説明

汚水処理システム、汚水処理方法

【課題】 主に住宅各戸から排出された汚水を合理的に処理するのに有効な汚水処理技術を提供する。
【解決手段】 本発明に係る汚水処理システムは、住宅群の住宅各戸から排出された汚水を、浄化槽120の嫌気処理槽、生物処理槽及び処理水槽による一連の処理、及び消毒槽及び貯留槽による一連の処理によって処理したのち、当該浄化槽120から直に公共用水域へと放流する構成とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚水処理技術に係り、詳しくは住宅各戸から排出された汚水を主体として処理する汚水処置システムの構築技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、日本国内においては出生率の低下がすすみ、大都市圏に限らず地方などにおいても出生率の低下が見られる。具体的には、2005年の人口動態統計によれば、1人の女性が生涯に産むと推定される子供の数を表す合計特殊出生率は1.25にまで低下し、1899年に調査が開始されて以来初めて日本人の人口が自然減となっている(図6参照)。また、地方などにおいては大都市圏への人口移動の加速化に伴って人口減少がより顕著になっている。ところで、このような人口自然減や社会的人口動態の状況下においては、下水道や集落排水処理施設等の集合型汚水処理施設への流入水量が減少することが予想され、これによって当該施設の使用料収入の低下により事業経営に影響が及ぶことが想定される。このため、今後は、既存の設備の有効利用や統廃合等を含めたシステムの再考によって、対象人口規模や放流先水域が求められる水質基準への個別対応が可能な、経済効率の高い将来展望型の汚水処理システムを構築する技術が必要とされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、主に住宅各戸から排出された汚水を合理的に処理するのに有効な汚水処理技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するために、本発明が構成される。
【0005】
本発明に係る汚水処理システムは、住宅群、下水処理施設、汚水流路、浄化槽、第1の処理機構、第2の処理機構、放流路及び流路閉止手段を少なくとも備える構成とされる。
本発明の住宅群は、複数の住宅からなる集合体(集落など)として構成される。本発明の下水処理施設は、汚水を処理する処理施設として構成される。この下水処理施設には、住宅各戸から排出された汚水の最終的な処理が行われる設備、いわゆる「下水処理場」のみならず、小口の集落ごとに汚水処理の目的で設置された処理設備をも包含される。本発明の汚水流路は、住宅群と下水処理施設とを結ぶ流路として構成される。本発明の浄化槽は、汚水流路上に配設された1または複数の浄化槽として構成される。本発明の第1の処理機構は、浄化槽に収容され、浄化槽内にて所定の汚水処理を行う処理機構として構成される。本発明の第2の処理機構は、第1の処理機構と同様に浄化槽に収容され、浄化槽内にて第1の処理機構による汚水処理の後処理を行う処理機構として構成される。本発明の放流路は、下水処理施設と放流領域との間に介在する流路として構成される。本発明の流路閉止手段は、汚水流路と下水処理施設との間の流路を閉止する流路閉止手段として構成される。
【0006】
本構成において、住宅群の住宅各戸から排出された汚水は、下水処理施設への流入が流路閉止手段によって阻止された状態で、汚水流路上に配設された当該浄化槽の第1及び第2の処理機構によって処理されたのち、当該浄化槽から放流路を通じて直に放流領域へと放流される。すなわち、本発明の汚水処理システムでは、一連の汚水処理を下水処理施設においては行わず、その下水処理施設よりも上流の浄化槽に処理機能を全て移行して当該浄化槽において行うようにしている。
【0007】
本発明の汚水処理システムのこのような構成によれば、既存の下水処理施設を全く使用することなく、各住宅から排出され汚水処理された後の水を放流領域へ放流するまでの一連の処理を行うことが可能となる。特に、この汚水処理システムは、既存の下水処理施設における汚水処理能力を、各浄化槽に振り分ける構成であるため、人口や水環境の変化に合わせて、浄化槽の数や大きさを適宜変更することによって、汚水の処理能力(処理性能、処理能力)を容易に変更可能であり合理的である。また、汚水流路における既設配管を有効活用することによって設置工事費の削減が可能となる。
【0008】
また、本発明に係る別の形態の汚水処理システムは、住宅群、下水処理施設、汚水流路、浄化槽、第1の処理機構、第2の処理機構及び放流路を少なくとも備える構成とされる。
本発明の住宅群は、複数の住宅からなる集合体(集落など)として構成される。本発明の下水処理施設は、汚水を処理する処理施設として構成される。この下水処理施設には、住宅各戸から排出された汚水の最終的な処理が行われる設備、いわゆる「下水処理場」のみならず、小口の集落ごとに汚水処理の目的で設置された処理設備をも包含される。本発明の汚水流路は、住宅群と下水処理施設とを結ぶ流路として構成される。本発明の浄化槽は、汚水流路上に配設された1または複数の浄化槽として構成される。本発明の第1の処理機構は、浄化槽に収容され、浄化槽内にて所定の汚水処理を行う処理機構として構成される。本発明の第2の処理機構は、下水処理施設において、第1の処理機構による汚水処理の後処理を行う処理機構として構成される。本発明の放流路は、下水処理施設と放流領域との間に介在する流路として構成される。
【0009】
本構成において、住宅群の住宅各戸から排出された汚水は、汚水流路上に配設された当該浄化槽の第1の処理機構によって処理され、更に下水処理施設の第2の処理機構にて処理されたのち、下水処理施設から放流路を通じて放流領域へと放流される。すなわち、本発明の汚水処理システムでは、一連の汚水処理の一部のみを下水処理施設において行い、前処理をその下水処理施設よりも上流の浄化槽に移行して当該浄化槽において行うようにしている。
【0010】
本発明の汚水処理システムのこのような構成によれば、既存の下水処理施設の一部を使用したうえで、住宅各戸から排出され汚水処理された後の水を放流領域へ放流するまでの一連の処理を行うことが可能となる。特に、この汚水処理システムは、従来の汚水処理システムにおける汚水処理能力の一部を、各浄化槽に振り分ける構成であるため、人口や水環境の変化に合わせて、浄化槽の数や大きさを適宜変更することによって、汚水の処理能力(処理性能、処理能力)を容易に変更可能であり合理的である。また、汚水流路における既設配管や、既存の下水処理施設の一部の設備を有効活用することによって設置工事費の削減が可能となる。
【0011】
また、本発明に係る更なる形態の汚水処理システムは、汚水流路上において、第1の接続形態及び第2の接続形態の少なくとも一方の接続形態を有する構成とされる。第1の接続形態は、単一の浄化槽が住宅群の複数の住宅に対し接続された接続形態とされる。また、第2の接続形態は、単一の浄化槽が住宅群の単一の住宅に対し接続された接続形態とされる。本発明において、汚水処理システムが第1の接続形態及び第2の接続形態の両方を含んでもよいし、或いは汚水処理システムが第1の接続形態及び第2の接続形態のいずれか一方を含んでもよい。なお、本発明において、一戸建て住宅においては当該住宅を「単一の住宅」として構成し、また、アパートやマンションなどの集合住宅においては、当該集合住宅の全世帯、或いは当該集合住宅の各世帯、更には全世帯のうちの所定のグループ世帯を「単一の住宅」として構成することができる。
【0012】
本発明の汚水処理システムのこのような構成によれば、単一の浄化槽の設置に関し第1の接続形態や第2の接続形態を適宜選択することによって、汎用性の高い構造を実現することが可能となる。
【0013】
本発明に係る汚水処理方法は、複数の住宅からなる住宅群と、汚水を処理する下水処理施設と、住宅群と下水処理施設とを結ぶ汚水流路と、汚水流路上に配設された1または複数の浄化槽を備える汚水処理システムを用いて汚水処理を行う汚水処理方法とされる。特に、本発明におけるこの汚水処理方法では、浄化槽に対し、所定の汚水処理を行う第1の処理機構、および第1の処理機構における汚水処理の後処理を行う第2の処理機構を配設したうえで、住宅群の住宅各戸から排出された汚水を、当該浄化槽の前記第1及び第2の処理機構によって処理したのち、当該浄化槽から直に所定の放流領域へと放流する。すなわち、本発明の汚水処理方法では、一連の汚水処理を下水処理施設においては行わず、その下水処理施設よりも上流の浄化槽に処理機能を全て移行して当該浄化槽において行うようにしている。
【0014】
本発明のこのような汚水処理方法によれば、既存の下水処理施設における汚水処理能力を、各浄化槽に振り分ける構成であるため、人口や水環境の変化に合わせて、浄化槽の数や大きさを適宜変更することによって、汚水の処理能力(処理性能、処理能力)を容易に変更可能であり合理的である。また、汚水流路における既設配管を有効活用することによって設置工事費の削減が可能となる。
【0015】
また、本発明に係る別の形態の汚水処理方法は、複数の住宅からなる住宅群と、汚水を処理する下水処理施設と、住宅群と下水処理施設とを結ぶ汚水流路と、汚水流路上に配設された1または複数の浄化槽を備える汚水処理システムを用いて汚水処理を行う汚水処理方法とされる。特に、本発明におけるこの汚水処理方法では、浄化槽に対し所定の汚水処理を行う第1の処理機構を配設し、また下水処理施設に対し第1の処理機構における汚水処理の後処理を行う第2の処理機構を配設したうえで、住宅群の住宅各戸から排出された汚水を、当該浄化槽の第1の処理機構によって処理し、更に下水処理施設の第2の処理機構にて処理したのち、下水処理施設から放流領域へと放流する。すなわち、本発明の汚水処理方法では、一連の汚水処理の一部のみを下水処理施設において行い、前処理をその下水処理施設よりも上流の浄化槽に移行して当該浄化槽において行うようにしている。
【0016】
本発明のこのような汚水処理方法によれば、従来の汚水処理システムにおける汚水処理能力の一部を、各浄化槽に振り分ける構成であるため、人口や水環境の変化に合わせて、浄化槽の数や大きさを適宜変更することによって、汚水の処理能力(処理性能、処理能力)を容易に変更可能であり合理的である。また、汚水流路における既設配管や、既存の下水処理施設の一部の設備を有効活用することによって設置工事費の削減が可能となる。
【0017】
また、本発明に係る別の形態の汚水処理方法は、複数の住宅からなる住宅群と、汚水を処理する下水処理施設と、住宅群と下水処理施設とを結ぶ汚水流路と、汚水流路上に配設された1または複数の浄化槽を備える汚水処理システムを用いて汚水処理を行う汚水処理方法とされる。特に、本発明におけるこの汚水処理方法では、第1の使用モード及び第2の使用モードを有する。第1の使用モードでは、浄化槽に対し、所定の汚水処理を行う第1の処理機構、および第1の処理機構における汚水処理の後処理を行う第2の処理機構を配設する。この第1の使用モードは、そのうえで、住宅群の住宅各戸から排出された汚水を、当該浄化槽の第1及び第2の処理機構によって処理したのち、当該浄化槽から直に所定の放流領域へと放流する使用モードとされる。一方、第2の使用モードでは、浄化槽に対し所定の汚水処理を行う第1の処理機構を配設し、また下水処理施設に対し第1の処理機構における汚水処理の後処理を行う第2の処理機構を配設する。この第2の使用モードは、そのうえで、住宅群の住宅各戸から排出された汚水を、当該浄化槽の第1の処理機構によって処理し、更に下水処理施設の第2の処理機構にて処理したのち、下水処理施設から放流領域へと放流する使用モードとされる。
【0018】
本発明のこのような汚水処理方法によれば、第1の使用モード及び第2の使用モードを適宜選択して使用することによって、汚水流路における既設配管や、既存の下水処理施設の一部の設備を有効活用した汚水処理方法を実現することが可能となる。なお、本発明において、第1の使用モード及び第2の使用モードは、いずれも使用可能であればよく、いずれか一方の使用モードにおける使用が必要に応じて暫定的或いは恒久的に休止されてもよい。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、住宅各戸から排出された汚水を合理的に処理するのに有効な汚水処理技術を提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態は、住宅各戸から排出された汚水を合理的に処理する汚水処理システム及び汚水処理方法について説明するものである。本発明における「汚水処理システム」の一実施の形態、及び本発明における「汚水処理方法」の一実施の形態は、図1〜図5によって参照される。
【0021】
(第1実施の形態)
図1中の右側には、第1実施の形態の汚水処理システム100の概略構成が示される。
第1実施の形態のこの汚水処理システム100は、複数の家屋(「住宅」ともいう)からなる住宅群、この住宅群の各家屋(「住宅各戸」ともいう)から排出された汚水(「生活排水」ともいう)が流れる取付管110、汚水が下水道114へと流れる取付管110上に介在する桝状の構造体としての汚水桝112、取付管110が合流する下水道114、下水道114上に配設された浄化槽120、下水道114の下流領域に配設された下水処理場130、浄化槽120と放流領域である公共用水域との間に介在する放流管129、下水道114と下水処理場130との間に介在する流路閉止手段140を主体に構成されている。
【0022】
なお、ここでいう下水処理場130は、汚水を処理する下水処理施設であり、本発明における「下水処理施設」に相当する。また、ここでいう取付管110及び下水道114は、住宅群と下水処理場130とを結ぶ汚水流路を構成しており、当該汚水流路が本発明における「汚水流路」に相当する。また、ここでいう浄化槽120は、本発明において「汚水流路上に配設された1または複数の浄化槽」に相当する。また、放流管129は、本発明において「浄化槽と放流領域との間に介在する放流路」に相当する。
【0023】
この汚水処理システム100では、各家屋から排出された汚水は、取付管110、汚水桝112を通って下水道114へと流れ、この下水道114上に配設された浄化槽120に流入する。この場合、図1に示すように、浄化槽120は、家屋A及び家屋Bや、家屋C及び家屋Dのような複数の家屋に共有の単一の浄化槽として構成されてもよいし、家屋Eのような単一の家屋に専用の単一の浄化槽として構成されてもよい。すなわち、単一の浄化槽120が住宅群の複数の住宅に対し接続された第1の接続形態と、単一の浄化槽120が住宅群の単一の住宅に対し接続された第2の接続形態の少なくとも一方の接続形態を採用することが可能である。なお、本実施の形態では、一戸建て住宅においては当該住宅を「単一の住宅」として構成し、また、アパートやマンションなどの集合住宅においては、当該集合住宅の全世帯、或いは当該集合住宅の各世帯、更には全世帯のうちの所定のグループ世帯を「単一の住宅」として構成することができる。
【0024】
また、流路閉止手段140は、下水道114と下水処理場130との間に介在して、下水道114を流れる汚水が下水処理場130へと流入するのを阻止する機能を有する。この流路閉止手段140としては、下水道114に配設されて流路を閉止可能な閉止バルブ、下水道114の配管の一部を分断した配管分断構造、或いは下水道114の配管の一部を撤去した配管撤去構造などを用いることができる。これによって、下水処理場130では、従来の汚水処理システム100aに設置されている夾雑物除去部、嫌気処理部、生物処理部、消毒処理部などの処理機構は休止状態とされる。この流路閉止手段140は、下水道114と下水処理場130との間の流路を閉止する手段であり、この流路閉止手段140が本発明において「汚水流路と下水処理施設との間の流路を閉止する流路閉止手段」に相当する。このような構成によれば、各浄化槽120では、各家屋から排出された汚水に対し後述する所定の汚水処理がなされたのち、処理後の水が放流管129を通じて公共用水域へと放流されることとなる。
【0025】
ここで、図1中の浄化槽120の概略構成が図2に示される。
図2に示すように、浄化槽120は、槽状体として構成され、下水道114において当該浄化槽120よりも上流側に接続された流入口121、放流管129の上流側に接続された流出口128を備える。この浄化槽120は、槽状体の内部に、所定の浄化処理機構を搭載している。この浄化処理機構は、夾雑物除去槽122、嫌気処理槽123、生物処理槽124、処理水槽125、消毒槽(消毒室)126、貯留槽127を少なくとも備える。
【0026】
ここでいう夾雑物除去槽122、嫌気処理槽123、生物処理槽124及び処理水槽125による一連の処理要素が、本発明において「浄化槽内にて所定の汚水処理を行う第1の処理機構」ないし「第1の処理機構」に相当し、消毒槽126及び貯留槽127による一連の処理要素が、本発明において「浄化槽内にて第1の処理機構における汚水処理の後処理を行う第2の処理機構」ないし「第2の処理機構」に相当する。
【0027】
夾雑物除去槽122においては、被処理水中の固形物等の夾雑物が固液分離されて当該被処理水から除去処理される。嫌気処理槽123内には、特に図示しないものの、被処理水中の有機汚濁物を嫌気処理(還元処理)する嫌気性微生物が付着する濾材が設けられており、この嫌気処理槽123においては、被処理水中の有機汚濁物が嫌気性微生物によって嫌気処理される。生物処理槽124内には、特に図示しないものの、被処理水中の有機汚濁物を好気処理(酸化処理)する好気性微生物が付着する粒状担体が流動可能に充填された生物処理領域が形成されており、この生物処理槽124においては、散気エアの供給によって被処理水が好気処理される。処理水槽125においては、固形成分の沈降が促され、これによって被処理水の沈静化が行われる。なお、処理水槽125内の被処理水の一部をエアリフトポンプ等によって夾雑物除去槽122等の上流側処理槽に還流し、再度上流側より処理を受ける構成としてもよい。消毒槽126においては、被処理水の消毒処理が行われる。貯留槽127においては、被処理水が暫時貯水されることによって、当該貯水の際に固形成分の更なる沈降が促される。貯留槽127にて貯留された水は、水中ポンプ(図示省略)などのポンプ移送手段によって加圧され放流管129へと放流される。この場合、ポンプ移送手段を貯留槽127内に設けてもよいし、或いは更に浄化槽120の下流に放流用のポンプが収容された放流ポンプ槽を設けてもよい。
なお、浄化槽120に流入する汚水の汚濁物質濃度が比較的低い場合には、上記夾雑物除去槽122、嫌気処理槽123等の構成を適宜省略するとともに、曝気槽や沈殿槽等を適宜配置して構成することも可能である。
【0028】
一方、上記構成の汚水処理システム100に対比して、図1中の左側に従来の汚水処理システム100aの概略構成が示される。この汚水処理システム100aでは、各家屋から排出された汚水は、取付管110、汚水桝112を通って下水道114へと流れ、下水処理場130にて、上記浄化槽120の浄化処理機構に相当する浄化処理機構がなされたのち、下水処理場130側の放流管132を通じて公共用水域へと放流される。すなわち、本実施の形態の汚水処理システム100は、従来の汚水処理システム100aにおける汚水処理機能の全部を下水道114上に配設された各浄化槽120にシフトした汚水処理システムとして構成されている。
【0029】
従って、従来の汚水処理システム100aにかえて、上記構成の汚水処理システム100を用いることによって、下水処理場130を全く使用することなく、各家屋から排出され汚水処理された後の水を公共用水域へ放流するまでの一連の処理を行うことが可能となる。特に、この汚水処理システム100は、従来の汚水処理システム100aにおける汚水処理能力を、各浄化槽120に小口化して振り分ける構成であるため、人口や水環境の変化に合わせて、浄化槽120の数や大きさを適宜変更することによって、汚水の処理能力(処理性能、処理能力)を容易に変更可能であり合理的である。また、既設配管を有効活用することによって設置工事費の削減が可能となる。これにより、対象人口規模や放流先水域が求められる水質基準への個別対応が可能な、経済効率の高い将来展望型の汚水処理システムを構築することが可能となる。
【0030】
この汚水処理システム100を用いた汚水処理方法では、住宅群の住宅各戸から排出された汚水を、浄化槽120の嫌気処理槽123、生物処理槽124及び処理水槽125による一連の処理、及び消毒槽126及び貯留槽127による一連の処理要素によって処理したのち、当該浄化槽120から直に公共用水域へと放流する。従って、この汚水処理方法が、本発明において「浄化槽に対し、所定の汚水処理を行う第1の処理機構、および第1の処理機構における汚水処理の後処理を行う第2の処理機構を配設したうえで、住宅群の住宅各戸から排出された汚水を、当該浄化槽の第1及び第2の処理機構によって処理したのち、当該浄化槽から直に所定の放流領域へと放流する」との態様に相当する。
【0031】
なお、汚水処理システム100における浄化槽120内の処理要素に関しては、図2に示す形態に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更が可能である。例えば、嫌気処理槽123、生物処理槽124、処理水槽125、消毒槽126及び貯留槽127の各処理要素にかえて或いは加えて、別の処理要素を採用することもできる。本発明においては、生物処理、物理処理、電気分解処理、化学処理(薬品処理を含む処理)を行う処理要素のうちの1または複数を適宜組み合わせて浄化槽120内の処理要素を構築することが可能である。
【0032】
(第2及び第3実施の形態)
図3中の右側には、第2実施の形態の汚水処理システム200の概略構成が示され、図4中の右側には、第3実施の形態の汚水処理システム300の概略構成が示される。
第2実施の形態の汚水処理システム200は、複数の家屋(「住宅」ともいう)からなる住宅群、この住宅群の各家屋(「住宅各戸」ともいう)から排出された汚水(「生活排水」ともいう)が流れる取付管110、汚水が下水道114へと流れる取付管110上に介在する桝状の構造体としての汚水桝112、取付管110が合流する下水道114、下水道114上に配設された浄化槽220、下水道114の下流領域に配設された下水処理場130、下水処理場130と放流領域である公共用水域との間に介在する放流管132を主体に構成されている。
【0033】
なお、ここでいう浄化槽220は、本発明において「汚水流路上に配設された1または複数の浄化槽」に相当する。また、放流管132は、本発明において「下水処理施設と放流領域との間に介在する放流路」に相当する。
【0034】
この汚水処理システム200では、各家屋から排出された汚水は、取付管110、汚水桝112を通って下水道114へと流れ、この下水道114上に配設された浄化槽220に流入する。この場合、図3に示すように、単一の家屋に専用の単一の浄化槽として構成されてもよいし、或いは複数の家屋に共有の単一の浄化槽として構成されてもよい。浄化槽120が複数の家屋に共有の単一の浄化槽として構成された実施形態は、図4にて、第3実施の形態の汚水処理システム300として示されている。すなわち、図4に示す汚水処理システム300では、単一の浄化槽220が住宅群の複数の住宅に対し接続された第1の接続形態と、単一の浄化槽220が住宅群の単一の住宅に対し接続された第2の接続形態の両方の接続形態が採用されており、図3に示す汚水処理システム200では、単一の浄化槽220が住宅群の単一の住宅に対し接続された第2の接続形態のみが採用されている。
【0035】
下水処理場130では、被処理水の消毒処理を行う消毒処理部、或いは放流ポンプが設置された放流部を備える後処理機構130bが使用可能な状態として準備される。一方、この下水処理場130では、消毒処理部の前処理として従来の汚水処理システム100aに設置されている夾雑物除去部、嫌気処理部及び生物処理部などの前処理機構130aは休止状態とされる。具体的には、下水処理場130へと流入した水が、前処理機構130aをバイパスして後処理機構130bへと流れる構成を用いることができる。
このような構成によれば、各浄化槽220においては、各家屋から排出された汚水に対し後述する所定の汚水処理がなされ、その後下水処理場130の後処理機構130bにおいて消毒処理がなされたのち、処理後の水が放流管132を通じて公共用水域へと放流される。
【0036】
ここで、図3及び図4中の浄化槽220の概略構成が図5に示される。
図5に示すように、浄化槽220は、槽状体として構成され、取付管110または下水道114において当該浄化槽220よりも上流側に接続された流入口221、下水道114において当該浄化槽220よりも下流側に接続された流出口228を備える。この浄化槽220は、槽状体の内部に、所定の浄化処理機構を搭載している。この浄化処理機構は、夾雑物除去槽222、嫌気処理槽223、生物処理槽224、処理水槽225を少なくとも備える。これら夾雑物除去槽222、嫌気処理槽223、生物処理槽224、処理水槽225の構成及び機能に関しては、それぞれ図2中の浄化槽120における夾雑物除去槽122、嫌気処理槽123、生物処理槽124、処理水槽125と同様とされる。この浄化槽220における浄化処理機構と、下水処理場130の後処理機構130bとの組み合わせが、前述の浄化槽120における一連の浄化処理機構に相当している。すなわち、本実施の形態の汚水処理システム200,300は、従来の汚水処理システム100aにおける汚水処理機能の一部(浄化槽120にて上流から処理水槽125までの後処理機構)を下水道114上に配設された各浄化槽220にシフトし、また残りの処理機能(浄化槽120にて処理水槽125よりも下流側の後処理機構)を下水処理場130の後処理機構130bとして使用する汚水処理システムとして構成されている。
【0037】
ここでいう夾雑物除去槽222、嫌気処理槽223、生物処理槽224及び処理水槽225による一連の処理要素が、本発明において「浄化槽内にて所定の汚水処理を行う第1の処理機構」ないし「第1の処理機構」に相当し、下水処理場130の後処理機構130bが、本発明において「下水処理施設において、第1の処理機構による汚水処理の後処理を行う第2の処理機構」ないし「第2の処理機構」に相当する。
【0038】
従って、従来の汚水処理システム100aにかえて、上記構成の汚水処理システム200,300を用いることによって、既存の下水処理場130の一部を使用したうえで、各家屋から排出され汚水処理された後の水を公共用水域へ放流するまでの一連の処理を行うことが可能となる。特に、この汚水処理システム200,300は、従来の汚水処理システム100aにおける汚水処理能力の一部を、各浄化槽220に小口化して振り分ける構成であるため、人口や水環境の変化に合わせて、浄化槽220の数や大きさを適宜変更することによって、汚水の処理能力(処理性能、処理能力)を容易に変更可能であり合理的である。また、既設配管や、既存の下水処理場130の一部の設備を有効活用することによって設置工事費の削減が可能となる。従って、対象人口規模や放流先水域が求められる水質基準への個別対応が可能な、経済効率の高い将来展望型の汚水処理システムを構築することが可能となる。
【0039】
この汚水処理システム200,300を用いた汚水処理方法では、住宅群の住宅各戸から排出された汚水を、浄化槽220の嫌気処理槽223、生物処理槽224及び処理水槽225によって処理し、更に下水処理場130の後処理機構130bの処理要素にて処理したのち、当該下水処理場130から公共用水域へと放流する。従って、この汚水処理方法が、本発明において「住宅群の住宅各戸から排出された汚水を、当該浄化槽の第1の処理機構によって処理し、更に下水処理施設の第2の処理機構にて処理したのち、下水処理施設から放流領域へと放流する」との態様に相当する。
【0040】
なお、この汚水処理システム200,300では、浄化槽220側の処理要素を夾雑物除去槽222、嫌気処理槽223、生物処理槽224及び処理水槽225とし、下水処理場130の後処理機構130b側の処理要素を消毒処理部及び放流部とする場合について記載したが、本発明では、浄化槽220側の処理要素を夾雑物除去槽222、嫌気処理槽223、生物処理槽224及び処理水槽225に加えて更に消毒槽(消毒槽126に相当する構成要素)とし、下水処理場130の後処理機構130b側の処理要素を放流部のみとして構成することもできる。
【0041】
また、汚水処理システム200,300における浄化槽220内の処理要素や下水処理場130の後処理機構130bの処理要素に関しては、必要に応じて適宜変更が可能であり、各処理要素にかえて或いは加えて、別の処理要素を採用することもできる。本発明においては、生物処理、物理処理、電気分解処理、化学処理(薬品処理を含む処理)を行う処理要素のうちの1または複数を適宜組み合わせて浄化槽220内の処理要素や下水処理場130の後処理機構130bの処理要素を構築することが可能である。
【0042】
〔他の実施の形態〕
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
【0043】
上記第1実施の形態では、従来の汚水処理システム100aにおける汚水処理機能の全部を下水道114上に配設された各浄化槽120にシフトした汚水処理システム100について記載し、また上記第2及び第3実施の形態では、従来の汚水処理システム100aにおける汚水処理機能の一部を下水道114上に配設された各浄化槽220にシフトした汚水処理システム200,300について記載したが、本発明ではこれら各実施の形態を複合的に組み合わせた更なる実施の形態を採用することもできる。
【0044】
この更なる実施の形態に関しては、下水処理場130を最下流として、相対的にこの下水処理場130から遠い区域の家屋に対しては汚水処理システム200,300の構成を採用し、また相対的にこの下水処理場130に近い区域の家屋に対しては汚水処理システム100の構成を採用することができる。このような構成によれば、各地域の地理状況に見合った汚水処理システムを構築することが可能となる。
【0045】
また、更なる実施の形態として、各浄化槽として第1実施の形態の浄化槽120を用い、住宅群の住宅各戸から排出された汚水を、当該浄化槽120の処理機構によって処理したのち、当該浄化槽120から直に公共用水域へと放流する第1の使用モードと、各浄化槽として第2及び第3実施の形態の浄化槽220を用い、住宅群の住宅各戸から排出された汚水を、当該浄化槽220処理機構によって処理し、更に下水処理場130の後処理機構130bにて処理したのち、下水処理場130から公共用水域へと放流する第2の使用モードを有する処理方法を採用することができる。ここでいう第1の使用モードが、本発明における「第1の使用モード」に相当し、ここでいう第2の使用モードが、本発明における「第2の使用モード」に相当する。このような汚水処理方法によれば、第1の使用モード及び第2の使用モードを適宜選択して使用することによって、汚水流路における既設配管や、既存の下水処理施設の一部の設備を有効活用した汚水処理方法を実現することが可能となる。なお、本発明において、第1の使用モード及び第2の使用モードは、いずれも使用の可能性を有していればよく、いずれか一方の使用モードにおける使用が必要に応じて暫定的或いは恒久的に休止されてもよい。
【0046】
また、上記実施の形態において、汚水処理システム200,300は、従来の汚水処理システム100aから汚水処理システム100へと移行する過程での暫定的な汚水処理システムとして構成されてもよい。
【0047】
また、上記実施の形態では、下水道114の最下流に下水処理場130を有する汚水処理システムに対し本発明を適用する場合について記載したが、下水道114の最下流に下水処理場130以外の下水処理施設を有する汚水処理システムに対し本発明を適用することもできる。下水処理場130以外のこの下水処理施設としては、小口の集落ごとに汚水処理の目的で設置された処理設備が挙げられる。
【0048】
また、本発明においては、上記構成の汚水処理システム100,200,300から従前の汚水処理システム100aへと復旧させることが可能な構成とすることができる。具体的には、汚水処理システム100において、流路閉止手段140を、下水道114から下水処理場130へと至る流路を開閉可能な開閉バルブなどによって構成し、下水処理場130を使用しない場合にこの開閉バルブを閉止し、下水処理場130を使用する場合にこの開閉バルブを開放することができる。また、汚水処理システム200,300において、前処理機構130aをバイパスして後処理機構130bへと至る流路に、当該流路を開閉可能な開閉バルブを設けておき、下水処理場130の一部を使用する場合にこの開閉バルブを開放し、下水処理場130の全部を使用する場合にこの開閉バルブを閉止することができる。このような構成によれば、必要に応じて従前の汚水処理システム100aへの復旧が容易とされる。
【0049】
また、上記実施の形態の汚水処理システム100,200,300では、住宅群の住宅各戸から排出された生活排水を処理する場合について記載したが、本発明においては、住宅群の住宅各戸から排出された生活排水を主体として処理することが可能であれば足り、当該生活排水に加えて、学校等の公共施設、事務所、店舗、百貨店、事業所などの各建物から排出された汚水を併せて処理する構成を採用することができる。具体的には、住宅各戸から排出された生活排水と各建物から排出された汚水とを併せた水を、図1中の浄化槽120にて処理した後、当該浄化槽120から直に公共用水域へと放流する構成や、図2中の浄化槽220にて処理し、更に下水処理場130の後処理機構130bの処理要素にて処理したのち、当該下水処理場130から公共用水域へと放流する構成を採用することができる。また、本実施の形態の汚水処理システム100,200,300においては、マンホールや側溝などを通じて系内に混入した雨水を、生活排水や、各建物から排出された汚水とともに処理可能であることは勿論である。この場合、生活排水や、各建物から排出された汚水と雨水を併せた水(下水)を処理する処理システム及び処理方法を、「下水処理システム」及び「下水処理方法」と称呼することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の「汚水処理システム」の第1実施の形態である汚水処理システム100、及び従来の汚水処理システム100aの概略構成を示す図である。
【図2】図1中の浄化槽120の概略構成を示す図である。
【図3】本発明の「汚水処理システム」の第2実施の形態である汚水処理システム200、及び従来の汚水処理システム100aの概略構成を示す図である。
【図4】本発明の「汚水処理システム」の第3実施の形態である汚水処理システム300、及び従来の汚水処理システム100aの概略構成を示す図である。
【図5】図3及び図4中の浄化槽220の概略構成を示す図である。
【図6】日本の人口動態統計に関し合計特殊出生率の推移を示すグラフである。
【符号の説明】
【0051】
100,100a,200,300…汚水処理システム
110…取付管
112…汚水桝
114…下水道
120,220…浄化槽
121,221…流入口
122,222…夾雑物除去槽
123,223…嫌気処理槽
124,224…生物処理槽
125,225…処理水槽
126…消毒槽
127…貯留槽
128,228…流出口
129…放流管
130…下水処理場
130a…前処理機構
130b…後処理機構
132…放流管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の住宅からなる住宅群と、
汚水を処理する下水処理施設と、
前記住宅群と前記下水処理施設とを結ぶ汚水流路と、
前記汚水流路上に配設された1または複数の浄化槽と、
前記浄化槽に収容され、浄化槽内にて所定の汚水処理を行う第1の処理機構、および浄化槽内にて前記第1の処理機構における汚水処理の後処理を行う第2の処理機構と、
前記浄化槽と放流領域との間に介在する放流路と、
前記汚水流路と前記下水処理施設との間の流路を閉止する流路閉止手段と、
を備える汚水処理システムであって、
前記住宅群の住宅各戸から排出された汚水は、前記下水処理施設への流入が前記流路閉止手段によって阻止された状態で、前記汚水流路上に配設された当該浄化槽の前記第1及び第2の処理機構によって処理されたのち、当該浄化槽から前記放流路を通じて直に前記放流領域へと放流される構成であることを特徴とする汚水処理システム。
【請求項2】
複数の住宅からなる住宅群と、
汚水を処理する下水処理施設と、
前記住宅群と前記下水処理施設とを結ぶ汚水流路と、
前記汚水流路上に配設された1または複数の浄化槽と、
前記浄化槽に収容され、浄化槽内にて所定の汚水処理を行う第1の処理機構と、
前記下水処理施設において、前記第1の処理機構による汚水処理の後処理を行う第2の処理機構と、
前記下水処理施設と放流領域との間に介在する放流路と、
を備える汚水処理システムであって、
前記住宅群の住宅各戸から排出された汚水は、前記汚水流路上に配設された当該浄化槽の前記第1の処理機構によって処理され、更に前記下水処理施設の前記第2の処理機構にて処理されたのち、前記下水処理施設から前記放流路を通じて前記放流領域へと放流される構成であることを特徴とする汚水処理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の汚水処理システムであって、
前記汚水流路上において、単一の前記浄化槽が前記住宅群の複数の住宅に対し接続された第1の接続形態と、単一の前記浄化槽が前記住宅群の単一の住宅に対し接続された第2の接続形態の少なくとも一方の接続形態を有する構成であることを特徴とする汚水処理システム。
【請求項4】
複数の住宅からなる住宅群と、汚水を処理する下水処理施設と、前記住宅群と前記下水処理施設とを結ぶ汚水流路と、前記汚水流路上に配設された1または複数の浄化槽を備える汚水処理システムを用いて汚水処理を行う汚水処理方法であって、
前記浄化槽に対し、所定の汚水処理を行う第1の処理機構、および前記第1の処理機構における汚水処理の後処理を行う第2の処理機構を配設したうえで、前記住宅群の住宅各戸から排出された汚水を、当該浄化槽の前記第1及び第2の処理機構によって処理したのち、当該浄化槽から直に所定の放流領域へと放流することを特徴とする汚水処理方法。
【請求項5】
複数の住宅からなる住宅群と、汚水を処理する下水処理施設と、前記住宅群と前記下水処理施設とを結ぶ汚水流路と、前記汚水流路上に配設された1または複数の浄化槽を備える汚水処理システムを用いて汚水処理を行う汚水処理方法であって、
前記浄化槽に対し所定の汚水処理を行う第1の処理機構を配設し、また前記下水処理施設に対し前記第1の処理機構における汚水処理の後処理を行う第2の処理機構を配設したうえで、前記住宅群の住宅各戸から排出された汚水を、当該浄化槽の前記第1の処理機構によって処理し、更に前記下水処理施設の前記第2の処理機構にて処理したのち、前記下水処理施設から放流領域へと放流することを特徴とする汚水処理方法。
【請求項6】
複数の住宅からなる住宅群と、汚水を処理する下水処理施設と、前記住宅群と前記下水処理施設とを結ぶ汚水流路と、前記汚水流路上に配設された1または複数の浄化槽を備える汚水処理システムを用いて汚水処理を行う汚水処理方法であって、
前記浄化槽に対し、所定の汚水処理を行う第1の処理機構、および前記第1の処理機構における汚水処理の後処理を行う第2の処理機構を配設したうえで、前記住宅群の住宅各戸から排出された汚水を、当該浄化槽の前記第1及び第2の処理機構によって処理したのち、当該浄化槽から直に所定の放流領域へと放流する第1の使用モードと、
前記浄化槽に対し前記第1の処理機構を配設し、また前記下水処理施設に対し前記第2の処理機構を配設したうえで、前記住宅群の住宅各戸から排出された汚水を、当該浄化槽の前記第1の処理機構によって処理し、更に前記下水処理施設の前記第2の処理機構にて処理したのち、前記下水処理施設から放流領域へと放流する第2の使用モードと、
を有することを特徴とする汚水処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−139683(P2012−139683A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−46387(P2012−46387)
【出願日】平成24年3月2日(2012.3.2)
【分割の表示】特願2006−170567(P2006−170567)の分割
【原出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【出願人】(390021348)フジクリーン工業株式会社 (71)
【出願人】(502071296)株式会社 極東技工コンサルタント (5)
【Fターム(参考)】