説明

水処理装置及び水処理方法

【課題】吸着剤と特定物質の接触確率を高めると共に処理流量も得ることを課題とする。
【解決手段】吸着剤と処理水を接触させる反応槽1と、吸着剤と処理水を分離させる固液分離装置4,6と、前記反応槽に被処理水を供給する配管3bと、前記固液分離装置から処理水を排出する処理水排出ポンプ7と、前記固液分離装置から前記吸着剤を反応槽に戻す排水管7を具備し、この排水管7により吸着剤を前記反応槽と前記固液分離装置の間で循環させることを特徴とする水処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、水処理装置及び水処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、工業の発達や人口の増加により水資源の有効利用が求められている。そのためには、工業排水などの廃水の再利用が非常に重要である。これらを達成するためには水の浄化、すなわち水中から他の物質を分離することが必要である。
【0003】
液体からほかの物質を分離する方法としては、各種の方法が知られており、たとえば膜分離、遠心分離、活性炭吸着、オゾン処理、凝集、さらには所定の吸着材による浮遊物質の除去などが挙げられる。このような方法によって、水に含まれるリンや窒素などの環境に影響の大きい化学物質を除去したり、水中に分散した油類、クレイなどを除去したりすることができる。
【0004】
これらのうち、膜分離はもっとも一般的に使用されている方法のひとつであるが、水中に分散した油類を除去する場合には膜の細孔に油が詰まり易く、膜の寿命が短くなりやすいという問題がある。このため、水中の油類を除去するには膜分離は適切でない場合が多い。このため重油等の油類が含まれている水からそれらを除去する手法としては、例えば重油の浮上性を利用し、水上の設置されたオイルフェンスにより水の表面に浮いている重油を集め、表面から吸引および回収する方法、または、重油に対して吸着性をもった疎水性材料を水上に敷設し、重油を吸着させて回収する方法等が挙げられる。
【0005】
かかる観点より、近年においては、油分吸着材を用い、油類が分散した水中内に浸漬させることによって、前記油分吸着材に前記油類を吸着させ、前記水中から除去する試みがなされている。例えば、排水の水質をモニタリングして吸着剤の注入量を算出し、水中から吸着剤と共に有価物(被吸着物)を回収した後、吸着剤と分離させて有価物を得る方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−268976号公報
【特許文献2】特開2010−69395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記のような注入方法を用いると、水中の有価物(又は除去対象物質)の濃度が低下すると吸着剤の濃度も低下するため、接触確率が低下して吸着に時間がかかったり、十分に吸着できなかったりすることがある。また、一般的にカラムにイオン交換樹脂などの吸着剤を詰めて通水する方法では、処理対象水と吸着剤の接触は良好なものの、懸濁性物質(SS)などの不溶物質の存在下ではカラムが詰まるなどの問題が発生したり、圧損から十分な処理量が得られなかったりする場合がある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、水中から吸着剤を用いて特定物質を取り除く方法に関し、吸着剤と特定物質の接触確率を高めると共に処理流量も得られる水処理装置及び水処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態によれば、吸着剤と処理水を接触させる反応槽と、吸着剤と処理水を分離させる固液分離装置と、前記反応槽に被処理水を供給する供給装置と、前記固液分離装置から処理水を排出する排出機構と、前記固液分離装置から前記吸着剤を反応槽に戻す戻し機構を具備し、この戻し機構により吸着剤を前記反応槽と前記固液分離装置の間で循環させることを特徴とする水処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1,2に係る水処理装置の説明図。
【図2】実施例3に係る水処理装置の説明図。
【図3】実施例4に係る水処理装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、実施例1,2に係る水処理装置の一例である。
図中の符号1は、磁性体を含有する吸着剤が収容されている反応槽を示す。この反応槽1には、送液ポンプ2を介装した配管3aを介して固液分離装置としてのサイクロン4,及び回収ポット5が順次接続され、回収ポット5と反応槽1とは配管3bにより接続されている。サイクロン4には、固液分離装置としての磁気分離装置6が接続されている。この磁気分離装置6の底部には、一端が反応槽1に接続する戻し機構としての排水管7、及び一端が処理水槽(図示せず)に接続する,処理水排出ポンプ8を介装した処理水排出管9が夫々接続されている。ここで、処理水排出ポンプ8と処理水排出管9と処理水槽とにより、サイクロン4及び磁気分離装置6から処理水を排出する排出機構を構成している。前記反応槽1と原水槽(図示せず)とは、原水供給ポンプ10を介装した配管3cにより接続されている。ここで、原水供給ポンプ10と配管3cと原水槽とにより、反応槽1に被処理水を供給する供給装置を構成している。前記配管3bの途中には、一端が吸着剤回収容器11に接続する回収管12が接続されている。
【0012】
こうした構成の水処理装置の作用は次のとおりである。
まず、原水供給ポンプ10を用いて被処理水としての原水を前記反応槽1に供給する。反応槽1では、磁性体を含有する吸着剤と原水が十分に混合され、原水中の特定物質が吸着剤に吸着される。この後、スラリーは送液ポンプ2を用いてサイクロン4に送られる。このサイクロン4で分離された固体は回収ポット5に溜まる。次に、回収ポット5から吸着剤を連続的に反応槽1に戻す。また、サイクロン4で分けられた処理水には回収できなかった粒子が存在するため、これらの粒子を含む処理水は磁気分離装置6に送られ、磁力による吸着剤の回収が行われる。この磁気分離装置6から処理水は処理水排出ポンプ8を用いて処理水槽へ排出され、回収された吸着剤は定期的に逆洗され、排水管7を伝って反応槽1に戻る。吸着剤は反応槽1、サイクロン4,磁気分離装置6の間を循環し、こうした循環路内を原水が通過することにより吸着剤に特定物質が吸着され、処理水として排出される。これを吸着剤の吸着可能量まで繰り返した後、回収ポット5の吸着剤を反応槽1ではなく、回収管12を使用して吸着剤回収容器11に移送する。回収した吸着剤は洗浄などの手段で再生され、再び反応槽1に戻される。
【0013】
以下、前記水処理装置の個別の構成について詳細に述べる。
(反応槽)
反応槽1の容器形状、容量、材質等は特に制限されないが、少なくとも滞留時間5分を稼げるような容量を有することが好ましい。また、反応槽1には邪魔板を設けるなど、液体がショートカットできないようにしておくのが良い。反応槽1は、必要に応じて混合機などの攪拌手段やレベルセンサー等を具備することが好ましい。また、反応槽1中には予め吸着剤を入れておくことが好ましい。吸着剤の濃度は固液分離装置で液と分離できるのであれば特に問わないが、できるだけ濃い濃度にすると接触確率が高まり装置としての吸着性能が向上する。目安としては、0.1〜20wt%程度である。ここで、吸着剤の濃度が0.1wt%未満では十分な吸着性能が得られない。また、20wt%を越えた場合は十分な吸着性能が得られるが、吸着性能があまり変動しないため、20wt%程度で十分である。反応槽で得られたスラリーは、送液ポンプ2を使用して固液分離装置に送られる。
【0014】
(固液分離装置)
吸着剤のスラリーから、吸着剤と処理液を分ける固液分離装置は特に問わないが、例えば重力や比重を用いた分離(沈降槽、サイクロン)、フィルターを用いた分離(減圧ろ過、加圧ろ過、上向流ろ過)、これ以外の分離(磁気分離等)が挙げられる。この中でも、連続処理が可能で処理量が多いサイクロンを用いるのが良い。サイクロンを用いて固液分離するには、吸着剤の密度が2.0g/cm以上であることが好ましい。
【0015】
また、別の好ましい固液分離装置は、吸着剤に磁性体を含有させておき、磁気分離装置を用いることである。磁性体としては、例えば鉄、および鉄を含む合金、磁鉄鉱、チタン鉄鉱、磁硫鉄鉱、マグネシアフェライト,コバルトフェライト,ニッケルフェライト,バリウムフェライトなどを用いることができる。この中でもフェライト系化合物は、水中での安定性に優れているので、好適に用いることができる。特に、磁鉄鉱であるマグネタイト(Fe)は安価であるだけでなく、水中でも磁性体として安定し、元素としても安全であるため、水処理に使用しやすいので好ましい。このような磁性体を含有させた吸着剤を、磁石を用いて分離する。
【0016】
更に、別の好ましい固液分離装置は、ろ過器であり、特に上向流ろ過が好ましい。上向流ろ過とは、処理水が下から上向きに流れ、上側にろ布等のフィルターが存在する。この方法では、吸着剤の粒子径、比重、磁性体の有無を選ばないだけでなく、ろ布の洗浄時に重力で吸着剤が落下するので、洗浄がしやすい。
【0017】
これらの固液分離装置で得られた処理水は、処理水排出ポンプ8で処理水槽に輸送され、処理を完了する。また、回収された吸着剤は反応槽1に戻される。例えば図1の例では、サイクロン4の下にある回収ポット5の下部を少し空けておき、分離された吸着剤を連続的に反応槽1に落とすことができる。また、磁気分離装置6に吸着剤が溜まってきたら定期的に逆洗を行い、排水管7を通じて反応槽1に戻すことができる。この操作を繰り返すことにより、反応槽1とサイクロン4,磁気分離装置6との間で吸着剤を循環させることができる。
【0018】
(吸着剤回収容器)
上記の処理を繰り返すことにより、循環している吸着剤に徐々に特定物質が吸着していき、ある処理量で吸着しなくなる。このようになったら、吸着剤回収容器11に回収して、洗浄等により吸着剤を再生して再利用する。図1の例では、サイクロン4の下の回収ポット5に付いている配管3bから分岐した回収管12より吸着剤回収容器11に吸着剤を回収できるようにしている。吸着剤の洗浄方法は既知の方法で構わないが、例えば油などの有機物を吸着した吸着剤では溶媒による洗浄を、イオン交換樹脂のようにイオンを吸着しているものは酸洗浄やアルカリ洗浄を行う。
【0019】
(吸着剤)
吸着剤は、水処理に使用される固体のものであれば特に限定されない。固液分離装置としてサイクロンや磁気分離装置を使用する場合は、密度の調整や磁性体の含有などを行う必要がある。例えば、特許文献1に記載のマグネタイト含有油分吸着剤にも好適に使用することができる。吸着剤は、例えば溶液中に磁性体粒子とバインダー成分とを混合し、噴霧乾燥することによって作ることができる。また、イオン交換樹脂などのカラムに詰めて使用するイオン交換樹脂等も使用可能である。
【0020】
以下、具体的な実施例を用いて詳細に説明する。
(実施例1)
(装置の説明)
実施例1では図1の水処理装置を用いる。実施例1に水処理装置は、攪拌機とレベルセンサー(どちらも図中では省略)を有する300Lの反応槽1と、固液分離装置としての処理速度30L/minのサイクロン4と、ネオジウム磁石を備えた磁気分離装置6を有している。吸着剤は、サイクロン下の回収ポット5から連続的に反応槽1に戻すと共に、磁気分離装置6から定期的に逆洗して反応槽1に戻す構造になっている。
【0021】
(吸着剤の作製)
ポリメチルメタクリレート138重量部を2400mlのアセトン中に溶解させて溶液とし、その溶液中に平均粒子径2000nmのマグネタイト粒子1500重量部を分散させて溶液とした。この溶液をミニスプレードライヤー(柴田科学株式会社製の商品名:B−290型)を用いて噴霧し、球状に凝集した平均2次粒子径が60μmの磁性体を含有した油分吸着剤を作製した。
【0022】
(模擬排水の作製)
水1000Lに対し、4kgのギアオイル(エクソンモービル社製の商品名:モービルバクトラオイルNo.2製)を混合した模擬排水を準備した。
【0023】
(吸着試験)
反応槽1の中に予め10kgの吸着剤を投入し、原水供給ポンプ9から模擬排水を反応槽1内に供給した。反応槽1に250Lの模擬排水が投入されたところで送液ポンプ2を動かし、サイクロン4に30L/minで供給した。サイクロン4に送られた吸着剤の9割は回収ポット5に移り、残りの吸着剤は処理液と共に磁気分離装置6に送られた。この磁気分離装置6で残りの吸着剤を磁気で回収し、処理水排出ポンプ8で処理水槽へ放流したところ、この処理水中には吸着剤と油が混入していなかった。また、回収ポット5に回収された吸着剤は、回収ポット5の下から連続的に引き抜かれ、反応槽1に戻した。更に、5分に一度、磁気分離装置6を逆洗して、回収した吸着剤を反応槽1に戻した。模擬排水が全てなくなるまでこれを繰り返し、処理水槽へは吸着剤も油も混入していないことを確認した。
【0024】
(再生試験)
処理水排出ポンプ8を動かさず、磁気分離装置6から反応槽1に戻る閉ループの状態にして循環運転をした。回収ポット5に溜まった吸着剤を少しずつ吸着剤回収容器11に移動させつつ、全ての吸着剤を回収した。この回収した吸着剤に対し、30Lのヘキサンで3回洗浄したところ、吸着剤に付着していたギアオイル3.8kgを回収し、吸着剤の再生を完了した。
【0025】
実施例1に係る水処理装置によれば、反応槽1と固液分離装置としてのサイクロン4及び磁気分離装置6との間で高濃度の吸着剤を循環させ、そこに処理水を通過させることにより、吸着剤と特定物質の接触確率を高め、処理流量も得られる。
【0026】
(実施例2)
実施例2では、図1の水処理装置を用いる。実施例2では、模擬排水の組成を、松村石油(株)製の水溶性切削剤ネオクール(ソリューションタイプ)2%水溶液1000Lにギアオイル4kgを混合したものとし、処理水排出ポンプ8の送り先を原水槽に繋いで循環運転したこと以外は実施例1と同様に吸着試験を行った。60分の運転の後、原水槽に浮かんでいたギアオイルはほとんど回収された。実施例1と同様に吸着剤を回収してヘキサン洗浄を行ったところ、吸着剤に付着していたギアオイル3.6kgを回収し、吸着剤の再生を完了した。また、処理した切削剤には油はほとんど見られず、切削剤として再利用可能であった。
【0027】
(実施例3)
(装置の説明)
実施例3では図2の水処理装置を用いる。但し、図1と同部材は同符号を付して説明を省略する。実施例3の水処理装置は、攪拌機とレベルセンサー(どちらも図中では省略)を有する300Lの反応槽1と、固液分離装置としての処理速度30L/minのサイクロン4と、固液分離装置としての700mm角の上向流ろ過器21を有している。図2では、処理水排出管9と処理水槽とにより排出機構を構成している。吸着剤はサイクロン下の回収ポット5から連続的に反応槽1に戻すと共に、上向流ろ過器21から定期的に逆洗して反応槽1に戻す構造になっている。
(吸着剤の作製)
実施例1と同様に吸着剤を作製した。
(模擬排水の作製)
水1000Lに対し、4kgのギアオイルを混合した模擬排水を準備した。
【0028】
(吸着試験)
反応槽1の中に予め10kgの吸着剤を投入し、原水供給ポンプ10から模擬排水を反応槽1内に供給した。反応槽1に250Lの模擬排水が投入されたところで送液ポンプ2を動かし、サイクロン4に30L/minで供給した。サイクロン4に送られた吸着剤の9割は回収ポット5に移り、残りの吸着剤は処理液と共に上向流ろ過装置21に送られた。この上向流ろ過装置21で残りの吸着剤を回収し、処理水槽へ放流したところ、この処理水中には吸着剤と油が混入していなかった。また、回収ポット5に回収された吸着剤は、回収ポット5の下から連続的に引き抜かれ、反応槽1に戻した。また、5分に一度、上向流ろ過器21を逆洗して、回収した吸着剤を反応槽1に戻した。模擬排水が全てなくなるまでこれを繰り返したところ、処理水槽へは吸着剤も油も混入していないことを確認した。
【0029】
(再生試験)
実施例1と同様にヘキサンで洗浄したところ、ギアオイル3.9kgを回収し、吸着剤の再生を完了した。
【0030】
(実施例4)
(装置の説明)
実施例4では図3の水処理装置を用いる。但し、図1,図2と同部材は同符号を付して説明を省略する。実施例4の水処理装置は、攪拌機とレベルセンサー(どちらも図中では省略)を有する300Lの反応槽1と、固液分離装置としての700mm角の3台の上向流ろ過器21a,21b,21cを有している。吸着剤は、上向流ろ過器21a,21b,21cから定期的に逆洗して反応槽1に戻す構造になっている。なお、図3中の符号22は、排水管7から分岐して吸着剤回収容器11に接続する回収管を示す。
【0031】
(吸着剤の作製)
吸着剤は、ホウ素吸着樹脂(三菱化学製の商品名:CRB05)を使用した。
【0032】
(模擬排水の作製)
四ホウ酸ナトリウムを1000Lの水に溶解させ、ホウ素濃度500mg/Lの模擬排水を準備した。
【0033】
(吸着試験)
反応槽1の中に予め10kgの吸着剤を投入し、原水供給ポンプ10から模擬排水を反応槽1内に供給した。反応槽1に250Lの模擬排水が投入されたところで送液ポンプ2を動かし、上向流ろ過器21a,21b,21cに送られた。これらの上向流ろ過器21a,21b,21cで吸着剤を回収し処理水槽へ放流したところ、この処理水中には吸着剤は混入していなかった。また、上向流ろ過器21a,21b,21cは5分おきに逆洗を行い、吸着剤を反応槽1に戻した。約35分で全ての処理が終わった後、処理水槽のホウ素濃度を分析したところ、420mg/Lでホウ素の吸着を確認し、合計で80gのホウ素を回収した。
(再生試験)
実施例1と同様に回収して、1規定の硫酸と1規定の水酸化ナトリウム水溶液で洗浄して吸着剤の再生を完了した。
【0034】
(比較例1)
実施例4と同じ量の吸着剤を20Lのカラムに充填し、模擬排水を通水したところ35分で50Lしか処理できなかった。この時通水した水中に含まれるホウ素は全量回収したが、合計で25gであった。
【0035】
以上のことからわかるように、本発明の水処理装置は高濃度の吸着剤を有する水槽を通水することにより、効率的に水処理を行うことができる。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
1…反応槽、2…送液ポンプ、3a,3b,3c…配管、4…サイクロン(固液分離装置)、5…回収ポット、6…磁気分離装置(固液分離装置)、7…排水管(戻し機構)、8…処理水排出ポンプ、9…処理水排出管、10…原水供給ポンプ、12,22…回収管、11…吸着剤回収容器、21,21a,21b,21c…上向流ろ過器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸着剤と処理水を接触させる反応槽と、吸着剤と処理水を分離させる固液分離装置と、前記反応槽に被処理水を供給する供給装置と、前記固液分離装置から処理水を排出する排出機構と、前記固液分離装置から前記吸着剤を反応槽に戻す戻し機構を具備し、この戻し機構により吸着剤を前記反応槽と前記固液分離装置の間で循環させることを特徴とする水処理装置。
【請求項2】
前記吸着剤の密度が2g/cm以上であることを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
【請求項3】
前記吸着剤が磁性体を含有することを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
【請求項4】
前記固液分離装置がサイクロンであることを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
【請求項5】
前記固液分離装置が磁気分離装置であることを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
【請求項6】
前記固液分離装置がろ過器であることを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
【請求項7】
前記吸着剤が油分吸着剤であることを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
【請求項8】
前記吸着剤がイオン吸着粒子であることを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
【請求項9】
反応槽に被処理水を供給する第1工程と、吸着剤と処理水を接触させる第2工程と、固液分離装置で吸着剤と処理水を分離させる第3工程と、前記固液分離装置から前記処理水を排出する第4工程と、前記固液分離装置から前記吸着剤を前記反応槽に戻す第5工程とを具備し、吸着剤を前記反応槽と前記固液分離装置の間で循環させることを特徴とする水処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−187507(P2012−187507A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52812(P2011−52812)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】