説明

水平力伝達構造の構築方法

【課題】施工容易な水平力伝達構造の構築方法を提供する。
【解決手段】水平力伝達構造10は、地盤改良体12、基礎部16、地盤改良体12と基礎部16の間に挿入される鋼棒14を有している。鋼棒14は、地盤改良体12の上面12Fから頭部を突き出した状態で、下部が地盤改良体12に固定され、上部が基礎部16に固定されている。水平力伝達構造10は次の工程を経て構築される。先ず、穴穿孔工程を実行する。即ち、地盤改良体12を構築した後、地盤改良体12の上面12Fに穴20を穿孔する。次に、水平力伝達部材固定工程を実行する。即ち、穴20に鋼棒14を挿入し、モルタル22を充填する。鋼棒14の上部は地盤改良体12の上面12Fから突き出されている。最後に基礎部構築工程を実行する。即ち、基礎部16を地盤改良体12の上に構築する。基礎部16はコンクリートで構築され、鋼棒14の上部を呑み込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平力伝達構造の構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
軟弱地盤等では、地盤改良された地盤改良体の上に構造物が構築される。地盤改良体は、構造物の基礎と地盤改良体の間の摩擦抵抗で基礎の滑動を抑制し、杭に作用する水平力を軽減している。しかし、地震力や偏土圧によって地盤改良体に大きな水平力が作用するときには、構造物の基礎と地盤改良体の間の摩擦抵抗力が不足して、基礎と地盤改良体の間が滑動する。
【0003】
この滑動を防止するために、杭の杭径を大きくする選択もあるが施工コストが増大する。このため、基礎と地盤改良体の間に、せん断力を伝達させるコッター(楔、突起)やシェアキー(伝達部材)等の滑り止め機構を設けて対応している(特許文献1)。
【0004】
特許文献1は、図6に示すように、軟弱層73に構築された構造物70が、杭71と地盤改良体72で支持されている。地盤改良体72は軟弱層73に構築され、杭71は、支持層75に達する深さとされている。
【0005】
地盤改良体72は、水平力伝達部材としてのかご筋76を囲んで構築され、かご筋76の頭部は構造物70の基礎に呑み込まれている。これにより、かご筋76を介して、地盤改良体72と構造物70の間で水平力が伝達される。
【0006】
しかし、特許文献1では、施工が大掛かりとなるかご筋76が使用されており、多大の手間と費用を要する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−200381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事実に鑑み、施工容易な水平力伝達構造の構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明に係る水平力伝達構造の構築方法は、地盤改良体の上面に穴を穿孔する工程と、前記穴に水平力伝達部材を挿入し、前記水平力伝達部材の上部を前記地盤改良体から突き出した状態で前記穴に充填材を充填する工程と、構造物の基礎部を前記地盤改良体の上に構築し、前記水平力伝達部材の上部を前記基礎部に呑み込ませる工程と、を有することを特徴としている。
【0010】
地盤改良体の上面に穴を穿孔し、この穴に挿入した水平力伝達部材を充填材で固着すれば、容易に地盤改良体に水平力伝達部材を取り付けることができる。この水平力伝達部材の上部を基礎部に呑み込ませれば、水平力伝達部材により、地盤改良体と構造物の基礎部の間で水平力を伝達できる。
即ち、本発明によれば、施工容易な水平力伝達構造の構築方法を提供できる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の水平力伝達構造の構築方法において、前記穴は、前記地盤改良体の上面に所定間隔をあけて鉛直方向に穿孔されていることを特徴としている。
即ち、地盤改良体への穴の間隔、穴の深さ等を調整することで、地盤改良体と基礎部の間で伝達される水平力を調整することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の水平力伝達構造の構築方法において、前記穴は、前記地盤改良体の品質検査用のコア抜き試験後の孔であることを特徴としている。
【0013】
地盤改良体は、品質管理上、頭部のコア抜き試験が必要である。このため、コア抜き試験でコア抜が抜かれた孔を利用すれば、改めて穴を穿孔する必要がなく、容易に地盤改良体に水平力伝達部材を取り付けることができる。
この結果、コスト削減や工期の短縮が図れる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の水平力伝達構造の構築方法において、前記穴は、鉛直軸に対して傾斜して穿孔され、前記水平力伝達部材が斜めに挿入されていることを特徴としている。
【0015】
これにより、水平力伝達部材の地盤改良体への根入れ長さや、取り付け間隔、鉛直軸に対する傾斜角度等を変えることで、水平力伝達部材を介して伝達できる水平力を調整することができる。また、地盤改良体が水平力伝達部材で斜め方向に緊結される。この結果、外周面をラップさせ壁体とした地盤改良体の連結力が補強される。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水平力伝達構造の構築方法において、前記地盤改良体は壁体として形成されており、前記穴の位置から前記壁体の長さ方向と交差する方向へ、補強用の補強地盤改良体が設けられていることを特徴としている。
【0017】
これにより、水平力伝達部材が挿入された地盤改良体の、壁体の長さ方向と交差する側方(面外方向)への水平力に対する負担を軽減できる。また、地盤改良体の側方への水平力に対する強度を高めるために、別途、施工が困難な高強度改良体を構築する必要がなく、コストの低減や工期の短縮を図ることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水平力伝達構造の構築方法において、前記穴が形成された前記地盤改良体の頭部には、補強用の繊維が混入されていることを特徴としている。
【0019】
これにより、水平力伝達部材が挿入された地盤改良体の頭部の靭性を高めることができる。この結果、水平力伝達部材を介して地盤改良体の頭部に水平力が加えられても、地盤改良体の頭部の損傷を抑制できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、上記構成としてあるので、施工容易な水平力伝達構造の構築方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る構築方法で構築される水平力伝達構造の基本構成を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る構築方法で構築される水平力伝達構造の基本構成を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る構築方法で構築される水平力伝達構造の基本構成を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係る構築方法で構築される水平力伝達構造の基本構成を示す図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る構築方法で使用される繊維の混入状態を示す図である。
【図6】従来例の水平力伝達構造の基本構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る水平力伝達構造の構築方法は、図1に示す水平力伝達構造10を構築する方法である。図1(A)は地盤改良体12の斜視図であり、図1(B)は地盤改良体12と基礎部16の断面図である。
【0023】
水平力伝達構造10は、壁状に構築された地盤改良体12と、地盤改良体12の上に構築される構造物18の基礎部16と、地盤改良体12と基礎部16の間に挿入される鋼棒14を有している。
【0024】
地盤改良体12は、図示しないオーガで原地盤24を掘削しながら、掘削土とセメントミルクを混合、撹拌して円柱体を構築し、隣接する円柱体の外周面同士をラップさせ壁体とされている。地盤改良体12の上部には鋼棒14が挿入され、地盤改良体12の上面12Fには、基礎部16の底面が設けられている。
【0025】
鋼棒14は、地盤改良体12の上面12Fから頭部を突き出した状態で、下部が地盤改良体12に固定され、上部が基礎部16に固定されている。これにより、地震時の水平力Rを、鋼棒14を介して、地盤改良体12と基礎部16の間で伝達することができる。
基礎部16は、地盤改良体12の上にコンクリートで構築され、鋼棒14の頭部を呑み込み、構造物18の鉛直荷重を地盤改良体12に伝達させる。
【0026】
水平力伝達構造10は、次の工程を経て構築される。
先ず、穴穿孔工程を実行する。具体的には、地盤改良体12を構築した後、地盤改良体12の上面12Fに、穴20を穿孔する。穴20は、鋼棒14が挿入される径D1、深さH1とされ、間隔L1をあけて、鉛直方向に複数個設ける。
【0027】
次に、水平力伝達部材固定工程を実行する。具体的には、穴20に鋼棒14を挿入し、固定する。鋼棒14は、穴20の深さH1以上の長さH2とされ、鋼棒14の上部を、地盤改良体12の上面から突き出している。この状態で、穴20の内壁と鋼棒14の外周面の間にモルタル22を充填し、モルタル22で、鋼棒14を地盤改良体12に固定する。
【0028】
最後に、基礎部構築工程を実行する。具体的には、構造物18の基礎部16を地盤改良体の上に構築する。基礎部16はコンクリートで構築され、鋼棒14の上部を基礎部16のコンクリートに呑み込ませる。これにより、鋼棒14が基礎部16に固定される。
【0029】
このとき、穴20の間隔L1、穴20の深さH1等を調整することで、地盤改良体12と基礎部16の間で伝達される水平力Rを調整することができる。
【0030】
更に、穴20は、地盤改良体12の品質検査用のコア抜き試験後の抜き穴を利用することができる。地盤改良体12は、品質管理上、頭部のコア抜き試験がなされる。このため、コア抜き試験でコア抜が抜かれた抜き穴を、鋼棒14の固定用の穴20に利用すれば、改めて穴20を穿孔する必要がなく、容易に地盤改良体に鋼棒14を取り付けることができる。この結果、施工コストの削減や工期の短縮を図ることができる。
【0031】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る水平力伝達構造の構築方法は、図2の斜視図に示す水平力伝達構造30の構築方法である。
【0032】
水平力伝達構造30は、壁状に構築された地盤改良体12と、地盤改良体12の上に構築される図示しない構造物の基礎部と、地盤改良体12と基礎部の間に挿入されるPC鋼線32を有している。PC鋼線32は、複数の地盤改良体12を横切って斜め方向に挿入され、シアキーとして作用する。なお、基礎部は、第1の実施の形態と同じ構成であり、図示は省略した。
【0033】
水平力伝達構造30は、次の工程を経て構築される。基本的に第1の実施の形態と同じ工程であり、相違点を中心に説明する。
先ず、穴穿孔工程を実行する。具体的には、地盤改良体12を構築した後、地盤改良体12の上面に、PC鋼線32を挿入する穴34、35を穿孔する。
【0034】
穴34は、PC鋼線32が挿入される径D2で所定の間隔L2をあけて、水平に対して反時計回りに角度α(度)傾け、深さH2で斜めに、複数穿孔する。このとき、隣接する複数の地盤改良体12を横切って穿孔させる。一方、穴35は、穴34と同じ寸法、同じ深さの穴を、水平に対して時計回りに角度α(度)傾けて、複数穿孔する。穴34、35の一部は、側面視でオーバーラップしている。
【0035】
次に、水平力伝達部材固定工程を実行する。具体的には、穴34、45に、それぞれPC鋼線32を深さH2まで、斜めに挿入する。PC鋼線32は、深さH2以上の長さH3とされ、PC鋼線32の上部は、地盤改良体12の上面から突き出ている。この状態で、穴34、35の内壁とPC鋼線32の外周面の間にモルタル22を充填する。これにより、モルタル22で、PC鋼線32が地盤改良体12に固定される。
【0036】
最後に、基礎部構築工程を実行する。これは、第1の実施の形態と同じ工程であり、説明は省略する。これにより、PC鋼線32の頭部が基礎部に固定される。
上述の工程とすることで、水平力伝達構造30が容易に構築できる。
【0037】
また、水平力伝達構造30は、構造物の鉛直荷重を、地盤改良体12に伝達する。同時に、地震時には水平力Rを、PC鋼線32を介して、地盤改良体12と構造物の基礎部の間で伝達する。
また、PC鋼線32の地盤改良体12への根入れ長さH2や、取り付け間隔L2、水平に対する傾斜角度α等を変えることで、PC鋼線32を介して伝達できる水平力を調整することができる。
【0038】
更に、地盤改良体12がPC鋼線32で斜め方向に緊結される。この結果、外周面をラップさせ壁体とした地盤改良体12の連結力が補強される。なお、PC鋼線32の代わりに、鋼製の棒を使用してもよい。
【0039】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る水平力伝達構造の構築方法は、図3の斜視図に示す水平力伝達構造40の構築方法である。
【0040】
水平力伝達構造40は、壁状に構築された地盤改良体12と、地盤改良体12の上に構築される図示しない構造物の基礎部と、地盤改良体12と基礎部の間に挿入される鋼棒14を有している。ここに、鋼棒14が取り付けられた地盤改良体12Cの側面には、壁体の長さ方向と交差する方向へ、補強用の補強地盤改良体42が設けられている。なお、基礎部は、第1の実施の形態と同じ構成であり、図示は省略した。
【0041】
水平力伝達構造40は、次の工程を経て構築される。基本的に第1の実施の形態と同じ工程であり、相違点を中心に説明する。
【0042】
先ず、穴穿孔工程を実行する。具体的には、地盤改良体12を構築した後、鋼棒14が固定される地盤改良体12Cの両側面に、補強地盤改良体42を構築する。補強地盤改良体42は、地盤改良体12と同じ方法で構築される。但し、補強地盤改良体42は、頭部側を地盤改良体12Cの頭部とラップさせ、下端側を地盤改良体12Cの下端から所定の距離L3だけ離して傾斜させて構築する。その後、地盤改良体12Cの上面に、鋼棒14を挿入する穴20を、所定の間隔L1をあけて、複数穿孔する。
【0043】
次に、水平力伝達部材の固定工程を実行する。これは、第1の実施の形態と同じ工程であり、説明は省略する。
【0044】
最後に、基礎部の構築工程を実行する。これも、第1の実施の形態と同じ工程であり、説明は省略する。
上述の工程とすることで、水平力伝達構造40が容易に構築できる。
【0045】
水平力伝達構造40は、地盤改良体12Cの両側面に補強地盤改良体42が構築されており、鋼棒14が挿入された地盤改良体12Cの、壁体の長さ方向と交差する側方(面外方向)への水平力に対する負担を軽減できる。
【0046】
また、地盤改良体12Cの側方への水平力に対する強度を高めるために、地盤改良体12Cの代わりに、別途、施工が困難な高強度改良体を構築する必要がなくなり、コストの低減や工期の短縮を図ることができる。
【0047】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態に係る水平力伝達構造の構築方法は、図4の斜視図に示す、水平力伝達構造50の構築方法である。
【0048】
水平力伝達構造50は、壁状に構築された地盤改良体12と、地盤改良体12の上に構築される図示しない構造物の基礎部と、地盤改良体12と基礎部の間に挿入される鋼棒14を有している。ここに、地盤改良体12の頭部には、補強用の繊維52が混入されている。なお、基礎部は、第1の実施の形態と同じ構成であり、図示は省略する。
【0049】
水平力伝達構造50は、次の工程を経て構築される。基本的に第1の実施の形態と同じ工程であり、相違点を中心に説明する。
【0050】
先ず、穴の穿孔工程を実行する。具体的には、頭部に繊維52が混入された地盤改良体12を構築し、地盤改良体12Cの上面に、鋼棒14を挿入する穴20を、所定の間隔L1で、複数穿孔する。繊維52の混入は、例えば、頭部の構築位置におおて、掘削土とセメントミルクの攪拌時に、後述する繊維52を投入し、掘削土、セメントミルク、及び繊維52を、一緒に攪拌し、混合すればよい。
【0051】
次に、水平力伝達部材の固定工程を実行する。これは、第1の実施の形態と同じ工程であり、説明は省略する。
最後に、基礎部の構築工程を実行する。これも、第1の実施の形態と同じ工程であり、説明は省略する。
上述の工程とすることで、水平力伝達構造50が容易に構築できる。
【0052】
水平力伝達構造50により、地盤改良体12の頭部の靭性を高めることができる。この結果、鋼棒14を介して、地盤改良体12と基礎部の間で水平力Rが伝達されたとき、頭部の靭性が高められており、頭部の損傷を抑制できる。
【0053】
なお、繊維52を混入する地盤改良体12は、全ての地盤改良体12でなくてもよく、鋼棒14が挿入された地盤改良体12Cの頭部に限定することもできる。これにより、混入させる繊維52の量を減らすことができる。
【0054】
次に、混入する繊維52について説明する。
図5に示すように、繊維52を地盤改良体12の頭部に混入することにより、繊維52の摩擦抵抗でせん断破壊面54が補強される。
【0055】
せん断破壊面54を補強するために混入する繊維52は、破断強度が200〜1200MPaでヤング係数が2〜15GPaの機械的性質を有するものが望ましい。例えば、ポリプロピレン繊維が該当する。
【0056】
また、繊維52の直径は10〜50μmの範囲内が望ましい。これは、地盤改良体12と繊維52の接触を十分に確保するためには、ある程度の大きさが必要なこと、一方、繊維52の直径が大きくなり過ぎると、繊維52を屈曲させて相互に絡み合わせるのが困難になるため、大きさに限界があるためである。
【0057】
なお、繊維52の形状が直線状では、直径が適切な大きさであっても、繊維52同士が相互に絡み合うことはなく、十分大きな摩擦抵抗を得ることはできない。図5(A)に示すように、繊維52と繊維52が相互に絡み合うように混入させることが望ましい。
【0058】
これにより、地盤改良体12と繊維52の間に十分大きな摩擦抵抗を作用させることができる。この摩擦抵抗により、地盤改良体12の表面でのせん断破壊面54の発生、せん断破壊面54の成長を抑制できる。即ち、局所的な応力が集中する頭部の靭性を補強することができる。また、耐震性も向上できる。更に、繊維52を補強していない地盤改良体12の下部には、荷重分散効果で均等な水平力が伝わるようにすることができる。
【符号の説明】
【0059】
10 水平力伝達構造
12 地盤改良体
14 鋼棒(水平力伝達部材)
16 基礎部
18 構造物
20 穴
22 モルタル(充填剤)
42 補強地盤改良体
52 繊維

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤改良体の上面に穴を穿孔する工程と、
前記穴に水平力伝達部材を挿入し、前記水平力伝達部材の上部を前記地盤改良体から突き出した状態で前記穴に充填材を充填する工程と、
構造物の基礎部を前記地盤改良体の上に構築し、前記水平力伝達部材の上部を前記基礎部に呑み込ませる工程と、
を有する水平力伝達構造の構築方法。
【請求項2】
前記穴は、前記地盤改良体の上面に所定間隔をあけて鉛直方向に穿孔されている請求項1に記載の水平力伝達構造の構築方法。
【請求項3】
前記穴は、前記地盤改良体の品質検査用のコア抜き試験後の孔である請求項2に記載の水平力伝達構造の構築方法。
【請求項4】
前記穴は、鉛直軸に対して傾斜して穿孔され、前記水平力伝達部材が斜めに挿入されている請求項1に記載の水平力伝達構造の構築方法。
【請求項5】
前記地盤改良体は壁体として形成されており、前記穴の位置から前記壁体の長さ方向と交差する方向へ、補強用の補強地盤改良体が設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の水平力伝達構造の構築方法。
【請求項6】
前記穴が形成された前記地盤改良体の頭部には、補強用の繊維が混入されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の水平力伝達構造の構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−102573(P2012−102573A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253128(P2010−253128)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【Fターム(参考)】