説明

治療のために患者を準備させる方法

治療のために患者を準備させるためにディスプレイを有する電子装置を使用する方法。この方法は、ディスプレイ上に、ある世界を表すステップ(300)であって、治療に関連する1つまたは複数の医療オブジェクトをその世界の中に配置するステップと、医療オブジェクトを選択するための入力を患者から受け取るステップ(326)と、医療オブジェクトを選択するステップと、医療オブジェクトが選択されたことを示すフィードバックを患者に提供するステップ(327)とを含む。この方法は、患者を医療オブジェクトに慣れ親しませ、患者の注意を治療からそらすことによって、治療を受ける場合に患者の痛みおよび不安を緩和するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者に治療に対する準備をさせる方法、電子装置、および準備で使用するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
治療の重要点は、痛みおよびストレスの管理である。処置に関する準備は、患者が医療処置を受ける前に、それを理解し、対処する助けになる。研究により、処置に関する準備によって、患者の不安、痛み、および苦痛のレベルが下がり、治療に対する適応性が上がることが示されている。
【0003】
現在、処置に関する準備は、療法士または看護師によって行われる。これには、論議、教育的ストーリー、治療室の見学、および実際の医療機器を使用する治療用人形での実演が含まれる。大抵の療法士は処置的準備プログラムの実行を集中的に行うため、全ての患者が準備を受けるわけではなく、診療時間外にめったに患者にアクセスしない外来診療の場では特にそうである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、患者に治療に対する準備をさせる代替方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様では、治療のために患者を準備させるようにディスプレイを有する電子装置を使用する方法であって、
ディスプレイ上に、ある世界を表すステップを含み、治療に関連する1つまたは複数の医療オブジェクトが世界に配置され、
前記方法が、
医療オブジェクトを選択するための入力を患者から受け取るステップと、
医療オブジェクトを選択するステップと、
医療オブジェクトが選択されたことを示すフィードバックを患者に提供するステップとを含む方法を提供する。
【0006】
この方法が実施される電子装置は、コンピュータ、ハンドヘルドビデオゲームコンソール、仮想現実システム、またはディスプレイを有する任意の他のタイプの電子装置でもよい。この方法で使用するのに特に適した電子装置は、参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれる、本出願人の国際特許出願PCT/AU2006/001531号に記載されたタブレット装置である。ディスプレイは任意の適した形態をとることができ、たとえば、薄膜トランジスタ、または同様のLCD画面でもよい。
【0007】
患者からの入力は、キーボード、マウス、ボタン、ジョイスティック、タッチディスプレイ、マイクロホン、または任意の他のユーザ入力装置を介して行うことができる。同様に、患者へのフィードバックを、たとえば、ディスプレイ、スピーカ、イヤホン、振動モータ、または光など、任意の出力装置を介して提供することができる。
【0008】
患者を治療中に出会う医療オブジェクトに慣れ親しませることによって、本発明では本出願人により、医療オブジェクトを使用して治療を受ける場合に、患者の痛みおよび不安が緩和されることが判明した。例として、治療は熱傷に関連するものでもよく、医療オブジェクトは、熱傷の治療に使用される包帯、はさみ、クリーム、および/または丸剤でもよい。
【0009】
したがって、本発明は、療法士または看護師の時間を必要とせずに、治療に対する準備を患者に提供することができる。それによって、療法士または看護師が自由に他の患者の世話をすることができ、治療に対する準備を受ける患者の数を増やすことができる。たとえば、待合室で治療を受けるのを待つ患者によって、この方法が使用され得る。
【0010】
さらに、本発明の方法は、患者の注意をそらすことによって、注意をそらす療法を患者に与え、痛みおよび不安を軽減することができる。本出願人により、気を散らすことに基づく没入技法は、痛みの情緒と感覚の両方の要素を軽減することが判明した。深く没入するに従って、沈痛性がより効果的になる。
【0011】
この方法は、1つまたは複数の隠ぺいオブジェクトを世界に表すステップであって、1つまたは複数の医療オブジェクトが1つまたは複数の隠ぺいオブジェクトによって隠ぺいされるステップを含むこともできる。
【0012】
医療オブジェクトを隠ぺいオブジェクトによって部分的に隠ぺいすることができ、または完全に隠ぺいして、患者が医療オブジェクトを見ることができないようにすることもできる。隠ぺいオブジェクトは、たとえば、テーブル、椅子、箱、またはタンスでもよい。1つまたは複数の隠ぺいオブジェクトを世界に表すことにより、患者が医療オブジェクトを特定し、選択するのがさらに難しくなり、方法の没入性がさらに高まる。それによって、医療処置に関連する痛みおよび不安からのさらなる気晴らしが患者に与えられる。
【0013】
さらなる方法ステップは、医療オブジェクトを明らかにする可能性がある少なくとも1つの動作を行う入力を患者から受け取るステップと、この動作を行うステップとを含むことができる。動作は隠ぺいオブジェクトの移動でもよい。たとえば、患者の入力に応答して、テーブルまたは椅子を持ち上げ、あるいは移動させることができる。別法として、または追加として、隠ぺいオブジェクトが医療オブジェクトをその中に配置することができるコンテナオブジェクトの場合、動作は隠ぺいオブジェクトを開けることでもよい。患者の入力に応答して、たとえば、箱、またはタンスを開けて、その中に配置された1つまたは複数の医療オブジェクトを明らかにすることができる。
【0014】
別法として、または追加として、世界は3次元世界でもよく、動作は世界の視点を変えることでもよい。ディスプレイが立体画面を含んで、ディスプレイ上に表された3次元世界が物理的3次元空間のように見えるようにすることができる。患者が3次元世界の視点を変えることができるようにすることによって、この方法の没入性をさらに高めることができる。患者は、医療オブジェクトを明らかにするために、世界の視点を変えて、隠ぺいオブジェクトの背後、下、上、または中を見る必要があることがある。
【0015】
一実施形態では、電子装置は動作センサを含むことができ、動作センサからの電子装置の動きの検出に応答して、世界の視点を変えることができる。それによって、患者は対話を経験し、患者は、たとえば、装置を傾け、または回転させることによって、3次元世界と直観的に対話することができるようになる。動作センサは任意の形態をとることができ、たとえば、ジャイロスコープ、および/または加速度計を使用することができる内部測定ユニットでもよい。別法として、キーボード上のキーを押し、マウスまたはボタンをクリックし、ジョイスティックを動かし、タッチディスプレイに触れ、あるいはマイクロホンに話すことなど、他の患者の入力に応答して、世界の視点を変えることもできる。
【0016】
この方法は、世界にキャラクターを表すステップと、オブジェクトを選択した場合に、またはオブジェクトに動作を行った場合に、世界内のキャラクターを動かすステップとを含むこともできる。キャラクターを使用することによって、さらに注意をそらすことができ、この方法を長引かせ、患者の注意をより長期間にわたり引き付けておくことができる。医師、看護師、外科医、または療法士などのキャラクターを使用して、患者を治療に関与する人に慣れ親しませることができる。
【0017】
この方法をさらに長引かせ、さらに注意をそらせるため、治療に関連しない1つまたは複数の非医療オブジェクトを世界に配置することができる。この方法は、非医療オブジェクトを選択する入力を患者から受け取るステップと、非医療オブジェクトを選択するステップと、非医療オブジェクトが選択されたことを示すフィードバックを患者に提供するステップとをさらに含むことができる。たとえば、非医療オブジェクトは、ボール、玩具、飲料、または任意の他のオブジェクトでもよい。
【0018】
医療または非医療オブジェクトを選択した場合に患者に提供することができるフィードバックは、スピーカイヤホンなどの音響発生器で音を出すこと、および/または、たとえば、オブジェクトのサイズを拡大させることによってディスプレイ上にオブジェクトを示すことを含むことができる。出される音は、選択されるオブジェクトに依存し、たとえば、非医療オブジェクトが選択された場合に出される音は、特別のオブジェクト、または誤ったオブジェクトが選択されたことを示すことができる。フィードバックは、振動モータの振動、光の点滅、アニメーションまたは動画の再生、あるいは画像および/またはテキストの表示を含むこともできる。
【0019】
この方法は、ディスプレイの外側部分に世界内に隠された医療オブジェクトの画像を表すステップと、医療オブジェクトが選択されたかどうかをディスプレイの外側部分にある医療オブジェクトの画像によって示すステップとをさらに含むことができる。それによって、患者は、まだ見つけられていないオブジェクトがいくつ残っているか、またどのオブジェクトが残っているかを見ることができるようになる。世界内に隠された非医療オブジェクトの画像をそれらが選択されたかどうかの表示と共にディスプレイの外側部分に示すこともできる。
【0020】
ディスプレイの外側部分にあるオブジェクトの画像をバブルの中に示すことができ、その表示は、チェックなど記号、および/または、画像あるいは画像の背景の色の変化でもよい。たとえば、白いバブルの中に画像が現れてもよく、その画像が選択されるとチェックが付けられる。オブジェクトの画像を表し、表示を提供する他の方法も可能であることが理解できるであろう。
【0021】
この方法を使用する患者を支援するため、この方法は、ヘルプオブジェクトを世界に表すステップと、ヘルプオブジェクトを選択する入力を患者から受け取るステップと、ヘルプオブジェクトが選択されると、所定の期間にわたり医療オブジェクトの位置の表示を提供するステップとを含むことができる。この表示により、医療オブジェクトのサイズが一時的に拡大される。ヘルプオブジェクトは、たとえば、表示画面の片隅に表示される疑問符でもよい。
【0022】
電子装置はタッチディスプレイを含むことができ、患者からの少なくとも1つの入力はタッチディスプレイへの接触でもよい。動作センサと同様に、タッチディスプレイは、患者が3次元世界と直観的に対話することができるようにする。タッチディスプレイは、たとえば、抵抗型、容量型、赤外線、弾性表面波(surface wave acoustic)、またはストレインゲージなど任意の適した形態をとることができる。当然、患者からの入力は、上記のものなど、他の形態をとることができる。
【0023】
この方法は、医療オブジェクトが全て選択された後に、治療を説明する情報を表示するステップをさらに含むことができる。この情報は、ピクチャ、テキスト、スライドショー、音、動画、および/またはアニメーションでもよい。世界に表されたキャラクターは説明に参加することができる。
【0024】
治療を説明する情報の表示により、患者を治療、および治療中に出会う人と医療機器に対してさらによく準備させることができる。
【0025】
この方法は、たとえば、熱傷部に包帯を巻く、皮膚移植を行う、手術室に行く、加圧服を着用するなど、熱傷の治療に含まれる多くのタイプの治療に適用される。これは、たとえば、点滴静脈注射の取り外し、血液検査を受けること、超音波を受けることなど、救急医療、腫瘍学、放射線学、歯科学などの他の治療にも適用できる。この方法は、大人を含むどの年齢のグループにも使用することができるが、小児科のケア、および3から8歳の低年齢の小児に特に有用である。
【0026】
治療は、いくつかの治療を含む医療処置の一段階でもよく、この方法はさらに、医療処置の治療段階の少なくとも他の1つ、または全てについてこの方法のステップを繰り返すステップを含む。
【0027】
たとえば、熱傷の患者は、包帯の取り外し、医師の診察、新しい包帯の装着という治療段階を含む、熱傷の包帯交換の医療処置を受けることができる。
【0028】
同じまたは異なる世界に配置されたその段階に適切な医療オブジェクトと共に、治療段階ごとに方法を繰り返すことができる。たとえば、こうした治療段階の全てについて方法のステップを繰り返すのに約10〜20分間かかってもよい。
【0029】
熱傷の包帯交換の例では、包帯を取り外す段階は、薬剤を服用し、治療室のベッドに上がり、手を動かさずにじっとして、看護師が包帯を取り、熱傷部を消毒することができるようにするための準備を患者にさせることができる。それは、患者に、看護師が手袋をはめ、はさみを使用して包帯を切断し、悪臭を放つ水のような溶液を塗布して、テープを除去することに対する準備をさせる。患者は、初めて熱傷を見るときに苦痛を感じないように、熱傷がどのように見えるかについての情報が与えられる。彼らは、熱傷部の消毒に使用されるピンク色の水に対する準備をすることができる。
【0030】
この治療段階に関してこの方法が完了した後、医師の診察、および新しい包帯の装着の段階についてこの方法を繰り返すことができる。
【0031】
上記の任意の1つまたは複数の方法をコンピュータプログラムによって実行することができる。コンピュータプログラムを、たとえば、タブレット装置、または頭部装着可能な装置など電子装置のメモリに格納することができる。本発明の他の態様は、コンピュータプログラム、およびプログラミングされた電子装置にまで拡大される。
【0032】
次に、添付の図面を参照して、単なる一例として、本発明の実施形態を記載する。理解されるように、図面の特定性は本発明の前述の説明の一般性に優先するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態で使用することができるタブレット装置を示す側面斜視図である。
【図2】図1のタブレット装置を示すブロック図である。
【図3a】患者が装置と対話する場合に図1のタブレット装置の制御装置で実行されるステップを示すフローチャートである。
【図3b】患者が装置と対話する場合に図1のタブレット装置の制御装置で実行されるステップを示すフローチャートである。
【図3c】患者が装置と対話する場合に図1のタブレット装置の制御装置で実行されるステップを示すフローチャートである。
【図4a】本発明の一実施形態による、患者に治療に対する準備をさせるための図1のタブレット装置の制御装置で実行されるステップを示すフローチャートである。
【図4b】本発明の一実施形態による、患者に治療に対する準備をさせるための図1のタブレット装置の制御装置で実行されるステップを示すフローチャートである。
【図4c】本発明の一実施形態による、患者に治療に対する準備をさせるための図1のタブレット装置の制御装置で実行されるステップを示すフローチャートである。
【図5】医療オブジェクトを示す斜視図である。
【図6】キャラクターを示す正面図および側面図である。
【図7】3次元世界を示す斜視図である。
【図8】ホーム画面を表示している図1のタブレット装置を示す正面図である。
【図9】選択要素が装置に挿入された状態の図1のタブレット装置を示す正面図である。
【図10】第1の時点の3次元世界を表示している図1のタブレット装置を示す正面図である。
【図11】第2の時点での図10を示す図である。
【図12】第3の時点での図10を示す図である。
【図13】第4の時点での図10を示す図である。
【図14】医療オブジェクトが選択されたところを示す図1のタブレット装置を示す正面図である。
【図15】褒美の動画を表示している図1のタブレット装置を示す正面図である。
【図16】処置に関する準備のストーリーからの場面を表示している図1のタブレット装置を示す正面図である。
【図17】図16の処置に関する準備のストーリーに基づく代替の3次元世界を表示している図1のタブレット装置を示す正面図である。
【図18】様々な調査集団についての子供達の処置の前および後に報告された痛みのレベルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1および2を参照すると、本発明での使用に適したタブレット装置100は、制御装置110および表示画面112を含む。制御装置110は、タブレット装置100上の様々なユーザ入力装置からの入力を受け取り、表示画面112にコンテンツを提供するように構成される。制御装置110は、マイクロプロセッサ、または他の適した処理要素でもよい。制御装置110は単一ユニットでもよく、またはいくつかの別個の制御ユニットを含むこともできる。表示画面112はLED画面、または他の適した画面でもよい。
【0035】
タブレット装置100上の様々なユーザ入力装置は、タッチディスプレイ114、およびタブレット装置100の動きおよび位置を監視する動作センサ116を含む。タッチディスプレイ114は、ソフトボタン/起動領域を有することができ、たとえば、抵抗型、容量型、赤外線、弾性表面波、またはストレインゲージでもよい。動作センサ116は、たとえば、ジャイロスコープ、および/または加速度計を含む内部動作検出器でもよい。
【0036】
タブレット装置100上の他の入力装置は生理学的センサ118である。生理学的センサ118はいくつかの形態をとることができ、心拍数、血圧、脳活動、筋緊張、皮膚伝導率、呼吸数、酸素飽和度、全般的な生体計測などを測定することができる。ECG、EEG、またはEMG情報を提供することができる。
【0037】
タブレット装置100上の他の入力装置は、赤外線検出器122を有するソケット120である。図1で示したように、赤外ダイオード125を有する選択要素124をソケット120内に配置することができ、制御装置110は、たとえば、この入力を使用して、コンテンツおよび/または機能の選択を行うことができる。2つ以上の選択要素124をタブレット装置100で使用して、様々な選択を行うことができる。
【0038】
制御装置110は、表示画面112にコンテンツを提供する他に、タブレット装置100上の様々な出力装置を介して他の出力を提供するようにも構成される。タブレット装置100上の出力装置は、音声出力を提供するためのスピーカ、および/またはイヤホンでもよい音響発生器126、触感のフィードバックを与えるための振動モータ128、および照明または点滅することができる光130を含む。光130をソケット120の周りに位置付けることができる。
【0039】
タブレット装置100上の他の入力/出力装置132は、無線トランシーバ、ネットワークポート、またはUSB接続など、リンクを含むことができる。それによって、制御装置110がコンテンツをダウンロード/アップロードすることができるようになる。タブレット装置100は、充電式電池134によって電力を供給され、デジタルコンテンツ、アプリケーション、オペレーティングシステムなどを格納するための制御装置110によってアクセス可能なメモリ136を含む。
【0040】
タブレット装置100は、さらに、ドーム形状の背面を有する円形ハウジング138を含む。背面の形状は、その形状によってユーザが包帯された片方または両方の手で、表面上に支持された装置を操作することができるようになる点で特に重要である。握り領域140がハウジング138の周囲に設けられ、1対の主握り部142が、たとえば画面112によって画定されるように、装置100の全般的な水平軸に対して非対称に設けられる。握り部142の非対称の配置によって、ユーザが装置を持ち上げる場合に、装置を回転するように促される。
【0041】
タブレット装置は適切にシールされて、多くの熱傷の処置のように浴槽で使用することができ、洗浄液または他の液体が侵入することなく、医療環境での確実な感染対策に必要な厳しい洗浄状況に耐えるようになされる。
【0042】
理解されるように、こうした特徴の全てが本発明の方法を行うために必要とされるわけではなく、こうした特徴の様々な組み合わせを有するタブレット装置を使用することができる。また、タブレット装置は、たとえば、ボタン、マイクロホン、およびカメラなど代替または追加の入力/出力装置を有することもできる。また、理解されるように、本発明は、タブレット装置の使用に限定されず、頭部に装着可能な装置、またはコンピュータ、ハンドヘルドビデオゲームコンソール、あるいは仮想現実システムを含む任意の他のタイプの電子装置を使用することもできる。
【0043】
患者はタブレット装置100を治療または処置の前、途中、あるいは後に使用することができる。メモリ136に格納されたコンピュータプログラムは、一連の命令を含んで、患者がタブレット装置100と対話するときに、制御装置110に図3a〜cで示したステップを実行させることができる。
【0044】
ステップ150で、電源ボタンを押すことによって装置がスイッチオンされると、ロード画面が表示画面112上に表示される。次いでステップ152および154で、制御装置110は、選択要素124がソケット120内に存在するかどうかを判定する。
【0045】
ステップ156および166で、選択要素124がソケット120内に存在してもしなくても、図8で示したホーム画面158が表示画面112上に表示される。このホーム画面は、それぞれ赤、緑、青に彩色された3つのキャラクター160、162、164を含み、それらが動作センサ116によって監視されるときにタブレット装置100の動きと共に回転する。音響発生器126によって音および音楽が再生され、振動モータ128が振動する。
【0046】
ソケット120内に選択要素124が存在する場合、ステップ168で、制御装置110は、音響発生器126で単一音声応答を提供し、光130を点滅させることによって、「最新でないリアクション(un-current reaction)」が存在することを示す。ステップ170で光が10回点滅する前に選択要素124が引き出された場合、ステップ172で、音響発生器126で音声応答が行われ、点滅が停止される。動作が行われずに光130が10回点滅した場合、ステップ174で、制御装置110はこれを選択要素124と関連する選択であるとする。
【0047】
ソケット120内に選択要素124が存在しない場合、患者は、ステップ176、178、および180で適切な選択要素124を挿入することによって、動画、ストーリー、およびゲームのグループからアクティビティータイプを選択することができる。これが図9に示されている。ホーム画面のキャラクター160、162、および164に対応する赤、緑、青に彩色された3つの選択要素が存在する。各選択要素/キャラクターは3つのアクティビティータイプのうちの1つに関連付けられる。ステップ182で、制御装置110は単一音声応答で選択を確認し、ステップ184で光130を絶えず照明する。選択と関連するキャラクター160、162、または164は表示画面112の上部にドリフトする。
【0048】
ステップ186および188で、患者が選択要素124をソケット120に挿入することによって10秒未満に選択を行わない場合、命令アニメーションが表示画面112上に一時的に現れる。ステップ190で、動作センサ116がタブレット装置100の動きを5秒間にわたり検出しない場合、ステップ192で、キャラクター160、162、および164が表示画面112上のデフォルト位置に移動する。
【0049】
ステップ194で、患者は、タッチディスプレイ114のキャラクター160、162、または164の位置に触ることができる。次いでステップ196で、制御装置110は音響発生器126で単一音声応答を行い、光130を5回点滅させる。
【0050】
ステップ198で、図9で示したように、設定アイコン197も画面112上に表示され、患者は設定アイコンに5秒間触れ、保持することができる。これに応答して、ステップ200で、制御装置110は、回転ハンドを有する時計、および設定画面を表示画面112上に表示させる。設定画面は、電池寿命インジケータ、ならびに、ステップ204で音量調整、ステップ204で画面の明るさ調整、ステップ206および207で装置の遮断、またステップ208で装置のハイバネーションを含む様々な機能を行うことができるようにするアイコンを含むことができる。ステップ210でホームアイコンに触れると、患者はホーム画面に戻り、ステップ212で選択要素124を挿入して、制御装置に上記のように「最新でないリアクション」が存在することを示させる。
【0051】
装置はハイバネーションオプションを有しても有さなくてもよい。ハイバネーションオプションが使用可能な場合、ステップ214で、装置100をハイバネーションさせることによって、表示画面112がターンオフされる。次いでステップ216で電源ボタンを押すことによって、表示画面112を元に戻すことができる。それによって、ロード画面が表示される。ハイバネーションオプションが使用可能な場合、装置100が15分間入力を受けない場合は常に、ステップ218、220、および222で自動的にハイバネーション状態になる。また、ステップ224で、装置100を充電機に接続して、いつでも電池134を再充電することができる。電池134を充電する必要があることを示す警告を表示画面112上に表示することができる。たとえば、電池寿命が15%以下の場合に警告を表示することができる。
【0052】
ステップ226で、患者が選択要素124を使用して選択を行った後、その選択に関連するアクティビティー画面が表示画面112上に表示され、その選択の特定の音楽が音響発生器126で流される。たとえば、ストーリー画面を表示することができる。次いでステップ228および230で、患者は装置を右または左に傾けて、様々なアクティビティーをスクロールし、タッチディスプレイ114に触れることによって選択することができる。同時に制御装置110は、振動モータ128を振動させ、音響発生器126で音声フィードバックを流させる。
【0053】
ステップ236で、患者はタッチディスプレイ114を使用して、アクティビティーを選択することができる。制御装置110は、ステップ238でアクティビティーがロードされる間、短い動画を再生させる。
【0054】
患者が、ステップ240でタッチディスプレイ114のアクティビティーと関連していない領域に触れた場合、ステップ242で応答が与えられない。ステップ224で10秒間入力が行われない場合は、命令アニメーションが表示画面112上に一時的に現れる。
【0055】
ステップ248で、患者が選択要素124をソケット120から移動させた場合、ステップ250で制御装置110は音響発生器126で単一音声応答を出させる。ステップ252で、アクティビティー画面が消え、再開画面が現れる。動作センサ116が再校正され、光130がターンオフされる。
【0056】
ステップ254で、患者は、選択要素124を再挿入することによって、前のアクティビティー画面に戻ることができる。次いでステップ256で、制御装置110は音響発生器126で単一音声応答を出させ、ステップ258で、光130を再照明させ、動作センサ116を再校正させ、ステップ260で、再開画面を消し、前のアクティビティー画面を表示画面112上に再出現させる。
【0057】
ステップ262で、患者が代わりに再開画面上の再開ボタンに触れた場合、ステップ264で、光130、およびアクティビティータイプの選択に対応する色を有する再開ボタン上のキャラクターの画像が5回点滅される。これは、患者に選択要素124の再挿入を促すものである。
【0058】
ステップ266で患者が異なる選択要素124を挿入した場合、それによって制御装置110は上記のように「最新でないリアクション」が存在することを示す。あるいは、ステップ268で、患者は再開画面上のホームボタンを押し、それによって制御装置110にホーム画面158を表示画面112上に表示させることができる。
【0059】
図4a〜cは、ステップ236で患者がストーリーアクティビティーを選択した場合に、制御装置で実行されるステップを示している。ストーリーアクティビティーは、治療に関連する探し物発見(look and find)アクティビティーであり、表示画面112上に1つの世界を表す制御装置110を含み、治療に関連する1つまたは複数の医療オブジェクトがその世界に配置される。次いで制御装置110は、医療オブジェクトを選択する入力を患者から受け取り、医療オブジェクトを選択し、この選択を示すフィードバックを患者に与える。
【0060】
図5から7は、ストーリーアクティビティーで使用することができる図形を示している。図5では、薬瓶270および272、包帯274、はさみ276、空の薬のコップ278および満杯の薬のコップ280、ならびに丸剤182を含む医療オブジェクトが示されている。図6は、キャラクター284を正面および側面の斜視図で示している。図7には、3次元世界286が示されており、キャラクター284が世界286に位置付けられている。世界286は、テーブル287および箱289を含む隠ぺいオブジェクト、冷蔵庫288および食器棚290を含むコンテナオブジェクト、ならびに、たとえば、カートン292、皿294、および飲料296を含む多くの非医療オブジェクトを有する。
【0061】
次に図4a〜cを参照すると、ステップ300で、選択されたストーリーアクティビティーが実行され、発見すべき探し物発見オブジェクト298、299、および301の画像が表示画面112の外側部分のバブルの中に示されている。この探し物発見オブジェクト298、299、および301は、医療オブジェクト270〜282、および非医療オブジェクト292〜296を含むことができる。医療オブジェクト270〜282は世界286内に配置され、一部が隠ぺいオブジェクト287、289によって、一部がコンテナオブジェクト288、290によって隠される。
【0062】
次いで、患者は装置100を動かし、またはタッチディスプレイ114に触れて、探し物発見オブジェクト298、299、および301を明らかにする可能性がある動作を行う。
【0063】
動かす場合、制御装置110は動作センサ116から装置100の動きを検出し、この動きに応答して世界286の視点を変える。それによって、患者は世界286のオブジェクトの背後を見ることができるようになる。
【0064】
ステップ302で装置100が左に傾けられると、ステップ304で視点が世界286中で右に回転する。ステップ306で装置100が右に傾けられると、ステップ308で視点が世界286中で左に回転する。ステップ310で装置の上部が患者から離れるように傾けられると、ステップ312で視点が下方に移動する。ステップ314で装置の上部が患者に向けて傾けられると、ステップ316で視点が上方に移動する。
【0065】
図10から12は、装置100、および3つの異なる時点で表示画面112上に示されたコンテンツを示している。図10で示した第1の時点では、装置100が安定して保持されている。次いで、第2の時点で装置100が右に傾けられ、上部が患者に向けて傾けられる。それによって、図11で見られるように、視点が左に、かつ上方に移動される。次いで、装置がこの位置に保持され、第3の時点では、図12で見られるように、視点が世界286中でさらに左に、さらに上方に回転されている。
【0066】
タッチディスプレイ114上の画像に触れることによってオブジェクトに他の動作を行うことができる。たとえば、コンテナオブジェクト288、290に触れることによって、それらを開けることができ、隠ぺいオブジェクト287、289に触れることによってそれらを移動させることができる。それによって、こうしたオブジェクトの内部または背後に隠された探し物発見オブジェクト298、299、および301が明らかになる可能性がある。図13は、患者が世界286のオブジェクトに触れているところを示している。
【0067】
オブジェクトを選択し、またはオブジェクトに動作を行うことによって、世界286に示されたキャラクター284を世界286内で移動させることができる。たとえば、患者が冷蔵庫288の画像に対応するタッチディスプレイ114上の位置に触れると、キャラクター284が冷蔵庫288まで歩き、それを開けることができる。
【0068】
一部のオブジェクトを「雑音」オブジェクト、または「誤った」オブジェクトに指定することができる。ステップ318および320でこうしたオブジェクトに触れると、2分の1秒間、またはそれらに触れたときに、それらのサイズが拡大し、次いでそれらの正常なサイズに縮小され、ステップ322および324で、オブジェクトに関連する雑音が音響発生器126で出される。触れた「誤った」オブジェクトごとに同じ雑音を出すことができ、「誤った」オブジェクトごとに異なる雑音を出すこともできる。
【0069】
ステップ326で探し物発見オブジェクト298、299、および301に触れた場合、ステップ327で制御装置110はオブジェクトのサイズを1秒間にわたり拡大し、次いで、その正常なサイズに縮小し、音響発生器126で音を出す。図14は医療オブジェクト274が選択されているところを示している。制御装置110は、ディスプレイの外側部分にあるバブルの中のオブジェクトの画像上のチェック329によってオブジェクトが選択されたことを示す。そのオブジェクトは患者によって再び選択されることはできない。制御装置110は、ステップ328でバブルの中のオブジェクトの画像に触れられ、5秒間保持された場合、ステップ327の動作を行うこともできる。
【0070】
ステップ330で制御装置110が探し物発見オブジェクト298、299、および301が全て選択されたと判定した後、ステップ332で褒美の動画が再生される。褒美の動画からの場面333の一例が図15に示されている。褒美の動画は治療の説明でもよい。あるいは、治療を説明するピクチャ、テキスト、スライドショー、音、またはアニメーションなど他の情報を示すこともできる。
【0071】
ストーリーアクティビティーは、複数の章を含むことができ、各章は医療処置の異なる治療段階に関連する。たとえば、熱傷の包帯交換のストーリーは、以下の治療段階:包帯の取り外し、医師の診察、新しい包帯の装着のための章を含むことができる。
【0072】
医療処置の全ての段階の章が存在してもよい。一段階で探し物発見オブジェクト298、299、および301が全て選択された後、制御装置110はステップ334でストーリーを終了するかどうかを決定する。終了しない場合、制御装置110はステップ336でストーリーの次の章をロードし実行する。ストーリーを終了する場合、ステップ338で表示画面112上に再生画面が再生ボタンおよびストーリーボタンと共に示される。ステップ340で再生ボタンに触れると、ストーリーアクティビティーがリセットされる。ステップ342でストーリーボタンに触れると、ステップ344でストーリー画面が現れ、ストーリー画面に関連する上記の動作が適用される。
【0073】
ステップ346または348でストーリーアクティビティー中に選択要素124がソケット120から取り出されると、再開画面が現れ、再開画面に関する上記の動作が適用される。
【0074】
たとえば図17で示したようなヘルプオブジェクト349を世界286に示すこともできる。ステップ350で、患者はタッチディスプレイ114のヘルプオブジェクト349の画像に触れて、ステップ352で制御装置110に探し物発見オブジェクト298、299、および301のサイズを3秒間、または任意の他の所定の期間にわたり拡大させることができる。
【0075】
この方法を使用して、たとえば、子供に熱傷の包帯交換に対する準備をさせることができる。熱傷の患者は外傷が治癒されるまで長期間にわたり何回も包帯交換をしなければならないことが多く、それが12週間に及ぶこともある。包帯交換は痛みを伴い、不安をかき立てる恐れがあり、痛みを伴う処置の繰り返しの短期および長期的結果に関係するものである。
【0076】
子供に包帯交換に対する準備をさせることによって、不安を和らげ、子供が抱いている可能性がある誤解を全て解くことができる。たとえば、子供に、看護師が何をするのか、なぜするのか、処置のどの部分が痛みを与える可能性があるのか、治療室はどのように見えるか、また医療機器はどのように見えるか、どのように役に立つのかを教えることができる。
【0077】
図16は、子供に治療から休止を求める方法を教える処置準備ストーリーからの場面を示している。これは、子供に包帯交換を受ける場合の制御の感覚を与えることができる。この場面では、ボビーと呼ばれるキャラクター360が包帯交換を受けるところが示されている。ボビー360が治療の中断または休止を求めており、看護師362が彼に部屋の中に隠された3つのオブジェクト364、366、および368を見つけるように指示しているところが示されている。次いで、子供は、図17で示した3次元世界に隠されたオブジェクト364、366、および368を見つけて触れることによってボビー360を助けることが求められる。それがなされると、看護師362がボビー360の包帯交換を再開するところが示される。
【0078】
様々なストーリーを使用して、子供に治療の様々な面を教えることができる。
【0079】
本出願人により、上記の方法による処置に関する準備が、処置前の痛みのスコアを下げる(処置の開始前に子供を落ち着かせ、機嫌良くさせる)助けになり、処置全体を通して痛み、不安、および苦痛のレベルに対する継続的な助けになることが判明した。本出願人により、大抵の子供が処置中にボビーを参照し、看護師が物事を適切に行っていない場合に、看護師に知らせることが判明した。このフィードバックは、子供達が傾聴し対話する他に、このタイプの処置に関する準備から学び、実際の状況でそれを使用することを示すものである。図18は、上記の処置に関する準備方法を使用した子供達の処置の前および後の痛みのスコアが標準の娯楽およびハンドヘルドビデオゲームと比較して低いことを示す予備グラフである。
【0080】
理解されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、多様な変更、追加、および/または修正を上述の部分に加えることができ、上記の教示を考慮して、当業者に理解される多様な方法で本発明をソフトウェア、ファームウェア、および/またはハードウェアで実施することができる。
【符号の説明】
【0081】
100 タブレット装置
110 制御装置
112 表示画面
114 タッチディスプレイ
116 動作センサ
118 生理学的センサ
120 ソケット
122 赤外線検出器
124 選択要素
125 赤外ダイオード
126 音響発生器
128 振動モータ
130 光
132 入力/出力デバイス
134 充電式電池
136 メモリ
138 円形ハウジング
140 握り領域
142 握り部
158 ホーム画面
160、162、164、284 キャラクター
182 丸剤
197 設定アイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療のために患者を準備させるようにディスプレイを有する電子装置を使用する方法であって、
前記ディスプレイ上に、ある世界を表すステップを含み、前記治療に関連する1つまたは複数の医療オブジェクトが前記世界の中に配置され、
前記方法が、
前記医療オブジェクトを選択するための入力を前記患者から受け取るステップと、
前記医療オブジェクトを選択するステップと、
前記医療オブジェクトが選択されたことを示すフィードバックを前記患者に提供するステップとを含む方法。
【請求項2】
1つまたは複数の隠ぺいオブジェクトを前記世界の中に表すステップをさらに含み、1つまたは複数の前記医療オブジェクトが1つまたは複数の前記隠ぺいオブジェクトによって隠ぺいされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
医療オブジェクトを明らかにする可能性がある少なくとも1つの動作を行うための入力を患者から受け取るステップと、
前記動作を行うステップとをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記隠ぺいオブジェクトが、その中に医療オブジェクトを配置することができるコンテナオブジェクトであり、前記動作が、前記コンテナオブジェクトを開けることである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記動作が、前記隠ぺいオブジェクトを移動させることである、請求項3または4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記世界が3次元であり、前記動作が、前記世界の視点を変えることである、請求項3から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記電子装置が動作センサを含み、前記方法が、
前記動作センサからの前記電子装置の動作の検出に応答して、前記世界の前記視点を変えるステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記世界の中にキャラクターを表すステップと、
オブジェクトを選択した場合に、またはオブジェクトについての動作を行った場合に、前記キャラクターを前記世界の中で動かすステップとをさらに含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記電子装置がスピーカを備え、フィードバックを提供するステップが、前記医療オブジェクトを選択した場合に前記スピーカで音を出すステップを含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
フィードバックを提供するステップが、前記医療オブジェクトを選択した場合に、前記ディスプレイ上の前記医療オブジェクトのサイズを拡大させるステップを含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
フィードバックを提供するステップが、振動モータの作動によって振動するステップを含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記ディスプレイの外側部分において前記世界内では隠された前記医療オブジェクトの画像を表すステップをさらに含む、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記ディスプレイの前記外側部分における前記医療オブジェクトの前記画像によって、前記医療オブジェクトが選択されたか否かを示すステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載の方法であって、前記治療に関連しない1つまたは複数の非医療オブジェクトが、前記世界の中に配置され、
前記方法が、
前記非医療オブジェクトを選択するための入力を前記患者から受け取るステップと、
前記非医療オブジェクトを選択するステップと、
前記非医療オブジェクトが選択されたことを示すフィードバックを前記患者に提供するステップとをさらに含む、方法。
【請求項15】
前記非医療オブジェクトが選択されたことを示すフィードバックを提供するステップが、前記非医療オブジェクトを選択した場合に前記スピーカで音を出すステップを含む、請求項9に従属する場合の請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記出される音が前記選択された非医療オブジェクトに依存する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記非医療オブジェクトが選択されたことを示すフィードバックを提供するステップが、前記非医療オブジェクトを選択した場合に、前記ディスプレイ上の前記非医療オブジェクトのサイズを拡大させるステップを含む、請求項14から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記世界の中にヘルプオブジェクトを表すステップと、
前記ヘルプオブジェクトを選択するための入力を前記患者から受け取るステップと、
前記ヘルプオブジェクトが選択された場合に所定の期間、前記医療オブジェクトの位置の指示を提供するステップとをさらに含む、請求項1から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記電子装置がタッチディスプレイを含み、前記患者からの少なくとも1つの入力が前記タッチディスプレイへの接触である、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記電子装置がマイクロホンを含み、前記患者からの少なくとも1つの入力が音声である、請求項1から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記医療オブジェクトが全て選択された後に前記治療を説明する情報を表示するステップをさらに含む、請求項1から20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記情報がピクチャ、テキスト、スライドショー、音、動画、またはアニメーションの少なくとも1つである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記治療が熱傷に関連する、請求項1から22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
請求項1から23のいずれか1項に記載の方法であって、前記治療が、複数の治療を含む医療処置の一段階であり、
前記方法が、前記医療処置の少なくとも1つの他の治療段階について請求項1から23のいずれか1項に記載の方法のステップを繰り返すステップをさらに含む、方法。
【請求項25】
前記医療処置の前記治療段階の全てについて請求項1から23のいずれか1項のステップを繰り返すステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
電子装置で使用するためのコンピュータプログラムであって、前記電子装置が、処理装置と、前記コンピュータプログラムを格納するための関連するメモリ装置とを含み、前記コンピュータプログラムが、請求項1から25のいずれか1項に記載の方法を前記処理装置に実行させる一連の命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項27】
処理装置と、請求項1から25のいずれか1項に記載の方法を前記処理装置に実行させる一連の命令を格納するための関連するメモリ装置とを含む電子装置。
【請求項28】
前記電子装置がタブレット装置である、請求項27に記載の電子装置。
【請求項29】
前記電子装置が、ドーム形状の背面を有する円形状である、請求項27に記載の電子装置。
【請求項30】
前記電子装置が頭部搭載可能な装置である、請求項27に記載の電子装置。
【請求項31】
添付の図面で示した実施形態のいずれか1つを参照して上述したのと実質的に同様である、治療のために患者を準備させるための電子装置を使用する方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図3c】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図4c】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公表番号】特表2011−528126(P2011−528126A)
【公表日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517713(P2011−517713)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【国際出願番号】PCT/AU2009/000897
【国際公開番号】WO2010/006362
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(508116492)ディバージョナリー・セラピー・テクノロジーズ・ピーティーワイ・リミテッド (2)
【Fターム(参考)】