説明

水処理装置のためのボトル

水処理装置と関連付けて用いる水ボトルは、少なくとも約0.87インチ(2.21cm)の直径であり、かつ約1.06インチ(2.69cm)以下の直径を有する開口部と、少なくとも約6.56インチ(16.66cm)の高さであり、かつ約8.02インチ(20.37cm)以下の高さと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明の開示は、概して水処理に関し、特に、処理された水道水で少なくとも1本のボトルを充填するための水処理装置に関する。
【0002】
公営水道水はしばしば、人が不快なものとみなす味又は臭いを有する。改善された飲料水品質を求める人は、水道水をろ過するか、又はボトルドウォーターを購入するかのいずれかを選択することができる。
【0003】
家庭用水道水をろ過するための重力供給型及び圧力供給型水ろ過装置は、特許技術において既知である。例えば、米国特許第5,225,078号(Polaskyら)は、成形活性炭の薄い環状ディスクと周囲部の環状シール要素とを含む、コンパクトなフィルター要素を含むポアスルー型ピッチャーフィルター組立体を開示している。米国特許出願公開第2006/024/0249442(Yapら)は、リザーバを画定する本体と、本体の収納区画内に収容された交換式フィルターと、接続組立体と、を含む可搬式水容器を開示している。接続組立体は、水供給源をフィルターに接続させる。水供給源からの加圧水は、圧力下でフィルターを通って流れ、収納区画内の出口を通ってリザーバに流れ込む。
【0004】
人々は、より良い味、認知された健康上の利益、及び便利性などの理由でボトルドウォーターを選択する可能性もある。水ボトルのために家庭用水道水をろ過するための試みがなされている。例えば、米国特許第6,641719号(Naito)は、ペットボトルのようなボトル容器上に据え付け可能であり、かつ水を浄化することができるボトル容器と共に用いるための浄水器を開示している。米国特許第7,427,355号(Chau)は、水を処理するための、スポーツボトル又は容器内に配置するための水処理ユニットを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
重力供給型水ろ過装置は、一般に低速注入であり、圧力供給型装置は、繰り返し水源に接続及び水源から切断されなければならず、装置と水源の接続金具が適合していることが一般的に必要とされる。更に、フィルターにより占有されるスペースの量のために、容器容量の約半分のみが、ろ過された水を保持するために通常使用可能である。このような水ピッチャーは、水ボトルの便利さ及び可搬性にも欠く。ボトルドウォーターは、市営水道源からの飲料水よりも高価であり、製造、梱包、移送、及び保管するためにエネルギー及び資源を必要とし、適切に処分されなければならない大量のプラスチック廃棄物を生み出す。
【0006】
家庭用水道水を処理してボトルドウォーターを作る水処理装置に接続させて使用され得る水ボトルに対するニーズがある。特に、そのような水処理装置と共に使用するよう構成される水ボトルに対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、水処理装置と関連付けて用いるための水ボトルを提供する。水ボトルは、少なくとも約0.87インチ(2.21cm)の直径であり、かつ約1.06インチ(2.69cm)以下の直径を有する円形開口部、及び少なくとも約6.56インチ(16.66cm)の高さであり、かつ約8.02インチ(20.37cm)以下の高さを有する。
【0008】
1つの態様では、ボトルは、装置の基部に含まれる突起と噛合する戻り止めを有する底面を含んでもよく、この場合、ボトルは所定の位置にはまり、これによって、ボトルが装置内に適切に設置されたという指示をユーザに提供する。
【0009】
別の態様では、ボトルは収容容器を含んでもよく、収容容器に取り外し可能に接続されたキャップを更に含んでもよい。収容容器は開口部を含み、キャップは注ぎ口を含む。
【0010】
別の態様では、ボトルは、可動式にボトルに接続されたストラップを含んでもよい。ストラップは、注ぎ口を閉鎖/密閉するためのストッパを含んでもよい。
【0011】
別の態様では、キャップは、ストラップの端部を回転自在に受け取るための一対の非対称のキー溝を含んでもよい。
【0012】
別の態様では、ボトルは概ね円筒形であってもよく、ボトルは、約4インチ(10.16cm)以下の外径を有してもよい。
【0013】
別の態様では、少なくとも約0.75リットルの容積であり、かつ約1.25リットル以下の容積を有してもよい。
【0014】
別の態様では、ボトルは再利用可能であってもよい。
【0015】
別の態様では、本発明は、ハウジング組立体と少なくとも1本のボトルとを含む水処理装置を提供する。
【0016】
水ボトルの利点は、それが特定の水処理装置と関連付けて使用されるよう構成されていることである。特に、水ボトルは、取り外し可能に装置に挿入されるよう構成されており、それを行う過程において、水ボトルは、処理水の流れを水ボトルへと制御するバルブを作動させる。これを適切に行うために、水ボトルは特別な方法で構成されなければならない。水ボトルは、注ぎ口がバルブと気密シールを形成し得るようにも構成される。このような方法で、充填プロセス中に、水ボトルから水がこぼれたり溢れたりする可能性がほぼ排除され得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明は、以下の添付図面を参照することで更に説明される。
【図1】本発明による水処理システムの分解斜視図。
【図2】蓋が取り外されたハウジング組立体の透視図。
【図3】図2の線3−3に沿った断面図。
【図4】バルブの詳細断面図。
【図5】処理カートリッジの分解斜視図。
【図6】処理カートリッジの断面図。
【図7】水処理インサートの斜視図。
【図8a】水処理インサートの別の実施形態の斜視図。
【図8b】図8aの線8b−8bに沿った断面図。
【図9】ボトルの分解斜視図。
【図10】ボトルの底部斜視図。
【図11a】ボトルの充填順序を示す断面図。
【図11b】ボトルの充填順序を示す断面図。
【図11c】ボトルの充填順序を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
いくつかの図を通して同様の参照番号が同様の又は対応する部分を指しているような図面を参照すると、図1は、例えば処理水などで1本又はそれ以上のボトル4を充填するための水処理装置2の構成要素を概略的に示す。1つの態様では、装置2は独立型及び可搬式であってもよい。すなわち、装置2は、配管されず、又は水源に直接接続されず、特定の場所に取り付け又は設置されていない。むしろ、装置2は、ある場所から別の場所に容易に移動させることができる。別の態様では、装置2は重力供給型であってもよい。すなわち、未ろ過水は加圧されず、自由に装置を通って流れることができる。装置2は、典型的には比較的小さなサイズ(例えば、約1立方フィート(28.3L)未満)を有し、このことは、大きなスペースを使うことなく装置2を調理台の上や冷蔵庫の中に設置することを可能にし、かつ装置2を、例えば台所用シンク(例えば、高さ1フィート(30センチメートル)未満)の蛇口の下に配置させることを可能にするような全高を有し、これによって、水道水は蛇口から装置2内に向けられることができる。可搬性を促進するために、装置2は軽量(例えば、満水時に12ポンド(5.4kg)未満)であることも望ましい。
【0019】
装置2は、ハウジング組立体6と、ハウジング組立体6内に取り外し可能に配置された処理カートリッジ8と、ハウジング組立体6の上部に取り外し可能に配置された任意の蓋9と、を含む。図示される実施形態では、装置2は、一度に4本までのボトルと共に使用するよう設計されている。しかしながら、本開示は、わずか1本のボトルと共に使用するよう設計され得る、又は4本を超えるボトル(例えば、8本、12本、又はそれ以上)と共に使用されるよう設計され得る装置を検討している。
【0020】
次に、図2及び3を参照すると、代表的なハウジング組立体6が示されている。図示される実施形態では、ハウジング組立体6は、スタンド10と、スタンド10によって支持されるハウジングユニット12と、を含む。スタンド10は、基部14と、基部14からハウジングユニット12に向かって上方に延びる支持部材16と、を含む。基部14は、装置2が転倒することがないように十分に大きな表面積を有する、ほぼ円形の設置面積を有する。他のサイズ及び形状を有する基部14が用いられてもよい。
【0021】
支持部材16は、ほぼ円筒形であり、以下により詳細に説明するように、基部14とハウジングユニット12との間に1本又はそれ以上のボトル4を配置させる高さを有する。
【0022】
ハウジングユニット12は、基部14の反対側で、支持部材16の上端部に配置されている。図示される実施形態では、ハウジングユニット12は、ほぼボウル型であり、ほぼ平面の円形の底面壁部分12aと、底面壁部分12aの周辺縁部から上方に延びる環状の側壁部分12bと、を含む。底面壁部分12a及び側壁部分12bは組み合わされて、水処理リザーバ18を画定する。ハウジングユニット12の底面壁部分12aは、ほぼ平面であるが、水流を制御するために、起伏を付けたり又は傾斜を付けたりしてもよい。
【0023】
リザーバ18は、少なくとも約6センチメートル(cm)の、少なくとも約8cmの、少なくとも約10cmの、又は少なくとも約12cmの直径「d」、約30cm以下の、約25cm以下の、又は20cm以下の直径「d」、及び約10cm未満の、約8cm未満の、又は6cm未満の深さ「h」を有し得る。リザーバ18は、約2リットル未満の、約1.75リットル未満の、又は約1.5リットル未満の容積を有し得る。図示される実施形態では、ハウジングユニット12及びリザーバ18は、ほぼ円筒形の形状を有するが、他のサイズ及び形状を有するハウジングユニット及びリザーバが、本開示と関連させて検討される。
【0024】
図示される実施形態では、複数のバルブ20が水処理リザーバ18と流体連通して配置されており、これによって、処理水が水処理リザーバ18から選択的に流出することを可能にしている。図3では、例示的目的のために、1つのバルブ(すなわち、図3の左側のバルブ)がその作動した又は開状態で示され、1つのバルブ(すなわち、図3の右側のバルブ)が作動されていない閉状態で示されている。
【0025】
水は同時に全てのバルブ20を通って流出してもよく、又はバルブ20のいずれか1つを通って個々に流出してもよい。各バルブ20は、リザーバ18に開く水入口/空気出口ポート22を含む。水入口/空気出口ポート22は、ハウジングユニット12の底面壁12a内にオリフィス24を画定する。各バルブ20は、結合したボトル4と流体連通するために、水入口/空気出口ポート22の反対側に水出口/空気入口ポート26を更に含む。具体的な実施形態では、水入口/空気出口ポート22は、少なくとも約1cmの断面積かつ約2cm以下の断面積を有するオリフィス24を画定する。
【0026】
各バルブ20は、図3の右側に示されるような作動されていない状態と、図3の左側に示されるような作動した開状態との間で操作可能である。閉状態では、空気及び水はバルブ20を通って流れることができない。開状態では、水は、水処理リザーバ18から水入口/空気出口ポート22を通って下方向に流れ、バルブ20を通り、水出口/空気入口ポート26を出て、関連したボトル4中へと自由に流れ込み、関連したボトル4内に閉じ込められた空気は、水出口/空気入口ポート26を通って上方に同時に自由に流れ、バルブ20を通り、水入口/空気出口ポート22を出て、周辺環境へと至る。
【0027】
装置2の特徴的態様によると、基部14は、支持部材16の方向に上方に角度を付けられた傾斜したカム面28を含む。傾斜したカム面28は、支持部材16の方向に、ユーザがボトル4の底部を傾斜したカム面28に沿って滑らせるにつれて、ボトル4を対応するバルブ20に対して上方に徐々に促進させるよう機能し、これによって、バルブ20はその閉状態から開状態へと作動される。すなわち、ボトル4の上部がバルブと接触するよう設置され、ボトル4の底部が傾斜したカム面28に沿って上方に促されると、ボトル4の上部は、バルブ20をその閉状態から開状態へと作動させるよう機能し、これによって、上記の方法で、処理水を水処理リザーバ18から流出させることが可能になり、かつボトル4内に閉じ込められた空気をボトル4から周辺環境へと放出させることが可能になる。
【0028】
突起30は、ボトル4が傾斜したカム面28に沿って所望の位置に到達したときに、ボトル4をほぼ垂直な設置位置に維持するように、傾斜したカム面上に設けられている。その設置位置では、ボトル4は、基部14とその開状態に作動された対応するバルブとの間でぴったりと保持される。突起30は、ボトル4を基部14と関連したバルブ20との間の位置にパチンと固定するよう機能し、これによって、ボトル4が装置2に適切に設置されたという指示をユーザに提供する。取り外しの際には、突起30は、ボトル4を装置2から解放するように機能し、これによって、ボトル4を装置2から容易に取り外すことができるという指示をユーザに提供する。
【0029】
基部14と各バルブ20との間の距離は、ボトル4の高さにぴったりと合うよう構成される。すなわち、基部14の上部からの距離、より具体的には突起30から関連するバルブ20の底部までの距離は、ボトル4を基部14と関連するバルブ20との間にはめることを可能にするのに十分でなければならないが、ボトル4がその設置状態に設置されたときに、バルブ20を作動できるほど大きくはない。すなわち、基部14と関連するバルブ20との間の距離は、設置位置に到達した際に、ボトル4が確実にバルブ20を作動させるのに十分に短いべきであるが、ボトルが基部14とバルブ20との間にしっかりと固定されるほど短くはない。
【0030】
次に、図4を参照すると、作動されていない閉状態にあるバルブ20の詳細図が示されている。図示されるバルブは、バルブ20のいずれかを表すよう意図されている。図示される実施形態では、バルブ20は、少なくとも1つの空気流通路32と少なくとも1つの水流通路34とを含む。空気流通路32は、オリフィス24から突出しており(すなわち、ハウジングユニット12の底面壁12aの上面によって画定される平面を越える)、これによって、空気流通路32を通る空気の流れ及び水流通路34を通る水の流れをそれぞれ分離することを促進する。
【0031】
バルブ20は、バルブ部材36と、バルブ部材36の周囲に配置されたスリーブ部材38と、スリーブ部材38をバルブ部材36と接触するよう下方に促すよう配置される付勢部材40と、を含む。バルブ部材36は、ハウジングユニット12から下方に延び、シール部分36aを画定する末端部を含む。バルブ部材36の上端部(すなわち、シール部分36aの反対側の端部)は、ハウジングユニット12の底面壁12aに取り付けられており、したがって、ハウジングユニット12に対して固定位置に維持されている。スリーブ部材38は、バルブ部材24の軸線に沿って上方及び下方に繰り返し移動することができ、これによって、バルブ20をそれぞれ開閉する。
【0032】
スリーブ部材38の下端部42は、スリーブ部材38内の内部流路44へとつながる水出口/空気入口ポート26を含む。スリーブ部材38は、スリーブ部材38の露出端部42からハウジングユニット12に向かって上方に延びる円錐台形の外側面46を含み、またハウジングユニット12に隣接して円錐台形の表面46から半径方向外側に延びる環状の肩面47を含む。円錐台形の表面46の外径は、スリーブ部材38の露出端部42に隣接して約2cmから肩面47に隣接して約2.5cmまで変化してよい。肩面47は、円錐台形の表面46に近接した約2.5cmの内径と約3cmの外径とを有し得る。スリーブ部材38の具体的な幾何学的形状に応じて、表面46は流路44を画定する内表面の一部分を包含してもよい。すなわち、水出口/空気入口ポート26は、凹んでいてもよく、これによって、バルブ部材36のシール部分36aは、流路44へとつながるスリーブ部材38の内表面とシールを形成する。
【0033】
スリーブ部材38は2つの機能を果たす。まず第一に、スリーブ部材38は、バルブ部材36とシールを形成するよう機能し、これによって、バルブ20を開閉する。二番目には、スリーブ部材38は、ボトル4とシールを形成するように機能し、これによって、漏れやこぼれることなしにボトル4に充填することが可能となる。すなわち、スリーブ部材38、より具体的には表面46及び/又は47は、2つのシールを形成する(1つはバルブ部材とのシールであり、もう1つはボトル4の開口部とのシールである)。バルブ部材36のシール部分36aは、水出口/空気入口ポート26の付近で、スリーブ部材38と選択的に密閉状態で係合するように配置されており、これによって、水出口/空気入口ポート26を閉鎖し、ボトル4が装置2から取り外される際にバルブ20からこぼれる可能性がある水の量を最小限にする。表面46及び/又は47は、ボトルの上部の開口部がその面に対して気密シールを形成できるような接触面を提供し、これにより、充填中にボトルから溢れるのを防止する閉鎖システムを形成する。すなわち、ボトル4が処理水で充填される際に、スリーブ部材38とボトル4との間で作り出されたシールは、水がボトル4の上部から溢れるのを防止し、スリーブ部材38とバルブ部材36のシール部分36aとの間で作り出されたシールは、バルブが閉鎖されたときにバルブ20を通過する流れ及び/又はバルブ20からの漏れを防止する。
【0034】
1つの実施形態では、スリーブ部材36の外側面46、47は、バルブ部材36のシール部分36aと共に気密シール及び水密シールの形成を促進するよう機能し、かつボトル4の開口部と共に気密シール及び水密シールを更に形成するよう機能するエラストマー材を含んでもよい。
【0035】
図示される実施形態では、付勢部材40は、バルブを作動されていない状態又は閉状態へと促す、スリーブ部材38に対する力を通常及ぼす螺旋状圧縮バネである。バルブ20は、スリーブ部材に対してバネ力を超える力を及ぼすことによって開かれ得る。これは、例えば、ボトル4の上部をスリーブ部材36に対して設置し、バネ力を超えるようにボトル4を手で上方に押し上げることによって達成され、これによってバルブ20をその開状態へと作動させる。
【0036】
図2を再び参照すると、図示される実施形態では、装置2は、リザーバ18を覆うように配置された任意の蓋9を含む。装置2は、リザーバ18と流体連通するように配置された排水バルブ50を更に含んでもよい。排水バルブ50は、ボトル4が充填された後に、リザーバ18内に残存するいかなる水もリザーバ18から容易に排水されることを可能にする。
【0037】
次に、図5及び6を参照すると、図示される処理カートリッジ8は、トレー部材52と、トレー部材52内に配置された水処理物質54と、処理材料54に隣接してトレー部材52内に配置された任意の配水プレート56と、を含む。トレー部材52は、処理水をカートリッジ8から流出させるよう配置された少なくとも1つの排水開口部58を含む円形底面壁部分52aを含み、また底面壁部分52aの周囲から上方に延びる環状の側壁部分52bを含む。配水プレート56はトレー部材52内に配置されて、トレー部材52と処理材料54を含む配水プレート56との間に、水処理チャンバ60を画定する。配水プレート56は、未処理水を配水プレート56を通って水処理チャンバ60へと通過させる複数の配水開口部62を含む。
【0038】
図示される実施形態では、トレー部材52は、概ねディスク形状であり、約4cm以下の、約5cm以下の、又は約6cm以下の高さ「h」、及び少なくとも約4cmの、少なくとも約5cmの、又は少なくとも約6cmの内径「d」であり、かつ約25cm以下の、約20cm以下の、又は約18cm以下の内径「d」を有する。トレー部材52は、ハウジング組立体6のサイズ及び形状、水処理物質54、並びに装置2の所望の処理特性に依って、広範な形状及びサイズで提供され得る。特定の構成にかかわらず、トレー部材52は、一般的に約1.5リットル未満の、約1.2リットル未満の、及び約1リットル未満の容積を有する。
【0039】
任意の配水プレート56は、向かい合う上面64及び下面66を含む。下面66は、配水プレート56を処理材料54から隔たった関係に保持するための複数のリブ部分68を含む。配水プレート56と処理材料54との間の隔たった領域は、未処理水が処理材料54に流入する際にほぼ均一の流れ及び圧力降下の領域を作り出す予備水処理多岐管70を画定する。
【0040】
図示される実施形態では、トレー部材52の底面壁部分52aは、ほぼ円錐形であり、中央に位置する排水開口部58の方向に、外側壁部分52bから下方に傾斜している。すなわち、底面壁部分52aは、排水開口部58から側壁部分53bまで半径方向に傾けられている。このように構成されて、処理水は、処理材料54を通過した後に、排水開口部58に向けられる。更に、水入口/空気出口ポート22を出るボトル4からの空気は、底面壁部分52aの底面に沿って、半径方向に上方及び外側に向けられる。処理水の流れを更に方向付けるために、底面壁部分52aの上面は、処理水の流れを排水開口部58に向かって方向付ける、半径方向に延びる複数のガイドベーン72を含む。
【0041】
配水プレート56は、トレー部材52から容易に分離可能であってもよいし、又はトレー部材に恒久的に固定されていてもよい。すなわち、配水プレート56は、処理材料54へのアクセスを可能にするために、並びに処理材料54の取り外し及び/又は交換を可能にするために、トレー部材52から手で取り外し可能であってもよく、あるいは配水プレート56及びトレー部材52は恒久的に結合されて、処理材料54へのアクセスを制限する、水処理物質54のための密閉されたエンクロージャを形成してもよい。配水プレート56及びトレー部材52が結合されて、処理材料54を封入する単一のユニットを形成する場合は、処理材料54は、カートリッジ8全体を交換することによって交換することができる。図示される実施形態では、配水プレート56は、取り外しできることが意図されている。このような方法で、処理材料54は交換することができ、配水プレート56及びトレー部材52は再利用することができる。
【0042】
図示される実施形態では、カートリッジ8は、配水プレート56の上面64から外側に延びるハンドル74を含む。ハンドル74は、ハウジング組立体6からのカートリッジ8の取り外しを促進するために、又はトレー部材52からの配水プレート56の分離を促進するために設けられており、これによって、水処理物質54の交換が可能となる。
【0043】
図示される実施形態の1つの態様では、配水プレート56がトレー部材52内に設置されると、水処理物質54の周囲の縁部分がトレー部材52と配水プレート56との間に挟まれ、これによって、水処理物質周辺の未処理水がすり抜けるのを最小限にするシールが形成される。
【0044】
図示される実施形態に示されるように、配水プレート56がトレー部材52内に作動的に配置された(すなわち、完全に密閉された)場合、トレー部材52は、配水プレート56を越えて上方に延びるリム部分52cを含む。このような方法で、リム部分52c及び配水プレート56は組み合わさって、未処理水を処理カートリッジ8に向かわせるための前処理回収ゾーン75を画定する。回収ゾーン75は、約4cm未満の、約3cm未満の、又は約2cm未満の高さ「h」(図6)を有してもよい。回収ゾーン75は、約1リットル未満の、約0.7リットル未満の、又は約0.5リットル未満の容積を有してもよい。装置2の1つの態様によると、回収ゾーン75の容積に対するボトル4の容積の比は、約1:1より大きい。すなわち、ボトル4の貯蔵容量は、回収ゾーン75の容積よりも大きい。他のより具体的な実施形態では、回収ゾーン75の容積に対するボトル4の容積の比は、少なくとも約3:1、少なくとも約5:1、又は少なくとも約7:1であってよい。
【0045】
トレー部材52は、処理カートリッジ8をハウジングユニット12内に支持するために、トレー部材52の上縁から外側に延びる環状のリップ部分52dを更に含む。
【0046】
図示される実施形態では、配水開口部62の総断面積が配水プレート56外辺領域で最大となるようなパターンで、配水開口部62が設けられている。更に、各配水開口部62のサイズは、配水プレート56の中心から離れる方向に増大する。図示されるパターンは、配水プレート56を通る未処理水の流速を配水プレート56の周囲部領域で増加させることを意図したものであり、これによって、処理材料54を通るより均一な流れを促進する。すなわち、未処理水が配水プレート56を通過させる開口領域は、半径方向に外側に増加する。このような方法で、処理材料54の中心領域は、未処理水の低流速に遭遇し、外側領域は未処理水のより高速な流速に遭遇し、更に排水開口部58は中心に位置しているために、水はより均一性度の高い処理に曝される。
【0047】
処理カートリッジ8の1つの特徴付ける態様によると、水処理物質54は低側面を有する。すなわち、水処理物質54は、その幅に比べて相対的に薄い。より具体的には、水処理物質54の平均高さ(図5の「h」)に対する水処理物質54の幅(図5の「d」)の比は、一般的に約1:1よりも大きい。すなわち、典型的に、水処理物質54はその高さよりも幅が広い。したがって、例として、仮に水処理物質54が1/2インチ(1.27cm)の平均高さ「h」を有するなら、水処理物質54は通常少なくとも約1/2インチ(1.27cm)の幅dを有するであろう。より具体的な実施形態では、水処理物質54の平均高さに対する幅の比は、少なくとも約5:1、少なくとも約10:1、又は少なくとも約20:1であり得る。図5に図示するように、円形又はディスク様形状を有する水処理物質54に関しては、水処理物質54の幅dは水処理物質54の直径と等しいことが理解されるであろう。水処理物質54は多様な形状及びサイズで提供されることが可能であることも更に理解されるであろう。
【0048】
別の態様では、水処理物質54の平均厚さに対する水処理物質54の横の断面積の比は、少なくとも約5インチ(12.7cm)である。より具体的な実施形態では、水処理物質54の平均厚さに対する横の断面積の比は、少なくとも約10インチ(25.4cm)、少なくとも約30インチ(76.2cm)、少なくとも約50インチ(127cm)、少なくとも約75インチ(191cm)、又は少なくとも約100インチ(254cm)であってよい。水処理物質54の平均厚さに対する横の断面積の比は、約300インチ(762cm)以下、約250インチ(635cm)以下、又は200インチ(508cm)以下であってよい。水処理物質54の横の断面積は、水処理物質54の外辺部と境を接する面積である。横の断面積は、水処理物質54を通る水59(図5)の流れの方向に垂直に配置された平面によって画定された断面積として考えられてもよい。図5に示すように、円形又はディスク様形状を有する水処理物質54の場合には、水処理物質54の横の断面積は、水処理物質54の幅dによって画定された直径を有する円の面積である。したがって、例として、仮に水処理物質54が0.5cmの平均高さ及び6cmの直径を有するなら、水処理物質の平均高さに対する横の断面積の比は約57cmであろう。
【0049】
1つの態様では、水処理物質54は、織布材料、編布材料、又は不織布材料のうちの少なくとも1つを含んでよい。1つの実施形態では、処理材料は、活性炭のようなカーボンを含む。好適な水処理物質は、Calgon Cargon Corporation、Pittsburgh,PennsylvaniaからTOG−NDS 20x50の商品名で入手可能な粒状活性炭、及びCalgon Cargon Corporation、Pittsburgh,PennsylvaniaからZorflex ACCの商品名で入手可能な活性炭布が挙げられる。具体的な態様において、処理物質54は、約3/4インチ(1.91cm)未満の厚さを有する。処理材料54は、ディスク様形状であり得、少なくとも約5インチ(12.7cm)の直径かつ約7インチ(17.78cm)以下の直径を有し得る。
【0050】
1つの実施形態の1つの態様によると、水処理材料54は、3/4インチの水圧(186.8Pa)ヘッドにおいて、少なくとも約0.5ガロン/分(gpm)の、少なくとも約0.75ガロン/分(gpm)の、又は少なくとも約1.0ガロン/分(gpm)(約1.9、少なくとも約2.8、又は少なくとも約3.8L/分)の流速を有する。別の態様では、水処理材料54は、少なくとも約40ガロン(151.4L)の、少なくとも約70ガロン(265.0L)の、及び少なくとも約100ガロン(378.5L)の容量に対する遊離塩素低減に関するNSF標準42を満たす。
【0051】
図示される実施形態では、水処理カートリッジ8は、ハウジングユニット12のリザーバ18内に取り外し可能に配置されている。具体的な実施形態において、水処理カートリッジ8は、リザーバ18内に緩く配置されている。このような方法で、カートリッジ8は、ユーザによってハウジングユニット12から手で取り外しが可能であり、これによって、ユーザはカートリッジ又は処理材料54を容易に交換することができる。
【0052】
次に、図7を参照すると、水処理物質54と同様の水処理物質254と、水処理物質254に固定された多孔質又は開口状態の支持構造255と、を含む水処理インサート201が示されている。図示される実施形態では、支持構造255は、水処理物質254の上面に固定されている。他の実施形態では、支持構造255は、水処理物質254の下面内又は下面上のいずれかに配置されてよい。
【0053】
水処理インサート201は、トレー部材52内に配置されるよう構成されて、水処理リザーバ18内に向けられた水を処理する。水処理インサート201を通る水流の方向は、参照数字259によって示されている。水処理インサート201は、配水プレート56と併用して使用されてもよいし、又はそれなしで使用されてもよい。すなわち、支持構造255は、配水プレート56の代わりであってもよく、したがって、配水プレート56は不必要になる。
【0054】
支持構造255は、例えば紙、金属、又は合成プラスチック材料で形成され得る、例えばネット、メッシュ、スクリム、又はスクリーン様材料を含むことができる。このような材料は、開口状態及び/又は多孔質であり、これによって、水を水処理インサートに通過させる。支持構造255は、未処理水がより均質かつ均一に水処理物質254を通って流れるように未処理水を分配するよう働いてもよい。支持構造255はまた、水処理インサート201の耐久性を増強させる傾向がある。
【0055】
図示される実施形態では、水処理インサート201は、一般的に水処理物質254の外辺部周囲で広がる任意の環状のガスケット257を含む。このような方法で提供されると、水処理インサート201がトレー部材52内に設置される際に、ガスケット257はトレー部材52とシールを形成し、これによって、水処理物質254を迂回する可能性がある未処理水の量を最小限にする。水処理インサート201にガスケット257が備わっている場合、水処理インサート201は、典型的にはトレー部材2内に設置されるが、それは、トレーがボトル4からの空気を、トレー部材52とハウジングユニット12の側壁12bとの間のギャップを通して容易に逃がすことを可能にするためである。ガスケット257が省かれている場合、水処理インサート201は、トレー部材52内、又はハウジングユニット12の水処理リザーバ18内に直接のいずれかで設置されてよい。ガスケット257がない場合、水処理インサート201はトレー部材52又はハウジングユニット12とシールを形成しないために、ボトル4からの空気は、水処理インサート201の周囲及び/又は水処理インサートを通って流れることにより逃げ得ることから、このことが可能である。
【0056】
ここで図8a及び8bを参照すると、パウチ361内に封入された水処理物質354を含む水処理インサート301が示されている。パウチ361は、例えば金属又は合成プラスチック材料で作られた開放ネット、メッシュ、スクリム又はスクリーン様材料で作られてもよく、あるいは多孔質紙材料のような水透過性材料で作られてもよい。図示される水処理インサート301は、ハウジングユニット12内に直接又はトレー部材52内のいずれかに設置されてよく、配水プレート56と共に又は配水プレートなしのいずれかで用いられることができる。
【0057】
次に、図9及び10を参照すると、図2に描かれているボトルのいずれかを表示することを意図したボトル4が示されている。更に図3を参照すると、ボトル4は、バルブ20のいずれかから分配された処理水を受け取るよう配置されてもよい。あるいは、複数のボトル4が、バルブ20のそれぞれから分配された処理水を同時に受け取るように、装置2内に配置されてもよい。
【0058】
1つの望ましい実施形態では、ボトル4は、基部14の上面上に位置する突起30の1つとハウジングユニット12の下で下方に延びるバルブ20の1つとの間で固定するように配置できるように構成されている。より具体的には、ボトルの上部がバルブ20に対して設置され、ボトル4が付属のカム面28に沿って上方へと促される際に、ボトル4はバルブ20を作動させるような十分な高さであるが、突起30と関連する完全に作動したバルブ20との間で、完全に直立した垂直位置に設置することができるほど高くはない。1つの具体的な実施形態では、ボトルは少なくとも約6.5インチ(16.51cm)の、少なくとも約7.0インチ(17.78cm)の、又は少なくとも約7.2インチ(18.29cm)の高さであり、かつ約8.0インチ(20.32cm)以下の、約7.7インチ(19.56cm)以下の、又は約7.5インチ(19.05cm)以下の高さを有する。別の具体的な実施形態では、ボトル4は概して円筒形であり、約6インチ(15.24cm)以下の、約5インチ(12.70cm)以下の、又は約4インチ(10.16cm)以下の外径を有する。
【0059】
図示される実施形態では、ボトル4は、収容容器76と、収容容器76に取り外し可能に接続されたキャップ78と、を含む。キャップ78は、収容容器76とねじ込み式に接続されている。収容容器76は、収容容器76の内部が洗浄のために容易にアクセスできるような幅広開口部80を含み、キャップ78は、バルブ20のスリーブ部材38に密閉状態で係合するよう構成された狭い開口部又は注ぎ口82を含み、これによって、ボトル4が充填されることを可能にし、かつ処理水がボトル4から注がれることを可能にする。
【0060】
1つの実施形態では、狭いキャップ開口部/注ぎ口82は、少なくとも約0.87インチ(2.21cm)の、少なくとも約0.91インチ(2.31cm)の、又は少なくとも約0.94インチ(2.39cm)の直径であり、かつ約1.06インチ(2.69cm)以下の、約1.01インチ(2.57cm)以下の、又は約0.98インチ(2.49cm)以下の直径を有してもよい。1つの実施形態では、ボトル4は、少なくとも約0.25リットルの、少なくとも約0.5リットルの、又は少なくとも約0.75リットルの容積を有し、かつ約1.75リットル以下の、約1.5リットル以下の、又は約1.25リットルの以下の容積を有する。
【0061】
1つの態様では、装置2は、処理水のための装置の貯蔵容量よりも少ない、未処理水の貯蔵容量を有する。すなわち、装置2は、未処理水よりも処理水に関してより大きな保持能力を有する。処理水の貯蔵容量は、未処理水の貯蔵容量よりも1.5倍大きくてもよく、2倍大きくてもよく、又は2.5倍大きくてもよい。未処理水の貯蔵容量は、例えば、水が水処理物質54に入る前のトレー部材52の容積であり得、処理水の貯蔵容量は、ボトル4の総計容積であり得る。1つの態様では、未処理水の貯蔵容量は、処理前の回収ゾーン75の容積と結合させた予備水処理多岐管70の容積であり得る。
【0062】
図示される実施形態では、ボトル4は、基部14の傾斜したカム面28上の突起30の1つと噛合する戻り止め86を有する底面84を含み、それによって、ボトル4は、戻り止め86が突起30に到達するときに、所定の位置にはめられる。このような方法で、戻り止め86及び突起30は、ボトル4が装置2に適切に設置されたという指示をユーザに提供する。ボトル4が適切に設置されると、ボトルは突起30と関連するバルブ20との間でぴったりと保持され、バルブ20は開放するように作動される。
【0063】
図示される実施形態では、ボトル4は、注ぎ口82にぴったりとはまり込むよう構成されたストッパ90を含む可撓性ストラップ88を含み、これによって、注ぎ口82を繰り返し開閉させる。ストラップ88は、回転自在にボトル4に接続されて、注ぎ口82へのアクセスを妨害しないような第一位置と、ストッパ90が注ぎ口82に挿入及び注ぎ口82から取り外されることができるような第二位置との間で、ストラップ88が選択的に移動されることを可能にする。
【0064】
図示される実施形態では、ストラップ88は、キャップ78の反対側に収容された一組の非対称のキー溝92と、ストラップ88の端部から内側に延びる一対の適合する突起96によってボトル4に取り外し可能に接続されている。ストラップ88がキャップ78に接続されるために、突起96は、キー溝92と整列していなければならない。キー溝92及び突起96の非対称性のために、これは、ストッパ90がキャップ78の下に(すなわち、注ぎ口82の反対側に)直接配置されるようにストラップ88を逆さまに配置させることによってのみ実行され得る。このように配置されることで、突起96は、キー溝92に挿入され得、これによって、ストラップ88がキャップ78に接続されることを可能にする。ストラップ88をキャップ78に接続されたままにするために(すなわち、突起96がキー溝92から抜け出てしまうことを防止するために)、ストラップ88は回転される。ストラップ88が回転されると、突起96はキー溝92に固定される。したがって、突起96がキー溝92にはめ込まれるよう適切に向けられたときにのみ、ストラップ88はキャップ78に取り付けられ、又はキャップ78から取り外され、これは、ストラップ88がキャップ78の下で直接回転及び配置されるときにのみ達成され得る。したがって、キャップ78が収容容器76に固定され、収容容器76がキャップ直下のスペースを占有している場合は、ストラップ88をキャップ78から取り外すことはできない。すなわち、収容容器76は、ストラップ88をキャップ78から分離させるような位置にストラップ88が回転することを防止する。
【0065】
ストラップをキャップに取り外し可能に取り付ける他の方法も企図される。例えば、キャップは、ストラップ上のキーに滑動可能に噛合する細長いキー溝路を含んでもよく、かくして、キャップが収容容器に固定されると、キー溝路の端部が収容容器によって塞がれ、これによって、キーが溝路内に保持される。このように、キャップが収容容器から取り外されたときにのみ、ストラップはボトルに接続し、又はボトルから取り外され得る。
【0066】
次に、図11a〜cを参照すると、装置2の操作が示されている。図11aは、1本のボトル4が装置2内に据え付けられようとしている待機モードにある装置を示している。バルブ20のそれぞれは、水がバルブ20を通過することができないよう閉鎖されている。ボトル4は、注ぎ口82がスリーブ部材38の周りに配置されるような角度で傾けられる。次に、ボトル4の底部の戻り止め86が突起30上の所定の位置に固定されるまで、ボトル4の底部は、傾斜した表面28に沿って上方に滑動される。これと同時に、スリーブ部材38は、バルブ20を開くためにボトル4によって上方に促され、キャップ78の注ぎ口82は、スリーブ部材38とシールを形成する。これで、ボトル4は装置2内に据え付けられる。
【0067】
図11bに示されるように、少なくとも1本のボトル4が装置2内に据え付けられると、未処理の水道水100がリザーバ18に流入され得る。これは、例えば、装置2を直接蛇口の下に設置することによって、又はそれ以外の方法で水道水の流れをリザーバ18に向けることによって、達成されることができる。次に、未処理水100は、配水プレート56内の配水開口部62を通り、水処理物質54を通って、処理カートリッジ8の底部に位置する排水開口部58から流れ出る。その後、処理水102は水入口/空気出口ポート22を通り、バルブ20を通り、水出口/空気入口ポート26を通って、ボトル4に流入する。ボトル4及びスリーブ部材38は気密シールされているために、ボトル内に閉じ込められた空気104が逃げるための唯一の方法は、水出口/空気入口ポート26を通って上方に流れ、バルブ20を経て、水入口/空気出口ポート22から流れ出ることである。ここから、排出された空気は、トレー部材52の底部52aに沿って上方及び外側に流れ、次に装置2の上部から出るまでトレー部材52の側面52bに沿って上方に流れる。
【0068】
次に、図11cを参照すると、ボトル4が処理水102で充填されると、ボトル4への処理水の流れは自動的に止まる。これは、ボトル4内の水レベルが、スリーブ部材38の底部に到達したときに起こる。満杯のときに、ボトル4は、水の上部とスリーブ部材38との間に閉じ込められた少量の空気を含む。次いで、満杯のボトル4は、ボトル4が突起30から外されるまでボトル4の底部を外側に引くことによって取り外されることができ、これによって、ボトル4の底部が傾斜した表面28を滑り落ちる際に、ボトル4を外側に回転させることができる。これと同時に、スリーブ部材38は下方に滑動し、これによって、バルブ20が閉まる。ここでバルブ20が閉められることによって、ボトル4が装置2から取り外される際に、バルブ20内に残存するいかなる水も排出されることが回避される。処理水102は、このときに直ちに消費されてもよいし、又は後で使用するために、処理水102が保存され及び/又は移送され得るように、ボトル4を閉じるためにストッパ90が注ぎ口82に設置されてもよい。
【0069】
ボトル4、ハウジング組立体6、及び処理カートリッジ8は、飲料液体の処理、分配、又は収容での用途に適した任意の材料から構成され得る。ボトル4、ハウジング組立体6、及び処理カートリッジ8は、装置2の可搬性を促進するために、軽量である材料を用いて構成されてよい。好適な材料には、例えば、液体容器に通常用いられる熱可塑性ポリマー材料などのような合成プラスチック材料が挙げられる。好適な熱可塑性ポリマー材料には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリプロピレンなどを挙げることができる。具体的な実施形態では、熱可塑性ポリマー材料は透明であってよく、再利用できるようにするための滅菌に耐える十分な強度を有し得る。熱硬化性プラスチック、複合材、金属、及びこれらの組み合わせなど、その他の好適な材料も使用できる。ガラス及びガラス様材料、セラミック材料、金属、並びに金属合金が、ボトル4、ハウジング組立体6、及び/又は処理カートリッジ8の構成体に用いられてもよい。
【0070】
上述の発明には、発明の概念から逸脱することなく様々な変更や修正ができることは、当業者には理解されよう。したがって、本発明の範囲は、本願に記載の構造に限定されるべきものではなく、「特許請求の範囲」の文言により述べられる構造及びそうした構造の均等物によってのみ限定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水処理装置と接続させて用いるための水ボトルであって、少なくとも約0.87インチ(2.21cm)の直径かつ約1.06インチ(2.69cm)以下の直径を有する円形開口部と、少なくとも約6.56インチ(16.66cm)の高さかつ約8.02インチ(20.37cm)以下の高さと、を有する、水ボトル。
【請求項2】
前記ボトルが、前記装置の前記基面上に含まれる突起と噛合する戻り止めを有する底面を含み、前記ボトルが所定の位置にはまり、これにより、前記ボトルが前記装置内に適切に据え付けられたことに関する表示を使用者に提供する、請求項1に記載の水ボトル。
【請求項3】
前記ボトルが収容容器を含み、前記収容容器に取り外し可能に接続されたキャップを更に含む、請求項2に記載の水ボトル。
【請求項4】
前記収容容器が前記開口部を含み、前記キャップが注ぎ口を含む、請求項3に記載の水ボトル。
【請求項5】
前記ボトルに可動式に接続されたストラップを更に含む、請求項4に記載の水ボトル。
【請求項6】
前記ストラップが、前記注ぎ口を閉鎖/密閉させるためのストッパを含む、請求項5に記載の水ボトル。
【請求項7】
前記キャップが、前記ストラップの前記端部を回転自在に受け取るための一対の非対称性キー溝を含む、請求項6に記載の水ボトル。
【請求項8】
前記ボトルが、概ね円筒形であり、前記ボトルが、約4インチ(10.16cm)以下の外径を有する、請求項7に記載の水ボトル。
【請求項9】
前記ボトルが、少なくとも約0.75リットルの容積かつ約1.25リットル未満の容積を有する、請求項7に記載の水ボトル。
【請求項10】
前記ボトルが再利用可能である、請求項8に記載の水ボトル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【公表番号】特表2013−506607(P2013−506607A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532343(P2012−532343)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/051052
【国際公開番号】WO2011/041633
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】