説明

水素生成装置、水素添加装置及び水素添加物

【課題】水素生成装置、水素添加装置及び水素添加物を提供する。
【解決手段】水素生成装置は、反応ユニットと、集気ユニットと、を含み、前記反応ユニットは、固体反応物を収納する第一領域と、液体反応物を収納する第二領域と、前記第一領域と前記第二領域とを隔離する隔離層であって、前記隔離層には開口が形成される時に、前記固体反応物と前記液体反応物とは接触して反応し水素を生成する隔離層と、を含み、前記集気ユニットは、前記水素の流通を許容し、また、前記液体反応物の流入を阻止し、且つ、前記反応により生成された水素を水素受体に導入させるよう、少なくとも一つの通気口を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素生成装置と水素添加装置、及び、水素添加装置により生成される水素添加物に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、水素(H2)が疾病の予防と治療に幅広く用いている。例えば、水素は、速く拡散でき細胞膜を貫くことができ、毒により害された細胞の遊離基を有効に還元し、酸化による破壊から細胞を保護することができる。従って、水素は、治療効果のある抗酸化剤として用いられることができ、且つ、細胞核中のDNAを保護することができ、これにより、ガンにかかるリスクを減らすことができる。また、水素は、生理上の酸化還元反応又は細胞情報伝達を妨害することがなく、且つ、活細胞内の強酸化活性物質による破壊を直接保護することができ、例えば、炎症を起こすこと、激しい運動、心筋梗塞、血管の詰まり、臓器移植などは、急性酸化激発効果を引き起こすことができる。水素は、水に溶けることができ、飲用水により人体内に進入し遊離基を持ち去ることができ、或いは、人体は、水素を直接吸い込むこともできる。一般的には、水素の濃度が4.7%より小さい(<4.7%)場合は、引火及び爆発を引き起こすことがないので、水素(H2)は、医療及び美容分野に幅広く応用することができ、安全且つ有効な抗酸化剤になると同時に、副作用が最も小さい。
【0003】
しかし、水素の携帯及び貯蔵の問題があり、今は、水素を生成した後に、直ちに使用者に医療及び美容上の水素添加物として使用させるものが未だない。従来の技術、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4には、固体反応粒子と液体との反応により水素を生成する設計が開示されており、特許文献5には、薄膜により隔離される固体燃料素子及び液体燃料素子の燃料容器が開示されており、特許文献6及び特許文献7には、水素が水素輸出管を経由して外へ輸送される設計が開示されており、特許文献8には、反応により生成された水素を水に進入させる設計が開示されている。ところが、上述の従来の水素の生成設計によるものは、携帯し難く、直ちに使用出来ず、且つ、水素が物品に添加され難い欠点とのを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許公開第20090004512号
【特許文献2】台湾特許公開第201022138号
【特許文献3】台湾特許第I328620号
【特許文献4】台湾特許第I301158号
【特許文献5】台湾特許公開第200703763号
【特許文献6】台湾特許第M358828号
【特許文献7】台湾特許第M330576号
【特許文献8】米国特許公開第20050224996号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、水素生成装置及び水素添加装置を提供することにあり、この種の水素生成装置及び水素添加装置は、携帯し易く、直ちに使用でき、物品に容易に添加され得るとの利点のうち少なくとも一つを有する。
【0006】
本発明のもう一つの目的は、水素添加物を提供することにあり、使用者が簡単な操作だけで水素をこの水素添加物に添加することができ、これにより、使用者は水素が反応により発生する時にこの水素添加物を服用又は使用することができる。
【0007】
本発明の他の目的と利点については、本発明に開示される技術的特徴から更なる理解を得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の一又は部分又は全部の目的若しくは他の目的を達成するために、本発明の一実施例は、水素生成装置を提供する。この水素生成装置は、反応ユニット及び集気ユニットを含む。反応ユニットは,第一領域、第二領域及び第三領域を含む。第一領域は、固体反応物を収納し、第二領域は、液体反応物を収納し、且つ、隔離層が第一領域と第二領域とを隔離し、そのうち、隔離層に開口が形成される時に、固体反応物と液体反応物とが接触して反応し水素を発生する。集気ユニットは、水素の流通を許容し、また、液体反応物の流入を阻止し、且つ、集気ユニットは、反応により生成された水素を水素受体に導入させるよう、少なくとも一つの通気口を有する。
【0009】
本発明のもう一つの実施例は、水素生成装置を提供する。この水素生成装置は、収納室、反応室、集気室及び液体阻止流路を含む。収納室は、第一反応物を収納し、且つ、反応室は、第二反応物を収納し、そのうち、収納室が加圧される時に、第一反応物は、反応室に進入し、また、第二反応物と反応し水素を発生する。集気室は、反応により発生された水素を水素受体に導入させるよう、少なくとも一つの水素通気口を有し、且つ、液体阻止流路は、反応室中に生成された水素を集気室に進入させるよう、反応室及び集気室に連通する。
【0010】
一実施例では、第一反応物は、固体反応物であり、且つ、第二反応物は、液体反応物であり、或いは、第一反応物は、液体反応物であり、且つ、第二反応物は、固体反応物である。
【0011】
一実施例では、液体阻止流路は、撥水性浮き球及び撥水性水素導管を含み、水素導管の一端は浮き球に連通し且つもう一端は集気室に連通し、且つ、反応室中に生成された水素は、圧力差により浮き球及び水素導管に進入する。
【0012】
一実施例では、水素生成装置は、さらに、水素を生成するための反応が生じているかどうかを確認するための反応観察ウィンドウを含み、且つ、反応観察ウィンドウは、少なくとも一つの逆止弁を有しても良い。
【0013】
一実施例では、水素生成装置の一側壁には、外界に連通する空気流路を構成するよう、少なくとも一つの通孔が形成される。集気室は、水素と空気とを混合した後の混合気体を外界に導かせる混合気体流路出口を有し、且つ、混合気体流路出口を経由して流出した水素の濃度範囲は、0.1%〜10%である。
【0014】
一実施例では、水素生成装置は、さらに、吸取器を含み、吸取器は、水素通気口に連通し、且つ、吸取器の一側壁は、外界に連通する空気流路を構成するよう、少なくとも一つの通孔を有する。
【0015】
本発明の他の実施例は、水素添加装置を提供する。この水素添加装置は、反応ユニット及び透過素子を含む。反応ユニットは、固体反応物及び液体反応物を含み、且つ、固体反応物は、液体反応物と接触して反応し水素を生成する。透過素子は、反応ユニットと水素受体との間に設けられ、且つ、透過素子は、反応ユニットと水素受体との間の隔離状態を連通状態に変えるために用いられる。水素受体は、飲用流体又は美容用品であっても良い。
【0016】
一実施例では、透過素子は水素受体の包装用外壁の一部を刺し通し又は推進し、これのより、反応により生成された水素は水素受体に溶解する。
【0017】
一実施例では、透過素子は、尖端を有するネジ山構造であり、且つ、水素受体は、ねじ山構造に対応するネジ溝構造が形成され、ネジ山構造は、水素受体の包装用外壁の一部を刺し通し、且つ、ネジ山構造はネジ溝構造と精密に接合する。
【0018】
また、本発明の他の実施例は、水素添加物を提供する。この水素添加物に含まれる水素は、水素生成装置を経由して導入され、水素生成装置は、少なくとも、反応室、集気室及び液体阻止流路を含み、そのうち、液体阻止流路は、反応室中に生成された水素を集気室に進入させるよう、反応室及び集気室に連通し、且つ、集気室は、水素を水素添加物に導入させるよう、少なくとも一つの通気口を有する。
【発明の効果】
【0019】
以上述べたところを総合すれば、本発明の各実施例は、以下の利点のうち少なくとも一つを有する。
【0020】
上述の各実施例の設計により、使用者は、簡単な操作だけで、水素が生成された時に、水素を直接吸い取ることができ、或いは、水素を、人体が使用可能な水素受体(例えば、飲料、美容用品)に添加し水素を生成する時に直ちに使用することができ、且つ、水素の濃度は、使用方式に応じて直ちに調整することができ、これにより、従来の設計による、携帯し難く、直ちに使用できず、且つ、水素が物品に添加され難いとの欠点を完全に克服することができる。また、上述の各実施例では、電子素子又は高価の部材を全く要しないので、生産がしやすく且つコストが低くなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施例による水素生成装置の構造図である。
【図2】本発明の一実施例による水素の生成過程を示す図である。
【図3】本発明の他の実施例による水素生成装置の構造図である。
【図4A】本発明の一実施例による空気混入方式を示す図である。
【図4B】本発明の他の実施例による空気混入方式を示す図である。
【図5】本発明の一実施例による水素生成装置の内部構造を示す図である。
【図6】図5の水素生成装置の外観図である。
【図7A】本発明の一実施例による反応観察ウィンドウを示す図である。
【図7B】本発明の一実施例による反応観察ウィンドウを示す図である。
【図8A】本発明の一実施例による空気混入機構を示す図である。
【図8B】本発明の一実施例による空気混入機構を示す図である。
【図9】本発明の一実施例による空気混入機構を示す図である。
【図10】本発明の一実施例による水素添加装置の構造図である。
【図11】本発明の一実施例による水素添加装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、添付した図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
【0023】
なお、次の各実施例の説明は、添付した図面を参照して行われたものであり、本発明の実施可能な特定の実施例を例示するために用いられる。また、次の各実施例に言及した方向の用語、例えば、上、下、前、後、左、右などは、添付した図面の方向を参考するためのもののみである。よって、以下に使用された方向の用語は、説明のために用いられ、本発明を限定するためのものでない。
【0024】
図1は、本発明の一実施例による水素生成装置の構造図である。図2は、本発明の一実施例による水素の生成過程を示す図である。図1に示すように、水素生成装置10は、反応ユニット12及び集気ユニット14を含み、反応ユニット12中は、固体反応物22及び液体反応物24を有し、且つ、固体反応物22と液体反応物24とは接触し水素を生成する。集気ユニット14は、気体の流通を許容しまた液体反応物24の流入を阻止し、且つ、水素は、集気ユニット14の通気口14aを経由して水素受体16に進入することができる。水素受体16は、例えば、人体、飲用液体、美容用品などである。図2を参照する。反応ユニット12中は、隔離層26(例えば、隔離膜)を有し、隔離層26は、固体反応物22を有する第一領域と、液体反応物24を有する第二領域とを隔離するためのものである。隔離層26には力により開口が生じる時に、固体反応物22と液体反応物24とは接触して反応し水素を生成する。反応により生成された水素は、水分及び他の夾雑物をろ過するための少なくとも一つのろ過領域を通過する。固体反応物22と液体反応物24とは、反応により水素を生成する効果を有することができればよく、その成分は、特に限定されない。例えば、固定反応物22は、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化マグネシウム、アルミニウム粉などを含んでも良く、且つ、液体反応物24は、例えば、水、二塩化コバルト水溶液、二塩化ニッケル水溶液などを含んでも良い。
【0025】
図3は、本発明の他の実施例による水素生成装置の構造図である。図3に示すように、水素生成装置20は、反応ユニット12及び集気ユニット14を含み、且つ、集気ユニット14は、空気混合領域及び匂い添加領域を含む。水素は、水素受体16に進入する前に、水素の濃度を減らすために、先ず空気混合領域を経由しても良い。なぜなら、水素受体16が人体、又は、人体が吸収又は使用する物品例えば飲用液体、美容用品などであるときに、水素受体16に進入する水素の濃度は一般的に0.1〜10%であり、好ましくは、約2%であるからである。よって、図4Aに示すように、空気混合領域には、ファン又はボンプの空気輸送装置28が設置されてもよく、空気輸送装置28により、空気を水素に混入させ、水素の濃度を減らすことができる。或いは、図4Bに示すように、空気混合領域は、外界と気体交換ができる空間Sであっても良く、水素を空間Sに導入することにより、水素の濃度を適切な範囲内に調整することができる。また、図3に示すように、水素を水素受体16に進入させる前に匂い添加領域を経由させて匂いを添加しても良く、匂い添加領域には、例えば、香気剤又は安定剤が置かれても良い。
【0026】
図5は、本発明の一実施例による水素生成装置の内部構造を示す図である。図5に示すように、水素生成装置30は、収納室32、反応室34、集気室36及び液体阻止流路38を含む。収納室32は、固体反応物22を収納し、且つ、反応室34は、液体反応物24を収納することができ、収納室32が加圧される時に、固体反応物22は、反応室24中に進入し反応室34において反応し水素を生成する。或いは、液体反応物24を収納室32中に置き、固体反応物22を反応室34中に置いても良く、収納室32が加圧される時に、液体反応物24は、反応物24中に進入し反応室34において反応し水素を生成する。液体阻止流路38は、反応室34及び集気室36に連通し、反応室34中に生成された水素を集気室36に進入させる。液体阻止流路38は、例えば、撥水性浮き球38a及び撥水性水素導管38bを含んでも良く、水素導管38bの一端は、浮き球38aに連通し、もう一端は、集気室36に連通する。浮き球38aは、反応室34内に位置し、反応室34で生成された水素は、圧力差により浮き球38aに進入し、これにより、浮き球38aは、水素を収集し、そして、水素導管38を経由して水素を集気室36に導入させることができる。浮き球38aの材質は、浮力を生成することができる材質であれば良く、例えば、植物由来生分解性プラスチック、ゴム、発泡スチロール、透気性膜などであっても良く、浮き球38aは、異なる方位で気相に保持されることができ、これにより、液体はその中に進入できない。
【0027】
図6は、図5の水素生成装置の外観図である。図6に示すように、水素生成装置30の上方は、押圧領域42を有しても良く、押圧領域42を押圧する時に、固体反応物22を液体反応物24に押し込み、或いは、液体反応物24を固体反応物24に押し込むことにより反応を生じさせることができる。一実施例では、集気室36中には、流体領域44が設置されても良く、水素導管38bから導出された水素は、流体領域44に導入されてもよく、流体領域44を経由した後の気体は、さらに水素生成装置30の外に導出され、これにより、気泡を生成する。この時は、外壁に設置される反応観察ウィンドウ46により気泡を観察して、水素が生成されているかどうかを確認でき、また、水素の生成速度を把握することもでき、且つ、反応観察ウィンドウ46は、美観効果を提供することもできる。また、集気室36中の流体領域44は、水素の湿度を上げさせ、また、夾雑質を沈殿させる効果を提供することもできる。また、図7A及び図7Bに示すように、反応観察ウィンドウ46は、少なくとも一つの逆止弁48を含んでも良く、逆止弁48中の球体48aは、重力により、管路中の通路を塞ぎ止め、これにより、上方から下方へ流れる液体又は気体は、通路を通過できず、水素は、図中の矢印で示す設計方向に沿って流れる。これにより、水素生成装置は異なる方位に回転されても、反応観察ウィンドウ46中の液体は溢れ出ることがない。また、反応観察ウィンドウ46の設置位置は、特に限定されず、実際に応用するときは、ニーズに応じて反応観察ウィンドウ46を本発明の各実施例における他の部材又は装置中に設置しても良い。
【0028】
図8Aを参照する。水素生成装置30は、水素通気口52を有し、且つ、水素生成装置30の一側壁は、少なくとも一つの通孔54を形成し、外界と連通する空気流路55を構成する。図8Aに示すように、例えば、人体が水素生成装置30の上方から水素を直接吸い取る時に、上方の吸引力により、側辺の空気流路55を経由して外界空気を同時に吸い込むことができ、これにより、人体が混合気体流路出口56から最後に吸い込む水素の濃度を減らすことができる。例えば、図8Bに示すように、流路は、水素通気口52の断面積が混合気体流路出口56の断面積の2%であるように設計されても良く、これのより、人体が吸い込む水素の濃度は、約2%である。勿論、空気流路55の形成形式は特に限定されず、例えば、図9に示すように、水素発生装置40は、さらに、水素通気口52に連通する吸取器58を有しても良く、且つ、吸取器58には、少なくとも一つの通孔54が形成され、水素を吸い取る時に、空気は、側辺の通孔54を経由して吸取器58中に進入し水素と混合することができる。
【0029】
図10は、本発明の一実施例による水素添加装置の構造図である。図10に示すように、水素添加装置60は、反応ユニット12、透過素子62、及び、反応ユニット12と透過素子62との間に設置されるろ過領域を含む。反応ユニット12は、固体反応物22及び液体反応物24を含み、且つ、固体反応物22と液体反応物24とは接触して反応し水素を生成する。透過素子62は、反応ユニット12と水素受体16との間に設置され、本実施例による水素受体16は、特に限定されず、例えば、飲用液体又は美容用品であっても良い。透過素子62は、反応ユニット12と水素受体16との間の隔離状態を連通状態に変えるために用いられる。例えば、図11に示すように、水素受体16が飲料64であるときは、透過素子は、例えば、尖端を有するネジ山構造66であっても良く、且つ、飲料64の瓶壁には、ネジ山構造66に対応するネジ溝構造68が形成されても良く、ネジ山構造66の尖端によって飲料64の下方のアルミ箔を刺し破り又は栓を開けることで、水素生成装置30により生成された水素が飲料64中に進入し、微量の水素が飲料に溶解し、これにより、水素をすぐに生成し且つ直ちに飲用することができるとの効果を達成することができる。一方、互いに対応するように形成されるネジ山構造66及びネジ溝構造68が緊密に接合することができ、これにより、液体が外に漏れることがない。また、反応ユニット12と透過素子62との間に設置されるろ過領域により水素を純化することができる。実際に作るときは、水素添加装置を異なるサイズのものに設計しても良く、例えば、水素添加装置を、使用者が使用しやすいサイズのものに設計することにより、携帯に便利であるニーズを満たすことができる。
【0030】
上述の各実施例による水素生成装置の設計に基づき、本発明の他の実施例は、水素添加物を提供する。水素添加物に含まれる水素は、水素生成装置を経由して導入され、水素生成装置は、少なくとも、反応室と、集気室と、液体阻止流路とを含み、そのうち、液体阻止流路は、反応室中に生成された水素が集気室に進入するよう、反応室及び集気室に連通し、且つ、集気室は、水素を水素添加物に導入するよう、少なくとも一つの通気口を有する。本実施例中の水素添加物は、水、酒、飲料などの液体であっても良く、美容用品などの部品であっても良いが、本発明は、それらに限定されない。
【0031】
以上述べたところを総合すれば、本発明の各実施例は、以下の利点のうち少なくとも一つを有する。
【0032】
上述の各実施例の設計により、使用者は、簡単な操作だけで、水素が生成された時に水素を直接吸い取ることができ、或いは、水素を、人体が使用可能な水素受体(例えば、飲料、美容用品)に添加し水素を生成する時に直ちに使用することができ、且つ、水素の濃度は、使用方式に応じて直ちに調整することができ、これにより、従来の設計による、携帯し難く、直ちに使用できず、且つ、水素が物品に添加され難いとの欠点を完全に克服することができる。また、上述の各実施例では、電子素子又は高価の部材を全く要しないので、生産がしやすく且つコストが低くなる。
【0033】
本発明は、上述した好適な実施例に基づいて以上のように開示されたが、上述した好適な実施例は、本発明を限定するためのものでなく、当業者は、本発明の精神と範囲を離脱しない限り、本発明に対して些細な変更と潤色を行うことができるので、本発明の保護範囲は、添付した特許請求の範囲に定まったものを基準とする。また、本発明の何れの実施例又は特許請求の範囲は、本発明に開示された全ての目的又は利点又は特徴を達成する必要がない。また、要約の部分と発明の名称は、文献の検索を助けるためのみのものであり、本発明の権利範囲を限定するものでない。
【符号の説明】
【0034】
10、20、30、40 水素生成装置
12 反応ユニット
14 集気ユニット
14a 通気口
16 水素受体
22 固体反応物
26 隔離層
28 空気輸送装置
32 収納室
34 反応室
36 集気室
38 液体阻止流路
38a 浮き球
38b 水素導管
42 押圧領域
44 流体領域
46 反応観察ウィンドウ
48 逆止弁
48a 球体
52 水素通気口
54 通孔
55 空気流路
56 混合気体流路出口
58 吸取器
60 水素添加装置
62 透過素子
64 飲料
66 ネジ山構造
68 ネジ溝構造
S 空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素生成装置であって、
反応ユニットと、集気ユニットと、を含み、
前記反応ユニットは、
固体反応物を収納する第一領域と、
液体反応物を収納する第二領域と、
前記第一領域と前記第二領域とを隔離する隔離層であって、前記隔離層には開口が形成される時に、前記固体反応物と前記液体反応物とは接触して反応し水素を生成する隔離層と、を含み、
前記集気ユニットは、前記水素の流通を許容し、また、前記液体反応物の流入を阻止し、且つ、前記反応により生成された水素を水素受体に導入させるよう、少なくとも一つの通気口を有する、水素生成装置。
【請求項2】
前記集気ユニットは、前記水素を純化するろ過領域をさらに含む、
請求項1に記載の水素生成装置。
【請求項3】
前記集気ユニットは、匂い添加領域をさらに含む、
請求項1に記載の水素生成装置。
【請求項4】
前記集気ユニットは、前記水素受体に導入する前記水素の濃度を調整する空気混合領域をさらに含む、
請求項1に記載の水素生成装置。
【請求項5】
前記水素の生成反応が生じているかどうかを確認する反応観察ウィンドウをさらに含む、
請求項1に記載の水素生成装置。
【請求項6】
前記水素受体は、人体、飲用流体又は美容用品である、
請求項1に記載の水素生成装置。
【請求項7】
水素生成装置であって、
第一反応物を収納する収納室と、
第二反応物を収納する反応室であって、前記収納室が加圧される時に、前記第一反応物は、前記反応室に進入し、また、前記第二反応物と反応し水素を生成する反応室と、
前記反応により生成された前記水素を水素受体に導入させるよう、少なくとも一つの水素通気口を有する集気室と、
前記反応室中に生成された前記水素を前記集気室に進入させるよう、前記反応室及び前記集気室に連通する液体阻止流路と、を含む水素生成装置。
【請求項8】
前記第一反応物及び前記第二反応物のうち一つは固体反応物であり、もう一つは液体反応物である、
請求項7に記載の水素生成装置。
【請求項9】
前記液体阻止流路は、撥水性浮き球及び撥水性水素導管を含み、前記水素導管の一端は前記浮き球に連通し且つもう一端は前記集気室に連通し、且つ、前記反応室中に生成された水素は圧力差により前記浮き球及び前記水素導管に進入する、
請求項7に記載の水素生成装置。
【請求項10】
前記集気室は、流体領域を含む、
請求項7に記載の水素生成装置。
【請求項11】
前記水素の生成反応が生じているかどうかを確認する反応観察ウィンドウをさらに含む、
請求項7に記載の水素生成装置。
【請求項12】
前記反応観察ウィンドウは、少なくとも一つの逆止弁を含む、
請求項11に記載の水素生成装置。
【請求項13】
前記水素生成装置の一側壁に形成され、外界と連通する空気流路を構成する少なくとも一つの通孔をさらに含む、
請求項7に記載の水素生成装置。
【請求項14】
前記集気室は、水素と空気とを混合した後の混合気体を外界に導かせる混合気体流路出口を有し、且つ、前記混合気体流路出口を経由して流出した水素の濃度範囲は、0.1%〜10%である、
請求項13に記載の水素生成装置。
【請求項15】
前記水素通気口の断面積は、実質的に、前記混合気体流路出口の断面積の2%である、
請求項14に記載の水素生成装置。
【請求項16】
前記水素通気口に連通する吸取器をさらに含み、
前記吸取器の一側壁は、外界と連通する空気流路を構成する少なくとも一つの通孔を有する、
請求項7に記載の水素生成装置。
【請求項17】
水素添加装置であって、
固体反応物及び液体反応物を含み、且つ、前記固体反応物と前記液体反応物とは接触して反応し水素を生成する反応ユニットと、
前記反応ユニットと水素受体との間に設置され、且つ、前記反応ユニットと前記水素受体との間の隔離状態を連通状態に変える透過素子と、を含む水素添加装置。
【請求項18】
前記水素受体は、飲用流体又は美容用品である、
請求項17に記載の水素添加装置。
【請求項19】
前記透過素子は、前記水素受体の包装用外壁の一部を刺し通し又は推進し、前記反応により生成された水素を前記水素受体に溶解させる、
請求項17に記載の水素添加装置。
【請求項20】
前記透過素子は、尖端を有するネジ山構造であり、且つ、前記水素受体は、前記ネジ山構造に対応するネジ溝構造が形成され、前記ネジ山構造は、前記水素受体の包装用外壁の一部を刺し通し、且つ、前記ネジ山構造と前記ネジ溝構造とは、緊密に接合する、
請求項17に記載の水素添加装置。
【請求項21】
前記反応ユニットと前記透過素子との間に設置され、前記水素を純化するろ過領域をさらに含む、
請求項17に記載の水素添加装置。
【請求項22】
水素添加物であって、
前記水素添加物に含まれる水素が水素生成装置を経由して導入され、前記水素生成装置は、少なくとも、反応室と、集気室と、液体阻止流路とを含み、前記液体阻止流路は、前記反応室中に生成された前記水素を前記集気室に進入させるよう、前記反応室及び前記集気室に連通し、且つ、前記集気室は、前記水素を前記水素添加物に導入させるよう、少なくとも一つの通気口を有する、水素添加物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−76992(P2012−76992A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204013(P2011−204013)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(511228274)揚光▲緑▼能股▲ふん▼有限公司 (7)
【氏名又は名称原語表記】Young Green Energy Co.
【住所又は居所原語表記】No.5,Wunhua Road,Hukou Township,Hsinchu County 30352
【Fターム(参考)】