決裁装置及びプログラム
【課題】承認者による申請内容の確認の漏れを防止できるようにする。
【解決手段】決裁装置10は、申請者端末31に決裁書類登録画面を表示させ、申請者端末31からの入力内容に基づき決裁書類に含まれる文字列に確認項目を設定する新規文書登録処理部23と、承認者端末32に決裁書類及び確認項目を表示させる文書決裁処理部25と、承認者端末32から確認項目のチェックボックス60に対して入力された内容を記憶するデータベース13と、を備え、文書決裁処理部25は、チェックボックス60のON/OFFに基づき承認者端末32による承認処理の可否を決定する。
【解決手段】決裁装置10は、申請者端末31に決裁書類登録画面を表示させ、申請者端末31からの入力内容に基づき決裁書類に含まれる文字列に確認項目を設定する新規文書登録処理部23と、承認者端末32に決裁書類及び確認項目を表示させる文書決裁処理部25と、承認者端末32から確認項目のチェックボックス60に対して入力された内容を記憶するデータベース13と、を備え、文書決裁処理部25は、チェックボックス60のON/OFFに基づき承認者端末32による承認処理の可否を決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決裁装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
申請者が申請を行い、承認者が申請を承認するワークフローをコンピュータを用いて行う決裁システムが知られている。決裁システムは一般的に、申請又は承認処理を行なえる端末と、端末と通信可能に接続されたサーバ等の決裁装置とを有し、端末を介して申請又は承認処理等の入力操作が行われると、決裁装置が入力操作内容に応じた処理を行う。
【0003】
従来の決裁システムの例として、申請内容を回覧する対象をチェックボックスで選択可能とする決裁システム(特許文献1)、決裁処理と同時に決裁内容の通知文書を関連部署へ送付する決裁システム(特許文献2)、決裁者が複数いる場合に手前の決裁者の決裁前に前倒しで仮の決裁処理を行える決裁システム(特許文献3)等が挙げられる。
【特許文献1】特開2005−128655号公報
【特許文献2】特開2005−173856号公報
【特許文献3】特開2006−107082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の決裁システムでは、承認者が十分に申請内容を確認せずに決裁処理を進めてしまうことがある問題点があった。
なぜならば、従来の決裁システムは、承認者の端末に申請内容を表示し、申請内容全体についての承認又は不承認を受け付けるのみであり、決裁処理は申請内容全体についての承認又は不承認を選択するのみで事足りるので、決裁者は申請内容に目を通さずとも決裁処理を進めることができるためである。
【0005】
本発明の課題は、承認者による申請内容の確認の漏れを防止できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明による決裁装置は、申請者端末に申請内容を表示させる第1の表示制御手段と、前記申請者端末からの入力内容に基づき前記申請内容に確認項目を設定する確認項目設定手段と、前記申請内容に対する決裁処理を行う承認者端末に前記申請内容及び前記確認項目を表示させる第2の表示制御手段と、前記承認者端末から前記確認項目に対して入力された内容を記憶する記憶手段と、前記確認項目に対して入力された内容に基づき前記承認者端末による申請内容の承認の可否を決定する承認可否決定手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の決裁装置において、前記確認項目設定手段は、前記申請内容に含まれる任意の文字列に対して前記確認項目の設定を行うことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の決裁装置において、前記申請者端末又は前記承認者端末に対する入力に基づき、前記確認項目に任意のコメントを設定するコメント設定手段を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の決裁装置において、前記申請者端末に対する入力に基づくコメントと、前記承認者端末に対するコメントとは個別に設定されることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項3又は4に記載の決裁装置において、前記申請者端末又は前記承認者端末に対する入力に基づき設定されたコメントの内容を変更するコメント変更手段を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の決裁装置において、前記承認者端末に前記申請内容が表示された時間を計測する計測手段と、前記承認の際に前記計測手段によって計測された時間が所定の時間に満たない場合、承認を禁止する承認禁止手段を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項6に記載の決裁装置において、前記承認の際に前記計測手段によって計測された時間が所定の時間に満たない場合、前記承認者端末に対して警告を通知する警告手段を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明によるプログラムは、コンピュータを、申請者端末に申請内容を表示させる第1の表示制御手段、前記申請者端末からの入力内容に基づき前記申請内容に確認項目を設定する確認項目設定手段、前記申請内容に対する決裁処理を行う承認者端末に前記申請内容及び前記確認項目を表示させる第2の表示制御手段、前記承認者端末から前記確認項目に対して入力された内容を記憶する記憶手段、前記確認項目に対して入力された内容に基づき前記承認者端末による申請内容の承認の可否を決定する承認可否決定手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、承認者による申請内容の確認の漏れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図を参照して本発明の実施形態について詳細に説明するが、この発明は、この実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は発明の最も好ましい形態を示すものであり、発明の用途はこれに限定されなない。
【0016】
図1に、本発明の実施形態による決裁装置10を有する決裁システム1の主要構成を示す。
決裁システム1は、決裁装置10と、申請者端末31と、承認者端末32と、これらを相互通信可能に接続するネットワーク2と、を有する。
なお、本実施形態においては、決裁装置10に申請者端末31及び承認者端末32を夫々1台ずつ接続するように構成しているが、申請者端末31及び承認者端末32の台数は特に限定されず、決裁装置10に複数の申請者端末31と、複数の承認者端末32とを夫々接続するように構成してもよい。
【0017】
図1に示すように、決裁装置10は、CPU11、メモリ12及びデータベース13(以下の記載及び図においてDB13と記載)を有する。
【0018】
メモリ12は、CPU11が行う処理において生じる一時データを格納する主記憶装置及びCPU11が実行処理する各種のプログラム及びデータを記憶する補助記憶装置を含む。
CPU11は、メモリ12から各種のプログラム及びデータを読み出して実行処理することで、少なくとも、情報送信処理部21、情報受信処理部22、新規文書登録処理部23、修正文書登録処理部24、文書決裁処理部25、テーブル管理部26及び時間カウンタ27として機能する。
【0019】
情報送信処理部21は、申請者端末31及び承認者端末32に対してデータを送信する。情報受信処理部22は、申請者端末31及び承認者端末32から送信されたデータを受信する。決裁装置10とネットワーク2との接続は図示しない通信装置(例えばNIC等)によって行われ、情報送信処理部21及び情報受信処理部22によるデータの送受信は通信装置を介して行われる。
【0020】
新規文書登録処理部23は、決裁書類登録処理に関する処理を行う。修正文書登録処理部24は、決裁書類の修正処理に関する処理を行う。文書決裁処理部25は、決裁処理に関する処理を行う。決裁書類登録処理、決裁書類の修正処理及び決裁処理については後述する。
【0021】
テーブル管理部26は、DB13に記憶された各種のテーブルを管理する。具体的には、新規文書登録処理部23、修正文書登録処理部24及び文書決裁処理部25から行われるテーブルのレコード要求に応じてDB13から取得する処理や、レコードの追記、更新又は削除指示に応じてレコード内容を変更する処理等を行う。
【0022】
時間カウンタ27は、承認者端末27に決裁書類画面が表示された時間をカウントする。その詳細は後述する。
【0023】
DB13は少なくとも、文書種類テーブル、既定条件テーブル、項目表示場所テーブル、文書テーブル、承認ステータステーブル、既定承認者テーブル、項目−承認者関係テーブル、時間管理テーブルを記憶する。これらの各テーブルの詳細は後述する。
【0024】
図2に、申請者端末31及び承認者端末32の機能ブロック図を示す。
図2に示すように、申請者端末31及び承認者端末32は、CPU41、メモリ42、表示装置43及び入力装置44を有する。
【0025】
メモリ42は、CPU41が行う処理において生じる一時データを格納する主記憶装置及びCPU41が実行処理する各種のプログラム及びデータを記憶する補助記憶装置を含む。
CPU41は、メモリ42から各種のプログラム及びデータを読み出して実行処理することで、少なくとも、情報送信処理部51、情報受信処理部52、ブラウザ53、情報表示処理部54及び入力情報読み取り処理部55として機能する。
【0026】
情報送信処理部51は、決裁装置10に対してデータを送信する。情報受信処理部52は、決裁装置10から送信されたデータを受信する。申請者端末31又は承認者端末とネットワーク2との接続は図示しない通信装置(例えばNIC等)によって行われ、情報送信処理部51及び情報受信処理部52によるデータの送受信は通信装置を介して行われる。
【0027】
ブラウザ53は、決裁装置10の新規文書登録処理部23、修正文書登録処理部24及び文書決裁処理部25によって送信されるデータを解釈する実行エンジンである。決裁装置10から送信されてブラウザ53に解釈されたデータは、情報表示処理部54を介して表示装置43に表示される。ブラウザは、表示内容に対する入力操作を解釈して決裁装置10に送信するデータとして出力する機能も有する。
【0028】
情報表示処理部54は、ブラウザ53によって解釈されたデータを表示装置43に出力する。
入力情報読み取り処理部55は、入力装置44を介して入力された内容をデータとしてブラウザに入力する。
【0029】
表示装置43は、例えばCRTや液晶ディスプレイ等であり、情報表示処理部54の出力内容に応じた表示を行う。
入力装置44は、例えばキーボードやマウス等であり、申請者端末31又は承認者端末32に対する入力操作を行える。
【0030】
本実施形態の決裁装置10は所謂サーバであり、申請者端末31及び承認者端末32は所謂クライアントである。決裁装置10は、申請者端末31及び承認者端末32を利用している申請者又は承認者を識別可能な機能を有する。例えば所謂ログイン処理等により、申請者端末31又は承認者端末のブラウザ53を介して入力されたID、パスワード等に基づき、決裁装置10は申請者端末31及び承認者端末32の利用者を識別する。
【0031】
次に、決裁システム1の動作概要について説明する。
図3は、決裁システム1の基本動作を示すフローチャートである。
決裁システム1は、申請者による決裁書類登録処理(ステップS201)と、申請者による、申請の承認、不承認又は差し戻しのいずれかを決定する決裁処理(ステップS202)と、差し戻しされた決裁書類の修正処理(ステップS203)を可能とする。決裁処理は、複数の承認者による決裁処理を順次行う場合もある(ステップS204)。
【0032】
決裁書類の登録及び修正は申請者端末からの入力を介して行われ、決裁処理は承認者端末からの入力を介して行われる。決裁処理における不承認は申請の却下を示すものであり、差し戻しは申請内容の修正即ち決裁書類の修正を求めるものである。以下、順次説明する。
【0033】
まず、決裁書類登録処理について説明する。
決裁書類登録処理において、CPU11は申請者端末31に決裁書類登録画面を表示させる。申請者は、決裁書類登録画面において、決裁書類の選択、文書種類の選択、確認項目登録及び決裁書類の登録を行える。
【0034】
図4に、決裁書類登録画面の構成を示す。
決裁書類登録画面は、決裁書類表示エリア、文書種類選択エリア、決裁書類パーツ選択エリア、コメント入力エリアを有する。
【0035】
決裁書類表示エリアは、決裁書類の内容を表示する。具体的には、申請者によって選択された決裁書類に含まれる文書データを表示する。申請者によって決裁書類が編集された場合、決裁書類表示エリアは編集後の内容を表示する。
【0036】
決裁書類の選択は、決裁種類選択エリアに含まれる「参照」ボタンを操作した際に表示されるポップアップ画面を介して行うことができる。
【0037】
文書種類選択エリアは、文書種類の選択に関する情報を表示する。
図5に、文書種類の選択時における決裁書類登録画面の表示内容の一例を示す。
図5に示すように、文書種類はプルダウンメニュー等に対する入力を介して選択可能である。図5に示す例では、「××申請書」、「商品企画書」及び「商品仕様書」の文書種類が表示されている。申請者は、いずれかの文書種類を選択できる。選択可能な文書種類は、文書種類テーブルにより決定される。
【0038】
図6に、文書種類テーブルの一例を示す。
文書種類テーブルは、種類番号、文書種類及び承認時間の各レコードを有する。文書種類は文書種類に付された名称を、種類番号は各文書種類に割り当てられた固有の番号を示す。即ち、CPU11は種類番号によって文書種類を識別できる。
承認時間については後述する。
【0039】
選択された決裁書類によっては、予め文書種類が選択されている場合があるが、申請者は任意の文書種類を選択可能である。
【0040】
決裁書類パーツ選択エリアは、決裁書類の内容のうち、承認者に確認を求める項目(確認項目)に関する情報を表示する。
図7に、確認項目が表示された決裁書類登録画面の一例を示す。
図7に示すように、確認項目は、各確認項目の項目番号と、項目番号の右側に表示される各確認項目の項目名と、項目番号の左側に設けられるチェックボックスと、を有する。
【0041】
確認項目は、文書種類の選択によって自動的に表示される既定確認項目と、申請者が任意に追加する追加確認項目とを含む。既定確認項目は、既定条件テーブルにより決定される。
図8に、既定条件テーブルの一例を示す。
図8に示すように、既定条件テーブルは、文書種類、項目番号及び項目名の各レコードを有する。既定条件テーブルの文書種類は、文書種類テーブルにおける種類番号を示すレコードである。即ち、既定条件テーブルは、文書種類レコードの番号によって文書種類テーブルの種類番号と対応付けられ、前述の文書種類において選択された文書種類の種類番号と同一の番号を既定条件テーブルの文書種類レコードに有する項目番号及び項目名が決裁書類パーツ選択エリアに表示される。以後記載する他のテーブルにおける文書種類レコードについても同様である。
【0042】
追加確認項目は、既定条件テーブルに含まれず、申請者端末からの入力を介して任意に追加できる確認項目である。具体的には、図7に示す決裁書類登録画面において、決裁書類パーツ選択エリアの下方に表示された「追加」ボタンを操作することで、任意の確認項目の追加を行える。このとき、追加された確認項目の項目番号は、既に存在する確認項目の末尾の番号より1大きい番号となる。
【0043】
確認項目は、決裁書類の文書データに含まれる文字列の一部分又は全部と対応付けることができる。例えば、項目番号「1」を付された「タイトル」の確認項目を、決裁書類の「××仕様書」の部分、即ち決裁書類のタイトルを示す文字列と対応付けることで、後述する決裁処理において決裁者に対し決裁書類のタイトルを確認してほしい旨を示すことができる。他の確認項目についても同様である。
【0044】
対応付けの処理は、申請者端末からの入力を介して行われる。申請者によって確認項目のいずれか一つが選択されると、選択された確認項目にフォーカスが当たる。フォーカスの当たった選択項目は、周りに対して別の色で表示される等、目立つ表示がなされる。
申請者はその確認項目と対応付けを行いたい文字列を含む範囲をドラッグアンドドロップにより選択する。CPU11は、選択された確認項目及びドラッグアンドドロップにより選択された決裁書類の文字列を枠で囲み、枠内の色を変える表示を行う。即ち、選択された項目及び決裁書類の文字列が明確となるよう、枠内と枠外とのコントラストを明確にして表示する。
【0045】
選択された確認項目と決裁書類の文字列との対応付けは、項目表示場所テーブルに保存される。
図9に、項目表示場所テーブルの一例を示す。
図9に示すように、項目表示場所テーブルは、文書No、項目番号、項目名、ページ、始点座標及び終点座標の各レコードを有する。項目表示場所テーブルの項目名及び項目番号は、文書種類テーブルの項目名及び項目番号と同一である。文書Noは、決裁書類の登録時に割り当てられる固有の番号である。文書Noについての詳細は後述する。
【0046】
ページ、始点座標及び終点座標の各レコードは、その項目番号及び項目名と対応付けられた決裁書類の文字列を示すレコードである。例えば、文書No「0」の項目番号「1」、項目名「日付」の確認項目は、決裁書類の1ページ目における座標「50,50」から「100,100」にかけた範囲の文書データと対応付けられていることを示す。他の確認項目についても同様である。
項目表示場所テーブルは、既定確認項目及び追加確認項目の両方の対応付け情報を保存する。
【0047】
コメント入力エリアは、各確認項目に対してコメント(申請者コメント)を入力可能とする。
具体的には、決裁書類パーツ選択エリアに表示された確認項目のいずれかが選択されると、コメント入力エリアの「タイトル」欄の下に選択された確認項目の項目名が表示され、その項目名の右側にコメントを受け付ける空白領域が設けられる。申請者は、空白領域に文字列を入力することができ、その文字列が申請者コメントとなる。
【0048】
決裁書類登録画面は「登録」及び「キャンセル」ボタンを有し、申請者は、決裁書類登録画面の「登録」ボタンを操作することで、決裁書類の登録即ちその決裁書類を用いた申請を行うことができる。
図10に、決裁書類の登録における申請者端末31のメモリ内データの推移を示す。
【0049】
申請者による決裁書類の選択後、申請者が文書種類を選択すると、申請者端末31のメモリ42には既定条件テーブルに基づいて取得された確認項目の情報が格納される。確認項目の情報は、項目番号毎に管理される。
【0050】
申請者が確認項目と決裁書類の文書データの文字列との対応付けを行うと、申請者端末31のメモリ42には各確認項目に対応付けられた文書データの文字列を示すページ、始点座標及び終点座標の各レコードが格納される。各レコードは項目番号毎に管理される。
申請者が確認項目を追加した場合、追加された確認項目及び対応付けられた文書データの文字列に関する情報も同様に格納される。
【0051】
申請者がコメントを入力すると、申請者端末31のメモリ42には申請者コメントが格納される。各申請者コメントは項目番号毎に管理される。
【0052】
「登録」ボタンが操作されると、申請者端末31のメモリ42に格納された情報が決裁装置10に送信される。CPU11は送信された情報に基づき、項目表示場所テーブル及び後述する文書テーブルに申請内容を保存する。文書テーブルは、登録された決裁書類の情報即ち申請内容に関する情報を保存するテーブルである。
【0053】
図11に、文書テーブルの一例を示す。
図11に示すように、文書テーブルは、文書No、日付、申請者名、文書、文書種類、ステータス及び現在承認者の各レコードを有する。
文書は、決裁書類登録画面で選択及び登録された決裁書類のファイル名を示す。文書テーブルの文書種類は、決裁書類登録画面で選択された文書種類の種類番号を示す。申請者名は、その決裁書類を登録した申請者の名前を示す。
【0054】
日付は、その決裁書類が登録された日付を示す。CPU11は、現在年月日及び時刻を計時、管理する図示しない計時回路等の構成を有し、計時回路から現在の日付を取得して登録された決裁書類と対応付けて文書テーブルに保存する。以後、計時回路による日付をシステム日付と称する。
【0055】
文書Noは、登録された決裁書類の文書、文書種類、申請者名及び日付の組み合わせに対して割り当てられる固有の番号であり、CPU11は文書Noによって各申請を識別、管理できる。また、CPU11は、DBに記憶された他のテーブルに含まれるデータとの対応付けも、文書Noによって行う。例えば、文書テーブルにおいて文書No「0000」の申請における各確認項目と決裁書類の文書データの文字列との対応付けは、項目表示場所テーブルに含まれるデータのうち文書Noが「0000」であるものによって行われている。以後記載する他のテーブルについても同様である。
【0056】
ステータスは、その申請に対する決裁処理の状態を示す。例えば、ステータスが決裁終了の場合、その申請に対する決裁処理が終了していることを示す。ステータスが決裁中の場合は決裁処理が承認者に対して要求されている状態、差し戻しの場合は決裁処理において差し戻しが選択されたことを示す。
【0057】
現在承認者は、その申請に対して決裁処理を現在要求されている承認者を示す。承認者の決定方法については後述する。
【0058】
CPU11は、文書テーブルの保存と共に、文書テーブルに保存された申請の承認を行う承認者及びその承認者によって確認される各確認項目に関するデータを保存する。具体的には、CPU11は承認ステータステーブルをDBに保存する。
【0059】
図12に、承認ステータステーブルの一例を示す。
図12に示すように、承認ステータステーブルは、文書No、文書種類、承認者番号、項目番号、申請者コメント、承認者コメント及びステータスの各レコードを有する。承認ステータステーブルの文書No及び文書種類は文書テーブルの文書No及び文書種類と同様である。
【0060】
承認ステータステーブルの項目番号は、項目表示場所テーブルの項目番号と同様である。承認ステータステーブルの申請者コメントは、決裁書類登録画面においてその項目番号の確認項目に対して入力された申請者コメントの内容を示す。
【0061】
承認者番号は、承認者を識別する番号である。ステータスは、その項目番号に対応付けられた決裁書類の文字列を囲う枠の右下に設けられたチェックボックス60(図17参照)に対するチェックの入力の有無を示すレコードであり、「○」の場合はチェック入力済み(ON)、「×」の場合はチェック入力されていないこと(OFF)を示す。「未決裁」の場合は、その承認者による決裁処理がまだ行われていないことを示す。チェックボックス60については後述する。
【0062】
承認ステータステーブルは、承認者を識別する承認者番号と、その承認者に対して確認を要求する確認項目の項目番号と、その承認者によるチェックボックス60に対するチェックの入力の有無即ちステータスと、を対応付ける。即ち、承認ステータステーブルは、決裁書類の各確認項目に対する各決裁者のチェック状態を保存する。
【0063】
承認者コメントは、後述する決裁書類画面において承認者が入力可能なコメント(承認者コメント)の内容を示す。その詳細は決裁処理の記載において説明する。
【0064】
次に、申請に対する承認者の決定方法について説明する。CPU11は、既定承認者テーブルに基づき承認者を決定する。
図13に、既定承認者テーブルの一例を示す。
図13に示すように、既定承認者テーブルは、文書種類、承認者番号及び承認者名の各レコードを有する。規定承認者テーブルの文書種類は、既定条件テーブルの文書種類と同様である。
【0065】
承認者名は、決裁処理を行う者即ち承認者の名前を示し、承認者番号レコードは各承認者に対して割り当てられた固有の番号を示す。即ち、CPU11は承認者番号によって承認者を識別、管理できる。
【0066】
既定承認者テーブルは、文書種類のレコードに対して承認者番号及び承認者名を対応付ける。即ち、既定承認者テーブルにおいて文書種類に対応付けられた承認者が、その文書種類の決裁書類を用いた申請における承認者となる。
図13に示すように、既定承認者テーブルは、一つの文書種類に対して複数の承認者を対応付けることもできる。この場合、決裁処理は承認者番号が若い承認者から順に行われる。
【0067】
各確認項目に対して個別に承認者を対応付け、承認者毎に確認を要する確認項目を個別に割り当てることもできる。各確認項目に対する承認者の対応付けは、項目−承認者関係テーブルに基づく。
図14に、項目−承認者関係テーブルの一例を示す。
項目−承認者関係テーブルは、文書種類、項目番号、承認者番号の各レコードを有する。項目−承認者関係テーブルの文書種類及び項目番号は、既定条件テーブルの文書種類及び項目番号と同様である。項目−承認者関係テーブルの承認者番号は、既定承認者テーブルの承認者番号と同様である。即ち、項目−承認者関係テーブルは、各文書種類の各項目番号に対応する確認項目と、その確認項目に対して決裁処理を行う承認者とを個別に対応付ける。
【0068】
CPU11は、既存承認者テーブルの内容に基づき、その申請の文書種類に対応した最初の承認者を文書テーブルの現在承認者に設定し、その承認者にその申請の決裁処理を要求する旨を送信する処理を行う。承認者に対する決裁処理要求の送信は、図示しない人事情報等により取得された承認者の連絡先(例えばメールアドレス等)に対して行われる。以後、申請者又は承認者に対する要求又は通知の送信についても同様である。
【0069】
文書テーブルに申請内容を保存する際、ステータスは「決裁中」に設定される。
決裁書類登録画面において「キャンセル」ボタンを操作すると、申請者端末31はその決裁書類に対する入力内容を破棄し、メモリ42をクリアする。
【0070】
次に、決裁処理について説明する。
決裁処理において、決裁装置10は承認者端末32に決裁書類選択画面及び決裁書類画面を表示させる。承認者は、決裁書類選択画面において決裁処理を行う申請の決裁書類を選択でき、選択した決裁書類について決裁書類画面において申請の承認、不承認又は差し戻しのいずれかを選択できる。
【0071】
図15に、決裁書類選択画面の一例を示す。
図15に示すように、決裁書類選択画面は、各申請の文書No、日付、申請者名、文書種類及びステータスをテーブル形式で表示する。文書No、日付、申請者名及びステータスは、文書テーブルの文書No、日付、申請者名及びステータスと同様である。決裁書類選択画面の文書種類は、文書テーブルの文書種類のレコードが示す番号に対応した文書種類テーブルにおける文書種類のレコード内容である。
【0072】
決裁書類選択画面には、文書テーブル上の申請のうち、その承認者による決裁処理が要求されている申請が表示される。具体的には、CPU11は、現在承認者がその承認者である文書テーブルの文書No、日付、申請者名、文書種類及びステータスを取得して承認者端末32に送信する。
【0073】
承認者は、決裁書類選択画面において決裁処理を行う申請内容を示す横並びの一行のいずれかを選択して「OK」ボタンを操作することで、決裁書類を行う対象とする申請を選択できる。CPU11は、決裁書類選択画面において選択された申請に対応するデータを承認者端末に送信して、承認者端末に決裁書類画面を表示させる。
【0074】
図16に、決裁書類画面表示時に決裁装置10が取得するデータの構成を示す。図16(a)〜図16(f)にかけてデータ取得処理が進行する。
図16に示すように、CPU11は、選択された申請に対応する文書テーブルの文書Noを取得し、その文書Noの現在承認者及び文書種類を取得し、その文書種類に対応する種類番号を有する文書種類テーブルのデータから承認時間を取得し、既定承認者テーブルから文書種類が一致する承認者番号及び承認者名を取得し、文書Noが一致するレコードの組を承認ステータステーブル及び後述する時間管理テーブル(図18参照)から取得する。さらに、文書Noが一致し、かつ、取得した承認ステータステーブルのレコードに項目番号がある項目表示テーブルのレコードの組を取得する。なお、レコードの組とは、各図に示すテーブルの横並びのレコードの組み合わせをさす。CPU11は、取得したデータに基づき、選択された決裁書類の文書No、文書データ、文書種類、申請者名ならびに各確認項目の項目番号、項目名、申請者コメント、承認者コメント、始点座標、終点座標、ステータス及びページを承認者端末32に送信し、承認者端末32に決裁書類画面を表示させる。
【0075】
図17に、決裁書類画面の一例を示す。
決裁書類画面は、その申請の決裁書類の文書データ並びに各確認項目に関する情報を表示する。
【0076】
決裁書類画面に表示される決裁書類には、決裁書類登録画面において各確認項目と対応付けられた文字列を囲う枠が反映される。さらに、枠の右下にチェックボックス60が表示される。CPU11は、各確認項目についてチェックボックス60のチェックがONとなると、その確認項目の内容を承認したものとみなす。即ち、承認者はチェックボックス60のON/OFFによって各確認項目に対する承認の可否を示せる。
なお、枠内の色も決裁書類登録画面と同様に反映される。
【0077】
決裁書類画面は、各確認項目についての情報として、ページ、項目名、「人」及びコメントの欄を有し、それぞれ対応する内容を表示する。決裁書類画面に表示されるページ及び項目名は、項目表示場所テーブルに含まれるデータのうち、決裁書類画面に表示された申請の文書Noに対応する確認項目のページ及び項目名のレコード内容である。
【0078】
「人」の欄は、一つの確認項目につき縦方向の複数行からなる表示を含み、上の行から順に「申請者」、「決裁中の承認者」及び現在の承認者以外の承認者名を表示する。決裁書類画面に表示される現在の承認者以外の承認者名は、その申請の文書種類に対応する項目−承認者関係テーブルに基づく。「申請者」及び「決裁中の承認者」の表示は固定の文字列である。即ち、承認者名については、現在の承認者のみ「決裁中の承認者」と表示され、他の承認者は承認者名が表示される。図17に示す例では、他の承認者として「××課課長」が表示されているが、項目−承認者関係テーブルによって各確認項目に設定された承認者が反映される。
【0079】
コメントの欄は、申請者コメントを表示すると共に、現在の承認者によるコメント即ち承認者コメントを入力可能とする。申請者コメントを承認者が編集することはできない。現在の承認者は、「決裁中の承認者」の右側に設けられたコメントの欄の空白領域にのみ承認者コメントを入力できる。
他の承認者による承認者コメントが入力されていた場合、コメントの欄はその承認者コメントも表示する。承認者コメントは、他の承認者が編集することはできない。
【0080】
コメントは、チェックボックス60に対するチェックのON/OFFと独立して入力可能である。
【0081】
決裁書類画面は、表示中の決裁書類による申請を行った申請者名及びその決裁書類の文書種類を併せて表示する。決裁書類画面が表示する申請者名及び文書種類は、決裁書類選択画面において選択された申請の申請者名及び文書種類である。
【0082】
決裁書類画面は、「承認」、「不承認」及び「差し戻し」ボタンを有し、いずれかのボタンが操作されるとそのボタンに応じた決裁処理を行う。即ち、承認者は操作するボタンを選択することでその申請に対する決裁処理内容を選択できる。
【0083】
「承認」ボタンの操作時、即ちその申請を承認者が承認する場合、CPU11は各確認項目のチェックボックス60のON/OFF状態のチェック処理及び決裁書類の表示時間チェック処理を行う。以下、順次説明する。
【0084】
まず、各確認項目のチェックボックス60のON/OFF状態のチェック処理について説明する。「承認」ボタンが操作された場合、CPU11は、全ての確認項目のチェックボックス60がONであるかどうか判定する。全てのチェックボックス60がONでない場合、即ち一つ以上のチェックボックス60がOFFである場合、CPU11は承認を禁止し、全ての確認項目が確認されていない旨を示す警告画面を承認者端末32に表示させてチェック処理を終了する。即ち、承認者は全てのチェックボックス60をONにしない限り承認を行えない。
全てのチェックボックス60がONである場合、各確認項目のチェックボックス60のON/OFF状態のチェック処理を終了する。
【0085】
次に、決裁書類の表示時間チェック処理について説明する。CPU11は、決裁書類が承認者端末32に表示された時間と、文書種類テーブルの承認時間及びその申請の決裁書類のページ数に基づき算出される時間とを比較し、決裁書類が承認者端末32に表示された時間が算出された時間に満たない場合、承認を禁止し、承認者による決裁書類の閲覧時間が規定された時間に満たない旨を示す警告画面を承認者端末32に表示させてチェック処理を終了する。即ち、承認者は文書種類テーブルの承認時間及びその申請の決裁書類のページ数に基づき算出される時間以上、承認者端末で決裁書類を閲覧することが求められる。決裁書類が承認者端末32に表示された時間は、時間カウンタ27がカウントする。
【0086】
図6に示す文書種類テーブルの承認時間のレコードは、各文書種類について承認者端末に表示されることが求められる1ページあたりの表示時間を示し、単位は秒である。CPU11は、その申請の文書テーブルの文書種類レコードが示す番号に対応する種類番号を有する文書種類テーブルの承認時間に文書のレコードが示すファイルのページ数を乗じて得られた秒数と、その申請の決裁書類が承認者端末32に表示された時間とを比較する。
【0087】
CPU11は、承認者端末32に決裁書類画面を表示させるデータの送信時を開始タイミングとして、時間カウンタ27により承認者端末32にその申請の決裁書類が表示された時間をカウントし、決裁書類画面において「承認」ボタンが操作された旨を示すデータを受信したタイミングにおけるカウント時間を、その申請の決裁書類が承認者端末32に表示された時間とみなして比較処理を行う。
【0088】
決裁書類が承認者端末32に表示された時間が文書種類テーブルの承認時間及びその申請の決裁書類のページ数に基づき算出される時間を満たす場合、CPU11は決裁書類の表示時間チェック処理を終了する。
【0089】
CPU11は、決裁書類の表示時間チェック処理におけるカウント時間を時間管理テーブルによって管理する。
図18に、時間管理テーブルの一例を示す。
図18に示すように、時間管理テーブルは、文書No、承認者番号、表示時間及びステータスの各レコードを有する。時間管理テーブルの文書Noは、文書テーブルの文書Noと同様である。時間管理テーブルの承認者番号は、既定承認者テーブルの承認者番号と同様である。
【0090】
表示時間は、決裁装置10によってカウントされた承認者端末における各申請の決裁書類の表示時間を示し、単位は秒である。即ち、CPU11はカウント時間を各申請の承認者毎に保存、管理する。
【0091】
時間管理テーブルにおけるステータスは、そのステータスを有する文書No及び承認者番号によって特定される決裁処理の現在の状態を示し、例えば「未決裁」、「承認」、「不承認」、「差し戻し」又は「決裁中」のいずれか一つのレコードを有する。「未決裁」の場合、その決裁処理がまだ開始していないことを示す。「承認」、「不承認」及び「差し戻し」の場合はその決裁処理がそれぞれ承認、不承認及び差し戻しされたことを示す。「承認」、「不承認」及び「差し戻し」の場合、CPU11は表示時間を時間管理テーブルに保存する。
【0092】
「決裁中」の場合、その決裁処理は開始されたが、まだ完了していないことを示す。例えば、承認者端末32によって一度決裁書類画面が表示されたものの、その後承認者が「承認」、「不承認」及び「差し戻し」のいずれも操作せずに決裁書類画面の表示を終了させた場合、所謂決裁処理の中断等が挙げられる。この場合、CPU11は、決裁書類画面の表示が終了したタイミングでのカウント時間を時間管理テーブルの表示時間のレコードに保存し、以後同じ承認者による同じ申請の決裁書類内容を表示する決裁書類画面の再表示が行われた際のカウントにおいて、時間管理テーブルの表示時間に保存された表示時間からの累計時間をカウントする。
【0093】
各確認項目のチェックボックス60のON/OFF状態のチェック処理及び決裁書類の表示時間チェック処理が終了し、いずれのチェック処理においても警告画面の表示に至らなかった場合、CPU11は承認処理を行う。承認処理は、次の承認者がいる場合、次の承認者による決裁処理に移行する。具体的には、その申請の文書テーブルの現在承認者を、既定承認者テーブルに基づいて次の承認者に更新し、次の承認者に決裁処理を要求する旨を送信する処理を行う。次の承認者がいない場合、その申請の文書テーブルのステータスを「決裁終了」に変更してその申請に対する全ての決裁処理が終了した旨を反映する。
【0094】
決裁書類画面において「不承認」ボタンが操作された場合、CPU11は不承認処理を行う。具体的には、CPU11は、文書テーブル及び時間管理テーブルのステータスを「不承認」に更新し、カウント時間を時間管理テーブルに保存し、申請者に対して申請が不承認となった旨を送信する処理を行う。
【0095】
決裁書類において「差し戻し」ボタンが操作された場合、CPU11は差し戻し処理を行う。具体的には、CPU11は、文書テーブル及び時間管理テーブルのステータスを「差し戻し」に更新し、カウント時間を時間管理テーブルに保存し、申請者に対して申請が差し戻しされた旨を送信する処理を行う。
【0096】
「不承認」又は「差し戻し」のいずれのボタンの操作時、CPU11はそのボタンの操作内容を確認する確認画面を承認者端末に表示させる。その後、承認者端末から確認画面に対する「OK」ボタンの操作があった旨を受信すると、CPU11はボタンの操作内容に対応した処理を行う。
さらに、「承認」、「不承認」又は「差し戻し」のいずれのボタンの操作時であっても、CPU11は決裁書類画面で入力されたチェックボックス60のON/OFF状態及び承認者コメントを承認ステータステーブルに反映して保存する。
【0097】
具体的には、「承認」、「不承認」又は「差し戻し」のいずれのボタンの操作時、承認者端末32はメモリ内の文書No、承認者番号、文書種類、各確認項目の項目番号、チェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントならびに操作したボタンの種類を示すデータを決裁装置10に送信する。CPU11は、承認者端末32から送信されたデータに基づき、承認ステータステーブル、時間管理テーブル及び文書テーブルを更新する。
【0098】
決裁処理の中断があった場合、中断前に入力されたチェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントは、承認ステータステーブルに反映される。即ち、中断時には承認者端末32はメモリ内の文書No、承認者番号、文書種類、各確認項目の項目番号ならびにチェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントを決裁装置10に送信し、CPU11は承認ステータステーブル、時間管理テーブル及び文書テーブルを更新する。
【0099】
次に、差し戻しされた決裁書類の修正処理について説明する。
決裁書類の修正処理において、CPU11は申請者端末31に差し戻し書類選択画面及び修正書類画面を表示させる。申請者は、差し戻し書類選択画面において申請内容の修正即ち決裁書類の内容変更を行う決裁書類を選択でき、選択した決裁書類について修正書類画面において決裁書類の内容変更を行うことができる。
【0100】
図19に、差し戻し書類選択画面の一例を示す。
図19に示すように、差し戻し書類選択画面は、各申請の文書No、日付、文書種類をテーブル形式で表示する。差し戻し書類選択画面の文書No、日付及び文書は、文書テーブルの文書No、日付及び文書と同様である。差し戻し書類選択画面の文書種類は、文書テーブルの文書種類のレコードが示す番号に対応した文書種類テーブルにおける文書種類のレコード内容である。
【0101】
差し戻し書類選択画面には、その申請者による申請について差し戻し処理されたものが表示される。CPU11は、その申請者名を含み、かつ、ステータスが「差し戻し」である文書テーブルのレコードの組の文書No、日付、文書及び文書種類の各レコードを申請者端末31に送信し、差し戻し書類選択画面として表示させる。
【0102】
申請者は、差し戻し書類選択画面において修正処理を行う申請内容を示す横並びの一行のいずれかを選択して「OK」ボタンを操作することで、修正を行う対象とする申請を選択できる。CPU11は、差し戻し書類選択画面において選択された申請に対応するデータを申請者端末に送信して、申請者端末に修正書類画面を表示させる。このとき、決裁装置10から申請者端末31に送信されるデータは、決裁書類画面表示時に決裁装置10から承認者端末32に送信されるデータと同様である。
【0103】
図20に、修正書類画面の一例を示す。
修正書類画面は、決裁書類画面と同様、その申請の決裁書類の文書データ並びに各確認項目に関する情報を表示する。
修正書類画面では、決裁書類の文書データの内容を変更して保存できる。
【0104】
修正書類画面は、決裁書類画面と同様、各確認項目についての情報として、ページ、項目名、「人」及びコメントの欄を有し、それぞれ対応する内容を表示する。修正書類画面では、申請者コメントの内容を変更できる。承認者コメントを変更することはできない。
【0105】
修正書類画面では、確認項目と文字列との対応付け内容も変更できる。図20に示すように、各確認項目についての情報の左側に各確認項目が表示されており、申請者によって確認項目のいずれか一つが選択されると、選択された確認項目にフォーカスが当たると共にその確認項目に対応付けられた文字列を囲う枠が色つきで表示される。その後、申請者によって新たに文字列に対するドラッグアンドドロップ操作が行われると、新たにドラッグアンドドロップが行われた範囲をその確認項目に対応付けるための始点座標及び終点座標の更新が行われる。
【0106】
修正書類画面は「OK」及び「キャンセル」ボタンを有し、「OK」ボタンが操作されると、修正対象である申請の文書No、変更された文書データ並びに各確認項目の項目番号、始点座標、終点座標及び申請者コメントが申請者端末31から決裁装置10に送信される。CPU11は、修正された申請についてデータを受信すると、承認ステータステーブル及び項目表示テーブルの各レコードを変更された各確認項目に応じて更新し、その文書Noを有する文書テーブルのステータスを「修正済み」に更新し、文書データを更新する。そして、その文書Noを有する文書テーブルの文書種類に応じた最初の承認者に決裁処理を要求する旨を送信する処理を行う。
【0107】
修正後の申請については、最初の承認者から再決裁処理が行われる。二人目以降の承認者が申請を差し戻し、それ以前の承認者が申請を承認していても、最初の承認者から再決裁処理が行われる。再決裁処理においては、決裁書類の表示時間チェック処理は行われない。再決裁処理は、文書決裁処理部25の機能による。
【0108】
再決裁処理において、承認者は自分が過去に入力した承認者コメントを変更することができ、申請者コメント及び他の承認者コメントは変更することができない。
【0109】
次に、決裁装置10の動作について、図21及至図31のフローチャートを用いて説明する。
図21は、決裁装置10の主要動作を示すフローチャートである。
決裁装置10は、申請者端末31又は承認者端末32からのデータ待ち状態で待機する(ステップS1)。その後、いずれかの端末からの処理要求及び端末利用者情報を取得すると(ステップS2)、決裁装置10はステップS2で得た処理要求に応じた処理を行う。具体的には、処理要求が申請者端末31からの決裁書類登録画面の表示要求であった場合(ステップS3:YES)、決裁装置10は、文書登録処理を行う(ステップS4)。処理要求が決裁書類登録画面の表示要求でなく(ステップS3:NO)、承認者端末32からの決裁書類選択画面の表示要求であった場合(ステップS5:YES)、決裁装置10は、決裁処理を行う(ステップS6)。処理要求が決裁書類登録画面の表示要求でなく(ステップS3:NO)、決裁書類選択画面の表示要求でなく(ステップS5:NO)、申請者端末31からの差し戻し書類選択画面の表示要求であった場合(ステップS7:YES)、決裁装置10は、決裁書類の修正処理を行う(ステップS8)。処理要求が決裁書類登録画面の表示要求でなく(ステップS3:NO)、決裁書類選択画面の表示要求でなく(ステップS5:NO)、差し戻し書類選択画面の表示要求でもなかった場合(ステップS7:NO)、決裁装置10は、決裁中データ保存処理を行う(ステップS9)。
【0110】
図22は、図21のステップS4に示す決裁書類登録処理の動作を示すフローチャートである。
CPU11は、決裁書類登録画面を表示するためのデータを申請者端末31に送信する(ステップS11)。その後、申請者端末からのデータ待ち状態で待機し(ステップS12)、選択された決裁書類のデータ要求を受信すると(ステップS13)、CPU11はDBから文書種類テーブル及び既定条件テーブルを全て取得し(ステップS14)、ステップS14で取得した文書種類、項目番号及び項目名のデータを申請者端末31に送信する(ステップS15)。その後、申請者端末31からのデータ待ち状態で待機し(ステップS16)、申請者端末31から決裁書類の登録処理要求及び図10に示す登録に伴う申請者端末31のメモリ内データを受信すると(ステップS17)、CPUは決裁書類データ登録処理を行う(ステップS18)。
【0111】
図23は、図22のステップS18に示す決裁書類データ登録処理の動作を示すフローチャートである。
CPU11は、ステップS17で送信された情報と、各テーブルデータ及びシステム日付に基づき、文書テーブルに新たなレコードの組を追加する(ステップS21)。その後、CPU11は項目番号カウンタNを初期値1でメモリ12に設定し(ステップS22)、項目表示場所テーブルに項目番号Nのレコードを追加する(ステップS23)。そして、CPU11はステップS17で送信されたデータに含まれる文書種類に該当する文書種類レコードを有する項目−承認者テーブルのうち、項目番号Nのレコードの組を取得する(ステップS24)。ステップS24において取得に失敗した場合(ステップS25:NO)、CPU11はステップS17で送信されたデータに含まれる文書種類レコードと同一の文書種類レコードを有し、かつ項目番号Nの既定承認者テーブルのレコードの組を全て取得し(ステップS26)、取得したレコードの組に含まれる各承認者の項目番号Nのレコードとして承認ステータステーブルに追加する(ステップS27)。ステップS24において取得に成功した場合(ステップS25:NO)、ステップS24で取得したデータに含まれる各承認者についてステップS27の処理を行う。
【0112】
その後、CPU11はNがステップS17で送信された確認項目の項目数と一致するかどうか判定する(ステップS28)。Nが項目数と一致する場合(ステップS28:YES)、その文書Noの時間管理テーブルのレコードを、ステータス「未決裁」、表示時間は空(値なし)で追加し(ステップS29)、ステップS17で送信された文書種類と同一の文書種類のレコードを有する既定承認者テーブルの最初の承認者に決裁処理を要求する旨のデータを送信する(ステップS30)。
ステップS28において、Nが項目数と一致しない場合(ステップS28:NO)、CPU11はNに1を加算し(ステップS31)、ステップS23の処理に戻る。
【0113】
図24は、図21のステップS6に示す決裁処理の動作を示すフローチャートである。図24(a)はステップS41〜ステップS50、ステップS69及びステップS70を、図24(b)はステップS51〜ステップS62を、図24(c)はステップS63〜ステップS68を示す。
CPU11は、決裁書類選択画面の表示要求を行った承認者が現在承認者である決裁書類の情報、即ち文書テーブルのレコードの組及び文書種類テーブルの文書種類レコードのデータを取得し(ステップS41)、決裁書類選択画面を表示させるデータとして承認者端末32に送信する(ステップS42)。その後、承認者端末32からのデータ待ち状態で待機し(ステップS43)、承認者端末32から選択された決裁書類の情報を受信すると(ステップS44)、CPU11は決裁書類データ取得処理を行う(ステップS45)。
【0114】
図25は、図24のステップS45に示す決裁書類データ取得処理の動作を示すフローチャートである。
CPU11は、選択された申請に対応する文書テーブルの文書Noを取得し、その文書Noの現在承認者及び文書種類を取得し(ステップS71)、その文書種類に対応する種類番号を有する文書種類テーブルのデータから承認時間を取得し(ステップS72)、既定承認者テーブルから文書種類が一致する承認者番号及び承認者名を取得し(ステップS73)、文書Noが一致するレコードの組を承認ステータステーブルから取得し(ステップS74)、文書Noが一致し、かつ、取得した承認ステータステーブルのレコードに項目番号がある項目表示テーブルのレコードの組を取得し(ステップS75)、文書Noが一致するレコードの組を時間管理テーブルから取得し(ステップS76)、文書種類が一致し、かつ、承認ステータステーブルのレコードに項目番号がある既定条件テーブルのレコードを取得する(ステップS77)。
【0115】
ステップS45の決裁書類データ取得処理後、CPU11はステップS76で取得した時間管理テーブルのステータスが「差し戻し」又は「承認」であるかどうか判定する(ステップS46)。ステップS76で取得した時間管理テーブルのステータスが「差し戻し」又は「承認」でない場合(ステップS46:NO)、CPU11はステップS76で取得した時間管理テーブルのステータスが「決裁中」であるかどうか判定する(ステップS47)。ステップS76で取得した時間管理テーブルのステータスが「決裁中」でない場合(ステップS47:NO)、CPU11は時間カウンタによるカウントをゼロから開始する(ステップS48)。ステップS76で取得した時間管理テーブルのステータスが「決裁中」である場合(ステップS47:YES)、CPU11は時間カウンタによるカウントを時間管理テーブルの承認時間から開始する(ステップS49)。そして、CPU11はステップS45の決裁書類データ取得処理で得たデータに基づき承認者端末32に決裁書類画面を表示させるためのデータを送信する(ステップS50)。
【0116】
その後、承認者端末32からのデータ待ち状態で待機し(ステップS51)、承認者端末32から決裁書類画面のいずれかのボタンを操作した際の送信データ、即ち文書No、承認者番号、文書種類、チェックボックス60がONである確認項目数、及び操作したボタンの種類を示すデータを受信すると(ステップS52)、CPU11はチェックボックス60がONである確認項目数がその承認者が確認すべき確認項目数と一致するか判定する(ステップS53)。一致する場合(ステップS53:YES)、CPU11は操作されたボタンが「承認」であるか判定する(ステップS54)。「承認」である場合(ステップS54:YES)、CPU11は時間カウンタからカウント値を取得し(ステップS55)、時間カウンタのカウント値が文書種類テーブルの承認時間に決裁書類のページ数を乗じた値以上であるか判定する(ステップS56)。時間カウンタのカウント値が文書種類テーブルの承認時間に決裁書類のページ数を乗じた値以上である場合(ステップS56:YES)、CPU11は承認処理を行なう(ステップS57)。承認処理については後述する。
【0117】
ステップS56において、時間カウンタのカウント値が文書種類テーブルの承認時間に決裁書類のページ数を乗じた値未満である場合(ステップS56:NO)、CPU11は警告画面を申請者端末に表示させる要求を行う送信(警告画面表示要求送信)を行い(ステップS58)、ステップS51の処理に戻る。
【0118】
ステップS54において「承認」でない場合(ステップS54:NO)、CPU11は操作されたボタンが「不承認」であるか判定する(ステップS59)。「不承認」である場合(ステップS59:YES)、CPU11は不承認処理を行なう(ステップS60)。ステップS59において「不承認」でない場合(ステップS59:NO)、CPU11は差し戻し処理を行う(ステップS61)。ステップS57、ステップS59又はステップS60の処理後、CPU11は時間カウンタをクリアする(ステップS62)。
【0119】
ステップS53において、一致しない場合(ステップS53:NO)、CPU11は操作されたボタンが「不承認」又は「差し戻し」であるかどうか判定する(ステップS63)。「不承認」又は「差し戻し」である場合、CPU11は承認者端末32に対してボタン操作の内容を確認する確認画面の表示要求送信を行い(ステップS64)、承認者端末32からのデータ待ち状態で待機する(ステップS65)。その後、ステップS59の表示要求送信により承認者端末32に表示された確認画面に対する入力内容を受信すると(ステップS66)、CPU11は確認情報が「OK」ボタンの操作を示す内容であるか否か判定する(ステップS67)。「OK」である場合(ステップS67:YES)、ステップS54の処理へ移行する。ステップS67において「OK」でない場合(ステップS67:NO)、ステップS51の処理に戻る。
【0120】
ステップS63において「不承認」又は「差し戻し」でない場合(ステップS63:NO)、CPU11は警告画面表示要求送信を行う(ステップS68)。なお、ステップS58の警告画面表示要求送信は決裁書類の閲覧時間に関する警告を、ステップS68の警告画面表示要求は確認項目のチェック漏れに関する警告を表示させるための要求送信である。
【0121】
ステップS46において、ステップS76で取得した時間管理テーブルのステータスが「差し戻し」又は「承認」である場合(ステップS46:YES)、CPU11はステップS45の決裁書類データ取得処理で得たデータに基づき承認者端末32に決裁書類画面を表示させるためのデータを送信する(ステップS69)。ステップS69においては、ステップS45の決裁書類データ取得処理で得たデータにおいて以前の決裁処理によるチェックボックス60のチェック状態を示すデータが承認ステータステーブルに含まれていたとしても、そのチェック状態は反映しない。その後、CPU11は再決裁処理を行う(ステップS70)。
【0122】
図26は、図24(a)のステップS70に示す再決裁処理の動作を示すフローチャートである。
再決裁処理は、図24(b)、(c)に示すステップS50〜ステップS68の処理のうち、ステップS55、ステップS56、ステップS58及びステップS62を省略した処理である。具体的には、ステップS54において「承認」であった場合(ステップS54:YES)、CPU11は承認処理を行う(ステップS57)。ステップS57、ステップS59又はステップS60の処理後、再決裁処理を終了する。
【0123】
図27は、図24(b)及び図26のステップS57に示す承認処理の動作を示すフローチャートである。
CPU11は各確認項目の項目番号、チェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントの送信を承認者端末32に要求し(ステップS81)、承認者端末32からのデータ待ち状態で待機する(ステップS82)。その後、承認者端末32からチェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントを受信すると(ステップS83)、CPU11はその申請の文書Noであって、かつ、その承認者の申請者番号である時間管理テーブルのステータスを「承認」に更新し、表示時間をステップS55で得たカウント値に更新する(ステップS84)。そして、CPU11は、ステップS83で受信したデータに基づき承認ステータステーブルにチェックボックス60のON/OFF状態及び承認者コメントを反映する(ステップS85)。
【0124】
そして、CPU11は、既定承認者テーブルから次の承認者を取得し(ステップS86)、次の承認者がいる場合(ステップS87:YES)、文書テーブルの現在承認者を次の承認者に更新し(ステップS88)、次の承認者に決裁処理の要求を送信する(ステップS89)。ステップS86において、次の承認者が取得できない場合、即ち次の承認者がいない場合(ステップS87:NO)、文書テーブルのステータスを「決裁終了」に更新し(ステップS90)、申請者に決裁終了の旨を示す通知を送信する(ステップS91)。
【0125】
図28は、図24(b)及び図26のステップS60に示す不承認処理の動作を示すフローチャートである。
CPU11は各確認項目の項目番号、チェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントの送信を承認者端末32に要求し(ステップS101)、承認者端末32からのデータ待ち状態で待機する(ステップS102)。その後、承認者端末32からチェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントを受信すると(ステップS103)、CPU11は時間カウンタからカウント値を取得し(ステップS104)、その申請の文書Noであって、かつ、その承認者の申請者番号である時間管理テーブルのステータスを「不承認」に、表示時間をステップS104で得たカウント値に更新する(ステップS105)。そして、CPU11はステップS103で受信したデータに基づき承認ステータステーブルにチェックボックス60のON/OFF状態及び承認者コメントを反映する(ステップS106)。そして、CPU11は、文書テーブルのステータスを「不承認」に更新し(ステップS107)、申請者に不承認の旨を示す通知を送信する(ステップS108)。
【0126】
図29は、図24(b)及び図26のステップS61に示す差し戻し処理の動作を示すフローチャートである。
CPU11は各確認項目の項目番号、チェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントの送信を承認者端末32に要求し(ステップS111)、承認者端末32からのデータ待ち状態で待機する(ステップS112)。その後、承認者端末32からチェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントを受信すると(ステップS113)、CPU11は時間カウンタからカウント値を取得し(ステップS114)、その申請の文書Noであって、かつ、その承認者の申請者番号である時間管理テーブルのステータスを「差し戻し」に、表示時間をステップS114で得たカウント値に更新する(ステップS115)。そして、CPU11はステップS113で受信したデータに基づき承認ステータステーブルにチェックボックス60のON/OFF状態及び承認者コメントを反映する(ステップS116)。そして、CPU11は、文書テーブルのステータスを「差し戻し」に、現在承認者を空(値なし)に更新し(ステップS117)、申請者にその申請が差し戻しされた旨を示す通知を送信する(ステップS118)。
【0127】
図30は、図21のステップS9に示す決裁中データ保存処理の動作を示すフローチャートである。
CPU11は各確認項目の項目番号、チェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントの送信を承認者端末32に要求し(ステップS121)、承認者端末32からのデータ待ち状態で待機する(ステップS122)。その後、承認者端末32からチェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントを受信すると(ステップS123)、CPU11は受信したデータに基づき承認ステータステーブルにチェックボックス60のON/OFF状態及び承認者コメントを反映する(ステップS124)。そして、CPU11は時間カウンタからカウント値を取得し(ステップS125)、その申請の文書Noであって、かつ、その承認者の申請者番号である時間管理テーブルのステータスを「決裁中」に、表示時間をステップS125で得たカウント値に更新する(ステップS126)。
【0128】
図31は、図21のステップS8に示す決裁書類の修正処理の動作を示すフローチャートである。
申請者端末31から、差し戻し書類選択画面の表示要求を受信すると、CPU11は、文書テーブルの申請者名がその申請者であって、ステータスが「差し戻し」のレコードの組及び文書種類テーブルの文書種類レコードを取得し(ステップS131)、差し戻し書類選択画面を表示するためのデータを申請者端末31に送信する(ステップS132)。その後、CPU11は申請者端末31からのデータ待ち状態で待機し(ステップS133)、申請者端末31から選択された差し戻し書類の情報を受信すると(ステップS134)、選択された差し戻し書類に関する情報、即ち選択された差し戻し書類の文書No、文書データ、文書種類、申請者名ならびに各確認項目の項目番号、項目名、申請者コメント、承認者コメント、始点座標、終点座標、ステータス及びページを取得し(ステップS135)、修正書類画面を表示させるためのデータとして送信する(ステップS136)。その後、CPU11は申請者端末31からのデータ待ち状態で待機し(ステップS137)、修正された決裁書類ならびに各種データ、即ち文書レコードの文書No、変更された文書データ並びに各確認項目の項目番号、始点座標、終点座標及び申請者コメントを受信すると(ステップS138)、ステップS138で得た情報に基づき文書テーブル、承認ステータステーブル及び項目表示場所テーブルを更新し(ステップS139)、既定承認者テーブルにおける最初の承認者に決裁処理の要求を送信する(ステップS140)。
【0129】
本実施形態によれば、決裁書類の確認項目に対応付けられた文字列右下のチェックボックス60が全てONである場合、承認処理を行うことができ、チェックボックス60が全てONでない場合、承認処理を行うことができないので、承認者は全ての確認項目の内容を確認しなければ承認処理を行なうことができない。即ち、承認者に全ての確認項目の内容を確認するよう促す効果を発揮し、承認者による申請内容の確認の漏れを防止しうる決裁システム1を提供することができる。
【0130】
さらに、確認項目を決裁書類の任意の文字列と対応付けることができるので、申請者は決裁書類の内容のうち、特に重要な箇所等、確認を強く促したい部分について任意に確認項目を設けることができる。即ち、申請者が承認者に対してより確実に内容の把握、理解を求めたい内容について確認するよう促す効果を発揮し、承認者による申請内容の確認の漏れを防止しうる決裁システム1を提供することができる。
【0131】
さらに、申請者及び承認者は、各確認項目に任意のコメントを設定できるので、確認項目の設定やチェックボックス60のON/OFFのみでは意思伝達が難しい具体的内容を付記することができる。即ち、申請者と承認者は互いの意思疎通をより確実に行うことができ、承認者が申請内容を十分に確認することを一層促すことができる。加えて、コメントを活用することで申請者が承認者の決裁書類に対する理解を助けることができることに加え、承認者が決裁書類に対して不承認又は差し戻しした場合の理由を明確に申請者に伝えることができるので、決裁処理における意思疎通の一層の円滑化を行うことができ、結果として決裁処理の円滑化をもたらす効果を発揮する。
【0132】
さらに、申請者コメントと承認者コメントは個別に管理されるので、申請者と承認者それぞれのコメントについて容易に把握することができる。
【0133】
さらに、申請者コメント及び承認者コメントは変更可能であるので、コメントの設定後であってもコメントの内容を改定、改善することができる。
加えて、申請者コメントは申請者のみ、承認者コメントは承認者のみ変更できるので、申請者又は承認者のいずれか一方が他方のコメントを変更することはなく、両者のコメントを確実に保存できる。
【0134】
さらに、承認者端末32による決裁書類画面の表示時間のカウント時間が、予め定められた承認時間に決裁書類のページ数を乗じた時間に満たない場合、承認処理を禁止し、満たした場合に承認処理を許可するので、承認者に対して十分な時間をかけて確実に決裁書類の内容を確認するよう促す効果を発揮する。即ち、承認者による申請内容の確認の漏れを防止しうる決裁システム1を提供することができる。
【0135】
さらに、承認者端末32による決裁書類画面の表示時間のカウント時間が、予め定められた承認時間に決裁書類のページ数を乗じた時間に満たない場合、決裁書類の閲覧時間が規定された時間に満たない旨を示す警告画面を承認者端末に表示させるので、承認者は承認処理が禁止された理由について容易に把握することができると共に、十分な時間をかけて確実に決裁書類の内容を確認するよう要請されていることを把握できる。即ち、承認者が申請内容を十分に確認するよう促すことができ、承認者による申請内容の確認の漏れを防止しうる決裁システム1を提供することができる。
【0136】
なお、本実施の形態における記述は、本発明の一例を示すものであり、これに限定しない。
例えば、前述の実施形態においてDB13は決裁装置10の構成として設けられているが、外部のデータベースを用いてもよい。
【0137】
申請者端末31及び承認者端末32の利用者を決裁装置10が識別する方法として本実施形態ではログイン処理を挙げているが、他の識別方法によってもよい。例えば、各申請者及び各承認者に個別の端末を割り当て、各端末が有する固有の情報(例えばMACアドレス等)を用いて識別する等の方法が挙げられる。
【0138】
申請者端末31及び承認者端末が決裁装置の送信データを解釈する構成としてブラウザ53を用いているが、他の方法によってもよい。例えば専用のソフトウェアとそのソフトウェア専用のデータによってもよいし、専用のソフトウェアに代えて専用の装置を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の実施形態による決裁装置を有する決裁システムの主要構成を示す。
【図2】申請者端末及び承認者端末の機能ブロック図を示す。
【図3】決裁システムの基本動作を示すフローチャートである。
【図4】決裁書類登録画面の構成を示す図である。
【図5】文書種類の選択時における決裁書類登録画面の表示内容の一例を示す図である。
【図6】文書種類テーブルの一例を示す図である。
【図7】確認項目が表示された決裁書類登録画面の一例を示す図である。
【図8】既定条件テーブルの一例を示す図である。
【図9】項目表示場所テーブルの一例を示す図である。
【図10】決裁書類の登録における申請者端末のメモリ内データの推移を示す図である。
【図11】文書テーブルの一例を示す図である。
【図12】承認ステータステーブルの一例を示す図である。
【図13】既定承認者テーブルの一例を示す図である。
【図14】項目−承認者関係テーブルの一例を示す図である。
【図15】決裁書類選択画面の一例を示す図である。
【図16】決裁書類画面表示時に決裁装置10が取得するデータの構成を示す図である。図16(a)〜図16(f)にかけてデータ取得処理が進行する。
【図17】決裁書類画面の一例を示す図である。
【図18】時間管理テーブルの一例を示す図である。
【図19】差し戻し書類選択画面の一例を示す図である。
【図20】修正書類画面の一例を示す図である。
【図21】決裁装置10の主要動作を示すフローチャートである。
【図22】図21のステップS4に示す決裁書類登録処理の動作を示すフローチャートである。
【図23】図22のステップS18に示す決裁書類データ登録処理の動作を示すフローチャートである。
【図24(a)】図21のステップS6に示す決裁処理の動作を示すフローチャートのうち、ステップS41〜ステップS50、ステップS69及びステップS70を示す。
【図24(b)】図21のステップS6に示す決裁処理の動作を示すフローチャートのうち、ステップS51〜ステップS62を示す。
【図24(c)】図21のステップS6に示す決裁処理の動作を示すフローチャートのうち、ステップS63〜ステップS68を示す。
【図25】図24のステップS45に示す決裁書類データ取得処理の動作を示すフローチャートである。
【図26】図24(a)のステップS70に示す再決裁処理の動作を示すフローチャートである。
【図27】図24(b)及び図26のステップS57に示す承認処理の動作を示すフローチャートである。
【図28】図24(b)及び図26のステップS60に示す不承認処理の動作を示すフローチャートである。
【図29】図24(b)及び図26のステップS61に示す差し戻し処理の動作を示すフローチャートである。
【図30】図21のステップS9に示す決裁中データ保存処理の動作を示すフローチャートである。
【図31】図21のステップS8に示す決裁書類の修正処理の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0140】
10 決裁装置
11 CPU
12 メモリ
13 データベース(DB)
21 情報送信処理部
22 情報受信処理部
23 新規文書登録処理部
24 修正文書登録処理部
25 文書決裁処理部
26 テーブル管理部
31 申請者端末
32 承認者端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、決裁装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
申請者が申請を行い、承認者が申請を承認するワークフローをコンピュータを用いて行う決裁システムが知られている。決裁システムは一般的に、申請又は承認処理を行なえる端末と、端末と通信可能に接続されたサーバ等の決裁装置とを有し、端末を介して申請又は承認処理等の入力操作が行われると、決裁装置が入力操作内容に応じた処理を行う。
【0003】
従来の決裁システムの例として、申請内容を回覧する対象をチェックボックスで選択可能とする決裁システム(特許文献1)、決裁処理と同時に決裁内容の通知文書を関連部署へ送付する決裁システム(特許文献2)、決裁者が複数いる場合に手前の決裁者の決裁前に前倒しで仮の決裁処理を行える決裁システム(特許文献3)等が挙げられる。
【特許文献1】特開2005−128655号公報
【特許文献2】特開2005−173856号公報
【特許文献3】特開2006−107082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の決裁システムでは、承認者が十分に申請内容を確認せずに決裁処理を進めてしまうことがある問題点があった。
なぜならば、従来の決裁システムは、承認者の端末に申請内容を表示し、申請内容全体についての承認又は不承認を受け付けるのみであり、決裁処理は申請内容全体についての承認又は不承認を選択するのみで事足りるので、決裁者は申請内容に目を通さずとも決裁処理を進めることができるためである。
【0005】
本発明の課題は、承認者による申請内容の確認の漏れを防止できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明による決裁装置は、申請者端末に申請内容を表示させる第1の表示制御手段と、前記申請者端末からの入力内容に基づき前記申請内容に確認項目を設定する確認項目設定手段と、前記申請内容に対する決裁処理を行う承認者端末に前記申請内容及び前記確認項目を表示させる第2の表示制御手段と、前記承認者端末から前記確認項目に対して入力された内容を記憶する記憶手段と、前記確認項目に対して入力された内容に基づき前記承認者端末による申請内容の承認の可否を決定する承認可否決定手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の決裁装置において、前記確認項目設定手段は、前記申請内容に含まれる任意の文字列に対して前記確認項目の設定を行うことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の決裁装置において、前記申請者端末又は前記承認者端末に対する入力に基づき、前記確認項目に任意のコメントを設定するコメント設定手段を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の決裁装置において、前記申請者端末に対する入力に基づくコメントと、前記承認者端末に対するコメントとは個別に設定されることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項3又は4に記載の決裁装置において、前記申請者端末又は前記承認者端末に対する入力に基づき設定されたコメントの内容を変更するコメント変更手段を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の決裁装置において、前記承認者端末に前記申請内容が表示された時間を計測する計測手段と、前記承認の際に前記計測手段によって計測された時間が所定の時間に満たない場合、承認を禁止する承認禁止手段を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項6に記載の決裁装置において、前記承認の際に前記計測手段によって計測された時間が所定の時間に満たない場合、前記承認者端末に対して警告を通知する警告手段を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明によるプログラムは、コンピュータを、申請者端末に申請内容を表示させる第1の表示制御手段、前記申請者端末からの入力内容に基づき前記申請内容に確認項目を設定する確認項目設定手段、前記申請内容に対する決裁処理を行う承認者端末に前記申請内容及び前記確認項目を表示させる第2の表示制御手段、前記承認者端末から前記確認項目に対して入力された内容を記憶する記憶手段、前記確認項目に対して入力された内容に基づき前記承認者端末による申請内容の承認の可否を決定する承認可否決定手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、承認者による申請内容の確認の漏れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図を参照して本発明の実施形態について詳細に説明するが、この発明は、この実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は発明の最も好ましい形態を示すものであり、発明の用途はこれに限定されなない。
【0016】
図1に、本発明の実施形態による決裁装置10を有する決裁システム1の主要構成を示す。
決裁システム1は、決裁装置10と、申請者端末31と、承認者端末32と、これらを相互通信可能に接続するネットワーク2と、を有する。
なお、本実施形態においては、決裁装置10に申請者端末31及び承認者端末32を夫々1台ずつ接続するように構成しているが、申請者端末31及び承認者端末32の台数は特に限定されず、決裁装置10に複数の申請者端末31と、複数の承認者端末32とを夫々接続するように構成してもよい。
【0017】
図1に示すように、決裁装置10は、CPU11、メモリ12及びデータベース13(以下の記載及び図においてDB13と記載)を有する。
【0018】
メモリ12は、CPU11が行う処理において生じる一時データを格納する主記憶装置及びCPU11が実行処理する各種のプログラム及びデータを記憶する補助記憶装置を含む。
CPU11は、メモリ12から各種のプログラム及びデータを読み出して実行処理することで、少なくとも、情報送信処理部21、情報受信処理部22、新規文書登録処理部23、修正文書登録処理部24、文書決裁処理部25、テーブル管理部26及び時間カウンタ27として機能する。
【0019】
情報送信処理部21は、申請者端末31及び承認者端末32に対してデータを送信する。情報受信処理部22は、申請者端末31及び承認者端末32から送信されたデータを受信する。決裁装置10とネットワーク2との接続は図示しない通信装置(例えばNIC等)によって行われ、情報送信処理部21及び情報受信処理部22によるデータの送受信は通信装置を介して行われる。
【0020】
新規文書登録処理部23は、決裁書類登録処理に関する処理を行う。修正文書登録処理部24は、決裁書類の修正処理に関する処理を行う。文書決裁処理部25は、決裁処理に関する処理を行う。決裁書類登録処理、決裁書類の修正処理及び決裁処理については後述する。
【0021】
テーブル管理部26は、DB13に記憶された各種のテーブルを管理する。具体的には、新規文書登録処理部23、修正文書登録処理部24及び文書決裁処理部25から行われるテーブルのレコード要求に応じてDB13から取得する処理や、レコードの追記、更新又は削除指示に応じてレコード内容を変更する処理等を行う。
【0022】
時間カウンタ27は、承認者端末27に決裁書類画面が表示された時間をカウントする。その詳細は後述する。
【0023】
DB13は少なくとも、文書種類テーブル、既定条件テーブル、項目表示場所テーブル、文書テーブル、承認ステータステーブル、既定承認者テーブル、項目−承認者関係テーブル、時間管理テーブルを記憶する。これらの各テーブルの詳細は後述する。
【0024】
図2に、申請者端末31及び承認者端末32の機能ブロック図を示す。
図2に示すように、申請者端末31及び承認者端末32は、CPU41、メモリ42、表示装置43及び入力装置44を有する。
【0025】
メモリ42は、CPU41が行う処理において生じる一時データを格納する主記憶装置及びCPU41が実行処理する各種のプログラム及びデータを記憶する補助記憶装置を含む。
CPU41は、メモリ42から各種のプログラム及びデータを読み出して実行処理することで、少なくとも、情報送信処理部51、情報受信処理部52、ブラウザ53、情報表示処理部54及び入力情報読み取り処理部55として機能する。
【0026】
情報送信処理部51は、決裁装置10に対してデータを送信する。情報受信処理部52は、決裁装置10から送信されたデータを受信する。申請者端末31又は承認者端末とネットワーク2との接続は図示しない通信装置(例えばNIC等)によって行われ、情報送信処理部51及び情報受信処理部52によるデータの送受信は通信装置を介して行われる。
【0027】
ブラウザ53は、決裁装置10の新規文書登録処理部23、修正文書登録処理部24及び文書決裁処理部25によって送信されるデータを解釈する実行エンジンである。決裁装置10から送信されてブラウザ53に解釈されたデータは、情報表示処理部54を介して表示装置43に表示される。ブラウザは、表示内容に対する入力操作を解釈して決裁装置10に送信するデータとして出力する機能も有する。
【0028】
情報表示処理部54は、ブラウザ53によって解釈されたデータを表示装置43に出力する。
入力情報読み取り処理部55は、入力装置44を介して入力された内容をデータとしてブラウザに入力する。
【0029】
表示装置43は、例えばCRTや液晶ディスプレイ等であり、情報表示処理部54の出力内容に応じた表示を行う。
入力装置44は、例えばキーボードやマウス等であり、申請者端末31又は承認者端末32に対する入力操作を行える。
【0030】
本実施形態の決裁装置10は所謂サーバであり、申請者端末31及び承認者端末32は所謂クライアントである。決裁装置10は、申請者端末31及び承認者端末32を利用している申請者又は承認者を識別可能な機能を有する。例えば所謂ログイン処理等により、申請者端末31又は承認者端末のブラウザ53を介して入力されたID、パスワード等に基づき、決裁装置10は申請者端末31及び承認者端末32の利用者を識別する。
【0031】
次に、決裁システム1の動作概要について説明する。
図3は、決裁システム1の基本動作を示すフローチャートである。
決裁システム1は、申請者による決裁書類登録処理(ステップS201)と、申請者による、申請の承認、不承認又は差し戻しのいずれかを決定する決裁処理(ステップS202)と、差し戻しされた決裁書類の修正処理(ステップS203)を可能とする。決裁処理は、複数の承認者による決裁処理を順次行う場合もある(ステップS204)。
【0032】
決裁書類の登録及び修正は申請者端末からの入力を介して行われ、決裁処理は承認者端末からの入力を介して行われる。決裁処理における不承認は申請の却下を示すものであり、差し戻しは申請内容の修正即ち決裁書類の修正を求めるものである。以下、順次説明する。
【0033】
まず、決裁書類登録処理について説明する。
決裁書類登録処理において、CPU11は申請者端末31に決裁書類登録画面を表示させる。申請者は、決裁書類登録画面において、決裁書類の選択、文書種類の選択、確認項目登録及び決裁書類の登録を行える。
【0034】
図4に、決裁書類登録画面の構成を示す。
決裁書類登録画面は、決裁書類表示エリア、文書種類選択エリア、決裁書類パーツ選択エリア、コメント入力エリアを有する。
【0035】
決裁書類表示エリアは、決裁書類の内容を表示する。具体的には、申請者によって選択された決裁書類に含まれる文書データを表示する。申請者によって決裁書類が編集された場合、決裁書類表示エリアは編集後の内容を表示する。
【0036】
決裁書類の選択は、決裁種類選択エリアに含まれる「参照」ボタンを操作した際に表示されるポップアップ画面を介して行うことができる。
【0037】
文書種類選択エリアは、文書種類の選択に関する情報を表示する。
図5に、文書種類の選択時における決裁書類登録画面の表示内容の一例を示す。
図5に示すように、文書種類はプルダウンメニュー等に対する入力を介して選択可能である。図5に示す例では、「××申請書」、「商品企画書」及び「商品仕様書」の文書種類が表示されている。申請者は、いずれかの文書種類を選択できる。選択可能な文書種類は、文書種類テーブルにより決定される。
【0038】
図6に、文書種類テーブルの一例を示す。
文書種類テーブルは、種類番号、文書種類及び承認時間の各レコードを有する。文書種類は文書種類に付された名称を、種類番号は各文書種類に割り当てられた固有の番号を示す。即ち、CPU11は種類番号によって文書種類を識別できる。
承認時間については後述する。
【0039】
選択された決裁書類によっては、予め文書種類が選択されている場合があるが、申請者は任意の文書種類を選択可能である。
【0040】
決裁書類パーツ選択エリアは、決裁書類の内容のうち、承認者に確認を求める項目(確認項目)に関する情報を表示する。
図7に、確認項目が表示された決裁書類登録画面の一例を示す。
図7に示すように、確認項目は、各確認項目の項目番号と、項目番号の右側に表示される各確認項目の項目名と、項目番号の左側に設けられるチェックボックスと、を有する。
【0041】
確認項目は、文書種類の選択によって自動的に表示される既定確認項目と、申請者が任意に追加する追加確認項目とを含む。既定確認項目は、既定条件テーブルにより決定される。
図8に、既定条件テーブルの一例を示す。
図8に示すように、既定条件テーブルは、文書種類、項目番号及び項目名の各レコードを有する。既定条件テーブルの文書種類は、文書種類テーブルにおける種類番号を示すレコードである。即ち、既定条件テーブルは、文書種類レコードの番号によって文書種類テーブルの種類番号と対応付けられ、前述の文書種類において選択された文書種類の種類番号と同一の番号を既定条件テーブルの文書種類レコードに有する項目番号及び項目名が決裁書類パーツ選択エリアに表示される。以後記載する他のテーブルにおける文書種類レコードについても同様である。
【0042】
追加確認項目は、既定条件テーブルに含まれず、申請者端末からの入力を介して任意に追加できる確認項目である。具体的には、図7に示す決裁書類登録画面において、決裁書類パーツ選択エリアの下方に表示された「追加」ボタンを操作することで、任意の確認項目の追加を行える。このとき、追加された確認項目の項目番号は、既に存在する確認項目の末尾の番号より1大きい番号となる。
【0043】
確認項目は、決裁書類の文書データに含まれる文字列の一部分又は全部と対応付けることができる。例えば、項目番号「1」を付された「タイトル」の確認項目を、決裁書類の「××仕様書」の部分、即ち決裁書類のタイトルを示す文字列と対応付けることで、後述する決裁処理において決裁者に対し決裁書類のタイトルを確認してほしい旨を示すことができる。他の確認項目についても同様である。
【0044】
対応付けの処理は、申請者端末からの入力を介して行われる。申請者によって確認項目のいずれか一つが選択されると、選択された確認項目にフォーカスが当たる。フォーカスの当たった選択項目は、周りに対して別の色で表示される等、目立つ表示がなされる。
申請者はその確認項目と対応付けを行いたい文字列を含む範囲をドラッグアンドドロップにより選択する。CPU11は、選択された確認項目及びドラッグアンドドロップにより選択された決裁書類の文字列を枠で囲み、枠内の色を変える表示を行う。即ち、選択された項目及び決裁書類の文字列が明確となるよう、枠内と枠外とのコントラストを明確にして表示する。
【0045】
選択された確認項目と決裁書類の文字列との対応付けは、項目表示場所テーブルに保存される。
図9に、項目表示場所テーブルの一例を示す。
図9に示すように、項目表示場所テーブルは、文書No、項目番号、項目名、ページ、始点座標及び終点座標の各レコードを有する。項目表示場所テーブルの項目名及び項目番号は、文書種類テーブルの項目名及び項目番号と同一である。文書Noは、決裁書類の登録時に割り当てられる固有の番号である。文書Noについての詳細は後述する。
【0046】
ページ、始点座標及び終点座標の各レコードは、その項目番号及び項目名と対応付けられた決裁書類の文字列を示すレコードである。例えば、文書No「0」の項目番号「1」、項目名「日付」の確認項目は、決裁書類の1ページ目における座標「50,50」から「100,100」にかけた範囲の文書データと対応付けられていることを示す。他の確認項目についても同様である。
項目表示場所テーブルは、既定確認項目及び追加確認項目の両方の対応付け情報を保存する。
【0047】
コメント入力エリアは、各確認項目に対してコメント(申請者コメント)を入力可能とする。
具体的には、決裁書類パーツ選択エリアに表示された確認項目のいずれかが選択されると、コメント入力エリアの「タイトル」欄の下に選択された確認項目の項目名が表示され、その項目名の右側にコメントを受け付ける空白領域が設けられる。申請者は、空白領域に文字列を入力することができ、その文字列が申請者コメントとなる。
【0048】
決裁書類登録画面は「登録」及び「キャンセル」ボタンを有し、申請者は、決裁書類登録画面の「登録」ボタンを操作することで、決裁書類の登録即ちその決裁書類を用いた申請を行うことができる。
図10に、決裁書類の登録における申請者端末31のメモリ内データの推移を示す。
【0049】
申請者による決裁書類の選択後、申請者が文書種類を選択すると、申請者端末31のメモリ42には既定条件テーブルに基づいて取得された確認項目の情報が格納される。確認項目の情報は、項目番号毎に管理される。
【0050】
申請者が確認項目と決裁書類の文書データの文字列との対応付けを行うと、申請者端末31のメモリ42には各確認項目に対応付けられた文書データの文字列を示すページ、始点座標及び終点座標の各レコードが格納される。各レコードは項目番号毎に管理される。
申請者が確認項目を追加した場合、追加された確認項目及び対応付けられた文書データの文字列に関する情報も同様に格納される。
【0051】
申請者がコメントを入力すると、申請者端末31のメモリ42には申請者コメントが格納される。各申請者コメントは項目番号毎に管理される。
【0052】
「登録」ボタンが操作されると、申請者端末31のメモリ42に格納された情報が決裁装置10に送信される。CPU11は送信された情報に基づき、項目表示場所テーブル及び後述する文書テーブルに申請内容を保存する。文書テーブルは、登録された決裁書類の情報即ち申請内容に関する情報を保存するテーブルである。
【0053】
図11に、文書テーブルの一例を示す。
図11に示すように、文書テーブルは、文書No、日付、申請者名、文書、文書種類、ステータス及び現在承認者の各レコードを有する。
文書は、決裁書類登録画面で選択及び登録された決裁書類のファイル名を示す。文書テーブルの文書種類は、決裁書類登録画面で選択された文書種類の種類番号を示す。申請者名は、その決裁書類を登録した申請者の名前を示す。
【0054】
日付は、その決裁書類が登録された日付を示す。CPU11は、現在年月日及び時刻を計時、管理する図示しない計時回路等の構成を有し、計時回路から現在の日付を取得して登録された決裁書類と対応付けて文書テーブルに保存する。以後、計時回路による日付をシステム日付と称する。
【0055】
文書Noは、登録された決裁書類の文書、文書種類、申請者名及び日付の組み合わせに対して割り当てられる固有の番号であり、CPU11は文書Noによって各申請を識別、管理できる。また、CPU11は、DBに記憶された他のテーブルに含まれるデータとの対応付けも、文書Noによって行う。例えば、文書テーブルにおいて文書No「0000」の申請における各確認項目と決裁書類の文書データの文字列との対応付けは、項目表示場所テーブルに含まれるデータのうち文書Noが「0000」であるものによって行われている。以後記載する他のテーブルについても同様である。
【0056】
ステータスは、その申請に対する決裁処理の状態を示す。例えば、ステータスが決裁終了の場合、その申請に対する決裁処理が終了していることを示す。ステータスが決裁中の場合は決裁処理が承認者に対して要求されている状態、差し戻しの場合は決裁処理において差し戻しが選択されたことを示す。
【0057】
現在承認者は、その申請に対して決裁処理を現在要求されている承認者を示す。承認者の決定方法については後述する。
【0058】
CPU11は、文書テーブルの保存と共に、文書テーブルに保存された申請の承認を行う承認者及びその承認者によって確認される各確認項目に関するデータを保存する。具体的には、CPU11は承認ステータステーブルをDBに保存する。
【0059】
図12に、承認ステータステーブルの一例を示す。
図12に示すように、承認ステータステーブルは、文書No、文書種類、承認者番号、項目番号、申請者コメント、承認者コメント及びステータスの各レコードを有する。承認ステータステーブルの文書No及び文書種類は文書テーブルの文書No及び文書種類と同様である。
【0060】
承認ステータステーブルの項目番号は、項目表示場所テーブルの項目番号と同様である。承認ステータステーブルの申請者コメントは、決裁書類登録画面においてその項目番号の確認項目に対して入力された申請者コメントの内容を示す。
【0061】
承認者番号は、承認者を識別する番号である。ステータスは、その項目番号に対応付けられた決裁書類の文字列を囲う枠の右下に設けられたチェックボックス60(図17参照)に対するチェックの入力の有無を示すレコードであり、「○」の場合はチェック入力済み(ON)、「×」の場合はチェック入力されていないこと(OFF)を示す。「未決裁」の場合は、その承認者による決裁処理がまだ行われていないことを示す。チェックボックス60については後述する。
【0062】
承認ステータステーブルは、承認者を識別する承認者番号と、その承認者に対して確認を要求する確認項目の項目番号と、その承認者によるチェックボックス60に対するチェックの入力の有無即ちステータスと、を対応付ける。即ち、承認ステータステーブルは、決裁書類の各確認項目に対する各決裁者のチェック状態を保存する。
【0063】
承認者コメントは、後述する決裁書類画面において承認者が入力可能なコメント(承認者コメント)の内容を示す。その詳細は決裁処理の記載において説明する。
【0064】
次に、申請に対する承認者の決定方法について説明する。CPU11は、既定承認者テーブルに基づき承認者を決定する。
図13に、既定承認者テーブルの一例を示す。
図13に示すように、既定承認者テーブルは、文書種類、承認者番号及び承認者名の各レコードを有する。規定承認者テーブルの文書種類は、既定条件テーブルの文書種類と同様である。
【0065】
承認者名は、決裁処理を行う者即ち承認者の名前を示し、承認者番号レコードは各承認者に対して割り当てられた固有の番号を示す。即ち、CPU11は承認者番号によって承認者を識別、管理できる。
【0066】
既定承認者テーブルは、文書種類のレコードに対して承認者番号及び承認者名を対応付ける。即ち、既定承認者テーブルにおいて文書種類に対応付けられた承認者が、その文書種類の決裁書類を用いた申請における承認者となる。
図13に示すように、既定承認者テーブルは、一つの文書種類に対して複数の承認者を対応付けることもできる。この場合、決裁処理は承認者番号が若い承認者から順に行われる。
【0067】
各確認項目に対して個別に承認者を対応付け、承認者毎に確認を要する確認項目を個別に割り当てることもできる。各確認項目に対する承認者の対応付けは、項目−承認者関係テーブルに基づく。
図14に、項目−承認者関係テーブルの一例を示す。
項目−承認者関係テーブルは、文書種類、項目番号、承認者番号の各レコードを有する。項目−承認者関係テーブルの文書種類及び項目番号は、既定条件テーブルの文書種類及び項目番号と同様である。項目−承認者関係テーブルの承認者番号は、既定承認者テーブルの承認者番号と同様である。即ち、項目−承認者関係テーブルは、各文書種類の各項目番号に対応する確認項目と、その確認項目に対して決裁処理を行う承認者とを個別に対応付ける。
【0068】
CPU11は、既存承認者テーブルの内容に基づき、その申請の文書種類に対応した最初の承認者を文書テーブルの現在承認者に設定し、その承認者にその申請の決裁処理を要求する旨を送信する処理を行う。承認者に対する決裁処理要求の送信は、図示しない人事情報等により取得された承認者の連絡先(例えばメールアドレス等)に対して行われる。以後、申請者又は承認者に対する要求又は通知の送信についても同様である。
【0069】
文書テーブルに申請内容を保存する際、ステータスは「決裁中」に設定される。
決裁書類登録画面において「キャンセル」ボタンを操作すると、申請者端末31はその決裁書類に対する入力内容を破棄し、メモリ42をクリアする。
【0070】
次に、決裁処理について説明する。
決裁処理において、決裁装置10は承認者端末32に決裁書類選択画面及び決裁書類画面を表示させる。承認者は、決裁書類選択画面において決裁処理を行う申請の決裁書類を選択でき、選択した決裁書類について決裁書類画面において申請の承認、不承認又は差し戻しのいずれかを選択できる。
【0071】
図15に、決裁書類選択画面の一例を示す。
図15に示すように、決裁書類選択画面は、各申請の文書No、日付、申請者名、文書種類及びステータスをテーブル形式で表示する。文書No、日付、申請者名及びステータスは、文書テーブルの文書No、日付、申請者名及びステータスと同様である。決裁書類選択画面の文書種類は、文書テーブルの文書種類のレコードが示す番号に対応した文書種類テーブルにおける文書種類のレコード内容である。
【0072】
決裁書類選択画面には、文書テーブル上の申請のうち、その承認者による決裁処理が要求されている申請が表示される。具体的には、CPU11は、現在承認者がその承認者である文書テーブルの文書No、日付、申請者名、文書種類及びステータスを取得して承認者端末32に送信する。
【0073】
承認者は、決裁書類選択画面において決裁処理を行う申請内容を示す横並びの一行のいずれかを選択して「OK」ボタンを操作することで、決裁書類を行う対象とする申請を選択できる。CPU11は、決裁書類選択画面において選択された申請に対応するデータを承認者端末に送信して、承認者端末に決裁書類画面を表示させる。
【0074】
図16に、決裁書類画面表示時に決裁装置10が取得するデータの構成を示す。図16(a)〜図16(f)にかけてデータ取得処理が進行する。
図16に示すように、CPU11は、選択された申請に対応する文書テーブルの文書Noを取得し、その文書Noの現在承認者及び文書種類を取得し、その文書種類に対応する種類番号を有する文書種類テーブルのデータから承認時間を取得し、既定承認者テーブルから文書種類が一致する承認者番号及び承認者名を取得し、文書Noが一致するレコードの組を承認ステータステーブル及び後述する時間管理テーブル(図18参照)から取得する。さらに、文書Noが一致し、かつ、取得した承認ステータステーブルのレコードに項目番号がある項目表示テーブルのレコードの組を取得する。なお、レコードの組とは、各図に示すテーブルの横並びのレコードの組み合わせをさす。CPU11は、取得したデータに基づき、選択された決裁書類の文書No、文書データ、文書種類、申請者名ならびに各確認項目の項目番号、項目名、申請者コメント、承認者コメント、始点座標、終点座標、ステータス及びページを承認者端末32に送信し、承認者端末32に決裁書類画面を表示させる。
【0075】
図17に、決裁書類画面の一例を示す。
決裁書類画面は、その申請の決裁書類の文書データ並びに各確認項目に関する情報を表示する。
【0076】
決裁書類画面に表示される決裁書類には、決裁書類登録画面において各確認項目と対応付けられた文字列を囲う枠が反映される。さらに、枠の右下にチェックボックス60が表示される。CPU11は、各確認項目についてチェックボックス60のチェックがONとなると、その確認項目の内容を承認したものとみなす。即ち、承認者はチェックボックス60のON/OFFによって各確認項目に対する承認の可否を示せる。
なお、枠内の色も決裁書類登録画面と同様に反映される。
【0077】
決裁書類画面は、各確認項目についての情報として、ページ、項目名、「人」及びコメントの欄を有し、それぞれ対応する内容を表示する。決裁書類画面に表示されるページ及び項目名は、項目表示場所テーブルに含まれるデータのうち、決裁書類画面に表示された申請の文書Noに対応する確認項目のページ及び項目名のレコード内容である。
【0078】
「人」の欄は、一つの確認項目につき縦方向の複数行からなる表示を含み、上の行から順に「申請者」、「決裁中の承認者」及び現在の承認者以外の承認者名を表示する。決裁書類画面に表示される現在の承認者以外の承認者名は、その申請の文書種類に対応する項目−承認者関係テーブルに基づく。「申請者」及び「決裁中の承認者」の表示は固定の文字列である。即ち、承認者名については、現在の承認者のみ「決裁中の承認者」と表示され、他の承認者は承認者名が表示される。図17に示す例では、他の承認者として「××課課長」が表示されているが、項目−承認者関係テーブルによって各確認項目に設定された承認者が反映される。
【0079】
コメントの欄は、申請者コメントを表示すると共に、現在の承認者によるコメント即ち承認者コメントを入力可能とする。申請者コメントを承認者が編集することはできない。現在の承認者は、「決裁中の承認者」の右側に設けられたコメントの欄の空白領域にのみ承認者コメントを入力できる。
他の承認者による承認者コメントが入力されていた場合、コメントの欄はその承認者コメントも表示する。承認者コメントは、他の承認者が編集することはできない。
【0080】
コメントは、チェックボックス60に対するチェックのON/OFFと独立して入力可能である。
【0081】
決裁書類画面は、表示中の決裁書類による申請を行った申請者名及びその決裁書類の文書種類を併せて表示する。決裁書類画面が表示する申請者名及び文書種類は、決裁書類選択画面において選択された申請の申請者名及び文書種類である。
【0082】
決裁書類画面は、「承認」、「不承認」及び「差し戻し」ボタンを有し、いずれかのボタンが操作されるとそのボタンに応じた決裁処理を行う。即ち、承認者は操作するボタンを選択することでその申請に対する決裁処理内容を選択できる。
【0083】
「承認」ボタンの操作時、即ちその申請を承認者が承認する場合、CPU11は各確認項目のチェックボックス60のON/OFF状態のチェック処理及び決裁書類の表示時間チェック処理を行う。以下、順次説明する。
【0084】
まず、各確認項目のチェックボックス60のON/OFF状態のチェック処理について説明する。「承認」ボタンが操作された場合、CPU11は、全ての確認項目のチェックボックス60がONであるかどうか判定する。全てのチェックボックス60がONでない場合、即ち一つ以上のチェックボックス60がOFFである場合、CPU11は承認を禁止し、全ての確認項目が確認されていない旨を示す警告画面を承認者端末32に表示させてチェック処理を終了する。即ち、承認者は全てのチェックボックス60をONにしない限り承認を行えない。
全てのチェックボックス60がONである場合、各確認項目のチェックボックス60のON/OFF状態のチェック処理を終了する。
【0085】
次に、決裁書類の表示時間チェック処理について説明する。CPU11は、決裁書類が承認者端末32に表示された時間と、文書種類テーブルの承認時間及びその申請の決裁書類のページ数に基づき算出される時間とを比較し、決裁書類が承認者端末32に表示された時間が算出された時間に満たない場合、承認を禁止し、承認者による決裁書類の閲覧時間が規定された時間に満たない旨を示す警告画面を承認者端末32に表示させてチェック処理を終了する。即ち、承認者は文書種類テーブルの承認時間及びその申請の決裁書類のページ数に基づき算出される時間以上、承認者端末で決裁書類を閲覧することが求められる。決裁書類が承認者端末32に表示された時間は、時間カウンタ27がカウントする。
【0086】
図6に示す文書種類テーブルの承認時間のレコードは、各文書種類について承認者端末に表示されることが求められる1ページあたりの表示時間を示し、単位は秒である。CPU11は、その申請の文書テーブルの文書種類レコードが示す番号に対応する種類番号を有する文書種類テーブルの承認時間に文書のレコードが示すファイルのページ数を乗じて得られた秒数と、その申請の決裁書類が承認者端末32に表示された時間とを比較する。
【0087】
CPU11は、承認者端末32に決裁書類画面を表示させるデータの送信時を開始タイミングとして、時間カウンタ27により承認者端末32にその申請の決裁書類が表示された時間をカウントし、決裁書類画面において「承認」ボタンが操作された旨を示すデータを受信したタイミングにおけるカウント時間を、その申請の決裁書類が承認者端末32に表示された時間とみなして比較処理を行う。
【0088】
決裁書類が承認者端末32に表示された時間が文書種類テーブルの承認時間及びその申請の決裁書類のページ数に基づき算出される時間を満たす場合、CPU11は決裁書類の表示時間チェック処理を終了する。
【0089】
CPU11は、決裁書類の表示時間チェック処理におけるカウント時間を時間管理テーブルによって管理する。
図18に、時間管理テーブルの一例を示す。
図18に示すように、時間管理テーブルは、文書No、承認者番号、表示時間及びステータスの各レコードを有する。時間管理テーブルの文書Noは、文書テーブルの文書Noと同様である。時間管理テーブルの承認者番号は、既定承認者テーブルの承認者番号と同様である。
【0090】
表示時間は、決裁装置10によってカウントされた承認者端末における各申請の決裁書類の表示時間を示し、単位は秒である。即ち、CPU11はカウント時間を各申請の承認者毎に保存、管理する。
【0091】
時間管理テーブルにおけるステータスは、そのステータスを有する文書No及び承認者番号によって特定される決裁処理の現在の状態を示し、例えば「未決裁」、「承認」、「不承認」、「差し戻し」又は「決裁中」のいずれか一つのレコードを有する。「未決裁」の場合、その決裁処理がまだ開始していないことを示す。「承認」、「不承認」及び「差し戻し」の場合はその決裁処理がそれぞれ承認、不承認及び差し戻しされたことを示す。「承認」、「不承認」及び「差し戻し」の場合、CPU11は表示時間を時間管理テーブルに保存する。
【0092】
「決裁中」の場合、その決裁処理は開始されたが、まだ完了していないことを示す。例えば、承認者端末32によって一度決裁書類画面が表示されたものの、その後承認者が「承認」、「不承認」及び「差し戻し」のいずれも操作せずに決裁書類画面の表示を終了させた場合、所謂決裁処理の中断等が挙げられる。この場合、CPU11は、決裁書類画面の表示が終了したタイミングでのカウント時間を時間管理テーブルの表示時間のレコードに保存し、以後同じ承認者による同じ申請の決裁書類内容を表示する決裁書類画面の再表示が行われた際のカウントにおいて、時間管理テーブルの表示時間に保存された表示時間からの累計時間をカウントする。
【0093】
各確認項目のチェックボックス60のON/OFF状態のチェック処理及び決裁書類の表示時間チェック処理が終了し、いずれのチェック処理においても警告画面の表示に至らなかった場合、CPU11は承認処理を行う。承認処理は、次の承認者がいる場合、次の承認者による決裁処理に移行する。具体的には、その申請の文書テーブルの現在承認者を、既定承認者テーブルに基づいて次の承認者に更新し、次の承認者に決裁処理を要求する旨を送信する処理を行う。次の承認者がいない場合、その申請の文書テーブルのステータスを「決裁終了」に変更してその申請に対する全ての決裁処理が終了した旨を反映する。
【0094】
決裁書類画面において「不承認」ボタンが操作された場合、CPU11は不承認処理を行う。具体的には、CPU11は、文書テーブル及び時間管理テーブルのステータスを「不承認」に更新し、カウント時間を時間管理テーブルに保存し、申請者に対して申請が不承認となった旨を送信する処理を行う。
【0095】
決裁書類において「差し戻し」ボタンが操作された場合、CPU11は差し戻し処理を行う。具体的には、CPU11は、文書テーブル及び時間管理テーブルのステータスを「差し戻し」に更新し、カウント時間を時間管理テーブルに保存し、申請者に対して申請が差し戻しされた旨を送信する処理を行う。
【0096】
「不承認」又は「差し戻し」のいずれのボタンの操作時、CPU11はそのボタンの操作内容を確認する確認画面を承認者端末に表示させる。その後、承認者端末から確認画面に対する「OK」ボタンの操作があった旨を受信すると、CPU11はボタンの操作内容に対応した処理を行う。
さらに、「承認」、「不承認」又は「差し戻し」のいずれのボタンの操作時であっても、CPU11は決裁書類画面で入力されたチェックボックス60のON/OFF状態及び承認者コメントを承認ステータステーブルに反映して保存する。
【0097】
具体的には、「承認」、「不承認」又は「差し戻し」のいずれのボタンの操作時、承認者端末32はメモリ内の文書No、承認者番号、文書種類、各確認項目の項目番号、チェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントならびに操作したボタンの種類を示すデータを決裁装置10に送信する。CPU11は、承認者端末32から送信されたデータに基づき、承認ステータステーブル、時間管理テーブル及び文書テーブルを更新する。
【0098】
決裁処理の中断があった場合、中断前に入力されたチェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントは、承認ステータステーブルに反映される。即ち、中断時には承認者端末32はメモリ内の文書No、承認者番号、文書種類、各確認項目の項目番号ならびにチェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントを決裁装置10に送信し、CPU11は承認ステータステーブル、時間管理テーブル及び文書テーブルを更新する。
【0099】
次に、差し戻しされた決裁書類の修正処理について説明する。
決裁書類の修正処理において、CPU11は申請者端末31に差し戻し書類選択画面及び修正書類画面を表示させる。申請者は、差し戻し書類選択画面において申請内容の修正即ち決裁書類の内容変更を行う決裁書類を選択でき、選択した決裁書類について修正書類画面において決裁書類の内容変更を行うことができる。
【0100】
図19に、差し戻し書類選択画面の一例を示す。
図19に示すように、差し戻し書類選択画面は、各申請の文書No、日付、文書種類をテーブル形式で表示する。差し戻し書類選択画面の文書No、日付及び文書は、文書テーブルの文書No、日付及び文書と同様である。差し戻し書類選択画面の文書種類は、文書テーブルの文書種類のレコードが示す番号に対応した文書種類テーブルにおける文書種類のレコード内容である。
【0101】
差し戻し書類選択画面には、その申請者による申請について差し戻し処理されたものが表示される。CPU11は、その申請者名を含み、かつ、ステータスが「差し戻し」である文書テーブルのレコードの組の文書No、日付、文書及び文書種類の各レコードを申請者端末31に送信し、差し戻し書類選択画面として表示させる。
【0102】
申請者は、差し戻し書類選択画面において修正処理を行う申請内容を示す横並びの一行のいずれかを選択して「OK」ボタンを操作することで、修正を行う対象とする申請を選択できる。CPU11は、差し戻し書類選択画面において選択された申請に対応するデータを申請者端末に送信して、申請者端末に修正書類画面を表示させる。このとき、決裁装置10から申請者端末31に送信されるデータは、決裁書類画面表示時に決裁装置10から承認者端末32に送信されるデータと同様である。
【0103】
図20に、修正書類画面の一例を示す。
修正書類画面は、決裁書類画面と同様、その申請の決裁書類の文書データ並びに各確認項目に関する情報を表示する。
修正書類画面では、決裁書類の文書データの内容を変更して保存できる。
【0104】
修正書類画面は、決裁書類画面と同様、各確認項目についての情報として、ページ、項目名、「人」及びコメントの欄を有し、それぞれ対応する内容を表示する。修正書類画面では、申請者コメントの内容を変更できる。承認者コメントを変更することはできない。
【0105】
修正書類画面では、確認項目と文字列との対応付け内容も変更できる。図20に示すように、各確認項目についての情報の左側に各確認項目が表示されており、申請者によって確認項目のいずれか一つが選択されると、選択された確認項目にフォーカスが当たると共にその確認項目に対応付けられた文字列を囲う枠が色つきで表示される。その後、申請者によって新たに文字列に対するドラッグアンドドロップ操作が行われると、新たにドラッグアンドドロップが行われた範囲をその確認項目に対応付けるための始点座標及び終点座標の更新が行われる。
【0106】
修正書類画面は「OK」及び「キャンセル」ボタンを有し、「OK」ボタンが操作されると、修正対象である申請の文書No、変更された文書データ並びに各確認項目の項目番号、始点座標、終点座標及び申請者コメントが申請者端末31から決裁装置10に送信される。CPU11は、修正された申請についてデータを受信すると、承認ステータステーブル及び項目表示テーブルの各レコードを変更された各確認項目に応じて更新し、その文書Noを有する文書テーブルのステータスを「修正済み」に更新し、文書データを更新する。そして、その文書Noを有する文書テーブルの文書種類に応じた最初の承認者に決裁処理を要求する旨を送信する処理を行う。
【0107】
修正後の申請については、最初の承認者から再決裁処理が行われる。二人目以降の承認者が申請を差し戻し、それ以前の承認者が申請を承認していても、最初の承認者から再決裁処理が行われる。再決裁処理においては、決裁書類の表示時間チェック処理は行われない。再決裁処理は、文書決裁処理部25の機能による。
【0108】
再決裁処理において、承認者は自分が過去に入力した承認者コメントを変更することができ、申請者コメント及び他の承認者コメントは変更することができない。
【0109】
次に、決裁装置10の動作について、図21及至図31のフローチャートを用いて説明する。
図21は、決裁装置10の主要動作を示すフローチャートである。
決裁装置10は、申請者端末31又は承認者端末32からのデータ待ち状態で待機する(ステップS1)。その後、いずれかの端末からの処理要求及び端末利用者情報を取得すると(ステップS2)、決裁装置10はステップS2で得た処理要求に応じた処理を行う。具体的には、処理要求が申請者端末31からの決裁書類登録画面の表示要求であった場合(ステップS3:YES)、決裁装置10は、文書登録処理を行う(ステップS4)。処理要求が決裁書類登録画面の表示要求でなく(ステップS3:NO)、承認者端末32からの決裁書類選択画面の表示要求であった場合(ステップS5:YES)、決裁装置10は、決裁処理を行う(ステップS6)。処理要求が決裁書類登録画面の表示要求でなく(ステップS3:NO)、決裁書類選択画面の表示要求でなく(ステップS5:NO)、申請者端末31からの差し戻し書類選択画面の表示要求であった場合(ステップS7:YES)、決裁装置10は、決裁書類の修正処理を行う(ステップS8)。処理要求が決裁書類登録画面の表示要求でなく(ステップS3:NO)、決裁書類選択画面の表示要求でなく(ステップS5:NO)、差し戻し書類選択画面の表示要求でもなかった場合(ステップS7:NO)、決裁装置10は、決裁中データ保存処理を行う(ステップS9)。
【0110】
図22は、図21のステップS4に示す決裁書類登録処理の動作を示すフローチャートである。
CPU11は、決裁書類登録画面を表示するためのデータを申請者端末31に送信する(ステップS11)。その後、申請者端末からのデータ待ち状態で待機し(ステップS12)、選択された決裁書類のデータ要求を受信すると(ステップS13)、CPU11はDBから文書種類テーブル及び既定条件テーブルを全て取得し(ステップS14)、ステップS14で取得した文書種類、項目番号及び項目名のデータを申請者端末31に送信する(ステップS15)。その後、申請者端末31からのデータ待ち状態で待機し(ステップS16)、申請者端末31から決裁書類の登録処理要求及び図10に示す登録に伴う申請者端末31のメモリ内データを受信すると(ステップS17)、CPUは決裁書類データ登録処理を行う(ステップS18)。
【0111】
図23は、図22のステップS18に示す決裁書類データ登録処理の動作を示すフローチャートである。
CPU11は、ステップS17で送信された情報と、各テーブルデータ及びシステム日付に基づき、文書テーブルに新たなレコードの組を追加する(ステップS21)。その後、CPU11は項目番号カウンタNを初期値1でメモリ12に設定し(ステップS22)、項目表示場所テーブルに項目番号Nのレコードを追加する(ステップS23)。そして、CPU11はステップS17で送信されたデータに含まれる文書種類に該当する文書種類レコードを有する項目−承認者テーブルのうち、項目番号Nのレコードの組を取得する(ステップS24)。ステップS24において取得に失敗した場合(ステップS25:NO)、CPU11はステップS17で送信されたデータに含まれる文書種類レコードと同一の文書種類レコードを有し、かつ項目番号Nの既定承認者テーブルのレコードの組を全て取得し(ステップS26)、取得したレコードの組に含まれる各承認者の項目番号Nのレコードとして承認ステータステーブルに追加する(ステップS27)。ステップS24において取得に成功した場合(ステップS25:NO)、ステップS24で取得したデータに含まれる各承認者についてステップS27の処理を行う。
【0112】
その後、CPU11はNがステップS17で送信された確認項目の項目数と一致するかどうか判定する(ステップS28)。Nが項目数と一致する場合(ステップS28:YES)、その文書Noの時間管理テーブルのレコードを、ステータス「未決裁」、表示時間は空(値なし)で追加し(ステップS29)、ステップS17で送信された文書種類と同一の文書種類のレコードを有する既定承認者テーブルの最初の承認者に決裁処理を要求する旨のデータを送信する(ステップS30)。
ステップS28において、Nが項目数と一致しない場合(ステップS28:NO)、CPU11はNに1を加算し(ステップS31)、ステップS23の処理に戻る。
【0113】
図24は、図21のステップS6に示す決裁処理の動作を示すフローチャートである。図24(a)はステップS41〜ステップS50、ステップS69及びステップS70を、図24(b)はステップS51〜ステップS62を、図24(c)はステップS63〜ステップS68を示す。
CPU11は、決裁書類選択画面の表示要求を行った承認者が現在承認者である決裁書類の情報、即ち文書テーブルのレコードの組及び文書種類テーブルの文書種類レコードのデータを取得し(ステップS41)、決裁書類選択画面を表示させるデータとして承認者端末32に送信する(ステップS42)。その後、承認者端末32からのデータ待ち状態で待機し(ステップS43)、承認者端末32から選択された決裁書類の情報を受信すると(ステップS44)、CPU11は決裁書類データ取得処理を行う(ステップS45)。
【0114】
図25は、図24のステップS45に示す決裁書類データ取得処理の動作を示すフローチャートである。
CPU11は、選択された申請に対応する文書テーブルの文書Noを取得し、その文書Noの現在承認者及び文書種類を取得し(ステップS71)、その文書種類に対応する種類番号を有する文書種類テーブルのデータから承認時間を取得し(ステップS72)、既定承認者テーブルから文書種類が一致する承認者番号及び承認者名を取得し(ステップS73)、文書Noが一致するレコードの組を承認ステータステーブルから取得し(ステップS74)、文書Noが一致し、かつ、取得した承認ステータステーブルのレコードに項目番号がある項目表示テーブルのレコードの組を取得し(ステップS75)、文書Noが一致するレコードの組を時間管理テーブルから取得し(ステップS76)、文書種類が一致し、かつ、承認ステータステーブルのレコードに項目番号がある既定条件テーブルのレコードを取得する(ステップS77)。
【0115】
ステップS45の決裁書類データ取得処理後、CPU11はステップS76で取得した時間管理テーブルのステータスが「差し戻し」又は「承認」であるかどうか判定する(ステップS46)。ステップS76で取得した時間管理テーブルのステータスが「差し戻し」又は「承認」でない場合(ステップS46:NO)、CPU11はステップS76で取得した時間管理テーブルのステータスが「決裁中」であるかどうか判定する(ステップS47)。ステップS76で取得した時間管理テーブルのステータスが「決裁中」でない場合(ステップS47:NO)、CPU11は時間カウンタによるカウントをゼロから開始する(ステップS48)。ステップS76で取得した時間管理テーブルのステータスが「決裁中」である場合(ステップS47:YES)、CPU11は時間カウンタによるカウントを時間管理テーブルの承認時間から開始する(ステップS49)。そして、CPU11はステップS45の決裁書類データ取得処理で得たデータに基づき承認者端末32に決裁書類画面を表示させるためのデータを送信する(ステップS50)。
【0116】
その後、承認者端末32からのデータ待ち状態で待機し(ステップS51)、承認者端末32から決裁書類画面のいずれかのボタンを操作した際の送信データ、即ち文書No、承認者番号、文書種類、チェックボックス60がONである確認項目数、及び操作したボタンの種類を示すデータを受信すると(ステップS52)、CPU11はチェックボックス60がONである確認項目数がその承認者が確認すべき確認項目数と一致するか判定する(ステップS53)。一致する場合(ステップS53:YES)、CPU11は操作されたボタンが「承認」であるか判定する(ステップS54)。「承認」である場合(ステップS54:YES)、CPU11は時間カウンタからカウント値を取得し(ステップS55)、時間カウンタのカウント値が文書種類テーブルの承認時間に決裁書類のページ数を乗じた値以上であるか判定する(ステップS56)。時間カウンタのカウント値が文書種類テーブルの承認時間に決裁書類のページ数を乗じた値以上である場合(ステップS56:YES)、CPU11は承認処理を行なう(ステップS57)。承認処理については後述する。
【0117】
ステップS56において、時間カウンタのカウント値が文書種類テーブルの承認時間に決裁書類のページ数を乗じた値未満である場合(ステップS56:NO)、CPU11は警告画面を申請者端末に表示させる要求を行う送信(警告画面表示要求送信)を行い(ステップS58)、ステップS51の処理に戻る。
【0118】
ステップS54において「承認」でない場合(ステップS54:NO)、CPU11は操作されたボタンが「不承認」であるか判定する(ステップS59)。「不承認」である場合(ステップS59:YES)、CPU11は不承認処理を行なう(ステップS60)。ステップS59において「不承認」でない場合(ステップS59:NO)、CPU11は差し戻し処理を行う(ステップS61)。ステップS57、ステップS59又はステップS60の処理後、CPU11は時間カウンタをクリアする(ステップS62)。
【0119】
ステップS53において、一致しない場合(ステップS53:NO)、CPU11は操作されたボタンが「不承認」又は「差し戻し」であるかどうか判定する(ステップS63)。「不承認」又は「差し戻し」である場合、CPU11は承認者端末32に対してボタン操作の内容を確認する確認画面の表示要求送信を行い(ステップS64)、承認者端末32からのデータ待ち状態で待機する(ステップS65)。その後、ステップS59の表示要求送信により承認者端末32に表示された確認画面に対する入力内容を受信すると(ステップS66)、CPU11は確認情報が「OK」ボタンの操作を示す内容であるか否か判定する(ステップS67)。「OK」である場合(ステップS67:YES)、ステップS54の処理へ移行する。ステップS67において「OK」でない場合(ステップS67:NO)、ステップS51の処理に戻る。
【0120】
ステップS63において「不承認」又は「差し戻し」でない場合(ステップS63:NO)、CPU11は警告画面表示要求送信を行う(ステップS68)。なお、ステップS58の警告画面表示要求送信は決裁書類の閲覧時間に関する警告を、ステップS68の警告画面表示要求は確認項目のチェック漏れに関する警告を表示させるための要求送信である。
【0121】
ステップS46において、ステップS76で取得した時間管理テーブルのステータスが「差し戻し」又は「承認」である場合(ステップS46:YES)、CPU11はステップS45の決裁書類データ取得処理で得たデータに基づき承認者端末32に決裁書類画面を表示させるためのデータを送信する(ステップS69)。ステップS69においては、ステップS45の決裁書類データ取得処理で得たデータにおいて以前の決裁処理によるチェックボックス60のチェック状態を示すデータが承認ステータステーブルに含まれていたとしても、そのチェック状態は反映しない。その後、CPU11は再決裁処理を行う(ステップS70)。
【0122】
図26は、図24(a)のステップS70に示す再決裁処理の動作を示すフローチャートである。
再決裁処理は、図24(b)、(c)に示すステップS50〜ステップS68の処理のうち、ステップS55、ステップS56、ステップS58及びステップS62を省略した処理である。具体的には、ステップS54において「承認」であった場合(ステップS54:YES)、CPU11は承認処理を行う(ステップS57)。ステップS57、ステップS59又はステップS60の処理後、再決裁処理を終了する。
【0123】
図27は、図24(b)及び図26のステップS57に示す承認処理の動作を示すフローチャートである。
CPU11は各確認項目の項目番号、チェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントの送信を承認者端末32に要求し(ステップS81)、承認者端末32からのデータ待ち状態で待機する(ステップS82)。その後、承認者端末32からチェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントを受信すると(ステップS83)、CPU11はその申請の文書Noであって、かつ、その承認者の申請者番号である時間管理テーブルのステータスを「承認」に更新し、表示時間をステップS55で得たカウント値に更新する(ステップS84)。そして、CPU11は、ステップS83で受信したデータに基づき承認ステータステーブルにチェックボックス60のON/OFF状態及び承認者コメントを反映する(ステップS85)。
【0124】
そして、CPU11は、既定承認者テーブルから次の承認者を取得し(ステップS86)、次の承認者がいる場合(ステップS87:YES)、文書テーブルの現在承認者を次の承認者に更新し(ステップS88)、次の承認者に決裁処理の要求を送信する(ステップS89)。ステップS86において、次の承認者が取得できない場合、即ち次の承認者がいない場合(ステップS87:NO)、文書テーブルのステータスを「決裁終了」に更新し(ステップS90)、申請者に決裁終了の旨を示す通知を送信する(ステップS91)。
【0125】
図28は、図24(b)及び図26のステップS60に示す不承認処理の動作を示すフローチャートである。
CPU11は各確認項目の項目番号、チェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントの送信を承認者端末32に要求し(ステップS101)、承認者端末32からのデータ待ち状態で待機する(ステップS102)。その後、承認者端末32からチェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントを受信すると(ステップS103)、CPU11は時間カウンタからカウント値を取得し(ステップS104)、その申請の文書Noであって、かつ、その承認者の申請者番号である時間管理テーブルのステータスを「不承認」に、表示時間をステップS104で得たカウント値に更新する(ステップS105)。そして、CPU11はステップS103で受信したデータに基づき承認ステータステーブルにチェックボックス60のON/OFF状態及び承認者コメントを反映する(ステップS106)。そして、CPU11は、文書テーブルのステータスを「不承認」に更新し(ステップS107)、申請者に不承認の旨を示す通知を送信する(ステップS108)。
【0126】
図29は、図24(b)及び図26のステップS61に示す差し戻し処理の動作を示すフローチャートである。
CPU11は各確認項目の項目番号、チェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントの送信を承認者端末32に要求し(ステップS111)、承認者端末32からのデータ待ち状態で待機する(ステップS112)。その後、承認者端末32からチェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントを受信すると(ステップS113)、CPU11は時間カウンタからカウント値を取得し(ステップS114)、その申請の文書Noであって、かつ、その承認者の申請者番号である時間管理テーブルのステータスを「差し戻し」に、表示時間をステップS114で得たカウント値に更新する(ステップS115)。そして、CPU11はステップS113で受信したデータに基づき承認ステータステーブルにチェックボックス60のON/OFF状態及び承認者コメントを反映する(ステップS116)。そして、CPU11は、文書テーブルのステータスを「差し戻し」に、現在承認者を空(値なし)に更新し(ステップS117)、申請者にその申請が差し戻しされた旨を示す通知を送信する(ステップS118)。
【0127】
図30は、図21のステップS9に示す決裁中データ保存処理の動作を示すフローチャートである。
CPU11は各確認項目の項目番号、チェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントの送信を承認者端末32に要求し(ステップS121)、承認者端末32からのデータ待ち状態で待機する(ステップS122)。その後、承認者端末32からチェックボックス60のON/OFF及び承認者コメントを受信すると(ステップS123)、CPU11は受信したデータに基づき承認ステータステーブルにチェックボックス60のON/OFF状態及び承認者コメントを反映する(ステップS124)。そして、CPU11は時間カウンタからカウント値を取得し(ステップS125)、その申請の文書Noであって、かつ、その承認者の申請者番号である時間管理テーブルのステータスを「決裁中」に、表示時間をステップS125で得たカウント値に更新する(ステップS126)。
【0128】
図31は、図21のステップS8に示す決裁書類の修正処理の動作を示すフローチャートである。
申請者端末31から、差し戻し書類選択画面の表示要求を受信すると、CPU11は、文書テーブルの申請者名がその申請者であって、ステータスが「差し戻し」のレコードの組及び文書種類テーブルの文書種類レコードを取得し(ステップS131)、差し戻し書類選択画面を表示するためのデータを申請者端末31に送信する(ステップS132)。その後、CPU11は申請者端末31からのデータ待ち状態で待機し(ステップS133)、申請者端末31から選択された差し戻し書類の情報を受信すると(ステップS134)、選択された差し戻し書類に関する情報、即ち選択された差し戻し書類の文書No、文書データ、文書種類、申請者名ならびに各確認項目の項目番号、項目名、申請者コメント、承認者コメント、始点座標、終点座標、ステータス及びページを取得し(ステップS135)、修正書類画面を表示させるためのデータとして送信する(ステップS136)。その後、CPU11は申請者端末31からのデータ待ち状態で待機し(ステップS137)、修正された決裁書類ならびに各種データ、即ち文書レコードの文書No、変更された文書データ並びに各確認項目の項目番号、始点座標、終点座標及び申請者コメントを受信すると(ステップS138)、ステップS138で得た情報に基づき文書テーブル、承認ステータステーブル及び項目表示場所テーブルを更新し(ステップS139)、既定承認者テーブルにおける最初の承認者に決裁処理の要求を送信する(ステップS140)。
【0129】
本実施形態によれば、決裁書類の確認項目に対応付けられた文字列右下のチェックボックス60が全てONである場合、承認処理を行うことができ、チェックボックス60が全てONでない場合、承認処理を行うことができないので、承認者は全ての確認項目の内容を確認しなければ承認処理を行なうことができない。即ち、承認者に全ての確認項目の内容を確認するよう促す効果を発揮し、承認者による申請内容の確認の漏れを防止しうる決裁システム1を提供することができる。
【0130】
さらに、確認項目を決裁書類の任意の文字列と対応付けることができるので、申請者は決裁書類の内容のうち、特に重要な箇所等、確認を強く促したい部分について任意に確認項目を設けることができる。即ち、申請者が承認者に対してより確実に内容の把握、理解を求めたい内容について確認するよう促す効果を発揮し、承認者による申請内容の確認の漏れを防止しうる決裁システム1を提供することができる。
【0131】
さらに、申請者及び承認者は、各確認項目に任意のコメントを設定できるので、確認項目の設定やチェックボックス60のON/OFFのみでは意思伝達が難しい具体的内容を付記することができる。即ち、申請者と承認者は互いの意思疎通をより確実に行うことができ、承認者が申請内容を十分に確認することを一層促すことができる。加えて、コメントを活用することで申請者が承認者の決裁書類に対する理解を助けることができることに加え、承認者が決裁書類に対して不承認又は差し戻しした場合の理由を明確に申請者に伝えることができるので、決裁処理における意思疎通の一層の円滑化を行うことができ、結果として決裁処理の円滑化をもたらす効果を発揮する。
【0132】
さらに、申請者コメントと承認者コメントは個別に管理されるので、申請者と承認者それぞれのコメントについて容易に把握することができる。
【0133】
さらに、申請者コメント及び承認者コメントは変更可能であるので、コメントの設定後であってもコメントの内容を改定、改善することができる。
加えて、申請者コメントは申請者のみ、承認者コメントは承認者のみ変更できるので、申請者又は承認者のいずれか一方が他方のコメントを変更することはなく、両者のコメントを確実に保存できる。
【0134】
さらに、承認者端末32による決裁書類画面の表示時間のカウント時間が、予め定められた承認時間に決裁書類のページ数を乗じた時間に満たない場合、承認処理を禁止し、満たした場合に承認処理を許可するので、承認者に対して十分な時間をかけて確実に決裁書類の内容を確認するよう促す効果を発揮する。即ち、承認者による申請内容の確認の漏れを防止しうる決裁システム1を提供することができる。
【0135】
さらに、承認者端末32による決裁書類画面の表示時間のカウント時間が、予め定められた承認時間に決裁書類のページ数を乗じた時間に満たない場合、決裁書類の閲覧時間が規定された時間に満たない旨を示す警告画面を承認者端末に表示させるので、承認者は承認処理が禁止された理由について容易に把握することができると共に、十分な時間をかけて確実に決裁書類の内容を確認するよう要請されていることを把握できる。即ち、承認者が申請内容を十分に確認するよう促すことができ、承認者による申請内容の確認の漏れを防止しうる決裁システム1を提供することができる。
【0136】
なお、本実施の形態における記述は、本発明の一例を示すものであり、これに限定しない。
例えば、前述の実施形態においてDB13は決裁装置10の構成として設けられているが、外部のデータベースを用いてもよい。
【0137】
申請者端末31及び承認者端末32の利用者を決裁装置10が識別する方法として本実施形態ではログイン処理を挙げているが、他の識別方法によってもよい。例えば、各申請者及び各承認者に個別の端末を割り当て、各端末が有する固有の情報(例えばMACアドレス等)を用いて識別する等の方法が挙げられる。
【0138】
申請者端末31及び承認者端末が決裁装置の送信データを解釈する構成としてブラウザ53を用いているが、他の方法によってもよい。例えば専用のソフトウェアとそのソフトウェア専用のデータによってもよいし、専用のソフトウェアに代えて専用の装置を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の実施形態による決裁装置を有する決裁システムの主要構成を示す。
【図2】申請者端末及び承認者端末の機能ブロック図を示す。
【図3】決裁システムの基本動作を示すフローチャートである。
【図4】決裁書類登録画面の構成を示す図である。
【図5】文書種類の選択時における決裁書類登録画面の表示内容の一例を示す図である。
【図6】文書種類テーブルの一例を示す図である。
【図7】確認項目が表示された決裁書類登録画面の一例を示す図である。
【図8】既定条件テーブルの一例を示す図である。
【図9】項目表示場所テーブルの一例を示す図である。
【図10】決裁書類の登録における申請者端末のメモリ内データの推移を示す図である。
【図11】文書テーブルの一例を示す図である。
【図12】承認ステータステーブルの一例を示す図である。
【図13】既定承認者テーブルの一例を示す図である。
【図14】項目−承認者関係テーブルの一例を示す図である。
【図15】決裁書類選択画面の一例を示す図である。
【図16】決裁書類画面表示時に決裁装置10が取得するデータの構成を示す図である。図16(a)〜図16(f)にかけてデータ取得処理が進行する。
【図17】決裁書類画面の一例を示す図である。
【図18】時間管理テーブルの一例を示す図である。
【図19】差し戻し書類選択画面の一例を示す図である。
【図20】修正書類画面の一例を示す図である。
【図21】決裁装置10の主要動作を示すフローチャートである。
【図22】図21のステップS4に示す決裁書類登録処理の動作を示すフローチャートである。
【図23】図22のステップS18に示す決裁書類データ登録処理の動作を示すフローチャートである。
【図24(a)】図21のステップS6に示す決裁処理の動作を示すフローチャートのうち、ステップS41〜ステップS50、ステップS69及びステップS70を示す。
【図24(b)】図21のステップS6に示す決裁処理の動作を示すフローチャートのうち、ステップS51〜ステップS62を示す。
【図24(c)】図21のステップS6に示す決裁処理の動作を示すフローチャートのうち、ステップS63〜ステップS68を示す。
【図25】図24のステップS45に示す決裁書類データ取得処理の動作を示すフローチャートである。
【図26】図24(a)のステップS70に示す再決裁処理の動作を示すフローチャートである。
【図27】図24(b)及び図26のステップS57に示す承認処理の動作を示すフローチャートである。
【図28】図24(b)及び図26のステップS60に示す不承認処理の動作を示すフローチャートである。
【図29】図24(b)及び図26のステップS61に示す差し戻し処理の動作を示すフローチャートである。
【図30】図21のステップS9に示す決裁中データ保存処理の動作を示すフローチャートである。
【図31】図21のステップS8に示す決裁書類の修正処理の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0140】
10 決裁装置
11 CPU
12 メモリ
13 データベース(DB)
21 情報送信処理部
22 情報受信処理部
23 新規文書登録処理部
24 修正文書登録処理部
25 文書決裁処理部
26 テーブル管理部
31 申請者端末
32 承認者端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
申請者端末に申請内容を表示させる第1の表示制御手段と、
前記申請者端末からの入力内容に基づき前記申請内容に確認項目を設定する確認項目設定手段と、
前記申請内容に対する決裁処理を行う承認者端末に前記申請内容及び前記確認項目を表示させる第2の表示制御手段と、
前記承認者端末から前記確認項目に対して入力された内容を記憶する記憶手段と、
前記確認項目に対して入力された内容に基づき前記承認者端末による申請内容の承認の可否を決定する承認可否決定手段と、
を備えることを特徴とする決裁装置。
【請求項2】
前記確認項目設定手段は、前記申請内容に含まれる任意の文字列に対して前記確認項目の設定を行うことを特徴とする請求項1に記載の決裁装置。
【請求項3】
前記申請者端末又は前記承認者端末に対する入力に基づき、前記確認項目に任意のコメントを設定するコメント設定手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の決裁装置。
【請求項4】
前記申請者端末に対する入力に基づくコメントと、前記承認者端末に対するコメントとは個別に設定されることを特徴とする請求項3に記載の決裁装置。
【請求項5】
前記申請者端末又は前記承認者端末に対する入力に基づき設定されたコメントの内容を変更するコメント変更手段を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の決裁装置。
【請求項6】
前記承認者端末に前記申請内容が表示された時間を計測する計測手段と、
前記承認の際に前記計測手段によって計測された時間が所定の時間に満たない場合、承認を禁止する承認禁止手段を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の決裁装置。
【請求項7】
前記承認の際に前記計測手段によって計測された時間が所定の時間に満たない場合、前記承認者端末に対して警告を通知する警告手段を備えることを特徴とする請求項6に記載の決裁装置。
【請求項8】
コンピュータを、
申請者端末に申請内容を表示させる第1の表示制御手段、
前記申請者端末からの入力内容に基づき前記申請内容に確認項目を設定する確認項目設定手段、
前記申請内容に対する決裁処理を行う承認者端末に前記申請内容及び前記確認項目を表示させる第2の表示制御手段、
前記承認者端末から前記確認項目に対して入力された内容を記憶する記憶手段、
前記確認項目に対して入力された内容に基づき前記承認者端末による申請内容の承認の可否を決定する承認可否決定手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
申請者端末に申請内容を表示させる第1の表示制御手段と、
前記申請者端末からの入力内容に基づき前記申請内容に確認項目を設定する確認項目設定手段と、
前記申請内容に対する決裁処理を行う承認者端末に前記申請内容及び前記確認項目を表示させる第2の表示制御手段と、
前記承認者端末から前記確認項目に対して入力された内容を記憶する記憶手段と、
前記確認項目に対して入力された内容に基づき前記承認者端末による申請内容の承認の可否を決定する承認可否決定手段と、
を備えることを特徴とする決裁装置。
【請求項2】
前記確認項目設定手段は、前記申請内容に含まれる任意の文字列に対して前記確認項目の設定を行うことを特徴とする請求項1に記載の決裁装置。
【請求項3】
前記申請者端末又は前記承認者端末に対する入力に基づき、前記確認項目に任意のコメントを設定するコメント設定手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の決裁装置。
【請求項4】
前記申請者端末に対する入力に基づくコメントと、前記承認者端末に対するコメントとは個別に設定されることを特徴とする請求項3に記載の決裁装置。
【請求項5】
前記申請者端末又は前記承認者端末に対する入力に基づき設定されたコメントの内容を変更するコメント変更手段を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の決裁装置。
【請求項6】
前記承認者端末に前記申請内容が表示された時間を計測する計測手段と、
前記承認の際に前記計測手段によって計測された時間が所定の時間に満たない場合、承認を禁止する承認禁止手段を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の決裁装置。
【請求項7】
前記承認の際に前記計測手段によって計測された時間が所定の時間に満たない場合、前記承認者端末に対して警告を通知する警告手段を備えることを特徴とする請求項6に記載の決裁装置。
【請求項8】
コンピュータを、
申請者端末に申請内容を表示させる第1の表示制御手段、
前記申請者端末からの入力内容に基づき前記申請内容に確認項目を設定する確認項目設定手段、
前記申請内容に対する決裁処理を行う承認者端末に前記申請内容及び前記確認項目を表示させる第2の表示制御手段、
前記承認者端末から前記確認項目に対して入力された内容を記憶する記憶手段、
前記確認項目に対して入力された内容に基づき前記承認者端末による申請内容の承認の可否を決定する承認可否決定手段、
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24(a)】
【図24(b)】
【図24(c)】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24(a)】
【図24(b)】
【図24(c)】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2010−79695(P2010−79695A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248641(P2008−248641)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]