説明

治療用化合物

本発明は、本明細書で定義されている通りの式I、IIおよびIIIの化合物ならびにその塩を提供する。この化合物は、抗増殖剤としての活性を有し得る。さらに、本発明は、癌を治療するための治療法であって、そのような療法を必要とする哺乳動物(例えば、ヒト男性または女性)に、有効量の式(I)、(II)もしくは(III)の化合物または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む治療法を提供する。本発明はまた、式(I)、(II)もしくは(III)の化合物またはその塩を調製するために有用な、本明細書で開示されている方法および中間体も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の優先権
本願は、2007年8月2日に出願された米国仮特許出願第60/953,648号の優先権を主張し、この米国仮特許出願は本明細書中に参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
アントラキノン、アクリジン、カチオン性ポルフィリン、ペリレン、チジウム(thidium)誘導体、フルオレノン、五環系アクリジニウム塩、フルオロキノフェノキサジンおよびその他特定の種々雑多な多環式化合物を含む多様な一連の化合物は、G−四重鎖DNAを安定化することが報告されている。これらの化合物のほとんどは、G−四重鎖対二重鎖DNAに対する選択性を殆どまたは全く有さない。
【0003】
テロメスタチンは、Streptomyces anulatus 3533−SV4から単離される天然産物である(非特許文献1)。テロメスタチンは、その発見時、テロメラーゼの最も強力な阻害剤と見なされた。インビトロにおいて、テロメスタチンはG−四重鎖対二重鎖DNAを70:1の比率で安定化する(非特許文献2)。この天然産物で処理した細胞は細胞老化表現型を呈するため、テロメスタチンはインビボにおいてもテロメラーゼ機能を阻害することが示唆されている。テロメア機能不全と同様に、テロメスタチンはATMシグナル伝達経路を活性化する。テロメスタチンをG−四重鎖と相互作用させる正確な機序は決定的に解明されてはいないが、テロメスタチンは、K62白血病細胞の平板効率を確かに抑制し、しかし、天然の骨髄CD34陽性細胞からの前期赤芽球形前駆細胞(BFU−E)および後期赤芽球形前駆細胞(CFU−GM)に与える影響ははるかに少ない(非特許文献3)。
【0004】
【化1】

テロメスタチンの抗癌可能性は、そのテロメラーゼ阻害活性(IC50 5nM)およびアポトーシスを増強するその能力にある。テロメスタチンは、ヒト神経芽腫細胞株SK−N−AS、LAN5、WAC2およびLAN1において、IC50値がそれぞれ0.8、2.5、3.2および4.0μMの細胞毒性(非特許文献4)を有すると判断され、そしてヒト膵癌MiaPaCaにおいて、IC50値が0.5μMの細胞毒性(非特許文献5)を有すると判断されている。
【0005】
Streptomyces nobilisから単離された別の大環状ポリオキサゾールであるYM−216391は、ヒト乳癌細胞株HBC−4、BSY−1、HBC−5、MCF−7およびMDA−MB−231に対して15〜33nMの範囲のGI50値で活性を有する(非特許文献6、および非特許文献7)。
【0006】
【化2】

YM−216391の作用機序は、未だ解明されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Shinyaら、J. Am. Chem. Soc.、2001年、123巻、1262〜1263頁
【非特許文献2】Kimら、Cancer Res.、2003年、63巻、3247〜3256頁
【非特許文献3】Tauchiら、Oncogene、2003年、22巻、5338〜5347頁
【非特許文献4】Binzら、Eur. J. Cancer、2005年、41巻、2873〜2881頁
【非特許文献5】Liuら、Nucleosides, Nucleotides, and Nucleic Acids、2005年、24巻、1801〜1815頁
【非特許文献6】Sohda, K−y.ら、J. Antibiotics、2005年、58巻、27〜31頁
【非特許文献7】Sohda, K−y.ら、Hiramoto, M.、Suzumura, K−i.、Takebayashi, Y.、Suzuki, K−i.、Tanaka, A.、J. Antibiotics、2005年、58巻、32〜36頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
現在、癌等の疾患を治療するために有用な新規治療剤および治療法が必要である。そのような作用物質は、G−四重鎖DNAに対して改善された結合親和性を有し得、かつ/または有利な薬物様特性を有し得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、抗癌特性を示す化合物を提供する。したがって、本発明の一実施形態において、式(I)の化合物:
【0010】
【化3】

[式中、
【0011】
【化4】

で表される結合は、単結合または二重結合であり、
Aは(−C(=O)NH−CH(R)−)または(−CH(R)−NH−C(=O)−)であり、
Bは式:
【0012】
【化5】

の基であり、
Cは(−C(=O)NH−CH(R)−)または(−CH(R)−NH−C(=O)−)であり、
nは、0、1または2であり、
pは、0、1または2であり、
xは1または2であり、
yは、0、1または2であり、
但し、n、p、xおよびyの和は4であり、
Xは、O、SまたはNHであり、
WおよびZのうちの一方は、O、SまたはNHであり、WおよびのZうちの他方はCRであり、
、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルコキシは、OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリール、NRまたは−C(=O)NR10で場合によって置換されており、ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、NRおよびNR(C〜C)アルキル−から独立に選択される1または2個の置換基で場合によって置換されており、
各Rは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルコキシ、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルおよび(C〜C)アルコキシは、OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリール、NR1112または−C(=O)NR1314で場合によって置換されており、ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、(C〜C)アルキル、NR1112およびNR1314(C〜C)アルキル−から独立に選択される1または2個の置換基で場合によって置換されており、
およびRのそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはRおよびRは、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
およびR10のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはRおよびR10は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
11およびR12のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはR11およびR12は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
13およびR14のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはR13およびR14は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
15およびR16のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルカノイルであるか、あるいはR15およびR16は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成する]
またはその塩
である、本発明の化合物が提供される。
【0013】
本発明の一実施形態において、式(I)の化合物はYM−216391ではない。
【0014】
一実施形態において、本発明は、式(II)または(III)の化合物:
【0015】
【化6】

[式中、
各Xは、独立に、O、SまたはNHであり、
各Rは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルコキシ、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルコキシは、OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリール、NR1112または−C(=O)NR1314で場合によって置換されており、ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、(C〜C)アルキル、NR1112およびNR1314(C〜C)アルキル−から独立に選択される1または2個の置換基で場合によって置換されており、
11およびR12のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはR11およびR12は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
13およびR14のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはR13およびR14は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
15およびR16のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルカノイルであるか、あるいはR15およびR16は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成する]
またはその塩
も提供する。
【0016】
本発明は、式(I)、(II)もしくは(III)の化合物または薬学的に許容されるその塩を薬学的に許容される希釈剤または担体と組み合わせて含む医薬組成物も提供する。
【0017】
さらに、本発明は、癌を治療するための治療法であって、そのような療法を必要とする哺乳動物(例えば、ヒト男性または女性)に、有効量の式(I)、(II)もしくは(III)の化合物または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む治療法を提供する。
【0018】
本発明は、医学的療法において使用するための(例えば、癌を治療する際に使用するための)式(I)、(II)もしくは(III)の化合物または薬学的に許容されるその塩、ならびにヒト等の哺乳動物における癌の治療に有用な薬剤の製造のための、式(I)、(II)もしくは(III)の化合物または薬学的に許容されるその塩の使用も提供する。
【0019】
本発明は、癌の予防的または治療的処置において使用するための、式(I)、(II)もしくは(III)の化合物または薬学的に許容されるその塩も提供する。
【0020】
本発明は、式(I)、(II)もしくは(III)の化合物またはその塩を調製するために有用な、本明細書で開示されている方法および中間体も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
別段の記載がない限り、下記の定義が使用される。ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードである。アルキル、アルコキシ等は直鎖および分岐鎖両方の基を指すが、プロピル等の個々の基への言及は、直鎖基、具体的に言及されているイソプロピル等の分岐鎖異性体のみを包含する。アリールは、フェニル基、または少なくとも1個の環が芳香族である約9〜10個の環原子を有するオルト縮合二環式炭素環基を指す。ヘテロアリールは、酸素、硫黄および窒素から選択される1〜4個の環ヘテロ原子を含み、残りは炭素である5または6環員を含有する、芳香族複素環を指し、この環は、ベンゼン環または別の5もしくは6員のヘテロ芳香環と場合によってオルト縮合している。
【0022】
キラル中心を有する本発明の化合物は、光学活性形態およびラセミ形態で存在し得、単離され得ることが当業者には理解されよう。いくつかの化合物は、多型を示し得る。本発明は、本明細書に記載されている有用な特性を有する本発明の化合物の、任意のラセミ形態、光学活性形態、多型形態もしくは立体異性形態またはそれらの混合物を網羅することを理解すべきであり、光学活性形態をどのように調製するかは当技術分野において既知である(例えば、再結晶化技術によるラセミ形態の分割によって、光学活性出発材料からの合成によって、キラル合成によって、またはキラル固定相を使用するクロマトグラフ分離によって)。
【0023】
基、置換基および範囲のための以下に列挙される特定の値は、例示に過ぎず、他の規定値または基および置換基のための規定範囲内の他の値を除外するものではない。
【0024】
具体的には、(C〜C)アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、3−ペンチルまたはヘキシルであってよく、(C〜C)アルケニルは、ビニル、アリル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニルまたは5−ヘキセニルであってよく、(C〜C)アルカノイルは、アセチル、プロパノイルまたはブタノイルであってよく、(C〜C)アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ、ペントキシ、3−ペントキシまたはヘキシルオキシであってよく、アリールは、フェニル、インデニルまたはナフチルであってよい。アリールはフェニルであってよい。ヘテロアリールはピリジルであってよい。
【0025】
【化7】

で表される結合の例は、二重結合である。
【0026】
一実施形態において、式(I)の化合物は、式(I’)
【0027】
【化8】

の化合物である。
【0028】
式(I)および(I’)の化合物中の各Xについての特定の値の例は、Oである。
【0029】
式−C(=O)NH−CH(R)−の各基の例は、D−またはL−グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンおよびフェニルアラニン(より特別には、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンおよびフェニルアラニン)等のD−またはL−アミノ酸の残基である。
【0030】
Rについての特定の値の例は、独立に、水素、メチル、イソプロピル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピルおよびベンジル、より特別には、メチル、イソプロピル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピルおよびベンジルである。
【0031】
Rについての特定の値の例は、独立に、(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルケニルであり、ここで、各(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルケニルは、NR1112で場合によって置換されている。
【0032】
Rについての特定の値の例は、独立に、アミノメチル、2−アミノエチル、3−アミノプロピルまたは4−アミノブチルである。
【0033】
についての特定の値は、水素である。
【0034】
についての特定の値は、水素である。
【0035】
についての特定の値は、水素または−(CH−NRであり、ここで、qは、1、2、3または4であり、Rは水素であり、Rは、アセチル、ベンゾイル、ピリジルカルボニル、メトキシカルボニル、N−メチルアミノカルボニルまたはフェニルである。
【0036】
についての特定の値は、水素である。
【0037】
についての特定の値は、水素、メチル、フェニル、N−メチルアミノフェニル、N−アセチルアミノエチルフェニル、ピリジルまたはメトキシピリジルである。
【0038】
についての特定の値は、水素である。
【0039】
Aについての特定の値は、−C(=O)NH−CH(R)−である。
【0040】
Aについての特定の値は、−C(=O)NH−CH(R)−C(=O)NH−CH(R)−である。
【0041】
Aについての特定の値は、−C(=O)NH−CH−である。
【0042】
Aについての特定の値は、−C(=O)NH−CH−C(=O)NH−CH−である。
【0043】
Aについての特定の値は、−CH(R)−NH−C(=O)−である。
【0044】
Aについての特定の値は、−CH(R)−NH−C(=O)−CH(R)−NH−C(=O)−である。
【0045】
Aについての特定の値は、−CH−NH−C(=O)−である。
【0046】
Aについての特定の値は、−CHNH−C(=O)−CH−NH−C(=O)−である。
【0047】
式(I)の特定の化合物は、
【0048】
【化9】

である。
【0049】
式(I)の特定の化合物は、
【0050】
【化10】

【0051】
【化11】

である。
【0052】
式(I)の特定の化合物は、
【0053】
【化12】

である。
【0054】
式(I)の特定の化合物は、
【0055】
【化13】

である。
【0056】
式(I)の特定の化合物は、
【0057】
【化14】

である。
【0058】
式(I)の特定の化合物は、
【0059】
【化15】

である。
【0060】
特定の化合物群は、WがOまたはSであり、ZがCRである化合物である。
【0061】
特定の化合物群は、ZがOまたはSであり、WがCRである化合物である。
【0062】
本発明の一実施形態において、式(I)の化合物は、下記の式:
【0063】
【化16】

の化合物ではない。
【0064】
本発明の一実施形態において、式(I)の化合物は、下記の式:
【0065】
【化17】

の化合物ではない。
【0066】
式(I)の化合物の代表例は、式:
【0067】
【化18】

【0068】
【化19】

の化合物である。
【0069】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物([式中、xは1であり、yは0であり、n+pは、1、2または4である]および[式中、xは1であり、yは1であり、pは1であり、nは0または2である])を提供する。
【0070】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物[式中、xは1であり、yは0であり、n+pは、1、2または4である]を提供する。
【0071】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物[式中、xは1であり、yは1であり、pは1であり、nは0または2である]を提供する。
【0072】
本発明の一実施形態において、式(I)の化合物:
【0073】
【化20】

[式中、
【0074】
【化21】

で表される結合は、単結合または二重結合であり、
Aは(−C(=O)NH−CH(R)−)または(−CH(R)−NH−C(=O)−)であり、
Bは式:
【0075】
【化22】

の基であり、
Cは(−C(=O)NH−CH(R)−)または(−CH(R)−NH−C(=O)−)であり、
nは、0、1または2であり、
pは、0、1または2であり、
xは1または2であり、
yは、0、1または2であり、
但し、n、p、xおよびyの和は4であり、
Xは、O、SまたはNHであり、
WおよびZのうちの一方は、O、SまたはNHであり、WおよびZのうちの他方はCRであり、
、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルコキシは、OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリール、NRまたは−C(=O)NR10で場合によって置換されており、ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、(C〜C)アルキル、NRおよびNR(C〜C)アルキル−から独立に選択される1または2個の置換基で場合によって置換されており、
各Rは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルコキシは、OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリール、NR1112または−C(=O)NR1314で場合によって置換されており、ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、(C〜C)アルキル、NR1112およびNR1314(C〜C)アルキル−から独立に選択される1または2個の置換基で場合によって置換されており、
およびRのそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはRおよびRは、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
およびR10のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはRおよびR10は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
11およびR12のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはR11およびR12は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
13およびR14のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはR13およびR14は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
15およびR16のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルカノイルであるか、あるいはR15およびR16は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成する]
またはその塩
である、本発明の化合物が提供される。
【0076】
一実施形態において、本発明は、式(II)または(III)の化合物:
【0077】
【化23】

[式中、
各Xは、独立に、O、SまたはNHであり、
各Rは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルコキシは、OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリール、NR1112または−C(=O)NR1314で場合によって置換されており、ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、(C〜C)アルキル、NR1112およびNR1314(C〜C)アルキル−から独立に選択される1または2個の置換基で場合によって置換されており、
11およびR12のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはR11およびR12は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
13およびR14のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはR13およびR14は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
15およびR16のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルカノイルであるか、あるいはR15およびR16は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成する]
またはその塩
も提供する。
【0078】
式(I)の化合物は、直鎖の必要とされるポリアゾールおよびアミノ酸を含む中間体またはその保護誘導体を形成し、次いでアミド結合を形成することによってこれを環化し、任意の保護基を場合によって除去し、かつ/または塩を形成することによって調製できる。
【0079】
式(I)の化合物への合成経路の例を、以下のスキーム1〜15に提供する。
【0080】
スキーム1
【0081】
【化24】

ここで、Z=CHの場合はW=Oであり、Z=Oの場合はW=CHである。
【0082】
スキーム2
【0083】
【化25】

ここで、Z=CHの場合はW=Oであり、Z=Oの場合はW=CHである。
【0084】
スキーム3
【0085】
【化26】

ここで、Z=CHの場合はW=Oであり、Z=Oの場合はW=CHである。
【0086】
スキーム4
【0087】
【化27】

スキーム5
【0088】
【化28】

スキーム6
【0089】
【化29】

ここで、Z=CHの場合はW=Oであり、Z=Oの場合はW=CHである。
【0090】
スキーム7
【0091】
【化30】

ここで、Z=CHの場合はW=Oであり、Z=Oの場合はW=CHである。
【0092】
スキーム8
【0093】
【化31】

スキーム9
【0094】
【化32】

スキーム10
【0095】
【化33】

スキーム11
【0096】
【化34】

スキーム12
【0097】
【化35】

スキーム13
【0098】
【化36】

スキーム14
【0099】
【化37】

スキーム15
【0100】
【化38】

化合物が十分に塩基性または酸性である場合、本発明の化合物の塩は、本発明の化合物を単離しまたは精製するための中間体として有用となり得る。さらに、薬学的に許容される酸塩または塩基塩としての本発明の化合物の投与が適切な場合がある。薬学的に許容される塩の例は、生理的に許容されるアニオンを形成する酸を用いて形成された有機酸付加塩、例えば、トシレート、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタル酸塩およびα−グリセロリン酸塩である。塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩および炭酸塩を含む適切な無機塩類も形成され得る。
【0101】
薬学的に許容される塩は、当技術分野において既知の標準的手順を使用して、例えば、アミン等の十分に塩基性の化合物を適切な酸と反応させて生理的に許容されるアニオンを生じさせることにより、得ることができる。カルボン酸のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムまたはリチウム)またはアルカリ土類金属(例えばカルシウム)塩を作製することもできる。
【0102】
本発明の化合物は、医薬組成物として処方し、ヒト患者等の哺乳動物宿主に、選定された投与経路に適合される種々の形態で、例えば、経口的または非経口的に、静脈内経路、筋肉内経路、局所的経路または皮下経路によって、投与することができる。
【0103】
よって、本化合物は、不活性希釈剤等の薬学的に許容されるビヒクルまたは吸収可能な食用担体と組み合わせて、例えば経口的に全身投与できる。本化合物は、硬殻または軟殻ゼラチンカプセルに封入してもよく、錠剤に圧縮してもよく、または患者食の食品ととも直接組み合わせてもよい。経口治療的投与の場合、活性化合物を1種または複数の賦形剤と組み合わせ、摂取可能な錠剤、口腔錠、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウエハース等の形態で使用することができる。そのような組成物および製剤は、少なくとも0.1%の活性化合物を含有していなくてはならない。組成物および製剤の割合は、当然ながら変動し得、便宜的に、所与の単位剤形の重量の約2〜約60%であってよい。そのような治療的に有用な組成物における活性化合物の量は、有効用量レベルが得られるようなものである。
【0104】
錠剤、トローチ、丸薬、カプセル等は、下記:トラガカントガム、アカシア、コーンスターチまたはゼラチン等の結合剤;第二リン酸カルシウム等の賦形剤;コーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤;およびスクロース、フルクトース、ラクトースまたはアスパルテーム等の甘味剤も含有し得、あるいはペパーミント、冬緑油もしくはサクランボ香味料等の香味剤もまた添加され得る。単位剤形がカプセルである場合、これは、上記種類の材料に加えて、植物油またはポリエチレングリコール等の液体担体を含有し得る。様々な他の材料がコーティングとして存在し得るか、そうでなければ上記固体単位剤形の物理的形態を改変し得る。例えば、錠剤、丸薬またはカプセルを、ゼラチン、ワックス、セラックまたは砂糖等でコーティングしてよい。シロップまたはエリキシル剤は、活性化合物、甘味剤としてスクロースまたはフルクトース、保存料としてメチルおよびプロピルパラベン、染料、ならびにサクランボまたはオレンジ香味等の香味料を含有し得る。当然ながら、任意の単位剤形を調製する際に使用される任意の材料は、用いられる量で薬学的に許容され、かつ実質的に非毒性でなくてはならない。加えて、活性化合物は、持続放出製剤およびデバイスに組み込まれてよい。
【0105】
活性化合物は、注入または注射によって静脈内または腹腔内に投与してもよい。活性化合物またはその塩の溶液は、非毒性界面活性剤と場合によって混合された水中で調製され得る。分散剤は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチンおよびそれらの混合物中ならびに油中で調製され得る。通常の保存および使用条件下では、これらの製剤は微生物の成長を防止するための保存料を含有する。
【0106】
注射または注入に適した医薬剤形は、活性成分を含む無菌水溶液もしくは分散剤または無菌粉末を含み得、これらは、リポソーム中に場合によってカプセル化された、無菌の注射用もしくは注入用溶液または分散剤の即時調製のために適合される。いずれの場合も、最終的な剤形は、製造および保存条件下において、無菌、流動性かつ安定でなくてはならない。液体担体またはビヒクルは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール等)、植物油、非毒性グリセリルエステルおよびそれらの適切な混合物を含む、溶媒または液体分散媒質であってよい。適正な流動性は、例えば、リポソームの形成により、分散剤の場合には必要な粒径の維持により、または界面活性剤の使用により、維持できる。微生物の活動の防止は、様々な抗菌および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール等によってもたらされ得る。多くの場合、等張剤、例えば、糖類、緩衝液または塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射用組成物の持続的吸収は、組成物中で吸収を遅延させる作用物質、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によってもたらされ得る。
【0107】
無菌の注射用溶液は、必要量の活性化合物を適切な溶媒に、必要に応じて上記に列挙した様々な他の成分とともに組み込み、続いて濾過滅菌することによって調製できる。無菌の注射用溶液の調製用の無菌粉末の場合、調製の好ましい方法は、真空乾燥および凍結乾燥技術であり、これにより、活性成分の粉末および予め無菌濾過した溶液中に存在する任意のさらなる所望の成分が得られる。
【0108】
局所投与の場合、本化合物は、例えばそれらが液体の場合、純粋な形態で適用され得る。しかしながら、概して、固体であっても液体であってもよい皮膚科学的に許容される担体と組み合わせて、組成物または処方物としてそれらを皮膚に投与することが望ましい。
【0109】
有用な固体担体は、タルク、粘土、微結晶性セルロース、シリカ、アルミナ等の微粉化した固体を含む。有用な液体担体は、水、アルコールもしくはグリコールまたは水−アルコール/グリコール混和物を含み、この中に本化合物を有効レベルで、場合によって非毒性界面活性剤の助力により溶解しまたは分散させることができる。香料等のアジュバントおよびさらなる抗菌剤を添加して、所与の使用のための特性を最適化することができる。得られた液体組成物は、吸収性パッドから適用されても、絆創膏および他の包帯剤に含浸させるために使用されても、またはポンプ式もしくはエアゾール噴霧器を使用して患部に噴霧されてもよい。
【0110】
合成ポリマー、脂肪酸、脂肪酸塩およびエステル、脂肪アルコール、変性セルロースまたは変性無機材料等の増粘剤を液体担体とともに用いて、使用者の皮膚への直接適用用の塗布可能なペースト、ゲル、軟膏、石鹸等を形成することもできる。
【0111】
式(I)の化合物を皮膚へ送達するために使用され得る有用な皮膚科学的組成物の例は、当技術分野において既知であり、例えば、Jacquetら(米国特許第4,608,392号)、Geria(米国特許第4,992,478号)、Smithら(米国特許第4,559,157号)およびWortzman(米国特許第4,820,508号)を参照されたい。
【0112】
式(I)の化合物の有用な用量は、それらのインビトロ活性およびインビボ活性を動物モデルにおいて比較することによって決定できる。マウスおよび他の動物における有効用量のヒトへの外挿方法は当技術分野において既知であり、例えば、米国特許第4,938,949号を参照されたい。
【0113】
概して、ローション等の液体組成物中における式(I)の化合物の濃度は、約0.1〜25重量%、好ましくは約0.5〜10重量%である。ゲルまたは粉末等の半固体または固体組成物における濃度は、約0.1〜5重量%、好ましくは約0.5〜2.5重量%である。
【0114】
治療において使用するために必要な化合物またはその活性塩もしくは誘導体の量は、選択された特定の塩だけでなく、投与経路、治療されている状態の性質ならびに患者の年齢および状態によっても変動し、最終的には担当医または臨床医の裁量による。
【0115】
しかしながら、概して、適切な用量は、1日当たり約0.5〜約100mg/kg(例えば、約10〜約75mg/体重kg)の範囲内(例えば、1日当たりレシピエントの体重1キログラムにつき3〜約50mg)、好ましくは、6〜90mg/kg/日の範囲内、最も好ましくは、15〜60mg/kg/日の範囲内である。
【0116】
化合物は、例えば、単位剤形当たり5〜1000mg、便宜的に10〜750mg、最も便宜的に50〜500mgの活性成分を含有する単位剤形で便宜的に投与される。
【0117】
理想的には、活性成分は、約0.5〜約75μM、好ましくは約1〜50μM、最も好ましくは約2〜約30μMの活性化合物のピーク血漿濃度を達成するように投与すべきである。これは、例えば、場合によって生理食塩水中の活性成分の0.05〜5%溶液の静脈注射によって、または約1〜100mgの活性成分を含有するボーラスとして経口投与することによって達成できる。望ましい血中レベルは、約0.01〜5.0mg/kg/時間を提供するための持続注入によって、または約0.4〜15mg/kgの活性成分(複数可)を含有する間欠注入によって維持できる。
【0118】
望ましい用量は、便宜的に、単回用量で、または適切な間隔で投与される分割した用量として、例えば1日当たり2、3、4回以上の分割用量として提示され得る。サブ用量自体を、例えば、注入器からの複数の吸入または複数滴の眼への適用によって等、いくつかの不連続な疎らに間隔を空けた投与にさらに分割してよい。
【0119】
本発明の化合物は、他の治療剤、例えば、癌の治療に有用な他の作用物質と組み合わせて投与してもよい。したがって、一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、少なくとも1種の他の治療剤および薬学的に許容される希釈剤または担体を含む組成物も提供する。本発明は、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、少なくとも1種の他の治療剤、包装材料、ならびに癌を治療するために本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩および他の治療剤(1種または複数)を動物に投与するための説明書を含むキットも提供する。
【0120】
本発明の化合物の、G−四重鎖DNAを安定化する能力は、当技術分野において既知の薬理学モデルを使用して、または以下に記載する試験Aを使用して決定できる。
【0121】
試験A G−四重鎖DNAの安定化
分析を実施して、核酸の二重鎖、三重鎖および四重鎖形態を結合し、熱的に安定化する作用物質の能力を決定することができる。この目的のために、核酸のUV吸光度をHXDVの不在下および存在下における温度の関数としてモニターする。二重鎖および三重鎖核酸の融解は、概して、260nmでの濃色シフト(hyperchromic shift)に関連し、一方、四重鎖核酸の融解は、295nmでの淡色シフト(hypochromic shift)に関連する。よって、二重鎖および三重鎖の温度依存性の吸光度を260nmでモニターし、対応する四重鎖吸光度を295nmでモニターする。ST DNA、p(rA)・p(rU)、p(rA)・p(dT)、p(dA)・2p(dT)、p(rA)・2p(rU)、d(TAGおよびr(UGU)を、DNA二重鎖、RNA二重鎖、ハイブリッドDNA・RNA二重鎖、DNA三重鎖、RNA三重鎖、DNA四重鎖およびRNA四重鎖の代表的モデルとしてそれぞれ使用する。すべてのUV融解研究は、カリウムイオンの存在下、pH7.5で行う。
【0122】
G−四重鎖DNAを安定化する化合物の能力は、以下に記載する試験Bを使用して決定することもできる。
【0123】
試験B 温度依存性の分光光度法
温度依存性の吸収実験は、熱電気制御のセルホルダーが装備されたAVIVモデル14DS分光光度計(Aviv Biomedical、Lakewood、NJ)で行う。すべての吸光度研究に1.0cmの経路長を有する石英セルを使用する。温度依存性の吸収プロファイルを、260(二重鎖および三重鎖の場合)または295(四重鎖の場合)nmのいずれかにおいて、5秒の平均化時間で取得する。温度を0.5℃増分で上昇させ、試料を各温度設定で1.5分間平衡化させる。四重鎖融解研究において、d(TAG、9AP、15APおよび21APの濃度はストランド中5μM(ヌクレオチド中120μM)であり、一方、r(UGU)の濃度はストランド中20μM(ヌクレオチド中120μM)である。二重鎖および三重鎖融解研究において、核酸濃度は、塩基対中15μM(ヌクレオチド中30μM)または塩基トリプル中15μM(ヌクレオチド中45μM)であり、HXDV濃度は、存在する場合、15μMである。すべてのUV融解実験用の緩衝液は、10mMのEPPS(pH7.5)を含有する。加えて、十分なKClを各溶液に添加して、総K濃度を、d(TAGおよびp(rA)・p(dT)に対して150mM、r(UGU)に対して2mM、ST DNAに対して50mM、p(dA)・2p(dT)に対して250mM、またはp(rA)・2p(rU)に対して20mMのいずれかにする。UV融解実験においてそれらを使用する前に、すべての核酸溶液を90℃で5分間予熱し、4時間かけて室温にゆっくり冷却する。
【0124】
本発明の化合物の抗増殖活性は、当技術分野において既知の薬理学モデルを使用して、または以下に記載する試験Cを使用して決定できる。
【0125】
試験C MTTアッセイを使用するG−四重鎖安定剤の評価
細胞株は、それらの相対的なテロメラーゼ活性に関するデータ、多様な器官部位、利用可能な比較データ、および無胸腺ヌードマウスにおいて固形腫瘍を形成するそれらの能力を含む1つまたは複数の要因に基づいて選択する。MTTアッセイの利点は、細胞毒性/細胞増殖抑制活性を容易に決定できることである。細胞を37℃で4日間培養し、続いてMTT(3−[4,5−ジメチルチオゾール(dimethylthiozol)−2−イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(Sigma)(0.1mg/ml)を添加する。細胞をMTTで3時間処理し、次いで100μlの100%DMSOに溶解する。マイクロプレートリーダー(BIO−RAD製のモデル3550UV)を使用して、OD570における吸光度を計測する。MTT値を、Cellfectin単独で処理した細胞のOD570に対して正規化する。各化合物のストック溶液を調製する。MTTアッセイは、分光分析および96ウェルプレートを使用して実施する。
【0126】
ここで、下記の非限定的な実施例により、本発明を説明する。
【実施例】
【0127】
(実施例1)
本発明の代表的化合物の調製
本明細書に記載されているものと同様の手順を使用して、下記の本発明の代表的化合物を調製できる。
【0128】
【化39】

(実施例2)
本発明の代表的化合物の調製
本明細書に記載されているものと同様の手順を使用して、下記の本発明の代表的化合物を調製できる。
【0129】
【化40】

(実施例3)
下記は、ヒトにおける治療的または予防的使用のための、式Iの化合物(「化合物X」)を含有する代表的な医薬剤形を説明するものである。
【0130】
【表1】

上記の製剤は、薬学分野において既知である従来の手順によって得ることができる。
【0131】
すべての刊行物、特許および特許文献は、参照により個々に組み込まれるかの如く、参照により本明細書に組み込まれる。本発明は、様々な特定のおよび好ましい実施形態および技術を参照して記載されている。しかしながら、本発明の趣旨および範囲内のまま、多くの変形および修正が為され得ることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化41】

[式中、
【化42】

で表される結合は、単結合または二重結合であり、
Aは(−C(=O)NH−CH(R)−)または(−CH(R)−NH−C(=O)−)であり、
Bは式:
【化43】

の基であり、
Cは(−C(=O)NH−CH(R)−)または(−CH(R)−NH−C(=O)−)であり、
nは、0、1または2であり、
pは、0、1または2であり、
xは1または2であり、
yは、0、1または2であり、
但し、n、p、xおよびyの和は4であり、
Xは、O、SまたはNHであり、
WおよびZのうちの一方は、O、SまたはNHであり、WおよびZのうちの他方はCRであり、
、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルコキシは、OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリール、NRまたは−C(=O)NR10で場合によって置換されており、ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、NRおよびNR(C〜C)アルキル−から独立に選択される1または2個の置換基で場合によって置換されており、
各Rは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルコキシ、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルおよび(C〜C)アルコキシは、OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリール、NR1112または−C(=O)NR1314で場合によって置換されており、ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、(C〜C)アルキル、NR1112およびNR1314(C〜C)アルキル−から独立に選択される1または2個の置換基で場合によって置換されており、
およびRのそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはRおよびRは、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
およびR10のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはRおよびR10は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
11およびR12のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはR11およびR12は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
13およびR14のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはR13およびR14は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
15およびR16のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルカノイルであるか、あるいはR15およびR16は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成する]
であって、但し、YM−216391ではない式(I)の化合物
またはその塩。
【請求項2】
【化44】

で表される前記結合が単結合または二重結合であり、
Aが(−C(=O)NH−CH(R)−)または(−CH(R)−NH−C(=O)−)であり、
Bが式:
【化45】

の基であり、
Cが(−C(=O)NH−CH(R)−)または(−CH(R)−NH−C(=O)−)であり、
nが、0、1または2であり、
pが、0、1または2であり、
xが1または2であり、
yが、0、1または2であり、
但し、n、p、xおよびyの和は4であり、
Xが、O、SまたはNHであり、
WおよびZのうちの一方が、O、SまたはNHであり、WおよびZのうちの他方がCRであり、
、R、R、R、RおよびRのそれぞれが、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルコキシは、OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリール、NRまたは−C(=O)NR10で場合によって置換されており、ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、(C〜C)アルキル、NRおよびNR(C〜C)アルキル−から独立に選択される1または2個の置換基で場合によって置換されており、
各Rが、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルコキシは、OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリール、NR1112または−C(=O)NR1314で場合によって置換されており、ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、(C〜C)アルキル、NR1112およびNR1314(C〜C)アルキル−から独立に選択される1または2個の置換基で場合によって置換されており、
およびRのそれぞれが、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはRおよびRが、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
およびR10のそれぞれが、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で置換されているか、あるいはRおよびR10が、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
11およびR12のそれぞれが、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはR11およびR12が、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
13およびR14のそれぞれが、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはR13およびR14が、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
15およびR16のそれぞれが、独立に、水素、(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルカノイルであるか、あるいはR15およびR16が、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成する、
請求項1に記載の式(I)の化合物であって、
但し、YM−216391ではない式(I)の化合物
またはその塩。
【請求項3】
【化46】

で表される前記結合が二重結合である、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
式(I’)
【化47】

の化合物である、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
各XがOである、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
各Rが、水素、メチル、イソプロピル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピルおよびベンジルから独立に選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
各Rが、(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルケニルから独立に選択され、ここで、各(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルケニルは、NR1112で場合によって置換されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
各Rが、アミノメチル、2−アミノエチル、3−アミノプロピルまたは4−アミノブチルから独立に選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
がHである、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
がHである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
がHである、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
がHである、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
がHである、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
各RがHである、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
Aが−C(=O)NH−CH(R)−である、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
Aが−C(=O)NH−CH(R)−C(=O)NH−CH(R)−である、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
Aが−C(=O)NH−CH−である、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
Aが−C(=O)NH−CH−C(=O)NH−CH−である、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
Aが−CH(R)−NH−C(=O)−である、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
Aが−CH(R)−NH−C(=O)−CH(R)−NH−C(=O)−である、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
Aが−CH−NH−C(=O)−である、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
Aが−CHNH−C(=O)−CH−NH−C(=O)−である、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
式:
【化48】

【化49】

の化合物である、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
式:
【化50】

【化51】

の化合物である、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】
式:
【化52】

の化合物である、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項26】
式:
【化53】

の化合物である、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項27】
式:
【化54】

の化合物である、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項28】
式:
【化55】

の化合物である、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項29】
式:
【化56】

の化合物である、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項30】
WがOまたはSであり、ZがCRである、請求項24から28のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項31】
ZがOまたはSであり、WがCRである、請求項24から28のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項32】
前記式(I)の化合物が、下記の式:
【化57】

の化合物ではない、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項33】
前記式(I)の化合物が、下記の式:
【化58】

の化合物ではない、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項34】
式(II)または(III)の化合物:
【化59】

[式中、
各Xは、独立に、O、SまたはNHであり、
各Rは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルコキシ、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルおよび(C〜C)アルコキシは、OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリール、NR1112または−C(=O)NR1314で場合によって置換されており、ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、(C〜C)アルキル、NR1112およびNR1314(C〜C)アルキル−から独立に選択される1または2個の置換基で場合によって置換されており、
11およびR12のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはR11およびR12は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
13およびR14のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C〜C)アルキルアミノカルボニル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)アルコキシカルボニルは、1個または複数のNR1516で場合によって置換されているか、あるいはR13およびR14は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成し、
15およびR16のそれぞれは、独立に、水素、(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルカノイルであるか、あるいはR15およびR16は、それらが結合した窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはアゼピノ環を形成する]
またはその塩。
【請求項35】
各Rが、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルコキシは、OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリール、NR1112または−C(=O)NR1314で場合によって置換されており、ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、(C〜C)アルキル、NR1112およびNR1314(C〜C)アルキル−から独立に選択される1または2個の置換基で場合によって置換されている、
請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
各XがOである、請求項34または請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
各RがHである、請求項34から36のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項38】
【化60】

またはその塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項39】
【化61】

またはその塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項40】
請求項1から39のいずれか一項に記載の式(I)、(II)もしくは(III)の化合物または薬学的に許容されるその塩、および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項41】
癌を治療するための治療法であって、そのような療法を必要とする哺乳動物に、有効量の請求項1から39のいずれか一項に記載の式(I)、(II)もしくは(III)の化合物または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む治療法。
【請求項42】
G−四重鎖DNAを安定化するための方法であって、該G−四重鎖DNAを請求項1から39のいずれか一項に記載の式(I)、(II)もしくは(III)の化合物またはその塩と接触させるステップを含む方法。
【請求項43】
医学的療法において使用するための、請求項1から39のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項44】
哺乳動物における癌の治療に有用な薬剤の製造のための、請求項1から39のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩の使用。
【請求項45】
癌の予防的または治療的処置において使用するための、請求項1から39のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項46】
前記癌が、鼻咽頭癌、乳癌、膵癌、白血病、急性白血病、卵巣癌、結腸癌、頭頸部癌である、請求項44に記載の使用。
【請求項47】
前記癌が、鼻咽頭癌、乳癌、膵癌、白血病、急性白血病、卵巣癌、結腸癌、頭頸部癌である、請求項45に記載の化合物。

【公表番号】特表2010−535204(P2010−535204A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519261(P2010−519261)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【国際出願番号】PCT/US2008/072025
【国際公開番号】WO2009/018551
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(502155611)ラトガーズ, ザ ステイト ユニバーシティ オブ ニュー ジャージー (8)
【出願人】(510029760)
【出願人】(510029759)
【Fターム(参考)】