説明

水素燃料供給の設備構成および方法

自動車用ガソリンスタンドが液体アンモニアを受け取り、水素が接触分解により製造される設備構成および方法が企図される。次いで、このようにして製造された水素は、圧縮され、燃料供給プラットフォームに供給される。企図されたスタンドは、未解離のアンモニアが除去されてアンモニア貯蔵タンクに送り返される、ポリッシング装置を好ましくは含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照により本明細書に組み込まれる、2006年6月27日付けで出願された、米国特許仮出願第60/817168号に対する優先権を主張する。
【0002】
本発明の技術分野は、水素燃料自動車のための燃料供給スタンドである。
【背景技術】
【0003】
水素燃料は、比較的エネルギー密度が高く、環境に優しい酸化生成物なので、化石燃料の代替品として魅力を増しつつある。さらに、水素は、少なくとも概念上は簡単な方法で多くの供給源から製造され得る。様々な他の生成方法の中でも特に、水素は、下式Iに従う窒素と水素への接触分解を利用して、アンモニアから生成させることができる。
2NH→N+3H 式I
【0004】
典型的な接触分解法はよく知られており、例えば、米国特許第6936363号、または、Faleschiniらによる2003年の「Hydrogen,Fuel Cells,and Infrastructure Technologies Progress Report」に記載されている。注目すべきことには、これらのおよびこの他の知られている論文において、アンモニアクラッキングは、自動車に動力を供給する水素燃焼装置(例えば、燃料電池またはバーナー)に結合された小規模反応器において乗物の中で実施されるまたは大量の水素を生成し、次いでこの水素が圧縮燃料または液化燃料としてガソリンスタンドに分配される大規模反応器において実施される。このような方法および工程は、一定の利点をもたらすが、特に自動車の燃料供給から見た場合、多くの困難が存在する。
【0005】
例えば、大規模のアンモニアクラッキングが実施され、水素燃料供給スタンドに供給するために大量の水素が製造される場合は、大量の水素を輸送することに関連した多くの安全性の問題が、依然として未解決のままである。さらに、圧縮または液化水素を収容しているタンクからの水素の損失は、かなり大きい。このような損失は、水素が燃焼されるまたは燃料電池において使用される場所で直接アンモニアから製造される場合は、ほぼ完全に回避することができる。しかし、自動車のエンジンへ動力を供給するための、現在知られている代表的なアンモニアクラッキング装置の大きさとコストは、通常、法外に大きく高い。別法として、1つまたは複数のより小型のアンモニアクラッキング装置を使用することができるが、しかし、このような装置は、通常、自動車のエネルギー要求を補足するのみであり、したがってエネルギーの第2の供給源を必要とすることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6936363号
【特許文献2】米国特許第4666680号
【特許文献3】米国特許出願2005/0037244
【特許文献4】WO98/040311
【特許文献5】米国特許第5976723号
【特許文献6】米国特許第5055282号
【特許文献7】米国特許第2601221号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Faleschiniらによる2003年の「Hydrogen,Fuel Cells,and Infrastructure Technologies Progress Report」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、アンモニアから水素を製造する多くの設備構成と方法が、当技術分野において知られていながら、これらのすべてまたはほとんどすべてが、様々な欠点に苦しんでいる。したがって、特に水素を使用して自動車またはこの他の乗物に燃料を供給する場合、アンモニアから水素を生産するための改善された設備構成および方法を提供する必要が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、水素燃料供給スタンドが、液化アンモニアの貯蔵タンクを有し、アンモニアクラッキング装置が、燃料供給プラットフォームに供給するために圧縮および/または液化される水素を製造する、自動車用の水素燃料供給の設備構成および方法を対象とする。
【0010】
本発明の主題の特に好ましい態様において、水素は、液化アンモニアを遠方のアンモニア供給源から受け取り、自動車燃料供給スタンドに貯蔵する方法で、燃料供給スタンドにおいて自動車に供給される。次いで、貯蔵アンモニアの一部は、燃料供給スタンドにおいて水素に変換され、所望されるまたは必要とされる場合は、未解離アンモニアが水素から除去され、次いで、燃料として自動車へ供給される。最も典型的には、アンモニアは、触媒(例えば、ニッケル、ルテニウム、および/または白金を含む。)を使用して、好ましくは自己熱式触媒工程においてクラッキングされる。さらに企図された態様において、未解離アンモニアは、低温工程、吸着工程および/または膜分離により除去され、好ましくはアンモニア貯蔵タンクへ再循環され、タンク中で液化アンモニアは、少なくとも20気圧の圧力でおよび/または−35℃未満の温度で、好ましくは貯蔵される。
【0011】
売上体積および燃料供給の頻度に応じて、アンモニアの水素への変換は、数回のオンデマンドサイクルでまたは連続方式で、実施することができる。水素の生成方法とは無関係に、水素は少なくとも燃料供給圧力まで圧縮されること、および適切な場合は、水素は少なくとも燃料供給圧力の圧力で貯蔵されもすることが企図されている。好ましくは、貯蔵水素は、平均1日供給水素体積の100%未満の、より好ましくは50%未満の、および最も好ましくは20%未満の体積である。
【0012】
遠方のアンモニア供給源に関して、すべてのアンモニア設備が、適切であると考えられているが、特に好ましい設備は、金属イオン封鎖、石油高次回収用の、または副生物として販売するための、二酸化炭素を同時に製造することができるまたはできない、ガス化設備を備えていることが企図されている。
【0013】
したがって、本発明の主題の別の態様において、企図されている自動車燃料供給スタンドは、液体アンモニアを貯蔵するように構成されたアンモニア貯蔵タンク、および貯蔵タンクに流体的に結合され、アンモニアから水素を生成するように構成されたアンモニアクラッキング反応器を有することになる。最も好ましくは、ポリッシング装置は、流体的に反応器に結合され、未解離アンモニアを除去するように構成されており、水素貯蔵タンクおよび圧縮機は流体的にポリッシング装置に結合され、圧縮水素を自動車に燃料供給するための燃料供給プラットフォームへ圧縮水素を供給するように構成されている。最も好ましくは、ポリッシング装置は、低温の吸着装置、および/または膜装置を備えており、未解離アンモニアをアンモニア貯蔵タンクに送り返す、再循環導管がこの装置に結合されている。さらに好ましいスタンドは、連続稼働用に構成された自己熱式触媒反応器を含む。
【0014】
本発明の様々な目的、特徴、態様および利点は、本発明の好ましい実施形態の、以下の詳細な説明および添付図からさらに明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】アンモニア/水素の生成および分配装置を示す典型的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明者は、乗物への水素燃料供給と、アンモニア輸送および分散化クラッキングによる水素の濃縮エネルギー輸送との様々な利点を、1つのシステムに組み合わせ得ることを発見しており、このシステムにおいては、すでに確立されたアンモニア輸送インフラストラクチャを用いてアンモニアを燃料供給スタンドへ輸送し、燃料供給スタンドは、アンモニアがクラッキングされて現行需要量(例えば、24時間の平均の、またはこれを下回る。)を供給するのに十分な量の水素にされる、中規模のモジュール反応器を含む。したがって、比較的大量の水素の輸送および貯蔵に伴う損失が回避される。
【0017】
典型的なアンモニア/水素の生成および分配装置が、図1の図面に示されている。アンモニア設備100および燃料供給スタンド130が示され、液化、圧縮および輸送は点線で表されている。アンモニア設備100は、合成ガス112を発生させる石炭ガス化装置110を好ましくは含む。水素の窒素に対する割合は、通常、従来技術を使用して窒素114を添加することにより調節されて原料ガスを形成し、原料ガスは次に触媒反応器120に供給され、アンモニア流れ122を形成する。
【0018】
アンモニア流れ122は、次いで液化され、(例えば、タンカーまたはパイプラインにより)燃料供給スタンド130の貯蔵タンク132へ輸送され、そこから(オンデマンドでまたは連続方式で)触媒反応器134へ供給され、アンモニアは触媒作用により窒素と水素とに解離させられる。残留未解離アンモニアは、ポリッシング装置136において水素および窒素から除去され、再循環導管137を介して貯蔵タンク132へ送り返される。このようにして製造された水素/窒素流れは、次いで、必要によりある分離装置138内で(例えば、水素選択性膜を使用して)処理することができ、水素に富む流れ139Aおよび安全に大気中へ放出し得る窒素に富む流れ139Bとなる。この水素に富む流れ139Aは、次いで、自動車(図示されていない。)における自動車燃料として使用するために、燃料供給プラットフォーム140へ供給される。
【0019】
アンモニア設備に関して、すべての知られている設備構成は、本明細書において使用するのに適していると考えられること、および具体的な方法は、一定の供給原料の入手しやすさおよび/または設備の地理的な位置に主として依存することを理解しなければならない。しかし、アンモニアの生産は、通常、ガス化設備(例えば、天然ガスまたは他の軽質炭化水素[NGL、LPG、ナフサなど]の蒸気改質による、または重質燃料油または減圧残油の部分的な酸化による。)に結合された大規模設備であることが、好ましい。例えば、石炭または石油コークスは、高温の噴流床ガス化装置において酸素を用いてガス化され、それによって原料合成ガスを生成することができ、この原料合成ガスは冷却され、蒸気としてエネルギーを回収することができる。このようにして形成された原料ガスは、次いで、COのほとんどをHへ変換させるように平衡を移動され、硫黄およびその他の不純物を除去するように浄化され、純粋なHを分離するように処理され(例えば、圧力スイング吸着装置において)、次いで、このHは、(例えば、空気分離装置からの)Nと混合され、HのNに対する適切な化学量論比を実現することができる。次いで、アンモニアが、処理された合成ガスから製造され、同時にCOが、食品グレードのCOとして販売するための、金属イオン封鎖または石油高次回収用の、副生物として回収される。したがって、アンモニアは、少量の温室効果ガスを放出することにより製造し得ることが、正当に評価されなければならない。様々な利点の中でも特に、大きな石炭、石油コークス、およびバイオマスガス化装置が適切に設立され、商業的に立証された設備において費用効率が高い方法で、アンモニアを製造し得ることが注目される。生産設備の種類およびその他の要因に応じて、アンモニアは、さらに精製されるまたは別の方法で処理され得る(例えば、不活性ガス、水などの除去)のであり、最も典型的には、アンモニアは、適切な貯蔵および/または輸送条件(例えば、約15−50バールの圧力、および−30から−50℃の温度)に濃縮および加圧される。したがって、適切なアンモニアは、典型的には90−95モル%の、より典型的には95−98モル%の、および最も典型的には98モル%を超える純度を有することになる。残留不純物は、好ましくは酸素および水であることになる。さらに、アンモニアは、現在、最大の生産量を有する化合物であるので、液体アンモニアを貯蔵および分配する適切なネットワークが、すでに存在していることを注目しなければならない。さらに、液体アンモニアは、一定体積の場合、液体Hの約1.7倍のHを含有していることが正当に評価されなければならない。したがって、アンモニアは、輸送および貯蔵目的に対して、コストおよび利便性において純粋の水素を大きく上まわる利点を提供する。
【0020】
経済的な観点から見ると、豊富に利用できる石炭をガス化して費用効率の高い方法でアンモニアを製造し、アンモニアを用いて、乗物を運転するための効率の高い燃料電池に必要とされるHを供給することは、国家のエネルギー安全保障に大きく貢献することを認識しなければならない。さらに、燃料電池に基づく乗物が必要とするエネルギーへ石炭を変換することの全熱効率は、乗物に動力を供給するために液体で輸送される燃料の全熱効率より高い。これまで、石炭のガス化設備の負荷は、化学肥料産業向けのアンモニアの使用が本質的に周期的であるので、通常、変動しやすいものであった。輸送業界においてアンモニアを使用することにより、基準処理量モードで石炭ガス化設備を稼働し、製品総収入を最大にするように量を変化させながら、化学肥料産業向けおよび車両運転用H生産向けに、アンモニアを販売することが今後可能となる。本発明の主題のさらに別の態様において、アンモニアの生産は、分散化された比較的小規模の方法で実施することもできる。最も典型的には、小規模生産は、圧力下または環境条件下で実施され得る化学反応またはNHまたはNHを放出する電解質の電解を含む。次いで、前駆体、反応物、および/または電解質を分散化されたアンモニア生産地点(例えば、家庭のまたは公共のまたは民営の設備)へ輸送することが企図されている。
【0021】
本発明の主題の好ましい態様において、アンモニアは、トラックまたはパイプラインにより燃料供給スタンドへ供給され、適切な条件(最も典型的には、1つまたは複数の地下貯蔵タンク)で貯蔵される。次いで、アンモニアは、1つまたは複数の貯蔵タンクから、連続方式でまたはオンデマンドで取り出され、適切な場合は再ガス化される。所望する場合、圧力は、下流の処理を容易にするように調整することができる。例えば、アンモニアが比較的低い圧力で貯蔵されている場合、ポンプを使用して液体アンモニアを加圧することができ、ガスを圧縮する必要なしにアンモニア蒸気または水素ガスの下流の処理をすることが可能になる。これに反して、貯蔵圧力が比較的高い場合、圧力を低下させて、アンモニア蒸気または水素ガスを再圧縮するために使用し得る動力を発生させることができる。
【0022】
貯蔵されたおよび場合により再ガス化されたアンモニアの、ガソリンスタンド(または別の場所)におけるクラッキングは、蒸発されたアンモニアをクラッキング触媒(例えば、酸化ニッケル触媒およびルテニウム塩促進剤)を含有する触媒反応器(通常、約50ゲージpsiで稼働)へ供給することにより、好ましくは遂行される。当技術分野において知られている多くのアンモニアクラッキング反応器が存在しており、これらのすべてが、ここにおいて使用するのに適していると考えられる。最も好ましくは、アンモニア変換器は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4666680号に記載のルイス反応器(Lewis Reactor)に類似しており、このルイス反応器は、反応器流出液のエネルギーを効率よく利用して、PSAオフガスを燃料として用いて供給される少量の補助的な熱を、吸熱の大部分に供給する。別の例において、適切な触媒反応器およびシステムには、自己熱式反応器(例えば、米国特許出願2005/0037244)、Zrをベースとする合金を用いて稼働する反応器(例えば、WO98/040311または米国特許第5976723号を参照されたい。)、ルテニウム触媒を用いて稼働する反応器(例えば、米国特許第5055282号を参照されたい。)、およびルテニウム、白金、ニッケルなどの様々な触媒金属により被覆されたアルミナを用いて稼働する反応器(例えば、米国特許第6936363号、または第2601221号を参照されたい。)が含まれる。
【0023】
高温の反応器流出液(通常、約500−800℃)は、アンモニアクラッキングに必要な吸熱反応の熱を供給するために、触媒に接触している管を通って、反応器に再循環される。流出液からの追加の熱を用いて、触媒反応器の上流のアンモニアを再ガス化することができる。次いで、このような(および場合によりさらに冷却された)流出液は、未解離アンモニアが水素および窒素ガスから除去される、任意選択のポリッシング装置へ供給される。最も典型的には、このような装置は、未解離アンモニアが比較的穏和な冷却条件で液化される低温装置を使用することになる。例えば、冷却の少なくとも一部は、再ガス化工程に入る液化アンモニアから引き出すことができる。別法として、モレキュラーシーブまたは別の固相への吸着、アンモニアを溶解するまたはアンモニアに反応を起こさせるために溶液(例えば、酸性水溶液)で洗浄することおよび/または膜分離を含めた別の多くの方法が、適切であり得る。アンモニアを水素および窒素から分離する、当技術分野で知られている多くの方法が存在しており、これらのすべては、ここにおいて使用するのに適していると考えられる。未解離アンモニアを分離する方法とは無関係に、アンモニアは、再循環されて追加の圧縮またはポンピングを必要とし得る貯蔵タンクへ戻ることが、一般に好ましい。
【0024】
さらに好ましい態様においては、次いで、分離装置(例えば、水素選択性膜、または圧力スイング吸着装置)は、窒素/水素ガス混合物を受け取り、窒素を大気中へ除去し、水素を少なくとも80モル%、好ましくは少なくとも90モル%、およびさらに好ましくは少なくとも95モル%まで精製することができる。このように製造されたHは、次いで、さらに圧縮され、高圧で貯蔵することができる。別法として、および特に分離装置が膜装置を備えている場合、圧縮もまた分離装置の上流で実施することができる。望ましい場合は、分離オフガス(別個のタンクに通常貯蔵される。)は、著しい排出物を放出することなく、わずかな熱を供給するために、アンモニアクラッキング装置において燃料として使用することができる。
【0025】
さらに、ここにおいて企図されるアンモニアクラッキングの設備構成は、全体の水素貯蔵要求基準を低減させるために、1から7日の間の貯蔵容量(例えば、点検またはその他の状況による停止期間の間収容するために)により緩和され得る、予想される水素要求に好ましくは基づくことが、正当に評価されなければならない。例えば、アンモニアクラッキングは複数のオンデマンドサイクルで実施することができ、このようにして製造された水素は、貯蔵タンクに貯蔵される。サイクルの頻度は、予想される需要に先んじてより多くの生産がなされるように、好ましくは選択される。このようなサイクルは、圧力スイング吸着装置が水素−窒素分離器である場合、特に有利であり得る。別法として、クラッキングは、(数少ない事例では、需要の変動に対応するために可変速度で)連続的に実施することもでき、このようにして製造された水素は、貯蔵タンクに貯蔵される。水素の生成方法とは無関係に、貯蔵される水素は、貯蔵に伴う損失を低減させるために、平均1日供給体積の500%未満、より好ましくは100%未満、および最も好ましくは50%未満の体積を有することが、一般に好ましい。
【0026】
特定の水素供給および燃料供給技術に応じて、このようにして製造された水素は、貯蔵するために圧縮すること、および場合により液化することまたは別の方法で処理することができ、この水素の貯蔵には、自動車の空のモジュールと交換することができる水素タンクモジュール内における貯蔵が含まれることを理解すべきである。したがって、水素の貯蔵は、比較的大きな圧縮タンク内で、比較的大きな水素親和性を有する媒質(例えば、ハロゲン化金属合金、金属を被覆した炭素ナノ構造体など)を含むモジュール内でおよび別の適切な形式で行われ得る。したがって、水素の貯蔵は、比較的低い圧力(例えば、1−5バールの間またはより高圧、5−50バールの間またはさらに高圧)で行われ得る。
【0027】
したがって、水素燃料供給の設備構成および方法の具体的な実施形態および適用が、開示された。しかし、すでに記述されたこと以外に、本明細書における本発明の概念を逸脱することなく、多くのさらなる変更形態が可能であることは、当分野の技術者には明らかなはずである。したがって、本発明の主題は、本開示の精神以外で限定されるべきではない。さらに、明細書および企図された特許請求の範囲を解釈する際には、すべての用語は、文脈に矛盾しない、可能な限り幅広いやり方で解釈されなければならない。特に、用語「含む」および「含んでいる」は、要素、成分またはステップを非排他的に指すものとして解釈されなければならず、参照された要素、成分またはステップは、あからさまに参照されていない他の要素、成分またはステップと共に存在し、利用されまたは組み合わされることを示す。さらに、参照により本明細書に組み込まれる参照資料における用語の定義または使用が、本明細書において与えられたその用語の定義と矛盾するまたは反対の場合は、本明細書において与えられたその用語の定義が当てはまり、参照資料におけるその用語の定義は当てはまらない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車燃料供給スタンドにおいて、遠方のアンモニア供給源から液化アンモニアを受け取り、この液化アンモニアを貯蔵タンク内に貯蔵すること、
自動車燃料供給スタンドにおいて、このアンモニアの少なくとも一部を水素に変換し、未解離アンモニアを場合により除去すること、および
この水素を自動車に供給すること
を含む、燃料供給スタンドにおいて水素を自動車へ供給する方法。
【請求項2】
未解離アンモニアを除去するステップが、低温工程、吸着工程および膜分離の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
除去されたアンモニアが再循環される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
変換ステップにおいて得られた窒素から水素を分離するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
アンモニアを変換するステップが複数のオンデマンドサイクルで実施され、水素が貯蔵タンク内に貯蔵される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
アンモニアを変換するステップが連続方式で実施され、水素が貯蔵タンク内に貯蔵される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
水素を少なくとも燃料供給圧力まで圧縮するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
貯蔵された水素が、平均1日供給体積の100%未満の体積を有する、請求項5または6に記載の方法。
【請求項9】
貯蔵された水素が、平均1日供給体積の50%未満の体積を有する、請求項5または6に記載の方法。
【請求項10】
アンモニアが触媒工程においてクラッキングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記触媒工程が自己熱式である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
触媒工程が、ニッケル、ルテニウムおよび白金の少なくとも1種を含む触媒を使用する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
液化アンモニアが、少なくとも20気圧の圧力および−35℃未満の温度の少なくとも1つを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
遠方のアンモニア供給源が、金属イオン封鎖または石油高次回収用のまたは副生物として販売するための、二酸化炭素を場合により同時に製造するガス化設備である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
燃料供給スタンドと遠方の供給源が、少なくとも10マイル離れている、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
液体アンモニアを貯蔵するように構成されたアンモニア貯蔵タンク、
前記貯蔵タンクに流体的に結合され、前記アンモニアから水素を生成するように構成されたアンモニアクラッキング反応器、
前記反応器に流体的に結合され、未解離アンモニアを除去するように構成されたポリッシング装置、
前記ポリッシング装置に流体的に結合され、圧縮された水素を供給するように構成された水素貯蔵タンクおよび圧縮機、および
前記貯蔵タンクに流体的に結合された燃料供給プラットフォーム
を備え、
前記燃料供給プラットフォームが、圧縮された水素を自動車に供給するように構成されている
自動車燃料供給スタンド。
【請求項17】
前記ポリッシング装置が、低温装置、吸着装置および膜装置の少なくとも1つを備えている、請求項16に記載の燃料供給スタンド。
【請求項18】
未解離アンモニアをアンモニア貯蔵タンクへ供給する再循環導管をさらに備えている、請求項16に記載の燃料供給スタンド。
【請求項19】
前記アンモニアクラッキング反応器が、連続稼働用に構成された自己熱式触媒反応器を含む、請求項16に記載の燃料供給スタンド。
【請求項20】
前記アンモニアクラッキング反応器に流体的に結合され、窒素から水素を分離するように構成された分離装置をさらに備えている、請求項16に記載の燃料供給スタンド。

【図1】
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【公表番号】特表2009−542568(P2009−542568A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518244(P2009−518244)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/014875
【国際公開番号】WO2008/002593
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(506354434)フルオー・テクノロジーズ・コーポレイシヨン (35)
【Fターム(参考)】