説明

油剤拡散装置及び紡糸巻取機

【課題】高圧流体を使用することなく、複数のフィラメント間に確実に油剤を拡散させる。
【解決手段】油剤拡散装置は、給油ノズルにより油剤が付着された糸条が巻き掛けられる回転体10を有している。回転体10は、対向配置され、一体固定された2つの円板11からなり、各円板11には、対向する面から突出し、周方向に等間隔に間隔をあけて配置された複数の突出部12とが形成されている。一方の円板11における複数の突出部12と他方の円板11における複数の突出部12は、周方向に関して交互に並んで配置されている。糸条が走行すると、回転体10が従動回転し、糸条の走行にともなう回転体10の回転により、糸条と突出部12との間欠的な接触が繰り返されることで、糸条Yは振動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油剤拡散装置及び紡糸巻取機に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のフィラメントからなる糸条を走行させる際に生じる糸切れや毛羽を抑制するために、例えば、油剤付与ノズルから油剤を噴射して、糸条に対して油剤を付着させることが一般的に行われている。しかしながら、糸条に対して油剤を付着させるだけでは、付着斑が生じ、複数のフィラメント間に油剤が拡散していないことがある。そこで、糸条に付着した油剤を拡散させる装置が使用されている。例えば、特許文献1に記載の付着油剤の均斉化装置では、油剤の付着した糸条に高圧縮エアを噴きつけて、複数のフィラメント間に油剤を拡散させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−316371号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これでは、高圧縮エアを発生させるエアコンプレッサや、エアコンプレッサから高圧縮エアを噴射する噴射孔までの配管において、エア噴射時に騒音が発生していた。また、高圧縮エアを発生させるための設備が必要であり、且つ、エア消費量が多かった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、高圧流体を使用することなく、複数のフィラメント間に確実に油剤を拡散させる油剤拡散装置及び紡糸巻取機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の油剤拡散装置は、複数のフィラメントからなり、油剤が付着した状態で走行する糸条に間欠的に接触して振動を与える振動付与手段を備えている。
【0007】
本発明の油剤拡散装置によると、高圧流体を使用せずに、油剤が付着した糸条に間欠的に直接振動を与えることで、付着斑を低減し、複数のフィラメント間に確実に油剤を拡散させることができる。
【0008】
また、前記振動付与手段は、糸条に対して、走行する方向と直交し、且つ、向きが逆である2つの方向から振動を与えることが好ましい。これによると、糸条に対して効果的に振動エネルギーを付与でき、複数のフィラメント間に油剤をより確実に拡散させることができる。
【0009】
さらに、前記振動付与手段は、対向配置され、それらの間を走行する糸条と接触して、一体的に従動回転する2つの回転体を備えており、前記2つの回転体の各々は、対向面から突出し、且つ、周方向に間隔をあけて配置された複数の突出部を有しており、一方の回転体における前記複数の突出部と、他方の回転体における前記複数の突出部は、周方向に関して交互に並んで配置されており、一方の回転体の各突出部と他方の回転体との間には、走行する糸条が入り込む隙間が形成されていることが好ましい。これによると、糸条の走行にともない回転体が従動回転することで、糸条はジグザグに走行しながら、一方の回転体の突出部及び他方の回転体の突出部との接触を間欠的に繰り返し、振動する。これにより、簡単な構成で、糸条に対して直交し、且つ、向きが逆である2つの方向から交互に継続して振動を与えることができる。
【0010】
加えて、前記2つの回転体よりも上流側及び下流側には、走行する糸条が前記回転体に所定角度で巻き掛けられて走行するための糸道を規制するガイドがそれぞれ配置されていることが好ましい。これによると、回転板の上流側及び下流側に配置された2つのガイドにより回転板への巻き掛け角度を確保し、糸条を確実に回転板に接触させることを可能にし、糸条に対して確実に振動を与えることができる。また、回転板への巻き掛け角度を確保するためには、ガイドとの接触部において糸条を屈曲させることになり、糸条に与えられた振動の、これらのガイドの上流側及び下流側への伝播が阻止される。
【0011】
本発明の紡糸巻取機は、紡糸部から溶融紡出されたマルチフィラメント糸条に油剤付着手段によって油剤を付着させ、油剤が付着したマルチフィラメント糸条をゴデッドローラを介して送出し、巻取部で巻き取るようにした紡糸巻取機であって、前記油剤付着手段と前記ゴデッドローラとの間に、油剤が付着した糸条に間欠的に接触して糸条に振動を与える振動付与手段を設けている。
【0012】
本発明の紡糸巻取機によると、紡糸部から紡出され、油剤が付着したマルチフィラメント糸条に間欠的に直接振動を与えて、油剤を拡散させている。すると、糸条の集束性、平滑性、制電性などが向上するため、振動付与手段よりも糸条の走行方向の下流側にあるゴデッドローラや、さらにその下流側にある巻取部での糸切れや毛羽を抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
高圧流体を使用せずに、油剤が付着した糸条に間欠的に直接振動を与えることで、付着斑を低減し、複数のフィラメント間に確実に油剤を拡散させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】紡糸機から糸巻取装置までの各種装置の概略構成を示す側面図である。
【図2】油剤拡散装置近傍の拡大斜視図である。
【図3】回転ガイドの構造を示す図であり、(a)は分解斜視図であり、(b)は正面図である。
【図4】糸条が巻き掛けられた回転ガイドの正面図である。
【図5】振動について説明するための回転ガイドの概略正面図であり、(a)は左側の円板から糸条が叩かれたときであり、(b)は右側の円板から糸条が叩かれたときであり、(c)は糸条が左右から連続的に叩かれ振動しているときである。
【図6】変形例1における油剤拡散装置近傍の拡大斜視図である。
【図7】変形例2における油剤拡散装置近傍の拡大斜視図である。
【図8】変形例3における油剤拡散装置近傍の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態について説明する。図1は、紡糸機から糸巻取装置までの各種装置の概略構成を示す側面図である。本実施形態では、図1に示すように、上方にある紡糸機1の紡糸口金1aから吐出された複数のフィラメントからなる糸条Y(マルチフィラメント糸)に給油ノズル2により油剤を付着させた後、油剤拡散装置3により糸条Yに付着した油剤を拡散させ、この糸条Yを2つのゴデッドローラ4a、4bで延伸させた上で、下方にある糸巻取装置5に搬送して、巻き取る。
【0016】
給油ノズル2は、紡糸機1から給糸された複数のフィラメントからなる糸条Yに油剤を噴射して付着させる。ただし、糸条Yには、糸条冷却エアと糸条走行時に発生する随伴気流によって糸揺れが生じ、また、この随伴気流が給油ノズル2の油剤噴射孔に吹き込むことにより糸揺れする糸条Yに付着斑が生じる。そこで、本実施形態では、糸条Yの走行方向における給油ノズル2の下流側において、油剤拡散装置3により糸条Yの複数のフィラメント間に油剤を拡散させる。この油剤拡散装置3について詳しくは後述する。
【0017】
ゴデッドローラ4aは、その上方に配置されたセパレートローラ6aと一対となっており、ゴデッドローラ4bは、その下方に配置されたセパレートローラ6bと一対となっている。2つのゴデッドローラ4a、4bは、図示しない駆動モータによって駆動される駆動ローラであり、2つのセパレートローラ6a、6bは、糸条Yの走行にともなって回転する従動ローラである。
【0018】
紡糸機1から給油ノズル2及び油剤拡散装置3を介して送られた糸条Yは、上流側のゴデッドローラ4a及びセパレートローラ6aに複数回巻き掛けられた後、下流側のゴデッドローラ4b及びセパレートローラ6bに複数回巻き掛けられてから糸巻取装置5に巻き取られる。
【0019】
このとき、下流側のゴデッドローラ4bは、上流側のゴデッドローラ4aよりも高速で回転している。また、ゴデッドローラ4aは糸条Yが延伸可能な温度(例えば、90度)に加熱されているとともに、ゴデッドローラ4bはゴデッドローラ4aよりも高い温度(例えば、120度)に加熱されている。これにより、油剤拡散装置3から送られた糸条Yは、まず、ゴデッドローラ4aで延伸可能な温度まで加熱された後、ゴデッドローラ4bにより延伸されつつ糸巻取装置5に搬送される。
【0020】
このように、2つのゴデッドローラ4a、4bでは、糸条Yに延伸力が付与されるが、仮に、複数のフィラメント間において油剤の付着斑があり、油剤が十分に拡散されていないと、複数のフィラメント間での張力変動にばらつきが生じてしまい、糸切れや毛羽、染斑が起こりやすい。したがって、紡糸機1から送られた糸条Yに給油ノズル2により油剤を付着させた後、油剤拡散装置3により油剤を糸条Yの複数のフィラメント間に拡散させている。
【0021】
次に、油剤拡散装置3について、図2〜図4を参照して説明する。図2は、油剤拡散装置近傍の拡大斜視図である。図3は、回転ガイドの構造を示す図であり、(a)は分解斜視図であり、(b)は正面図である。図4は、糸条が巻き掛けられた回転ガイドの正面図である。図2に示すように、油剤拡散装置3は、給油ノズル2により油剤が付着された糸条Yが巻き掛けられる回転体10(振動付与手段)と、回転体10の上流側及び下流側において、走行する糸条Yを回転体10から離れる方向へ規制する2つのガイド7a、7bとを有している。
【0022】
回転体10は、図3(a)及び図3(b)に示すように、対向配置された2つの円板11からなり、各円板11には、円板11を回動自在に支持する軸8(図2参照)が挿通される貫通孔11aと、貫通孔11aの径方向外側において、一方の面から突出し、周方向に等間隔に間隔をあけて配置された複数の突出部12とが形成されている。突出部12は、径方向内側が最も突出し、縁にいくにつれて突出量が小さくなるように傾斜した円弧状の傾斜面12aを有している。
【0023】
このような構成の2つの円板11は、図3(b)に示すように、突出部12が形成された面が互いに対向して、図示しないネジなどで連結され、一体固定されている。また、一方の円板11における複数の突出部12と他方の円板11における複数の突出部12は、周方向に関して交互に並んで配置されている。そして、突出部12の傾斜面12aと、この傾斜面12aと対向する円板11との間には、傾斜面12aに接触した糸条Yが摺動して、入り込む隙間が形成されている。また、一方の円板11における複数の突出部12の最も突出している部分の径方向内側の端部は、2つの円板11の対向する方向の中心線よりも他方の円板11側に突出している。他方の円板11における複数の突出部12についても同様である。
【0024】
回転体10(2つの円板11の間)に糸条Yを巻き掛けると、図4に示すように、糸条Yは、一方の円板11における突出部12の傾斜面12aと、他方の円板11における突出部12の傾斜面12aに交互に接触して、傾斜面12aとこの傾斜面12aと対向する円板11との間の隙間に摺動して入り込み、ジグザグに屈曲した糸道を形成する。そして、糸条Yを走行させると、糸条Yには回転体10に巻き掛けられながら、糸条Yに対して直交するA方向及びB方向の互いに逆である2つの方向から走行方向に沿って交互に円板11の突出部12が接触する。そうして、糸条Yは、図5(a)に示すように、左の円板11のガイド12によってA方向から叩かれた後、図5(b)に示すように、右の円板11のガイド12によってB方向から叩かれる。このA及びB方向(左右方向)交互からの糸条Yを叩く動作が、回転体10が回転することで繰り返されることで、図5(c)に示すように、糸条Yは連続的に左右から叩かれることになり、連続的に左右に振動する。この振動は、回転体10の上流側及び下流側の糸条Yにおいて生じる。
【0025】
このように、糸条Yは振動すると、振動自体や、糸条Yの複数のフィラメントが振動によって衝突を繰り返すことで、複数のフィラメントに均一に油剤が分散することになり、複数のフィラメント間に確実に油剤を拡散させることができる。
【0026】
2つのガイド7a、7bは、回転体10の軸方向と平行な方向に延在した円柱状をしており、鉛直方向に間隔をあけて配置されている。そして、回転体10は、2つのガイド7a、7bを結ぶ線から水平面内に関して軸方向と直交する方向にずれて配置されている。給油ノズル2から送られた糸条Yは、ガイド7aと接触して摺動しながら走行して、回転体10に巻き掛けられた後、ガイド7bと接触して摺動しながらゴデッドローラ4aに送られる。この2つのガイド7a、7bは、糸条Yの回転体10への巻き掛け角度を確保している。また、2つのガイド7a、7bは、糸条Yと接触することで、それらの上流側及び下流側の給油ノズル2やゴデッドローラ4aに、糸条Yに与えられた振動が伝播するのを阻止することができる。
【0027】
次に、本実施形態における糸条Yに油剤を拡散させる構成と、従来における糸条Yに油剤を拡散させる構成での、糸巻取装置5で巻き取った後の糸条Yの物性値の比較結果について表1を参照して説明する。なお、表1に示す、U%(Nor.)は糸条Yの太さ斑であり、毛羽は糸条Yを糸巻取装置5で巻き取ることで形成されたパッケージの端面に1kg当たり何ケの毛羽が生じているかを表している。また、染斑は通常繊維業界で使用されている点数表記であり、5点満点で4点以上を糸条Yの物性として問題ないものとしている。また、条件は、PET FDY 166dtex/144フィラメント(1.04dpf)とし、ゴデッドローラ4bの速度は、糸条Yの速度が4500m/minとなるように設定されている。
【0028】
実施例では、上述した実施形態のように、糸条Yに付着した油剤を回転体10によって拡散させて、糸巻取装置5で巻き取った後の糸条Yの物性値を測定している。また、比較例では、油剤が付着した糸条Yを、糸条Yの走行孔と高圧縮エアの噴射孔が形成された部材の空間内に導いて、この空間内において糸条Yに高圧縮エアを噴きつけて、複数のフィラメント間に油剤を拡散させて、糸巻取装置5で巻き取ったときの糸条Yの物性値を測定している。
【0029】
【表1】

【0030】
表1に示すように、実施例における糸条は、比較例における糸条と同等の物性値となっており、同等の糸品質を得ることができたと考察できる。
【0031】
本実施形態によると、油剤が付着した糸条Yに間欠的に直接振動を与えて、複数のフィラメント間に確実に油剤を拡散させることができる。これにより、糸条Yの集束性、平滑性、制電性などが向上するため、2つのゴデッドローラ4a、4bや、糸巻取装置5での糸切れや毛羽を抑制することができる。このとき、高圧縮エアを利用する比較例のように、油剤を拡散させるために高圧縮エアを使用することがなく、コンプレッサを駆動することがないため、騒音が発生することがない。また、高圧縮エアを発生させるための設備が必要なく、高圧縮エア自体も必要としないため、設備コストや製造コストを低減することができる。また、高圧縮エアによる油剤拡散では、高圧縮エアを確実に糸条Yに当てるための個々のガイド位置調整が必要であったが、本実施形態では、必然的に糸条Yに振動が発生するので、そのような調整が不要である。
【0032】
また、糸条Yに対して走行方向と直交し、且つ、向きが逆である2つの方向から振動を与えることで、効果的に振動エネルギーを付与でき、複数のフィラメント間に油剤をより確実に拡散させることができる。さらに、糸条Yへの両側からの振動を、糸条Yの走行にともない従動回転する回転体10により実現している。これにより、簡単な構成で、駆動源を必要とせずに、糸条Yに対して交互に向きが逆である2つの方向から継続して振動を与えることができる。
【0033】
次に、上述した実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。ただし、上述した実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0034】
本実施形態においては、糸条Yをジグザグ走行させる回転体10により、糸条Yに振動を付与していたが、振動を付与する振動付与手段としては、これに限らない。
【0035】
1)例えば、図6に示すように、回転することで、その先端が糸条Yに接触可能なピン101と、ピン101の後端の軸101aに接続された駆動モータ102とからなる振動付与手段が糸条Yの走行方向に沿って複数配置されていてもよい(変形例1)。この場合、駆動モータ102を駆動し、ピン101を軸101aを中心に高速回転させると、糸条Yに対してピン101が間欠的に接触を繰り返すことになり、糸条Yは振動する。
【0036】
2)また、図7に示すように、シリンダ105と、シリンダ105から突出したシリンダロッド106と、その先端に接続された円板107とからなる振動付与手段でもよい(変形例2)。この場合、シリンダ105を駆動して、シリンダロッド106の伸縮を高速で繰り返すことで、糸条Yに対して円板107が間欠的に接触を繰り返すことになり、糸条Yは振動する。
【0037】
3)また、図8に示すように、糸条Yを間に介在させて配置された2つの対向部材115aを有する部材115と、部材115を2つの対向部材115aの対向する方向に高速往復動させる駆動モータ116とからなる振動付与手段でもよい(変形例3)。この場合、駆動モータ116を駆動して、部材115を往復動させることで、糸条Yに対して2つの対向部材115aが間欠的に接触を繰り返すことになり、糸条Yは振動する。
【0038】
また、本実施形態においては、糸条Yに対して回転体10の軸方向に沿った両側の2つの方向から接触及び離反を繰り返していたが、一方向からだけでもいいし、3つ以上の複数方向からであってもよい。糸条Yに対して複数方向から接触及び離反を繰り返すと、糸条Yが振動する方向が多方向となり、複数のフィラメント間に油剤をより拡散させることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 紡糸機
3 油剤拡散装置
5 糸巻取装置
7a、7b ガイド
10 回転ガイド
11 円板
12 突出部
Y 糸条

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフィラメントからなり、油剤が付着した状態で走行する糸条に間欠的に接触して振動を与える振動付与手段を備えていることを特徴とする油剤拡散装置。
【請求項2】
前記振動付与手段は、糸条に対して、走行する方向と直交し、且つ、向きが逆である2つの方向から振動を与えることを特徴とする請求項1に記載の油剤拡散装置。
【請求項3】
前記振動付与手段は、対向配置され、それらの間を走行する糸条と接触して、一体的に従動回転する2つの回転体を備えており、
前記2つの回転体の各々は、対向面から突出し、且つ、周方向に間隔をあけて配置された複数の突出部を有しており、
一方の回転体における前記複数の突出部と、他方の回転体における前記複数の突出部は、周方向に関して交互に並んで配置されており、
一方の回転体の各突出部と他方の回転体との間には、走行する糸条が入り込む隙間が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の油剤拡散装置。
【請求項4】
前記2つの回転体よりも上流側及び下流側には、走行する糸条が前記回転体に所定角度で巻き掛けられて走行するための糸道を規制するガイドがそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項3に記載の油剤拡散装置。
【請求項5】
紡糸部から溶融紡出されたマルチフィラメント糸条に油剤付着手段によって油剤を付着させ、油剤が付着したマルチフィラメント糸条をゴデッドローラを介して送出し、巻取部で巻き取るようにした紡糸巻取機であって、
前記油剤付着手段と前記ゴデッドローラとの間に、油剤が付着した糸条に間欠的に接触して糸条に振動を与える振動付与手段を設けたことを特徴とする紡糸巻取機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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