説明

汲み上げポンプ

【課題】起伏の激しい場所や曲がりくねった場所、障害物がある場所等を経由した貯水場所からの液体の汲み上げに好適な可撓性を持った吸込み管およびプランジャを有するポンプを提供する。
【解決手段】吸込み管1には片側に吸込み口2と反対側に吐出し口3が設置され、吸込み口2には吸込み弁4が設けられる。吸込み管1内にプランジャ5が挿入され、プランジャ5の先端にピストン6が接続され、そのピストン6内にはピストン弁7が設置されている。吸込み管1とプランジャ5は共に可撓性を持つ。吸込み管1の内面とプランジャ5の表面の少なくとも一方には低摩擦コーティング層若しくは凹凸が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汲み上げポンプに係り、特に、吸込み管および吸込み管内を往復運動するプランジャを備えたポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の汲み上げポンプとしては、剛体でできた吸込み管と、この吸込み管内を欧風動作可能なピストンと、このピストンに接続されたプランジャとを備えたものが知られている(例えば、以下の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3457301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の汲み上げポンプは、上記の特許文献1に記載されているように、剛体で製作された吸込み管およびピストンまたはプランジャを有し、吸込み管と往復棒の空隙に貯水される液体の浮力を利用して手動でポンプを操作することができるようになっている。このような一般の汲み上げポンプは、本体が剛体で構成されているため、設置場所が限定されるとともに、設置する際に養生が必要とされる。また、剛体で製作されたポンプであっても使用場所を移動することができる小型のポンプもあるが、設置場所はその場所での使用に制限され、また、簡単な移動は難しい問題点があった。さらに、必ずしも平面とは限らない起伏の激しい場所を経由した貯水場所からの給水および災害現場等の障害物の多い場所を経由して給水するためには、ポンプ形状を設置場所の状況に合わせて変更する必要がある。
【0005】
本発明は、任意の場所に容易に設置することができ、特に、複雑な地形、起伏形状を有する場所での使用も可能な汲み上げポンプを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の汲み上げポンプは、吸込み弁(4)を備えた吸込み口(2)及び該吸込み口と軸線方向に離間した吐出し口(3)を備えた可撓性の吸込み管(1)と、該吸込み管内の前記吸込み口と前記吐出し口の間を軸線方向に摺動可能に構成され、ピストン弁(5)を備えたピストン(6)と、該ピストンに接続され、前記吸込み管内に延在する可撓性のプランジャ(7)と、を具備することを特徴とする。
【0007】
これによれば、プランジャおよびピストンが軸方向上向きに運動すると、吸込み管に設置された吸込み口に付帯されている吸込み弁が開くことで給水され、吸込み弁とピストンの空間に貯水される。さらにピストンおよびプランジャが下向きに運動すると、ピストンに付帯されているピストン弁が開くことで上記空間に貯水されていた水が通水することによりピストンから上部の吸込み管とプランジャの間の空間に汲み上げられる。本発明において、吸込み管とプランジャは共に可撓性を有する。
【0008】
また、吸込み管内をプランジャが撓んだ状態で往復運動する場合に、吸込み管内壁とプランジャ表面は撓みの状態により1箇所以上の接触が生じるため接触による摩擦抵抗が発生し、往復運動に支障をきたす恐れがある。よって、吸込み管の内面とプランジャ表面との摩擦抵抗を軽減するため、吸込み管内面とプランジャの表面の少なくとも一方に摩擦係数を低減するコーティング処理を施すと良い。この場合、上記内面と上記表面の双方に当該コーティング処理を施すことが望ましい。
【0009】
上記摩擦抵抗を低減する別の方法としては、吸込み管の内面とプランジャ表面との接触面積を最小にすることが有効であり、そのために吸込み管の内面とプランジャ表面の少なくとも一方に凹凸を設けると良い。この場合、凹凸同士が係合して却って摩擦を増大させないように、上記内面と上記表面の片方のみに凹凸を形成することが望ましい。
【0010】
さらに、吸込み管の内面とプランジャの少なくとも一方に凹凸を設けると、その凹凸は、吸込み管およびプランジャの間にできる間隙を液体が流れるときに障害物となり、流れに対して抵抗が発生し、結果として流動性が低下することが予測される。これを解決するために、吸込み管内壁とプランジャ表面の少なくとも一方の凹凸を表面軸方向に沿って千鳥足状または螺旋形状に設置することにより、凹凸の間で流路が形成されて液体が流動し易くなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上記のように構成されているので、吸込み管およびプランジャを可撓性にすることにより貯水場所からポンプまでの通路が直線的流路だけでなく、障害物または地面の起伏を避けるために曲線的な流路とすることができる。また、本発明のポンプは、手動操作を想定しているため電源動力を供給できない場所での使用を可能にする。
【0012】
本発明のポンプは、吸込み管内壁とプランジャ表面が摩擦抵抗を低減する材料等でコーティング等の表面処理がなされている場合、両者間の滑らかな往復運動を可能にする。
【0013】
本発明のポンプにおいては、吸込み管が撓んだ場合に、吸込み管内壁とプランジャ表面が数箇所において接触するが、吸込み管内壁またはプランジャ表面において付帯されている凹凸があると接触面積が著しく減少し、接触による摩擦抵抗が低減される。
【0014】
本発明のポンプは、凹凸が螺旋形状をしている場合、吸込み管内壁とプランジャ表面が数箇所に亘って接触した場合でも完全に流路が閉ざされることはなく、吸込み管とプランジャの間の接触面積は最小に確保された上で、液体の流動性を向上させることが可能となる。また、たとえば、螺旋形状をした連続した凸はプランジャの往復運動により、凸部と吸込み間の内壁との間で液体を押し上げる働きを行い、結果的に液体の流れを促進させる。結果としてポンプの効率の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る汲み上げポンプの実施形態の概略断面図である。
【図2】同実施形態における吸込み管とプランジャの構造を示す拡大部分断面図である。
【図3】同実施形態及び他の実施形態のプランジャ表面を吸込み管の一部を省略して示す斜視図(a)、(b)である。
【図4】別の実施形態の吸込み管およびプランジャの構造を示す拡大部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の汲み上げポンプの実施形態について図面を参照して説明する。図1において、吸込み管1には、片側に吸込み口2が形成され、反対側に吐出し口3が形成されている。吸込み口2には一方向弁(逆止弁)である吸込み弁4が設置されている。吸込み管1の内部にプランジャ5が挿入されており、プランジャ5の先端にピストン6が接続(固定)されている。このピストン6内には一方向弁(逆止弁)であるピストン弁7が設置されている。同じくプランジャ5の上部には、プランジャ5を往復運動させるためのハンドル8が固定されている。ハンドル8でプランジャ5を吸込み方向(引張り方向)に運動させることにより、液体は吸込み口2より流入し、吸込み弁4を通って吸込み弁4とピストン6の間の空隙に保持される。その後、ハンドル8でプランジャ5を吐出し方向(圧縮方向)に運動させることにより、吸込み弁4とピストン6の間の空隙に保持されていた液体は、ピストン弁7を通って吸込み管1とプランジャ5の間の空隙に流入する。プランジャ5を吸込み管1内で往復運動をさせるごとに、液体は吸込み管1とプランジャ5間の空隙に貯水されていき、次第に吐出し口3に送られる。吸込み弁4は、薄片で吸込み口に設置されて開閉できるようになっている。ピストン弁7は、玉が上下することにより、ピストン内の孔9を開閉することにより通水される。これらの両弁は、一方向弁(逆止弁)としての機能を有すればどのような構造でも良い。
【0017】
プランジャ5の先端に接続固定されたピストン6にはピストン弁7が設置されている。また、吸込み管1の先端には吸込み口2とそれに付帯する吸込み弁4が設置されている。液体の吸込み時にはピストン6およびプランジャ5は、吐出し口3の方向に移動する。そのときには、吸込み弁4が開き、液体が流入する。液体の吐出し時にはピストン6およびプランジャ5は、吸込み口2の方向に移動する。そのとき、吸込み弁4は閉じ、ピストン弁7は開いているので液体は、ピストン6内の隙間を通過して吸込み管1とピストン6の空隙に保持される。
【0018】
本実施形態の汲み上げポンプは、吸込み管1とプランジャ5が可撓性を持つことを特徴とする。可撓性を持つことの主たる目的は、貯水場所からポンプの設置場所までの吸込みにおいて、垂直方向だけではなく、水平方向の移動にも使用できることである。水平方向の移動には直線的に設置できる場合は少なく、障害物等を避けるためにポンプ全体が曲線的に折れ曲がって設置される必要がある。折れ曲がりの曲率半径は、吸込み管の長さおよび直径にも依存するが、数10センチメートルから数メートルの範囲が想定される。たとえば、直径8cmの吸込み管の場合は、曲率半径は20cm程度以上の折れ曲がりが想定される。このことからポンプの主たる構成部である吸込み管1とプランジャ5が可撓性を持つ必要がある。たとえば、吸込み管1は、塩化ビニール製のホースのように柔軟に折れ曲がる形状が想定される。吸込み管1は、貯水場所からポンプのハンドル8まで様々な障害物を経由しても吸込み管1の直径がつぶれることなく流路が確保されるだけの剛性があることが必要とされる。吸込み管1は、塩化ビニール等の柔軟材料だけでなく、金属製の蛇腹状構造により折れ曲がることができるものでも良い。プランジャ5は、吸込み管1と同様な可撓性を持つ必要があり、たとえば、塩化ビニール等の柔軟材料を使用したホースが想定されるほか、蛇腹構造をもつ管が想定される。さらにプランジャ5は、吸込み管1内を軸方向に往復運動するときに吸込み管1内で軸方向および半径方向に屈曲しないだけの剛性を持つ必要がある。したがって、一般的には、プランジャ5は吸込み管1よりも剛性が高くなるように構成されることが好ましい。
【0019】
図2において、吸込み口2とピストン6およびプランジャ5の拡大図を示す。可撓性を有しているため、撓んだ状態にある吸込み管1の内面とプランジャ5の表面は、プランジャ5の往復運動中に互いに接触し、両面の間に摩擦抵抗が発生し、往復運動を阻害する。摩擦抵抗を低減するために吸込み管1の内面とプランジャ5の表面のうち少なくとも一方は、その接触による摩擦抵抗を低減するための材料でコーティングされていることが好ましい。もちろん、上記内面と表面の双方に当該コーティングがされていることがより望ましい。例えば、フッ素樹脂コーティング加工された表面は潤滑性が増し、吸込み管1とプランジャ5の間は滑りやすくなり、結果として接触による摩擦抵抗は低減される。
【0020】
図3は、プランジャ5の表面に凹凸10を施した例である。上記に記載したとおり、吸込み管1とプランジャ5は、可撓性を有しているため、吸込み管1の内面とプランジャ5の表面は、プランジャ5の往復運動中に互いに接触することがある。接触による摩擦抵抗を低減するためには表面の接触面積を減少することが有効である。そのために吸込み管1の内面とプランジャ5の両方の表面または少なくとも一方の表面に凹凸10を設ける。凹凸10はいろいろな形状が考えられ、半球形状が表面に付帯する突起物やゴルフボールのディンプルのような凹み(図3(a))が考えられる。たとえば、直径20mmのプランジャにおいては、半径高さが2mmから4mm程度の半球形状の突起物をプランジャ周囲に6〜10mm程度の間隔で千鳥足状に設置する場合、吸込み管1の内面とプランジャ5の表面が接触したときに突起先端と面が接触するので接触面積は小さくなる。突起物の先端は、尖っているより球面形状等の凸曲面状とした方が接触した場合に変形が少ないため良い。
【0021】
プランジャの表面に設置する突起の数は、表面積に対して適宜設定するが、少なくとも、プランジャと吸込み管が折れ曲がったとき、それらの接触においてプランジャの突起物と吸込み菅の内面が必ず接触するような数にすることが好ましい。また、同様に凹みの場合も同様に考えて設置する。さらに両面が接触する時の摩擦力を極力小さくするために突起物は、接触による変形が起きない程度の剛性が必要とされる。たとえば、プランジャの材質が塩化ビニールで厚さが2mm程度の場合、突起物は、塩化ビニールのプランジャより剛性を持っていることが良い。プランジャの材質が金属であるプランジャの場合は、突起物は少なくともプランジャの金属と類似の材質を用いて、剛性を施すことが良い。
【0022】
以上の各点は、凹凸は吸込み管1の内面とプランジャ5の両面またはどちらか一方の面に施す場合にもそのまま当てはまるが、往復運動するプランジャ5の表面へ突起や凹み等の凹凸を設置する方が好ましい。これは、プランジャの表面の方が加工しやすいからである。また、プランジャ5が軸方向および半径方向に或る程度剛性を持つ必要があるのに対して吸込み管1はプランジャ5よりも剛性を低くすることができることからも望ましい。すなわち、凹凸を設けると剛性は向上するが可撓性を妨げる場合があるため、吸込み管1よりも剛性を高くすることが望ましいプランジャ5に凹凸を設けることがより好都合である。
【0023】
上記の凹凸は、たとえば、図3(b)のように、プランジャ5の表面に螺旋状に延在するリブを形成した形状が考えられる。この場合、両面が接触したとき必ずプランジャ5の表面に巻きつけられた螺旋状の突起と吸込み管1の内面が接触することになり、接触面は小さくなる。上記のリブは螺旋状に限定されるものではなく、例えば、所定の長さに限定されたリブ、環状のリブであってもよい。このように任意の形状で連続するリブが設けられていればよい。このリブは、たとえば、直径20mmで厚さが1mm程度の中空のプランジャにおいては、リブ高さ2mmで先端形状が曲面状で、プランジャに巻きつけたリブの間隔は6〜10mm程度に巻きつけることが望ましい。上記の連続するリブはプランジャ5の表面に軸方向に沿って平行に数本付けられていても、また、輪のように周方向に何本も巻きつけられていても良い。いずれにしてもリブの間隔は、プランジャ表面と吸込み管の内面が接触するときに必ず一方に付帯された突起物ともう一方の平面または突起物が接触するように形成密度を設定して設けることが好ましい。ここで、上記内面と上記表面のうちの一方のみに凹凸を設けることが、両面の凹凸同士が係合して却って摩擦を増大させるということを避けるためには好ましい。
【0024】
上記理由により、吸込み管1の内面またはプランジャ5の表面に凹凸10を設置するが、ポンプが稼動して液体が吸込み管1とプランジャ5の間の空隙を流動するとき、液体が凹凸10に衝突することにより流れは妨げられることが考えられる。図3(a)の凹凸10の場合、たとえば、突起物がプランジャ5の表面に無作為に多数設置されていると、これらの突起物が液体の流れを妨げる場合がある。この課題を解決するために、図3(b)に示すように、たとえば連続したリブがプランジャ5の表面に巻きつくように螺旋形状を構成させることで解決できる。この方法は、プランジャが吸込み管内で往復運動するとき、液体は、螺旋形状をしたリブで構成された流路を通って流れることになり、リブは液体の流れを妨げない効果がある。もちろん、このように液体の流れを妨げない構成としては、上記リブを軸線方向に延長するように設けることでもよく、また、リブや凸部を軸線方向へ千鳥足状となる(軸線方向に沿って左右に交互にずれた位置に配列される)ように設けることでもよい。いずれにしても、連続した突起物が全体として軸線方向に流路を形成していることが好ましい。ただし、上記のように特に螺旋形状のリブとすることで、吸込み管1とプランジャ5とが安定して接触するという利点がある。島状の凹凸10が上記内面又は表面に形成される場合には、凹凸10は当該内面又は表面上において均一な密度で分散して形成されることが望ましい。
【0025】
また、螺旋形状をした突起物またはリブは、ポンプにおける羽根車と同じ機能を有する。たとえば、プランジャに巻きつけられた螺旋形状のリブは、吸込み管内を往復運動したときに吸込み管と螺旋形状のリブとの間で液体を保持し、往復運動によりリブの表面が羽根車と同様に液体を押出す効果を及ぼす。すなわち螺旋形状のリブがアルキメデスのスクリューポンプの羽根車と同じ機能を持つことになる。また、リブは、羽根車と同じ機能を得るためには、リブの先端と吸込み菅の間に空隙を設置させる必要がある。たとえば、直径20mmのプランジャに2mmのリブ高さを付帯させるとき、吸込み管の内径は、28mm程度が好ましい。
【0026】
図4は、吸込み管1が撓んだ場合に吸込み管1とプランジャ5の接触状態を示している。接触は面接触ではなく、点または線接触となり、かつ流路が確保されている。螺旋形状をしたリブが付帯した吸込み管1またはプランジャ5は、撓むことを考慮して軸方向の剛性を高くする必要があり、さらにプランジャ5が往復運動することを考えると吸込み管1よりプランジャ5の方が軸方向の剛性を必要とする。この軸方向の剛性の向上にもプランジャ5に螺旋状のリブを設けることが寄与しうる。プランジャ5は、金属または塩化ビニールを材質とした蛇腹チューブが使われる。たとえば、塩化ビニールでできたドレインパイプ、湯沸かし器から蛇口までの金属の蛇腹管に使用されている管が想定される。
【0027】
本発明の可撓性を持つ往復ポンプは、図4のように吸込み管1とプランジャ5が自在に撓むことができる。よって、プランジャ5の連続的な往復運動中に吸込み管1とプランジャ5が互いに接触するにもかかわらず、接触による摩擦抵抗が大きくないために滑らかに手動でも操作することができ、液体を汲み上げ吐出すことができる。ポンプの本体が可撓性のため、吸込み高さがある高所への液体の汲み上げはもちろんのこと、遠隔地にある貯水場所に可撓性を持つ本体を浸すことにより、液体を移動させることができる。また、吐出し口3に可撓性を持つ樹脂製、ゴム製のチューブを連結することにより、たとえば、工事現場、災害現場等の障害物があり、給排水しにくい遠隔地へ利用することもできる。
【0028】
なお、本実施形態において、吸込み管とプランジャは、可撓性を有する素材で構成されていてもよく、或いは、金属製の蛇腹構造などのように素材自体は可撓性を有しないが可撓性を有する構造で構成されていてもよく、さらには、可撓性を有する素材を用いた可撓性を有する構造で構成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、山間地などの起伏の激しい場所を経由した貯水場所からの液体の汲み上げ、曲がりくねった場所を経由した貯水場所からの液体の汲み上げ、工事現場、災害現場等の障害物を経由した貯水場所からの液体の汲み上げを必要とする環境に適している。また、手動で操作することを手段としていることから原動機を必要としないため、電源を供給できない環境において多方面の産業に使用できる。凹凸は、吸込み管1の内面とプランジャ5の両方またはどちらか一方の面に施すことが想定されるが、往復運動するプランジャ5の表面へ設置する方が、加工のしやすさおよびプランジャ5が軸方向および半径方向に剛性を持つ必要からも望ましい。
【符号の説明】
【0030】
1 吸込み管
2 吸込み口
3 吐出し口
4 吸込み弁
5 プランジャ
6 ピストン
7 ピストン弁
8 ハンドル
9 ピストン孔
10 凹凸(突起物または凹み)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込み弁(4)を備えた吸込み口(2)及び該吸込み口と軸線方向に離間した吐出し口(3)を備えた可撓性の吸込み管(1)と、該吸込み管内の前記吸込み口と前記吐出し口の間を軸線方向に摺動可能に構成され、ピストン弁(5)を備えたピストン(6)と、該ピストンに接続され、前記吸込み管内に延在する可撓性のプランジャ(7)と、を具備することを特徴とする汲み上げポンプ。
【請求項2】
前記吸込み管の内面と前記プランジャの表面の少なくとも一方に摩擦抵抗を低減させるためのコーティング処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載の汲み上げポンプ。
【請求項3】
前記吸込み管の内面と前記プランジャの表面の少なくとも一方に凹凸(10)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の汲み上げポンプ。
【請求項4】
前記凹凸(10)が螺旋形状を有することを特徴とする請求項3に記載の汲み上げポンプ。
【請求項5】
前記螺旋形状の凹凸が前記プランジャの表面に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の汲み上げポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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