説明

油性懸濁製剤

本発明は、ネオニコチノイドファミリーに属する室温で固体の少なくとも1種類の活性物質、ピレスロイドファミリーに属する室温で固体の少なくとも1種類の活性物質、少なくとも1種類の浸透促進剤、少なくとも1種類の植物油、シクロヘキサノン、少なくとも1種類の非イオン性界面活性剤及び/又は少なくとも1種類のアニオン界面活性剤並びに1種類以上の添加剤物質を含んでいる農薬製剤に関する。本発明は、さらに、それらの製造方法及び有害な生物を防除するためのそれらの使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効な農薬の新規油性懸濁製剤(oil-based suspension concentrate)、それら製剤の製造方法、及び、含まれている活性物質を施用するためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
浸透移行性農薬、特に、浸透性殺虫剤は、その生物学的な効果を発揮するためには、その活性物質が当該植物/標的生物に取り込まれることを可能とする製剤が必要である。従って、通常、浸透移行性農薬は、乳剤(EC)、可溶性液剤(soluble liquid)(SL)及び/又は油性懸濁製剤(OD)として製剤される。EC及びSL中では、その活性物質は、溶解している形態にあるが、一方、OD製剤の場合は、活性物質は固体である。後者の場合、浸透剤を添加することによって、その生物学的作用を発揮することが可能となる。例えば、ピレスロイド系のような接触型活性物質は、特に高い初期効果が必要とされる場合、好ましくはECとして製剤される。懸濁製剤(SC)又は顆粒水和剤(wettable granule)(WG)は、殆どの場合技術的には可能であるが、必要とされる初期効果を示さない。
【0003】
例えば、イミダクロプリドとベータ−シフルトリンの混合物のような浸透性殺虫剤と接触型殺虫剤の混合製剤は、急性毒性が高い有機リン酸エステル系に代わるものとして、大変興味深い。この種の混合物は、高い初期効果が存在している場合及び活性物質含有量が高い製剤が存在している場合、有機リン酸エステル系の単独施用に取って代わる適切な代替物である。イミダクロプリドとベータ−シフルトリンの両方を高濃度で含んでいる既知EC製剤は存在しない。それは、適切な量の両活性物質を溶解可能な溶媒が存在していないからである。従って、油性懸濁製剤又は水非含有懸濁製剤のみが、考慮の対象である。
【0004】
有効な農薬の多くの種類の水非含有懸濁製剤が既に開示されている。例えば、EP−A 0789999には、このタイプの製剤が記載されており、その製剤は、活性物質と油に加えて、異なった界面活性剤(ここで、該界面活性剤は、浸透剤として働く界面活性剤を包含する)の混合物を含んでおり、さらに、増粘剤として疎水性化アルミノフィロケイ酸塩も含んでいる。引用されているその特許には、適切な活性物質として、油中の溶解度が5g/L未満、好ましくは、1g/L未満、特に、0.1g/L未満である活性物質が記載されている。
【0005】
さらに、US−A 6165940から、有効な農薬、浸透剤及び界面活性剤又は界面活性剤混合物の他に有機溶媒(このタイプの適切な溶媒には、流動パラフィン又は植物油エステルなどがある)を含んでいる非水性懸濁製剤が既に知られている。その発明には、溶解度がかなり低い固体活性物質と有機溶媒からなる懸濁製剤が記載されている。10g/L未満(好ましくは、5g/L未満)の溶解度について明白に記載されている。
【0006】
DE−A 10129855には、さらなる油性懸濁製剤が記載されており、その油性懸濁製剤は、有効な農薬、浸透剤及び界面活性剤を含んでいる。
【0007】
上記製剤の不利な点は、貯蔵後に結晶成長が生じることのない安定な油性懸濁製剤の形態にある溶解度が低い(10g/L未満)活性物質と溶解度が中程度(室温で10〜50g/L)の活性物質の組み合わせを開発することができいないということである。製剤中における活性物質の結晶の成長は、使用者に対して少なからぬ不都合をもたらす。それは、製剤中で活性物質の結晶が成長すると、その製品を施用したときに、その散布器具のスクリーンが目詰まりを起こすことがあるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、製剤中でその溶解限度よりも高い濃度で存在している溶解度が低い活性物質と溶解度が中程度の活性物質とからなる安定で貯蔵可能な油性懸濁製剤を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
新規油性懸濁製剤が見いだされた。ここで、該新規油性懸濁製剤は、
・ ネオニコチノイド系の群の少なくとも1種類の室温で固体の活性物質;
・ ピレスロイド系の群の少なくとも1種類の室温で固体の活性物質;
・ 少なくとも1種類の浸透剤;
・ 少なくとも1種類の植物油;
・ シクロヘキサノン;
・ 少なくとも1種類の非イオン性界面活性剤及び/又は少なくとも1種類のアニオン界面活性剤;
並びに、
・ 乳化剤、発泡防止剤、防腐剤、酸化防止剤、展着剤、着色剤及び/又は増粘剤からなる群からの1種類以上の添加剤;
を含んでいる。
【0010】
本発明に関連して、適切な浸透剤は、有効な農薬の植物への浸透性を増強するために通常使用される全ての物質が包含される。浸透剤は、本発明に関連して、水性散布液から及び/又は噴霧による被膜から植物のクチクラ内に浸透して、それにより、活性物質のそのクチクラ内での移動性を増強する能力によって定義される。この特性は、最近になって文献(Baur et al., 1997, Pesticide Science 51, 131−152)に記述された方法を用いて測定することができる。
【0011】
さらに、
・ ネオニコチノイド系の群の少なくとも1種類の室温で固体の活性物質;
・ ピレスロイド系の群の少なくとも1種類の室温で固体の活性物質;
・ 少なくとも1種類の浸透剤;
・ 少なくとも1種類の植物油;
・ シクロヘキサノン;
・ 少なくとも1種類の非イオン性界面活性剤及び/又は少なくとも1種類のアニオン界面活性剤;
並びに、
・ 乳化剤、発泡防止剤、防腐剤、酸化防止剤、展着剤、着色剤及び/又は増粘剤からなる群からの1種類以上の添加剤;
を互いに混合させ、得られた懸濁液を、場合により、次に、粉砕することによって、本発明の油性懸濁製剤を製造することができるということも見いだされた。
【0012】
最後に、本発明の油性懸濁製剤は、それに含まれている有効な農薬を植物及び/又はそれらの生息環境に施用するのに非常に適しているということが分かった。
【0013】
本発明の油性懸濁製剤が非常に優れた安定性を示すということ、特に、変動する温度条件下で貯蔵したあとでさえ、有意な結晶成長が観察されなかったということは、非常に驚くべきことであると思われる。さらにまた、最も類似した組成を有する上記製剤と比較して本発明の油性懸濁製剤が著しく優れた生物学的活性を示すという事実も、予期されないことである。接触型活性物質が部分的には固体として存在しているという事実にもかかわらずその接触型活性物質の非常に高い初期効果が認められるという事実は、特に予期されないことである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
適切な活性物質は、ネオニコチノイド系の群の殺虫剤である。それらは、有害動物(animal pest)を防除するのに極めて適している。ネオニコチノイド系の群の殺虫剤は、下記式(II):
【0015】
【化9】

[式中、
Hetは、ヘテロ環の以下の群:
2−クロロピリド−5−イル、2−メチルピリド−5−イル、1−オキシド−3−ピリジノ、2−クロロ−1−オキシド−5−ピリジノ、2,3−ジクロロ−1−オキシド−5−ピリジノ、テトラヒドロフラン−3−イル、5−メチル−テトラヒドロフラン−3−イル、2−クロロチアゾール−5−イル
から選択されるヘテロ環であり;
Aは、N(R)(R)又はS(R)であり(ここで、
は、水素、C−C−アルキル、フェニル−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルケニル又はC−C−アルキニルであり;及び、
は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、−C(=O)−CH又はベンジルである);
Rは、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、−C(=O)−CH若しくはベンジルであるか、又は、Rと一緒になって以下の基:
−CH−CH−、−CH−CH−CH−、−CH−O−CH−、−CH−S−CH−、−CH−NH−CH−、−CH−N−(CH)−CH
のうちの1つであり;
及び、
Xは、N−NO、N−CN又はCH−NOである]
によって表すことができる(以下を参照されたい:EP−A1−192606、EP−A2−580533、EP−A2−376279、EP−A2−235725)。
【0016】
本発明に従って使用可能な以下の化合物を個別的に挙げることができる。
【0017】
本発明に従って使用するのが好ましい1化合物は、チアメトキサムである。
【0018】
チアメトキサムは、式
【0019】
【化10】

で表され、また、EP A2 0580533から知られている。
【0020】
本発明に従って使用するのが好ましいさらに別の化合物は、クロチアニジンである。
【0021】
クロチアニジンは、式
【0022】
【化11】

で表され、また、EP A2 0376279から知られている。
【0023】
本発明に従って使用するのが好ましいさらに別の化合物は、チアクロプリドである。
【0024】
チアクロプリドは、式
【0025】
【化12】

で表され、また、EP A2 0235725から知られている。
【0026】
本発明に従って使用するのが好ましいさらに別の化合物は、ジノテフランである。ジノテフランは、式
【0027】
【化13】

で表され、また、EP A1 0649845から知られている。
【0028】
本発明に従って使用するのが好ましいさらに別の化合物は、アセタミプリドである。
【0029】
アセタミプリドは、式
【0030】
【化14】

で表され、また、WO A1 91/04965から知られている。
【0031】
本発明に従って使用するのが好ましいさらに別の化合物は、ニテンピラムである。
【0032】
ニテンピラムは、式
【0033】
【化15】

で表され、また、EP A2 0302389から知られている。
【0034】
本発明に従って使用するのが好ましいさらに別の化合物は、イミダクロプリドである。
【0035】
イミダクロプリドは、式
【0036】
【化16】

で表され、また、EP 0192060から知られている。
【0037】
イミダクロプリドが、特に好ましい。
【0038】
適切なさらなる活性物質には、ピレスロイド系の群の活性物質、例えば、アクリナトリン、アレスリン(d−シス−トランス,d−トランス)、ベータ−シフルトリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオアレスリン−S−シクロペンチル異性体、ビオエタノメトリン(bioethanomethrin)、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、クロバポルトリン(chlovaporthrin)、シス−シペルメトリン、シス−レスメトリン、シス−ペルメトリン、クロシトリン(clocythrin)、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン(アルファ−,ベータ−,シータ−,ゼータ−)、シフェノトリン、デルタメトリン、エムペントリン(1R−異性体)、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンフルトリン(fenfluthrin)、フェンプロパトリン、フェンピリトリン、フェンバレレート、フルブロシトリネート(flubrocythrinate)、フルシトリネート、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルバリネート、フブフェンプロックス(fubfenprox)、ガンマ−シハロトリン、イミプロトリン、カデトリン、ラムダ−シハロトリン、メトフルトリン、ペルメトリン(シス−,トランス−)、フェノトリン(1R−トランス−異性体)、プラレトリン、プロフルトリン、プロトリフェンブト(protrifenbute)、ピレスメトリン、レスメトリン、RU 15525、シラフルオフェン、タウ−フルバリネート、テフルトリン、テラレトリン、テトラメトリン(1R異性体)、トラロメトリン、トランスフルトリン、ZXI 8901、ピレトリン類(除虫菊(pyrethrum))などがある。ベータ−シフルトリン及びデルタメトリンが好ましい。
【0039】
好ましい浸透剤は、式
【0040】
【化17】

[式中、
Rは、4〜20個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルであり;
R’は、H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル又はn−ヘキシルであり;
AOは、エチレンオキシドラジカル、プロピレンオキシドラジカル、ブチレンオキシドラジカル、又は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドラジカル若しくはブチレンオキシドラジカルの混合物であり;
mは、2〜30の数である]
で表されるアルカノールアルコキシレートである。
【0041】
浸透剤の特に好ましい1つの群は、式
【0042】
【化18】

[式中、
Rは、上記で定義されているとおりであり;
R’は、上記で定義されているとおりであり;
EOは、−CH−CH−O−であり;
及び、
nは、2〜20の数である]
で表されるアルカノールアルコキシレートである。
【0043】
浸透剤の特に好ましいさらなる群は、式
【0044】
【化19】

[式中、
Rは、上記で定義されているとおりであり;
R’は、上記で定義されているとおりであり;
EOは、−CH−CH−O−であり;
POは、
【0045】
【化20】

であり;
pは、1〜10の数であり;
及び、
qは、1〜10の数である]
で表されるアルカノールアルコキシレートである。
【0046】
浸透剤の特に好ましいさらなる群は、式
【0047】
【化21】

[式中、
Rは、上記で定義されているとおりであり;
R’は、上記で定義されているとおりであり;
EOは、−CH−CH−O−であり;
POは、
【0048】
【化22】

であり;
rは、1〜10の数であり;
及び、
sは、1〜10の数である]
で表されるアルカノールアルコキシレートである。
【0049】
浸透剤の特に好ましいさらなる群は、式(I−e)
【0050】
【化23】

[式中、
R及びR’は、上記で定義されているとおりであり;
EOは、CH−CH−O−であり;
BOは、
【0051】
【化24】

であり;
pは、1〜10の数であり;
及び、
qは、1〜10の数である]
で表されるアルカノールアルコキシレートである。
【0052】
浸透剤の特に好ましいさらなる群は、式(I−f)
【0053】
【化25】

[式中、
R及びR’は、上記で定義されているとおりであり;
BOは、
【0054】
【化26】

であり;
EOは、CH−CH−O−であり;
rは、1〜10の数であり;
及び、
sは、1〜10の数である]
で表されるアルカノールアルコキシレートである。
【0055】
浸透剤の特に好ましいさらなる群は、式
【0056】
【化27】

[式中、
R’は、上記で定義されているとおりであり;
tは、8〜13の数であり;
及び、
uは、6〜17の数である]
で表されるアルカノールアルコキシレートである。
【0057】
上記式において、Rは、好ましくは、ブチル、イソブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、n−ドデシル、イソドデシル、ラウリル、ミリスチル、イソトリデシル、トリメチルノニル、パルミチル、ステアリル又はエイコシルである。
【0058】
式(I−c)のアルカノールアルコキシレートについて挙げることができるの例は、式
【0059】
【化28】

[式中、
EOは、−CH−CH−O−であり;
POは、
【0060】
【化29】

であり;
及び、
数字8及び6は、平均値を表している]
で表される2−エチルヘキシルアルコキシレートである。
【0061】
式(I−d)のアルカノールアルコキシレートについて挙げることができるの例は、式
【0062】
【化30】

[式中、
EOは、CH−CH−O−であり;
BOは、
【0063】
【化31】

であり;
及び、
数字10、6及び2は、平均値を表している]
である。
【0064】
式(I−f)で表される特に好ましいアルカノールアルコキシレートは、式中、
tが、9〜12の数であり;
uが、7〜9の数である
当該式で表される化合物である。
【0065】
極めて特に好ましくは、式(I−f−1)
【0066】
【化32】

[式中、
tは、平均値10.5であり;
及び、
uは、平均値8.4である]
で表されるアルカノールアルコキシレートを挙げることができる。
【0067】
同様に、極めて特に好ましくは、式(I−f−1−1)
【0068】
【化33】

[式中、
tは、平均値10.5であり;
及び、
uは、平均値8.4である]
で表されるアルカノールアルコキシレートを挙げることができる。
【0069】
当該アルカノールアルコキシレート類の一般的な定義は、上記式によって与えられる。これらの物質は、記載されているタイプの物質で種々の鎖長を有するものの混合物である。従って、当該添え字は平均値を有しており、それは、自然数でなくてもよい。
【0070】
上記式で表されるアルカノールアルコキシレートは、既知であるか、又は、既知方法で調製することができる(cf. WO 98−35553、WO 00−35278、及び、EP−A 0681865)。
【0071】
適切な植物油には、農薬組成物中で通常使用可能で植物から得ることが可能な全ての油が包含される。挙げることができる例としては、ひまわり油、菜種油(rapeseed oil)、オリーブ油、ひまし油、菜種油(colza oil)、トウモロコシ種子油(maize seed oil)、綿実油及び大豆油などがある。
【0072】
本発明の油性懸濁製剤は、少なくとも1種類の非イオン性の界面活性剤若しくは分散剤及び/又は少なくとも1種類のアニオン性の界面活性剤若しくは分散剤を含んでいる。
【0073】
適切な非イオン性の界面活性剤又は分散剤には、農薬組成物中で通常使用可能なこの型の全ての物質が包含される。好ましくは、以下のものを挙げることができる:ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドブロックコポリマー、直鎖アルコールのポリエチレングリコールエーテル、脂肪酸とエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの反応生成物、さらに、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンのコポリマー、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルのコポリマー、さらに、アルキルエトキシレート及びアルキルアリールエトキシレート(これらは、場合によりリン酸化されていてもよく、また、場合により塩基と一緒に用いることが可能であり、その例として、ソルビトールエトキシレートなどを挙げることができる)、さらに、ポリオキシアルキレンアミン誘導体。
【0074】
適切なアニオン性界面活性剤には、農薬組成物中で通常使用可能なこの型の全ての物質が包含される。アルキルスルホン酸又はアルキルアリールスルホン酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が好ましい。
【0075】
アニオン性の界面活性剤又は分散剤の好ましいさらなる群には、植物油中の溶解度が低い以下の塩が包含される:ポリスチレンスルホン酸の塩、ポリビニルスルホン酸の塩、ナフタレンスルホン酸−ホルムアルデヒド縮合生成物の塩、ナフタレンスルホン酸とフェノールスルホン酸とホルムアルデヒドの縮合生成物の塩、及び、リグニンスルホン酸の塩。
【0076】
本発明の製剤中に含ませることができる適切な添加剤は、乳化剤、発泡防止剤、防腐剤、酸化防止剤、展着剤、着色剤及び増粘剤である。
【0077】
好ましい乳化剤は、エトキシル化ノニルフェノール、アルキルフェノールとエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの反応生成物、エトキシル化アリールアルキルフェノール、さらに、エトキシル化及びプロポキシル化アリールアルキルフェノール、さらに、硫酸化又はリン酸化アリールアルキルエトキシレート及び/又はアリールアルキルエトキシ−プロポキシレートであり、その例として、ソルビタン誘導体、例えば、ポリエチレンオキシド−ソルビタン脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
【0078】
適切な発泡防止剤には、農薬組成物中で該目的のために通常使用可能な全ての物質が包含される。シリコーン油及びステアリン酸マグネシウムが好ましい。
【0079】
適切な防腐剤には、この型の農薬組成物中で該目的のために通常使用可能な全ての物質が包含される。挙げることができる例には、Preventol(登録商標)(Bayer AG)及びProxel(登録商標)などがある。
【0080】
適切な酸化防止剤には、農薬組成物中で該目的のために通常使用可能な全ての物質が包含される。ブチル化ヒドロキシトルエン及び/又はクエン酸が好ましい。
【0081】
適切な展着剤には、農薬組成物中で該目的のために通常使用可能な全ての物質が包含される。アルキルシロキサンが好ましい。
【0082】
適切な着色剤には、農薬組成物中で該目的のために通常使用可能な全ての物質が包含される。例として、二酸化チタン、顔料カーボンブラック、酸化亜鉛及び青色顔料、さらに、Permanent Red FGRを挙げることができる。
【0083】
適切な増粘剤には、農薬組成物中で該目的のために通常使用可能で、増粘剤としては機能する全ての物質が包含される。カルボネート類、シリケート類及びオキシド類などの無機粒子などが好ましく、また、尿素ホルムアルデヒド縮合物などの有機物質も好ましい。例としては、カオリン、ルチル、二酸化ケイ素、いわゆる高分散シリカ(highly disperse silica)、シリカゲルなどを挙げることができ、また、天然シリケート及び合成シリケート、さらに、タルクなども挙げることができる。
【0084】
特定の一実施形態では、本発明の製剤には、少なくとも1種類の付加的な活性物質(殺虫剤、誘引剤、不妊剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調節剤又は除草剤)をさらに含ませることができる。そのような殺虫剤としては、例えば、カーバメート系、カルボン酸エステル系、塩素化炭化水素系、フェニル尿素系、微生物によって産生される物質などがある。
【0085】
特に好ましい共成分の例としては、以下のものを挙げることができる。
【0086】
殺菌剤
核酸合成の阻害薬
ベナラキシル、ベナラキシル−M、ブピリメート、キララキシル(chiralaxyl)、クロジラコン、ジメチリモール、エチリモール、フララキシル、ヒメキサゾール、メタラキシル、メタラキシル−M、オフラセ、オキサジキシル、オキソリン酸;
有糸分裂及び細胞分裂の阻害薬
ベノミル、カルベンダジム、ジエトフェンカルブ、フベリダゾール、ペンシクロン、チアベンダゾール、チオファネート−メチル、ゾキサミド;
呼吸鎖複合体Iの阻害薬
ジフルメトリム;
呼吸鎖複合体IIの阻害薬
ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フルトラニル、フラメトピル、メプロニル、オキシカルボキシン、ペンチオピラド、チフルザミド;
呼吸鎖複合体IIIの阻害薬
アゾキシストロビン、シアゾファミド、ジモキシストロビン、エネストロビン(enestrobin)、ファモキサドン、フェンアミドン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピラクロストロビン、ピコキシストロビン;
デカップラー
ジノカップ、フルアジナム;
ATP産生の阻害薬
酢酸トリフェニルスズ、塩化トリフェニルスズ、水酸化トリフェニルスズ、シルチオファム;
アミノ酸生合成及びタンパク質生合成の阻害薬
アンドプリム(andoprim)、ブラストサイジン−S、シプロジニル、カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩水和物、メパニピリム、ピリメタニル;
シグナル伝達の阻害薬
フェンピクロニル、フルジオキソニル、キノキシフェン;
脂質及び膜合成の阻害薬
クロゾリネート、イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン、
アンプロピルホス、カリウム−アンプロピルホス、エジフェンホス、イプロベンホス(IBP)、イソプロチオラン、ピラゾホス、トルクロホス−メチル、ビフェニル、
ヨードカルブ(iodocarb)、プロパモカルブ、プロパモカルブ塩酸塩;
エルゴステロール生合成の阻害薬
フェンヘキサミド、
アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、パクロブトラゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ボリコナゾール、イマザリル、硫酸イマザリル、オキシポコナゾール、フェナリモール、フルルプリミドール、ヌアリモール、ピリフェノックス、トリホリン、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール、ビニコナゾール、
アルジモルフ、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、スピロキサミン、ナフチフィン、ピリブチカルブ、テルビナフィン;
細胞壁合成の阻害薬
ベンチアバリカルブ、ビアラホス、ジメトモルフ、フルモルフ(flumorph)、イプロバリカルブ、ポリオキシン、ポリオキソリム、バリダマイシンA;
メラニン生合成の阻害薬
カルプロパミド、ジクロシメット、フェノキサニル、フタリド、ピロキロン、トリシクラゾール;
抵抗性誘導薬
アシベンゾラル−S−メチル、プロベナゾール、チアジニル;
多部位
カプタホール、キャプタン、クロロタロニル、銅塩、例えば、水酸化銅、ナフテン酸銅、塩基性塩化銅、硫酸銅、酸化銅、オキシン銅及びボルドー液、ジクロフルアニド、ジチアノン、ドジン、ドジン遊離塩基、ファーバム、フルオロホルペット、グアザチン、酢酸グアザチン、イミノクタジン、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジン三酢酸塩、マンカッパー、マンゼブ、マンネブ、メチラム、メチラム亜鉛(metiram zinc)、プロピネブ、硫黄及び多硫化カルシウム含有硫黄剤、チウラム、トリルフルアニド、ジネブ、ジラム;
未知の機序
アミブロムドール(amibromdol)、ベンチアゾール、ベトキサジン(bethoxazin)、カプシマイシン(capsimycin)、カルボン、キノメチオネート、クロロピクリン、クフラネブ、シフルフェナミド、シモキサニル、ダゾメット、デバカルブ(debacarb)、ジクロメジン、ジクロロフェン、ジクロラン、ジフェンゾコート、ジフェンゾコートメチル硫酸塩、ジフェニルアミン、エタボキサム、フェリムゾン、フルメトベル、フルスルファミド、フルオピコリド、フルオルイミド、ヘキサクロロベンゼン、8−ヒドロキシキノリン硫酸、イルママイシン、メタスルホカルブ、メトラフェノン、メチルイソチオシアネート、ミルディオマイシン、ナタマイシン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ニトロタル−イソプロピル、オクチリノン、オキサモカルブ(oxamocarb)、オキシフェンチイン(oxyfenthiin)、ペンタクロロフェノール及び塩、2−フェニルフェノール及び塩、ピペラリン(piperalin)、プロパノシン−ナトリウム(propanosine-sodium)、プロキナジド、ピロールニトリン、キントゼン、テクロフタラム、テクナゼン、トリアゾキシド、トリクラミド、ザリラミド、並びに、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、N−(4−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−エチル−4−メチルベンゼンスルホンアミド、2−アミノ−4−メチル−N−フェニル−5−チアゾールカルボキサミド、2−クロロ−N−(2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−4−イル)−3−ピリジンカルボキサミド、3−[5−(4−クロロフェニル)−2,3−ジメチルイソオキサゾリジン−3−イル]ピリジン、シス−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)シクロヘプタノール、2,4−ジヒドロ−5−メトキシ−2−メチル−4−[[[[1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン]アミノ]オキシ]メチル]フェニル]−3H−1,2,3−トリアゾール−3−オン(185336−79−2)、1−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル、3,4,5−トリクロロ−2,6−ピリジンジカルボニトリル、2−[[[シクロプロピル−[(4−メトキシフェニル)イミノ]メチル]チオ]メチル]−α−(メトキシメチレン)ベンズ酢酸メチル、4−クロロ−α−プロピニルオキシ−N−[2−[3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル]エチル]ベンズアセトアミド、(2S)−N−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド、5−クロロ−7−(4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、5−クロロ−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−N−[(1R)−1,2,2−トリメチルプロピル][1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン、5−クロロ−N−[(1R)−1,2−ジメチルプロピル]−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン、N−[1−(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)エチル]−2,4−ジクロロニコチンアミド、N−(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)メチル−2,4−ジクロロニコチンアミド、2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピルベンゾピラノン−4−オン、N−{(Z)−[(シクロプロピルメトキシ)イミノ][6−(ジフルオロメトキシ)−2,3−ジフルオロフェニル]メチル}−2−ベンズアセトアミド、N−(3−エチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル)−3−ホルミルアミノ−2−ヒドロキシベンズアミド、2−[[[[1−[3−(1−フルオロ−2−フェニルエチル)オキシ]フェニル]エチリデン]アミノ]オキシ]メチル]−α−(メトキシイミノ)−N−メチル−α−ベンズアセトアミド、N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]エチル}−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド、N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−lH−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−(6−メトキシ−3−ピリジニル)シクロプロパンカルボキサミド、1−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2−ジメチルプロピル−1H−イミダゾール−1−カルボン酸、O−[1−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2−ジメチルプロピル]−1H−イミダゾール−1−カルボチオ酸、2−(2−{[6−(3−クロロ−2−メチルフェノキシ)−5−フルオロピリミジン−4−イル)オキシ}フェニル)−2−(メトキシイミノ)−N−メチルアセトアミド。
【0087】
殺細菌剤
ブロノポール、ジクロロフェン、ニトラピリン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、カスガマイシン、オクチリノン、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム、硫酸銅及び別の銅剤。
【0088】
殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤
アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬
カーバメート系、
例えば、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アリキシカルブ、アミノカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブフェンカルブ、ブタカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、クロエトカルブ、ジメチラン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メタム−ナトリウム、メチオカルブ、メソミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカーブ、プロメカルブ、プロポクスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリメタカルブ、XMC、キシリルカルブ、トリアザメート;
有機リン酸エステル系、
例えば、アセフェート、アザメチホス、アジンホス(−メチル,−エチル)、ブロモホス−エチル、ブロムフェンビンホス(−メチル)、ブタチオホス、カズサホス、カルボフェノチオン、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス(−メチル/−エチル)、クマホス、シアノフェンホス、シアノホス、クロルフェンビンホス、ジメトン−S−メチル、ジメトン−S−メチルスルホン、ジアリホス、ダイアジノン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジオキサベンゾホス、ダイスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、エトリムホス、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フルピラゾホス、ホノホス、ホルモチオン、ホスメチラン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、ヨードフェンホス、イプロベンホス、イサゾホス、イソフェンホス、O−サリチル酸イソプロピル、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシジメトン−メチル、パラチオン(−メチル/−エチル)、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホスホカルブ、ホキシム、ピリミホス(−メチル/−エチル)、プロフェノホス、プロパホス、プロペタムホス、プロチオホス、プロトエート、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、ピリダチオン(pyridathion)、キナルホス、セブホス(sebufos)、スルホテップ、スルプロホス、テブピリムホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン;
ナトリウムチャンネルモジュレーター/電位依存性ナトリウムチャンネル遮断薬
DDT;
オキサジアジン系、
例えば、インドキサカルブ;
アセチルコリン受容体作動薬/拮抗薬
クロロニコチニル系、
例えば、アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ニチアジン、チアクロプリド、チアメトキサム;
ニコチン、ベンスルタップ、カルタップ;
アセチルコリン受容体モジュレーター
スピノシン系、
例えば、スピノサド;
GABA制御塩化物チャンネル拮抗薬
有機塩素系、
例えば、カンフェクロル、クロルダン、エンドスルファン、ガンマ−HCH、HCH、ヘプタクロル、リンダン、メトキシクロル;
フィプロール系、
例えば、アセトプロール、エチプロール、フィプロニル、ピラフルプロール、ピリプロール、バニリプロール;
塩化物チャンネル活性化剤
メクチン系、
例えば、アベルメクチン、エマメクチン、エマメクチン−安息香酸塩、イベルメクチン、ミルベマイシン;
幼若ホルモンミメティクス
例えば、ジオフェノラン、エポフェノナン、フェノキシカルブ、ハイドロプレン、キノプレン、メトプレン、ピリプロキシフェン、トリプレン(triprene);
エクジソン作動薬/ディスラプター
ジアシルヒドラジン系、
例えば、クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド;
キチン生合成阻害薬
ベンゾイル尿素系、
例えば、ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルアズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、ペンフルロン(penfluron)、テフルベンズロン、トリフルムロン;
ブプロフェジン;
シロマジン;
酸化的リン酸化阻害薬、ATPディスラプター
ジアフェンチウロン;
有機スズ化合物、
例えば、アゾシクロチン、シヘキサチン、酸化フェンブタスズ;
H−プロトン勾配を遮断することにより作用する酸化的リン酸化デカップラー
ピロール系、
例えば、クロルフェナピル;
ジニトロフェノール系、
例えば、ビナパクリル、ジノブトン、ジノカップ、DNOC;
Site−I 電子伝達阻害薬
METI系、
例えば、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド;
ヒドラメチルノン;
ジコホル;
Site−II 電子伝達阻害薬
ロテノン;
Site−III 電子伝達阻害薬
アセキノシル、フルアクリピリム;
昆虫消化管膜の微生物ディスラプター
バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)株
脂肪生合成阻害薬
テトロン酸系、
例えば、スピロジクロフェン、スピロメシフェン;
テトラミン酸系、
例えば、スピロテトラマト(CAS Reg.No.:203313−25−1)、及び、3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デク−3−エン−4−イルエチルカルボネート(別名:炭酸3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デク−3−エン−4−イルエチルエステル(CAS Reg.No.:382608−10−8);
カルボキサミド系
例えば、フロニカミド;
オクトパミン作用薬
例えば、アミトラズ;
マグネシウム刺激ATPアーゼの阻害薬
プロパルギット;
ベンゾジカルボキサミド系
例えば、フルベンジアミド;
ネライストキシン類似体
例えば、チオシクラムシュウ酸水素塩(thiocyclam hydrogen oxalate)、チオスルタップ−ナトリウム(thiosultap-sodium);
生物学的薬剤、ホルモン又はフェロモン
アザジラクチン、バシルス属各種(Bacillus spec.)、ベアウベリア属各種(Beauveria spec.)、コドレモン(codlemone)、メタリジウム属各種(Metarrhizium spec.)、パエシロマイセス属各種(Paecilomyces spec.)、チューリンギエンシン(thuringiensin)、ベルチシリウム属各種(Verticillium spec.);
作用機序が知られていないか又は特定されていない活性化合物
燻蒸剤、
例えば、リン化アルミニウム、臭化メチル、フッ化スルフリル;
摂食阻害薬、
例えば、氷晶石(cryolite)、フロニカミド、ピメトロジン;
ダニ成長阻害薬、
例えば、クロフェンテジン、エトキサゾール、ヘキシチアゾクス;
アミドフルメト、ベンクロチアズ、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ブロモプロピレート、ブプロフェジン、キノメチオネート、クロルジメホルム、クロロベンジレート、クロロピクリン、クロチアゾベン(clothiazoben)、シクロプレン(cycloprene)、シフルメトフェン、ジシクラニル、フェノキサクリム、フェントリファニル(fentrifanil)、フルベンジミン、フルフェネリム、フルテンジン(flutenzin)、ゴシプルレ(gossyplure)、ヒドラメチルノン、ジャポニルレ(japonilure)、メトキサジアゾン、石油、ピペロニルブトキシド、オレイン酸カリウム、ピリダリル、スルフラミド、テトラジホン、テトラスル、トリアラセン、ベルブチン(verbutin)。
【0089】
本発明の油性懸濁製剤中の個々の成分の量は、比較的広い範囲でさまざまであることができる。かくして、
・ 有効な農薬の濃度は、5重量%〜40重量%、好ましくは、10重量%〜37.5重量%、極めて好ましくは、12.5重量%〜35重量%であり;
・ 浸透剤の濃度は、5重量%〜55重量%、好ましくは、10重量%〜35重量%であり;
・ 植物油の濃度は、15重量%〜55重量%、好ましくは、20重量%〜50重量%であり;
・ シクロヘキサノンの濃度は、5重量%〜20重量%、好ましくは、7重量%〜16重量%であり;
・ 界面活性剤及び/又は分散剤の濃度は、2.5重量%〜30重量%、好ましくは、5.0重量%〜25重量%であり;及び、
・ 添加剤の濃度は、0.1重量%〜25重量%、好ましくは、0.1重量%〜20重量%である。
【0090】
本発明の油性懸濁製剤は、当該成分をそれぞれ望ましい比率で互いに混合させることにより製造する。それらの成分を互いに混合させる順序は、任意である。適切には、固体成分は、微粉砕された状態で使用する。しかしながら、当該成分を混合させた後に得られた懸濁液を、まず粗粉砕に付し、次いで、微粉砕に付して平均粒径を20μm未満とすることも可能である。好ましい懸濁製剤は、固体粒子の平均粒径が1〜10μmであるような懸濁製剤である。
【0091】
本発明の方法を実施する場合、その温度は特定の範囲内でさまざまな温度とすることができる。本発明の方法は、一般に、10℃〜60℃の温度、好ましくは、15℃〜40℃の温度で実施する。
【0092】
本発明の方法を実施するのに適切な設備としては、農薬製剤を製造するのに使用される慣習的な混合及び粉砕装置などがある。
【0093】
本発明の油性懸濁製剤は、高温下又は低温中で長期間貯蔵した後においても安定性を保つ製剤であり、結晶の成長は観察されない。本発明の油性懸濁製剤は、水で希釈することにより、均質な散布液に変換することができる。それらの散布液は、慣習的な方法で、即ち、例えば、噴霧、流し込み又は注入などによって施用する。
【0094】
本発明の油性懸濁製剤の施用量は、比較的広い範囲でさまざまであり得る。それは、特定の有効な農薬によって左右され、また、当該製剤中の当該特定の有効な農薬の量によって左右される。
【0095】
本発明の油性懸濁製剤を用いて、有効な農薬、特に、ネオニコチノイド系の群の有効な農薬を、植物及び/又はそれらの生息環境に特に有利な方法で送達することができる。
【0096】
本発明の製剤を用いて、全ての植物及び植物の全ての部分を処理することができる。本明細書において、植物は、望ましい野生植物及び望ましくない野生植物又は作物植物(天然に発生している作物植物を包含する)のような全ての植物及び植物個体群を意味する。作物植物は、慣習的な育種法と最適化法によって得ることができる植物であり得るか、又は、生物工学的な方法と遺伝子工学方法によって得ることができる植物であり得るか、又は、前記方法の組合せによって得ることができる植物であることができる。そのような作物植物には、トランスジェニック植物も包含され、また、品種の所有権によって保護され得る植物品種又は保護され得ない植物品種も包含される。植物の部分は、苗条、葉、花及び根などの、植物の地上部及び地下部の全ての部分及び器官を意味するものであり、その代表的なものには、葉、針状葉、茎、樹幹、花、子実体、果実及び種子などが包含され、また、根、塊茎及び根茎なども包含される。収穫物(harvested material)、並びに、栄養繁殖器官(vegetative propagation material)及び生殖繁殖器官(generative propagation material)、例えば、実生、塊茎、根茎、挿穂及び種子なども、植物の部分に包含される。
【0097】
これに関連して強調し得ることは、穀類植物、例えば、コムギ、エンバク、オオムギ、スペルトコムギ、ライコムギ及びライムギなどにおける使用に関して、さらにまた、トウモロコシ、ソルガム及びアワ、イネ、サトウキビ、ダイズ、ヒマワリ、ジャガイモ、ワタ、ナタネ、カノラ、タバコ、テンサイ、飼料用ビート、アスパラガス、ホップ、並びに、果実植物(例えば、仁果類、例えば、リンゴ及びナシ、核果類、例えば、モモ、ネクタリン、サクランボ、プラム及びアンズ、柑橘類、例えば、オレンジ、グレープフルーツ、ライム、レモン、キンカン、タンジェリン及びウンシュウミカン、堅果類、例えば、ピスタチオ、アーモンド、クルミ及びペカン、熱帯果実、例えば、マンゴー、パパイア、パイナップル、ナツメヤシ及びバナナ、並びに、ブドウ)、並びに、野菜類(例えば、葉菜類、例えば、エンダイブ、コーンサラダ、イタリアウイキョウ(Florence fennel)、レタス、コスレタス、フダンソウ(Swiss chard)、サラダ用ホウレンソウ及びサラダ用チコリ、キャベツ類、例えば、カリフラワー、ブロッコリー、ハクサイ、ケールキャベツ(Brassica oleracea (L.) convar. acephala var. sabellica L.(curly kale、feathered cabbage))、コールラビ、メキャベツ(Brussels sprouts)、レッドキャベツ、ホワイトキャベツ及びチリメンキャベツ、果菜類、例えば、ナス、キュウリ、トウガラシ、テーブルカボチャ、トマト、ズッキーニ及びスイートコーン、根菜類、例えば、根用セロリ、野生カブ、ニンジン(黄ニンジン(yellow cultivars)を包含する)、ハツカダイコン(Raphanus sativus var. niger and var. radicula)、ビートルート(beetroot)、スコルツォネラ及びセロリ、豆類、例えば、エンドウ及びインゲンマメ、並びに、ネギ類の野菜、例えば、リーキ及びタマネギ)などにおける使用に関して、本発明の組成物が特に有利な効果を示すということである。
【0098】
本発明の懸濁製剤を用いた植物及び植物の部分の本発明による処理は、慣習的な処理方法によって、例えば、浸漬、散布、気化、霧化、ばらまき若しくは塗布などによって、直接的に行うか、又は、それらの周囲、生息環境若しくは貯蔵所に作用させることにより行い、及び、増殖器官、特に種子の場合は、さらに、1層若しくは多層のコーティングを施すことによって行う。
【0099】
含まれている当該有効な農薬は、対応する慣習的な製剤の形態で施用された場合と比較して、優れた生物活性を発揮する。
【0100】
以下の実施例によって、本発明を例証する。
【実施例】
【0101】
調製実施例
実施例1
懸濁製剤を調製するために、
144.0gのイミダクロプリド
38.4gのデルタメトリン
100.0gのArlatone(登録商標)T
75.0gのシクロヘキサノン
130.0gのAtlox(登録商標)3467
20.0gのリグノスルホネート(Borresperse(登録商標)NA)
25.0gのプロピレングリコール
0.5gのポリジメチルシロキサン
2.0gの無水クエン酸
2.0gの2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール
を、室温で撹拌しながら、
200.0gの式(I−c−1)で表される化合物と
263.1gのひまわり油
の混合物中に導入する。
【0102】
上記添加が完了した後、その混合物を室温でさらに10分間撹拌する。得られた均質な懸濁液を、まず粗粉砕に付し、次いで、微粉砕に付して、固体粒子の90%が6μm未満の粒径を有する懸濁液を得る。
【0103】
以下の処方は、実施例1についての方法と同様の方法で製造した。
【0104】
【表1】



【0105】
比較実施例
【0106】
【表2】

【0107】
本発明組成物中の商品名で記載されている成分は、以下の供給元から入手可能である。
【0108】
【表3】

【0109】
結晶化挙動
100mLの製剤を変動する温度条件下に8週間貯蔵することによって、結晶化挙動について調べる。その温度条件は、以下のとおりである:
・ 30℃で48時間;
・ 1時間当たり2℃の割合で22.5時間にわたり温度を下げて、−15℃とする;
・ −15℃で75時間;
・ 1時間当たり2℃の割合で22.5時間にわたり温度を上げて、30℃とする。
【0110】
貯蔵後、当該サンプルを室温とし、結晶化挙動について調べる。
【0111】
いずれの場合も0.5重量%の濃度を有する水性散布液500mLを、ポンプを用いて、フロートラバース装置内で微細な網目のスクリーンを通して30分間循環させることにより、結晶化特性について試験する。この手順の間に、当該スクリーンを通る流量を測定する。同レベルの流量で、いずれの場合も500mLの新たに用いた散布液で上記操作を40回繰り返す。被験製剤中で結晶が成長すると、スクリーンが詰まり、その結果、スクリーンを通る流量が低下する。その流量が20%を下回った場合、循環サイクルを中止する。例として、2つの結果をグラフとして再現する。グラフ1は、本発明の製剤を用いたフロー試験の結果を示している。ここでは、40サイクル後(20時間後)においても、その流量は、まだ変化していない。グラフ2は、比較処方についての結果を示している。4サイクル後(2時間後)、その流量は、20%に低下した(図1及び図2を参照されたい)。
図1:本発明の製剤16を用いたフロー試験で40サイクルにわたって測定された結果;
図2:比較製剤3を用いたフロー試験で4サイクルにわたって測定された結果。
【0112】
使用実施例II:結晶化挙動
54℃の変動する温度条件下で製剤を8週間貯蔵した後、当該活性物質の結晶の成長について光学顕微鏡を用いて測定する。製造直後は、製剤は全て10μm以下の粒径を示す。本発明の製剤は全て、貯蔵後において、20μm以下の粒径を示す。比較製剤では、実質的に粗大な粒子となっており、その粒径は、100μmを超える値にまで達している(図3〜図5を参照されたい)。
図3:上記8週間の貯蔵後における比較例3の光学顕微鏡による検査;
図4:上記8週間の貯蔵後における比較例1の光学顕微鏡による検査;
図5:上記8週間の貯蔵後における本発明製剤16の光学顕微鏡による検査。
【0113】
生物学的効果についての実施例
ノックダウン効果:モモアカアブラムシ(Myzus persicae)試験
1重量部の製剤化生成物を水で所望の濃度に希釈することにより、適切な散布液(application solution)を製造する。
【0114】
全ての齢のモモアカアブラムシ(Myzus persicae)に寄生されているトウガラシ植物(Capsicum annuum)に、所望濃度の散布液を用いて噴霧する。
【0115】
噴霧による被膜が乾燥した直後に、その効果を%で測定する。100%は、全てのアブラムシが損傷を受けたことを意味し;0%は、損傷を受けたアブラムシが無かったことを意味する。
【0116】
この試験において、例えば、以下の製剤は、従来技術よりも優れた活性を示す:15、16。
【0117】
【表4】

【0118】
死亡率/効力:モモアカアブラムシ(Myzus persicae)試験
1重量部の製剤化生成物を水で所望の濃度に希釈することにより、適切な散布液(application solution)を製造する。
【0119】
全ての齢のモモアカアブラムシ(Myzus persicae)に寄生されているトウガラシ植物(Capsicum annuum)に、所望濃度の散布液を用いて噴霧する。
【0120】
所望の期間が経過した後、その効果を%で測定する。100%は、全てのアブラムシが死んだことを意味し;0%は、死んだアブラムシが無かったことを意味する。
【0121】
この試験において、例えば、以下の製剤は、従来技術よりも優れた活性を示す:15、16。
【0122】
【表5】

【0123】
試験の説明:クチクラのレベルにおける浸透剤
クチクラのレベルで浸透剤として作用する添加剤は、以下では促進添加剤(accelerator additive)と称し得る(cf. Schonherr and Baur, 1994, Pesticide Science 42, 185-208)。促進添加剤の特徴は、水性散布液から及び/又は散布被膜からクチクラ内に浸透し、それによって、当該活性物質のクチクラ内での移動性を増大させるそれらの能力である。それに反して、ポリエチレングリコールなどの別の添加剤は、散布被膜(液相による)でのみ作用するか、又は、湿潤剤としてのみ作用する(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)。
【0124】
本試験は、クチクラのレベルにおける別の物質の浸透特性に対する添加剤の影響を測定する。脱着法(desorption method)によって、クチクラ内の被験物質の移動性を添加剤の存在下及び非存在下で測定する。該方法は、文献(Baur et al., 1997, Pesticide Science, 51, 131-152)において詳細に公表されている。その原理及び異なっている点についてのみ、以下に記載する。
【0125】
トレーサーの機能を有する被験物質として、本試験では、放射能標識した有機弱酸を選択した。使用した植物材料は、屋外の樹木から酵素的に分離した桃の葉の上面の葉クチクラを含んでいる。そのクチクラを、特別に製造したステンレス鋼製拡散セル内に配置した。当該トレーサー(これは、pH3のクエン酸緩衝液中で溶解状態にある)を、本来は当該葉の内部に面していた面に施用した。この内側は、解離していない酸形態にある少ない放射能量のトレーサーを容易に吸収する。次に、この内側を覆って、100%大気湿度で維持した。次に、当該葉クチクラの形態学的な外側(これは、通常、空気に晒されている)を緩衝液(pH7)と接触させ、受容体溶液と接触させ、脱着を開始させた。被験物質の浸透した酸形態は受容体によって解離させられ、その脱着は、一次速度論に従う。その脱着定数は、クチクラ内の当該トレーサーの移動性に比例する。
【0126】
この定数を少なくとも2回測定した後、さらに被験添加剤も含んでいる緩衝液を用いて脱着を継続させる。その添加剤の性質に応じて、添加剤のクチクラ内への吸収が起こり、また、クチクラに対する可塑剤としてのその活性に応じて、クチクラ内の当該トレーサーの移動性が増大する。これは、増大した脱着定数においてはっきりと示され、添加剤を含んでいる場合の勾配と添加剤を含んでいない場合の勾配の比によって、クチクラのレベルで浸透剤として作用する当該添加剤の効果が示される。種々の添加剤の平均的な効果を比較することによって、クチクラ可塑剤(cuticle plasticizer)としての作用におけるそれらの有効性が示される。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の製剤16を用いたフロー試験で40サイクルにわたって測定された結果を示す図である。
【図2】比較製剤3を用いたフロー試験で4サイクルにわたって測定された結果を示す図である。
【図3】上記8週間の貯蔵後における比較例3の光学顕微鏡による検査を示す図である。
【図4】上記8週間の貯蔵後における比較例1の光学顕微鏡による検査を示す図である。
【図5】上記8週間の貯蔵後における本発明製剤16の光学顕微鏡による検査を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
・ ネオニコチノイド系の群の少なくとも1種類の室温で固体の活性物質;
・ ピレスロイド系の群の少なくとも1種類の室温で固体の活性物質;
・ 少なくとも1種類の浸透剤;
・ 少なくとも1種類の植物油;
・ シクロヘキサノン;
・ 少なくとも1種類の非イオン性界面活性剤及び/又は少なくとも1種類のアニオン界面活性剤;
並びに、
・ 乳化剤、発泡防止剤、防腐剤、酸化防止剤、展着剤、着色剤及び/又は増粘剤からなる群からの1種類以上の添加剤;
を含んでいる、前記組成物。
【請求項2】
前記ネオニコチノイドが、チアメトキサム、クロチアニジン、チアクロプリド、ジノテフラン、アセタミプリド、ニテンピラム及びイミダクロプリドからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ネオニコチノイドがイミダクロプリドである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
ピレスロイドが、ベータ−シフルトリン及びデルタメトリンから選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
前記浸透剤が、式
【化1】

[式中、
Rは、4〜20個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルであり;
R’は、H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル又はn−ヘキシルであり;
AOは、エチレンオキシドラジカル、プロピレンオキシドラジカル、ブチレンオキシドラジカル、又は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドラジカル若しくはブチレンオキシドラジカルの混合物であり;
及び、
mは、2〜30の数である]
で表されるアルカノールアルコキシレートである、請求項1〜4の1項以上に記載の組成物。
【請求項6】
前記浸透剤が、式(I−a)、式(I−b)、式(I−c)、式(I−d)、式(I−e)又は式(I−f)
【化2】

[式中、
R及びR’は、上記で定義されているとおりであり;
EOは、−CH−CH−O−であり;
POは、
【化3】

であり;
BOは、
【化4】

であり;
nは、2〜20の数であり;
p、q、r及びsは、1〜10の数であり;
tは、8〜13の数であり;
及び、
uは、6〜17の数である]
で表されるアルカノールアルコキシレートである、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記浸透剤が、式(I−c−1)、式(I−d−1)又は式(I−f−1)
【化5】

[式中、数字8及び6は、平均値である]
【化6】

[式中、数字10、6及び2は、平均値である]
【化7】

[式中、数字10.5及び8.4は、平均値である]
で表されるアルカノールアルコキシレートである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記浸透剤が、式(I−f−1−1)
【化8】

[式中、数字10.5及び8.4は、平均値である]
で表されるアルカノールアルコキシレートである、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
・ 5重量%〜40重量%の活性農薬;
・ 5重量%〜55重量%の浸透剤;
・ 15重量%〜55重量%の植物油;
・ 5重量%〜20重量%のシクロヘキサノン;
・ 2.5重量%〜30重量%の界面活性剤及び/又は分散剤;
及び、
・ 0.1重量%〜25重量%の添加剤;
を含んでいることを特徴とする、請求項1〜8の1項以上に記載の組成物。
【請求項10】
・ 10重量%〜37.5重量%の活性農薬;
・ 10重量%〜35重量%の浸透剤;
・ 20重量%〜50重量%の植物油;
・ 7重量%〜16重量%のシクロヘキサノン;
・ 5重量%〜25重量%の界面活性剤及び/又は分散剤;
及び、
・ 0.1 重量%〜20重量%の 添加剤;
を含んでいることを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
請求項1から10の1項以上に記載の組成物を製造する方法であって、当該成分を互いに混合させ、次いで、平均粒径が10μm未満に達するまで粉砕することを特徴とする、前記方法。
【請求項12】
前記粉砕工程が粗粉砕からなり、当該粒子の90重量%の寸法が6μ未満に達するまで微粉砕を実施する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
浸透剤と植物油を最初に導入し、当該混合物の残りの成分を添加する、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
有害な昆虫を防除する方法であって、請求項1から10の1項以上に記載の組成物を、何も加えずにそのままで又は希釈して、その組成物に含まれている当該殺虫活性物質の有効量が昆虫又はその生息環境に作用するような量で、昆虫又はその生息環境に施用することを特徴とする、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−511514(P2009−511514A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534892(P2008−534892)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際出願番号】PCT/EP2006/009433
【国際公開番号】WO2007/042152
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】