説明

波力発電プラントにおいて逆転双方向空気流とともに使用される衝動空気タービン装置

【課題】波力発電プラント内において逆転双方向空気流(F1,F2)とともに使用するための衝動空気タービン装置を提供する。
【解決手段】衝動空気タービン装置は、軸流タービンロータ(10)と、タービンロータの各側に組み付けられて、該タービンロータへおよび該タービンロータから逆転空気流を導くボリュート(16,116)と、を具備している。各ボリュート(16,116)は径方向外側開口部(18,118)と径方向内側開口部(20,120)との間において前記タービン軸(12)に関して周方向に伸びている。径方向外側開口部(18,118)は空気の入力/出力のために接線方向に向けられており、径方向内側開口部(20,120)は渦巻いた空気流をタービンロータ(10)に衝突させるため/タービンロータ(10)から受け入れるために軸方向に向けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全体的に波力発電プラントにおいて逆転双方向空気流とともに使用される衝動空気タービン装置に関する。本開示の実施形態は、波力エネルギ変換器によって発生した逆転双方向空気流とともに使用される衝動空気タービン装置に関する。したがって、衝動空気タービン装置は発電のために使用されることを意図されている。
【背景技術】
【0002】
波力発電プラントは波力エネルギ変換器を利用して、海の波の上昇および下降動作を逆転双方向空気流に変換する。振動水柱(OWC)波力発電プラントは広く利用されており、その内部では、空気圧縮チャンバ内の波面の上昇および下降の動作が逆転双方向空気流を生成する。OWCタイプまたは他のタイプのいずれかの波力発電プラントは動力取出装置を含んでおり、この装置は逆転双方向空気流を利用して電力を発生している。動力取出装置は一般的には空気タービンであり、タービンはタービンを通じた空気流の方向にかかわらず、同一の方向に連続的に回転しなければならない。
【0003】
ウェルズタービン(Wells turbine)は波力発電プラント、特にOWC波力発電プラントに共通に使用されている。ウェルズタービンのタービンロータブレードは対称翼を具備し、空気流の方向にかかわらず同一方向のロータの回転を維持する。しかしながら、ウェルズタービンは、特に失速の原因となる傾向を有する大流量を伴った、広い幅の流量において作動することに適していない。ウェルズタービンの作動効率は一般的に50〜55%の間である。
【0004】
デニス−オールドタービン(Dennis-Auld turbine)として知られた別の空気タービンは作動効率を改良した可変ピッチのロータブレードを利用しており、特にOWC波力発電プラントとともに使用するために設計されている。機械的作動システムが使用されて、ロータブレードの角度の設定を変化させているが、負荷の維持を増加させ実現性の低下を導いている。制御システムも必要とされ、波プロファイルパラメータのリアルタイム測定に基づいて機械的作動システムの動作を制御している。しかしながら、OWC波力発電プラントが一般的に遭遇する不規則な波プロファイルが与えられた場合、ブレード設定角度の変化が実際に必要とされるときに、正確に特定することが困難となり得る。
【0005】
別の既知のタービン装置は衝動空気タービンを具備し、空気流は初期段階では周方向に離間され直のセットを通るように向けられ、次いで空気流を適切な角度および速度でタービンロータブレードに向ける。波力発電プラントに遭遇する逆転双方向空気流を扱うために、1セットの周方向に離間されたガイド翼がタービンロータの各側に配置されている。
【0006】
周方向に離間されたガイド翼の設定角は一般的には固定されており、このことは、ガイド翼の幾何形状はタービンを通る双方向の空気流に関して最適化され得ないことを意味している。タービンロータの各側のガイド翼の設定角は、一般的に最適な角度および速度で空気流をロータブレードに導くように選択されている。結果として、ガイド翼の設定角は、タービンロータの下流側からの渦を巻いた空気流を受け入れるのに最適化されておらず、このことはガイド翼の下流にわたって大きな圧力降下を導き、結果的にタービンの作動効率の低下を招いている。
【0007】
この困難性を扱うことを試みた、WC波力発電プラントのための可変半径衝動空気タービンが特許文献1に開示されている。タービンはタービンロータの対側に配置された同一の2セットの固定幾何形状の周方向に離間されたガイド翼と、ガイド翼の各セットからタービンロータまで伸びた環状流れ通路と、を備えている。前述の幾何形状に対して、タービンロータの各側のガイド翼は、ロータブレードよりも大きい半径でロータブレードから径方向にオフセットされている。タービンロータの上流のガイド翼は空気流に渦動作を与え、これによって空気流が上流の環状流れ通路を通ってより小さい径のタービンロータに向かって流れる場合に、空気流を加速している。空気流が下流のガイド翼を通過する前に下流の環状流れ通路を通るとき、空気流はその後減速される機会を有する。この衝動空気タービンの作動効率は前述の幾何形状を備えた衝動空気タービンよりも良好であるが、著しく重厚であり、空気流をガイド翼から導くために作動する大径のダクトおよびパイプを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2008/012530号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、前述の欠点を含んだ、現状において入手可能な空気タービンに関連したいくつかまたはすべての困難性を克服した、逆転双方向空気流とともに使用される改良された衝動空気タービン装置を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様によれば、波力発電プラント内において逆転双方向空気流とともに使用するための衝動空気タービン装置が提供されており、この衝動空気タービン装置は、
タービン軸の周りに回転するために組み付けられた、軸流タービンロータと、
タービンロータの各側に組み付けられて、タービンロータへおよびタービンロータから逆転した空気流を導くボリュートであって、各ボリュートは径方向外側開口部と径方向内側開口部との間においてタービン軸に関して周方向に伸びた、ボリュートと、を具備し、
径方向外側開口部は空気の入力/出力のために接線方向に向けられており、径方向内側開口部は渦巻いた空気流をタービンロータに衝突させるため/タービンロータから受け入れるために軸方向に向けられている。
【0011】
第2の態様によれば、逆転双方向空気流を供給するための波力エネルギ変換器と、逆転双方向空気流によって駆動されるために設置され且つ発電機に連結されて発電機を駆動する、第1の態様による衝動空気タービン装置と、を具備している波力発電プラントが提供される。
【0012】
空気タービン装置を通って流れる空気は最初にタービンロータの上流で軸方向にボリュートを通って流れ、その後、タービンロータを通って流れ、最後にタービンロータの下流で軸方向にボリュートを通って流れる。
【0013】
空気が軸方向上流のボリュートを流れるとき、流れは最初に接線方向において径方向外側開口部に進入する。次いで、空気は、ボリュートを通って周方向且つ径方向内向きに、径方向内側開口部に向かって流れる。空気がボリュートを通って流れるとき、流れは加速され、渦を巻いた空気流が軸方向に向けられた径方向内側開口部を通って導かれ且つタービンロータに衝突させられる前に、渦の接線方向の成分を与えられる。
【0014】
タービンロータの下流側にある空気は、軸方向下流のボリュートの軸方向に向けられた径方向内側開口部を通って受け入れられる。次いで、空気は、ボリュートを通って周方向且つ径方向外向きに、径方向外側開口部に向かって流れる。空気がボリュートを通って流れるとき、流れは拡散され、径方向外側開口部を通って略接線方向にボリュートから出る前に、渦が消滅する。
【0015】
軸流タービンロータの各側に組み付けられたボリュートは、空気流れ方向にかかわらず、空気タービン装置を通る空気流を最適化し、これによって、衝動空気タービン装置が、逆転双方向空気流とともに作動する場合に、良好な作動効率を達成している。軸方向に比較的小型形状のボリュートはそれに応じて軸方向に小型の衝動タービン装置を提供する。
【0016】
各ボリュートの断面流域面積は、径方向外側開口部から径方向内側開口部に向かって減少していてもよい。流域面積の減少は、空気が径方向外側開口部から径方向内側開口部に向かってボリュートを通って流れるときに、空気を加速する。同様に、空気流が反対方向の場合、流域面積の増加は空気流を減速する。
【0017】
各ボリュートは軸方向に離間された一組の壁と、周方向に伸びて、軸方向に離間された前記壁の間に複数の流れ制御翼と、を具備している。各ボリュートの径方向内側開口部は、タービンロータに隣接した各ボリュートの壁の略中央領域に設けられてもよい。
【0018】
衝動空気タービンは、各ボリュートを通る流域面積を変化させるための手段を含んでいてもよい。ある実施形態において、各ボリュートの1つまたは双方の壁は軸方向に移動して、流域面積を変化させてもよい。一般的に、タービンロータに隣接した内壁の位置は軸方向に固定されており、外壁の位置は軸方向に移動可能である。流域面積を変化させて、ボリュートを通る流れの状態および結果的にタービンロータにわたった圧力降下が、例えば一般的な海況によって最適化されることが可能であることは有利となり得る。このことは、タービンの減衰および/またはタービン速度の制御も容易にし得る。
【0019】
径方向に隣接し、周方向に伸びた1つ以上の流れ制御翼は、協働して各ボリュート内において周方向に伸びた1つ以上の流れ回廊を形成してもよい。周方向に伸びた1つ以上の流れ回廊は、各ボリュートの径方向外側開口部と径方向内側開口部との間で空気を導く。各流れ回廊は径方向外周開口部と、径方向内周開口部と、を備えていてもよい。
【0020】
周方向に伸びた1つ以上の流れ制御翼は可動式とされ、その掃出し角度を変化させ、これにより、径方向に隣接し周方向に伸びた流れ制御翼の間の空間を変化させ、径方向外周開口部および径方向内周開口部における1つ以上の流れ回廊の断面流域面積を変化させてもよい。
【0021】
周方向に伸びた流れ制御翼および軸方向に離間された壁の代わりに、各ボリュートは周方向に伸びた形態の単一の連続した流体流れ通路を具備していてもよい。
【0022】
各ボリュートの径方向内側開口部は略環状の断面を備えていてもよい。ある配列において、各流れ回廊の径方向内周開口部は、各ボリュートの、可能であれば略環状の軸方向に向けられた径方向内側開口部の径方向外向きに配置されていてもよい。
【0023】
タービン筐体がタービンロータを取り囲み、ボリュートの間で軸方向に伸びていてもよい。機械筐体はタービンロータおよびそれに関連した筐体と、タービンロータの各側のボリュートと、を取り囲んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】タービンロータの各側にボリュートを含んだ、本開示による衝動空気タービン装置を示した断面図である。
【図2】図1の衝動空気タービン装置の分解断面を示した図である。
【図3】図1に示されたボリュートの1つを示した断面図である。
【図4】代替的なボリュートの幾何形状を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
好適な実施形態は、添付図を参照するとともに例示のみによってここに記載されている。
【0026】
図1および2を参照すると、衝動空気タービン装置はタービン軸12を備えた軸流タービンロータ10と、タービンロータ10の周囲に離間して配置された複数のロータブレード14と、を具備し、タービン軸12の周りにタービンロータ10は回転する。衝動空気タービン装置は波力発電プラントの一部を形成しており、そのプラント内において波エネルギ変換器は海の波の上昇および下降の動作を双方向の逆転空気流に変換する。衝動空気タービン装置は、逆転双方向空気流をタービン装置へおよびタービン装置から導くダクト組織を備えた波エネルギ変換器とともに使用するのに特に適している。タービンロータ10は発電機(図示略)に連結されており、発電機を駆動して電力を発生させる。タービンロータ10は、タービン装置を通じた空気流方向に関係なく、タービン軸12の周りに同一の回転方向Rにおいて連続的に回転しなければならないことが理解されるだろう。このことは、本開示の実施形態による衝動タービン装置を使用した効率的な態様を達成する。
【0027】
衝動タービン装置を通じたタービンロータ10へのおよびタービンロータ10からの空気流を最適化し、これによってタービン装置の作動効率を最大化するために、ボリュート(volute)16,116がタービンロータ10の両側に組み付けられ、タービンロータ10へのおよびタービンロータ10からの逆進の空気流を導いている。各ボリュート16,116は、径方向外側開口部18,118と径方向内側開口部20,120との間において、タービン軸12に関して周囲に伸びている。各ボリュート16,116の径方向外側開口部18,118は空気の入力/出力のために接線方向に向けられており、一方で、各ボリュート16,116の径方向内側開口部20,120はタービンロータ10に旋回気流を衝突させる/タービンロータ10から旋回気流を受容するために軸方向に向けられている。通常は、各ボリュート16,116の径方向外側開口部18,118は波エネルギ変換器のダクトに接続され、ボリュート16,116を通じて、空気をタービンロータ10へおよびタービンロータ10から導くことを可能にしている。
【0028】
各ボリュート16,116は軸方向外壁24,124と、タービンロータ10に隣接した軸方向内壁26,126と、を具備している。ボリュート16の軸方向外壁24の一部およびボリュート116の軸方向内壁126の一部のみが図2において図示されており、一方で、ボリュート16の軸方向内壁26およびボリュート116の軸方向外壁124は全体において図2から省略されている。各軸方向内壁26,126はタービン軸12を中心とした環状開口部28,128を含み、それらの開口部は径方向内側開口部20,120として作用する。タービン筐体38はタービンロータ10を取り囲み、軸方向内壁26,126の間に伸びている。図示されていないが、設備筐体がタービンロータ10を取り囲み、空気タービン装置が波力発電プラント内に組み付けられたとき、設備筐体はタービン筐体38およびボリュート16,116と関連付けられる。
【0029】
径方向および周方向に伸びた複数の流れ制御翼30,130は、各ボリュート16,116の軸方向外壁24,124と軸方向内壁26,126との間に配置されている。図2および3に最もよく見られているように、径方向に隣接した流れ制御翼30,130のセットは、協働して径方向および周方向に伸びた流れ回廊32,132を形成し、各々が径方向外周開口部34と径方向内周開口部36とを備えている。各流れ制御翼30,130は、径方向外周開口部34から径方向内周開口部36に向かって、径方向内向きの円周方向において連続的に減少する曲率半径を備えている。径方向に隣接した流れ制御翼30,130は径方向内向きの周方向において一点に収束し、各流れ回廊32,132は径方向外周開口部34から径方向内周開口部36に向かう方向において、徐々に狭くなっている。したがって、各流れ回廊32,132の断面流域面積は径方向内向きの周方向において徐々に減少している。
【0030】
海の波の上昇動作の間、空気は図1に示されたような第1流れ方向F1において衝動空気タービン装置を通じて流れ、より具体的にはタービンロータ10に空気流を導くボリュート16を通じて、次いでタービンロータ10から空気流を導くボリュート116を通じて流れる。同様に、海の波の下降動作の間、空気は反対の第2流れ方向F2において衝動空気タービン装置を通じて流れ、より具体的にはタービンロータ10に空気流を導くボリュート116を通じて、次いでタービンロータ10から空気流を導くボリュート16を通じて流れる。
【0031】
より詳細には、空気流が第1方向F1に流れている場合、空気流は最初に、接線方向に向けられた径方向外側開口部18を通じて接線方向にボリュート16内に流れる。次いで、空気は径方向外側開口部18からタービンロータ10に隣接した径方向内側開口部20に向かって、ボリュート16を通じて径方向内向きの円周方向に流れ制御翼30によって導かれる。空気は徐々に狭くなった流れ回廊32を通り、径方向内向きの円周方向に流れるので、空気は加速され、渦の接線方向の成分が付与される。次いで、渦を巻いた空気流は軸方向に向けられた径方向内側開口部20を通じて導かれ、渦を巻いた空気流はタービンロータ10のロータブレード14に衝突させられ、タービンロータ10を回転させる。
【0032】
次いで、渦を巻いた空気流は軸方向に向けられた径方向内側開口部120を通じてボリュート116内に進入し、径方向内側開口部120から径方向外側開口部118に向かって、ボリュート116を通って径方向外向きの周方向に流れ制御翼130によって導かれる。空気は徐々に広がった流れ回廊132を通じて流れるので、流れは拡散され、渦が消滅する。空気は最終的に径方向外側開口部118を通じて略接線方向にボリュート116から出ていく。
【0033】
空気が反対方向のF2に流れる場合、空気は最初にボリュート116を通じて、その後タービンロータ10を通じて、最終的にボリュート16を通じて流れる。この場合、ボリュート116は空気流を加速し、渦を巻いた空気流がタービンロータ10のロータブレード14に衝突させられる前に、空気流を渦の接線方向の成分が付与される。次いで、ボリュート16は空気流をタービンロータ10から拡散し、渦を消滅させる。衝動空気タービン装置は空気流の方向に関わらず良好な作動効率を達成し、特に低い圧力降下を得ることが可能な大流量に適している。それは、流れの方向が標準的な作動状態の間に6〜12秒ごとに逆転する波力発電プラントに向いている。空気タービン装置は広い空気流量の範囲を超えて効率的に作動することが可能である。
【0034】
ここで図4を参照すると、代替の幾何形状を備えたボリュート216が示されている。ボリュート116の一部に類似したボリュート216の一部は、200だけ増加した同一の参照符号を付している。ただし、特記しない限り、ボリュート216はボリュート16として作動する。ボリュート216はボリュート16,116に類似しており、軸方向に離間された壁の間に配置された径方向および周方向に伸びた流れ制御翼230を具備している。前述のとおり、径方向に隣接した流れ制御翼230は協働して径方向および周方向に伸びた流れ回廊232を形成し、各流れ回廊は径方向外周開口部234と径方向内周開口部236とを備えている。
【0035】
流れ制御翼30,130とは逆に、図4に示された流れ制御翼230はより小さい周方向長さを有し、より短い流れ回廊232を形成している。また、流れ制御翼230は連続的に減少した曲率半径を有していない。その代わりに、各流れ制御翼230の曲率半径は、各流れ回廊232の径方向外周開口部234と径方向内周開口部236との間で変化している。
【0036】
図1〜4に示された実施形態において、各流れ回廊32,132,232の径方向内周開口部36,236は、各ボリュート16,116,216の軸方向に向けられた略環状の径方向内側開口部20,120,220の径方向外向きに配置されている。
【0037】
前述の任意の実施形態において、例えば図4に示された回動組み付け部242の周りに回動可能に1つ以上の流れ制御翼を組み付け、流れ制御翼の掃出し角度が変化可能とされることが所望されてもよい。
【0038】
例示的な実施形態が前述の段落に記載されたが、多様な変形が添付の請求項の範囲から逸脱することなくそれらの実施形態に適用されるかもしれないということが理解されるべきである。したがって、請求項の広さおよび範囲は前述の例示的な実施形態に限定されるべきではない。請求項および図を含んだ明細書に開示された各特徴は、他に明確に宣言されない限り、同一の、等価な、または類似の目的を提供する代替の特徴によって置き換えられてもよい。
【0039】
文章が明確に他のことを要求しない限り、明細書および請求項を通じて「含む」、「具備する」、および同様のとの用語は専用のまたは完全な意味の反対として含まれるものと解釈されるべきであり、すなわち、「含むが限定されるものではない」との意味である。
【符号の説明】
【0040】
10 ・・・タービンロータ
12 ・・・タービン軸
14 ・・・ロータブレード
16,116,216 ・・・ボリュート
18,118 ・・・径方向外側開口部
20,120 ・・・径方向内側開口部
24,124 ・・・軸方向外壁
26,126 ・・・軸方向内壁
28,128 ・・・環状開口部
30,130,230 ・・・流れ制御翼
32,232 ・・・流れ回廊
34,234 ・・・径方向外周開口部
36,236 ・・・径方向内周開口部
38 ・・・タービン筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波力発電プラント内において逆転双方向空気流(F1,F2)とともに使用するための衝動空気タービン装置であって、該衝動空気タービン装置は、
タービン軸の周りに回転するために組み付けられた、軸流タービンロータ(10)と、
該タービンロータの各側に組み付けられて、該タービンロータへおよび該タービンロータから逆転空気流を導くボリュート(16,116;216)であって、各ボリュートは径方向外側開口部(18,118;218)と径方向内側開口部(20,120;220)との間において前記タービン軸に関して周方向に伸びた、ボリュートと、を具備し、
前記径方向外側開口部は前記空気の入力/出力のために接線方向に向けられており、前記径方向内側開口部は渦巻いた空気流を前記タービンロータ(10)に衝突させるため/前記タービンロータ(10)から受け入れるために軸方向に向けられていることを特徴とする衝動空気タービン装置。
【請求項2】
前記各ボリュート(16,116;216)の断面流域面積は、前記径方向外側開口部(18,118;218)から前記径方向内側開口部(20,120;220)に向かって減少していることを特徴とする請求項1に記載の衝動空気タービン装置。
【請求項3】
前記各ボリュート(16,116;216)の径方向内側開口部は、略環状の断面であることを特徴とする請求項1または2に記載の衝動空気タービン装置。
【請求項4】
前記各ボリュート(16,116;216)は軸方向に離間された一組の壁(24,26,124,126)と、径方向および周方向に伸びて、軸方向に離間された前記壁の間に配置された複数の流れ制御翼(30,130;230)と、を具備していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の衝動空気タービン装置。
【請求項5】
前記各ボリュート(16,116;216)の径方向内側開口部(20,120;220)は、前記タービンロータ(10)に隣接した壁(26,126)の略中央領域に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の衝動空気タービン装置。
【請求項6】
前記各ボリュートの壁(24,26,124,126)の少なくとも1つは前記タービン軸(12)に対して軸方向に移動可能とされ、各ボリュート(16,116;216)を通じた流れ面積を変化させることを特徴とする請求項4または5に記載の衝動空気タービン装置。
【請求項7】
1つ以上の前記流れ制御翼(30,130;230)は可動式とされ、掃出し角度を変化させることを特徴とする請求項4または5に記載の衝動空気タービン装置。
【請求項8】
1つ以上の径方向に隣接した前記流れ制御翼(30,130;230)は、協働して前記ボリュート内で径方向および周方向に伸びた流れ回廊(32,132;232)を形成し、各流れ回廊は径方向外周開口部(34,134;234)と径方向内周開口部(36,136;236)とを備えていることを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項に記載の衝動空気タービン装置。
【請求項9】
前記各流れ回廊(32,132;232)の径方向内周開口部(36,136;236)は、各ボリュートの軸方向に向けられた径方向内側開口部(20,120;220)の径方向外向きに配置されていることを特徴とする請求項8に記載の衝動空気タービン装置。
【請求項10】
前記各ボリュート(16,116;216)は周方向に伸びたダクトを具備していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の衝動空気タービン装置。
【請求項11】
前記タービンロータ(10)を取り囲み、且つ前記ボリュート(16,116;216)の間において軸方向に伸びたタービン筐体をさらに具備していることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の衝動空気タービン装置。
【請求項12】
逆転双方向空気流を供給するための波力エネルギ変換器と、前記逆転双方向空気流(F1,F2)によって駆動されるために設置され且つ発電機に連結されて該発電機を駆動する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の衝動空気タービン装置と、を具備していることを特徴とする波力発電プラント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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