説明

水砕スラグ、その製造方法および製造装置

【課題】循環水に含まれる微粒水砕スラグを分離回収した際に発生する塊状の水砕スラグを粒径1mm程度の水砕スラグと均一に混合することによって、水砕スラグ製品の販売上、異物とみなされる塊状の水砕スラグの発生を防止する。
【解決手段】溶融スラグへ高圧水を吹付けて水砕スラグとし、この水砕スラグと水との混合物を脱水槽5に装入して水砕スラグを例えば網やフィルター等で取り出すとともに、通過水を固液分離装置6に送って、温水と微粒水砕スラグから生成する残余水砕スラグとに固液分離し、温水を冷却して高圧水の一部として循環使用することによって水砕スラグを製造する際に、固液分離装置6により固液分離されて除去された残余水砕スラグを、水と混合した後に、脱水槽5に装入して、脱水前の水砕スラグと水との混合物と混合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水砕スラグ、その製造方法および製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高炉スラグを水で急冷して水砕スラグを製造する際には、粒径1mm程度の水砕スラグとともに粒径1mm以下の繊維状の微粒水砕スラグが発生する。水砕スラグの製造装置において高炉スラグの冷却用として使用される水は、一般的に循環使用されるが、発生した微粒水砕スラグが循環水に混入すると、配管の詰り、水槽への堆積、および機器への付着等により操業上支障をきたすことがある。
【0003】
このような問題の発生を防ぐため、微粒水砕スラグは、フィルター等の固液分離装置により循環系外へ分離回収されるが、その回収物は微粒水砕スラグ同士が絡み合うことによって、多くの場合に30mm以上の大きさの塊状の水砕スラグとなる。このため、この塊状の水砕スラグを粒径1mm程度の水砕スラグと混ぜて販売すると、ユーザから塊状の水砕スラグを異物とみなされてしまい、成分等のその他の品質は全く変わらないにもかかわらず、セメント原料等の水砕スラグ製品として販売できない事態となる。
【0004】
特許文献1には、循環水に含まれる微粒水砕スラグを沈降槽で分離回収し、スラリー状で水砕スラグの製品槽に搬出する発明が開示されている。しかし、特許文献1により開示された発明では、微粒水砕スラグを沈降槽で分離回収するため、そもそも、循環水中の微粒水砕スラグの回収率が低く、管の詰り、水槽への堆積、さらには機器への付着等の問題を解決できない。すなわち、特許文献1により開示された発明では、塊状の水砕スラグをユーザに異物とみなされることを解消できない。
【0005】
特許文献2には、循環水に含まれる微粒水砕スラグを分離回収する掻き上げ式回転篩、脱水装置および貯槽を設けた水砕スラグの製造装置に係る発明が開示されている。特許文献2により開示された発明によれば、微粒水砕スラグを軽量スラグとして回収でき、この軽量スラグは断熱材として活用できることが開示されている。
【0006】
さらに、特許文献3には、循環水に含まれる微粒水砕スラグを固液分離装置で分離回収し、水砕スラグの製品槽に搬出する発明が開示されている。この発明による塊状の水砕スラグは、セメント原料等の水砕スラグ製品に混ぜて、これまでは販売可能であったと解される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭58−20756号公報
【特許文献2】特許第2718930号明細書
【特許文献3】特許第1402272号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献2には、回収された軽量スラグが塊状となること、その処理方法、さらには、軽量スラグを水砕スラグ製品として販売可能であることは、いずれも、記載も示唆もされていない。このため、特許文献1により開示された発明によっても、塊状の水砕スラグをユーザに異物とみなされることを解消できず、微粒水砕スラグをセメント原料等の水砕スラグ製品として販売できない。
【0009】
特許文献3により開示された発明では、30mm以上の大きさの塊状の水砕スラグと、粒径1mm程度の水砕スラグとが単純に混合されることとなる。しかし、近年、水砕スラグ製品のユーザの水砕スラグ製品に対する高品質化要求は、従来にましていっそう高まっている。このため、特許文献3により開示された発明によっても、塊状の水砕スラグをユーザに異物とみなされることを解消できず、微粒水砕スラグをセメント原料等の水砕スラグ製品として販売できない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、溶融スラグへ高圧水を吹付けて水砕スラグとし、この水砕スラグと水との混合物を脱水槽に装入して水砕スラグを例えば網やフィルター等で取り出すとともに、通過水を固液分離装置に送って、温水と微粒水砕スラグから生成する残余水砕スラグとに固液分離し、温水を冷却して高圧水の一部として循環使用する水砕スラグの製造方法において、固液分離装置により固液分離されて除去された残余水砕スラグを、水と混合した後に、望ましくは水中で分離させた後に、脱水槽に装入して、脱水前の水砕スラグと水との混合物と混合することを特徴とする水砕スラグの製造方法である。
【0011】
別の観点からは、本発明は、溶融スラグへ高圧水を吹付けて得られる水砕スラグと水との混合物を収容するとともに、水砕スラグを例えば網やフィルター等で取り出すための脱水槽と、この脱水槽に収容される通過水を、温水と微粒水砕スラグから生成する残余水砕スラグとに固液分離するための固液分離装置と、温水を冷却して高圧水の一部として循環使用する循環水系と、固液分離装置により固液分離されて除去された残余水砕スラグを、水と混合した後に、望ましくは水中で分離させた後に、脱水槽に装入して、脱水前の水砕スラグと水との混合物と混合するための残余水砕スラグ処理装置とを備えることを特徴とする水砕スラグの製造装置である。
【0012】
さらに別の観点からは、本発明は、上述した本発明に係る製造方法により製造される水砕スラグであって、粒径が30mm以上の塊状の水砕スラグの存在比率が0.3wt%以下であって、残部は、粒径1mm程度の水砕スラグと粒径1mm以下の微粒水砕スラグとであることを特徴とする水砕スラグである。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、循環水に含まれる微粒水砕スラグを分離回収した際に発生する塊状の水砕スラグを、粒径1mm程度の水砕スラグと均一に混合することが可能になり、これにより、水砕スラグ製品の販売に際してユーザに異物とみなされる塊状の水砕スラグの発生を防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、脱水前の水砕スラグと塊状の水砕スラグとを混合する本発明に係る水砕スラグの製造装置を示す説明図である。
【図2】図2は、一般的な水砕スラグの製造装置を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を、添付図面を参照しながら説明する。
(1)本発明の原理
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、
(a)微粒水砕スラグが絡み合った塊状の水砕スラグは、綿のようになっており、破砕機等では分離し難いものの、水中に入れると分離し易い性質を有すること、および
(b)微粒水砕スラグが単独で集まると塊状になるのであって、単独で集まらなければ塊状にならないこと
を新たに知見した。
【0016】
これら2点の新規な知見から、塊状の水砕スラグを水中に分散させた状態で水砕スラグと一様に混合すれば、塊状の水砕スラグが再発生することはなく、セメント原料等の水砕スラグ製品として販売可能であることを知見した。
【0017】
そこで、この知見に基づきさらに検討を重ねた結果、脱水前のスラリー状の水砕スラグに塊状の水砕スラグを混合すれば、予め塊状の水砕スラグを水中に投入しなくとも、スラリー中で塊状の水砕スラグが微粒水砕スラグに分離され、かつその微粒水砕スラグが水砕スラグ中に一様に存在する状態を作り出せることが判明した。その結果、脱水後も塊状の水砕スラグが再発生しない。
【0018】
一方、塊状の水砕スラグを水中で微粒水砕スラグに分離した後、脱水後の水砕スラグに混合(水砕スラグが入った槽の上から投入)すると、再脱水が必要になるだけではなく、微粒水砕スラグが水砕スラグ中に一様に存在する状態をうまく作り出せないため、再脱水後に塊状の水砕スラグが発生する可能性が高いことも判明した。
【0019】
本発明は、これらの知見に基づくものであり、略述すると、溶融スラグへ高圧水を吹付けて水砕スラグとし、この水砕スラグと水との混合物を脱水槽に装入して水砕スラグを例えば網やフィルター等で取り出すとともに、通過水を固液分離装置に送って、温水と微粒水砕スラグから生成する残余水砕スラグとに固液分離し、温水を冷却して高圧水の一部として循環使用することによって、水砕スラグを製造する際に、固液分離装置により固液分離されて除去された残余水砕スラグ(バックグラウンドは含まない)を、水と混合した後に、望ましくは水中で分離させた後に、脱水槽に装入して、脱水前の水砕スラグと水との混合物と混合することによって、塊状の水砕スラグを粒径1mm程度の水砕スラグと均一に混合することが可能になる、という技術思想に基づくものである。
【0020】
(2)本発明の実施の形態
添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を説明する。
図1は、脱水前の水砕スラグと塊状の水砕スラグとを混合する本発明に係る水砕スラグの製造装置0を示す説明図である。
【0021】
図1に示すように、製造装置0は、脱水槽5と、固液分離装置6と、循環水系13と、残余水砕スラグ処理装置14とを備えるので、これらの構成要素を順次説明する。
[脱水槽5]
図1において、濃縮槽2において吹製函1を介して溶融状態の高炉スラグaへ高圧水を吹付けて水砕スラグとする。得られた水砕スラグと水との混合物を濃縮ポンプ3によって分配槽4を介して脱水槽5に装入して、粒径1mm程度の水砕スラグと1mm以下の微粒水砕スラグ(混合状況によって、塊状の水砕スラグが含まれる)bを沈降させて取り出すとともに、通過水を固液分離装置6に送る。
【0022】
このように、脱水槽5は、溶融スラグaへ高圧水を吹付けて得られる水砕スラグと水との混合物を収容するとともに、水砕スラグbを例えば網やフィルター等で取り出すためのものである。
【0023】
脱水槽5は、この種の脱水槽として周知慣用のものであればよく、特定の型式のものには制限されないので、脱水槽5に関するこれ以上の説明は省略する。
[固液分離装置6]
固液分離装置6では、温水を温水槽7へ送るとともに残余水砕スラグ(塊状の水砕スラグ)cを分離する。
【0024】
このように、固液分離装置6は、脱水槽5に収容される通過水を、温水と微粒水砕スラグから生成する塊状の残余水砕スラグとに固液分離するためのものである。
固液分離装置6は、この種の固液分離装置として周知慣用のものであればよく、特定の型式のものには制限されないので、固液分離装置6に関するこれ以上の説明は省略する。
【0025】
[循環水系13]
温水は、冷却塔ポンプ8により冷却塔9に送って冷却された後に、給水ポンプ10により吹製函1へ送り、濃縮層2において高圧水として循環して使用される。
【0026】
また、冷却された水は、給水ポンプ10によって、後述する分離槽11にも送られ、分離槽11において、塊状の水砕スラグcと混合される。水と塊状の水砕スラグcとは、微粒水砕輸送ポンプ12により、分配槽4へ送られる。
【0027】
このようにして、水砕スラグbと、塊状の水砕スラグcとが製造されている。循環水系13は、温水を冷却して高圧水の一部として循環使用するためのものである。
[残余水砕スラグ処理装置14]
残余水砕スラグ処理装置14は、製造装置0を特徴付ける装置であるので、図2も対比しながら説明する。
【0028】
図2は、一般的な水砕スラグ製造設備を示す説明図である。なお、図2の図中符号は、図1の図中符号と同一のものを用いている。
図2に示す水砕スラグの一般的な製造設備は、図1に示す製造装置0から、残余水砕スラグ処理装置14、すなわち分離槽11、微粒水砕輸送ポンプ12およびこれらに接続される配管を取り除いたものである。
【0029】
図2に示す製造装置を用い、循環水中から分離回収された塊状の水砕スラグcを種々方法により水砕スラグbと混合した。そして、混合・脱水後の水砕スラグ中の30mm以上の塊状の水砕スラグcの存在(重量)比率を測定した。ただし、バックグラウンド(塊状の水砕スラグcを混合しない場合の比率)を差し引いた値で評価した。
【0030】
なお、バックグラウンドが存在する理由は、
(a)スラリー状の水砕スラグを脱水槽5で脱水するに際して、粒径1mm程度の水砕スラグはほぼ全量回収できること、
(b)一方、微粒水砕スラグに関しては、一部は脱水槽5から粒径1mm程度の水砕スラグとともに回収され、一部は循環水系13に混入して、固液分離装置6で回収されること、および
(c)前者の脱水槽5から粒径1mm程度の水砕スラグとともに回収される微粒水砕スラグが、塊状の水砕スラグとなる場合が有ること
である。
【0031】
具体的には、水砕スラグと塊状の水砕スラグとの比率は、水砕スラグ製造時(図中の濃縮槽2における状況)では、水砕スラグ:微粒水砕スラグ=95:5程度である。そして、5%の微粒水砕スラグは脱水槽5において、その50〜70%が水砕スラグとともに系外に排出され、残りの30〜50%が循環水系13に懸濁し、固気分離装置6で回収されて系外に排出され、塊状となる。図2に示す製造装置の現状(約40%を系外に排出している状況)では、60%が水砕スラグに混ざっていて、水砕スラグとの混合状況によっていくらかは塊状化する。このためにバックグラウンドが存在する。
【0032】
結果を表1にまとめて示す。
表1における実施例1、2は、固液分離装置6により固液分離されて除去された残余水砕スラグを、実施例1では分配槽4により水と混合した後に、脱水槽5に輸送・装入し、実施例2では分離槽11により水と混合した後に、微粒水砕輸送ポンプ12により脱水槽5に輸送・装入して、脱水前の水砕スラグと水との混合物と混合したものであり、脱水前の水砕スラグに混合することによって、塊状の水砕スラグの状態に関わらず、塊状の水砕スラグの存在比率を0.3wt%以下に抑制でき、塊状の水砕スラグをユーザに異物とみなされることを解消できる状態であった。
【0033】
これに対し、表1における比較例1、2は、脱水後の水砕スラグに混合したため、塊状の水砕スラグの存在比率が1.7%以上と高くなり、塊状の水砕スラグをユーザに異物とみなされることを解消できない状態であった。
【0034】
【表1】

【0035】
図1の製造装置0や図2に示す製造装置では、系外に排出された40%も水砕スラグに混ぜられた結果、濃縮槽2に存在していた微粒水砕スラグのほぼ全てが混ざっていることになる。表1は、混合状況によって、どれだけ塊状になるかを示している。
【0036】
したがって、比較例1、2の存在比率の最大値は、ほぼ全量塊状になっている値となっており、バックグラウンドを差し引いているので、後で混合した40%が全量塊状になっている程度の値となっている。40%からのずれは、水砕スラグ:微粒水砕スラグの比率のバラツキと、40%増えたことによって少し塊状が発生し易くなっていることの2点が原因であると推定される。
【0037】
なお、表1において、水砕スラグと塊状の水砕スラグの比率自体が異なった場合、あるいは、この比率はほぼ一定であるが、混合状況によってばらつく、の両要因が含まれているのが実態である。しかしながら、影響が大きいのは混合状況によるバラツキであり、結果は範囲で表示する。実施例2は、何回実施しても全て0%だったため、範囲で示していない。
【0038】
このように、脱水後の水砕スラグに混合(水砕スラグが入った槽の上から投入)した場合は、再脱水が必要になるだけでなく、微粒水砕スラグが水砕スラグ中に一様に存在する状態をうまく作り出せないことから、再脱水後に塊状の水砕スラグが発生してしまうため、脱水前の水砕スラグに混合する必要がある。また、脱水前の水砕スラグに混合する前に、塊状の水砕スラグを予め水中で分離するほうが高い効果を得られるが、実施例1により示すように、予め水中で分離しなくとも十分な効果を得られる。
【0039】
混合する方法や設備は、特に問わないが、例えば、水砕スラグの脱水槽5への投入箇所(脱水槽5の切替のための分配槽等)に水砕スラグと塊状の水砕スラグを投入する方法や設備が例示される。具体的には、塊状の水砕スラグをそのままバケットコンベア等で搬送、あるいは水槽に投入し水中で分離した後、スラリー状で配管等にて搬送する方法や設備が挙げられる。
【0040】
このように、残余水砕スラグ処理装置14は、固液分離装置6により固液分離されて除去された残余水砕スラグを、分離槽11により水と混合した後に、望ましくは水中で分離させた後に、脱水槽5に装入して、脱水前の水砕スラグと水との混合物と混合するためのものである。
【0041】
製造装置0は以上のように構成される。次に、製造装置0を用いて本発明に係る製造方法を実施する状況を説明する。
本発明に係る製造方法は、基本的に、濃縮槽2において溶融スラグへ高圧水を吹付けて水砕スラグとし、この水砕スラグと水との混合物を脱水槽5に装入して水砕スラグを例えば網やフィルター等で取り出すとともに、通過水を固液分離装置6に送って、温水と微粒水砕スラグから生成する残余水砕スラグとに固液分離し、温水を冷却して高圧水の一部として循環使用することによって、水砕スラグを製造する。
【0042】
本発明では、上述したように、固液分離装置6により固液分離されて除去された残余水砕スラグを、分離槽11により水と混合した後に、望ましくは水中で分離させた後に、微粒水砕輸送ポンプ12により脱水槽5に輸送・装入して、脱水前の水砕スラグと水との混合物と混合する。
【0043】
本発明に係る製造方法により製造される本発明に係る水砕スラグは、粒径が30mm以上の塊状の水砕スラグの存在比率が0.3wt%以下であって、残部は、粒径1mm程度の水砕スラグと粒径1mm以下の微粒水砕スラグとである。
【0044】
このようにして、循環水に含まれる微粒水砕スラグを分離回収した際に発生する塊状の水砕スラグを、粒径1mm程度の水砕スラグと均一に混合することが可能になる。このため、水砕スラグ製品の販売に際してユーザに異物とみなされる塊状の水砕スラグの発生を防止できるようになる。
【符号の説明】
【0045】
0 本発明に係る製造装置
1 吹製函
2 濃縮槽
3 濃縮ポンプ
4 分配槽
5 脱水槽
6 固液分離装置
7 温水槽
8 冷却塔ポンプ
9 冷却塔
10 給水ポンプ
11 分離槽
12 微粒水砕輸送ポンプ
a 溶融状態の高炉スラグ
b 粒径1mm程度の水砕スラグと1mm以下の微粒水砕スラグ(混合状況によって、塊状の水砕スラグが含まれる)
c 塊状の水砕スラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融スラグへ高圧水を吹付けて水砕スラグとし、当該水砕スラグと水との混合物を脱水槽に装入して水砕スラグを取り出すとともに、通過水を固液分離装置に送って、温水と微粒水砕スラグから生成する残余水砕スラグとに固液分離し、当該温水を冷却して前記高圧水の一部として循環使用する水砕スラグの製造方法において、
前記固液分離装置により固液分離されて除去された残余水砕スラグを、水と混合した後に、前記脱水槽に装入して、脱水前の前記水砕スラグと水との混合物と混合すること
を特徴とする水砕スラグの製造方法。
【請求項2】
前記残余水砕スラグを水中で分離させた後に前記脱水槽へ装入することを特徴とする請求項1に記載の水砕スラグの製造方法。
【請求項3】
溶融スラグへ高圧水を吹付けて得られる水砕スラグと水との混合物を収容するとともに、水砕スラグを取り出すための脱水槽と、
該脱水槽に収容される通過水を、温水と微粒水砕スラグから生成する残余水砕スラグとに固液分離するための固液分離装置と、
前記温水を冷却して前記高圧水の一部として循環使用する循環水系と、
前記固液分離装置により固液分離されて除去された残余水砕スラグを、水と混合した後に、前記脱水槽に装入して、脱水前の前記水砕スラグと水との混合物と混合するための残余水砕スラグ処理装置と
を備えることを特徴とする水砕スラグの製造装置。
【請求項4】
請求項2に記載の製造方法により製造される水砕スラグであって、粒径が30mm以上の塊状の水砕スラグの存在比率が0.3wt%以下であって、残部は、粒径1mm程度の水砕スラグと粒径1mm以下の微粒水砕スラグとであることを特徴とする水砕スラグ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−71887(P2013−71887A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214738(P2011−214738)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000006655)新日鐵住金株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】