説明

沈降シリカ生成物、それらを含む歯磨き剤および方法

多孔質シリカ粒子を含む沈降シリカであって、前記多孔質シリカ粒子は、直径が500Å超の全ての孔に関して、累積表面積が8m2/g未満(水銀圧入法によって測定)であり、百分率塩化セチルピリジニウム(%CPC)適合性が約55%超である。本沈降シリカ生成物は、特に、塩化セチルピリジニウムを含む歯磨き剤における使用によく適合し、この表面積が小さいシリカ生成物に有意義なレベルで付着しないため、抗菌作用が保持される。本シリカ生成物の製造方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
関連出願のクロスリファレンス
本願は、2003年2月14日付で出願された先の米国特許出願第10/366,604号の一部継続出願であり、その全体は参照により開示に含まれる。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、沈降非晶質シリカ、および、その製造方法に関する。沈降シリカは、特に、塩化セチルピリジニウムを含む歯磨き剤での使用によく適合する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
現代の歯磨き剤は、制御された機械式の歯の洗浄およびポリッシングのための研磨物質や、場合により化学洗浄剤を含むことが多く、その他の一般的な成分としては、例えば、潤滑剤、フレーバー、治療成分、例えば齲歯予防薬、レオロジー調節剤、結合剤、保存剤、色素、および、発泡剤(sudsing agent)が挙げられる。口腔ケア製品はまた、治療剤(例えば抗菌剤)を含むことも多い。塩化セチルピリジニウム(「CPC」)は、この目的に用いられる抗菌剤であり、例えば、口内洗浄や練り歯磨き中に含まれる。歯磨き剤の製造業者にとって、悪臭の制御および/またはその他の治療作用のために、歯磨き剤用途に抗菌剤を取り入れたいという要望が高まっており、CPCが、より好ましいものの一つである。CPCは、費用効率が高く、一般的に安全と認識されている。それに対して、現在のところ歯磨き剤に用いられている数種の代替の抗菌剤は、数種の細菌株における抗生物質への耐性の増加に寄与する可能性について、より一層の精査が行われている。CPCは、このような健康上の問題に関与していないと考えられている。
【0004】
CPCは、カチオン性(「正」)の電荷を有する化合物である。CPCの抗菌作用は、一般的に、口内に存在する細菌の細胞上で、アニオン性(「負」)の電荷を有するタンパク質成分に結合する能力によるものと理解されている。このCPCの付着メカニズムは、細菌の正常な細胞の機能の崩壊を引き起こし、プラーク形成およびその他の細菌性の作用の予防に寄与する。
【0005】
歯磨き剤にCPCを使用する際に生じる問題は、CPCは、負電荷を有する表面に無差別に結合する傾向があるということであった。特に、負電荷を有する表面を含む練り歯磨き剤に共通の成分もまた、なんらかの抗菌作用を発揮する前に、CPCに結合する可能性がある。これら標的ではない表面に一度結合すると、CPCは通常、有意義な抗菌作用をまったく発揮できなくなる。
【0006】
これに関して、歯磨き剤においてシリカが研磨剤としてよく用いられる。例えば、シリカの研磨作用は、歯から薄膜を除去するのに利用される。歯磨き剤に用いられる従来のシリカのほとんどが、負電荷を有する表面を有している。その結果として、このような従来のシリカ粉末にCPCが吸着する。上記で説明した理由のために、シリカまたはその他の歯磨き剤に共通の成分へのCPCの吸着は極めて望ましくない。
【0007】
米国特許第6,355,229号は、塩化グアール・ヒドロキシプロピルトリモニウムを含むCPC適合性の歯磨き剤を説明している。このグアール複合体は、負電荷を有する種への結合に対してより高い親和性を有する。これは、アニオン性成分に選択的に結合することによって、CPCを遊離状態にし、プラークへの結合を可能にする。
【0008】
米国特許第5,989,524号は、フレーバー適合性のシリカを説明しており、これは、アルカリ金属ケイ酸塩と無機または有機の酸性物質との反応によって得られたシリカの表面を、シリカ表面のSi−OHシラノール基またはSiO−アニオン性基と水素またはイオン結合をつくることができる有機化合物を用いて処理することによって得られる。このような有機物質は、塩を除去する前または後にスラリー状のシリカに添加してもよいし、乾燥シリカに噴霧してもよい。
【0009】
多数の特許公報において、以下のような複合の合成シリカ粒子を製造する方法が説明されている。
【0010】
米国特許第2,731,326号は、キセロゲルを製造する方法を説明しており、この方法において、シリカゲルは、乾燥の際にゲルの孔が崩壊しないように安定化される。この方法は、二段階の沈降方法を含んでおり、第一段階において、シリカゲルが形成され、第二段階において、乾燥する際に孔が崩壊しないような十分な補強を提供するために、ゲル粒子上に高密度の非晶質シリカの層が形成される。ゲル粒子の粒度は、5〜150ミリミクロン(nm)の範囲であり、好ましくは、平均直径が5〜50ミリミクロンである。結果生じた網状の粒子を脱水、乾燥して、粉末状にすることができる。第2,731,326号の特許では、シリカ粒子の比表面積が200m2/g超の場合、水を有機性の液体で置き換えてシリカ粒子を脱水することが好ましいことが述べられている。第2,731,326号の特許は、好ましい比表面積60〜400m2/gを有するシリカ生成物を説明している。第2,731,326号の特許では、付着の方法を極端に行うとほとんど利益が得られないことを示す。第2,731,326号の特許の付着の方法による好ましい生成物は、元々の集合体の高密度の最終単位が、それらの同一性を失わずに元々の集合体構造を崩さないように制限される。
【0011】
米国特許第2,885,366号は、シリカ以外の粒子上にシリカの高密度の層を堆積させるのに用いられる方法を説明している。
【0012】
米国特許第2,601,235号は、層成のシリカ粒子を製造する方法を説明しており、ここで、シリカゾルの末端(heel)を60℃超で加熱することによって、高分子量のシリカの核が作製される。この核と、アルカリ金属ケイ酸塩を酸性化することによって製造された活性シリカの水性分散液とを混合し、この混合物を60℃超、pH8.7〜10で加熱し、活性シリカを核に付着させる。
【0013】
米国特許第5,968,470号は、制御された多孔度を有するシリカを合成する方法を説明している。この方法は、コロイドシリカ溶液へケイ酸塩と酸を添加することを含み、これに伴い、電解質(塩)を添加してもよいし、または添加しなくてもよい。多孔度は、反応の第一の工程で添加されたコロイドシリカの量に基づいて制御することができる。表面積が20〜300m2/g、CTAB比表面積が10〜200m2/g、吸油量(DBP)が80〜400m2/g、孔の体積が1〜10cm3/g、および、平均孔径が10〜50nmのシリカを合成することができる。この方法によって製造された材料の目的とする使用は、紙や触媒の市場においてである。
【0014】
米国特許第6,159,277号は、高密度の非晶質シリカのコアと、嵩高な非晶質シリカのシェルとの二重構造を有するシリカ粒子の形成方法を説明している。ゲルは、第一の工程で形成される。次に、このゲルを熟成させ、湿潤粉砕し、次に、アルカリ金属塩の存在下でケイ酸ナトリウムを添加することによって、粉砕したゲル粒子の表面上に非晶質シリカ粒子を形成することができる。得られた二重構造のシリカ材料の平均粒径は、2〜5μmであり、表面積は150〜400m2/gである。得られた材料は、ペイントやコーティングにおいてつや消し剤として用いるために改善された特性を有すると記載されている。
【0015】
歯磨き剤または口内洗浄組成物におけるシリカの使用を説明している特許公報としては、以下が挙げられる。
【0016】
米国特許第5,744,114号は、歯磨き剤組成物の配合に用いられるシリカ粒子を説明しており、このシリカ粒子は、少なくとも50%が亜鉛値と適合するような独特な表面の化学作用を有し、多数のOH基(OH/nm2として表される)が最大で15、ゼロ電荷点が3〜6.5である。第5,744,114号の特許は、ケイ酸塩と酸とを反応させて、シリカ懸濁液またはゲルを形成することによる、シリカ粒子を製造する方法を説明している。次に、ゲル/懸濁液を分離し、水で洗浄し、酸で処理し、pH7未満に調節する。
【0017】
米国特許第5,616,316号は、一般的な歯磨き剤成分とより適合性が高いシリカを説明している。多くのその他の成分に加えて、カチオン性アミンが記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
歯磨き剤における従来のシリカの使用に関連するその他の問題は、フレーバー適合性の問題を有することが多いということである。すなわち、従来のシリカは、同一の歯磨き剤に含まれるフレーバーと相互作用する傾向があり、それにより、フレーバーがなくなり、製品の風味が損なわれる。このような、歯磨き剤に数種の従来のシリカを使用する際に伴うフレーバーがなくなる問題は、消費者の満足という観点から極めて望ましくない。
【0019】
口内洗浄組成物(例えば歯磨き剤)において、各成分のそれぞれの機能を損なうことなく、CPCのような抗菌剤と共に用いることができるシリカが必要である。よりフレーバー適合性が高いシリカも必要である。一般的に、シリカ粒状体と歯磨き剤に含まれる望ましい添加剤や成分との相互作用を制限することが望ましい場合であれば、本発明で開示されたシリカは有用であり得る。本発明は、これらの必要性、および、以下の開示から容易に解明されると予想されるようなその他の必要性を満たしている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
発明の要約
本発明は、有益な方式で表面が改変されたシリカ粒子を含む特定のシリカ生成物に関する。このシリカ生成物は、特に、塩化セチルピリジニウム(「CPC」)などの治療剤を含む歯磨き剤組成物において有用である。これらシリカ生成物には、CPCは、感知できるほどに結合しない。それゆえに、歯磨き剤組成物に含まれる場合、高いCPC量でもその抗菌性の性質は有効であり、同時に、シリカ研磨剤は、CPCの付着によって損なわれないままで、および、研磨シリカ生成物として本来望ましい機械式の洗浄および研磨作用を提供することができる。加えて、本シリカ生成物は、多くの汎用の歯磨き剤のフレーバーと高い適合性を有する。本発明の実施形態のシリカ生成物は、フレーバーと一緒に存在させると、フレーバーがなくなる可能性を減少させる。また、本シリカ生成物は、フッ化ナトリウムのようなフッ化物イオン源と高い適合性を有する。本シリカ生成物は、上記の齲歯予防薬またはそれらの官能基と不利益な相互作用しない、または、それらを損なわない。
【0021】
本発明の実施形態のシリカ生成物は、予備形成材料として多孔質シリカ粒子支持体を提供する工程、または、それをその場で形成すること、続いて、シリカ支持体粒子上に、本発明で説明された孔サイズ分布の必要条件を満たすのに有効な活性シリカを沈降させる工程を含む方法によって製造してもよい。一実施形態において、シリカ支持体粒子上の孔の開口部の少なくとも一部に浸透する、および/または、それらをブロックするのに有効な高密度シリカ材料を、シリカ支持体粒子上に堆積させることにより、約500Åより大きい超のサイズを有する孔を減少させることができ、表面処理シリカ上の、このようなサイズにした孔の累積表面積を約8m2/g未満(水銀圧入法によって測定)に制限するのに有効である。本発明で報告した実験結果によれば、サイズを約500Åより大きくした孔は、より小さいサイズの孔に比べて、CPCの浸入をより利用しやすいことがわかった。その結果として、約500Å超のサイズを有するシリカ粒子上の孔の減少は、CPCの浸入、従ってシリカ粒子の表面における孔へのCPC損失を制限するのに必須であることが発見された。例えば、一般的な水溶液中でCPCおよびシリカがスラリー化される場合、CPCは、シリカ表面の約500Å超のサイズを有する孔に入り込む傾向があるが、より小さい孔サイズにも入り込むというより大きい難点を有する。それゆえに、約500Åより大きいサイズを有するシリカ粒子上の孔を充填することにより、CPCとより顕著に適合するシリカが提供されることが発見された。
【0022】
本発明の実施形態に従って、約500Å超のサイズを有する孔の全ての累積表面積が約8m2/g未満に減少するように製造された沈降シリカ生成物の%CPC適合性値は、一般的に、少なくとも55%、特に60%より大きく、より特定には70%より大きく、さらにより特定には80%より大きく、その範囲は、一般的に、約55%〜約95%である。シリカの「%CPC適合性」値は、以下に記載のより詳細な説明で説明された試験手順によって決定される。これら%CPC適合性値は、約500Å超のサイズを有する表面の孔を減少させ、このようなサイズにした孔の累積表面積が、一般的に、約8m2/g未満、好ましくは約7m2/g未満、より好ましくは約6m2/g未満(水銀圧入法によって測定)になるのに有効なシリカ支持体粒子の処理によって達成することができる。
【0023】
本シリカ生成物を含む歯磨き剤は、CPCも用いることができるという利益を提供し、これは、シリカ研磨剤が共存するにもかかわらず、歯磨き剤中で有効な抗菌レベルを維持する。その他の利益や利点としては、本シリカ生成物を含む歯磨き剤は、優れたフレーバー特性を有する。本発明のシリカ生成物のフレーバー適合性は、現在市販されている歯科用グレードのシリカ材料より優れている。
【0024】
本発明の実施形態のシリカ生成物を包含することで利益を得る口内洗浄組成物としては、例えば、歯磨き剤、チューインガム、および、口内洗浄等が挙げられる。用語「歯磨き剤」は、口腔ケア製品を意味し、一般的に、これらに限定されないが、例えば練り歯磨き、歯磨き粉、および、義歯用クリームが挙げられる。本発明の実施形態のシリカ粒子はまた、広範な洗浄に関する実用性および用途も有し、例えば、金属、セラミックまたは磁器の洗浄、または、スクラブ剤が挙げられる。
【0025】
本発明における目的のために、用語「シリカ粒子」は、細粒化したシリカを意味し、この用語は、単独で、または、それらを組合せて、シリカ一次粒子、シリカ集合体(すなわち、複数のシリカ一次粒子の単一集団)、シリカ凝集体(すなわち、複数のシリカ集合体の単一集団)を包含する。本発明で用いられる用語「より高密度な」は、より低い多孔度のシリカ粒状体を意味する。
【0026】
図面の簡単な説明
図1は、本発明の実施形態の代表的な一連のシリカ、さらに、市販のシリカによって代表される比較シリカに関して、本発明における実施例で説明したように決定された、様々な孔サイズで測定された累積表面積(m2/g)のプロットである。
【0027】
図2は、本発明における実施例で説明したように製造された一連のシリカで測定された、%CPC、および、500Åより大きいサイズを有する孔の堆積を有する孔の面積(m2/g)のプロットである。
【0028】
好ましい実施形態の詳細な説明
前述の要約によれば、本発明は、特に、CPCのような治療剤を含む歯磨き剤組成物において有用な、独特なシリカ生成物を目的とする。本発明の実施形態のシリカ生成物は、CPCのこれら製品に結合する能力を制限する。その結果として、シリカ研磨剤粒子との意図しない相互作用によるCPCの損失は、最小化される。
【0029】
本発明の実施形態のシリカ生成物は、以下のような一般的な方法スキームで製造することができる:
1)乾燥した細粒状で得られた予備加工されたシリカ材料をほとんどスラリー化することによって、またはその代わりに、進行中の製造工程から、のいずれかによって、非晶質シリカ粒子のスラリーを提供すること(ここで、新たな沈降シリカは、スラリーまたは湿潤ケーキ状であり、さらに粉末状に乾燥させない);続いて、
2)約500Åより大きいサイズを有する全ての孔の累積表面積を、約8m2/g未満、好ましくは約7m2/g未満、より好ましくは約6m2/g未満(水銀圧入法によって測定)に減少させるのに有効な、シリカ粒子支持体上に活性シリカを沈降させること。このような表面が改変されたシリカ生成物の%CPC適合性値は、少なくとも55%、特に60%より大きく、より特定には70%より大きく、さらにより特定には80%より大きく、一般的に、約55%〜95%の範囲である。
【0030】
本発明に記載された技術に従って測定されたようなCPC適合性は、シリカの全体の表面積には関連しないが、その代わりに、約500Åより大きいサイズを有する孔の累積表面積には直接関連することが発見された。一般的に、シリカ生成物中における約500Åより大きいサイズを有する孔の減少が大きければ、%CPC適合性がより達成される。約500Å未満の孔サイズの存在を減少させることは、達成されたCPC適合性にそれほど影響を与えない。
【0031】
表面積を測定するためには、一般的にN2の物理吸着が用いられる。 しかしながら、サイズのために、
【0032】
シリカ支持体粒子の準備
上記の一般的な工程1)のシリカ粒子の提供に関して、非晶質シリカ粒子が提供される。乾燥状態で提供される場合、本発明により表面を改変しようとする「粒子」として用いられる乾燥した粗シリカとしては、市販の沈降シリカ、例えばゼオデント(R)113、ゼオデント(R)115、ゼオデント(R)153、ゼオデント(R)165、ゼオデント(R)623、ゼオデント(R)124シリカなどが挙げられ、これらは、J.M.フーバー社(J.M.Huber Corporation)から入手可能である。これらの市販のシリカは、典型的には、集合体の形態である。
【0033】
乾燥した細粒化したシリカ粒子はまた、前もって製造された既製の材料の製造元から得てもよく、表面積を減少させる工程に用いられる手順は、同一または異なる製造施設で後で行ってもよい。
【0034】
表面積を減少させる操作のための粒子支持体として用いることができる乾燥沈降シリカは、一般的に、中央粒径が1〜100μm、BET比表面積値が約30〜100m2/g、および、アマニ油の吸油量が約40〜250ml/100gであることが望ましい。例えば、ゼオデント(R)113は、典型的には、中央粒径が約10μm、表面積値が約80m2/g、アマニ油の吸油量が約85ml/100gである。以下で説明されるコーティング操作のための支持体材料として用いられるシリカ粒子は、好ましくは、中央径1〜100μmのシリカ粒子を含む。表面積が100m2/g超、例えば約100〜800m2/g、または、アマニ油の吸油量が120ml/100g超、例えば約120〜400ml/100gの支持体材料(例えば高次構造を有する沈降シリカ、シリカゲルおよび熱分解法シリカ)が、本発明において用いることができるが、表面積を望ましいレベルに低くするためには、より長い表面積を減少させる時間(活性シリカ堆積時間)が必要になると予想される。
【0035】
乾燥沈降シリカは、本発明で説明された高密度シリカのコーティング塗布手順で処理される前に、水性媒体中でスラリー化されなければならない。一般的に、乾燥シリカは、ポンプ注送が可能な混合物を形成する固形分(一般的に約1〜約50%)にスラリー化される。
【0036】
あるいは、未乾燥の粗液相シリカ材料は、一般的な製造工程スキームの間に、表面積を減少させる操作として、インサイチュで製造することができる。あるいは、粗シリカ湿潤ケーキは、さらにシリカ固体を粉末状に乾燥させずに、その後のスラリー化のために保存することができ、または、その後の表面積を減少させる手順が行われるまで、それらをスラリーとして保存することもできる。表面積を減少させる操作が行われる前に提供されたスラリーの固形分は、乾燥シリカについて上述したものと同じであると予想される。
【0037】
一般的に、沈降シリカの液相の源は、シリカの乾燥した源の形態に関して上述したそれぞれの値に匹敵する、成分の粒度、全体の粒度、BET比表面積値、および、アマニ油の吸油量の特性を有すると予想される。上述の物理的な基準を満たしていれば、液相シリカは、非晶質沈降シリカ、シリカゲルまたはヒドロゲル、熱分解法シリカおよびコロイドシリカを包含し得る。一形態において、インサイチュで提供されたシリカ粒子は、集合体または凝集体の形態である。
【0038】
本シリカは、アルカリ金属ケイ酸塩を、加熱しながら鉱酸(例えば硫酸)または有機酸で酸性化することによって製造してもよい。合成非晶質沈降シリカは、一般的に、アルカリ性のケイ酸塩溶液と酸とを加熱しながら混合し、撹拌し、次に、ろ過または遠心分離することによって製造され、沈降シリカ固体を湿潤ケーキ状で単離することができる。反応媒体は、場合により、硫酸ナトリウムのような電解質を含んでもよい。一般的に、シリカ湿潤ケーキは、約40wt%〜約60wt%の水を含み、その残りは主として固形分である。一般的に、沈降した反応物質をろ過し、水で洗浄することによって、Na2SO4レベルを許容できるレベルに減少させることができる。一般的に、反応生成物の洗浄は、ろ過の後に行われる。洗浄した湿潤ケーキのpHは、必要に応じて、本発明で説明されたその後の工程に移る前に調節することができる。必要に応じて、洗浄した湿潤ケーキは、表面積を減少させる手順が施される前に、固形分が1〜50%になるようにスラリー化される。前述したように、シリカを乾燥させる場合、または、乾燥させ望ましいサイズに微粉砕する場合、表面積を減少させる手順を粗シリカに施す前に、それを再スラリー化させなければならない。
【0039】
本発明で考察されたその他の必要条件を満たしていれば、本発明で説明された表面積の減少の特定のタイプのための粒子支持体の源として用いることができる粗シリカとしては、例えば、Wason等の米国特許第4,122,161号、5,279,815号および5,676,932号、ならびに、McGill等の米国特許第5,869,028号および5,981,421号(これらの教示はこの参照により開示に含まれる)で説明されているようにして製造された沈降シリカが挙げられる。
【0040】
シリカ支持体粒子の表面積の減少
上記の一般的な工程2)の約500Å超の孔サイズに関する表面積の減少に関して、水性媒体中で粗シリカ粒子をスラリー化した後に、粒子支持体上に高密度の非晶質シリカ堆積を提供するのに十分であり、表面積とCPCがそこに結合する可能性を減少させるのに十分な時間および条件下で、同じ媒体中で活性シリカが生成する。一般的に、スラリー化された粗シリカ粒子中間生成物を水性媒体中に分散させ、そこで、アルカリ金属ケイ酸塩が鉱酸で酸性化されることによって活性シリカが生成する。結果生じた混合物を、活性シリカおよびシリカ粒子支持体が、実質的に均一に分散されるのに十分な時間、例えばパドルミキサーを用いて穏やかに撹拌または混合する。結果生じたシリカ生成物は、ろ過されるか、または、その他の方法で脱水され、洗浄し、必要に応じて乾燥する。
【0041】
これに関して、媒体中で活性シリカを提供するのに用いられた、粒子支持体の表面上に非晶質シリカ材料として堆積させる方法論は、一般的に、粗または支持体粒子の作製に適用されるのと同様の化学作用と条件を必要とするが、ただし、活性シリカの形成に用いられるケイ酸塩と酸の添加速度は、活性シリカが存在するシリカ粒子支持体上に堆積し、分離した沈降粒子が形成されないよう十分に遅くしなければならないことを除く。あまりにも速く活性シリカを添加すると、分離した沈降シリカ粒子の形成が起こり、望ましいシリカ支持体の表面積の減少が起こらないと予想される。60〜100℃の範囲の温度、pH7〜10、および、シリカ粒子材料の比表面積が減少するような活性シリカ堆積速度を用いることが望ましい。場合により、塩(例えばNa2SO4)を、それでもなお望ましい表面積の減少が得られるような量で添加することができる。本方法における表面積を減少させる工程で用いるには、反応温度が90℃超、および、pH9超が好ましい。
【0042】
一形態において、表面積を減少させる方法を適切に操作して、活性シリカの堆積の程度が、表面積(水銀圧入法によって測定)が、約500Å超の孔サイズに関して、約8m2/g未満、好ましくは約7m2/g未満、より好ましくは約6m2/g未満にするのに有効な速度および量であることを確実にすることができる。また、表面積を減少させる方法を施さなかったシリカ粒子に比べて、それらへのCPCの結合を減少させるのに有効な量であることも望ましい。
【0043】
沈降シリカ生成物の%CPC適合性値は、一般的に、少なくとも約55%、特に60%超、より特定には70%超であり、さらに80%超であってもよい。%CPC適合性値は、一般的に、約55%〜約95%の範囲であり得る。本シリカが特徴とする「%CPC適合性」は、以下の実施例で説明された試験手順によって決定される。
【0044】
また、結果生じたシリカの中央粒径は、一般的に、約1〜約100ミクロンの範囲であり、好ましくは、一実施形態において、約5〜約20ミクロンの範囲である。本シリカの粒度は、ホリバ・インスツルメント(Horiba Instruments,ブースウィン、ペンシルベニア州)製のホリバ・パーティクル・アナライザー(Horiba Particle Analyzer)モデルLA−910を用いて測定される。
【0045】
結果生じたシリカ生成物は、新たに製造された粗シリカ上に、前もって施された処理と類似の方式で噴霧乾燥することができる。あるいは、得られた湿潤ケーキを再スラリー化し、これを処理して、スラリー状で、または、ろ過ケーキとして直接供給することができる。
【0046】
また、本発明で説明されたシリカの乾燥は、シリカを乾燥するのに用いられる従来の手段のいずれかによって達成することもでき、このような器具としては、例えば、噴霧乾燥、ノズルでの乾燥する(例えば、タワー型または噴水型)、フラッシュ乾燥、ロータリーホイールでの乾燥、または、オーブン/流動層乾燥が挙げられる。乾燥シリカ生成物は、一般的に、1〜15wt%の湿度レベルであると予想される。本シリカ反応生成物の性質と乾燥方法はいずれも、嵩密度と液体を保持する能力に影響を与えることがわかっている。さらに、乾燥操作とその後の操作により、沈降段階で得られたシリカの構造に悪影響を与えないように気をつけなければならない。乾燥シリカ生成物は、細粒状である。特定の一実施形態において、本シリカ生成物に乾燥する手順を施すまでの間はずっと、沈降シリカを含むフラクションの水の含量は、約25重量%またはそれ以上である。
【0047】
乾燥シリカ粒子のサイズをさらに減少させるには、必要に応じて、従来のグライディングおよびミリング器具を用いることができる。ハンマーミルまたは振子式のミルを、1または複数の微粉砕のためのパスに用いてもよく、ファイングライディングは、流体エネルギーまたはエアジェット式のミルによって行うことができる。望ましいサイズにグライディングされた生成物を、例えばサイクロン、分類装置または適切なメッシュサイズ設定の振動ふるいなどの従来の分離技術によってその他のサイズのものから分離させてもよい。
【0048】
また、シリカ生成物を単離する前に、および/または、シリカ生成物を合成する最中に、乾燥生成物またはスラリー状生成物のサイズに影響を与えて得られたシリカ生成物の粒度を減少させる方法もある。これらの例としては、これらに限定されないが、メディアミル、高剪断器具(例えば高剪断ポンプまたはローター−ステーターミキサー)、または、超音波装置の使用が挙げられる。湿潤シリカ生成物に施された粒度の減少は、乾燥の前であればいつでも実行することができるが、より好ましくは、コアの形成、および/または、そのコアへの活性シリカの堆積の最中である。乾燥または湿潤シリカ生成物に施される粒度の減少はいずれも、最終生成物のCPC適合性を顕著に減少させないような方法で行われることが望ましい。
【0049】
本発明における乾燥シリカの回収は、有機溶媒で置換する方法を用いて行われるシリカの脱水(dewataring,dehydration)を必要としない。水性媒体からのシリカ生成物の単離は、生成物の分解を起こすことなく行うことができる。
【0050】
歯磨き剤組成物
上述のシリカ生成物を含む歯磨き剤は、CPCのような治療剤も用いることができるという利点を提供し、これは、シリカ研磨剤が存在していても、歯磨き剤中で有効な抗菌レベルを維持する。本シリカ粒子は、CPCとの相互作用を減少させることを示し、その結果として、歯磨き剤中で、抗菌有効性を改善するのに利用可能な遊離のCPCの増加を保持する。
【0051】
本発明では、CPCが歯磨き剤の治療剤の代表として用いられているが、その他の抗菌剤(カチオン性、アニオン性および非イオン性)も本発明において想定される。その他の適切な抗菌剤としては、ビスグアニド(bisguanide)、例えばアレキシジン、クロルヘキシジンおよびグルコン酸クロルヘキシジン;第四アンモニウム化合物、例えば塩化ベンザルコニウム(BZK)、塩化ベンゼトニウム(BZT)、塩化セチルピリジニウム(CPC)、および、臭化ドミフェン;金属塩、例えばクエン酸亜鉛、塩化亜鉛、および、フッ化スズ;サングイナリア属抽出物、および、サンギナリン;揮発性油、例えばユーカリプトール、メントール、チモール、および、サリチル酸メチル;フッ化アミン;過酸化物等が挙げられる。歯磨き剤において治療剤は、単独で、または、組合せて用いてもよい。
【0052】
その他の利益や利点として、本シリカ生成物を含む歯磨き剤は、優れたフレーバー特性を有する。本発明で説明されたシリカ生成物を包含する歯磨き剤組成物は、一般的に、本シリカを、研磨およびポリッシング作用に有効な量で含む。この量はその他の配合成分に応じて様々であるが、一般的には、例えば、約5〜約60wt%の範囲と予想される。
【0053】
本発明で説明されたシリカ生成物を包含する歯磨き剤組成物は、好ましくは、抗菌有効量のCPCも含む。この量は、その他の配合成分、および、その使用に関して規制団体(例えばFDA)によって課せられた制限に応じて様々であるが、例えば、一般的に、約0.01〜約1wt%、好ましくは約0.1〜約0.75wt%、最も好ましくは約0.25〜0.50wt%の範囲と予想される。
【0054】
その他の、一般的に用いられる添加剤、または、その他の歯磨き剤において有用な添加剤も、場合により配合に含まれていてもよい。本発明のシリカ生成物を含む歯磨き剤組成物の成分にとって製薬上許容できるキャリアーは任意であり、口腔内での使用に適した歯磨き剤用の媒体であればいずれでもよい。このようなキャリアーとしては、練り歯磨き、歯磨き粉、予防ペースト、ロゼンジ、ガム等の一般的な成分が挙げられ、以下でより詳細に説明する。
【0055】
場合により、フレーバー剤を、歯磨き剤組成物に添加してもよい。適切なフレーバー剤としては、ウインターグリーン油、ペパーミント油、スペアミント油、サッサフラス油、および、チョウジ油、桂皮、アネトール、メントール、および、フルーツノート、スパイスノートなどを付加するためのその他のフレーバー化合物が挙げられる。これらのフレーバー剤は、化学的に、アルデヒド、ケトン、エステル、フェノール、酸、ならびに、脂肪族、芳香族およびその他のアルコールの混合物からなる。
【0056】
用いることができる甘味剤としては、アスパルテーム、アセスルファム、サッカリン、デキストロース、レブロースおよびシクラミン酸ナトリウムが挙げられる。フレーバリングおよび甘味剤は、一般的に、約0.005%〜約2重量%のレベルで歯磨き剤に用いられる。
【0057】
場合により、歯磨き剤およびその他の口腔用組成物に、水溶性フッ化物を添加することができ、25℃で、組成物中でフッ化物イオンが所定濃度で発生するのに十分な量で存在させることができ、および/または、約0.0025%〜約5.0重量%、好ましくは約0.005%〜約2.0重量%で用いられる場合、さらなる齲歯予防効果を提供することができる。本発明の組成物において、多種多様のフッ化物イオンを発生させる材料を、可溶性フッ化物源として用いることができる。適切なフッ化物イオンを発生させる材料の例は、米国特許第3,535,421号、および、米国特許第3,678,154号に記載されており、双方ともこの参照により開示に含まれる。代表的なフッ化物イオン源としては、以下が挙げられる:フッ化スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、および、多数のその他のもの。フッ化スズとフッ化ナトリウム、同様にそれらの混合物が、特に好ましい。
【0058】
また、本発明の他の実施形態による練り歯磨きおよび歯磨き剤中には水も存在する。適切な練り歯磨きの製造に用いられる水は、好ましくは、脱イオンされており、有機性の不純物を含まないことが望ましい。一般的に、水は、練り歯磨き組成物の約2重量%〜50重量%、好ましくは約5重量%〜20重量%を構成する。これらの水の量は、添加される自由な水と、その他の添加剤およびマテリアル(例えば潤滑剤)に付随して取り込まれる水を含む。
【0059】
練り歯磨きの製造において、望ましい稠度およびチキソトロピーを提供するために、数種の増粘または結合材を添加することがしばしば必要である。好ましい増粘剤としては、カルボキシビニルポリマー、カラゲナン、ヒドロキシエチルセルロースおよび水溶性のセルロースエーテルの塩、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、および、ナトリウムカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。カラヤゴム、キサンタンガム、アラビアゴム、および、トラガカントゴムのような天然ゴムも用いることができる。増粘剤は、一般的に、組成物総量の約0.5%〜約5.0重量%の量で用いることができる。
【0060】
シリカ増粘剤も、練り歯磨きのレオロジーを改変するのに用いることができる。沈降シリカ、シリカゲルおよびヒュームドシリカを用いることができる。シリカ増粘剤は、一般的に、約5%〜約15%のレベルで添加することができる。
【0061】
また、硬化を防ぐために、練り歯磨きに数種の潤滑物質が含まれることが望ましい場合がある。適切な潤滑剤としては、グリセリン(グリセロール)、ソルビトール、ポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール、および、ポリプロピレングリコール、水素化したスターチの水解物、キシリトール、ラクチトール、水素化したコーンシロップ、および、その他の食用の多価アルコールが挙げられる、これらは、単独で、または、それらの混合物として用いられる。適切な潤滑剤は、一般的に、約15%〜約70%のレベルで添加することができる。
【0062】
場合により、キレート剤を、本発明の歯磨き剤に添加することができ、例えば、酒石酸およびクエン酸のアルカリ金属塩、または、ピロリン酸またはポリリン酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
【0063】
その他の任意の成分、および、歯磨き剤の補助剤(例えば、米国特許第5,676,932号、および、Pader,M.,Oral Hygiene Products and Practice,Marcel Dekker,Inc.,ニューヨーク,1988年で説明されているもの)も、必要に応じて、または、望ましい場合に添加することができる。これらの、本発明の歯磨き剤組成物に添加することができるその他の任意の補助剤、添加剤およびマテリアルとしては、例えば、発泡剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、洗浄剤または界面活性剤、着色剤またはホワイトニング剤(例えば、二酸化チタン、FD&C色素)、保存剤(例えば、安息香酸ナトリウム、メチルパラベン)、キレート剤、抗菌剤、および、歯磨き剤組成物に用いることができるその他のマテリアルが挙げられる。任意の添加剤が存在する場合は、一般的には少量で存在し、例えばそれぞれ約6重量%未満である。
【0064】
いずれの場合においても、増粘ガム、 発泡剤などの歯磨き剤の配合に用いられる成分は、治療剤およびフレーバーと適合するように選択される。
【0065】
加えて、本発明の研磨洗浄物質の有用性は口内洗浄組成物で特に説明するが、当然のことながら、本発明のシリカは、より広い有用性を有する。例えば、本発明のシリカは、金属、セラミックまたは磁器の洗浄またはスクラビングに、および、CMP(化学機械平坦化)ポリッシング剤として用いることができる。
【実施例】
【0066】
以下の実施例は、本発明を説明するために記載されるが、本発明は、それに限定されないとする。以下の実施例において、部は、特に他の指定がない限り重量部である。
【0067】
以下の実施例において、一連のシリカ生成物を様々な表面処理で製造し、様々な孔サイズ値で提供された累積表面積と、シリカ生成物で達成されたCPC適合性との起こり得る関係を調べた。また、数々の市販のシリカ生成物も比較のために解析した。
【0068】
シリカ支持体粒子の製造
以下の実施例1〜3、および、比較例1〜2については、用いられたシリカ支持体に、以下の方式で製造したのビーズミルで処理したシリカ湿潤ケーキの一部を用いた。
【0069】
1900リットルのケイ酸ナトリウム溶液(13%,2.50M.R.)をステンレス製リアクターに添加し、撹拌しながら85℃に加熱した。ケイ酸ナトリウム(13%,2.50モル比(M.R.))、および、硫酸(11.4%)を、リアクターに、それぞれ387.5、および、170.3LPMの速度で、48分間かけて同時に添加した。48分後に、リアクターへのケイ酸塩のフローを停止し、pHを、硫酸(11.4%)の連続添加によって5.0〜5.2に調節した。次に、この反応混合物を、93℃で10分間蒸解した。この反応混合物からシリカ湿潤ケーキを回収した。
【0070】
シリカ湿潤ケーキを、以下の方式で、ビーズミルで処理した。ビーズミル加工には、ラマコAG(Romaco AG,Frymakoruma)製のコーバル(Cobal)(R)ミルMS−50マシーン#74996/00を用いた。ミリング媒体の充填物として、SEPRによる2.0〜2.5mmの酸化ジルコニウムビーズ(7リットル)を用いた。シリカ湿潤ケーキを水で希釈し、ポンプ注送が可能なスラリー(31.8%固体)を提供し、これを速度2.0リットル/分間でコーバル(R)ミルにフィードした。このシリカスラリーを、最大粒度が約35μmになるようにビーズミルで処理した。
【0071】
表面をコーティングしたシリカ粒子の製造
実施例1
63Lのビーズミルで処理されたシリカ支持体粒子(〜33.55%固体)を、265Lの水と共に400ガロンのリアクターに添加した。このスラリーを、78RPMで撹拌しながら95℃に加熱した。温度が95℃に達したら、ケイ酸ナトリウム(13.3%,2.65M.R.,90℃に予備加熱,1.123g/mlS.G.)を、pH9.5に達するまで3.6L/分で添加した。PH9.5に達したら、このpHが維持されるように、硫酸(11.4%)を〜1.9L/分で添加した。必要に応じて、酸のフロー速度を、pH9.5が維持されるように調節した。150分後に、ケイ酸塩のフローを停止し、pHを、硫酸を3.8L/分で添加することによって5.0に調節した。pH5.0に達したら、酸のフローを停止し、このpHを10分間維持した。次に、この反応混合物をろ過し、伝導率が<1500μSになるまで水で洗浄し、次に、噴霧乾燥した。
【0072】
実施例2
43Lのビーズミルで処理されたシリカ支持体粒子(〜33.55%固体)を、180Lの水と共に400ガロンのリアクターに添加した。このスラリーを、78RPMで撹拌しながら95℃に加熱した。温度が95℃に達したら、ケイ酸ナトリウム(13.3%,2,65M.R.,90℃に予備加熱,1.123g/mlS.G.)を、pH9.5に達するまで4.7L/分で添加した。PH9.5に達したら、このpHが維持されるように、硫酸(11.4%)を、〜2.2L/分で添加した。必要に応じて、酸のフロー速度を、pH9.5が維持されるように調節した。30分後に、ケイ酸塩のフローを、4.5L/分に調節し、酸のフローを〜2.2L/分に調節した。60分後に、ケイ酸塩のフローを、4.2L/分に調節し、酸のフローを〜2.0L/分に調節した。90分後に、ケイ酸塩のフローを、3.6L/分に調節し、酸のフローを、〜1.7L/分に調節した。120分後に、ケイ酸塩のフローを、3.1L/分に調節し、酸のフローを、〜1.5L/分に調節した。150分後に、ケイ酸塩のフローを停止し、pHを、硫酸を3.8L/分で添加することによって5.0に調節した。pH5.0に達したら、酸のフローを停止し、このpHを10分間維持した。次に、この反応混合物をろ過し、伝導率が<1500μSになるまで水で洗浄し、次に、噴霧乾燥した。
【0073】
実施例3
33Lのビーズミルで処理されたシリカ支持体粒子(〜33.55%固体)を、138Lの水と共に400ガロンのリアクターに添加した。このスラリーを、78RPMで撹拌しながら95℃に加熱した。温度が95℃に達したら、ケイ酸ナトリウム(13.3%,2.65M.R.,90℃に予備加熱,1.123g/mlS.G.)を、pH9.5に達するまで5.1L/分で添加した。PH9.5に達したら、このpHが維持されるように、硫酸(11.4%)を、〜2.4L/分で添加した。必要に応じて、酸のフロー速度を、pH9.5が維持されるように調節した。30分後に、ケイ酸塩のフローを、4.9L/分に調節し、酸のフローを、〜2.3L/分に調節した。60分後に、ケイ酸塩のフローを、4.5L/分に調節し、酸のフローを〜2.2L/分に調節した。90分後に、ケイ酸塩のフローを、4.0L/分に調節し、酸のフローを、〜1.9L/分に調節した。120分後に、ケイ酸塩のフローを、3.5L/分に調節し、酸のフローを、〜1.7L/分に調節した。150分後に、ケイ酸塩のフローを停止し、pHを、硫酸を3.8L/分で添加することによって5.0に調節した。pH5.0に達したら、酸のフローを停止し、このpHを10分間維持した。次に、この反応混合物をろ過し、伝導率が<1500μSになるまで水で洗浄し、次に、噴霧乾燥した。
【0074】
比較例1
113Lのビーズミルで処理されたシリカ支持体粒子(〜33.55%固体)を、460Lの水と共に400ガロンのリアクターに添加した。このスラリーを、78RPMで撹拌しながら95℃に加熱した。温度が95℃に達したら、ケイ酸ナトリウム(13.3%,2.65M.R.,90℃に予備加熱,1.123g/mlS.G.)を、pH9.5に達するまで2.4L/分で添加した。PH9.5に達したら、このpHが維持されるように、硫酸(11.4%)を、〜1.3L/分で添加した。必要に応じて、酸のフロー速度を、pH9.5が維持されるように調節した。150分後に、ケイ酸塩のフローを止め、pHを、硫酸を3.8L/分で添加することによって5.0に調節した。pH5.0に達したら、酸のフローを停止し、このpHを10分間維持した。次に、この反応混合物をろ過し、伝導率が<1500μSになるまで水で洗浄し、次に、噴霧乾燥した。
【0075】
比較例2
90Lのビーズミルで処理されたシリカ支持体粒子(〜33.55%固体)を、360Lの水と共に400ガロンのリアクターに添加した。この反応混合物を、78RPMで撹拌しながら95℃に加熱した。温度が95℃に達したら、ケイ酸ナトリウム(13.3%,2.65M.R.,90℃に予備加熱,1.123g/mlS.G.)を、pH9.5に達するまで3.3L/分で添加した。PH9.5に達したら、硫酸(11.4%)を、このpHが維持されるように、〜1.7L/分で添加した。必要に応じて、酸のフロー速度を、pH9.5が維持されるように調節した。150分後に、ケイ酸塩のフローを停止し、pHを、硫酸を3.8L/分で添加することによって5.0に調節した。pH5.0に達したら、酸のフローを停止し、このpHを10分間維持した。次に、この反応混合物をろ過し、伝導率が<1500μSになるまで水で洗浄し、次に、噴霧乾燥した。
【0076】
実施例1〜3および比較例1〜2、同様に、本発明において要約されたその他全ての実施例について、「%CPC適合性」値を以下の方式で決定した。
【0077】
「%CPC適合性」試験
0.3%のCPC溶液(27.00g)を、試験しようとするシリカのサンプル(3.00g)に添加した。このシリカを、105℃〜150℃で、含水量が2%またはそれ未満になるまで予め乾燥させ、サンプルのpHを測定し、5%のpHが5.5〜7.5であることを確認した。この混合物を10分間振盪した。促進老化試験は、試験標本を、140℃で1週間撹拌することを必要とする。撹拌が完了した後、サンプルを遠心分離し、上清5mlを、0.45μmのPTFEミリポアフィルターに通過させ、廃棄した。次に、追加の上清2.00gを、同じ0.45μmのPTFEミリポアフィルターに通過させ、次に、38.00gの蒸留水を含むバイアルに添加した。混合した後に、サンプルのアリコートを、キュベット(メタクリル酸メチル)に置き、紫外線の吸収を268nmで測定した。ブランクとして水を用いた。%CPC適合性は、この手順によって製造されたCPC標準溶液(シリカを添加しないことを除く)の吸収に対する、サンプルの吸収の百分率として表すことによって決定した。
【0078】
%堆積した活性シリカ
シリカ生成物に関する「%堆積した活性シリカ」を、バッチのパラメーターから計算することによって決定した。活性シリカは、用いた活性シリカの体積、ならびに、ケイ酸塩濃度、比重(S.G.)およびモル比(M.R.)を識別することによって決定される。同様に、総バッチのシリカは、用いたシリカの総体積と、ケイ酸塩濃度、S.G.およびM.R.を識別することによって計算される。%堆積した活性シリカは、活性シリカ(g)を総バッチのシリカ(g)で割って100を掛けた値に等しい。%堆積した活性シリカが、活性シリカの体積/総シリカ体積に等しくなるように、体積以外の全ての項を削除する。重量値で測定される既製のシリカ支持体で開始した場合、同じ基準に全ての成分を入れるために、上記の方程式を用いて、活性シリカを重量の測定値(例えばグラム)に変換しなければならない。
【0079】
以下の表1は、前述の実施例および比較例で製造されたシリカに関するCPC適合性と%堆積した活性シリカの要約である。
【0080】
【表1】

【0081】
以下の表2において、前述の実施例で製造されたCPC適合性のシリカサンプルの物理特性の要約を記載する。中央粒径は、リード&ノースラップ(Leeds and Northrup)製のマイクロトラック(Microtrac)II装置を用いて測定された。BETおよびアマニ油の吸油量の特性は、同一出願人による米国特許第5,981,421号(この記載は、この参照により開示に含まれる)で説明されているそれぞれの方式で測定された。5%シリカのpH値(すなわち、5重量%のシリカスラリー)を、一般的なpH感応電極によって測定した。シリカのCTAB外表面積は、シリカ表面上でのCTAB(臭化セチルトリメチルアンモニウム)の吸収によって決定され、遠心分離によって過量を分離し、ラウリル硫酸ナトリウムでの滴定によって表面電極を用いて決定された。シリカのの外表面は、吸収されたCTABの量(吸着の前後のCTABの解析)から決定された。具体的には、250mlビーカーに、約0.5gのシリカを、100.00mlのCTAB溶液(5.5g/L)と共に仕込み、電気撹拌プレート上で1時間混合し、次に、10,000rpmで30分間遠心分離した。100mlビーカー中で、透明な上清(5ml)に10%トリトン(Triton)X−100(1ml)を添加した。0.1のHClでpHを3.0〜3.5に調節し、標本を、表面電極(ブリンクマン(Brinkmann)SUR150l−DL)を用いて0.0100Mラウリル硫酸ナトリウムで滴定し、終点を決定した。
【0082】
【表2】

【0083】
実施例4
この実施例において、以下の方式で、シリカを沈降させ、反応容器で微粉砕した。40Lのケイ酸ナトリウム(13%,3.32M.R.,1.112g/mlS.G.)を、400ガロンのリアクターに添加し、50RPMで撹拌しながら95℃に加熱した。温度を95℃に安定させたら、再循環ラインによってリアクターに連結させたシルバーソンのインラインミキサーを100Hzに設定した(再循環は100Hz)。ケイ酸ナトリウム(13%,3.32M.R.,90℃に予備加熱,1.112g/mlS.G.)、および、硫酸(11.4%)を 次に、リアクターに、それぞれ7.8L/分、および、2.3L/分の速度で、47分間かけて同時に添加した。15分後に、撹拌速度を75RPMに高めた。47分後に、シルバーソンのインラインミキサーを停止した。ケイ酸ナトリウムの添加を、2.2L/分に調節し、pHを、硫酸(11l.4%)の連続添加によって9.5+/−0.2に調節した。pHが9.5に達したら、硫酸(11.4%)を〜0.7L/分の速度で添加した。必要に応じて、pH9.5+/−0.2が維持されるように酸の速度を調節した。197分間(総計)後に、ケイ酸ナトリウムのフローを停止し、pHを、硫酸を2.3L/分で添加することによって5.0に調節した(11l.4%)。このバッチを、pH5.0で10分間蒸解し、ろ過し、伝導率<1500μSになるまで洗浄し、噴霧乾燥した。得られたシリカ生成物の%CPC適合性値は、81.5であった。
【0084】
また、得られたシリカ生成物は、表3に示す物理特性を有していた。
【0085】
【表3】

【0086】
比較するために、ソルボシル(Sorbosil)AC33としてINEOSから販売されている市販のシリカ生成物で物理特性を測定し、その結果を表4に要約した。
【0087】
【表4】

【0088】
水銀圧入法によるシリカの特徴付け
これら実施例で製造されたシリカサンプルおよび比較例1、ならびに、数々の市販のシリカ(ソルボシルAC33、および、ゼオデント(R)105を含む)において、水銀圧入法による解析を以下のように行った。
【0089】
これらシリカサンプルにおける総ての孔の体積(Hg)を、一連の様々な孔径範囲で、マイクロメリティクス(Micromeritics)のオートポア(Autopore)II9220装置を用いた水銀ポロシメトリーによって測定した。孔径は、ワッシュバーン(Washburn)の方程式によって、130°に相当する接触角シータ(θ)と、484ダイン/cmに相当する表面張力ガンマを用いて計算した。この計器は、様々な材料の空隙率および孔サイズ分布を測定する。圧力の関数として、水銀を空隙に侵入させ、サンプル1グラムあたりの浸入した水銀の量をそれぞれの圧力設定で計算した。本発明で記載された総ての孔の体積は、真空〜60,000psiの圧力における浸入した水銀の堆積量を示す。
【0090】
各圧力設定での量の増加(cm3/g)は、圧力設定の増加に対応して、孔の半径または直径に対してプロットされた。浸入した量対孔の半径または直径の曲線におけるピークは、孔サイズ分布における様式に相当し、サンプル中で最も共通の孔サイズを同定する。具体的には、サンプルサイズを、5mlのバルブを備えた粉末の貫入試験機で30〜50%のステム体積と、約1.1mlのステム体積が達成されるように調節した。サンプルを50μmのHg圧力に送り、5分間保持した。それぞれの約150のデータ収集点で、1.5〜60,000psiで、平衡時間10秒で水銀が孔に充填された。
【0091】
水銀圧入法により、約100Åの孔から1μmを超えるサイズの孔に関する情報が得られた。対照して、N2の物理吸着(BET)により、約5〜1000Åのサイズ孔からの情報が得られた。
【0092】
以下の表5に、孔径の異なる範囲での堆積を有する孔の面積を示す。総ての堆積を有する孔の面積は、水銀圧入法によって測定された総ての孔の面積である。異なる範囲における堆積を有する孔の面積は、所定の孔サイズおよびそれ以上の孔の面積として記載した。例えば、「>50Å」は、50Åおよびそれ以上の平均孔径を有する孔に関する、堆積を有する孔の面積(m2/g)を意味する。
【0093】
【表5】

【0094】
データを、累積表面積値を孔径の関数としてプロットすることによってグラフ表示し、図1に示した。表5に、各シリカサンプルに関する累積表面積のデータを、図1において各プロットに対応する符号と共に列挙する。図2は、500Å超の孔の面積とCPC適合性との相関を示すプロットである。実施例4を9回複製して、データ点の集団を提供し、これを図2に示し、再現性を説明した図2のように、500Å超の孔の堆積を有する孔の面積をCPC適合性に対してプロットしたところ、強い相関が観察された(R2値>90%)。図1および2における、異なるシリカサンプルに関する表面積プロットから、〜55%超のCPC適合性値を得るためには、累積表面積(500Å超の孔の)が、〜8m2/g未満である必要があることがわかる。
【0095】
当然ながら、当業者であれば、以下の請求項で記載された本発明の原理と範囲から逸脱することなく、本発明の本質を説明するためにここで記載および説明された詳細、材料、および、部品の配置における様々な変更をなすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】図1は、本発明の実施形態の代表的な一連のシリカ、さらに、市販のシリカによって代表される比較シリカに関して、本発明における実施例で説明したように決定された、様々な孔サイズで測定された累積表面積(m2/g)のプロットである。
【0097】
【図2】図2は、本発明における実施例で説明したように製造された一連のシリカで測定された、%CPC、および、500Åより大きいサイズを有する孔の堆積を有する孔の面積(m2/g)のプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質表面を有するシリカ粒子を含む沈降シリカであって、前記シリカ粒子は、約500Åより大きい直径を有する全ての孔に関して8m2/g未満(水銀圧入法によって測定)の累積表面積、及び約55%より大きい百分率塩化セチルピリジニウム(%CPC)適合性を有する、前記沈降シリカ。
【請求項2】
前記シリカ粒子の百分率塩化セチルピリジニウム(%CPC)適合性は、約60%より大きい、請求項1に記載のシリカ生成物。
【請求項3】
前記シリカ粒子の%CPC適合性は、約70%より大きい、請求項1に記載のシリカ生成物。
【請求項4】
前記シリカ粒子の%CPC適合性は、約80%より大きい、請求項1に記載のシリカ生成物。
【請求項5】
前記シリカ粒子のBET比表面積は、約30m2/g未満である、請求項1に記載のシリカ生成物。
【請求項6】
前記シリカ粒子の中央径は、1〜20μmである、請求項1に記載のシリカ生成物。
【請求項7】
前記シリカ粒子の%CPC適合性値は、約55%〜95%である、請求項1に記載のシリカ生成物。
【請求項8】
前記シリカ粒子はそれぞれ、複数のシリカ一次粒子の一体となった集団を複数含むシリカ集合体または凝集体を含む、請求項1に記載のシリカ生成物。
【請求項9】
前記シリカ粒子は、約500Åより大きい直径を有する全ての孔に関して、累積表面積が7m2/g未満(水銀圧入法によって測定)である、請求項1に記載のシリカ生成物。
【請求項10】
多孔質表面を有するシリカ粒子を含むシリカ生成物を含む歯磨き剤であって、 前記シリカ粒子は、約500Åより大きい直径を有する全ての孔に関して、累積表面積が8m2/g未満(水銀圧入法によって測定)であり、百分率塩化セチルピリジニウム(%CPC)適合性が約55%より大きい、前記歯磨き剤。
【請求項11】
前記シリカ粒子の百分率塩化セチルピリジニウム(%CPC)適合性は、約60%より大きい、請求項10に記載の歯磨き剤。
【請求項12】
前記シリカ粒子は、表面堆積がないシリカ粒子を含む歯磨き剤に比べて、優れたフレーバー適合性を提供する、請求項10に記載の歯磨き剤。
【請求項13】
前記シリカ粒子の百分率塩化セチルピリジニウム(%CPC)適合性は、約70%より大きい、請求項10に記載の歯磨き剤。
【請求項14】
前記シリカ粒子の百分率塩化セチルピリジニウム(%CPC)適合性は、約80%より大きい、請求項10に記載の歯磨き剤。
【請求項15】
前記シリカ粒子の%CPC適合性値は、約55%〜95%である、請求項10に記載の歯磨き剤。
【請求項16】
前記シリカ粒子はそれぞれ、複数のシリカ一次粒子の集団を複数含む集合体または凝集体を含む、請求項10に記載の歯磨き剤。
【請求項17】
少なくとも1種のCPCと適合するフレーバーの有効量をさらに含む、請求項10に記載の歯磨き剤。
【請求項18】
フッ化物イオン源を含む齲歯予防化合物の有効量をさらに含む、請求項10に記載の歯磨き剤。
【請求項19】
有効量の抗菌剤をさらに含む、請求項10に記載の歯磨き剤。
【請求項20】
シリカ粒子は、約500Åより大きい直径を有する全ての孔に関して、累積表面積が7m2/g未満(水銀圧入法によって測定)である、請求項10に記載の歯磨き剤。
【請求項21】
a)抗菌性の有効量の塩化セチルピリジニウム:
b)多孔質表面を有するシリカ粒子を含む沈降シリカ生成物、
を含む歯磨き剤であって、前記シリカ粒子は、約500Åより大きい直径を有する全ての孔に関して累積表面積が8m2/g未満(水銀圧入法によって測定)であり、百分率塩化セチルピリジニウム(%CPC)適合性が約55%より大きい、前記歯磨き剤。
【請求項22】
多孔質表面を有するシリカ粒子を含むシリカ生成物を含む歯磨き剤であって、前記シリカ粒子は、約500Åより大きい直径を有する全ての孔に関して累積表面積が8m2/g未満(水銀圧入法によって測定)であり、百分率塩化セチルピリジニウム(%CPC)適合性が約55%より大きい、前記歯磨き剤。
【請求項23】
沈降シリカ生成物の製造方法であって:
a)中央径が1〜100μmの非晶質シリカ支持体粒子を提供すること:
b)水性媒体中でアルカリ金属ケイ酸塩を酸性化することによって、シリカ支持体粒子の表面上に活性シリカを堆積させること、
を含み、ここで、前記支持体粒子は、約500Åより大きい直径を有する全ての孔に関して8m2/g未満(水銀圧入法によって測定)の累積表面積、及び約55%より大きい百分率塩化セチルピリジニウム(%CPC)適合性を有する、多孔質表面を有するシリカ粒子のスラリーを提供するのに有効な量で分散させる、前記方法。
【請求項24】
シリカ粒子を脱水し、乾燥し、流動性を有する分割した粒状形態にすることをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記シリカ粒子を提供することは、水溶液中で、乾燥した流動性を有する粒状形態のシリカ粒子をスラリー化することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記シリカ粒子を提供することは、それらの表面積を減少させる工程を開始する前に、シリカ粒状体を含水量20%未満に乾燥しないで、その場で、水性媒体中でアルカリ金属ケイ酸塩を酸性化することによってシリカ粒子を形成することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記シリカ粒子を提供することは、個々に、複数の非晶質シリカ一次粒子が一体化した集団を含むシリカ集合体または凝集体を提供することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記シリカ粒子の%CPC適合性は、約60%より大きい、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記シリカ粒子の%CPC適合性は、約70%より大きい、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記シリカ粒子の%CPC適合性は、約80%より大きい、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記シリカ粒子の%CPC適合性は、約55%〜約90%の範囲内である、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
請求項23に記載の方法による生成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−524555(P2007−524555A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503477(P2006−503477)
【出願日】平成16年2月9日(2004.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/003955
【国際公開番号】WO2004/073539
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(596129189)ジェイ・エム・ヒューバー・コーポレーション (22)
【Fターム(参考)】