説明

油性軟膏と可溶化された形態のビタミンDまたはその誘導体とを含む薬剤組成物

本発明は、乾癬およびその他の皮膚疾患の治療を目的とする無水薬剤組成物に関する。本発明の組成物は、油性軟膏と、活性成分として、ビタミンDおよびその誘導体から選択される化合物とを含み、前記活性成分が前記組成物中で可溶化された形態であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所的に薬剤を適用することを目的とする活性成分の製剤設計の分野に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、油性軟膏と、活性成分としてビタミンDおよびその誘導体から選択される化合物とを含む安定な無水薬剤組成物に関し、さらに、乾癬およびその他の皮膚疾患の局所的な治療のためのこの組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
ビタミンDおよびその誘導体は、一般に、皮膚科において乾癬の治療に使用されている。ビタミンDおよびその誘導体は、乾癬に罹った皮膚細胞の過剰な増殖を制限し、特に、厚く、鱗状の、乾燥した病変の存在により特徴づけられるこの病気の治療に有利であると実証されているからである。
【0004】
ビタミンDおよびその誘導体は、水性媒体中で高度に不安定であるため、これらの活性成分を無水のタイプの組成物中で処方することが望ましい。水に敏感な活性成分の処方を可能にする現在利用可能な無水組成物は、一般に、ワセリンを主として含む軟膏タイプの組成物である。
【0005】
現在、このような組成物は、密閉性と活性成分の浸透とを抑制するために、高い割合のワセリンを含有するか、活性成分の浸透を促進させるための高い割合(少なくとも20%)の浸透促進性グリコールを含有するかのいずれかであるが、べたつきがあり、不寛容の問題を引き起こし得る(Piacquadioらの文献「The critical role of the vehicle to therapeutic efficacy and patient compliance」、J. Am. Acad. Dermatol., August 1998を参照)。
【特許文献1】国際公開第WO 03/050067号パンフレット
【非特許文献1】J. Am. Acad. Dermatol., August 1998
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的の1つは、軟膏タイプの無水薬剤組成物であって、良好な安定性および良好な忍容性を有し、活性成分の最適化された放出を可能とすると同時に、適用時にべたつきがより少なく脂っぽさがより少ない組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明の主題は、以下の:
【0008】
a)ワセリンと、少なくとも1種の液状脂肪物質および少なくとも1種のバターを含むエモリエントの組合せとを含む油性軟膏、ならびに
b)活性成分として、ビタミンDおよび下記一般式(I)
【化1】

[式中、
X-Yは、以下の構造:
-CH2-CH2-
-CH2-O-
-O-CH2-
-CH2-N(R4)-
(R4は以下に示す意味を有する)から選択される結合を表し、
R1は、メチル基またはエチル基を表し、
R2は、エチル基、プロピル基、またはイソプロピル基を表し、
R3は、エチル基またはトリフルオロメチル基を表し、
R4は、水素原子、メチル基、エチル基、またはプロピル基を表す]
で示されるその誘導体から選択される化合物
を含むことを特徴とする無水薬剤組成物である。ここで、前記活性成分は、前記組成物中で可溶化された形態である。このような組成物は、局所的に適用するための組成物であり、上述した欠点の克服を可能にする。
【0009】
用語「可溶化された形態」は、裸眼でも交差偏光光学顕微鏡でも活性成分の結晶体が見られない、液体中の分子状態の分散を意味する。
【0010】
本発明の目的において用語「無水組成物」は、実質的に水を含まない組成物、すなわち組成物の総重量に対して約5重量%以下、特に3重量%以下、さらに特に0重量%の水分含有量を有する組成物を意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
このような組成物は、特に、乾癬およびその他の皮膚疾患の治療に使用される。表現「乾癬の他の皮膚疾患」は、特に、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎を意味する。本発明の組成物は、乾癬の治療に使用することが好ましい。
【0012】
このような組成物は、特に、局所的に適用することが意図されている。
【0013】
本発明の組成物中に用いることができる活性成分は、ビタミンDおよび式(I)で示されるその誘導体であり、単独であるいは混合物として用いられる。
【0014】
用語「ビタミンD」は、さまざまな形態のビタミンD、例えば、ビタミンDまたはビタミンDを意味する。
【0015】
本発明に従って用いられるビタミンD誘導体は、国際出願第WO 03/050067号に記載されている。これらは、ビタミンDの構造類似体である化合物であり、細胞の増殖および分化に選択的な活性を示す化合物である。
【0016】
本発明の範囲に包含される式(I)の化合物のうち、特に、以下の化合物を挙げることができる:
1- {5-[4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2’-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
2- {5-[6,2’-ジエチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)ビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
3- {4-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
4- {4-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-イソプロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
5- (4-{2-[4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2’-プロピルビフェニル-3-イル]エチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
6- {4-[4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2’-プロピルビフェニル-3-イルメトキシ]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
7- (4-{[4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2’-プロピルビフェニル-3-イルアミノ]メチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
8- [4-({[4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2’-プロピルビフェニル-3-イル]メチルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
9- [4-({エチル-[4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2’-プロピルビフェニル-3-イル]アミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
10- [4-({[4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2’-プロピルビフェニル-3-イル]プロピルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
11- (2-ヒドロキシメチル-4-{2-[6-メチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]エチル}フェニル)メタノール;
12- {2-ヒドロキシメチル-4-[6-メチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルオキシメチル]フェニル}メタノール;
13- {2-ヒドロキシメチル-4-[6-メチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルメトキシ]フェニル}メタノール;
14- (2-ヒドロキシメチル-4-{[6-メチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルアミノ]メチル}フェニル)メタノール;
15- [2-ヒドロキシメチル-4-({N-メチル[6-メチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]アミノ}メチル)フェニル]メタノール;
16- [4-({N-エチル[6-メチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]アミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
17- [2-ヒドロキシメチル-4-({[6-メチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]N-プロピルアミノ}メチル)フェニル]メタノール;
18- (4-{2-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イル]エチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
19- {4-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イルメトキシ]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
20- (4-{[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イルアミノ]メチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
21- [4-({[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イル]メチルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
22- [4-({エチル-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イル]アミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
23- [4-({[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イル]プロピルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
24- (4-{2-[6-エチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]エチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
25- {4-[6-エチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
26- {4-[6-エチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルメトキシ]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
27- (4-{[6-エチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルアミノ]メチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
28- [4-({[6-エチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]メチルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
29- [4-({N-エチル[6-エチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]アミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
30- [4-({[6-エチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]-N-プロピルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
31- (4-{[4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6,2’-ジメチルビフェニル-3-イルアミノ]メチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール。
【0017】
特に好ましくは、本発明に用いるビタミンD誘導体は、下記式(II):
【化2】

の{4-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール(上述の化合物3)である。
【0018】
本発明の組成物は、酸化、水、および一般的な水性媒体に敏感な活性成分の申し分のない化学的安定性を維持するのに特に効果的であることが見出された。
【0019】
用語「申し分のない化学的安定性」は、常温および40℃のそれぞれにおいて少なくとも3ヶ月の期間に亘って、
−巨視的外観においていかなる実質的な変化もなく、
−活性成分の含有量が、初期の含有量の少なくとも90重量%、さらに特に少なくとも95重量%である
組成物を意味する。
【0020】
本発明の組成物中に可溶化された形態の、活性成分、すなわちビタミンDおよび/またはその誘導体、特に{4-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールの量は、組成物の総重量に対して0.0001重量%〜5重量%であることが有利であり、好ましくは0.001重量%〜1重量%、さらに好ましくは0.05重量%〜0.2重量%である。
【0021】
さらに特に、本発明の組成物の一部である、ビタミンDおよび/またはその誘導体、特に{4-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールは、本発明の組成物に皮膚への良好な放出/浸透特性を与えるために、可溶化された状態にあり、このことが、より有利な血中動態に結びつく。表現「良好な放出/浸透能力」は、皮膚の角質層を通して、かつ、表皮および真皮などの皮下層を通して、本発明の組成物が良好に分配されること、したがって、本組成物が含有する活性成分が良好に分配されることを意味する。
【0022】
本発明の目的において、および米国薬局方(「USP」)にしたがって、用語「軟膏」は、皮膚または粘膜に外用するための半個形製剤を意味する。軟膏は、さまざまな用途、例えば、保護クリーム、殺菌クリーム、エモリエントクリーム等として局所的に用いられる。軟膏は、そのエモリエント(皮膚軟化)効果を目的として用いられ、適用が容易であり、皮膚に容易に浸透する。
【0023】
軟膏には、一般に、その物理的な組成に基づいて区別される5つのタイプがある。軟膏の最も普通のタイプは、本発明に関連するタイプであり、「油性軟膏」と呼ばれる油性基材の軟膏である。この軟膏は、無水、疎水性、密封性であり、ワセリンを含むことが多い。
【0024】
本発明の有利な実施態様では、油性軟膏は、水相を全く含有せず、特に、ワセリンと、少なくとも1種の液状脂肪物質および少なくとも1種のバターを含むエモリエントの組み合わせとを含む。この組み合わせは、製剤に良好な忍容性を与え、活性成分の最適化された放出を可能にし、同時に、病変により損なわれた皮膚の障壁を回復させる。さらに、このような組み合わせにより得られる組成物は、良好な安定性を有し、同時に、適用時により脂っぽくなく、よりべたべたしない。
【0025】
ワセリン(petroleum jelly)は、長鎖脂肪族炭化水素の混合物であり、優秀な保湿剤である。これは、その密閉特性が、不活性な密閉膜の形成により、皮膚を通してのごくわずかな水の喪失を阻止し、この水を皮膚の表面下に捕捉しておくことを可能にするからである(Ghadiallyら、「Effects of petrolatum on stratum corneum structure and function」Journal of the American Academy of Dermatology 1992; 26: 387-96)。ワセリンは、病気(例えばアトピー性皮膚炎または乾癬等)に冒された皮膚において、正常な皮膚保護性の回復を促進する。ワセリンはさらに、不活性であり、したがって、活性成分に関わらず不適合性が全くない。
【0026】
ワセリンに加えて、本軟膏は、少なくとも1種の液状脂肪物質からなる第一のエモリエントを含む。この液状脂肪物質の作用は、皮膚の快適さを増進するために、皮膚を柔軟かつ滑らかにすることである。このような製品は、角質層に潤いを与えるか、または皮脂腺分泌の不足を補うかのいずれかによって作用する。
【0027】
用語「液状脂肪物質」は、周囲温度(25℃)および周囲圧力(760 mmHg)で液体である脂溶性化合物を意味する。
【0028】
角質層の潤いを増進させる液状脂肪物質としては、油、脂肪アルコール、密封性によって脱水を減速させるシリコーン油、さらに保湿剤(例えば、ポリオール、グリセロール、または尿素等)を挙げることができる。不十分な皮脂腺分泌を補う液状脂肪物質としては、例えば油等の脂質製品を挙げることができる。
【0029】
油は、本発明に用いることができる好ましい液状脂肪物質である。これらには、鉱物性、植物性、動物性、または合成のものがある。
【0030】
鉱油の例としては、さまざまな粘度の流動パラフィン、例えば、Esso社により販売されているPrimol 352、Marcol 82、およびMarcol 152が挙げられる。
【0031】
植物性油としては、スイートアーモンド油、パーム油、大豆油、ゴマ油、およびヒマワリ油が挙げられる。
【0032】
動物油としては、ラノリン、スクアレン、魚油、およびミンク油が挙げられる。
【0033】
合成油としては、エステル〔例えば、イソノナン酸セテアリル(例えば、Cognis France社からCetiol SNの名称で販売されている製品等)、アジピン酸ジイソプロピル(例えば、ISF社からCeraphyl 230の名称で販売されている製品等)、パルミチン酸イソプロピル(例えば、Croda社からCrodamol IPPの名称で販売されている製品等)、およびカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(例えば、Huls/Lambert Riviere社からMiglyol 812の名称で販売されている製品等)等〕が挙げられる。
【0034】
本発明の組み合わせに用いることができる液状脂肪物質は、流動パラフィンおよびスイートアーモンド油から選択されることが有利である。
【0035】
本発明の組成物の液状脂肪物質の量は、組成物の総重量に対して0.01重量%〜30重量%、好ましくは0.01重量%〜15重量%である。好ましくは、本組成物は、0.01重量%〜10重量%の植物性油、および0.01重量%〜5重量%の鉱油を含む。
【0036】
最後に、ワセリンおよび少なくとも1種の液状脂肪物質に加えて、本軟膏は、少なくとも1種のバターを含む。用語「バター」は、周囲温度(25℃)および周囲圧力(760 mmHg)で固体状またはペースト状のコンシステンシーを有する脂肪物質を意味する。
本発明で用いることができるバターとしては、ココアバター、シアバター、およびコプラバターを挙げることができ、シアバターが好ましい。用いることができるバターの量は、0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%である。本発明によれば、用いるバターはシアバターが好ましく、優れた忍容性を有する。
【0037】
ワセリンは、バター、特にシアバターと、液状脂肪物質、特にスイートアーモンド油との組合せと共に、無水油性軟膏中で、活性成分、特に{4-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールの最適化された放出を可能にし、同時に、最終製品の非常に良好な忍容性をもたらす。
【0038】
ワックスを本発明の組成物に用いることもできる。ワックスは、濃厚化特性を目的として用いられ、動物、植物、鉱物、または合成由来のワックス、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0039】
用語「ワックス」は、一般に、周囲温度(25℃)で固体であり、可逆的に固体/液体状態に変化し、30℃以上の融点であって、最高200℃まで、特に最高120℃までの範囲であってよい融点を有する親油性化合物を意味する。
【0040】
特定の実施形態では、ワックスは、飽和または不飽和の、特にポリ不飽和の、特に炭素原子10個〜24個を有する脂肪酸、不飽和脂肪酸、および特にポリ不飽和脂肪酸のグリセリルエステルであるタイプの、炭化水素をベースにした化合物から選択することができる。
【0041】
グリセリド類とポリ不飽和脂肪酸類とのエステルであって、本発明の組成物中に用いることができるタイプの炭化水素ワックスとしては、特に、微粒化グリセリルジパルミトステアレート(C16-C18)(Gattefosse社からPrecirol ATO 5(登録商標)の名称で販売されている製品)、微粒化ベヘン酸グリセリル(C22)(例えば、Gattefosse社からCompritol(登録商標)888の名称で販売されている製品)、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0042】
炭化水素ワックス、例えば、ミツロウ、ラノリンワックス、および中国昆虫ロウ;コメヌカワックス、カルナウバワックス、カンデリラワックス、ウアリカリー(ouricury)ワックス、アルファワックス、コルク繊維ワックス、サトウキビワックス、日本ロウ、および木蝋;モンタンワックス、微結晶性ワックス、パラフィン、およびオゾケライト;ポリエチレンワックス、フィッシャー‐トロブシュ合成により得られたワックス、およびワックス性共重合体、ならびにこれらのエステル類等を用いることもできる。
【0043】
C8-C32の直鎖または分岐の脂肪族鎖を有する動物油または植物性油の触媒的水素添加により得られるワックスも挙げることができる。ワックスとして、特に、水素化ホホバ油、異性化ホホバ油(例えば、トランス異性化されたもの)、部分的に水素化されたホホバ油(Desert Whale社から販売用照会名称Iso-Jojoba-50(登録商標)で製造または販売されているもの)、水素化ヒマワリ油、水素化ヒマシ油、水素化コプラ油、および水素化ラノリン油、ジ(1,1,1-トリメチロールプロパン)テトラステアレート(Heterene社によりHest 2T-4Sの名称で販売されているもの)、ならびにジ(1,1,1-トリメチロールプロパン)テトラベヘネート(Heterene社によりHest 2T-4Bの名称で販売されているもの)が挙げられる。
【0044】
シリコーンワックスおよびフルオロワックスも挙げることができる。
【0045】
ステアリルアルコールでエステル化されたオリーブ油を水素化することにより得られるワックス(Phytowax Olive 18 L 57の名称で販売されているもの)、または、セチルアルコールでエステル化されたヒマシ油を水素化することにより得られる他のワックス(Sophim社からPhytowax ricin 16L64 および 22L73の名称で販売されているもの)も、用いることができる。このようなワックス類は、仏国特許出願第FR-A-2792190号に記載されている。
【0046】
本発明の好ましい実施態様では、増粘剤は、ミツロウ、水素化ヒマシ油、カルナウバワックス、アルキルメチルシロキサンワックス(ST wax 30)、またはカンデリラワックスである。
【0047】
本発明の組成物中に用いることができるワックスの量は、0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%である。
【0048】
本発明の組成物は、溶媒中に可溶化された活性成分を含有することもできる。本発明の溶媒は、薬剤として許容できる化合物、すなわち、その使用が皮膚、粘膜および/またはケラチン繊維への適用に特に適合する化合物から選択される。溶媒は、通常、常温で流動体、特に液体である。
【0049】
本発明による溶媒としては、特に、プロピレングリコール、PEG-400、エタノール、特に無水エタノール、エトキシジグリコール(Transcutolの名称で販売されているもの)、水素化ヒマシ油PEG40(BASF社からCremophor RH40の名称で販売されているもの)、PPG-15ステアリルエーテル(Uniquema社からArlamol Eの名称で販売されているもの)、オレイルマクロゴール6グリセリド(Gattefosse社からLabrafil M1944CSの名称で販売されているもの)、オクチルドデカノール(Eutamol Gの名称で販売されているもの)、N-メチル-2-ピロリドン(Pharmasolvの名称で販売されているもの)、マクロゴール-15ヒドロキシステアレート(BASF社からSolutol HS15の名称で販売されているもの)、およびこれらの混合物を挙げることができる。好ましい溶媒は、プロピレングリコールである。
【0050】
溶媒は、通常、第一に、処方すべき活性成分に必要とされる溶解性をもたらすのに十分な量で、第二に、同じ活性成分の化学的安定性をより長期間維持するという要求に適合する量で、本発明の組成物中に存在する。すなわち、溶媒は、活性成分に対して化学的に不活性でなければならない。
【0051】
有利には、活性成分、特に{4-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールを可溶化するために、本発明の組成物中に用いる溶媒の量は、組成物の総重量に対して5重量%〜30重量%であり、好ましくは5重量%〜20重量%である。
【0052】
本発明の組成物は、さまざまな他の成分を含むこともできる。これらの追加的な成分、およびこれらのそれぞれの量は、本組成物に期待される特性を損なわないように選択される。言い換えると、これらの化合物は、活性成分(ビタミンDまたはその誘導体)、特に{4-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールの化学的安定性、またはその溶解性に影響を及ぼすものであってはならない。
【0053】
本発明の組成物は、親油性の抗刺激剤を含むことができる。一例として、DL-α-トコフェリル酢酸、Melaleuca alternifoliaの油、緑茶抽出物、およびキンセンカ抽出物が挙げられる。この剤は、組成物の総重量に対して0.001重量%〜2重量%、好ましくは0.001重量%〜1重量%の量で存在することが好ましい。
【0054】
有利な実施態様では、本発明の組成物は、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、DL-α-トコフェロール、および没食子酸プロピルからなる群から選択される抗酸化剤を含むこともできる。本組成物中の抗酸化剤の量は、0.001重量%〜0.5重量%であり、好ましくは0.002重量%〜0.05重量%である。
【0055】
最後に、本発明の組成物は、局所適用に好適な1種以上の製薬学的賦形剤を含むことができる。
【0056】
本発明は、ビタミンDおよび一般式(I)で示されるその誘導体の1つ、特に{4-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールの、本明細書の記載に従った無水薬剤組成物の調製のための使用であって、前記組成物が乾癬およびその他の皮膚疾患の治療を目的とすることを特徴とする使用にも関する。
【実施例】
【0057】
以下に示す実施例は、本発明をいかなる点においても制限することなく例証するものである。
【0058】
[実施例1]:組成物
以下の本文において、活性成分は、{4-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールである。パーセンテージは、本組成物の総重量に対する重量で示される(m/m)。
【0059】
(i)組成物1
【表1】

【0060】
(ii)組成物2
【表2】

【0061】
[組成物(i)または(ii)のための手順]
本処方は、全ての構成成分をワセリンが液体である高温で組み込むことを可能にし、したがって構成成分の良好な混合を可能にする。これにより、いかなる浸出液もなく、30℃での良好な安定性を得ることができる。
調製は、化学線作用を有さない光の下で行う。
本方法は、調製過程の間中均質な温度を維持することを可能にするウォーターバス中で行った。
本方法は、ペースト状生成物中での効果的な循環を可能にし、したがって効果的な均質化を確実にする、バタフライ羽根を用いて行う。
【0062】
a)第一工程:脂肪相Aの調製
A相をビーカーに量り取る。このビーカーをウォーターバス中、Rayneri(バタフライ羽根)で穏やかに撹拌しながら75℃に加熱する。撹拌を75℃で5分間続ける。出発物質が溶解したらすぐに、温度を60℃に下げる。
【0063】
b)第二工程:脂肪相Bの調製
B相を量り取る。
【0064】
c)第三工程:水性相Cの調製
出発物質を、周囲温度にて磁気により撹拌しながら精製水に溶解する。この撹拌を完全に溶解するまで続ける。
【0065】
d)第四工程:活性相Dの調製
活性成分({4-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール)を、周囲温度にて磁気により撹拌しながらプロピレングリコールに溶解する。均質化を、活性成分が完全に溶解するまで行う。
【0066】
e)混合
B相をA相に60℃にて導入する。C相を60℃に加熱して、500 rpmの速度で撹拌しながら脂肪相(A+B)に注ぐ。この撹拌を、60℃で5分間続ける。温度を50℃に冷却し、D相を導入し、撹拌を500 rpmで5分間、50℃にて続ける。撹拌を続けながら、温度を30℃に冷却する。本組成物が完全には固化しない温度である30℃にてパッケージングを行う。
【0067】
(iii)組成物3(本発明)
【表3】

【0068】
[組成物(iii)のための手順]
調製は、化学線作用を有さない光の下で行う。
【0069】
a)第一工程:脂肪相Aの調製
A相をビーカーに量り取る。このビーカーをウォーターバス中、Rayneri(バタフライ羽根)で穏やかに撹拌しながら75℃に加熱する。撹拌を75℃で5分間続ける。出発物質が溶解したらすぐに、温度を60℃に下げる。
【0070】
b)第二工程:脂肪相Bの調製
B相を量り取る。B相を60℃に加熱し、磁気により撹拌しながら均質化する。
【0071】
d)第三工程:活性相Dの調製
活性成分({4-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール)を、周囲温度にて磁気により撹拌しながらプロピレングリコールに溶解する。均質化を、活性成分が完全に溶解するまで行う。
【0072】
e)混合
B相をA相に、60℃にて300 rpmの速度でRayneriにより撹拌しながら導入する。温度を50℃に冷却し、500 rpmの速度でRayneriにより撹拌しながらD相を脂肪相(A+B)に注ぐ。この混合物を、撹拌しながら、50℃にて5分間そのままにする。温度を30℃に冷却する。本組成物が完全には固化しない温度である30℃にてパッケージングを行う。
【0073】
[実施例2]:本発明の組成物の忍容性の試験
以下の本文において、表現「組成物の処方のための媒体」は、活性成分を含まない本組成物を意味する。
【0074】
(i)忍容性試験を、組成物2および3を処方するための媒体について、高い忍容性で知られている組成物1を処方するための媒体と比較して行った。
処置:第1日目から第6日目まで毎日1回、組成物20μlをBalb/cマウスの右耳に適用する。
評価方法:臨床観察およびマウスの耳の厚さの測定を、第2日目〜第12日目まで行う。動物の秤量を第1日目と第12日目に行う。
【0075】
[結論]
組成物1および3の媒体は、刺激性がない。組成物2の媒体は刺激性があるようである(耳の厚さが増加)。
【0076】
(ii))忍容性試験を、活性成分を0.1%(m/m)含有する組成物1〜3についても、エタノール中の活性成分を0.1%含有する組成物と並列して行った。
上述したものと同じ処置および同じ評価を適用した。
【0077】
[結論]
組成物1および3は、エタノール中0.1%の活性成分の組成物より約30%小さい振幅を有する同じ反応プロファイルを誘発させる。いずれの媒体も炎症反応を誘発せず、試験したいずれの組成物も、いかなる血中カルシウムの上昇作用または体重減少も誘発しない。
【0078】
以上より、本発明のワセリン、液状脂肪物質、およびバターの無水の3つの組合せ(組成物3の媒体)は、製剤に高い忍容性を与える。
【0079】
[実施例3]:放出/浸透の試験
目的:放射性同位体でラベル付けした活性成分のヒトの皮膚を通したin vitroの経皮吸収を、さまざまな製剤において0.1%(m/m)で比較する。
組成物1および3は、活性成分の放出/浸透の観点では最も良い結果を与える。
組成物2は、最も悪い結果を与える。
ワセリン、液状脂肪物質、およびバターの無水の3つの組合せを含む無水組成物3は、したがって、皮膚への活性成分の放出/浸透について良好な特性を有する。
【0080】
[実施例4]:活性成分の溶解度
[さまざまな賦形剤への活性成分の最大溶解度]
【表4】

【0081】
[実施例5]:組成物1〜3の安定性
組成物1〜3の物理的な安定性を、周囲温度、4℃、および30℃にて1月後、2月後、および3月後に、組成物の巨視的および微視的な観察によって評価した。
周囲温度では、巨視的観察により、製品の物理的な完全性を保証することが可能であり、微視的な観察により、可溶化された活性成分の再結晶化が全くないことの立証が可能である。
各最終組成物のキャラクタリゼイションを、流動閾値の測定によって達成する。Haake VT550レオメーターを、SVDIN測定スピンドルと共に使用する。レオグラム(rheogram)を25℃、4s-1(γ)のせん断速度で、せん断応力を測定することによって実施する。用語「流動閾値」(パスカルで表されるτ0)は、ファンデルワールスタイプの凝集力に打ち勝ち、流動を引き起こすために必要とされる力(最小せん断応力)を意味する。流動閾値は、4s-1のせん断速度で求められる値に関連する。
これらの測定は、T0、1月後、2月後、および3月後に行う。
【0082】
[組成物1:T0の規格]
巨視的外観:濃厚な、半透明の、光沢のある軟膏
微視的外観:ワセリンネットワークに特徴的な、屈折性のネットワーク(黄、紫、青)
遠心分離:3000 rpmで30分 NTR(報告すべきことなし)
10000 rpmで15分 放出
粘度:τ0:346 Pa・s-1
分析アッセイ:T0 収率=100.2%
【0083】
【表5】

【0084】
[組成物2:T0の規格]
巨視的外観:濃厚な白色軟膏
微視的外観:ワセリンネットワークに特徴的な、屈折性のネットワーク(黄、紫、青)
遠心分離:3000 rpmで30分 NTR(報告すべきことなし)
10000 rpmで15分 NTR(報告すべきことなし)
粘度:τ0:434 Pa・s-1
分析アッセイ:T0 収率=99.1%
【0085】
【表6】

【0086】
[組成物3:T0の規格]
巨視的外観:濃厚な、光沢のある、淡黄色軟膏
微視的外観:ワセリンネットワークに特徴的な、屈折性のネットワーク(黄、紫、青)
遠心分離:3000 rpmで30分 NTR(報告すべきことなし)
10000 rpmで15分 浸出
粘度:τ0:369 Pa・s-1
分析アッセイ:T0 収率=97.1%
【0087】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)ワセリンと、少なくとも1種の液状脂肪物質および少なくとも1種のバターを含むエモリエントの組合せとを含む油性軟膏、ならびに
b)活性成分として、ビタミンDおよび下記一般式(I)
【化1】

[式中、
X-Yは、以下の構造:
-CH2-CH2-
-CH2-O-
-O-CH2-
-CH2-N(R4)-
(R4は以下に示す意味を有する)から選択される結合を表し、
R1は、メチル基またはエチル基を表し、
R2は、エチル基、プロピル基、またはイソプロピル基を表し、
R3は、エチル基またはトリフルオロメチル基を表し、
R4は、水素原子、メチル基、エチル基、またはプロピル基を表す]
で示されるその誘導体から選択される化合物
を含むことを特徴とする無水薬剤組成物であって、
前記活性成分が前記組成物中で可溶化された形態である、無水薬剤組成物。
【請求項2】
前記活性成分が、以下の化合物:
1- {5-[4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2’-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
2- {5-[6,2’-ジエチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)ビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
3- {4-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
4- {4-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-イソプロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
5- (4-{2-[4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2’-プロピルビフェニル-3-イル]エチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
6- {4-[4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2’-プロピルビフェニル-3-イルメトキシ]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
7- (4-{[4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2’-プロピルビフェニル-3-イルアミノ]メチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
8- [4-({[4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2’-プロピルビフェニル-3-イル]メチルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
9- [4-({エチル-[4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2’-プロピルビフェニル-3-イル]アミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
10- [4-({[4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2’-プロピルビフェニル-3-イル]プロピルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
11- (2-ヒドロキシメチル-4-{2-[6-メチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]エチル}フェニル)メタノール;
12- {2-ヒドロキシメチル-4-[6-メチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルオキシメチル]フェニル}メタノール;
13- {2-ヒドロキシメチル-4-[6-メチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルメトキシ]フェニル}メタノール;
14- (2-ヒドロキシメチル-4-{[6-メチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルアミノ]メチル}フェニル)メタノール;
15- [2-ヒドロキシメチル-4-({N-メチル[6-メチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]アミノ}メチル)フェニル]メタノール;
16- [4-({N-エチル[6-メチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]アミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
17- [2-ヒドロキシメチル-4-({[6-メチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]N-プロピルアミノ}メチル)フェニル]メタノール;
18- (4-{2-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イル]エチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
19- {4-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イルメトキシ]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
20- (4-{[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イルアミノ]メチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
21- [4-({[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イル]メチルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
22- [4-({エチル-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イル]アミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
23- [4-({[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イル]プロピルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
24- (4-{2-[6-エチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]エチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
25- {4-[6-エチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
26- {4-[6-エチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルメトキシ]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
27- (4-{[6-エチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルアミノ]メチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
28- [4-({[6-エチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]メチルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
29- [4-({N-エチル[6-エチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]アミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
30- [4-({[6-エチル-2’-プロピル-4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]-N-プロピルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
31- (4-{[4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6,2’-ジメチルビフェニル-3-イルアミノ]メチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール
から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記活性成分が、{4-[6-エチル-4’-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2’-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールであることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記液状脂肪物質が、流動パラフィン、スイートアーモンド油、パーム油、大豆油、ゴマ油、ヒマワリ油、ラノリン、スクアレン、魚油、ミンク油、イソノナン酸セテアリル、アジピン酸ジイソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、およびカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドから選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記バターが、シアバター、コプラバター、およびココアバターから選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記軟膏が、ワセリン、液状脂肪物質1種、およびバター1種を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記液状脂肪物質がスイートアーモンド油であり、前記バターがシアバターであることを特徴とする、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
局所適用のための組成物であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
水分含有量が、前記組成物の総重量に対して5重量%以下、特に3重量%以下、さらに特に0重量%であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記活性成分が、溶媒中で可溶化されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記溶媒が、プロピレングリコール、PEG-400、エタノール、エトキシジグリコール、ポリオキシル40水素化ヒマシ油、PPG-15ステアリルエーテル、オレイルマクロゴール6グリセリド、オクチルドデカノール、N-メチル-2-ピロリドン、マクロゴール-15ヒドロキシステアレート、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
可溶化された形態の前記活性成分の量が、前記組成物の総重量に対して0.0001重量%〜5重量%、好ましくは0.001重量%〜1重量%、さらに好ましくは0.05重量%〜0.2重量%であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の無水薬剤組成物を調製するための、ビタミンDまたは一般式(I)で示されるその誘導体のうちの1つの使用であって、前記組成物が乾癬およびその他の皮膚疾患の治療のためのものである、使用。

【公表番号】特表2008−540619(P2008−540619A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511744(P2008−511744)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【国際出願番号】PCT/FR2006/000971
【国際公開番号】WO2006/123031
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(599045604)ガルデルマ・リサーチ・アンド・デヴェロップメント (117)
【Fターム(参考)】