説明

河川護岸及び法面保護用植生マット並びにこれに用いられる固定装置

【課題】道路工事及び一般の土木工事時に発生する斜面、即ち、河川護岸または法面を保護するために、植生マットを積層した後、上記補強ワイヤまたは網状部材を固定装置で密着させ、堅固に植生マットを法面に固定できる河川護岸及び法面保護用植生マット並びにこれに用いられる固定装置を提供する。
【解決手段】河川護岸及び法面保護用植生マットは、幅と長さを有し、生分解性材質からなる第1生分解ネットと、上記第1生分解ネットの上面に積層され、表面に植物種子が付着された植生用紙と、上記植生用紙に付着され、ココナッツ皮からなり、表面は黄麻を用いて格子状に製織された黄麻ネットと、上記黄麻ネットの上面に積層され、ココナッツ皮を所定の厚さに積層して密集形成されたココナッツマットと、上記ココナッツマットの上面に積層され、光分解性材質からなる第2生分解ネットと、上記第2生分解ネットの上面に積層され、ロープ形状を有する法面の垂直または水平の長手方向に設けられる補強ワイヤとで構成され、また、植生マットを法面に固定させるための固定装置は、中央に2つの貫通孔が形成された四角板状の両側先端に、四角板状を基準に鋭角の上向き連結された2つの板状の翼部で構成された本体と、上記四角板状に形成された貫通孔を挿通する鉄線ワイヤと、上記本体の四角板状の上部に上向きとなった鉄線ワイヤの長手方向に形成され、四角板状の上面に面接するように両側が傾斜するように形成され、上部の両側に取っ手が形成された垂直の円筒状を有する打撃機構とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、河川護岸及び法面保護用植生マット並びにこれに用いられる固定装置に関し、より詳細には、河川の斜面、切土法面または法面に設けて土砂崩壊を防止するとともに、水辺の植生が效果的になされるようにし、種の発芽を促進または草木類マットの活着を促進させ、緑化が早く進行できるように、法面と張り付け構造物間の一体化を容易にすることができる河川護岸及び法面保護用植生マット並びにこれに用いられる固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、河川流域の土地の利用が増大し、都市化が進められるに伴い、河川環境は顕著に変化しており、このような河川環境の変化は、河川環境の整備方式が治水、利水を目的とした大規模の土木工事を中心に進行されるため、さらに加速化し、河川が有する固有の自然環境の機能は低下している傾向である。
【0003】
また、河川の水質汚染はもとより、生態系の構成要素としての河川植生と河川に生息する魚類と鳥類の生息密度が低くなり、ひいては生息動物の多様性が減少し、生態系の生息地としての機能が衰退した。
【0004】
河川周辺の土地利用の密度が高い都市河川の場合、洪水疎通の治水を目的として低水路及び水辺の整備、水路の線状整備、河川堤防の築造などにより河川環境が変更され、低水路の護岸部は、コンクリートブロック化した。
【0005】
例えば、コンクリート護岸ブロックは、河川水が土壌層に浸透するのを物理的に遮断させ、自然河川の川辺の湿生植物を乾生化させるだけでなく、川辺植生の提供する影がなくなるに伴って水温変化が深刻になり、水中低棲生物、魚類の生息地、産卵地としての機能を失い、さらに川辺植生地の周辺で餌を取り、植生の薮に身を隠す鳥類の生息基盤まで損なう問題がある。
【0006】
また、土木工事後にできる土手や切土などのような切土法面や盛土地域の法面には、雨水により土砂が流出するのを防止するための方案として、その表面に草木を植栽して緑化する。
【0007】
通常の方法では、芝がある程度伸びた状態で芝を法面に直接張る張り芝施工法が主に用いられたが、このような施工法は、野芝を採取するか、または、予め芝を人工裁培する必要があるため、芝の需給に困難があった。それだけでなく自然環境を損なうことがあり、施工過程において過度な労働力と時間が要される非経済的な問題点があった。
【0008】
このような問題点を解消するための方案として、法面に種が混合された粘着剤を吹きつけ、種が発芽して緑化できるシードスプレー工法が提案されており、提案された工法は、粘着剤が吹き付けられたその表面に蓋を閉じ、水分の蒸発を防止することで発芽を促進し、さらに発芽後に腐食して草木の成長に必要な栄養分を供給できるようになる。
【0009】
しかし、シードスプレー工法は、単純に混合種子を散布し、切芝をライン状に植えるため、完全に張るまでは4〜6年が要され、また、斜面を保護する何ら補助材がなく、洪水時に水量の増加により堤防が崩壊するか、または損なわれる短所が現れる。
【0010】
また、蓋を硬化した粘着剤の表面に密着するために、鉄材やプラスチック材で備えられた固定杭(鉄板アンカー)を用いて固定するようにしたが、固定杭が法面に打ち込まれた状態で長期間経過し、植栽された草本類の根が地面に強く根付いていない状態で固定杭の離脱により植栽された植生マットの一部が破損している状態があった。
【0011】
そして、周知のように、切土法面は、20世紀に入り、交通手段の発達により増える道路を施工するために、山の一部や江、河川などの一部に道路を施工することにより道路の周縁に形成される。
【0012】
このような切土法面は、エルニーニョ、ラニーニャなどの地球の異常気温のため、予想できない暴雨が降り、70〜80%の切土法面で水が流れると同時に、そうでない水が地中に浸透し、道路または切土法面の、土質の弱い部分にしみ込むようになる。
【0013】
このように地中に多量の水がしみ込むようになれば、切土法面が崩壊または破損するが、法面の崩壊により道路を運行する車両が埋没または転覆する事故が発生することはもちろん、車両の通行が不能になり、人命はもとより莫大な財産的損失を蒙るようになる。
【0014】
このような切土法面の土質は、岩石を掘削してなるか、または土砂からなるが、土砂の大部分をなす土は、岩石の長年の物理化学的な作用及び生物学的な風化作用によって生成される。
【0015】
また、岩石から生成された土の主要構成要素には、岩石の風化産物である鉱物とともに動物、植物の残骸で形成された有機物と、有機物の分解過程で生成される水、炭酸ガス、酸素などが含まれている。
【0016】
従って、山や河川などの切土法面は、切土法面の施工後、概ね5〜10年が過ぎてこそ土質の生物学的な風化作用により植物が生育できる土質に変化する。
【0017】
このような切土法面には、梅雨期の暴雨、集中豪雨などにより損なわれないように、芝、潅木などの観賞用植物を植えて緑化することにより、切土法面が崩壊または破損しないようにしている。
【0018】
このような切土法面の緑化工法は、切土法面に覆土し、これに芝、潅木植物の種を播種した後、わら、繊維網などの保温材を覆って湿度を維持させることにより、発芽された種が成長し、切土法面が緑化されるようにする。
【0019】
ところが、このような切土法面の緑化は、種を播種し、種が成長するようになるが、まだ根付いていない法面部位や地質的な脆弱点が現れた法面部位に暴雨や集中豪雨などが降りると、切土法面が洗掘され、崩壊または破損する弊害がある。
【0020】
また、切土法面は、その土質によってリッピング岩(風化岩)、軟岩、硬岩などに区分されるが、リッピング岩、硬岩の場合、切土法面の施工後、切土法面に金網や繊維網などを設けた後、下水汚泥、飲食物汚泥、産業廃棄物、スラッジ、汚泥などからなる培土で覆土した後、網や繊維網などを設け、その上に種を播種して緑化させた。
【0021】
しかし、上記金網や繊維網を固定させるために、鉄材やプラスチック材で備えられた固定杭(アンカーピン)を用いて固定するが、固定杭が法面に打ち込まれている状態が長期間経過すれば、地面の風化作用及び多年間の気温差による結束部位の地面が緩み、固定杭が離脱するおそれが発生し、これから派生した暴雨及び気温差による土砂の流失によって連鎖的な固定杭の離脱が発生する。
【0022】
また、山の一部を削り出すような土木工事の後には、その該当部分を緑化することが要求されており、切り取られた部分の緑化は、水害予防または山崩れ防止の側面で多くの意味を持っている。このような緑化構造については、これまで多くの提案があったが、最も顕著に台頭する問題点は、緑化構造が土木工事後の斜面に、より堅固に支持できないということである。即ち、暴雨によって緑化された部分の全体または一部が水によって流される場合が多く、実質的に緑化事業そのものがそれほど信頼性を確保していない現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、このような問題点を解消するために創出したものであって、道路工事及び一般の土木工事時に発生する斜面、即ち、河川護岸または法面を保護するために、植生マットを積層した後、上記補強ワイヤまたは網状部材を固定装置で密着させ、堅固に植生マットを法面に固定できる河川護岸及び法面保護用植生マット並びにこれに用いられる固定装置を提供することにその目的がある。
【0024】
そして、本発明の他の目的は、草本類の成長に必要な水分または栄養分を十分に供給することができ、また、草本類の成長後、植生マットの一部または全体が自然に分解されることにより、環境汚染の根本的な問題を解決できる河川護岸及び法面保護用植生マット並びにこれに用いられる固定装置を提供することにある。
【0025】
また、本発明の他の目的は、排水路、小河川、道路の斜面や護岸において、洪水時に発生する流速による斜面の流失を防止し、植物が容易に育つことができるようにし、既存のコンクリートや護岸ブロック、そして各種のマット類の施工時に問題とされる泥水と環境ホルモンが排出され、水辺及び水中の生態系が撹乱され、動/植物の生息地の破壊などによる環境汚染と施工費用を減らすことができ、恒久的な斜面保護効果と、植物の成長が容易で、より環境にやさしい施工条件を形成できる河川護岸及び法面保護用植生マット並びにこれに用いられる固定装置を提供することにある。
【0026】
そして、本発明の他の目的は、道路工事及び一般の土木工事時に発生する斜面、即ち、法面を保護するために、不織布に種を吹き付けたシードスプレー、種が付着された不織布または植栽された草本類マットを敷設した後、その上に網またはネットを設け、さらに上記網またはネットを補強するための補強ワイヤを設置し、上記網と補強ワイヤとが直面する場所に固定装置を密着、固定するようにすることにより、種の発芽を促進または草木類マットの活着を促進させ、緑化が早く進行できるようにした河川護岸及び法面保護用植生マット並びにこれに用いられる固定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上記目的を達成するための本発明による河川護岸及び法面保護用植生マットは、幅と長さを有し、生分解性材質からなる第1生分解ネットと、上記第1生分解ネットの上面に積層され、表面に植物種子が付着された植生用紙と、上記植生用紙に付着され、ココナッツ皮からなり、表面は黄麻を用いて格子状に製織された黄麻ネットと、上記黄麻ネットの上面に積層され、ココナッツ皮を所定の厚さに積層して密集形成されたココナッツマットと、上記ココナッツマットの上面に積層され、光分解性材質からなる第2生分解ネットと、上記第2生分解ネットの上面に積層され、ロープ形状を有する法面の垂直または水平の長手方向に設けられる補強ワイヤとで構成されたものである。
【0028】
また、本発明は、望ましくは、上記補強ワイヤの代わりに金属材の表面に合成樹脂がコーティングされ、網状に組み立てられた網状部材が設けられたものである。
【0029】
そして、本発明は、望ましくは、上記植生マットを法面に固定させるための固定装置として、中央に2つの貫通孔が形成された四角板状の両側先端に、四角板状を基準に鋭角の上向き連結された2つの板状の翼部で構成された本体と、上記四角板状に形成された貫通孔を挿通する鉄線ワイヤと、上記本体の四角板状の上部に上向きとなった鉄線ワイヤの長手方向に形成され、四角板状の上面に面接するように両側が傾斜するように形成され、上部の両側に取っ手が形成された垂直の円筒状を有する打撃機構とを含むものである。
【0030】
また、本発明は、望ましくは、法面の表面に第1生分解ネットが敷設され、また、上記第1生分解ネットの上面に草本類植栽マットが敷設され、さらに、上記草本類植栽マットの上面に草本類植栽マットが法面の表面に密着するようにネットが覆われ、上記ネットの上面を通じて所定の間隔で法面地中に固定される固定装置であって、上記固定装置は、互いに対面するように連結された翼辺が外側に広まった「V」形状を有し、各翼辺が外向きになるように流線型に折り曲げられ、各翼辺の一面に貫通した締結孔が形成され、各翼辺が連結される打撃面の中央に誘導孔が形成された本体と、上記本体の翼辺の締結孔を貫通して連結される鉄線とを含んで構成されたものである。
【0031】
そして、本発明は、望ましくは、上記鉄線が形成された本体の打撃面に位置する打撃機構をさらに備え、上記本体の折り曲げられた中央の誘導孔に挿入されるように、上記打撃機構の先端に突出部が形成されるものである。
【0032】
また、本発明は、望ましくは、法面の表面に種を固着させた不織布形態の発芽層を敷設し、上記発芽層の上面に、発芽層が法面の表面に密着するように、網が覆われ、また、上記網の上面に直線状に一定の間隔で配列されるワイヤロープが設けられ、上記網の上面に位置したワイヤロープが直線状に一定の間隔で多数配列されたその両端及び交差する部分において法面の地中に打込まれる固定装置であって、上記固定装置は、水平断面が円形であり、下方の尖端向きに狭まる傾斜を有する頭部と、上記頭部の上端外周の先端に、上記頭部の水平上面を基準に鈍角に上向き連結される多数の翼部と、上記頭部の上面に、各翼部の内側に所定の幅を有する打撃空間部が形成されるように、中央に垂直に上向きになった所定の長さを有する胴体部と、上記頭部の下端部から胴体部の上端部まで垂直貫通した一対の結束孔が形成され、上記各結束孔を貫通して連結されて上記胴体部の下端部に突出する鉄線ワイヤとを含むものである。
【0033】
そして、本発明は、望ましくは、上記頭部、翼部及び胴体部は、一体に構成されるものである。
【0034】
また、本発明は、望ましくは、上記頭部の水平断面は、四角形、六角形、八角形のうちのいずれか一つからなり、上記選択された頭部の上部先端の各辺ごとに、上記頭部の水平上面を基準に鈍角に上向き連結される翼部が構成されたものである。
【0035】
そして、本発明は、望ましくは、上記固定装置の頭部、翼部及び胴体部は、一体のプラスチック材質で構成されたものである。
【発明の効果】
【0036】
上記のように、本発明によれば、第1生分解ネット‐植生用紙‐黄麻ネット‐ココナッツマット‐第2生分解ネット‐補強ワイヤまたは網状部材を敷設した植生マットと、上記植生マットを地面に固定するための固定装置を用いて地面から植生マットの離脱を防止し、植生マット内での植物成長後、生分解性物質からなる植生マットは自然に分解され、また固定装置も時間が経つにつれて自然分解がなされるようになり、環境汚染の根本的な問題を解決することができる。
【0037】
また、本発明によれば、排水路、小河川、道路の斜面や護岸において、洪水時に発生する流速による斜面の流失を防止し、植物が容易に育つことができるようにすることにより、既存のコンクリートや護岸ブロック、そして各種のマット類の施工の際、泥水と環境ホルモンが排出され、水辺及び水中の生態系が撹乱され、動/植物の生息地を破壊するような問題を效果的に防止することができ、また、環境汚染を防止し、施工費用を節減できるとともに、恒久的な斜面保護効果と植物の成長が容易であって、より環境にやさしい施工条件を形成できるという優れた効果が得られる。
【0038】
そして、本発明によれば、切土面または法面に草本類植栽マットを積層し、固定装置を用いて切土面の地面と草本類植栽マットとを一体化させることにより、種の発芽を促進または草木類マットの活着を促進させ、緑化が早く進行できるだけでなく、固定装置が法面の地中に打込まれれば、容易に抜けたり離脱したりせず、法面の土壌が法面から流失することを效果的に防止し、植生緑化が自然に可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による河川護岸及び法面保護用植生マットの構造図である。
【図2】本発明による河川護岸及び法面保護用植生マットの構造図である。
【図3】本発明による河川護岸及び法面保護用植生マットの施工構成図である。
【図4】本発明による河川護岸及び法面保護用植生マットの施工後の積層構造図である。
【図5】本発明による河川護岸及び法面保護用植生マットの側面施工構成図である。
【図6】本発明による河川護岸及び法面保護用植生マットの施工後に固定装置を設ける構成図である。
【図7】図6の本発明による河川護岸及び法面保護用植生マットにおける「A」部位の拡大図である。
【図8】本発明による河川護岸及び法面保護用植生マットと固定装置の施工後の断面図である。
【図9】本発明による河川護岸及び法面保護用植生マットの固定装置の斜視図である。
【図10】本発明による河川護岸及び法面保護用植生マットの固定装置の本体構造図である。
【図11】本発明による河川護岸及び法面保護用植生マットの固定装置の分離図である。
【図12】本発明の変形例による固定装置の構成図である。
【図13】本発明の変形例による固定装置の構成図である。
【図14】本発明の変形例による固定装置と打撃機構の組立図である。
【図15】本発明の変形例による固定装置の本体に打撃機構を組み立てた構造図である。
【図16】本発明の変形例による固定装置を草本類植栽マットの施工のために法面に設ける図面である。
【図17】本発明の変形例による固定装置を草本類植栽マットの施工のために法面に設ける側面図である。
【図18】本発明の変形例による固定装置を草本類植栽マットの施工のために法面に設けた図面である。
【図19】図18の本発明の変形例による固定装置を草本類植栽マットの施工のために法面に設けた「B」部位の拡大図である。
【図20】本発明の変形例による固定装置を草本類植栽マットの施工のために法面に設けた側面図である。
【図21】図20の本発明による固定装置を草本類植栽マットの施工のために法面に設けた「C」部位の拡大図である。
【図22】本発明の変形例による固定装置を草本類植栽マットの施工のために鉄線ワイヤに固定させる施工図である。
【図23】本発明の他の変形例による固定装置の斜視図である。
【図24】本発明の他の変形例による固定装置の正面図である。
【図25】本発明の他の変形例による固定装置の垂直断面斜視図である。
【図26】本発明の他の変形例による固定装置の垂直断面正面図である。
【図27】本発明の他の変形例による固定装置と補助金属キャップの組立構成図である。
【図28】本発明の他の変形例による固定装置の水平断面が四角形の頭部を有する斜視図である。
【図29】本発明の他の変形例による固定装置の水平断面が六角形の頭部を有する斜視図である。
【図30】本発明の他の変形例による固定装置の水平断面が八角形の頭部を有する斜視図である。
【図31】本発明の他の変形例による固定装置を法面に設けた構成図である。
【図32】図31の本発明の他の変形例による固定装置を法面に設けた「D」部位の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明を、添付の例示図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本発明による河川護岸及び法面保護用植生マット(以下、単に「植生マット」という)100は、一定の幅と長さを有し、生分解性材質からなる第1生分解ネット110を備え、また、上記第1生分解ネット110の上面に積層され、表面に植物種子が付着された植生用紙120を備える。
【0041】
そして、本発明による植生マット100は、上記植生用紙120に付着され、ココナッツ皮からなり、表面は黄麻を用いて格子状に製織された黄麻ネット130を備え、また、上記黄麻ネット130の上面に積層され、ココナッツ皮を所定の厚さに積層して密集形成されたココナッツマット140を有する。
【0042】
また、本発明による植生マット100は、上記ココナッツマット140の上面に積層され、光分解性材質からなる第2生分解ネット150と、上記第2生分解ネット150の上面に積層され、ロープ形状を有する法面の垂直または水平の長手方向に設けられる補強ワイヤ160aとを含む積層構造を有する。
【0043】
上記生分解性材質からなる第1生分解ネット110は、生分解性PE樹脂またはPP樹脂に、澱粉のような天然物質を一定部分添加し、上記樹脂が崩壊するようにする生分解性ネットを製織した状態を意味するものであって、引張強度を維持する役割をする。
【0044】
また、本発明による河川護岸及び法面保護用植生マット100は、植生用紙120と黄麻ネット130とが有機的に結合してなる構造である。
【0045】
ここで、上記植生用紙120は、植物種子の離脱を防止し、また発芽率を高めるために、画仙紙、韓紙などの紙類を主に用いて肥料及び湿潤材を植物種子と一緒に配合させて製作する。
【0046】
また、上記黄麻ネット130は、植生基盤材の役割をし、またココナッツ皮または黄麻を用い、植生用紙120の一側面または両側面に一体または分離式に設けられる。
【0047】
そして、上記黄麻ネット130は、黄麻が格子状に製織されて固設されることにより、上記黄麻ネット130の上面に積層されるココナッツマットの構造的安全性及び耐久性を確保する。
【0048】
上記ココナッツマット140は、ココナッツ皮を所定の厚さに積層して密集形成されることにより、地面から水分が揮発するのを防止し、植生用紙の植物種子の発芽のために水分を供給する役割をし、また、植物種子に必要な有機肥料と保温効果を与え、植物種子または成長した植栽の栄養要素または保湿効果を提供する役割をする。
【0049】
また、本発明による河川護岸及び法面保護用植生マット100は、上記ココナッツマット140の上面に積層され、また、光分解性材質からなる第2生分解ネット150を含み、上記光分解性の第2生分解ネット150は、TiOのような光触媒物質を含有したPPまたはPE樹脂で製造された、光分解される材料を用いる。
【0050】
そして、本発明による河川護岸及び法面保護用植生マット100は、第2生分解ネット150の上面に積層され、また、ロープ形状を有する補強ワイヤ160aが設けられるが、これは、上記第1生分解ネット110において、第2生分解ネット150の積層構造物を河川護岸または法面に施工した後の上記積層構造物の離脱を防止し、また、長時間が経ち、自然災害により河川護岸または法面の土砂が離脱または崩壊するのを予め防止できる役割をするようになる。
【0051】
また、図2に示すように、上記補強ワイヤ160aの代わりに、金属材の表面に合成樹脂がコーティングされ、網状に組み立てられた網状部材160bを設けてもよい。
【0052】
以下、上記ような構成となっている本発明による河川護岸及び法面保護用植生マット100の施工について説明する。
【0053】
図3〜図8に示すように、本発明による河川護岸及び法面保護用植生マットの施工方法は、植生マット100の設置対象である地表面、即ち法面105を整える段階が行われ、次に上記法面105に第1生分解ネット110‐植生用紙120‐黄麻ネット130‐ココナッツマット140‐第2生分解ネット150からなる積層構造物を敷設する段階が行われる。
【0054】
そして、上記積層構造物の上面に垂直または水平の長手方向に補強ワイヤ160aを設け、植生マット100の積層構造をなす段階が行われ、次に上記補強ワイヤ160aが設けられた線状を基準に、植生マット100を固定装置200で固定する段階が行われる。また、上記のように固定装置200で固定された植生マット100上に周辺の土砂を覆土する段階を含む。
【0055】
このように本発明による河川護岸及び法面保護用植生マット100を法面に施工する過程において、植生マット100を法面に固定する固定装置200は、図9〜図11に示すように、金属材または生分解性樹脂で構成され、また、中央に貫通孔213が形成された四角板状211の両側先端に、四角板状211を基準に鋭角の上向き連結された2つの板状翼部212で構成された本体210を有する。従って、上記本体210は、「V」形状の断面構造を形成する。
【0056】
そして、上記四角板状211に形成された貫通孔213に挿通される鉄線ワイヤ220を備える。このような鉄線ワイヤ220は、四角板状211に形成された貫通孔213を通って挿入されるものであって、図9に示すように、上部側に長く延在し、法面105に形成された多数の穴の深くよりも長く形成されたものである。
【0057】
また、上記本体210の四角板状211の上部に上向きになっている鉄線ワイヤ220の長手方向に打撃機構230を備えるが、上記打撃機構230は、本体210の四角板状211の上面に面接するように、両側が傾斜するように形成され、また、上部両側に取っ手231が形成された垂直の円筒状を有する金属棒からなる。
【0058】
このような固定装置200は、図6及び図7に示すように、法面105に第1生分解ネット110‐植生用紙120‐黄麻ネット130‐ココナッツマット140‐第2生分解ネット150からなる積層構造物を敷設した後、法面105に形成された多数の穴にそれぞれ固定装置200を打ち込むようになる。
【0059】
このような過程において、図10及び図11に示すように、打撃機構230の取っ手231を掴み、ハンマー(図示しない)で打撃し、法面105に形成された多数の穴にそれぞれ固定装置200を容易に打ち込むようになる。
【0060】
そして、このように固定装置200の設置がなされれば、打撃機構230を抜いて除去する。従って、上記第2生分解ネット150の上面には、固定装置200の鉄線ワイヤ220が突出した状態で存在し、そこで上記鉄線ワイヤ220を補強ワイヤ160aまたは網状部材160bに縛って固定させれば、植生マット100の施工が完了する。
【0061】
また、本発明による植生マット100に用いられるあらゆる構成要素は、図6〜図8に示すように、できるだけ法面に設けた後、長期間にわたって地面を固定し、最上面に形成された補強ワイヤ160aまたは網状部材160bを結束させ、地面の土砂が流出または崩壊するのを防止することで、2次的な防御手段として作用し、自然災害により発生する山崩れなどを防止する役割を果たすことができる。
【0062】
それだけでなく、このように植生マット100に用いられるあらゆる構成要素は、一定時間後に腐食され得る生分解性素材で製作されることにより、環境保護に尽くすことができ、それは自然と人間が共存する道であることを明らかにしたい。
【0063】
一方、上記植生マット100は、多様な流速に関係なく流速に応じて用いることができ、補強ワイヤ160aまたは網状部材160bの上段への周辺土砂の覆土有無に関係なく、植生マット100を固定する固定装置200が地面に打ち込まれているので、植物種子の発芽及び活着には特別な影響を及ぼさない。
【0064】
従って、上記のような構成で施工される本発明による河川護岸及び法面保護用植生マット100は、ココナッツ長繊維で製作されたココナッツマット140が、上述した作用のように、厚みのある植生基盤材であるため、保湿力に優れ、施工初期には一定の強度を保持することができ、植物種子の活着及び流失防止に卓越した機能を発揮する。
【0065】
また、ココナッツマット140は、保湿力に優れ、植物の根を乾燥と侵食から保護する機能をする。そして、上記ココナッツマット140の補強効果を倍加するために上面に積層し、光分解性の第2生分解ネット150と補強ワイヤ160aまたは網状部材160bを設けることにより、植生マット100の強度を高めることができる。従って、洪水時の堤防流失を防止するとともに、植生マット100そのものの耐久性を極大化させることができる。
【0066】
また、上記植生マット100は、河川または法面に堅固な固定装置200によって固定されることにより、植生マット100の植栽化による植生空間を容易に備えることができ、経済的かつ効果的な設計が可能である。
【0067】
そして、本発明の植生マット100は、環境にやさしい素材のみを用いるため、施工後、長期間露出すれば、表面の第1、2生分解ネット層110、150は、光分解または生分解されて消滅し、またココナッツマット層は、腐食して消滅しても、このように長期間が経つときには、網状部材の上に既に芝や野生花が地表面の深くまで根を下ろし、旺盛に緑化完了及び斜面保護機能を效果的に行うことができる。
【0068】
図12〜図22には、本発明の変形例による固定装置1000が示されている。
本発明の変形例による固定装置1000は、法面1010の表面で植栽マットを固定するが、上記法面1010には、第1生分解ネット1020が敷設され、また、上記第1生分解ネット1020の上面に草本類植栽マット1030が敷設され、さらに上記草本類植栽マット1030の上面に、草本類植栽マット1030が法面1010の表面に密着するように、第2生分解ネット1040が敷設され、固定装置1000は、第2生分解ネット1040を貫通して所定間隔で法面地中に固定される。
【0069】
このような本発明の変形例による固定装置1000は、互いに対面するように連結された翼辺1111が外側に広まった「V」形状を有する本体1110を備え、上記本体1110は、各翼辺1111が外向きになるように流線型に折り曲げられており、各翼辺1111の一面には、締結孔1112が形成され、各翼辺1111が連結される打撃面1113の中央に誘導孔1114が形成された構造である。
【0070】
また、上記本体1110の翼辺1111に形成された締結孔1112を貫通して連結される鉄線1120を含んで構成される。
【0071】
そして、図14及び図15に示すように、さらに上記鉄線1120が形成された本体1110の打撃面1113に位置する打撃機構1200を備えるが、上記打撃機構1200は、その先端に突出部1210が形成され、上記本体1110の折り曲げられた中央の誘導孔1114に挿入されるように構成されたものである。
【0072】
本発明の変形例による固定装置1000を用いて法面1010の緑化構造を構成するためには、まず、図16〜図17に示すように、法面1010を平坦に整えた後、網構造の第1生分解ネット1020を上記法面1010の上面に敷設し、また、上記第1生分解ネット1020の上面に草本類植栽マット1030を敷設し、さらに上記草本類植栽マット1030の上面に第2生分解ネット1040を敷設する。
【0073】
このように法面1010に第1生分解ネット1020‐草本類植栽マット1030‐第2生分解ネット1040の順に敷設した状態で、上記固定装置1000を地面に打ち込んで固定する。
【0074】
ここで、上記第1生分解ネット1020と第2生分解ネット1040は、その代わりに黄麻ネット、コアネット、金網、ポリプロピレン樹脂網、生分解性樹脂網、ジオグリッド(geogrid)、ジオテキスタイル、PPネット、PEネットのうちのいずれかを選択して設置することができ、植物の根付き後に自然分解され得る材料を用いることが望ましい。
【0075】
上記ジオグリッド、ジオテキスタイル、PPまたはPEネットは、一定時間後に生分解される材質を用いることが望ましい。
【0076】
そして、図20〜図22に示すように、上記第1生分解ネット1020と第2生分解ネット1040は、横×縦が一定の長さの組織で製織された網紗体であり、上記第1生分解ネット1020は、草本類植栽マット1030で植物の根が法面1010の土砂に活着するまで適当な水分と保温を保持させ、また、草本類植栽マット1030の継ぎ目間に土砂が流出するのを防止するとともに、時間が経つにつれて自然分解による腐土化がなされ、肥料化し、草本類の根の活着のために水分と栄養分を供給する。
【0077】
また、上記第2生分解ネット1040は、上記草本類植栽マット1030が上方に浮遊するか、または離脱することを防止するための固定手段を提供するものである。
【0078】
上記草本類植栽マット1030は、芝、菖蒲、葦のうちのいずれかを用いることができ、また、上記草本類植栽マット1030の代わりに、不織布に種を吹き付けたシードスプレーまたは種が張り付けられた不織布を用いることができる。
【0079】
また、図19に示すように、上記第2生分解ネット1040上に所定の間隔で固定装置1000を打ち込み、上記固定装置1000の一側に「∩」形状の固定ピン1050aまたは「―」形状の鉄線ワイヤ1050bを挿入した後、上記固定装置1000を固定ピン1050aまたは鉄線ワイヤ1050bの先端に固定するものであって、上記固定装置1000は、第2生分解ネット1040の上面に所定の間隔をおいて設けられ、法面1010の地面中に固定される。
【0080】
このような本発明の変形例による固定装置1000は、図12及び図13に示すように、互いに対面するように連結された翼辺1111が外側に広まった「V」形状を有し、各翼辺1111が外向きになるように流線型に折り曲げられ、また、各翼辺1111の一面に貫通した締結孔1112が形成され、各翼辺1111が連結される打撃面1113の中央に誘導孔1114が形成された本体1110を備え、上記本体1110に備えられた翼辺1111の締結孔1112を貫通して連結される鉄線1120を含む構成となっている。
【0081】
そして、図14及び図15に示すように、上記鉄線1120が形成された本体打撃面1113に打撃機構1200を面接させ、第2生分解ネット1040の上面から法面1010の地面中に打ち込んで固定させるものであって、上記本体1110の中央に形成された打撃面1113の誘導孔1114には、上記打撃機構1200の先端に形成された突出部1210が挿入されて固定されることにより、打撃過程中に定位置不良または本体の離脱を防止する。
【0082】
このように固定装置1000を固定させた後、図17及び図22に示すように、打撃機構1200を除去すると、上記第2生分解ネット1040の上面には、固定装置1000の鉄線1120が突出した状態で存在し、そこで、上記鉄線1120間に「∩」形状の固定ピン1050aまたは「―」形状の鉄線ワイヤ1050bを挿入し、上記挿入された固定ピン1050aまたは鉄線ワイヤ1050bの先端に鉄線1120を縛って固定させることで、草本類植栽マット1030の固定作業が完了する。
【0083】
また、法面1010の施工において図式化していないが、上記固定ピン1050aまたは鉄線ワイヤ1050bの代わりに、第2生分解ネット1040を鉄線からなる網(図示しない)で構成し、上記網の先端に上記固定装置1000の鉄線1120を縛って固定してもよい。
【0084】
一方、図23〜図32には、本発明の他の変形例による固定装置2000が示されている。
このような本発明の他の変形例による固定装置2000も、法面の緑化構造に用いられるものであって、上記法面2010には、図31及び図32に示すように、その表面に種を固着させた不織布形態の発芽層2020が敷設され、さらに上記発芽層2020の上面には、発芽層2020が法面2010の表面に密着するように網2030が覆われる。
【0085】
また、上記網2030の上面にワイヤロープ2040が直線状に一定間隔で多数配列され、その両端及び交差する部分で、上記法面2010の地中に固定装置2000が打ち込まれて固定される。
【0086】
このような本発明の他の変形例による固定装置2000は、図23〜図30に示すように、水平断面が円形であり、下方尖端向きに狭まる傾斜を有する頭部2110aを有する。
【0087】
そして、上記頭部2110aの上端外周の先端には、上記頭部2110aの水平上面を基準に鈍角に上向き連結される板状の多数の翼部2120を備え、上記頭部2110aの上面には、各翼部2120の内側に所定の幅を有する打撃空間部2111が形成されるように、中央に垂直に上向きになった所定の長さの胴体部2130を有する。
【0088】
また、上記頭部2110aの下端部から胴体部2130の上端部まで垂直貫通した一対の結束孔2140が形成され、上記各結束孔2140を貫通して連結されて上記胴体部2130の下端部に突出する鉄線ワイヤ2150を含む構造である。
【0089】
また、本発明の他の変形例による固定装置2000は、法面の緑化構造を施工するにおいて、まず法面2010を平坦に整えた後、法面2010には種を固着させた不織布形態の発芽層2020を敷設し、上記発芽層2020が法面2010の地面に密着するように網2030を敷設し、さらに上記網2030の結束を補助する、網2030の上面に直線状に一定の間隔で配列されるワイヤロープ2040を設ける。
【0090】
また、上記発芽層2020は、その表面が一般に用いられる、稲藁を編んで作った筵と、ココア皮を連結したひもで製織されたココアネットと、麻纎維で編んで製織された黄麻ネットのうちのいずれか一つからなる。
【0091】
そして、上記発芽層2020を法面2010の地面に密着させるために発芽層2020の上面に設けられる網2030は、合成繊維糸を用いて網状に製織されたグリッド、鉄線で合成樹脂がコーティングされた網状構造の金網または腐食性のない網状構造のワイヤメッシュのうちのいずれか一つからなる。
【0092】
また、上記法面2010の上面に設けられた発芽層2020、網2030及びワイヤロープ2040を法面2010の地中に打ち込むために、本発明の固定装置2000を用いるようになり、予め法面2010の地中にアンカードリルのような道具を用いて予備穴2050をあけて置く作業が必要である。
【0093】
このような予備穴2050は、上記網2030の上面にワイヤロープ2040が直線状に一定の間隔で多数配列されるその両端または交差する部分に形成され、このような予備穴2050に挿入される固定装置2000は、その頭部2110aの上端外周の先端に、上記頭部2110aの水平上面を基準に鈍角に上向き連結された多数の翼部2120により、予めあけて置いた上記予備穴2050に容易に挿入することができる。
【0094】
即ち、予備穴2050に挿入する時、翼部2120は、外側に開こうとする応力が発生するので、若干圧縮するようにして押し込めば、上記予備穴2050に容易に挿入されるが、一旦、傾きを有する上記翼部2120が予備穴2050内に深々と挿入されると、翼部2120の持っている弾性により元の状態に復帰して広がるので、上記予備穴2050の内側を強く圧迫するようになり、そのため引っかかって反対方向には容易に抜け出すことができなくなる。
【0095】
また、上記固定装置2000は、その頭部2110aの下端部から胴体部2130の上端部まで貫通した一対の結束孔2140を通じて鉄線ワイヤ2150を連結し、上記胴体部2130の上端部に突出するようにしたものであって、上記法面2010上部の網2030の上面に直線状に一定の間隔で多数配列されるワイヤロープ2040の両端及び交差する部分に位置し、上記胴体部2130の上部に突出した鉄線ワイヤ2150をワイヤロープ2040に縛って結束させるようになる。
【0096】
そして、本発明の他の変形例による固定装置2000は、上記鉄線ワイヤ2150が設けられた状態で、上記法面2010の予備穴2050に挿入させるためにガイド役割をする補助金属キャップ2200をかぶせて予備穴2050に挿入する。
【0097】
このように補助金属キャップ2200を鉄線ワイヤ2150が装着された固定装置2000にかぶせて予備穴2050に内属させる場合、上記垂直円筒状の補助金属キャップ2200の貫通した一端部を通して胴体部2130を挿入させ、頭部2110aの上面に形成された打撃空間部2111に面着した状態で予備穴2050に内属させるようになり、その後、上記補助金属キャップ2200を除去すれば、予備穴2050に固定装置2000が強固に装着される。
【0098】
また、本発明の他の変形例による固定装置2000は、上記頭部2110a、翼部2120及び胴体部2130が一体に構成され、法面2010の地中に打ち込まれる過程で一部短絡したり折れたりすることがないようにするために提供される。
【0099】
そして、上記頭部2110aは、その水平断面が四角形2110b、六角形2110c、八角形2110dのうちのいずれか一つからなり、上記選択された頭部2110b、2110c、2110dの上端円周の各辺ごとに、上記頭部2110b、2110c、2110dの水平上面を基準に鈍角に上向き連結される翼部2120が設けられる。
【0100】
このように上記選択された頭部2110b、2110c、2110dは、その上部先端の各辺ごとに翼部2120が形成されるものであって、各先端辺に上向き連結される翼部2120が継ぎ目なく連結される状態を有することにより、翼部2120の離脱を防止する。
【0101】
また、上記固定装置2000は、その頭部2110a、翼部2120及び胴体部2130が一体のプラスチック材質で構成されることにより、頭部2110aと胴体部2130の内部が密集した形態を有し、一層堅固で強い構造を提供する。
【0102】
本発明は、上述したように図面を参照し、特定の実施例について詳細に説明したが、本発明はこのような特定の構造に限定されるものではない。当業界における通常の知識を有する者であれば、以下の特許請求の範囲に記載された本発明の技術思想及び権利範囲を逸脱しなくても、本発明の河川護岸及び法面保護用植生マット並びにこれに用いられる固定装置の実施例を多様に修正または変更できるものである。なお、そのような単純な実施例の修正または設計変形の構造は、いずれも明確に本発明の権利範囲に属するものであることを明らかにする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅と長さを有し、生分解性材質からなる第1生分解ネット110と、
上記第1生分解ネット110の上面に積層され、表面に植物種子が付着された植生用紙120と、
上記植生用紙120に付着され、ココナッツ皮からなり、表面は黄麻を用いて格子状に製織された黄麻ネット130と、
上記黄麻ネット130の上面に積層され、ココナッツ皮を所定の厚さに積層して密集形成されたココナッツマット140と、
上記ココナッツマット140の上面に積層され、光分解性材質からなる第2生分解ネット150と、
上記第2生分解ネット150の上面に積層され、ロープ形状を有する法面の垂直または水平の長手方向に設けられる補強ワイヤ160aとを含むことを特徴とする、河川護岸及び法面保護用植生マット。
【請求項2】
上記補強ワイヤ160aの代わりに、金属材の表面に合成樹脂がコーティングされ、網状に組み立てられた網状部材160bが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の河川護岸及び法面保護用植生マット。
【請求項3】
植生マットを法面に固定するために用いられる固定装置であって、
中央に2つの貫通孔が形成された四角板状211の両側先端に、四角板状211を基準に鋭角に上向き連結された2つの板状翼部212で構成された本体210と、
上記四角板状211に形成された貫通孔213に挿通される鉄線ワイヤ220と、
上記本体210の四角板状211の上方に上向きになった鉄線ワイヤ220の長手方向に形成され、四角板状211の上面に面接するように両側が傾斜するように形成され、上部の両側に取っ手231が形成された垂直の円筒状を有する打撃機構230とを含むことを特徴とする、河川護岸及び法面保護用植生マットの固定装置。
【請求項4】
法面1010の表面に第1生分解ネット1020が敷設され、上記第1生分解ネット1020の上面に草本類植栽マット1030が敷設され、上記草本類植栽マット1030の上面に草本類植栽マット1030が法面1010の表面に密着するように第2生分解ネット1040またはマットが覆われ、上記第2生分解ネット1040またはマットの上面を通じて所定の間隔で法面の地中に固定される固定装置であって、
互いに対面するように連結された翼辺1111が外側に広まった「V」形状を有し、各翼辺1111が外向きになるように流線型に折り曲げられ、また、各翼辺1111の一面に貫通した締結孔1112が形成され、各翼辺1111が連結される打撃面1113の中央に誘導孔1114が形成された本体1110と、
上記本体1110の翼辺1111に形成された締結孔1112を貫通して連結される鉄線1120とを含むことを特徴とする、河川護岸及び法面保護用植生マットの固定装置。
【請求項5】
さらに上記鉄線1120が形成された本体打撃面1113に打撃機構1200を備え、上記本体1110の折り曲げられた中央誘導孔1114に挿入されるように、上記打撃機構1200の先端に突出部1210が形成されることを特徴とする、請求項4に記載の河川護岸及び法面保護用植生マットの固定装置。
【請求項6】
法面2010の表面に種を固着させた不織布形態の発芽層2020が敷設されるようにし、上記発芽層2020の上面に、発芽層2020が法面2010の表面に密着するように網2030が敷設され、上記網2030の上面に直線状に一定の間隔で配列されるワイヤロープ2040が設けられ、上記網2030の上面に位置したワイヤロープ2040が直線状に一定の間隔で多数配列されたその両端及び交差する部分で法面2010の地中に打ち込まれる固定装置であって、
水平断面が円形であり、下方尖端向きに狭まる傾斜を有する頭部2110aと、
上記頭部2110aの上端外周の先端に、上記頭部2110aの水平上面を基準に鈍角に上向き連結される、板状に多数形成された翼部2120と、
上記頭部2110aの上面に、各翼部2120の内側に所定の幅を有する打撃空間部2111が形成されるように、中央に垂直に上向きになった所定の長さの胴体部2130と、
上記頭部2110aの下端部から胴体部2130の上端部まで垂直貫通した一対の結束孔2140が形成され、上記各結束孔2140を貫通して連結されて上記胴体部2130の下端部に突出する鉄線ワイヤ2150とを含むことを特徴とする、河川護岸及び法面保護用植生マットの固定装置。
【請求項7】
上記頭部2110a、翼部2120及び胴体部2130は、一体に構成されることを特徴とする、請求項6に記載の河川護岸及び法面保護用植生マットの固定装置。
【請求項8】
上記頭部2110aの水平断面は、四角形2110b、六角形2110c、八角形2110dのうちのいずれか一つからなり、上記選択された頭部2110b、2110c、2110dの上端円周の各辺ごとに、上記頭部2110b、2110c、2110dの水平上面を基準に鈍角に上向き連結される翼部2120が設けられることを特徴とする、請求項6に記載の河川護岸及び法面保護用植生マットの固定装置。
【請求項9】
上記頭部2110a、翼部2120及び胴体部2130は、一体のプラスチック材質で構成されることを特徴とする、請求項6に記載の河川護岸及び法面保護用植生マットの固定装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公表番号】特表2011−526973(P2011−526973A)
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517362(P2011−517362)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【国際出願番号】PCT/KR2010/000350
【国際公開番号】WO2010/085075
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(511002559)ナチュラル サイエンス カンパニー,リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】NATURAL SCIENCE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】151−4,Daeyul−ri,Samae−myeon,Namwon−si,Jeonbuk 590−892,Republic of Korea
【出願人】(511002582)
【氏名又は名称原語表記】LEE,Ye−Sun
【住所又は居所原語表記】101−303 Anam Apt.,Ajung Maeul,951−1,Inhu−dong 1−ga,Deokjin−gu,Jeonju−si,Jeonbuk 561−731,Republic of Korea
【Fターム(参考)】