説明

水道圧式自動水溶性液剤希釈型噴射器

【課題】 水溶性液剤を原液のまま使用する事で小型軽量化し、水道水のみで動作する、噴射器を提供する。
【解決手段】 水道用ホースで供給される水道水を、2系統に分岐し、第一系統を負圧発生混合ノズルへ送り込むと共に、第二系統を液剤タンクへ送り、液剤タンクを加圧し、液剤を強制的に負圧発生部へ送り込み、第一系統へ混入させる事により希釈させ噴射ノズルから噴射する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
この発明は、液剤塗布装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の噴射器においては、液剤が濃縮された状態で、市販供給されているため、あらかじめ液剤をバケツ等で希釈しなければならない。希釈した液剤を噴射器のタンクへ充填するため、タンクが希釈倍率の分、大きく重くなる。また、噴射させるために動力源として、コンプレッサー、手動ポンプ等による高圧エアー、あるいは電動ポンプを使用しなければならない。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明では、液剤を希釈せずに原液のまま、噴射器のタンクに供給する事により、噴射器のタンク容量を小さくし、液剤を充填しても、軽く持ち運び、塗布する事が出来る様にするとともに、一般家庭でも簡単に使える様、動力源を水道水のみとして、蛇口から水道用ホースを繋ぐだけで、液剤を希釈噴射出来る噴射器を提供する事を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、水道ホース接続口、分岐管、負圧発生ノズル、混合器、タンクホルダ、液剤タンク、噴射ノズル、ハンドバルブとで構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
図1において、水道ホース接続口1と分岐管2は、外形6mm厚さ1mm長さ約2mのウレタンチューブ3で接続されている。
水道ホース接続口1から供給された水は、分岐管2により第一系統と第二系統の2系統に分岐される。
分岐管2は水通路に邪魔しない位置で、混合器5とタンクホルダ7にネジ止めされ、分岐管2と混合器5とタンクホルダ7は一体となっている。
混合器5には、ハンドバルブ17がネジ込みで取付けられ、ハンドバルブ17の出口には、パイプ20を介して噴射ノズル18が取付けられている。
液剤を、液剤タンク11に原液のまま注入し、タンクホルダ7へねじ込み取り付ける。
ハンドバルブ17を持ち、レバー19を上方へ引くと、ハンドバルブ17内部の弁が開き、噴射ノズル18への通路が開放される。
第一系統は負圧発生混合ノズル4の主通路6を通り加速通路8で加速され、混合器5の混合通路9へ放出される事により負圧発生通路10部に負圧が発生する。
分岐管2により2系統に分岐された内の第二系統を、タンクホルダ7の通路12を通り、導管13、継ぎ手14、放出チューブ15を介して液剤タンク11の中に放出する事により、液剤タンク11内部は加圧され、液剤タンク11内部の液剤は、液剤吐出口16を通り負圧発生通路10へ強制的に送り込まれる。
負圧発生通路10へ送り込まれた液剤は、第一系統より、道程が長く屈曲しているので、管路損失が多くなり圧力が低くなるため、混合通路9へ混入しにくくなるのを、負圧を発生させる事により確実に混入される。
逆に、水道水の圧力のみの加速により発生する負圧では、液剤タンク11から液剤を吸い上げるために必要十分な負圧は得られない。
混合通路9で合流した液剤は、所定の希釈率に混合希釈され、ハンドバルブ17を介して噴射ノズル18より放出する。
希釈率は、固定式で主通路6と負圧発生通路10の断面積比により決まる。
液剤を、本装置のタンク容器と同等の物に小分けしてカートリッジ式で提供する事により、タンク容器を交換するだけで、液剤の供給が出来る。
噴射ノズル18を霧化ノズルにする事により、噴霧器として使用する事も可能である。
また、水道水だけでなく、水道水と同等圧のポンプ式井戸水でも使用可能である。
【発明の効果】
【0006】
この発明は、前記の様に、液剤を原液のまま使用する事により、小型軽量になり、取り扱いが非常に楽である。液剤の供給も、カートリッジ式にタンク容器の交換だけですむため、原液に触れる危険が非常に少なく安全である。
また、水道水のみで動作するため、別に電源を用意する必要も無く、コンプレッサー等も不要のため、一般家庭でも簡単に使用する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の側面断面図
【図2】 図1のP部の拡大側面断面図。
【符号の説明】
1 水道ホース接続口 2 分岐管
3 ウレタンチューブ 4 負圧発生混合ノズル
5 混合器 6 主通路
7 タンクホルダ 8 加速通路
9 混合通路 10 負圧発生通路
11 液剤タンク 12 通路
13 導管 14 継ぎ手
15 放出チューブ 16 液剤吐出口
17 ハンドバルブ 18 噴射ノズル
19 レバー 20 パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道から水道ホースにより供給された水流を、2系統に分岐し、第一系統を負圧発生器の原理を応用した混合ノズルへ直接接続し、第二系統は液剤タンク内で放出させ、液剤タンク内を加圧し、強制的に液剤を液剤排出通路を介し、混合ノズルの負圧側に送り込む事により、第一系統と混合希釈され、噴射ノズルから噴射する、水道水のみを動力源とする自動希釈型液剤噴射器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−18411(P2008−18411A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−216225(P2006−216225)
【出願日】平成18年7月11日(2006.7.11)
【出願人】(595157237)カワベ工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】