汚染流体を処理する方法、汚染流体を処理するシステム、および汚染流体を処理するのに適したバイオマスキャリアを作る方法
【課題】汚染流体を処理する方法とシステムおよび汚染流体を処理するのに適したバイオマスキャリアを製造する方法を提供する。
【解決手段】不織布、繊維束アセンブリー、バルキー繊維束アセンブリー、織布および網状ストラップからなる群より選択される繊維成分により構造を補強し、かつ最小厚さ領域を囲むゆるい領域を持つことでその上への微生物の付着を改善し、水への浸漬を促進させるバイオマスキャリアピース32を調製し、汚染流体と混合して、汚染流体の汚染部分を除去することを含む汚染流体を処理する方法およびシステム。
【解決手段】不織布、繊維束アセンブリー、バルキー繊維束アセンブリー、織布および網状ストラップからなる群より選択される繊維成分により構造を補強し、かつ最小厚さ領域を囲むゆるい領域を持つことでその上への微生物の付着を改善し、水への浸漬を促進させるバイオマスキャリアピース32を調製し、汚染流体と混合して、汚染流体の汚染部分を除去することを含む汚染流体を処理する方法およびシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は汚染流体を処理する方法、特にバイオマスキャリアピースを使用して汚染流体を処理する方法に関する。さらに、汚染流体を処理するシステム、および汚染流体を処理するのに適したバイオマスキャリアを作る方法も開示する。
【背景技術】
【0002】
排水や排ガスといった汚染流入物を処理する従来の方法は、濾過や化学物質の添加といった化学的処理および物理的処理を含む。バイオテクノロジーの発展により、流入物中の汚染物を微生物によって分解することを含む多くの生物学的方法が提案されている。しかし、細胞の総数および微生物の生存時間を制御するのは困難なため、実際には、微生物の成育に好適な環境がこれら生物学的方法に提供される。効率よく微生物の細胞の数を制御するために、微生物の成育に好適な環境をバイオマスキャリアを用いて提供する。
【0003】
微生物の成育および汚染物の分解に適した従来のバイオマスキャリアは、固定式のバイオマスキャリアと固定膜式のバイオマスキャリアを含む。中国実用新案明細書第CN2132750Y号は固定式のバイオマスキャリアの1つの例を開示している。そのバイオマスキャリアは、布帛で作られている支持層と、その支持層の2面にそれぞれ取り付けられている2つのゲル膜と、その2つのゲル膜に固定されている微生物および酵素とを含む薄膜キャリアの形態をしている。中国特許公報第CN1298018A号は固定式のバイオマスキャリアの他の例を開示している。そのバイオマスキャリアは被覆を施したコアのキャリアの形態をしている。被覆を施したコアのキャリアは、不溶性の材料からコアを作り、被覆をそのコアの表面に施し、コアの表面に施した被覆を活性化させ、コアの表面に施され活性化された被覆にバイオマテリアルを結合する、という工程で作られる。しかし、固定式バイオマスキャリアの製造の間に、まず、処理しようとする流体の汚染物の性質に基づいて微生物の種類を選択し、続いて、選択した種類の微生物を培養して増殖させ、最後に、バイオマスキャリアに固定する。それゆえに、従来の固定式バイオマスキャリアの製造は複雑であり、かつ製造コストはそれに応じて高くなる。
【0004】
従来の固定膜式バイオマスキャリアとして、欧州特許第0433139号公報が好気的な生物学的硝化の処理に用いるバイオマス粒子の層を開示している。バイオマス粒子の層は、カーボネートをベースとする支持粒子とその支持粒子に付着する硝化微生物とを含む。しかし、そのバイオマス粒子の層を用いて流出物を廃棄するには、通気塔と、生物学的硝化反応塔と、セッター塔と、除泡塔とが必要となる。それゆえに、欧州特許第0433139号公報の好気的な生物学的硝化処理は複雑で非効率的である。
【0005】
カナダ国特許第1217581号公報は排水の生物学的処理装置を開示している。その装置はバイオマスと、バイオマスに対して表面を安定させるために使用するポリウレタン発泡体粒子のようなキャリア材料とを含む。しかし、ポリウレタン発泡体の細孔は互いに連通していないため、このポリウレタン発泡体を最大限に利用することは困難である。さらに、カナダ国特許第1217581の装置の動作中、ポリウレタン発泡体を排水に浸漬させるのに比較的長い時間がかかり、その結果比較的乏しい生物処理効率をもたらす。
【0006】
台湾国特許第513449号公報は、ポリビニルアルコール、キトサンおよびポリイソシアネートのコポリマーから作られるコポリマー発泡体を開示している。活性炭粉末をコポリマー発泡体の細孔にトラップさせ、微生物の成育を促進させる。コポリマーの製造コストは、キトサンとポリイソシアネートの調製が必要なために、経済的ではない。
【0007】
台湾国特許第593168号公報は多孔質キャリア上の固定膜微生物を用いて排水を処理する方法を開示している。多孔質キャリアはポリマー発泡体と、活性炭、ケイ藻岩、およびゼオライトから選択され、ポリマー発泡体の細孔に取り込まれる吸着粒子とを含む。しかし、多孔質キャリアの製造は、ポリマー発泡体を排水に浸漬させるのに必要な時間を短縮するためにさらに親水処理を施す必要があるので、比較的複雑である。
【0008】
従って、容易に、そして経済的に製造できるバイオマスキャリアを使用することで汚染流体を処理する方法およびシステム、ならびに水に即座に浸漬させることができ、大表面積を有するバイオマスキャリアを作る方法を提供することがこの技術において求められている。
【特許文献1】中国実用新案明細書第CN2132750Y号
【特許文献2】中国特許公報第CN1298018A号
【特許文献3】欧州特許第0433139号公報
【特許文献4】カナダ国特許第1217581号公報
【特許文献5】台湾国特許第513449号公報
【特許文献6】台湾国特許第593168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それゆえに、本発明の目的は、従来技術の少なくとも1つの上述した欠点を緩和できる汚染流体を処理する方法、汚染流体を処理するシステム、および汚染流体を処理するのに適したバイオマスキャリアを作る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの態様によれば、汚染流体を処理する方法は、不織布、繊維束アセンブリー、バルキー繊維束アセンブリー、織布、および網状ストラップからなる群より選択される繊維成分から各々別個に作られるバイオマスキャリアピースを調製し、そのバイオマスキャリアピースを汚染流体と混合させることを含む。
【0011】
本発明の他の態様によれば、汚染流体を処理するシステムは、汚染流体を収容するタンクと、タンクに配置され、汚染流体に接触するバイオマスキャリアピースとを含む。バイオマスキャリアピースの各々は、不織布、繊維束アセンブリー、バルキー繊維束アセンブリー、織布および網状ストラップからなる群より選択される繊維成分から別個に作られる。
【0012】
本発明のさらに他の態様によれば、汚染流体を処理するのに適したバイオマスキャリアを作る方法は:実質的に繊維からなる繊維塊を調製し;その繊維塊を開繊して、スカッチングし;開繊され、スカッチングされたその繊維塊をカーディングして、ゆるい繊維ウェブを作り;複数のゆるい繊維ウェブを所定の厚さまでラッピングし;そのゆるい繊維ウェブの繊維を一体化させて、ゆるい繊維ウェブを不織布にし;不織布の繊維を少なくとも1つの結合線に沿って、不織布の厚さがその結合線で最小となるように結合させて、その不織布を構造的に強化すること、を含む。
【0013】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照する以下の本発明の好ましい実施形態の詳細な説明で明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明による汚染流体を処理する方法の好ましい実施形態は、バイオマスキャリアピースを調製し、そのバイオマスキャリアピースを汚染流体と混合させることを含む。バイオマスキャリアピースの各々は不織布、繊維束アセンブリー、バルキー繊維束アセンブリー、織布、および網状ストラップから選択される繊維成分から各々別個に作られる。
【0015】
ここで使用する用語「汚染流体」は生分解性汚染物質のような汚染物質、または浮遊物質を意味し、排ガス、または工業排水および家庭用排水のような排水を含む。
【0016】
好ましくは、バイオマスキャリアピースの汚染流体との混合中に、バイオマスキャリアピースは自由に汚染流体内で浮遊し、かつ汚染流体の流れとともに動く。その結果、汚染流体とバイオマスキャリアピースとの間の接触を促進する。あるいは、バイオマスキャリアピースを一堂に集め、続いて、それらを静止した汚染流体と接触させることができる。バイオマスキャリアピースが汚染流体と接触している間に、汚染流体中の汚染物質はバイオマスキャリアピースによって分解されるか、または取り込まれる。
【0017】
バイオマスキャリアピースの体積は処理しようとする汚染流体の体積に基づいて変化する。バイオマスキャリアピースを作るために使用する繊維成分の第1の好ましい実施形態は不織布で作られる。不織布は好ましくは、円筒形、ならびに五角柱および六角柱といった多角柱からなる群より選択される形状を持つ。図1を参照すると、繊維成分の第1の好ましい実施形態は、バイオマスキャリアピースの各々の厚さが結合線(M)で最小なるように結合線(M)を形成して、構造的に補強されている。
【0018】
図2を参照すると、バイオマスキャリアピースを作るために使用する繊維成分の第2の好ましい実施形態は繊維束アセンブリー20である。繊維束アセンブリーは、複数の繊維束201を重ね合わせ、かつ一体化させ、その後、重なり合い、一体化したその繊維束201を切断して調製される。
【0019】
図3を参照すると、バイオマスキャリアピースを作るために使用する繊維成分の第3の好ましい実施形態はバルキー繊維束アセンブリー21である。バルキー繊維束アセンブリー21は、複数のバルキー繊維束211を織り、重ね合わせ、かつ一体化させ、その後、そのバルキー繊維束アセンブリー211を切断して調製される。
【0020】
図4を参照すると、バイオマスキャリアピースを作るために使用する繊維成分の第4の好ましい実施形態は織布である。織布は、製織処理および一体化処理を施し、その後、その一体化した織布を切断して調製される。
【0021】
図5を参照すると、バイオマスキャリアピースを作るために使用する繊維成分の第5の好ましい実施形態は網状ストラップで作られる。網状ストラップは、編み工程および一体化工程を施し、その後、編まれて一体化したそのストラップを切断して調製される。
【0022】
好ましくは、バイオマスキャリアピースは、汚染流体の体積に対して、10%から90%の範囲の合計の見かけ体積割合を持つ。より好ましくは、バイオマスキャリアピースは、汚染流体の体積に対して、50%から80%の範囲の合計の見かけ体積割合を持つ。
【0023】
さらに、繊維成分は好ましくは、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエチレングリコール、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリスチレン、およびそれらの組合せからなる群より選択されるポリマーから作られる。より好ましくは、繊維成分は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、およびそれらの組合せよりなる群から選ばれるポリマーから作られる。
【0024】
本発明による汚染流体の処理方法の好ましい実施形態は、シーディング工程、すなわち、バイオマスキャリアピースと汚染流体とを混合させる前に、バイオマスキャリアピースを活性汚泥と浄水との混合物を用いて処理することをさらに含む。バイオマスキャリアピース上での活性汚泥の順化を好気性または嫌気性環境下で4から8時間かけて、この技術で知られている活性汚泥処理で使用する方法に基づいて行うことができる。
【0025】
あるいは、本発明による汚染流体の処理方法の好ましい実施形態は、化学試薬または光触媒といった添加剤を汚染流体に添加する工程をさらに含み、処理効率を高める。
【0026】
図6を参照すると、本発明による汚染流体を処理するのに適したバイオマスキャリアを作る方法の第1の好ましい実施形態は:実質的に繊維からなる繊維塊を調製し;その繊維塊を開繊して、スカッチングし;開繊され、スカッチングされたその繊維塊をカーディングして、ゆるい繊維ウェブを作り;複数のゆるい繊維ウェブを所定の厚さまでラッピングし;そのゆるい繊維ウェブの繊維を一体化させて、ゆるい繊維ウェブを不織布にし;不織布の繊維を少なくとも1つの結合線に沿って、不織布の厚さがその結合線で最小となるように結合させて、その不織布を構造的に補強する工程を含む。
【0027】
図7に示す第1の好ましい実施形態では、不織布を一体化処理後にロール1にする。不織布のロール1は補強処理後に2つの結合線が形成されている。好ましくは、結合線11は互いに平行で、かつ不織布の長さ方向と平行である(矢印10で示すように)。好ましくは、結合線11は互いに0.5から5センチメートルの範囲の距離を隔てて離れている。
【0028】
多孔質不織布をまず、結合線11の間に位置し、かつ不織布の長さ方向と平行な切断線(L)に沿って切断し、続いて、不織布の長さ方向を横断する切断線(W)に沿って切断する。切断工程後に得られるバイオマスキャリアは図1に示す繊維成分のものと同じ形状を有する。バイオマスキャリアの各々は、結合線11によって形成される最小の厚さの領域と、その最小の厚さの領域の周りのゆるい(loose)領域とを含む。ゆるい領域は生物学的処理に有用な微生物による付着に適している。好ましくは、バイオマスキャリアの各々は、幅が1.5cm、長さが1.5cmであり、2つの端での最大の厚さが1.5cmである。
【0029】
好ましくは、ゆるい繊維ウェブの繊維の一体化を、化学結合、熱融着、ウォータージェット交絡法、およびニードルパンチングからなる群より選ばれる技術によって行う。例えば、ゆるい繊維ウェブの繊維を135℃の温度で約6秒間熱融着することにより一体化させることで不織布を形成することができる。
【0030】
好ましくは、不織布の繊維の結合処理を、スティッチ溶着、熱融着、および超音波接合からなる群より選ばれる技術を用いて行う。
【0031】
さらに、繊維塊の繊維の各々は、好ましくはポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエチレングリコール、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリスチレンおよびそれらの組合せからなる群より選ばれる単一成分の材料から作られる。より好ましくは、繊維塊の繊維の各々は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレンおよびそれらの組合せからなる群より選ばれる単一成分の材料から作られる。
【0032】
あるいは、繊維塊の繊維の各々は好ましくは、第1成分と、第1成分のそれよりも10℃高い融点を持つ第2成分とを含む、シース/コア型の2成分繊維から作られる。より好ましくは、第1成分はポリプロピレンであり、第2成分はポリエチレンである。
【0033】
図8を参照すると、本発明の方法の第2の好ましい実施形態は、1つの結合線11に沿って結合させて不織布を構造的に補強すること以外、第1の好ましい実施形態と同様である。
【0034】
図9を参照すると、本発明の方法の第3の好ましい実施形態は、各々が不織布の長さ方向を横断する、複数の結合線12に沿って結合させて不織布を構造的に補強すること、および補強された不織布を、各々が2つの隣接する結合線12の間に位置する、複数の切断線(W)に沿って切断すること以外、第1の好ましい実施形態と同様である。
【0035】
図10を参照すると、本発明の方法の第4の好ましい実施形態は、補強された不織布を、各々が2つの隣接する結合線12の間に位置する、複数の第1の切断線(W)に沿って切断すること以外、第3の好ましい実施形態と同様である。補強された不織布をさらに、不織布の長さ方向に沿って切断する。
【0036】
図11を参照すると、本発明による汚染流体を処理するためのシステム3の第1の好ましい実施形態は、汚染流体を収容するタンク31と、タンク31に配置され、汚染流体に接触するバイオマスキャリアピース32とを含む。バイオマスキャリアピース32の各々は、不織布、繊維束アセンブリー20、バルキー繊維束アセンブリー21、織布、網状ストラップから選択される繊維成分から各々別個に作られている。
【0037】
さらに、タンク31は、タンク31の底部に配置された入口311と、タンク31の頂部に配置され、入口311と対向する出口312と、入口311と出口312との間に配置されたセパレーターユニット33とを含む。セパレーターユニット33は、入口311の下流に位置する第1多孔質プレート331と、出口312の上流に位置する第2多孔質プレート332とを含む。バイオマスキャリアピース32は、第1および第2多孔質プレート331、332およびタンク31の周囲の壁313によって限定された空間314内の汚染流体中で自由に浮遊できる。
【0038】
入口311と出口312の配置により、汚染流体をバイオマスキャリアピース32に接触させることができ、タンク31内の汚染流体に費やす時間を増加させることができる。
【0039】
好ましくは、バイオマスキャリアピース32は汚染流体の体積に対して10%から90%までの範囲の合計の見かけ体積割合を持つ。より好ましくは、バイオマスキャリアピース32は汚染流体の体積に対して50%から80%までの範囲の合計の見かけ体積割合を持つ。
【0040】
任意に、バイオマスキャリアピースの各々を活性汚泥と浄水との混合物を用いて処理する。
【0041】
図12を参照すると、本発明による汚染流体を処理するシステムの第2の好ましい実施形態4は、汚染流体を収容するタンク41と、タンク41に配置され、汚染流体と接触するバイオマスキャリアピース42とを含む。バイオマスキャリアピースの各々は第1の好ましい実施形態でのバイオマスキャリアピース32を作るために使用する繊維成分と同じ繊維成分から別個に作られる。
【0042】
さらに、タンク41は、タンク41の底部に配置された出口411と、タンク41の頂部に配置され、かつ出口411と対向する入口412と、出口411の上流と入口412の下流に配置された多孔質プレート43と、タンク41の周囲の壁413の周囲および多孔質プレート43の上流に配置されたディフューザー44とを含む。
【0043】
バイオマスキャリアピース42は、入口412の下にあり、かつ多孔質プレート43およびディフューザー44で限定される空間414内で自由に浮遊する。ディフューザー44により孔441を通して提供されるガスは、汚染流体のバイオマスキャリアピース42との十分な接触を確実にすることを補助する。バイオマスキャリアピースの洗浄は逆洗により行われる。
【0044】
(実施例)
実施例1 バイオマスキャリアの調製
ポリエチレンの第1材料とポリプロピレン(商品名:SP-2650EP、Far Eastern Textile Ltd.(台湾)から入手可能)の第2材料とを含む、コア−シース型の二成分繊維をバイオマスキャリアの調製に使用した。コア−シース型二成分繊維は、6デニールの繊度および5.1cmの長さを有するものであった。まず、繊維を開繊し、スカッチングし、カーディングし、ラッピングして、ゆるい繊維ウェブを形成した。ゆるい繊維ウェブをニードルパンチおよび熱風処理によって一体化し、500g/m2の坪量および1.8mの幅を有する不織布を形成した。続いて、不織布をその長さ方向に沿って、各々0.6mの幅を有する、複数の不織布ストライプに切断した。不織布ストライプの各々を、その不織布ストライプの長さ方向と平行な複数の結合線に沿って不織布ストライプの厚さが結合線の各々で最小となるように結合させて構造的に補強した。結合線は互いに平行であり、互いに3cmの距離を隔てて離れていた。次に、不織布ストライプの各々を、各々2本の隣接する結合線の間に位置する、複数の第1の切断線(L)に沿って切断し、かつ不織布ストライプの長さ方向を横断する複数の第2切断線(W)に沿ってさらに切断して、複数のバイオマスキャリアを形成した。それらの各々は、長さが1.5cm、幅が1.5cmであり、それらの2つの端での最大の高さは1.5cmであった。
【0045】
実施例2 汚染流体を処理するシステムでの、実施例1から得られたバイオマスキャリアの使用
次に、実施例1で得られたバイオマスキャリア42を図12で示した汚染流体を処理するシステムで使用した。システム4のタンク41は、500リットルの汚染流体を収容するのに利用した。11800NTU(比濁計濁度単位)の濁度を持つ300リットルの汚染流体をタンク41に入口412を通してくみ上げた。実施例1から得られたバイオマスキャリアの各々は3.375cm3の見かけ体積を有する。バイオマスキャリアの合計の見かけ体積割合は汚染流体に対して80%、つまり240リットルであった。
【0046】
汚染流体の流入体積と速度を制御するための流量計(図12では示さない)は入口412に装置される。システム4内に流入した汚染流体の濁度(濁度処理前)とシステム4から流出した汚染流体の濁度(濁度処理後)を測定し、汚染流体の濁度の減少率(%)を以下の式に従って算出した。結果を表1に示す。
【0047】
濁度の減少率(%)=[(濁度処理後−濁度処理前)/濁度処理前]×100%
【表1】
【0048】
実施例3 汚染流体を処理するシステムでの、実施例1から得られたバイオマスキャリアの使用
実施例1から得られたバイオマスキャリア32を図11で示した汚染流体を処理するシステム3で使用した。バイオマスキャリア32を活性汚泥と浄水との混合物を用いてタンク31内で予め8時間処理をした。活性汚泥は洗濯(laundry)プラントの浄水回収タンクから手に入れた。汚染流体をタンク31内で12時間保持した。システム3に流入する汚染流体、およびそこから流出する汚染流体の化学的酸素要求量(COD)値および浮遊物質量(SS)値を測定した。システム3によって処理した後、汚染流体のCOD値は210mg/Lから72mg/Lに減少し、汚染流体のSS値は168mg/Lから15mg/Lに減少したことがわかった。
【0049】
実施例の結果は、バイオマスキャリアピース32、42はフィルターとして働くことができ、かつ汚染流体から浮遊物を除去することに有用であり、そしてバイオマスキャリアピース32、42は汚染流体中の有機物質の生分解を増強することができる微生物の付着のための大きな表面積を提供できることを示す。
【0050】
本発明を最も現実的で、かつ好ましい実施形態と考えられるものに関して記載してきたが、本発明は開示した実施形態に限定されず、最も広い解釈の意図および範囲内に含まれる様々な配置、ならびに等価な配置を含むことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明による汚染流体を処理する方法の好ましい実施形態で使用する繊維成分の第1の好ましい実施形態の斜視図。
【図2】本発明による汚染流体を処理する方法の好ましい実施形態で使用する繊維成分の第2の好ましい実施形態の斜視図。
【図3】本発明による汚染流体を処理する方法の好ましい実施形態で使用する繊維成分の第3の好ましい実施形態の斜視図。
【図4】本発明による汚染流体を処理する方法の好ましい実施形態で使用する繊維成分の第4の好ましい実施形態の斜視図。
【図5】本発明による汚染流体を処理する方法の好ましい実施形態で使用する繊維成分の第5の好ましい実施形態の斜視図。
【図6】本発明による汚染流体を処理する方法に適切なバイオマスキャリアを作る方法の第1の好ましい実施形態の連続工程を説明するフロー図。
【図7】どのように不織布を不織布の長さ方向と平行な2つの結合線に沿って結合させることで構造的に補強するか、およびどのように補強した不織布を不織布の長さ方向に横断する方向で切断するかを説明する、本発明によるバイオマスキャリアを作る方法の第1の好ましい実施形態の斜視図。
【図8】どのように不織布を不織布の長さ方向と平行な1つの結合線に沿って結合させることで構造的に補強するか、およびどのように補強した不織布を不織布の長さ方向に横断する方向で切断するかを説明する、本発明によるバイオマスキャリアを作る方法の第2の好ましい実施形態の斜視図。
【図9】どのように不織布を不織布の長さ方向に対して横断する複数の結合線に沿って結合させることで構造的に補強するか、およびどのように補強した不織布を不織布の長さ方向に横断する方向で切断するかを説明する、本発明によるバイオマスキャリアを作る方法の第3の好ましい実施形態の斜視図。
【図10】どのように不織布を不織布の長さ方向に対して横断する複数の1つの結合線に沿って結合させることで構造的に補強するか、およびどのように補強した不織布を不織布の長さ方向に平行および横断する方向で切断するかを説明する、本発明によるバイオマスキャリアを作る方法の第4の好ましい実施形態の斜視図。
【図11】本発明による汚染流体を処理するためのシステムの第1の好ましい実施形態を説明する概略図。
【図12】本発明による汚染流体を処理するためのシステムの第2の好ましい実施形態を説明する概略図。
【技術分野】
【0001】
本発明は汚染流体を処理する方法、特にバイオマスキャリアピースを使用して汚染流体を処理する方法に関する。さらに、汚染流体を処理するシステム、および汚染流体を処理するのに適したバイオマスキャリアを作る方法も開示する。
【背景技術】
【0002】
排水や排ガスといった汚染流入物を処理する従来の方法は、濾過や化学物質の添加といった化学的処理および物理的処理を含む。バイオテクノロジーの発展により、流入物中の汚染物を微生物によって分解することを含む多くの生物学的方法が提案されている。しかし、細胞の総数および微生物の生存時間を制御するのは困難なため、実際には、微生物の成育に好適な環境がこれら生物学的方法に提供される。効率よく微生物の細胞の数を制御するために、微生物の成育に好適な環境をバイオマスキャリアを用いて提供する。
【0003】
微生物の成育および汚染物の分解に適した従来のバイオマスキャリアは、固定式のバイオマスキャリアと固定膜式のバイオマスキャリアを含む。中国実用新案明細書第CN2132750Y号は固定式のバイオマスキャリアの1つの例を開示している。そのバイオマスキャリアは、布帛で作られている支持層と、その支持層の2面にそれぞれ取り付けられている2つのゲル膜と、その2つのゲル膜に固定されている微生物および酵素とを含む薄膜キャリアの形態をしている。中国特許公報第CN1298018A号は固定式のバイオマスキャリアの他の例を開示している。そのバイオマスキャリアは被覆を施したコアのキャリアの形態をしている。被覆を施したコアのキャリアは、不溶性の材料からコアを作り、被覆をそのコアの表面に施し、コアの表面に施した被覆を活性化させ、コアの表面に施され活性化された被覆にバイオマテリアルを結合する、という工程で作られる。しかし、固定式バイオマスキャリアの製造の間に、まず、処理しようとする流体の汚染物の性質に基づいて微生物の種類を選択し、続いて、選択した種類の微生物を培養して増殖させ、最後に、バイオマスキャリアに固定する。それゆえに、従来の固定式バイオマスキャリアの製造は複雑であり、かつ製造コストはそれに応じて高くなる。
【0004】
従来の固定膜式バイオマスキャリアとして、欧州特許第0433139号公報が好気的な生物学的硝化の処理に用いるバイオマス粒子の層を開示している。バイオマス粒子の層は、カーボネートをベースとする支持粒子とその支持粒子に付着する硝化微生物とを含む。しかし、そのバイオマス粒子の層を用いて流出物を廃棄するには、通気塔と、生物学的硝化反応塔と、セッター塔と、除泡塔とが必要となる。それゆえに、欧州特許第0433139号公報の好気的な生物学的硝化処理は複雑で非効率的である。
【0005】
カナダ国特許第1217581号公報は排水の生物学的処理装置を開示している。その装置はバイオマスと、バイオマスに対して表面を安定させるために使用するポリウレタン発泡体粒子のようなキャリア材料とを含む。しかし、ポリウレタン発泡体の細孔は互いに連通していないため、このポリウレタン発泡体を最大限に利用することは困難である。さらに、カナダ国特許第1217581の装置の動作中、ポリウレタン発泡体を排水に浸漬させるのに比較的長い時間がかかり、その結果比較的乏しい生物処理効率をもたらす。
【0006】
台湾国特許第513449号公報は、ポリビニルアルコール、キトサンおよびポリイソシアネートのコポリマーから作られるコポリマー発泡体を開示している。活性炭粉末をコポリマー発泡体の細孔にトラップさせ、微生物の成育を促進させる。コポリマーの製造コストは、キトサンとポリイソシアネートの調製が必要なために、経済的ではない。
【0007】
台湾国特許第593168号公報は多孔質キャリア上の固定膜微生物を用いて排水を処理する方法を開示している。多孔質キャリアはポリマー発泡体と、活性炭、ケイ藻岩、およびゼオライトから選択され、ポリマー発泡体の細孔に取り込まれる吸着粒子とを含む。しかし、多孔質キャリアの製造は、ポリマー発泡体を排水に浸漬させるのに必要な時間を短縮するためにさらに親水処理を施す必要があるので、比較的複雑である。
【0008】
従って、容易に、そして経済的に製造できるバイオマスキャリアを使用することで汚染流体を処理する方法およびシステム、ならびに水に即座に浸漬させることができ、大表面積を有するバイオマスキャリアを作る方法を提供することがこの技術において求められている。
【特許文献1】中国実用新案明細書第CN2132750Y号
【特許文献2】中国特許公報第CN1298018A号
【特許文献3】欧州特許第0433139号公報
【特許文献4】カナダ国特許第1217581号公報
【特許文献5】台湾国特許第513449号公報
【特許文献6】台湾国特許第593168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それゆえに、本発明の目的は、従来技術の少なくとも1つの上述した欠点を緩和できる汚染流体を処理する方法、汚染流体を処理するシステム、および汚染流体を処理するのに適したバイオマスキャリアを作る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの態様によれば、汚染流体を処理する方法は、不織布、繊維束アセンブリー、バルキー繊維束アセンブリー、織布、および網状ストラップからなる群より選択される繊維成分から各々別個に作られるバイオマスキャリアピースを調製し、そのバイオマスキャリアピースを汚染流体と混合させることを含む。
【0011】
本発明の他の態様によれば、汚染流体を処理するシステムは、汚染流体を収容するタンクと、タンクに配置され、汚染流体に接触するバイオマスキャリアピースとを含む。バイオマスキャリアピースの各々は、不織布、繊維束アセンブリー、バルキー繊維束アセンブリー、織布および網状ストラップからなる群より選択される繊維成分から別個に作られる。
【0012】
本発明のさらに他の態様によれば、汚染流体を処理するのに適したバイオマスキャリアを作る方法は:実質的に繊維からなる繊維塊を調製し;その繊維塊を開繊して、スカッチングし;開繊され、スカッチングされたその繊維塊をカーディングして、ゆるい繊維ウェブを作り;複数のゆるい繊維ウェブを所定の厚さまでラッピングし;そのゆるい繊維ウェブの繊維を一体化させて、ゆるい繊維ウェブを不織布にし;不織布の繊維を少なくとも1つの結合線に沿って、不織布の厚さがその結合線で最小となるように結合させて、その不織布を構造的に強化すること、を含む。
【0013】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照する以下の本発明の好ましい実施形態の詳細な説明で明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明による汚染流体を処理する方法の好ましい実施形態は、バイオマスキャリアピースを調製し、そのバイオマスキャリアピースを汚染流体と混合させることを含む。バイオマスキャリアピースの各々は不織布、繊維束アセンブリー、バルキー繊維束アセンブリー、織布、および網状ストラップから選択される繊維成分から各々別個に作られる。
【0015】
ここで使用する用語「汚染流体」は生分解性汚染物質のような汚染物質、または浮遊物質を意味し、排ガス、または工業排水および家庭用排水のような排水を含む。
【0016】
好ましくは、バイオマスキャリアピースの汚染流体との混合中に、バイオマスキャリアピースは自由に汚染流体内で浮遊し、かつ汚染流体の流れとともに動く。その結果、汚染流体とバイオマスキャリアピースとの間の接触を促進する。あるいは、バイオマスキャリアピースを一堂に集め、続いて、それらを静止した汚染流体と接触させることができる。バイオマスキャリアピースが汚染流体と接触している間に、汚染流体中の汚染物質はバイオマスキャリアピースによって分解されるか、または取り込まれる。
【0017】
バイオマスキャリアピースの体積は処理しようとする汚染流体の体積に基づいて変化する。バイオマスキャリアピースを作るために使用する繊維成分の第1の好ましい実施形態は不織布で作られる。不織布は好ましくは、円筒形、ならびに五角柱および六角柱といった多角柱からなる群より選択される形状を持つ。図1を参照すると、繊維成分の第1の好ましい実施形態は、バイオマスキャリアピースの各々の厚さが結合線(M)で最小なるように結合線(M)を形成して、構造的に補強されている。
【0018】
図2を参照すると、バイオマスキャリアピースを作るために使用する繊維成分の第2の好ましい実施形態は繊維束アセンブリー20である。繊維束アセンブリーは、複数の繊維束201を重ね合わせ、かつ一体化させ、その後、重なり合い、一体化したその繊維束201を切断して調製される。
【0019】
図3を参照すると、バイオマスキャリアピースを作るために使用する繊維成分の第3の好ましい実施形態はバルキー繊維束アセンブリー21である。バルキー繊維束アセンブリー21は、複数のバルキー繊維束211を織り、重ね合わせ、かつ一体化させ、その後、そのバルキー繊維束アセンブリー211を切断して調製される。
【0020】
図4を参照すると、バイオマスキャリアピースを作るために使用する繊維成分の第4の好ましい実施形態は織布である。織布は、製織処理および一体化処理を施し、その後、その一体化した織布を切断して調製される。
【0021】
図5を参照すると、バイオマスキャリアピースを作るために使用する繊維成分の第5の好ましい実施形態は網状ストラップで作られる。網状ストラップは、編み工程および一体化工程を施し、その後、編まれて一体化したそのストラップを切断して調製される。
【0022】
好ましくは、バイオマスキャリアピースは、汚染流体の体積に対して、10%から90%の範囲の合計の見かけ体積割合を持つ。より好ましくは、バイオマスキャリアピースは、汚染流体の体積に対して、50%から80%の範囲の合計の見かけ体積割合を持つ。
【0023】
さらに、繊維成分は好ましくは、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエチレングリコール、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリスチレン、およびそれらの組合せからなる群より選択されるポリマーから作られる。より好ましくは、繊維成分は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、およびそれらの組合せよりなる群から選ばれるポリマーから作られる。
【0024】
本発明による汚染流体の処理方法の好ましい実施形態は、シーディング工程、すなわち、バイオマスキャリアピースと汚染流体とを混合させる前に、バイオマスキャリアピースを活性汚泥と浄水との混合物を用いて処理することをさらに含む。バイオマスキャリアピース上での活性汚泥の順化を好気性または嫌気性環境下で4から8時間かけて、この技術で知られている活性汚泥処理で使用する方法に基づいて行うことができる。
【0025】
あるいは、本発明による汚染流体の処理方法の好ましい実施形態は、化学試薬または光触媒といった添加剤を汚染流体に添加する工程をさらに含み、処理効率を高める。
【0026】
図6を参照すると、本発明による汚染流体を処理するのに適したバイオマスキャリアを作る方法の第1の好ましい実施形態は:実質的に繊維からなる繊維塊を調製し;その繊維塊を開繊して、スカッチングし;開繊され、スカッチングされたその繊維塊をカーディングして、ゆるい繊維ウェブを作り;複数のゆるい繊維ウェブを所定の厚さまでラッピングし;そのゆるい繊維ウェブの繊維を一体化させて、ゆるい繊維ウェブを不織布にし;不織布の繊維を少なくとも1つの結合線に沿って、不織布の厚さがその結合線で最小となるように結合させて、その不織布を構造的に補強する工程を含む。
【0027】
図7に示す第1の好ましい実施形態では、不織布を一体化処理後にロール1にする。不織布のロール1は補強処理後に2つの結合線が形成されている。好ましくは、結合線11は互いに平行で、かつ不織布の長さ方向と平行である(矢印10で示すように)。好ましくは、結合線11は互いに0.5から5センチメートルの範囲の距離を隔てて離れている。
【0028】
多孔質不織布をまず、結合線11の間に位置し、かつ不織布の長さ方向と平行な切断線(L)に沿って切断し、続いて、不織布の長さ方向を横断する切断線(W)に沿って切断する。切断工程後に得られるバイオマスキャリアは図1に示す繊維成分のものと同じ形状を有する。バイオマスキャリアの各々は、結合線11によって形成される最小の厚さの領域と、その最小の厚さの領域の周りのゆるい(loose)領域とを含む。ゆるい領域は生物学的処理に有用な微生物による付着に適している。好ましくは、バイオマスキャリアの各々は、幅が1.5cm、長さが1.5cmであり、2つの端での最大の厚さが1.5cmである。
【0029】
好ましくは、ゆるい繊維ウェブの繊維の一体化を、化学結合、熱融着、ウォータージェット交絡法、およびニードルパンチングからなる群より選ばれる技術によって行う。例えば、ゆるい繊維ウェブの繊維を135℃の温度で約6秒間熱融着することにより一体化させることで不織布を形成することができる。
【0030】
好ましくは、不織布の繊維の結合処理を、スティッチ溶着、熱融着、および超音波接合からなる群より選ばれる技術を用いて行う。
【0031】
さらに、繊維塊の繊維の各々は、好ましくはポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエチレングリコール、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリスチレンおよびそれらの組合せからなる群より選ばれる単一成分の材料から作られる。より好ましくは、繊維塊の繊維の各々は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレンおよびそれらの組合せからなる群より選ばれる単一成分の材料から作られる。
【0032】
あるいは、繊維塊の繊維の各々は好ましくは、第1成分と、第1成分のそれよりも10℃高い融点を持つ第2成分とを含む、シース/コア型の2成分繊維から作られる。より好ましくは、第1成分はポリプロピレンであり、第2成分はポリエチレンである。
【0033】
図8を参照すると、本発明の方法の第2の好ましい実施形態は、1つの結合線11に沿って結合させて不織布を構造的に補強すること以外、第1の好ましい実施形態と同様である。
【0034】
図9を参照すると、本発明の方法の第3の好ましい実施形態は、各々が不織布の長さ方向を横断する、複数の結合線12に沿って結合させて不織布を構造的に補強すること、および補強された不織布を、各々が2つの隣接する結合線12の間に位置する、複数の切断線(W)に沿って切断すること以外、第1の好ましい実施形態と同様である。
【0035】
図10を参照すると、本発明の方法の第4の好ましい実施形態は、補強された不織布を、各々が2つの隣接する結合線12の間に位置する、複数の第1の切断線(W)に沿って切断すること以外、第3の好ましい実施形態と同様である。補強された不織布をさらに、不織布の長さ方向に沿って切断する。
【0036】
図11を参照すると、本発明による汚染流体を処理するためのシステム3の第1の好ましい実施形態は、汚染流体を収容するタンク31と、タンク31に配置され、汚染流体に接触するバイオマスキャリアピース32とを含む。バイオマスキャリアピース32の各々は、不織布、繊維束アセンブリー20、バルキー繊維束アセンブリー21、織布、網状ストラップから選択される繊維成分から各々別個に作られている。
【0037】
さらに、タンク31は、タンク31の底部に配置された入口311と、タンク31の頂部に配置され、入口311と対向する出口312と、入口311と出口312との間に配置されたセパレーターユニット33とを含む。セパレーターユニット33は、入口311の下流に位置する第1多孔質プレート331と、出口312の上流に位置する第2多孔質プレート332とを含む。バイオマスキャリアピース32は、第1および第2多孔質プレート331、332およびタンク31の周囲の壁313によって限定された空間314内の汚染流体中で自由に浮遊できる。
【0038】
入口311と出口312の配置により、汚染流体をバイオマスキャリアピース32に接触させることができ、タンク31内の汚染流体に費やす時間を増加させることができる。
【0039】
好ましくは、バイオマスキャリアピース32は汚染流体の体積に対して10%から90%までの範囲の合計の見かけ体積割合を持つ。より好ましくは、バイオマスキャリアピース32は汚染流体の体積に対して50%から80%までの範囲の合計の見かけ体積割合を持つ。
【0040】
任意に、バイオマスキャリアピースの各々を活性汚泥と浄水との混合物を用いて処理する。
【0041】
図12を参照すると、本発明による汚染流体を処理するシステムの第2の好ましい実施形態4は、汚染流体を収容するタンク41と、タンク41に配置され、汚染流体と接触するバイオマスキャリアピース42とを含む。バイオマスキャリアピースの各々は第1の好ましい実施形態でのバイオマスキャリアピース32を作るために使用する繊維成分と同じ繊維成分から別個に作られる。
【0042】
さらに、タンク41は、タンク41の底部に配置された出口411と、タンク41の頂部に配置され、かつ出口411と対向する入口412と、出口411の上流と入口412の下流に配置された多孔質プレート43と、タンク41の周囲の壁413の周囲および多孔質プレート43の上流に配置されたディフューザー44とを含む。
【0043】
バイオマスキャリアピース42は、入口412の下にあり、かつ多孔質プレート43およびディフューザー44で限定される空間414内で自由に浮遊する。ディフューザー44により孔441を通して提供されるガスは、汚染流体のバイオマスキャリアピース42との十分な接触を確実にすることを補助する。バイオマスキャリアピースの洗浄は逆洗により行われる。
【0044】
(実施例)
実施例1 バイオマスキャリアの調製
ポリエチレンの第1材料とポリプロピレン(商品名:SP-2650EP、Far Eastern Textile Ltd.(台湾)から入手可能)の第2材料とを含む、コア−シース型の二成分繊維をバイオマスキャリアの調製に使用した。コア−シース型二成分繊維は、6デニールの繊度および5.1cmの長さを有するものであった。まず、繊維を開繊し、スカッチングし、カーディングし、ラッピングして、ゆるい繊維ウェブを形成した。ゆるい繊維ウェブをニードルパンチおよび熱風処理によって一体化し、500g/m2の坪量および1.8mの幅を有する不織布を形成した。続いて、不織布をその長さ方向に沿って、各々0.6mの幅を有する、複数の不織布ストライプに切断した。不織布ストライプの各々を、その不織布ストライプの長さ方向と平行な複数の結合線に沿って不織布ストライプの厚さが結合線の各々で最小となるように結合させて構造的に補強した。結合線は互いに平行であり、互いに3cmの距離を隔てて離れていた。次に、不織布ストライプの各々を、各々2本の隣接する結合線の間に位置する、複数の第1の切断線(L)に沿って切断し、かつ不織布ストライプの長さ方向を横断する複数の第2切断線(W)に沿ってさらに切断して、複数のバイオマスキャリアを形成した。それらの各々は、長さが1.5cm、幅が1.5cmであり、それらの2つの端での最大の高さは1.5cmであった。
【0045】
実施例2 汚染流体を処理するシステムでの、実施例1から得られたバイオマスキャリアの使用
次に、実施例1で得られたバイオマスキャリア42を図12で示した汚染流体を処理するシステムで使用した。システム4のタンク41は、500リットルの汚染流体を収容するのに利用した。11800NTU(比濁計濁度単位)の濁度を持つ300リットルの汚染流体をタンク41に入口412を通してくみ上げた。実施例1から得られたバイオマスキャリアの各々は3.375cm3の見かけ体積を有する。バイオマスキャリアの合計の見かけ体積割合は汚染流体に対して80%、つまり240リットルであった。
【0046】
汚染流体の流入体積と速度を制御するための流量計(図12では示さない)は入口412に装置される。システム4内に流入した汚染流体の濁度(濁度処理前)とシステム4から流出した汚染流体の濁度(濁度処理後)を測定し、汚染流体の濁度の減少率(%)を以下の式に従って算出した。結果を表1に示す。
【0047】
濁度の減少率(%)=[(濁度処理後−濁度処理前)/濁度処理前]×100%
【表1】
【0048】
実施例3 汚染流体を処理するシステムでの、実施例1から得られたバイオマスキャリアの使用
実施例1から得られたバイオマスキャリア32を図11で示した汚染流体を処理するシステム3で使用した。バイオマスキャリア32を活性汚泥と浄水との混合物を用いてタンク31内で予め8時間処理をした。活性汚泥は洗濯(laundry)プラントの浄水回収タンクから手に入れた。汚染流体をタンク31内で12時間保持した。システム3に流入する汚染流体、およびそこから流出する汚染流体の化学的酸素要求量(COD)値および浮遊物質量(SS)値を測定した。システム3によって処理した後、汚染流体のCOD値は210mg/Lから72mg/Lに減少し、汚染流体のSS値は168mg/Lから15mg/Lに減少したことがわかった。
【0049】
実施例の結果は、バイオマスキャリアピース32、42はフィルターとして働くことができ、かつ汚染流体から浮遊物を除去することに有用であり、そしてバイオマスキャリアピース32、42は汚染流体中の有機物質の生分解を増強することができる微生物の付着のための大きな表面積を提供できることを示す。
【0050】
本発明を最も現実的で、かつ好ましい実施形態と考えられるものに関して記載してきたが、本発明は開示した実施形態に限定されず、最も広い解釈の意図および範囲内に含まれる様々な配置、ならびに等価な配置を含むことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明による汚染流体を処理する方法の好ましい実施形態で使用する繊維成分の第1の好ましい実施形態の斜視図。
【図2】本発明による汚染流体を処理する方法の好ましい実施形態で使用する繊維成分の第2の好ましい実施形態の斜視図。
【図3】本発明による汚染流体を処理する方法の好ましい実施形態で使用する繊維成分の第3の好ましい実施形態の斜視図。
【図4】本発明による汚染流体を処理する方法の好ましい実施形態で使用する繊維成分の第4の好ましい実施形態の斜視図。
【図5】本発明による汚染流体を処理する方法の好ましい実施形態で使用する繊維成分の第5の好ましい実施形態の斜視図。
【図6】本発明による汚染流体を処理する方法に適切なバイオマスキャリアを作る方法の第1の好ましい実施形態の連続工程を説明するフロー図。
【図7】どのように不織布を不織布の長さ方向と平行な2つの結合線に沿って結合させることで構造的に補強するか、およびどのように補強した不織布を不織布の長さ方向に横断する方向で切断するかを説明する、本発明によるバイオマスキャリアを作る方法の第1の好ましい実施形態の斜視図。
【図8】どのように不織布を不織布の長さ方向と平行な1つの結合線に沿って結合させることで構造的に補強するか、およびどのように補強した不織布を不織布の長さ方向に横断する方向で切断するかを説明する、本発明によるバイオマスキャリアを作る方法の第2の好ましい実施形態の斜視図。
【図9】どのように不織布を不織布の長さ方向に対して横断する複数の結合線に沿って結合させることで構造的に補強するか、およびどのように補強した不織布を不織布の長さ方向に横断する方向で切断するかを説明する、本発明によるバイオマスキャリアを作る方法の第3の好ましい実施形態の斜視図。
【図10】どのように不織布を不織布の長さ方向に対して横断する複数の1つの結合線に沿って結合させることで構造的に補強するか、およびどのように補強した不織布を不織布の長さ方向に平行および横断する方向で切断するかを説明する、本発明によるバイオマスキャリアを作る方法の第4の好ましい実施形態の斜視図。
【図11】本発明による汚染流体を処理するためのシステムの第1の好ましい実施形態を説明する概略図。
【図12】本発明による汚染流体を処理するためのシステムの第2の好ましい実施形態を説明する概略図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布、繊維束アセンブリー(20)、バルキー繊維束アセンブリー(21)、織布、および網状ストラップからなる群より選択される繊維成分から各々別個に作られるバイオマスキャリアピース(32、42)を調製し、
前記バイオマスキャリア(32、42)を汚染流体と混合させる
ことを含む汚染流体を処理する方法。
【請求項2】
前記バイオマスキャリアピース(32、42)が前記汚染流体に自由に浮遊している請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記バイオマスキャリアピース(32、42)の各々は円筒形および多角柱からなる群より選択される請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記バイオマスキャリア(32、42)の各々の厚さが結合線(M、11、12)で最小となるように結合線(M、11、12)を形成して、前記バイオマスキャリアピース(32、42)の各々を構造的に補強する請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記バイオマスキャリアピース(32、42)は、前記汚染流体の体積に対して、10%から90%の範囲の合計の見かけ体積割合を持つ請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記バイオマスキャリアピース(32、42)は、前記汚染流体の体積に対して、50%から80%の範囲の合計の見かけ体積割合を持つ請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記繊維成分はポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエチレングリコール、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリスチレン、およびそれらの組合せからなる群より選択されるポリマーから作られる請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記繊維成分はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、およびそれらの組合せよりなる群から選ばれるポリマーから作られる請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記バイオマスキャリアピース(32、42)と前記汚染流体とを混合する前に、前記バイオマスキャリアピース(32、42)を活性汚泥と浄水との混合物を用いて処理するシーディング工程をさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項10】
汚染流体を収容するタンク(31、41)と
前記タンク(31、41)に配置され、汚染流体に接触するバイオマスキャリアピースと
を含み、
前記バイオマスキャリアピース(32、42)の各々は、不織布、繊維束アセンブリー(20)、バルキー繊維束アセンブリー(21)、織布、および網状ストラップからなる群より選択される繊維成分から各々別個に作られている、汚染流体を処理するシステム(3、4)。
【請求項11】
前記バイオマスキャリアピース(32、42)が、前記汚染流体の体積に対して、10%から90%の範囲の合計の見かけ体積割合を持つ請求項10記載のシステム(3、4)。
【請求項12】
前記バイオマスキャリアピース(32、42)が、前記汚染流体の体積に対して、50%から80%の範囲の合計の見かけ体積割合を持つ請求項11記載のシステム(3、4)。
【請求項13】
前記バイオマスキャリアピース(32、42)の各々が活性汚泥と浄水との混合物で処理される請求項10記載のシステム(3、4)。
【請求項14】
実質的に繊維からなる繊維塊を調製し、
前記繊維塊を開繊して、スカッチングし、
開繊され、スカッチングされた前記繊維塊をカーディングして、ゆるい繊維ウェブを作り、
複数の前記ゆるい繊維ウェブを所定の厚さまでラッピングし、
前記ゆるい繊維ウェブの繊維を一体化させて、前記ゆるい繊維ウェブを不織布にし、
前記不織布の繊維を少なくとも1つの結合線(11、12)に沿って、前記不織布の厚さが前記結合線(11、12)で最小となるように結合させて、前記不織布を構造的に補強すること
を含む汚染流体を処理するのに適したバイオマスキャリアを作る方法。
【請求項15】
前記不織布は補強を施した後に2つの結合線(11)が形成されていて、前記結合線(11)は互いに平行で、かつ互いに0.5から5センチメートルの範囲の距離を隔てて離れている請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記不織布はロール(1)の形態であり、前記結合線(11)は伸展状態の前記不織布の長さ方向(10)と平行である請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記結合線(12)は伸展状態の前記不織布の長さ方向(10)を横断する請求項14記載の方法。
【請求項18】
前記繊維塊の前記繊維の各々は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエチレングリコール、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリスチレンおよびそれらの組合せからなる群より選ばれる単一成分の材料から作られる請求項14記載の方法。
【請求項19】
前記繊維塊の前記繊維の各々は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレンおよびそれらの組合せからなる群より選ばれる単一成分の材料から作られる請求項14記載の方法。
【請求項20】
前記繊維塊の前記繊維の各々は好ましくは、第1成分と、前記第1成分のそれよりも10℃高い融点を持つ第2成分とを含む、シース/コア型の2成分繊維から作られる請求項14記載の方法。
【請求項21】
前記第1成分はポリプロピレンであり、前記第2成分はポリエチレンである請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記一体化操作を、化学結合、熱融着、ウォータージェット交絡法、およびニードルパンチングからなる群より選ばれる技術によって行う請求項14記載の方法。
【請求項23】
前記結合操作を、スティッチ溶着、熱融着、および超音波接合からなる群より選ばれる技術によって行う請求項14記載の方法。
【請求項1】
不織布、繊維束アセンブリー(20)、バルキー繊維束アセンブリー(21)、織布、および網状ストラップからなる群より選択される繊維成分から各々別個に作られるバイオマスキャリアピース(32、42)を調製し、
前記バイオマスキャリア(32、42)を汚染流体と混合させる
ことを含む汚染流体を処理する方法。
【請求項2】
前記バイオマスキャリアピース(32、42)が前記汚染流体に自由に浮遊している請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記バイオマスキャリアピース(32、42)の各々は円筒形および多角柱からなる群より選択される請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記バイオマスキャリア(32、42)の各々の厚さが結合線(M、11、12)で最小となるように結合線(M、11、12)を形成して、前記バイオマスキャリアピース(32、42)の各々を構造的に補強する請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記バイオマスキャリアピース(32、42)は、前記汚染流体の体積に対して、10%から90%の範囲の合計の見かけ体積割合を持つ請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記バイオマスキャリアピース(32、42)は、前記汚染流体の体積に対して、50%から80%の範囲の合計の見かけ体積割合を持つ請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記繊維成分はポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエチレングリコール、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリスチレン、およびそれらの組合せからなる群より選択されるポリマーから作られる請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記繊維成分はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、およびそれらの組合せよりなる群から選ばれるポリマーから作られる請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記バイオマスキャリアピース(32、42)と前記汚染流体とを混合する前に、前記バイオマスキャリアピース(32、42)を活性汚泥と浄水との混合物を用いて処理するシーディング工程をさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項10】
汚染流体を収容するタンク(31、41)と
前記タンク(31、41)に配置され、汚染流体に接触するバイオマスキャリアピースと
を含み、
前記バイオマスキャリアピース(32、42)の各々は、不織布、繊維束アセンブリー(20)、バルキー繊維束アセンブリー(21)、織布、および網状ストラップからなる群より選択される繊維成分から各々別個に作られている、汚染流体を処理するシステム(3、4)。
【請求項11】
前記バイオマスキャリアピース(32、42)が、前記汚染流体の体積に対して、10%から90%の範囲の合計の見かけ体積割合を持つ請求項10記載のシステム(3、4)。
【請求項12】
前記バイオマスキャリアピース(32、42)が、前記汚染流体の体積に対して、50%から80%の範囲の合計の見かけ体積割合を持つ請求項11記載のシステム(3、4)。
【請求項13】
前記バイオマスキャリアピース(32、42)の各々が活性汚泥と浄水との混合物で処理される請求項10記載のシステム(3、4)。
【請求項14】
実質的に繊維からなる繊維塊を調製し、
前記繊維塊を開繊して、スカッチングし、
開繊され、スカッチングされた前記繊維塊をカーディングして、ゆるい繊維ウェブを作り、
複数の前記ゆるい繊維ウェブを所定の厚さまでラッピングし、
前記ゆるい繊維ウェブの繊維を一体化させて、前記ゆるい繊維ウェブを不織布にし、
前記不織布の繊維を少なくとも1つの結合線(11、12)に沿って、前記不織布の厚さが前記結合線(11、12)で最小となるように結合させて、前記不織布を構造的に補強すること
を含む汚染流体を処理するのに適したバイオマスキャリアを作る方法。
【請求項15】
前記不織布は補強を施した後に2つの結合線(11)が形成されていて、前記結合線(11)は互いに平行で、かつ互いに0.5から5センチメートルの範囲の距離を隔てて離れている請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記不織布はロール(1)の形態であり、前記結合線(11)は伸展状態の前記不織布の長さ方向(10)と平行である請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記結合線(12)は伸展状態の前記不織布の長さ方向(10)を横断する請求項14記載の方法。
【請求項18】
前記繊維塊の前記繊維の各々は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエチレングリコール、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリスチレンおよびそれらの組合せからなる群より選ばれる単一成分の材料から作られる請求項14記載の方法。
【請求項19】
前記繊維塊の前記繊維の各々は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレンおよびそれらの組合せからなる群より選ばれる単一成分の材料から作られる請求項14記載の方法。
【請求項20】
前記繊維塊の前記繊維の各々は好ましくは、第1成分と、前記第1成分のそれよりも10℃高い融点を持つ第2成分とを含む、シース/コア型の2成分繊維から作られる請求項14記載の方法。
【請求項21】
前記第1成分はポリプロピレンであり、前記第2成分はポリエチレンである請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記一体化操作を、化学結合、熱融着、ウォータージェット交絡法、およびニードルパンチングからなる群より選ばれる技術によって行う請求項14記載の方法。
【請求項23】
前記結合操作を、スティッチ溶着、熱融着、および超音波接合からなる群より選ばれる技術によって行う請求項14記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図10】
【図11】
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【公開番号】特開2006−192429(P2006−192429A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−369401(P2005−369401)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(593026111)康那香企業股▲ふん▼有限公司 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−369401(P2005−369401)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(593026111)康那香企業股▲ふん▼有限公司 (8)
【Fターム(参考)】
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