は軟水化装置、のような水処理システムは、業務用や工業用また家庭用に水を処理するために使用されている。従来の水処理システムはタンクを有し、このタンクに未処理の水が流れ込んで酸素を含む空気と強制的に混合される。未処理の水に含まれたイオンは酸素を含んだ空気によって酸化され、固体粒子となる。未処理の水はその後、樹脂床を通過する。樹脂床は固体粒子をトラップする一方で、処理済みの水を通過させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この過程でタンク内で圧力が上昇する。その結果、タンクが大気に向けて開放されると、脱酸素化した空気がタンクから急速に流出する。この空気の急速な流出によってパイプやその他の部品が振動し、水処理システムが騒音を発生させる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のいくつかの実施形態は水処理システムの再生ステージ用の方法を提供する。この方法は第1の期間、加圧され脱酸素化した空気をこの水処理システムから出て行かせるための第1の空気抜き状態に入るステップと、第2の期間、この水処理システムの内側に残存している脱酸素化した空気の第1の気圧と水処理システムの外側の空気の第2の気圧とをつりあわせるための第2の空気抜き状態に入るステップとを備えている。この方法はまた、第3の期間、この水処理システムの内側から残存している脱酸素化した空気と粒子を追い出すための逆洗状態に入るステップと、第4の期間、この水処理システムの内側に酸素を含んだ空気を入らせる吸気状態に入るステップとを備えてもよい。いくつかの実施形態においては、この方法は鉄、硫化物、及び/又はマンガンを水から除去する水処理システムに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明の一実施形態に係る水処理システムの作動状態における断面図である。
【図2】図1の水処理システムのバルブ組立体の分解図である。
【図3】図2のバルブ組立体のピストン組立体及びスペーサ組立体の分解図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る図1に示す水処理システムの動作を示すフローチャートである。
【図5】図1の水処理システムの空気抜き状態における断面図である。
【図6】図1の水処理システムの逆洗状態における断面図である。
【図7】図1の水処理システムの吸気状態における断面図である。
【図8】図1の水処理システムのパワーヘッドの分解図である。
【図9】図8のパワーヘッドの回路板の背面斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る水処理システムのユーザ操作方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の実施形態について詳細に説明する前に、本発明は以下の記載や図面に示された構成の詳細及び部材の配置への適用に限定されないことが理解されるべきである。本発明は他の実施形態も可能であり、様々な方法で実施され、実行されることができる。また、ここで用いられる表現や語法は説明のためであって、限定とみなされるべきではないことも理解されるべきである。ここで、「含む」、「備える」、「有する」、またこれらのバリエーションの使用は、列挙された項目及びその均等物とともに、追加的な項目も包含している。特定されたり限定されたりしない限り、「取り付けられる」、「接続される」、「支持される」、「結合される」またこれらのバリエーションの用語は広く用いられ、直接的、間接的な取り付け、接続、支持、結合を含む。さらに、「接続される」、「結合される」は物理的・機械的な接続や結合に制限されない。
【0007】
以下の議論は当業者が本発明の実施形態を製造し、使用することができるように示されるものである。図示された実施形態に対する様々な修正が当業者にとってすぐに明らかとなるであろうし、ここでの一般的な原理は本発明の実施形態に反することなく他の実施形態や応用に適用可能である。すなわち、本発明の実施形態は示された実施形態に限定されることを意図したものではなく、ここで開示された原理や特徴に一致する最も広い範囲が与えられるべきものである。以下の詳細な説明は図面を参照しながら読まれるべきであり、同様の要素については異なる図面中でも同様の符号が付されている。図面も必ずしも共通の尺度を有しておらず、また特定の実施形態を選択したものではなく、本発明の実施形態の範囲を限定することを意図したものでもない。当業者はここに示された例が多くの有用な代替物を有し、これらの代替物が発明の実施形態の範囲内に含まれるということを認識するであろう。
【0008】
図1に本発明の実施形態の一つによる水処理システム10を示す。水処理システム10は水中の酸化可能なミネラルのうち、鉄、硫化物及び/又はマンガンを除去するため、商業用又は住居用に用いられる。水処理システム10はタンク12とヘッド部14を備えている。ヘッド部14はパワーヘッド16(図8を参照)、バルブ組立体18、流体ポート20〜28を含んでいる。流体ポートは、排出口20、タンク12の頂部出入口22、入口24、出口26、そして分配部28を備えている。ヘッド部14はまた、このヘッド部14をタンク12に結合させるためのねじ切り部30を有している。ある作動状態において、タンク12は空気層32、媒体層34、水層36を有している。
【0009】
図2に本発明の実施形態の一つによるバルブ組立体18を示す。バルブ組立体18はバルブ本体38、ピストン組立体40、スペーサ組立体42、タービン流量計組立体44、注入組立体46、そしてバイパス組立体48を備えている。いくつかの実施形態においては、水処理システム10を軟水化のために用いることも可能であり、バルブ組立体18は、塩性溶液バルブ組立体50と塩性溶液ラインフロー制御組立体(brine line flow control、BLFC)52を備えることも可能である。
【0010】
バルブ組立体18は排出チャネル54と、入口チャネル56と、出口チャネル58と、そして排出口20、入口24、出口26、分配部28とそれぞれ流体の連絡を有する分配チャネル60とを有している。排出チャネル54は、排出ハウジング62または、排出保持クリップ66を有する代替排出ハウジング64を介して、配管(図示せず)に接続されている。入口チャネル56と出口チャネル58はH−クリップ68を介してバイパス組立体48に結合されている。バイパス組立体48は更にO−リング72及びH−クリップ68を介してコネクタ70に結合されている。いくつかの実施形態においてはコネクタ70の代わりに、代替コネクタ74又はL字コネクタ76を(O−リング72とH−クリップ68を介して)用いることができる。分配チャネル60はアダプタ80とO−リング72を介して第1の集塵器78に結合されている。さらに、注入組立体46は注入キャップ82、注入ノズル84、注入のど部86、ボール88、ボールゲージ90、注入スクリーン92、O−リング72を有している。注入組立体46は空気がバルブ組立体18に入ることを許容するために用いられ、H−クリップ68を介してバルブ本体に結合されている。
【0011】
図3にピストン組立体40とスペーサ組立体42を示している。図3に示されているように、スペーサ組立体42はスペーサ96で離隔されたピストンシール94を含んでいる。ピストンシール94はバルブ本体38の流体ポート18〜26の間に整列されている。ピストン組立体40はリンク98、ピストンロッド100、エンドプラグ102、O−リング72、クワッドリング104、エンドプラグシール106、ピストンロッドリテーナ108、ピストン110を含んでいる。ピストン110は大径部112と小径部114を有している。大径部112はピストンシール94と係合して、スペーサ組立体42の内部のピストン110の位置に応じて、一つ又は二以上の流体ポート18〜26の間の流路を実質的にシールする。さらに、小径部114は一つ又は二以上の流体ポート18〜26の間の流路を形成する。以下に述べるように、ピストン110の位置は水処理システム10の動作状態に影響を与える。
【0012】
図4は本発明の一つの実施形態による水処理システム10の動作の概略を示すフローチャートである。水処理システム10はピストン110が第1の位置にあるステップ116で作動を開始する。再生ステージがステップ118で開始されると、ピストン110はステップ120で別の位置に移動し、これにより水処理システム10はステップ122で第1の空気抜き状態となる。水処理システム10は、ステップ124で制限時間が経過するまで、第1の空気抜き状態(ステップ122)にある。次にピストン110はステップ126で別の位置に移動し、これにより水処理システム10はステップ128で第2の空気抜き状態となる。ステップ130において別の制限時間の後、ピストン110はステップ132で別の位置に移動し、これにより水処理システムはステップ134で逆洗状態となる。水処理システム10はステップ136で別の制限時間が経過するまで、逆洗状態(ステップ134)にある。一旦ステップ136で制限時間が経過すると、ピストン110はまたステップ138で別の位置に移動し、これにより水処理システム10はステップ140でまた別の制限時間(ステップ142)の間、吸気状態となる。ピストン110はステップ144で第1の位置へと復帰し、水処理システム10は再びステップ116で作動状態となる。制限時間は事前に設定することが可能であり、互いに異なってもよい(以下で詳述する)。
【0013】
図1は作動状態(即ち図4のステップ116)における水処理システム10を示している。作動状態において、ピストン110はスペーサ組立体42の中で最も右側に位置しており、未処理水が入口24を通り、頂部22を経由して流入し、バッフル146を通過してタンク12の空気層32に入るようになっている。バッフル146は未処理水を空気層32の中へと分散させ、未処理水中のミネラル(例えばイオンの状態の鉄、硫化物、マンガン等)が空気層32の中で酸素分子と十分に混合するようにする。酸素分子と混合することで、ミネラルは酸化され、その結果、固体分子や粒子となる。空気層32を通過した後、未処理水は媒体層34に到達する。媒体層34はろ過媒体又は樹脂148を有しており、空気層32で形成された固体粒子とともに他の微粒子もろ過して、処理水を水層36に通過させる。処理水は、その後、第2の集塵器150を通過し、分配管152を上がって、分配部28を通り、出口26を通って外へ出る。第2の集塵器150はろ過媒体148がタンク12から出ていくのを防ぐスクリーンの役割を果たす。
【0014】
作動状態にある間、空気層32の中の酸素は、ミネラルの酸化によって減少する。その結果、水処理システム10は空気層30を補給するため、再生ステージに入る。再生ステージは第1の空気抜き状態(即ち、図4のステップ122)、第2の空気抜き状態(即ち、図4のステップ128)、逆洗状態(即ち、図4のステップ134)、吸気状態(即ち、図4のステップ140)を含む。第1の空気抜き状態において、図5に示すように、ピストン110は少し左へと動かされ、頂部22は入口24と流体連絡状態では無くなる。ピストン110がピストンシール94の一つから少しずれて位置決めされることで、頂部22と排出口20との間に小さな通気チャネル154ができ、タンク12から空気(即ち加圧された空気)が排出口20を通って出て行くことができるようになる。第2の空気抜き状態において、ピストン110は再び左へと動かされ、通気チャネル154がさらに開き、より多くの空気がタンク12から流出するようになる。第2の空気抜き状態に続いて、タンク12に残留している空気はタンク12の外側の空気圧と同じ圧力となる(すなわち、もはやタンク12の内部には加圧頭は存在しない)。いくつかの実施形態において、第1の空気抜きの際のピストンシール94とピストン110との間の距離は約0.01インチから約0.02インチの範囲にあり、面積が約0.05平方インチの通気チャネル154を形成する。第2の空気抜きの際のピストンシール94とピストン110との間の距離は約0.05インチ以上であることも可能であり、面積が約0.1平方インチの通気チャネル154を形成する。これらの距離や面積によって、騒音や振動といった悪影響をもたらすことなく効果的な空気抜きが行えることが分かった。
【0015】
作動状態において、未処理水を追加するとタンク12の内部の空気を圧縮し、加圧頭が生じる。仮にピストン110が再生ステージの間に頂部22と排出口20の間の流路を完全に開いたとしたら、加圧された空気が急速にタンク12から流出することになる。このような急速な流出は、空気の流れそのものからの騒音を生じさせたり、パイプや部材を振動させたりするため、騒音がひどい水処理システムとなってしまう。所定時間設けられる第1の空気抜き状態のために、より小さな通気チャネル154を使用することで、加圧された空気がゆっくりと抜けていき、水処理システム10の騒音を低減することができる。第1の空気抜き状態の時間と第2の空気抜き状態の時間は、悪影響無く最適に空気抜きが行える、実質的に最小の時間で空気抜き状態が実現されるように定めることができる。
【0016】
逆洗状態は図6に示すように、第2の空気抜き状態に続いている。逆洗状態において、入口24が分配部28と連絡し、頂部22が排出口20と連絡するように、ピストン110はさらに左へと動かされる。入口24からの水は分配部28を通って分配管152と第2の集塵器150を経てタンク12の中へと戻るように流れる。そして水層36が上昇し、ろ過媒体148を持ち上げて振動させることで、タンク12から粒子(即ち固体分子)を頂部22を通って排出口20から外へと運び出す。さらに、水層36が上昇するにつれて、タンク12中に残存した空気もまた排出口を通って外へと押し出される。
【0017】
図7に吸気状態にある水処理システム10を示す。逆洗状態の後、大気からの空気(即ち、酸素を含んだ空気)が再びタンク12の中に入り、空気層32を補給して媒体層34を下方へ押し込む。空気は注入組立体46を介してバルブ組立体18へと入る。そして空気はベンチュリ組立体156を通過する。ベンチュリ組立体156は、入口24から頂部22へ空気と未処理水を吸入するために真空を生成する。空気は頂部22を通過して移動しながら未処理水と交じり合い、タンク12中の空気層32を補給する。一旦吸気が完了したら(即ち、空気層32が新たな酸素の供給を受けたら)、ピストン110は一番右に戻されて、水処理システム10は作動状態に復帰する。
【0018】
図8に示すように、ピストン組立体40はパワーヘッド16内にある光学エンコーダのようなエンコーダ158により作動される。エンコーダ158は偏心シャフト162に結合、または偏心シャフト162と一体化されたエンコーダシャフト160を有している。偏心シャフト162はリンク98(図3に示すピストン組立体40のリンク98)の孔164と係合することによってピストン110と結合する。いくつかの実施形態においては、エンコーダ158は約85組のスロット/リブ対と1組のホーミング(Homing)スロット/リブ対を有している。スロット/リブの位置決めによって約2度ずつの増分範囲内でエンコーダ158の回転制御が可能となる。ホーミングスロット/リブ対はエンコーダ158の回転停止のために用いられる。回転要素(エンコーダ158)から直線要素(ピストン110)へ変換される動きは回転制御と直線制御間の正弦関係を作り出すため、ピストン110の全並進移動は約1.125インチとなり、約0.013インチずつ増加することによって移動制御される。エンコーダ158による正確な制御によって、第1の空気抜き状態及び第2の空気抜き状態の間のピストンシール94に関して、ピストン110が小さな通気チャネル154を形成できるようになる。
【0019】
エンコーダ158の位置制御はモータ166、光センサ167(図9に示す)、そしてコントローラ169(マイクロコントローラのようなもの。図9に示す)の使用によって行われる。モータ駆動ギア168がモータ166によって回転し、エンコーダ駆動ギア170と噛み合ってエンコーダ158を回転させることができる。モータ166は固定具174によって上支持板172に結合され、支持されている。モータ166はまた、ワイヤハーネス178によって回路板176と電気的に接続されている。
【0020】
図8に示すように、コントローラ169は回路板176の前面195に結合可能である。光センサ167はエンコーダ158と別体であっても一体化されていてもよく、エンコーダ158の位置に関してコントローラ169へと制御入力を行う。一つの実施形態においては、光センサ167は図9に示すように回路板176の背面179に結合されてもよい。モータ166はコントローラからの制御出力を受け、エンコーダ158の位置を調整したり維持したりする。光センサ167は、モータ166を介したエンコーダ158の回転が光センサの光路を交互に開放、遮断するように、エンコーダ158に対して位置決めされている。
【0021】
パワーヘッド16は、図8に示すように、背面板180と、カバー182と、ディスプレイ184と、下支持板186と、スイッチ188と、カム190と、変換器192と、メーターケーブル194とを備えている。背面板180とカバー182は、モータ166と、回路板176と、エンコーダ158等のパワーヘッド16の部品を包囲している。ディスプレイ184は回路板176の前面195に接続され、コントローラ169によって制御される。カバー182の孔196によってユーザがディスプレイ184を見ることができるようになる。下支持板186はエンコーダ185とエンコーダ駆動ギア170を支持する。スイッチ188とカム190は上支持板172によって支持されている。変換器192は従来のコンセントに電気的に接続され、水処理システム10に(例えばコントローラ169を介して)電源を供給する。メーターケーブル194はタンク12への水流を検知するために用いられ、コントローラ169に電気的に接続されている。いくつかの実施形態においては、タンク12へ所定量の水が流入したとメーターケーブル194によって検知した後にコントローラ169が再生ステージを開始する。他の実施形態においては、所定時間経過後にコントローラ169が再生ステージを開始する。
【0022】
図10に本発明の一つの実施形態による水処理システム10のユーザ制御方法のブロック図を示す。以下に述べるステップは水処理システム10を動作させるためにコントローラ169によって実施される調整可能な動作制御である。これらのステップはディスプレイ184に表示されることができ、ユーザはカバー184上のボタンカバー200を通して、回路板176上のボタン198を押すことによって調整することが可能である。ある実施形態では、これらのステップは水処理システム10の「システム・セットアップ」の間、表示することができる。ステップ202では、ユーザはシステムのタイプを定時タイプ又は定量タイプといった中から選択する。定時システムは所定時間が経過した時点で再生ステージを開始するものであり、定量システムはメーターケーブル194に関して上述したように、所定量の水が流入したと検知した時点で再生ステージを開始するものである。ステップ204では、ユーザは例えば水処理システム10で用いられているバルブのタイプを入力又は選択することで、バルブタイプを選択することができる。ステップ206では、ユーザは必要な再生剤フローのタイプを何にするか選ぶことができる。例えばユーザは5サイクルの再生ステージの実行を選択することができる。ステップ208では、ユーザは情報をメートル法(SI単位系)で表示するか米国単位系で表示するかを選択することができる。ステップ210では、ユーザは再生優先期間を例えば日数によって選択することができる。再生優先は(ユーザが設定した)所定時間、再生ステージが開始されなかったときに発生する。ステップ212では、ユーザは再生ステージが開始される時刻を設定することができる。ステップ214では、ユーザは水処理システム10が第1のサイクル(例えば第1の空気抜き状態)で動作する時間を、約2分といった具合に選択することができる。ステップ216では、ユーザは水処理システム10が第2のサイクル(例えば第2の空気抜き状態)で動作する時間を、約1分といった具合に選択することができる。ステップ218では、ユーザは水処理システム10が第3のサイクル(例えば逆洗状態)で動作する時間を、約10分といった具合に選択することができる。制御ステップ220では、ユーザは水処理システム10が第4のサイクル(例えば吸気状態)で動作する時間を、約10分といった具合に選択することができる。ステップ222では、ユーザは水処理システム10が第5のサイクル(例えば水軟化でしばしば用いられる高速すすぎ状態)で動作する時間を、約10分といった具合に選択することができる。ステップ224では、ユーザはアラームのような補助リレーを有効化するか無効化するかを選択することができる。制御ステップにおいて、ユーザは(例えば設置後に初めて起動する場合)水処理システム10を作動状態に入らせるか選択することができる。
【0023】
以上のように特定の実施形態や例に関連して本発明を説明してきたが、本発明は必ずしもそのように限定されず、他の様々な実施形態、例、使用、改良や、実施形態、例、使用からの発展も添付された特許請求の範囲に含まれることは当業者が理解できる。ここで参照した各特許や出版物の全ての開示は引用により、あたかもそのような各特許や出版物が個々に援用されたかのように援用される。本発明の様々な特徴や利点は特許請求の範囲に示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水処理システムの再生ステージを提供する方法であって、この方法は、
第1の期間、加圧され脱酸素化した空気をこの水処理システムから出て行かせるための第1の空気抜き状態に入るステップと、
第2の期間、この水処理システムの内側に残存した脱酸素化した空気の第1の圧力と水処理システムの外側の空気の第2の圧力とをつりあわせるための第2の空気抜き状態に入るステップと、
第3の期間、この水処理システムの内側から残存している脱酸素化した空気と粒子を追い出すための逆洗状態に入るステップと、
第4の期間、この水処理システムの内側に酸素を含んだ空気を入らせる吸気状態に入るステップとを備えている方法。
【請求項2】
前記方法はさらに、前記第1の空気抜き状態、前記第2の空気抜き状態、前記逆洗状態、前記吸気状態で前記水処理システムを動作させるためのバルブ装置とパワーヘッドを提供するステップを備えている請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1の期間は約2分間である請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第2の期間は約1分間である請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記第1の期間、前記第2の期間、前記第3の期間、前記第4の期間はそれぞれ調整可能である請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記方法はさらに、この水処理システムを用いて、鉄、硫化物、マンガンのうち少なくとも一つを除去する請求項1記載の方法。
【請求項7】
鉄、硫化物、マンガンのうち少なくとも一つを除去するための水処理システムであって、この水処理システムは、
タンクと、
前記タンクに接続され、流体ポートを含むヘッド部と、
スペーサ組立体の内部に位置決めされたピストン組立体を含む、前記ヘッド部内のバルブ組立体と、
前記ヘッド部内のパワーヘッドであって、このパワーヘッドはエンコーダ、コントローラ、光センサ、モータを含み、
前記エンコーダは、前記ピストン組立体と接続され、
鉄、硫化物、マンガンのうち少なくとも一つを水から除去する作動状態と、
前記タンクから第1の量の空気が放出される第1の空気抜き状態と、
前記タンクから前記第1の量よりも多い第2の量の空気が放出される第2の空気抜き状態と、
逆洗状態と、
吸気状態と、
を提供するために、前記モータによって前記スペーサ組立体の内部の前記ピストン組立体の位置を制御し、
前記光センサは、前記スペーサ組立体の内部の前記ピストン組立体の位置をやり取りするために前記コントローラに電気的に接続されていることを特徴とする水処理システム。
【請求項8】
前記ピストン組立体の位置は、約0.013インチ単位で調整される請求項7記載の水処理システム。
【請求項9】
前記光エンコーダは約85組のスロット/リブ対を有する請求項7記載の水処理システム。
【請求項10】
前記エンコーダは、前記エンコーダと前記ピストン組立体のつまみとを接続する偏心シャフトによって前記ピストン組立体と接続される請求項7記載の水処理システム。
【請求項11】
前記スペーサ組立体の内部の前記ピストン組立体の位置は、一つ又は二以上の前記流体ポートの間の流体の連絡を禁止又は許容することを特徴とする請求項7記載の水処理システム。
【請求項12】
前記流体ポートは、流体入口ポート、流体出口ポート、流体分配部ポート、頂部流体ポート、流体排出口ポートを含む請求項7記載の水処理システム。
【請求項13】
タンクと、
前記タンクに接続され、流体ポートを有するヘッド部と、
スペーサ組立体の内部に位置決めされたピストン組立体を有するバルブ組立体であって、前記ピストン組立体は二以上のセクションを含み、前記スペーサ組立体は前記二以上のセクションと係合する二以上のシール組立体を含み、
前記スペーサ組立体の内部で前記ピストン組立体の位置を制御するパワーヘッドであって、前記二以上のセクションのうち一つと、前記二以上のシール組立体のうち一つとの間の第1の間隔を制御するパワーヘッドを有し、
前記第1の間隔は、最小限の騒音で前記タンクから空気を開放する第1の空気抜き状態のため、第1の通気チャネルを形成する約0.01インチから約0.02インチの間隔である水処理システム。
【請求項14】
前記パワーヘッドは、前記二以上のセクションのうち一つと前記二以上のピストンシール組立体のうち一つとの間の開口面積を第1の空気抜き状態のための第1の通気チャネルを形成するために約0.05平方インチとするよう、前記スペーサ組立体の内部で前記ピストン組立体の位置を制御する請求項13記載の水処理システム。
【請求項15】
前記パワーヘッドは、前記二以上のセクションのうち一つと前記二以上のピストンシール組立体のうち一つとの間の第2の距離を、第2の空気抜き状態のための第2の通気チャネルを形成するために約0.05インチ以上とするよう、前記スペーサ組立体の内部の前記ピストン組立体の位置を制御する請求項13記載の水処理システム。
【請求項16】
前記パワーヘッドは、前記二以上のセクションのうち一つと前記二以上のピストンシール組立体のうち一つとの間の開口面積を第2の空気抜き状態のための第2の通気チャネルを形成するために約0.05平方インチとするよう、前記スペーサ組立体の内部の前記ピストン組立体の位置を制御する請求項13記載の水処理システム。
【請求項17】
前記パワーヘッドは、前記スペーサ組立体の内部の前記ピストン組立体の位置を制御するため、コントローラ、モータ、エンコーダ、光学センサを有する請求項13記載の水処理システム。
【請求項18】
前記スペーサ組立体の内部の前記ピストン組立体の位置は、一つ又は二以上の前記流体ポートの間の流体の連絡を禁止又は許容する請求項13記載の水処理システム。
【請求項19】
前記流体ポートは、流体入口ポート、流体出口ポート、流体分配部ポート、頂部流体ポート、流体排出口ポートを含む請求項13記載の水処理システム。
【請求項20】
前記水処理システムは、水から少なくとも鉄、硫化物、マンガンのいずれか一つを除去することを特徴とする請求項13記載の水処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−516764(P2012−516764A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548375(P2011−548375)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/022765
【国際公開番号】WO2010/088619
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(510080820)ペンテア レジデンシャル フィルトレイション リミテッド ライアビリティ カンパニー (3)
【Fターム(参考)】