説明

治療用放射性標識薬の効能改善法

開示されているのは、放射性標識薬および放射線増感剤が放射性標識薬に直接放射線増感剤を付着することにより放射性標識薬の一部である様な放射線増感剤を用いるか、または放射性標識薬と放射性標識の代わりに治療薬に付着した放射線増感剤を有する治療薬類似物との混合物を製造するかのいずれかによりその効能を改善するための方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線増感を用いる放射性標識された療法剤の効能を改善するための方法に関する。
本発明は、放射性標識薬に関するものであり、そしてその効能を改善するための方法を記載するものであり、ここで当該放射線増感剤が放射性標識された薬に直接放射線増感剤を付着することにより放射性標識された薬剤の一部であり、あるいは放射性標識薬と放射性標識の代わりに薬剤に付着した放射線増感剤を有する薬剤類似物との混合物が製造される。
【背景技術】
【0002】
放射性標識抗体は、貴重な診断用および治療用試薬である。それらは特に癌治療法として有用である。短距離の、高エネルギー照射を有する放射性同位元素に結合した腫瘍特異性抗原に対する結合特異性を有する放射性標識抗体の投与は、致死線量の照射を直接腫瘍細胞に送達する潜在能力がある。
【0003】
B細胞に局在するCD20エピトープを標的として、非ホジキンリンパ腫の治療に現在使用されているイットリウム90標識ゼバリン(Zevalin)は、放射性標識抗体のための一例である(C. Emmanouilides, Semin Oncol. 2003; 30(4); 531-44)。放射性同位元素、イットリウム90は、抗体が付着している細胞および照射範囲内にある細胞を破壊する。イットリウム90の放射線分解活性は、良く説明されている(Salako et al. 1998, J. Nucl. Med. 39: 667; Chakrabarti et al., 1996, J. Nucl. Med. 37:1384)。
【0004】
イットリウム90標識抗体のためのさらなる例は、卵巣癌の治療に用いられるTheragyn (Hird et al., Br.J. Cancer 1993, 68; 403)、およびイットリウム90に対するリンカーを通じて結合したモノクローナル抗体BC-1を含み固形腫瘍治療のために投与されるAngioMabである。
【0005】
キレート化剤およびキレート化剤複合体の合成に関する方法は、当業者に既知である(たとえば、米国特許No.4,831,175、米国特許No.5,099,069、米国特許No.5,246,692、米国特許No.5,286,850および米国特許No.5,124,471)。イットリウム90の代わりに沃素同位体を用いる放射性標識抗体の一例は、沃素131で標識したBexxarである。Bexxarはまた、B細胞のCD20エピトープを標的とし、非ホジキンリンパ腫の治療のために使用される(BioDrugs. 2003; 17(4):290-5)。
【0006】
これらの放射性標識治療薬はその適応において非常に有効であるが、改善の余地がある。その効能は、放射性標識担持部分の代わりに放射線増感剤部分を有する放射性標識治療薬の類似体が治療薬に付着するかまたは放射性標識担持部分を放射線増感剤部分と交換することを除けば放射性標識治療薬と同じである類似体を合成する様な放射線増感原理を適用することにより、増加できることを今や見出した。放射線増感剤は、本分野で良く知られている(たとえば、EP0316967、米国特許No.2003166692、米国特許No.2001051760、米国特許No.6589981)。
【0007】
パクリタキセルの様な活性治療薬の抗腫瘍活性をこの治療薬に付着した追加部分の放射線増感潜在能力と組み合わせる二元薬剤化合物は、WO9640091および米国特許No.5780653に記載されている。しかしながら、これらの薬剤は依然として非特異的であり正常組織に対し高度に破壊的である外部照射を必要としている。一方、本発明は、それ自身の照射源を利用し、かつ外部照射を必要としない。放射線増感剤として使用されるGd含有複合体は、Gd-TexaphyrinまたはGd-Photofrinが使用されている米国特許No.5457183および米国特許No.2001051760に記載されている。Gdの代わりに、米国特許No.4727068に記載の如きCo(III)またはFe(III)の様な放射線増感潜在能力を有する他の金属が使用されるかも知れない。
リポソームに付着した放射線増感剤は、WO0045845に記載されている。ここにおいて、放射線増感剤、たとえば5-ヨード-2’-デオキシウリジンは、親水性高分子鎖を介してリポソームの脂質に付着している。
【発明の開示】
【0008】
発明の要旨
本発明は、二つの可能な経路を介して導入される放射線増感による放射性標識治療薬の効能の改善に関する。第1の経路は、放射性標識治療薬に放射線増感剤部分を付着または結合することからなり、他方第2の経路においては、放射性標識治療薬は、放射性標識に加えてまたは代えて放射線増感剤を含む治療薬類似体と混合される。
【0009】
かくて、一つの観点において、本発明は、放射性標識された療法剤の効能を改善するための方法であって、
(i) 同じ分子を付着した放射線増感成分を薬剤と一緒にし、または
(ii) 放射性標識された薬剤及び放射線増感剤が実質的に同じターゲッティング特性を有する場合、放射性標識された薬剤及び放射性増感剤の混合物を共投与する、
ことを含んでなる方法を提供する。
【0010】
他の観点において、本発明は下記の様な方法に関するものであって、
ここに前記薬剤が、それに結合した、放射性標識を含む一部分および放射線増感剤を含む他の部分である、二つの部分を有し;そして/または
ここに前記治療薬は好ましくは放射性同位元素で標識された小分子であり、そして/または
ここに前記薬剤はキレートであり;そして/または
ここに前記薬剤はキレートを含み;そして/または
【0011】
ここに前記薬剤は蛋白質であり;そして/または
ここに前記薬剤は高分子または二元重合体であり;そして/または
ここに前記薬剤は抗体または抗体構成体であり;そして/または
ここに前記薬剤はDNAもしくはRNAまたはそれらの構成体であり;そして/または
ここに前記薬剤は炭水化物であり;そして/または
ここに前記薬剤は多分岐高分子であり;そして/または
ここに前記薬剤はリポソームもしくはミセルの内部または上に含まれ;そして/または
【0012】
ここに前記放射性標識された薬剤および放射線増感剤が実質的に同じターゲッティング特性を有するならば、当該薬剤は、放射性標識された薬剤とこの薬剤の類似体との混合物を含んでなり、この類似体は放射線増感剤として機能するかまたはそれを含有し;そして/または
ここに前記薬剤はアルファ、ベータおよびガンマエミッターから選択され;そして/または
ここに前記放射性標識はランタニド群から選択され;そして/または
ここに前記放射性標識はイットリウムであり;そして/または
【0013】
ここに前記放射性標識は放射性ハロゲンであり;そして/または
ここに前記放射性標識は沃素であり;そして/または
ここに前記放射線増感剤はガドリニウム、沃素または硼素であり;そして/または
ここに前記放射性標識は架橋を介して薬剤に結合したキレート化剤により薬剤に付着または連結され;そして/または
ここに前記キレート化剤またはキレートはEDTA、DTPA、またはDOTA部分を含み、そして/または
【0014】
ここに前記連結されまたは結合されていないキレート化剤またはキレートはMX-DTPA、フェニル-DTPA、ベンジル-DTPA、またはCHX-DTPAを含み;そして/または
ここに前記放射線増感剤はトリヨードベンゼン成分を含み;そして/または
ここに前記放射線増感剤はボランまたはカルボラン成分を含み;そして/または
ここに前記抗体はゼバリン(Zevalin)であり;そして/または
【0015】
抗体上のキレート化剤またはキレートに放射性同位元素とガドリニウム、コバルトまたは鉄との混合物を載せることを含み;そして/または
抗体上のキレート化剤またはキレートにイットリウム90とガドリニウム、コバルトまたは鉄との混合物を載せることを含み;そして/または
放射性同位元素で標識した治療薬とガドリニウム、コバルトまたは鉄で標識した治療薬類似体とを混合することを含み;そして/または
イットリウム90で標識したゼバリンをガドリニウム、コバルトまたは鉄で標識したゼバリンと混合することを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
発明の詳細な説明
放射線増感は、今迄腫瘍部位での外部照射の損傷潜在能力を増加できる化合物を投与することとして理解されている。これは、放射線増感剤は放射線増感剤として働くに十分な高濃度で、および副作用を排除するのに十分な低濃度で腫瘍部位に到達し、腫瘍部位への経路で正常組織を損傷することなく正にこの部位に外部照射を適応しなければならないことを意味する。この目的は未だ満足に達成されていないので、治療における放射線増感剤の使用は非常に限定的である。
【0017】
我々は今やこれらの困難を回避する方法を見出した。新規の方法により、外部照射は最早不要である。代わりに、照射は、腫瘍部位に蓄積し、次に腫瘍細胞を破壊する放射性標識された薬剤の投与を介して腫瘍部位に送達される。照射の標的送達と、放射性標識された薬剤の一部であるかまたは放射性標識された薬剤の投与前または後に送達される放射線増感剤の標的送達との組み合わせにより、治療の効能はさらに増加する。
【0018】
従って放射性標識治療薬の効能を増加するための2つの可能な経路がある。第1の経路は下記の如く説明できる。放射線増感の潜在能力を有する追加的成分が、そのターゲッティング特性に影響をあたえることなく放射性標識された薬剤に付着される。この手法の1例は、キレート化剤がリンカーを介して付着されるモノクローナル抗体である。キレート化剤はイットリウム90の様な放射性同位元素を結合できる。抗体は腫瘍細胞上のエピトープに指向され、腫瘍細胞が照射により破壊される腫瘍部位に直接放射活性同位元素を運ぶ。通常1個以上のキレート化剤が抗体に付着される。これは、キレート化剤が放射性同位元素のみならず、さらに追加的にガドリニウム、コバルトまたは鉄の様な放射線増感剤として機能する他の金属イオンを結合するために使用できることを意味する。本手法の利点は、照射および放射線増感剤が非常に近接している−それらは同一分子中に結合される−そして従って高い感光収率を与えることである。
【0019】
あるいは、同型の薬剤−リンカーを介して付着したキレート化剤を有するモノクローナル抗体−が、放射活性同位元素(たとえばイットリウム90)または放射線増感金属(たとえばガドリニウム)を載せることが出来、そして好ましくは同一のエピトープを標的とする二つの薬剤が、患者に混合物としてまたは逐次に送達される。あるいは、同一部位、たとえば同一細胞中の異なるエピトープに局在化する、二つの異なるターゲッティング成分、すなわち抗体、が使用できる。
【0020】
両薬剤は、腫瘍を標的とし、従って効果的な照射および放射線増感が可能な様に腫瘍上でお互いに近接する。この近接性はしかしながら、放射性標識および放射線増感剤が1分子中に結合され、それ故腫瘍上に共に局在化するのみならず、正に同一の腫瘍細胞に付着する、第1の例におけるほどには、密接しないかもしれない。
【0021】
放射線増感成分を結合するためのキレート化剤を用いる代わりに、当業者に良く知られた他の放射線増感部分が使用されるかもしれない。薬剤に付着されるかもしれない他の放射線増感成分に対する例は、沃素原子もしくは沃素含有部分、たとえばトリヨードベンゼン誘導体、または硼素原子もしくは硼素含有部分、たとえばボランもしくはカルボランを含む。
【0022】
しかしながら、本分野で知られた如何なる他の放射線増感成分、たとえば白金含有成分、イミダゾールその他も同様に使用されよう。放射線増感成分を、放射性標識された薬剤に直接結合させる代わりに、放射性標識を含む部分が放射線増感剤を含む成分と交換されるように、放射性標識される薬剤の類似体が合成されてもよい。即ち、放射線増感剤が放射性標識の位置に存在する類似体である。これは、上例の抗体がそれに結合した放射線増感剤成分を含むだろうことを意味する。
【0023】
しかしながらこの原理は、もっぱら抗体でのみ働くのではなく、如何なる生体高分子、高分子、リポソームまたはミセル調製物、の様な他の担体でも働く。追加成分を担持するに十分大きな非高分子治療薬でさえ本原理のために使用できる。たとえばパクリタキセルは、リンカーを介して結合したキレート化剤を含む様に修飾されるかも知れない。キレート化剤は次に放射性標識、たとえばイットリウム90および/またはガドリニウムの様な放射線増感金属イオンを結合できるであろう。
【0024】
さらなる例は、如何なる他の薬剤にも結合しないが、それ自身で薬剤であるキレート自身を含むであろう。この例においてキレートは、必ずしも同一分子中にはないが、しかし同一溶液または別々の調製物中にある、放射性同位元素および放射線増感金属イオン両者を結合するであろう。
【0025】
キレートを介して担体薬剤に付着した放射性同位元素を使用する代わりに、放射性同位元素は抗体のたとえば放射性沃素化により直接担体薬剤に付着されるかも知れない。この場合に、非放射性沃素を抗体に結合させ次に放射線増感剤として機能させる場合と同一の調製手段が使用されるかも知れない。これは、放射性沃素化のために使用される放射性同位元素に非放射性沃素を単に追加するかまたは抗体に非放射性沃素を結合することにより、同一分子内で行うことが出来る。あるいは、放射線増感潜在能力は、単一の沃素原子を薬剤分子に結合させるのみならず、トリヨードベンゼン誘導体のような沃素担体を結合させることによっても増加される。
【0026】
薬剤は、非増感薬剤に対するのと同じ用量および同じ処方で使用できるが、増感の結果としてより低い用量でも使用されるであろう。2分子が関与する時には、それらは同時にまたは何れかの順番で逐次に投与できる。後者の例1では、たとえば放射線増感薬剤は、他の、たとえば放射性治療薬の少し前、たとえば約15-60分前に投与される。またより長いおよびより短い時間も可能である。
【0027】
ここに議論されるいずれの分子も、よく知られた標識化,架橋化、キレート化などの技術により、たとえば引用文献その他に記載の如く、通常に調製できる。
さらなる詳述が無くとも、当業者は前記記述を用いて本発明を最大限利用できると信じられる。以下の好ましい特定の具体例は、従って単に例証であって、如何なる場合においても開示の残余を限定するものではないと解釈さるべきである。
前述のおよび以下の実施例において、全ての温度は摂氏温度で補正されずに述べられており、ならびに全ての部およびパーセンテージは、別に示していなければ重量による。
【実施例】
【0028】
実施例1.
イブリツモマブ・チウキセタン(Ibritumomab tiuxetan)(ゼバリン)(Zevalin))の90Yでの放射性標識化は、WO0052031に記載の手順に従って実施される。
Gd標識ゼバリン(Zevalin)(Gd-Zevalin)は、YCl3の代わりにGdCl3の溶液を用いてしかるべく合成される。GdCl3をキレート化剤と反応する代替的方法が該文献に記載されており、当業者はこれらの手順に馴染みがある。
続いて,両液は独立に患者に注射される。
【0029】
実施例2.
ゼバリン(Zevalin)の90YおよびGdでの放射性標識化は、実施例1に記載の手順に従い実施される。
続いて、両液はお互いに混合され、次いで混合物は患者に注射される。
【0030】
実施例3.
ゼバリン(Zevalin)の90YおよびGdでの放射性標識化は、YCl3とGdCl3の溶液をお互いに混合し、この混合物をゼバリン(Zevalin)の標識化のために使用することにより実施される。Gdおよび90Yの最適結合は、両ランタニドが等モルづつ存在する時に得られる。YCl3は通常担体無しで使用され、非放射性Y同位元素が追加されるかも知れない。
続いて,溶液は患者に注射される。
【0031】
実施例4.
付着されたキレートを有する高分子は、たとえば米国特許No.2003206865またはWO03013617に記載の如く合成される。90YおよびGdを有するこれらの高分子の標識化は、該文献に記載の手順に従い実施される。
【0032】
実施例5.
表面に放射線増感剤を付着したリポソームは、WO0045845に記載の如く調製される。90Y-DTPAが調製中存在し、続いてリポソーム内に封入される。リポソームは今やそのミセル内に放射性標識薬剤を、そして表面に放射線増感剤を含む。米国特許No.6475515は、キレート含有リポソームの調製法を詳細に記載している。
【0033】
ここに引用されおよび2003年12月11日提出の対応する米国暫定出願一連番号No.60/528.473の全ての出願、特許および文献の全開示は、ここに参照文献として取込まれている。
先述の実施例は、それらに使用されているものを本発明に一般的及び特定的に記載の反応物および/または操作条件により置き換えることにより同様の成功をもって再現できる。
前述の記載から、当業者は本発明の実質的な特徴を容易に確認でき、その精神および適用範囲から離れることなく、種々の用途と条件に適応するために本発明の種々の変更と修飾を行うことが出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イットリウム90で標識された薬剤イブリツモマブ・チウキセタン(Ibritumomab tiuxetan)の効能を改善するための方法であって、
(i) 放射線増感Gd成分を付着することにより薬剤を修飾するか、または
(ii) イットリウム90標識された薬剤イブリツモマブ・チウキセタンと放射線増感Gd成分が付着したイブリツモマブ・チウキセタンとを一緒にして混合物を形成する、
ことを含んでなる方法。
【請求項2】
イットリウム90標識イブリツモマブ・チウキセタン(Ibritumomab tiuxetan)を投与する方法であって、必要とする患者に、
(i) 放射線増感Gd成分が付着した修飾イットリウム90標識イブリツモマブ・チウキセタンを投与するか、または
(ii) イットリウム90で標識された薬剤イブリツモマブ・チウキセタンと放射線増感Gd成分が付着したイブリツモマブ・チウキセタンとを、混合物としてまたは別々に共投与する、
ことを含んでなる方法。
【請求項3】
前記薬剤および/または前記放射線増感イブリツモマブ・チウキセタンがリポソーム又はミセルの内部または上に含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
イブリツモマブ・チウキセタンまたはすでにイットリウム90で標識されたイブリツモマブ・チウキセタン(Ibritumomab tiuxetan)の効能を改善するための方法であって、
(i) (a) 放射線増感Gd成分によりイブリツモマブ・チウキセタンを標識するか、またはすでにGd標識されたイブリツモマブ・チウキセタンを用意することによりGd標識されたイブリツモマブ・チウキセタンを調製し、そして
(b) イットリウム90によりイブリツモマブ・チウキセタンを標識するか、またはすでにイットリウム90で標識されたイブリツモマブ・チウキセタンを用意することによりイットリウム90標識イブリツモマブ・チウキセタンを調製し、そして
(c) Gd標識されたイブリツモマブ・チウキセタンおよびイットリウム90で標識されたイブリツモマブ・チウキセタンを、混合物としてまたは別々に患者に共投与し;あるいは
(ii)(a) イブリツモマブ・チウキセタンを放射線増感Gd成分およびイットリウム90の両者で標識することによりGdおよびイットリウム90で標識されたイブリツモマブ・チウキセタンを調製し、そして
(b) 前記Gdおよびイットリウム90で標識されたイブリツモマブ・チウキセタンを患者に投与する;
ことを含む方法。
【請求項5】
放射性標識された療法剤の効能を改善するための方法であって、
(i)(a) 薬剤を放射線増感成分と一緒にすることにより放射線増感成分を薬剤に付着させ、そして
(b) 次に前記薬剤を患者に投与し;あるいは
(ii)(a) 前記放射性標識された薬剤と実質的に同じターゲッティング特性を有する担体を放射線増感成分により標識し、そして
(b) 次に前記放射性標識された薬剤および前記担体を、混合物としてまたは別々に患者に共投与する;
ことを含んでなる方法。
【請求項6】
放射性標識された療法剤の投与方法であって、それを必要とする患者に
(i) 放射線増感Gd成分が付着された修飾された放射性標識薬剤を投与し;あるいは
(ii) 放射性標識された薬剤と、放射線増感Gd成分が付着した放射性標識された薬剤と実質的に同じターゲッティング特性を有する担体とを、混合物としてまたは別々に共投与する;
ことを含んでなる方法。
【請求項7】
前記担体および前記放射性標識された薬剤が、患者体内に標的として、同じエピトープを有するか、あるいは前記担体および前記放射性標識された薬剤の両者が体内の同一部位に局在化するか、または同一細胞の異なるエピトープに付着する、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記担体が抗体、生体高分子、高分子、リポソームまたはミセル調製物または非高分子薬剤である、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記薬剤がそれに結合した少なくとも2の成分を有し、その少なくとも一つの成分は放射性標識を含み、そしてその少なくとも一つの成分は放射線増感剤を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記治療薬が、キレートであるかまたはキレートを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記薬剤が、蛋白質、高分子もしくは生体高分子、抗体もしくは抗体構成体、DNAもしくはRNAまたはそれらの構成体、炭水化物、あるいは多分岐高分子化合物である、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記放射性標識された薬剤および放射線増感剤が実質的に同じターゲッティング特性を有するならば、当該薬剤は、放射性標識された薬剤とこの薬剤の類似体との混合物を含んでなり、この類似体は放射線増感剤として機能するかまたはそれを含有する、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
前記放射性標識がアルファ、ベータまたはガンマエミッターである、請求項5に記載の方法。
【請求項14】
前記放射性標識がランタニドの群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項15】
前記放射性標識がイットリウムである、請求項5に記載の方法。
【請求項16】
前記放射性標識が放射性ハロゲンまたは沃素である、請求項5に記載の方法。
【請求項17】
前記射線増感剤が、ガドリニウム、沃素もしくは硼素であるかまたはそれを含み、あるいはトリヨードベンゼン成分またはボランもしくはカルボラン成分である、請求項5に記載の方法。
【請求項18】
前記放射性標識が薬剤に付着されているか、または架橋を介して薬剤に結合したキレート化剤により薬剤に連結されている、請求項5に記載の方法。
【請求項19】
前記キレート化剤または前記キレートが、EDTA、DTPA、またはDOTA成分を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記薬剤が、キレート化剤またはキレートに連結されているかまたは連結されておらず、当該キレート化剤またはキレートはMX-DTPA、フェニル- DTPA、ベンジル- DTPA、またはCHX- DTPAを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項21】
抗体上のキレート化剤またはキレートに、放射性同位元素とガドリニウム、コバルトまたは鉄との混合物を付与し、そして/または抗体上のキレート化剤またはキレートにイットリウム90とガドリニウム、コバルトまたは鉄との混合物を付与する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記薬剤がイブリツモマブ・チウキセタンである、請求項5に記載の方法。
【請求項23】
放射性同位元素で標識した薬剤とガドリニウム、コバルトまたは鉄で標識した薬剤類似体とを混合し、そして/またはイットリウム90標識されたイブリツモマブ・チウキセタンとガドリニウム、コバルトまたは鉄で標識されたイブリツモマブ・チウキセタンとを混合する、請求項5に記載の方法。

【公表番号】特表2007−528874(P2007−528874A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543664(P2006−543664)
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【国際出願番号】PCT/IB2004/004428
【国際公開番号】WO2005/056058
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】