説明

油圧式作業機の緊急脱出装置

【課題】異常が発生した油圧式作業機を鉄道軌道内などの作業場所から安全な場所に脱出させる作業を容易に行うことができる油圧式作業機の緊急脱出装置を提供する。
【解決手段】緊急脱出装置11は、エンジンにより駆動される油圧ポンプと、該油圧ポンプから油圧回路を介して供給される圧油を異常が発生した油圧式作業機に供給するための圧油供給装置13とを備えている。圧油供給装置は、緊急脱出装置の油圧回路と油圧式作業機の油圧回路とを接続する油圧ホース19と、油圧ホースを巻き取るホースリール15とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧式作業機の緊急脱出装置に関し、詳しくは、エンジンや油圧ポンプに異常が発生して自走不可能となった油圧式作業機を作業場所から安全な場所に脱出させるための油圧式作業機の緊急脱出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道軌道の敷設作業や保守作業、周辺施設の整備作業などに、エンジンにより駆動される油圧ポンプから油圧回路を介して供給される圧油により作動する走行装置及び作業装置を備えた油圧式作業機が用いられている。通常、鉄道軌道内での作業は、最終列車が通過した後、始発列車が運転を開始する前までの間に行われており、作業終了後は速やかに鉄道軌道内から待避する必要がある。
【0003】
また、架線下や跨線橋下、トンネル内などの鉄道軌道内で作業を行う際には、何らかの原因で油圧式作業機のエンジンや油圧ポンプに異常が発生して走行装置などに圧油を供給できなくなり、油圧式作業機が鉄道軌道内から待避できなくなった場合に備えて、油圧式作業機を外部から作動させて油圧式作業機を鉄道軌道内から脱出させるための緊急脱出装置を待機させておくことが行われている。
【0004】
前記緊急脱出装置として、原動機、油圧ポンプ及び作動油タンクからなる油圧源ユニットと、前記油圧源ユニットによって発生される圧油によって駆動される油圧モータと、この油圧モータによって駆動され、異常が発生した油圧式作業機の油圧回路に接続可能な油圧ポンプとからなるモータユニットとを備えた脱出装置が提案されており、さらに、前記油圧源ユニットとして、別の油圧作業機の油圧ポンプを利用することも提案されている(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−148148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記特許文献1では、油圧源ユニットからの圧油によってモータユニットの油圧ポンプを駆動し、このモータユニットの油圧ポンプで発生した圧油を異常が発生した油圧式作業機の油圧回路に供給するようにしているため、油圧源ユニットとなる別の油圧作業機とモータユニットとの間、モータユニットと異常が発生した油圧式作業機との間を、巻回した状態で別途保管していた油圧ホースを取り出してそれぞれ接続する必要があり、重くて太い油圧ホースを長く引き出して手作業で運んで接続しなければならないことから、非常に手間が掛かり、作業時間も長く掛かるという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、異常が発生した油圧式作業機を鉄道軌道内などの作業場所から安全な場所に脱出させる作業を容易に行うことができる油圧式作業機の緊急脱出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の油圧式作業機の緊急脱出装置は、エンジンにより駆動される油圧ポンプから油圧回路を介して供給される圧油により作動する走行装置を備えた油圧式作業機における前記エンジン又は前記油圧ポンプに異常が発生した際に、該油圧式作業機を作業場所から脱出させるための緊急脱出装置において、該緊急脱出装置は、前記油圧式作業機とは別のエンジンと、該エンジンにより駆動される油圧ポンプと、該油圧ポンプから油圧回路を介して供給される圧油を前記油圧式作業機に供給するための圧油供給装置とを備え、該圧油供給装置は、該緊急脱出装置の油圧回路と前記油圧式作業機の油圧回路とを接続する油圧ホースと、該油圧ホースを巻き取るホースリールとを備えていることを特徴としている。
【0009】
さらに、本発明の油圧式作業機の緊急脱出装置は、前記ホースリールを回転させる油圧モータを備えていること、前記ホースリールを回転させる前記油圧モータに圧油を供給する回路は、前記ホースリールの回転を巻取回転状態と自由回転状態とに切り換えるための回転状態切換手段を備えるとともに、ホースリールの回転トルクを切り換えるトルク切換手段を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の油圧式作業機の緊急脱出装置は、ホースリールに油圧ホースを巻回した状態の圧油供給装置を備えているので、緊急時には、異常が発生した油圧式作業機の近くまで緊急脱出装置を移動させた後、油圧ホースをホースリールから引き出して油圧式作業機の油圧回路に接続することができる。したがって、巻回した状態で別途保管していた油圧ホースを取り出して用意する必要はなく、さらに、両油圧回路を油圧ホースで接続するときに取り扱う油圧ホースの長さを短くできるので、油圧ホースの接続作業を容易に行うことができる。また、ホースリールに油圧モータを設けておくことにより、油圧ホースの巻き取りも容易に行うことができる。さらに、回転状態切換手段及びトルク切換手段を設けておくことにより、ホースリールからの油圧ホースの引き出しと巻き取りとを容易に行うことができるとともに、使用中に油圧ホースが弛んで地面に接触したり、油圧ホースに大きな張力が作用することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の緊急脱出装置の一形態例を示す側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】緊急脱出装置の油圧回路の一例を示す回路図である。
【図4】緊急脱出装置の使用例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本形態例に示す油圧式作業機の緊急脱出装置11は、エンジン、油圧ポンプ、油圧回路、燃料タンクなどを収納した本体部12と、該本体部12の前部に設けられた圧油供給装置13とを備えている。
【0013】
圧油供給装置13は、架台14の上に4台のホースリール15を並列に設けたものであって、架台14の後端部には、前記本体部12に連結するための連結部16が設けられている。各ホースリール15は、回転軸線を本体部12の幅方向に向けて配置されており、回転軸の端部にはスイベルジョイントを有する油圧回路連結部17がそれぞれ設けられるとともに、各ホースリールを回転させるための油圧モータ18がチェーンを介してそれぞれ接続されている。前記各ホースリール15には、基端が前記油圧回路連結部17にそれぞれ連通する油圧ホース19がそれぞれ巻回されている。各油圧ホース19の先端には、異常が発生した油圧式作業機の油圧回路に接続するためのカプラ19aがそれぞれ設けられており、待機時は架台14の前端部にカプラ19aを保持させている。
【0014】
本体部12に設けられている油圧回路21は、5台の油圧ポンプ22と、該油圧ポンプ22を駆動するエンジン23とを備えており、5台の油圧ポンプ22のうち、2台の油圧ポンプに走行用油圧回路24が、1台の油圧ポンプにホースリール用油圧回路25が、他の1台の油圧ポンプに制御用油圧回路26が、更に他の1台の油圧ポンプに冷却用油圧回路27が、それぞれ接続されている。
【0015】
前記ホースリール用油圧回路25には、ホースリール15の回転を巻取回転状態と自由回転状態とに切り換えるための回転状態切換手段28と、ホースリール15の回転トルクを切り換えるトルク切換手段29とが設けられている。
【0016】
回転状態切換手段28は、前記ホースリール駆動用の油圧モータ18に圧油を供給する供給側回路25aと油圧モータ18から圧油が戻る戻り側回路25bとを非連通状態と連通状態とに切り換える切換弁が用いられており、供給側回路と戻り側回路とを図に示す非連通状態にすることにより、油圧ポンプ22からホースリール用油圧回路25の供給側回路25aに供給される圧油が各油圧モータ18にそれぞれ供給され、油圧モータ18によって各ホースリールが油圧ホース19を巻き取る方向に回転し、油圧ホース19をホースリール15にそれぞれ巻き取っていく。各油圧モータ18から出た圧油は、戻り側回路25bを通り、最終的には油圧回路21内の作動油タンクに戻る。
【0017】
回転状態切換手段28にてホースリール用油圧回路25の供給側回路25aと戻り側回路25bとを連通状態にすることにより、供給側回路25aと戻り側回路25bとの間を作動油が自由に流通できる状態になることから、各油圧モータ18が自由に回転できる状態になり、ホースリール15が自由回転状態となる。このホースリール15の自由回転状態は、ホースリール15から油圧ホース19を引き出すとき、即ちホースリール15を油圧ホース19の巻取方向と逆方向に回転させるときに用いられる。
【0018】
また、トルク切換手段29は、リリーフ弁29aと切換弁29bとを組み合わせて形成されており、リリーフ弁29aの設定圧は、油圧ホース19を巻き取ることができる範囲で十分に低い回転トルクをホースリール15(油圧モータ18)に与えることができる圧力に設定されている。切換弁29bは、ホースリール用油圧回路25の供給側回路25aと戻り側回路25bとをリリーフ弁29aを介して連通させる低トルク位置と、供給側回路25aと戻り側回路25bとを遮断する高トルク位置とを有しており、切換弁29bを高トルク位置に設定すると、供給側回路25aに供給される圧油が各油圧モータ18にそれぞれ供給され、油圧ポンプ22からの供給圧力に応じた圧力で油圧モータ18を作動させ、油圧ホース19を巻き取る方向にホースリール15を高トルクで回転させる。
【0019】
切換弁29bを低トルク位置に設定すると、油圧モータ18への圧油の供給圧力がリリーフ弁29aの設定圧以下のときには、その設定圧以下の圧力でホースリールを低トルクで回転させ、供給圧力がリリーフ弁29aの設定圧を超えるとリリーフ弁29aが開いて供給側回路25aと戻り側回路25bとが連通状態になり、供給側回路25aと戻り側回路25bとの間を作動油が自由に流通できる状態になってホースリール15が自由回転状態となる。このように、あらかじめ設定したトルク以上でホースリール15が巻取方向に回転しないように形成することにより、油圧ホース19の巻き取り時に油圧ホース19に大きな引張荷重が作用することを防止でき、油圧ホース19を保護することができる。
【0020】
一方、図4に示すように、鉄道軌道内で作業を行う油圧式作業機、本形態例では短尺のリーダ31を装着した鉄道軌道内作業用の杭打機32は、通常の杭打機と同様に、クローラを備えた走行装置33と、該走行装置33上に旋回可能に設けられた上部旋回体34と、該上部旋回体34の前部に設けられた前記リーダ31と、該リーダ31を後方から支持する起伏シリンダ35と、前記リーダ31に沿って昇降する作業装置であるオーガ駆動装置36と、オーガ駆動装置36をリーダ31に沿って昇降させるための昇降手段37と、吊り上げ用のウインチ38などが設けられるとともに、これらを作動させるための油圧回路41が設けられている。
【0021】
杭打機32の油圧回路41は、図3に示すように、複数の油圧ポンプ42と、該油圧ポンプ42を駆動するエンジン43と、油圧ポンプ42から供給される圧油を所定の回路に切換供給するための複数のコントロール弁44と、該複数のコントロール弁44によって切り換えられる機器作動用の回路とを備えている。機器作動用の回路は、各コントロール弁44から、走行装置33を作動させるための左右一対の走行用油圧モータ33M、上部旋回体34を旋回させるための旋回用油圧モータ34M、前記起伏シリンダ35、オーガ駆動装置36のオーガ用油圧モータ36M、昇降手段37の昇降用油圧モータ37M、ウインチ38のウインチ用油圧モータ38Mにそれぞれ接続されている。さらに、鉄道軌道内で作業を行うための油圧式作業機として、外部の油圧回路を接続するための外部回路接続部45と、油圧回路41内で各機器から導出した作動油を外部回路接続部45側に切り換えるための戻り回路切換弁46とが設けられている。外部回路接続部45には、前記油圧ホース19の先端に設けられたカプラ19aに対応したカプラ受け45aが設けられている。このカプラ受け45aとカプラ19aは、非接続時には逆止弁によって閉じ状態となっており、両者を接続したときに自動的に開弁して連通状態になる構造のものが用いられている。
【0022】
この杭打機32は、通常時には、前記戻り回路切換弁46を油圧回路41内の作動油タンク47側に切り換えて自機の油圧回路41を使用し、走行装置33により鉄道軌道内の所定の位置に移動し、上部旋回体34を所定の角度に旋回させた状態で、起伏シリンダ35などでリーダ31の角度を調整し、昇降手段37によりオーガ駆動装置36を昇降させるとともに、オーガ駆動装置36を作動させて杭打作業を行う。このとき、緊急脱出装置11は、所定の待機位置にて待機している。
【0023】
作業中にエンジン43又は油圧ポンプ42に異常が発生して杭打機32が自力で作業場所から所定の待避場所まで移動できなくなった場合、架線下ではクレーンを使用できないため、図4に示すように、緊急脱出装置11を適当な移送手段、例えばトラック51に積載して待機場所から鉄道軌道内に進入させ、異常が発生した杭打機32の直近まで移動させる。そして、回転状態切換手段28をホースリール15の自由回転状態に切り換えて各ホースリール15から油圧ホース19をそれぞれ引き出し、杭打機32の外部回路接続部45に油圧ホース19をそれぞれ対応させて接続する。このとき、緊急脱出装置11を杭打機32の直近まで、例えば1乃至数m近くまで接近させることにより、ホースリール15から引き出して接続する油圧ホース19の長さを数m程度にすることができ、重くて太い油圧ホース19の接続作業を短時間で容易に行うことができる。また、油圧ホース接続後は、杭打機32の油圧回路41における前記戻り回路切換弁46を、外部回路接続部45側に切り換えておく。
【0024】
油圧ホース接続後の状態で、緊急脱出装置11の油圧回路21の油圧ポンプ22で昇圧した作動油を杭打機32の油圧回路41に供給する状態とし、杭打機32を後退させるとともにトラック51を前進させ、杭打機32を所定の位置まで走行させ、杭打機32を待避場所に待避させて鉄道軌道内から脱出させるとともに、緊急脱出装置11を積載したトラック51も鉄道軌道内から待避させることにより、鉄道軌道を列車が走行可能な状態にすることができる。
【0025】
すなわち、油圧ポンプ22から走行用油圧回路24に所定圧力、所定流量で供給された作動油(圧油)は、この走行用油圧回路24に接続された供給側の油圧ホース19から外部回路接続部45を通って杭打機32の油圧回路41における油圧ポンプ42の吐出側回路42aに供給される。これにより、制御用油圧回路26から供給される制御用の圧油を用いて杭打機32にて通常時と同様の後退方向への走行操作を行うことにより、所定のコントロール弁44から後退側回路33aを通って左右の走行用油圧モータ33Mに圧油がそれぞれ供給され、走行装置33を後退方向に作動させる。
【0026】
各走行用油圧モータ33Mから出た作動油は、図示しない戻り側回路(前進側回路)から所定のコントロール弁44に戻り、回路46a、戻り回路切換弁46、回路46bを通り、更に、外部回路接続部45を経て戻り側の油圧ホース19から油圧回路21の戻り回路21aを通り、油圧回路21の作動油タンク21bに回収される。
【0027】
このとき、前記回転状態切換手段28を非連通状態とし、トルク切換手段29を低トルク位置としておくことにより、杭打機32の走行速度と緊急脱出装置11の移動速度とが異なっていても、油圧ホース19を適度な緊張状態に保つことができ、油圧ホース19が軌道などに接触して破損したり、油圧ホース19に大きな引張力が作用して油圧ホース19やカプラ19aなどが破損したりすることを防止できる。
【0028】
また、前記緊急脱出装置11の油圧回路21を杭打機32の油圧回路41における油圧ポンプ42の吐出側回路に対応させてそれぞれ接続することにより、杭打機32では、通常時と同じ杭打作業などを行うことも可能である。例えば、緊急脱出装置11の油圧回路21から圧油供給装置16及び外部回路接続部45を介して杭打機32の油圧回路41に供給された圧油を、所定のコントロール弁44から所定の回路を介してオーガ駆動装置36のオーガ用油圧モータ36Mや昇降手段37の昇降用油圧モータ37M、あるいは、旋回用油圧モータ34Mに供給することにより、杭打機32での杭打ち作業、上部旋回体34の旋回操作が可能となり、同様に、起伏シリンダ35の伸縮、ウインチ38の操作、フロントジャッキ及びリアジャッキの操作なども行うことができる。
【0029】
したがって、杭打作業中の杭打機32でエンジン43や油圧ポンプ42に異常が発生した場合でも、杭打機32を鉄道軌道内で走行可能な状態にすることができるだけでなく、緊急脱出装置11の油圧回路21を接続することにより、杭打機32では通常時と同様に杭打作業を行うことができるので、中途半端な状態で杭打作業を終えることなく、列車が走行可能な状態になるまで作業を行ってから待避、脱出することができる。
【0030】
なお、前記形態例では、緊急脱出装置を使用して脱出させる油圧式作業機として、鉄道軌道内で杭打作業を行う杭打機を例示したが、本発明の緊急脱出装置は、エンジンにより駆動される油圧ポンプから油圧回路を介して供給される圧油により作動する走行装置を備えたクレーン、ショベルをはじめとする各種油圧式作業機に対応可能である。また、脱出させる油圧式作業機の作業場所も特に限定されるものではなく、架線下や橋梁下、トンネル内などのクレーンを使用できない場所で作業する油圧作業機の脱出に好適にであるが、他の様々な場所で作業を行う油圧作業機の脱出にも同様にして使用することができ、脱出以外の油圧供給装置としての使用も可能である。
【0031】
また、緊急脱出装置を移動させる移送手段は、油圧作業機の作業場所に応じて適宜選択することができ、鉄道軌道内ではトロッコや貨車に積載してモーターカーなどで移動させることもできる。
【符号の説明】
【0032】
11…緊急脱出装置、12…本体部、13…圧油供給装置、14…架台、15…ホースリール、16…連結部、17…油圧回路連結部、18…油圧モータ、19…油圧ホース、19a…カプラ、21…油圧回路、21a…戻り回路、21b…作動油タンク、22…油圧ポンプ、23…エンジン、24…走行用油圧回路、25…ホースリール用油圧回路、25a…供給側回路、25b…戻り側回路、26…制御用油圧回路、27…冷却用油圧回路、28…回転状態切換手段、29…トルク切換手段、29a…リリーフ弁、29b…切換弁、31…リーダ、32…杭打機、33…走行装置、33M…走行用油圧モータ、34…上部旋回体、34M…旋回用油圧モータ、35…起伏シリンダ、36…オーガ駆動装置、36M…オーガ用油圧モータ、37…昇降手段、37M…昇降用油圧モータ、38…ウインチ、38M…ウインチ用油圧モータ、41…油圧回路、42…油圧ポンプ、42a…吐出側回路、43…エンジン、44…コントロール弁、45…外部回路接続部、45a…カプラ受け、46…戻り回路切換弁、47…作動油タンク、51…トラック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンにより駆動される油圧ポンプから油圧回路を介して供給される圧油により作動する走行装置を備えた油圧式作業機における前記エンジン又は前記油圧ポンプに異常が発生した際に、該油圧式作業機を作業場所から脱出させるための緊急脱出装置において、該緊急脱出装置は、前記油圧式作業機とは別のエンジンと、該エンジンにより駆動される油圧ポンプと、該油圧ポンプから油圧回路を介して供給される圧油を前記油圧式作業機に供給するための圧油供給装置とを備え、該圧油供給装置は、該緊急脱出装置の油圧回路と前記油圧式作業機の油圧回路とを接続する油圧ホースと、該油圧ホースを巻き取るホースリールとを備えていることを特徴とする油圧式作業機の緊急脱出装置。
【請求項2】
前記ホースリールを回転させる油圧モータを備えていることを特徴とする請求項1記載の油圧式作業機の緊急脱出装置。
【請求項3】
前記ホースリールを回転させる前記油圧モータに圧油を供給する回路は、前記ホースリールの回転を巻取回転状態と自由回転状態とに切り換えるための回転状態切換手段を備えるとともに、ホースリールの回転トルクを切り換えるトルク切換手段を備えていることを特徴とする請求項2記載の油圧式作業機の緊急脱出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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