説明

油圧シリンダ用制御弁

【課題】本発明は、水門の駆動装置あるいは生産設備の駆動装置などに利用される油圧シリンダ保全および油圧シリンダ駆動回路の保全に利用される制御弁に関する。
【解決手段】シリンダ本体内に形成されたヘッド側圧力室に接続するヘッド側通路と作動油圧源又はタンクに選択的に接続されるヘッド側給排通路の間に設けたヘッド側制御弁とタンクに選択的に接続されるロッド側給排通路の間に設けたロッド側制御弁と、前記ヘッド側制御弁とロッド側制御弁とを接続するバイパス通路とを備え前記ヘッド側給排通路が前記ヘッド側制御弁でヘッド側通路又はバイパス通路のいずれかに接続される構成とし、前記ロッド側給排通路が前記ロッド側制御弁でロッド側通路又はバイパス通路のいずれかに接続される構成としたことを特徴とする油圧シリンダ用制御弁。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水門の駆動装置あるいは、工場内に設置した生産設備の駆動装置などに利用される油圧シリンダの保全および油圧シリンダ駆動回路の保全に利用される油圧シリンダ用制御弁に関する。
【0002】
上記した各種装置の駆動装置としての油圧シリンダの駆動回路内の作動油は、油圧シリンダの作動量の作動油が駆動回路の中を移動するだけで循環しない。このため、油圧シリンダのロッドの往復作動に伴って、水や空気あるいはその油圧シリンダが置かれている環境の物質(たとえば射出成形機の場合プラステックのフィルム状小片、生産設備に使用される潤滑油)等の汚染物質が内部に侵入し作動油を汚染する。
【0003】
前記した様に油圧シリンダのロッドの往復作動により進入する空気は、油圧シリンダ内で断熱圧縮されて爆発(ディゼル爆発)して油圧シリンダのシールを徐々に焼損させ、その燃え滓がさらに作動油を汚染することになる。また、前記した油圧シリンダのロッドの往復作動により進入する潤滑油や水は、作動油を劣化させその潤滑性を乏しくするので各機器の故障の原因となる。
【背景技術】
【0004】
上記した作動油の汚染に伴う各機器への障害を未然に防止するため、及び油圧シリンダの保全等に利用するため、特許文献1に示す様に油圧シリンダの近くに設置する油圧シリンダ用制御弁が提案されていた。
【0005】
以下特許文献1を図11によって説明する。図11において、油圧シリンダ120は、シリンダチューブ121内にロッド123を固定したピストン122を摺動自在に嵌入してあり、このロッド123の一端を前記シリンダチューブ121の外部に突出させた構造である。前記ピストン122は、シリンダチューブ121内にヘッド側油圧室124aとロッド側圧力室124bを形成する。このヘッド側油圧室124aに作動圧油が供給されるとロッド123が矢印a方向に移動させられ、ロッド側圧力室124bに作動圧油が供給されるとロッド123が矢印b方向に移動させられる。尚、ロッド123の矢印a方向への移動を「ロッド123が伸張する。」と記載し、ロッド123の矢印b方向への移動を「ロッド123が縮小する。」と記載する場合もある。
【0006】
制御弁130は、前記ヘッド側油圧室124aのヘッド側ポート125aに接続するヘッド側通路131aと前記ロッド側圧力室124bのロッド側ポート125bに接続するロッド側通路131bを有し、油圧源とタンクに選択的に接続されるヘッド側給排回路132aに接続するヘッド側給排通路133aと油圧源とタンクに選択的に接続されるロッド側給排回路132bに接続するロッド側給排通路133bと、前記ヘッド側給排通路133aとロッド側給排通路133bとのを接続するバイパス通路134を備えている。
【0007】
止弁135aは、ヘッド側通路131aとヘッド側給排通路133aとの間に設けてあり
ヘッド側給排回路132aとヘッド側油圧室124aとの間を開閉する。同様に、止弁135bは、ロッド側通路131bとロッド側給排通路133bとの間に設けてありロッド側給排回路132bとロッド側圧力室124bとの間を開閉する。また、止弁136は、バイパス通路134に設けてありバイパス通路134を開閉する。
【0008】
ヘッド側通路131aから分岐する通路137aとロッド側通路131bから分岐する通路137bは、油圧シリンダ120の漏れ検出用のメスシリンダ140aとメスシリンダ140bとが接続される。また、ヘッド側給排回路132aから分岐する通路138aとロッド側給排回路132bから分岐する通路138bは、ヘッド側給排回路132aとロッド側給排回路132bの漏れを検出する圧力計141aと圧力計141bとを接続している。なお前記通路137a、137b、138a、138bに設けた止弁は、各通路の先端に設置したメスシリンダと圧計が破損した場合油圧シリンダ120が自走しない様にする為の目的で設けてある。
【0009】
上記の構成である制御弁130は、止弁136、止弁135aと135bを選択的に開閉することで、油圧シリンダ120および油圧シリンダ120への作動油給排回路であるヘッド側給排回路132a、ヘッド側給排回路132bの保全を行う。
【0010】
油圧シリンダ120の通常作動は、止弁136を閉鎖し止弁135aと止弁135bを開くことで、作動圧油をヘッド側給排回路132a、ロッド側給排回路132bから給排して行う。
【0011】
油圧シリンダ120の保全(修理、点検)は、止弁135aと止弁135bを閉鎖することで、ヘッド側給排回路132aと132bが油圧シリンダ120と分離されるので、油圧シリンダ120のロッド側ポート125aとヘッド側ポート125bから油圧シリンダ120を外すことで行うことが出来る。また、油圧シリンダ120の内部漏れであるヘッド側油圧室124aからロッド側圧力室124bへの漏れは、止弁136と止弁135bを閉鎖し、止弁135aを開いてヘッド側給排回路132aから作動油をヘッド側油圧室124aに供給することで行うことが出来る。同様に、油圧シリンダ120の内部漏れであるヘッド側油圧室124bからロッド側圧力室124aへの漏れは、止弁136と止弁135aを閉鎖し止弁135bを開いてヘッド側給排回路132bから作動油をロッド側油圧室124bに供給することで行うことが出来る。
【0012】
油圧シリンダ120の駆動回路の保全である作動圧油の給排を行うヘッド側給排回路132aとロッド側給排回路132bの漏れの検知は、止弁135aと止弁135b及び止弁136を閉鎖して、ヘッド側給排回路132aに作動油圧を作用させて一定時間の間の圧力降下を圧力計141aで測定することで行うことができる。同様に、ロッド側給排回路132bに作動油圧を作用させ一定時間の間の圧力降下を圧力計141bで測定することで行うことができる。また、ヘッド側給排回路132a、ロッド側給排回路132bのフラッシングや作動油の交換は、止弁136のみを開き、バイパス通路134を形成してヘッド側給排回路132aに作動圧油を供給して行うことが出来る。さらに、この制御弁130と方向切換弁との操作の組み合わせにより、出願人が特願2010−215756として出願済の作動油の保全であるフラッシングと作動油の交換を行う機能を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特許第3696850号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述した様に、油圧シリンダと組み合わせて油圧シリンダ漏れや、修理又は点検などの機器の保全と、油圧シリンダの駆動回路の漏れ、フラッシング作動油の交換の回路保全を行う油圧シリンダの駆動回路の保全の機能を有する制御弁は、開閉機能のみの止弁を使用するものであるから三つの止弁を必要とする。また、この止弁は、その閉鎖時シール力を金属の弾性限度内の撓みによるものであるから閉鎖に大きな力を必要とするので、大きな操作力を発揮するハンドルを必要とするなど制御弁が大型化する問題点有する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1発明の油圧シリンダ用制御弁は、シリンダ本体内に形成されたヘッド側圧力室に接続するヘッド側通路と作動油圧源又はタンクに選択的に接続されるヘッド側給排通路の間に設けてありボール弁で構成するヘッド側制御弁と、シリンダ本体内に形成されたロッド側圧力室に接続するロッド側通路と作動油圧源又はタンクに選択的に接続されるロッド側給排通路の間に設けてありボール弁で構成するロッド側制御弁と、前記ヘッド側制御弁とロッド側制御弁との間に設けたバイパス通路と、を一体型弁体に設けた油圧シリンダ用制御弁において、前記ヘッド側通路と前記ヘッド側給排通路及び前記ロッド側通路と前記ロッド側給排通路が前記バイパス通路を含む水平な平面と同一平面に配置された構成とし、前記ヘッド側制御弁を構成するボール弁がL字形通路を備えると共に、前記ヘッド側制御弁のL字形通路が前記バイパス通路を含む水平な平面で回動して前記ヘッド側給排回路を前記バイパス通路又はヘッド側通路のいずれか一方のみに接続する構成とし、前記ロッド側制御弁を構成するボール弁がL字形通路を備えると共に、前記ロッド側制御弁のL字形通路が前記バイパス通路を含む水平な平面で回動して前記ロッド側給排通路を前記バイパス通路又はロッド側通路のいずれか一方のみに接続する構成にしたことを特徴とする。
【0016】
上述した第1発明の油圧シリンダ用制御弁は、ヘッド側制御弁がヘッド側給排通路をヘッド側通路又はバイパス通路のいずれか一方のみに接続するよう制御し、ロッド側制御弁がロッド側給排通路をロッド側通路又はバイパス通路のいずれか一方のみに接続するよう制御する構成であるから、前記ヘッド側制御弁を構成するボール弁のL字形通路および前記ロッド側制御弁のボール弁を構成するボール弁のL字形通路には、常に高圧が作用するので、ロッド側制御弁とヘッド側制御弁との2つの制御弁により必要機能の全てを構成できるので制御弁の小型化が達成できる効果を有する。
【0017】
第2発明の油圧シリンダ用制御弁は、シリンダ本体内に形成されたヘッド側圧力室に接続するヘッド側通路と作動油圧源又はタンクに選択的に接続されるヘッド側給排通路の間に設けてありボール弁で構成するヘッド側制御弁と、シリンダ本体内に形成されたロッド側圧力室に接続するロッド側通路と作動油圧源又はタンクに選択的に接続されるロッド側給排通路の間に設けてありボール弁で構成するロッド側制御弁と、前記ヘッド側制御弁とロッド側制御弁との間に設けたバイパス通路と、を一体型弁体に設けた油圧シリンダ用制御弁において、前記ヘッド側通路と前記ロッド側通路が前記バイパス通路を含む水平な平面に配置されると共に、前記ヘッド側給排通路と前記ロッド側給排通路が前記バイパス通路を含む水平な平面に対して垂直に配置された構成とし、前記ヘッド側制御弁を構成するボール弁がL字形通路を備えると共に、前記ヘッド側制御弁のL字形通路の一方が前記ヘッド側給排通路に常時接続し、その他方が前記バイパス通路を含む水平な平面と同一平面を回動し前記ヘッド側給排通路を前記バイパス通路又はヘッド側通路のいずれか一方のみに接続する構成とし、前記ロッド側制御弁を構成するボール弁がL字形通路を備えると共に、前記ロッド側制御弁のL字形通路の一方が前記ロッド側給排通路に常時接続し、その他方が前記バイパス通路を含む水平な平面と同一平面を回動し前記ヘッド側給排通路を前記バイパス通路又はロッド側通路のいずれか一方のみに接続する構成にしたことを特徴とする。
【0018】
上述した第1と第2発明の油圧シリンダ用制御弁は、本制御弁を構成する各要素である前記ヘッド側制御弁とヘッド側通路とヘッド側給排通路およびロッド側制御弁とロッド側通路とロッド側給排通路を一体型弁体内に設けたので、この一体弁体で構成する制御弁を油圧シリンダに可能な限り接近させて設けることが出来るので、油圧シリンダの駆動回路の保全を油圧シリンダの近接した位置まで行うことが可能となり駆動回路の保全の精度を向上させる効果を有する。
また、第1と第2発明の油圧シリンダ用制御弁は、作動油圧源又はタンクに選択的に接続されるヘッド側給排通路およびロッド側給排通路が、ボール弁によりヘッド側通路、ロッド側通路又はバイパス通路のいずれか一方にのみ接続されるので、ヘッド側給排通路およびロッド側給排通路に作動油圧が作用した時その圧力がボール弁をシールに押し圧する方向に作用するので、高圧の作動油が作用する装置である水門の駆動装置及び工場の生産設備など重機械の駆動に適用できる効果を有する。さらに、第2発明の油圧シリンダ用制御弁は、ボール弁のL形通路一方にヘッド側給排通路およびロッド側給排通路が常時接続した状態で、前記L形通路の他方をバイパス通路又はヘッド側通路、ロッド側通路に接続するものであるから確実な通路の切換えを行なう効果を有する。
【0019】
さらに、本発明の油圧シリンダ用制御弁は、前記ヘッド側通路が閉塞機能を内在させた継手を備えたヘッド側多目的通路を有すると共に、前記ロッド側通路が閉塞機能を内在させた継手を備えたロッド側多目的通路を有することを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明の油圧シリンダ用制御弁は、前記ヘッド側給排通路が閉塞機能を内在させた継手が設けられたヘッド側通路を有すると共に、前記ロッド側給排通路が閉塞機能を内在させた継手が設けられたロッド側通路を備えることを特徴とする。
【0021】
上述した本発明の油圧シリンダ用制御弁は、閉塞機能を内在させた継手を備えたヘッド側多目的通路、ロッド側多目的通路およびヘッド側通路、ロッド側通路は、圧力計、メスシリンダ等の計器類の着脱およびハンディ型ポンプの吐出口を着脱することで各種の機能必要な機能を簡単に得ることが出来るので油圧シリンダや油圧シリンダの駆動回路の保全を簡単に行うことが出来る効果を有する。
【0022】
さらに、本発明の油圧シリンダ用制御弁は、前記ヘッド側制御弁と前記ロッド側制御弁
をボール弁で構成したことを特徴とする。
【0023】
上述した本発明の油圧シリンダ用制御弁は、前記ヘッド側制御弁と前記ロッド側制御弁をボール弁で構成することで、ボール弁はその通路構成が単純であり且つ弁自体に作用する作動油の圧力を広い面積でシールする構造であるから、作動油圧の作用の下における切換操作が軽い。さらに、通路構成が極めて単純であるから、作動油中の汚染物質による作動障害がおきにくいので、安定した制御弁の機能を得ることが出来る効果を有する。
【発明の効果】
【0024】
上述した本発明の油圧シリンダ用制御弁は、2つの制御弁で構成することでその構造を簡単することが出来る。さらに、制御弁を一体型の弁体に収納することで、油圧シリンダの駆動回路を油圧シリンダに接近して配置できるので、駆動回路の保全距離を長くしえる効果を有する。しかも、閉鎖機能を内在させて継手を有するロッド側、ヘッド側の多目的通路、およびヘッド側、ロッド側の通路により、油圧シリンダやその駆動回路が必要とする保全機能を容易に得ることが出来る。さら制御弁をボール弁にすることで圧力作用下における操作を軽くすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の油圧シリンダ用制御弁を用いた装置の全体図。
【図2】本発明の油圧シリンダ用制御弁を用いた制御回路図。
【図3(A)】油圧シリンダ用制御弁の通常作動の回路図。
【図3(B)】油圧シリンダ用制御弁の回路保全動作の回路図。
【図3(C)】油圧シリンダ用制御弁の検査動作の回路図。
【図3(D)】油圧シリンダ用制御弁の検査動作の回路図。
【図4】油圧シリンダ用制御弁の第1実施例の正面図。
【図5】油圧シリンダ用制御弁の第1実施例の正面図の断面図。
【図6(A)】油圧シリンダ用制御弁の第1実施例の平面の断面図。
【図6(B)】油圧シリンダ用制御弁の第1実施例のボール弁の拡大図。
【図7】油圧シリンダ用制御弁の第1実施例の側面図。
【図8(A)】油圧シリンダ用制御弁の第2実施例の正面図。
【図8(B)】油圧シリンダ用制御弁の第2実施例の正面の断面図。
【図8(C)】油圧シリンダ用制御弁の第2実施例の側面図。
【図9(A)】閉鎖弁継手の断面を含む正面図。
【図9(B)】閉鎖弁継手のキャップ断面を含む正面図。
【図9(C)】閉鎖弁継手の断面を含む正面図。
【図9(D)】閉鎖弁継手の断面を含む正面図。
【図10】油圧シリンダ用制御弁の他の用途を示す回路図。
【図11】従来の油圧シリンダ用制御弁の回路図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の油圧シリンダ用制御弁を用いた装置の全体図を示す図1によってその概要を説明する。
【0027】
図1において、水門の駆動装置あるいは工場内に設置した生産設備などの駆動源である油圧シリンダ10は、シリンダ本体11の一端にクレビスを有するヘッドカバー12を固定してあり、他端にロッド14が貫通するロッドカバー13を固定した構成であり、シリンダ本体11の内部にロッド14に固定されたピストン15が摺動自在に嵌入する構造である。
【0028】
図1と図4に示す様に、油圧シリンダ10のほぼ中央部に設けてある油圧シリンダ用制御弁20は、その一体型弁体28の左端のフランジ28aとヘッドカバー12に固定したフランジ12aの間を配管12bで接続して固定してある。同様に、一体型弁体28の右端のフランジ28bとヘッドカバー13に固定したフランジ13aの間を配管13bで接続してシリンダ本体11に沿って固定してある。この様に油圧シリンダ用制御弁20を油圧シリンダ10に沿って固定することでシリンダ本体11に最も近い位置に油圧シリンダ用制御弁20が固定されるので、その機能が最大限に発揮できる。なお、一体型弁体28のフランジ29aは、ヘッド側給排回路31aが接続し、フランジ29bは、ロッド側給排回路31bが接続する。
【0029】
前記した油圧シリンダ用制御弁20は、図4にその外観を示し図2でその機能を示しその内部構造を図5で示す様に、モータ221aで回転駆動され通路を切換制御するボール弁41aとモータ221bで回転駆動され通路を切換制御するボール弁41bの2つのボール弁で構成してある。なお、モータ221aは、一体型弁体28の上面に固定したモータ架台290aに上載してありモータ221aとソケット222aで連結された弁棒49aがボール弁41aを回転駆動する。同様に、一体型弁体28の上面に固定したモータ架台290bに設置してありモータ221bとソケット222bで連結された弁棒49bがボール弁41bを回転駆動する。
【0030】
制御ボックス30は、油圧シリンダ10から離れた位置に設置してあり、油圧シリンダ10を作動させる作動油圧源、タンク34、方向切換弁35等のほかに図示しないが各種の電気制御機器が収納された構成である。この油圧ポンプ33の作動圧油は、その吐出側から方向切換弁35を経てヘッド側給排回路31a又はロッド側給排回路31bを介し制御弁20から油圧シリンダ10に供給され、油圧シリンダ10から排出される作動油は、制御弁20からロッド側給排回路31b又はヘッド側給排回路31aを介し方向切換弁35からタンク34へ帰還して油圧シリンダ10のロッド14を矢印a又はb方向に駆動する。なお、前記ヘッド側給排回路31aおよびロッド側給排回路31bは、工場内の生産設備では比較的短いが水門の駆動装置では配管を土中に埋設部分220があるなど極めて長くなる場合がある。前記油圧シリンダ用制御弁20は、モータ221aとモータ221bで作動する様に構成すると、遠隔操作が可能となり特にヘッド側給排回路31a、ロッド側給排回路31bが長くなる水門駆動用の油圧シリンダに利用すると操作が容易になる。しかし工場内の生産設備などの比較的ヘッド側給排回路31aとロッド側給排回路31bが短い場合は、手動でも良い。
【0031】
制御ボックス30の方向切換弁35は、中立位置35a、左切換位置35b及び右切換位置35cを備えており、電磁操作により操作される構成であり操作指令がない場合は、バネによって中立位置35aに保持される。中立位置35aでは、ヘッド側給排回路31aとロッド側給排回路31bがタンクに接続され、油圧ポンプ33の吐出側は閉鎖される。パイロットチェック弁36は、方向切換弁35が中立位置35aにあるとき、ヘッド側圧力室11aからの作動油の流出を閉鎖して油圧シリンダ10が負荷による自走をしない様に
する。なお、ヘッド側給排回路31aに設けた止弁37aとロッド側給排回路31bに設け
た止弁37bは、非常時等の必要時にそれぞれの回路を閉鎖するものである。
【0032】
図1の全体図に示した各機器について述べる。図2において、油圧シリンダ10のシリンダ本体11内に摺動自在に嵌入されたピストン15は、シリンダ本体11のロッドカバ
ー13を貫通し外部に突出するロッド14が固定してあり、シリンダ本体11内にヘッド
側圧力室11aとロッド側圧力室11bを形成する。このヘッド側圧力室11aには、制御
弁20を介してヘッド側給排回路31aが接続しており、ロッド側圧力室11bには、油
圧シリンダ用制御弁20を介してロッド側給排回路31bが接続する。そして、ヘッド側
圧力室11aに作動圧油が供給されロッド側圧力室11bの作動油が排出されると、ロッ
ド14は、伸張方向に作動する。また、ロッド側圧力室11bに作動圧力油が供給されヘ
ッド側圧力室11aの作動油が排出されると、ロッド14は、縮小方向に作動する。
【0033】
次に、図2と図4と図5と図6(A)(B)及び図7により油圧シリンダ用制御弁20
の第一実施例の構成について説明する。油圧シリンダ用制御弁20は、ヘッド側給排回路
31aに接続したヘッド側給排通路21aと油圧シリンダ10の配管12bに接続するヘッ
ド側通路23aの間に配置したヘッド側制御弁25aと、ロッド側給排回路31bに接続したロッド側給排通路21bと油圧シリンダ10の配管13bに接続するロッド側通路23bの間に配置したロッド側制御弁25bを備えており、このヘッド側制御弁25aとロッド側制御弁25bとを接続するバイパス通路27が一体型弁体28内に形成された構成である。
【0034】
前記ヘッド側制御弁25aは、一体型弁体28に設置板291aをネジ292aで取り付けて固定したモータ架台290aに上載したモータ221aにより回転駆動されるボール弁41aを備えている。このボール弁41aは、一体型弁体28の中心線271を含む水平面と同一水平面で中心線271を中心とするバイパス通路27とヘッド側通路23aと、中心線271を含む水平面と同一水平面で前記バイパス通路27とヘッド側通路23aの双方に直角方向に交差する位置に配置してあり、その一方がバイパス通路27の端部に設けた凹部431a内に設けたシールリング45aに接しおり、他方が一体型弁体28の端部にねじ結合されその内部にヘッド側通路23aを形成し一体型弁体28にねじ結合されるボールホルダー46aの端部に設けてある凹部432a内に設けたシールリング44aに接している。
【0035】
前記ボール弁41aは、その内部にL字形通路42aが設けてあり前記ボールホルダー46aを一体型弁体28にねじ込むことでシールリング45aとシールリング44aが挟み込む構成であり、ボールホルダー46aは、図6(A)に示されている様に六角孔461aを備えておりこの六角孔461aに六角レンチを挿入してねじ込むことでボール弁41aとシールリング44aおよびシールリング45aの締め込む度合いを調節する構成である。
【0036】
前述した様にシールリング44aとシールリング45aとの間に挟持される前記ボール弁41aは、そのモータ221a方向の上面に、スリット47aが設けてあり弁棒ホルダー48aで保持された弁棒49aの挿入下端483aが挿入されている。この弁棒49aは、その上端481aに2面幅を設けてありその上面にはモータ221aの出力軸が挿入される溝を備え、下方からバネで押圧されるソケット222aがかぶせてあり、その下端部482aが前記弁棒ホルダー48aで保持されている構成である。
【0037】
ヘッド側制御弁25aのボール弁41aは、そのモータ221a方向の上面に、スリット47aが設けてあり弁棒ホルダー48aで保持された弁棒49aの先端が挿入されており、この弁棒49aはその上端481aがモータ221aの出力側に接続してありその下端482aが前記弁棒ホルダー48aで保持されている構成であり、弁棒49aを介して伝達されるモータ221aの回転が挿入下端483aとスリット47aの噛合いにより伝達される構成である。なお、前記ソケット222aの2面幅は、停電時などにおいてスパナを挿入し回転させることで、ボール弁41aを回転させるためのもで、図7に示す様にモータ架台290a切欠き293aを設け、ボール弁41aが必要な角度を回転できる様にしてある。
【0038】
ヘッド側制御弁25aのボール弁41aのL字形通路42aは、ボール弁41aがモータ221aで図6(B)の位置から矢印R1に示す右方向に90°回転させられるとヘッド側給排通路21aをバイパス通路27に接続し、その位置から矢印R2に示す左方向に90°回転させられるとヘッド側給排通路21aをヘッド側通路23aに接続する図6(A)の位置に復帰する構成である。
【0039】
ロッド側制御弁25bのボール弁41bのL字形通路42bは、ボール弁41bがモータ221bで図6(B)の位置から矢印R2に示す左方向に90°回転させられるとロッド側給排通路21bをバイパス通路27に接続し、その位置から矢印R1に示す右方向に90°回転させられるとロッド側給排通路21bをロッド側通路23bに接続する構成である。
【0040】
上述した様に、第1実施例の油圧シリンダ用制御弁20のロッド側制御弁25aのボール弁41aは、そのL字形通路42aがスリット47aを中心にして水平方向に操作されヘッド側給排通路21aを、ヘッド側通路23aまたはバイパス通路27に接続する構成である。同様に、第1実施例の油圧シリンダ用制御弁20のロッド側制御弁25bのボール弁41bは、そのL字形通路42bがスリット47bを中心にして水平方向に操作されヘッド側給排通路21bを、ヘッド側通路23bまたはバイパス通路27に接続する構成である。
【0041】
閉鎖弁を内蔵する閉鎖弁付継手230aは、ヘッド側通路23aに連通する通路231aに設けてあり、この閉鎖弁付継手230aに圧力計を接続して検知ポートとする。あるいは、携帯型の油圧ポンプを接続して緊急作動ポートにする。などであり、この閉鎖弁付継手230aに何も接続されないときは、内部の閉鎖弁がその先端を閉鎖する構造であり、この閉鎖弁付継手230aと通路231aとで多目的ポート232aを構成する。また、閉鎖弁を内蔵する閉鎖弁付継手230aは、ヘッド側通路23aに連通する通路231aに設けてあり、この閉鎖弁付継手230aに圧力計を接続して検知ポートとする。あるいは、携帯型の油圧ポンプを接続して緊急作動ポートにする。などであり、この閉鎖弁付継手230aに何も接続されないときは、内部の閉鎖弁がその先端を閉鎖する構造であり、この閉鎖弁付継手230aと通路231aとで多目的ポート232aを構成する。
【0042】
ロッド側制御弁25b構造は、前記したヘッド側制御弁25aとほぼ同一であるから、図6(B)に示す様にへッド側制御弁25aの符号にアルファベッドのbを添えて( )内に記載して前述の説明と共用する。
【0043】
前記ロッド側制御弁25bは、一体型弁体28に設置板291bをネジ292bで取り付けて固定したモータ架台290bに上載したモータ221bにより回転駆動されるボール弁41bを備えている。このボール弁41bは、一体型弁体28の中心線271を含む水平面と同一水平面で中心線271を中心とするバイパス通路27とロッド側給排通路21bと、中心線271を含む水平面と同一水平面で前記バイパス通路27とロッド側通路23bの双方に直角方向に交差する位置に配置してあり、その一方がバイパス通路27の端部に設けた凹部431b内に設けたシールリング45bに接しおり、他方が一体型弁体28の端部にねじ結合されその内部にロッド側通路23bを形成し一体型弁体28にねじ結合されるボールホルダー46bの端部に設けてある凹部432bに設けたシールリング44bに接している。
【0044】
前記ボール弁41bは、その内部にL字形通路42bが設けてあり前記ボールホルダー46bを一体型弁体28にねじ込むことでシールリング45bとシールリング44aが挟み込む構成であり、ボールホルダー46bは、図6(A)に示されている様に六角孔461b備えておりこの六角孔461bに六角レンチを挿入してねじ込むことでボール弁41bとシールリング44bよびシールリング45bの締め込む度合いを調節する構成である。
【0045】
前述した様にシールリング44bとシールリング45bとの間に挟持される前記ボール弁41bは、そのモータ221b方向の上面に、スリット47bが設けてあり弁棒ホルダー48bで保持された弁棒49bの挿入下端483bが挿入されている。この弁棒49bは、その上端481bに2面幅を設けてありその上面にはモータ221bの出力軸が挿入される溝を備え、下方からバネで押圧されるソケット222bがかぶせてあり、その下端部482b前記弁棒ホルダー48bで保持されている構成である。
【0046】
ロッド側制御弁25bのボール弁41bは、そのモータ222b方向の上面に、スリット
47bが設けてありねじ込み弁棒ホルダー48bで保持された弁棒49bの先端が挿入されており、この弁棒49bはその上端481bがモータ221bの出力側に接続してありその下端482bが前記弁棒ホルダー48bで保持されている構成で、弁棒49bを介して伝達されるモータ221bの回転が挿入下端483bとスリット47bの噛合いにより伝達される構成である。なお、前記ソケット222bの2面幅は、停電時などにおいてスパナを挿入し回転させることで、ボール弁41bを回転させるためのもで、図7に示す様にモータ架台290b切欠き293bを設け、ボール弁41bが必要な角度を回転できる様にしてある。
【0047】
ロッド側制御弁25bのボール弁41bのL字形通路42bは、ボール弁41bがモータ221bで図6(A)の位置から矢印R2に示す左方向に90°回転させられるとロッド側通路23bをバイパス通路27に接続し、その位置から矢印R1に示す左方向に90°回転させられるとロッド側給排通路21bをロッド側通路23bに接続する図6(A)の位置に復帰する構成である。
【0048】
油圧シリンダ用制御弁20に設けた多目的ポートには、図3(A)に示す様にヘッド側
通路23aに設けた多目的ポート232aとロッド側通路23bに設けた多目的ポート232b及びヘッド側給排通路21aに設けた多目的ポート242aとロッド側給排通路21bに設けた多目的ポート242bとがある。
【0049】
前記多目的ポート242aは、図4に示す様に閉鎖弁付継手240aをフランジ29aに設けてあるヘッド側給排通路21aに開口する通路に設けた構成であり、その閉鎖弁付継手240aに圧力計を取り付けヘッド側給排通路21a内の圧力を測定する、または、ハンドポンプで圧油を供給するなどに利用するポートである。同様に、前記多目的ポート242bは、図4に示す様に閉鎖弁付継手240bをフランジ29bに設けてあるロッド側給排通路21bに開口する通路に設けた構成であり、その閉鎖弁付継手240bに圧力計を取り付けロッド側給排通路21b内の圧力を測定する、または、ハンドポンプで圧油を供給するなどに利用するポートである。
【0050】
前記多目的ポート232aは、図6(A)に示す様に閉鎖弁付継手230aをヘッド側通路23a開口する通路231aが開口する一体型弁体28に設けてあり、前記閉鎖弁付継手230aに圧力計を取り付けヘッド側通路23a内の圧力を測定するあるいは、携帯ポンプあるいはハンドポンプ等で圧油を供給して油圧シリンダ10を緊急作動させるなどに利用するポートである。同様に、前記前記多目的ポート232bは、図6(A)に示す様に閉鎖弁付継手240bをロッド側通路23bに開口する通路231bが開口する一体型弁体28に設けてあり、前記閉鎖弁付継手230bに圧力計を取り付けロッド側給排通路21b内の圧力を測定するあるいは、携帯ポンプ、ハンドポンプで圧油を供給して油圧シリンダ10を緊急作動させるなどに利用する多目的ポートである。
【0051】
前述した第1、2実施例の油圧シリンダ用制御弁20,20cの多目的ポートに使用する閉鎖機能を内蔵させた継手である4つの閉鎖弁付継手は、全て同一構造であるので、添え字のアルファベット省いた符号で閉鎖弁付継手230を図9(A)〜(D)に基づいて説明する。図9(A)において、閉鎖弁付継手230は、その本体233の内孔234にバネ235で押圧される逆止弁236が設けてあり、その下部に設けたネジ237を一体型弁体28あるいはフランジ29a,29bにねじ込み取り付ける構成である。この閉鎖弁付継手230を使用しないときは、その上端に図9(B)に示したキャップ245がそのネジ246を閉鎖弁付継手230のネジ238にねじ込んで装着してあり、閉鎖弁付継手230の先端を保護する。このとき逆止弁236は閉鎖された状態である。
【0052】
図9(C)に示してある閉鎖弁付継手230に機器を接続するコネクタ250は、その内部に設けたネジ258を閉鎖弁付継手230aのネジ238にねじ込み接続する構成である。このコネクタ250のネジ258を設けた内孔253には、スイベルジョイント252に固定したパイプ251が本体254と回転可能に保持してある。コネクタ250が閉鎖弁付継手230aに取り付けられるとスイベルジョイント252の先端255が前記逆止弁236に当接し逆止弁236を開く、この先端255の先端は、通路256が開口しており、先端255が逆止弁236を開いた後は内孔234との通路256が接続する構成である。したがって、図9(D)に示す様にヘッド側給排通路21aの圧力流体が内孔253から通路256を介して流通する。この多目的ポート242aは、コネクタ250の先端に圧力計を取り付ければ検知ポートとしての役割を果たし、メスシリンダを取り付けると各流路内の作動油を採取できる作動油採取ポートとなり、また、ハンドポンプあるいは携帯ポンプを取り付けると緊急作動ポートとしての役割を果たす。
【0053】
上記した構成を有する第一実施例の油圧シリンダ用制御弁20の作動について、図2と図3(A)〜(D)により説明する。
【0054】
第1実施例の油圧シリンダ用制御弁20のヘッド側制御弁25aがヘッド側給排通路21aをヘッド側通路23aに接続しロッド側制御弁25bがロッド側給排通路21bをロッド側通路23bに接続した状態である図3(A)の通常作動位置にあり、図2の方向切換弁35が右切換位置35cに操作れると、油圧ポンプ33の吐出圧油は、ヘッド側給排回路31aから油圧シリンダ用制御弁20を介してヘッド側圧力室11aに流入する。他方、ロッド側圧力室11bは、ロッド側給排回路31bを介してタンク34に接続するので、油圧シリンダ10のロッド14は矢印a方向に移動する。
【0055】
次に、第1実施例の油圧シリンダ用制御弁20が図3(A)の通常作動位置にあり、図2の方向切換弁35が左切換位置35bに操作れると、油圧ポンプ33の吐出圧油は、ロッド側給排回路31bから油圧シリンダ用制御弁20を介してロッド側圧力室11bに流入する。他方、ヘッド側圧力室11aは、ヘッド側給排回路31aを介してタンク34に接続するので、油圧シリンダ10のロッド14は矢印b方向に移動する。
【0056】
以上述べた様に、油圧シリンダ用制御弁20が図3(A)の通常作動位置では、方向切
換弁35の操作に基づいて、油圧シリンダ10の作動方向を制御することが出来る。
【0057】
油圧シリンダ用制御弁20のヘッド側制御弁25aがヘッド側給排通路21aをバイパス通路27に接続しロッド側制御弁25bがロッド側給排通路21bをバイパス通路27に接続した状態である図3(B)のフラッシング位置(このフラッシング位置は作動油交換位置と同等であるから作動油交換位置と記載する場合もある。)にある状態で、図2の方向切換弁35が右切換位置35cに操作されると、油圧ポンプ33の吐出圧油は、ヘッド側給排回路31aからバイパス通路27を介して、ロッド側給排回路31bからタンク34に流出するので、油圧シリンダ10の作動において、バイパス通路27付近に滞留していた古い作動油をタンク34に帰還させ回路内をフラッシングする。なお、タンク34に帰還した作動油はタンク34内のフィルタで清掃して再生できる。
【0058】
油圧シリンダ用制御弁20を図3(B)のフラッシング位置のみでは、ヘッド側給排回路31a、ロッド側給排回路31b及びバイパス通路27を含むヘッド側給排通路21a及びロッド側給排通路21bフラッシングは可能であるが、油圧シリンダ10のフラッシングは出来ない。しかし、図3(A)の通常作動位置との組み合わせで可能である。
【0059】
油圧シリンダ10のフラッシングは、まず油圧シリンダ用制御弁20をフラッシング位置にして回路及び通路のフラッシングを行いその後、通常作動位置にして油圧シリンダ10を一方の端まで作動させることで、油圧シリンダ10の前記移動させられた方の油圧室の汚染された作動油を油圧シリンダ用制御弁20の通路及び回路に放出し、その後油圧シリンダ用制御弁20をフラッシング位置に操作して回路およびバイパス通路27を含む通路のフラッシングを行う。
【0060】
次に、再び油圧シリンダ用制御弁20を通常作動位置にして油圧シリンダ10を前記とは逆に作動させ作動方向の圧力室の作動油を通路及び回路に放出しその後油圧シリンダ用制御弁20をフラッシング位置に操作して回路およびバイパス通路27を含む通路のフラッシングを行う。
【0061】
この様にして、油圧シリンダ10を構成する回路と通路および油圧シリンダ10のフラッシングが可能であるが、この操作を何度が繰り返すことでよりフラッシングを精度よく行うことが出来る。この作用は作動油の交換も同様である。また、油圧シリンダ用制御弁20のヘッド側制御弁25aとロッド側制御弁25bは電動で作動するよう構成できるので、制御ボックス30と油圧シリンダ10の設置場所が離れていても、油圧シリンダ用制御弁20は制御ボックス30からの指令で容易に操作できるので、いつでも簡単にフラッシングがおこなえる。このため、汚染された作動油を使用せず油圧シリンダ10の駆動回路を常に安定して作動させることが出来る。
【0062】
次に、油圧シリンダ10のピストン15を矢印b方向の端部まで移動した後、油圧シリンダ用制御弁20のヘッド側制御弁25aがヘッド側給排通路21aをバイパス通路27に接続し、ロッド側制御弁25bを操作しない油圧シリンダ10の漏れ及びヘッド側給排回路31aの漏れ検査位置である図3(C)について述べる。
【0063】
図3(C)では、油圧シリンダ用制御弁20の多目的ポート232aの閉鎖弁付継手230aにはコネクタ250aを介してメスシリンダ261aが接続してあり、閉鎖弁付継手240aにコネクタ251aを介して圧力計262aが接続してある。この状態において、方向切換弁35を左切換位置35bに操作すると、油圧ポンプ33の吐出作動油圧がロッド側圧力室11bに作用するが、油圧シリンダ10が左端に移動して作動しない状態であるので、ピストン15のシールが正常であればメスシリンダ261aに作動油が溜まらないが、ピストン15のシールが損傷しているなどの異常があれば、メスシリンダ261aに作動油が溜まることになる。したがって、ロッド側圧力室11bに油圧を作用させメスシリンダ261aに溜まる所定時間の油量によってピストン15のシールが損傷度合いを判定できる。
【0064】
また、図3(C)において、方向切換弁35を右切換位置35cに操作すると油圧ポンプ33の吐出油圧は、ヘッド側給排回路31aからヘッド側給排通路21aを介してバイパス通路27に作用するが、ロッド側制御弁25bでヘッド側給排回路31aの先端が閉鎖されているので、ヘッド側給排回路31aに作用する油圧を圧力計262aで測定できる。したがって油圧シリンダ用制御弁20を図3(C)の位置にして、ヘッド側給排回路31aに油圧を作用させて所定時間内の圧力の降下度合いを検出することで、ヘッド側給排回路31a内の漏れを検出することが出来る。
【0065】
なお、上述したヘッド側給排回路31aの漏れを圧力計262aで検出する場合の油圧は極力少ない流量の油圧を作用させることが好ましい。この油圧源としては、たとえばハンドポンプで油圧を作用させることが好ましい。この様な油圧源としてハンドポンプを利用する場合は、閉鎖弁付継手240aに圧力計262aと一緒にハンドポンプを接続しへッド側制御弁25aでヘッド側給排回路31aを閉鎖し極めて少ない油量で圧力を保持することが可能となるので圧力計262aの圧力降下でヘッド側給排回路31aの漏れを正確に検出できる。
【0066】
次に、油圧シリンダ10のピストン15を矢印b方向の端部まで移動した後、油圧シリンダ用制御弁20のヘッド側制御弁25aがヘッド側給排通路21aをバイパス通路27に接続し、ロッド側制御弁25bを操作しない油圧シリンダ10の漏れ及びヘッド側給排回路31aの漏れ検査位置である図3(D)について述べる。
【0067】
図3(D)では、油圧シリンダ用制御弁20の多目的ポート232bの閉鎖弁付継手230bにはコネクタ250bを介してメスシリンダ261bが接続してあり、閉鎖弁付継手240bにコネクタ251bを介して圧力計262bが接続してある。この状態において、方向切換弁35を左切換位置35cに操作すると、油圧ポンプ33の吐出作動油圧がロッド側圧力室11aに作用するが、油圧シリンダ10が右端に移動していて作動しない状態であるので、ピストン15のシールが正常であればメスシリンダ261bに作動油が溜まらないが、ピストン15のシールが損傷しているなどの異常があれば、メスシリンダ261bに作動油が溜まることになる。したがって、ロッド側圧力室11aに油圧を作用させメスシリンダ261bに溜まる所定時間の油量によってピストン15のシールが損傷度合いを判定できる。
【0068】
また、図3(D)において、方向切換弁35を左切換位置35bに操作すると油圧ポンプ33の吐出油圧は、ロッド側給排回路31bからロッド側給排通路21bを介してバイパス通路27に作用するが、ヘッド側制御弁25aで遮断されている。したがってロッド側給排回路31bはその先端が閉鎖されているのでロッド側給排回路31bに作用する油圧を圧力計262bで測定できる。すなわち、油圧シリンダ用制御弁20を図3(D)の位置にして、ロッド側給排回路31bに油圧を作用させて所定時間内の圧力の降下度合いを検出することで、ロッド側給排回路31b内の漏れを検出することが出来る。
【0069】
なお、上述したロッド側給排回路31bの漏れを圧力計262bで検出する場合の圧油は極力少ない流量の油圧を作用させることが好ましい。この油圧源としては、たとえばハンドポンプで油圧を作用させることが好ましい。この様な油圧源としてハンドポンプを利用する場合は、閉鎖弁付継手240bに圧力計262bと一緒にハンドポンプを接続しロッド側制御弁25bでロッド側給排回路31bを閉鎖し極めて少ない湯量で圧力を作用させることが可能となるので圧力計262bの圧力降下でロッド側給排回路31bの漏れを正確に検出できる。
【0070】
次に、第2実施例である油圧シリンダ用制御弁20cを図8(A)〜図8(C)によって説明する。説明に当たって、前述した第一実施例との相違する構成の部品にはアルファベッドの“c”“d”を添字して説明し、第1実施例の油圧シリンダ用制御弁20と同様の構成作用であると思われる部品には同一符号を付してその説明を省く。
【0071】
第2実施例の油圧シリンダ用制御弁20cと前述した第1実施例の油圧シリンダ用制御弁20との相違点は、ボール弁41a、ボール弁41bのL字形通路42aおよびL字形通路42bの回動方向である。
【0072】
すなわち、第1実施例の油圧シリンダ用制御弁20のボール弁41aのL字形通路42aは、図5で明らかな様に、中心線271を含む水平面内で図6(B)の矢印R1、R2に示す様にモータで回動させられる構成であるのに対して、第2実施例の油圧シリンダ用制御弁20cのボール弁41cのL字形通路42cは、図8(B)に示される様に、L字形通路42cの通路421c(ヘッド側給排通路21aに接続する通路)の中心線245cを中心にして矢印R1、R2に示す様にモータで回動させられる構成である。また、第2実施例の油圧シリンダ用制御弁20cのボール弁41dのL字形通路42dは、図8(B)に示される様に、L字形通路42dの通路421d(ヘッド側給排通路21aに接続する通路)の中心線245dを中心にして矢印R1、R2に示す様にモータで回動させられる構成である。
【0073】
上記した第2実施例の油圧シリンダ用制御弁20cは、第1実施例の油圧シリンダ用制御弁20とボール弁の操作方向が相違するので、それに伴う各構成部品の配置も相違するが、その配置の相違は、図8(A)〜図8(C)に示して詳細説明を省略する。
【0074】
第1実施例の油圧シリンダ用制御弁20の構成は、ボール弁41a、41bのL字形通路42a、42bを中心線271を含む平面で回動させる構成であるから、ボール弁を駆動するモータの軸線(弁棒の軸線)をヘッド側給排回路31a及びロッド側給排回路31bと直角に交差させることができるので、図1に示した様に油圧シリンダ10のシリンダ本体11に設置することが出来る効果を有する。
【0075】
また、第2実施例の油圧シリンダ用制御弁20cの構成は、ボール弁41c、41dのL字形通路42c、42dの回動方向が、L字形を構成する一つの通路を中心に行なわれる構成(ボール弁を駆動するモータの軸線に一致する弁棒の軸線をL字形通路の一つの軸線に一致させる)であるから、その回動必ずL字形通路を閉鎖する位置を通過させることができるので、へッド側制御弁25cとロッド側制御弁25d同時に操作することが出来る効果を有する。
【0076】
第2実施例の油圧シリンダ用制御弁20cの作用については、第1実施例の油圧シリンダ用制御弁20の作用とほぼ同一であるから、その概要につい説明して詳細には説明しない。
【0077】
第2実施例の油圧シリンダ用制御弁20cの通常作動位置は、ボール弁41cとボール弁41dが図8(B)の様に示す様に図3(A)と同様の回路構成となるので、油圧シリンダ10のヘッド側圧力室11aとロッド側圧力室11bは、方向切換弁35により油圧ポンプ33の圧油が供給され、その排出油がタンク34に帰還するから、油圧シリンダ10を作動させることが出来る。
【0078】
第2実施例の油圧シリンダ用制御弁20cの作動油交換位置は、ボール弁41cを矢印R1方向に回動し、ボール弁41dを矢印R2方向操作し、図3(B)と同様の回路構成となすると、ヘッド側給排通路21aとロッド側給排通路21bがバイパス通路27で接続されるので、油圧ポンプ33の吐出油をバイパス通路27を介してタンク34に還流させ、回路の作動油の交換及びクリーニングが可能である。
【0079】
次に油圧シリンダ10のロッド側圧力室11bからヘッド側圧力室11aへの内部漏れ及び、ヘッド側給排回路31aの漏れを検査する漏れ検査位置について記載する。ボール弁41cを矢印R1方向に作動させて、ヘッド側給排通路21aとバイパス通路27に接続させると、図3(C)と同様の回路構成にすると図3(C)の説明と同様に油圧シリンダ10のロッド側圧力室11bからヘッド側圧力室11aへの内部漏れ及び、ヘッド側給排回路31aの漏れ検査が出来る。
【0080】
次に油圧シリンダ10のヘッド側圧力室11aからロッド側圧力室11bへの内部漏れ及び、ロッド側給排回路31bの漏れを検査する漏れ検査位置について記載する。ボール弁41cを図8(A)の位置に復帰させボール弁41dを矢印R2方向に作動させて作動させてロッド側給排通路21bとバイパス通路27に接続させると図3(D)の説明と同様に油圧シリンダ10のロッド側圧力室11aからヘッド側圧力室11bへの内部漏れ及び、ヘッド側給排回路31bの漏れ検査が出来る。
【0081】
第2実施例の油圧シリンダ用制御弁20cの多目的ポート232a(232b)は、図8(C)に示す様に図7に示す第1実施例の油圧シリンダ用制御弁20の多目的ポート232a(232b)と略同一構成作用であるから、図8(C)に示すよう図7と同一符号により表示してその詳細説明を省く。また、 第2実施例の油圧シリンダ用制御弁20cの多目的ポート242a(242b)は、図8(C)に示す様に一体型弁体28に取付けてあり図7に示す第1実施例の油圧シリンダ用制御弁20の多目的ポート242a(242b)フランジ28a、28bに設けてある点で構造が相違するが、その作用は同一であるから図8(C)に示すよう図7と同一符号により表示してその詳細説明を省く。
【0082】
次に図10に基づいて油圧シリンダ用制御弁20を油圧シリンダ10の保全、交換に利用する場合について述べる。油圧シリンダ用制御弁20を油圧シリンダの保全、交換の場合の油圧シリンダ用制御弁20のヘッド側制御弁25aとロッド側制御弁25bの操作位置は、ヘッド側通路23aとロッド側通路23bを接続した図3(B)に示したフラッシング位置と同一の状態であるので、油圧シリンダ10のヘッド側通路23aとロッド側通路23bがヘッド側給排回路31aとヘッド側給排回路31aから遮断されるので、油圧シリンダ10を取り外すことが出来る。また、ヘッド側給排回路31aとヘッド側給排回路31aがバイパス通路27で接続されるので、その一方から作動油を供給して他方の流すことで、作動油の交換、清掃を行うことが出来る。尚、第2実施例の油圧シリンダ用制御弁20cを油圧シリンダ10の保全、交換に利用する場合についも前述した第1実施例と同様の作用であるからその詳細な説明を省く。
【0083】
また、油圧シリンダ10を別の油圧源で作動させる緊急作動に油圧シリンダ10を利用する場合について述べる。この場合、油圧シリンダ用制御弁20を操作して図3(B)に示した状態に操作すると、その油圧シリンダ用制御弁20に接続した油圧シリンダ10への圧油の給排が遮断される状態であるから、多目的ポートの閉鎖弁付継手230aと閉鎖弁付継手230bに小型油圧ポンプ270を接続すると、油圧シリンダ10を小型油圧ポンプ270で作動させることができる。このため工場設備の様に多数の油圧シリンダを利用している設備の内特定の油圧シリンダのみを作動させて設備を調整するなどに利用できる。なお、小型油圧ポンプ270において、油圧ポンプ271は、モータ272によって駆動され、方向切換弁274によってその給排方向が制御される。さらにその吐出圧力はリリーフ弁273で制御される構成である。小型油圧ポンプ270は、この様な電動型としたが、手押しポンプでも良い。また、第2実施例の油圧シリンダ用制御弁20cを油圧シリンダ10の緊急操作に利用する場合についも前述した第1実施例と同様の作用であるからその詳細な説明を省く。
【符号の説明】
【0084】
10 油圧シリンダ10
11 シリンダ本体
11b ロッド側圧力室
11a ヘッド側圧力室
12 ヘッドカバー
12a フランジ
12b 配管
13 ロッドカバー
13a フランジ
13b 配管
14 ロッド
15 ピストン
20 油圧シリンダ用制御弁
21a ヘッド側給排通路
21b ロッド側給排通路
22a ロッド側給排通路
22a ロッド側給排通路
23a ヘッド側通路
24a ロッド側通路
25a ヘッド側制御弁
26a ロッド側制御弁
27 バイパス通路
28 一体型弁体
29b モータ架台
29a モータ架台
30 制御ボックス
31a ヘッド側給排回路
32a ロッド側給排回路
33 油圧ポンプ
34 タンク
35 方向切換弁
36 パイロットチェック弁
41a ボール弁
41b ボール弁
42a L字形通路
42b L字形通路
232a 多目的ポート
232b 多目的ポート
242a 多目的ポート
242b 多目的ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ本体内に形成されたヘッド側圧力室に接続するヘッド側通路と作動油圧源又はタンクに選択的に接続されるヘッド側給排通路の間に設けてありボール弁で構成するヘッド側制御弁と、
シリンダ本体内に形成されたロッド側圧力室に接続するロッド側通路と作動油圧源又はタンクに選択的に接続されるロッド側給排通路の間に設けてありボール弁で構成するロッド側制御弁と、
前記ヘッド側制御弁とロッド側制御弁との間に設けたバイパス通路と、
を一体型弁体に設けた油圧シリンダ用制御弁において、
前記ヘッド側通路と前記ヘッド側給排通路及び前記ロッド側通路と前記ロッド側給排通路が前記バイパス通路を含む水平な平面と同一平面に配置された構成とし、
前記ヘッド側制御弁を構成するボール弁がL字形通路を備えると共に、前記ヘッド側制御弁のL字形通路が前記バイパス通路を含む水平な平面で回動して前記ヘッド側給排回路を前記バイパス通路又はヘッド側通路のいずれか一方のみに接続する構成とし、
前記ロッド側制御弁を構成するボール弁がL字形通路を備えると共に、前記ロッド側制御弁のL字形通路が前記バイパス通路を含む水平な平面で回動して前記ロッド側給排通路を前記バイパス通路又はロッド側通路のいずれか一方のみに接続する構成にしたことを特徴とする油圧シリンダ用制御弁。
【請求項2】
シリンダ本体内に形成されたヘッド側圧力室に接続するヘッド側通路と作動油圧源又はタンクに選択的に接続されるヘッド側給排通路の間に設けてありボール弁で構成するヘッド側制御弁と、
シリンダ本体内に形成されたロッド側圧力室に接続するロッド側通路と作動油圧源又はタンクに選択的に接続されるロッド側給排通路の間に設けてありボール弁で構成するロッド側制御弁と、
前記ヘッド側制御弁とロッド側制御弁との間に設けたバイパス通路と、
を一体型弁体に設けた油圧シリンダ用制御弁において、
前記ヘッド側通路と前記ロッド側通路が前記バイパス通路を含む水平な平面に配置されると共に、前記ヘッド側給排通路と前記ロッド側給排通路が前記バイパス通路を含む水平な平面に対して垂直に配置された構成とし、
前記ヘッド側制御弁を構成するボール弁がL字形通路を備えると共に、前記ヘッド側制御弁のL字形通路の一方が前記ヘッド側給排通路に常時接続し、その他方が前記バイパス通路を含む水平な平面と同一平面を回動し前記ヘッド側給排通路を前記バイパス通路又はヘッド側通路のいずれか一方のみに接続する構成とし、
前記ロッド側制御弁を構成するボール弁がL字形通路を備えると共に、前記ロッド側制御弁のL字形通路の一方が前記ロッド側給排通路に常時接続し、その他方が前記バイパス通路を含む水平な平面と同一平面を回動し前記ヘッド側給排通路を前記バイパス通路又はロッド側通路のいずれか一方のみに接続する構成にしたことを特徴とする油圧シリンダ用制御弁。
【請求項3】
前記ヘッド側通路が閉塞機能を内在させた継手を備えたヘッド側多目的通路を有すると共に、前記ロッド側通路が閉塞機能を内在させた継手を備えたロッド側多目的通路を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の油圧シリンダ用制御弁。
【請求項4】
前記ヘッド側給排通路が閉塞機能を内在させた継手が設けられたヘッド側通路を有すると共に、前記ロッド側給排通路が閉塞機能を内在させた継手が設けられたロッド側通路を備えることを特徴とする特徴とする請求項1又は2記載の油圧シリンダ用制御弁。

【図1】
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【図2】
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【図3(A)】
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【図3(B)】
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【図3(C)】
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【図3(D)】
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【図4】
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【図5】
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【図6(A)】
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【図6(B)】
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【図7】
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【図8(A)】
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【図8(B)】
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【図8(C)】
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【図9(A)】
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【図9(B)】
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【図9(C)】
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【図9(D)】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−159199(P2012−159199A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−110526(P2012−110526)
【出願日】平成24年5月14日(2012.5.14)
【分割の表示】特願2011−241165(P2011−241165)の分割
【原出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(500408854)株式会社ユーテック (12)
【Fターム(参考)】