説明

注入材及び注入工法

【課題】ブリーディング即ち粒子の沈降が無く凝結の早い注入材と1ショット方式での注入が可能となる注入工法を提供する。
【解決手段】(1)特定の配合割合である、微粉セメント、微粉スラグ、アルミノケイ酸カルシウムガラス、石膏、及び硫酸アルミニウムおよび/または炭酸塩を含有してなる注入材、(2)95%積算粒子径が10μm以下である(1)の注入材、(3)(1)または(2)の注入材において、微粉セメント、微粉スラグ、アルミノケイ酸カルシウムガラス、石膏、及び硫酸アルミニウムおよび/または炭酸塩を予め混合したものを水と混合して、1ショット方式で注入する注入工法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種土木工事におけるトンネル工事、地盤改良工事や止水工事で用いられる地盤注入材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セメントを用いた注入工法で、地盤の補強や止水効果を得るため、微粉スラグを主成分とした注入材やセメントとカルシウムアルミネ−ト等を含む急硬材を用いた注入材が用いられている(特許文献1、2、3、4参照)。
【0003】
しかしながら、微粉スラグを使用した注入材は凝結が非常に遅く、注入したミルクが地下水に流され、または、所定の注入位置から流れて逸脱することがあった。また、粒子の沈降、すなわち、ブリーディングが多く、ミキサ内および圧送ホース内での沈降が生じ、閉塞等のトラブルが生じることがあった。
【0004】
カルシウムアルミネートを使用した急硬性の注入材は、セメントミルクと急硬材スラリーを別々に混練りし、注入直前に混合するので、ミキサやポンプが各2台必要であり、施工性が煩雑という課題があった。また、前記した沈降による閉塞等のトラブルが生じることがあった。
施工性を簡便にすべく、セメントと急硬材を混合し同時練りした場合、硬化時間の制御が難しく、ミキサやポンプを固めてしまうトラブルが発生することがあった。地盤が細砂、シルト、あるいは粘土の場合は浸透性が小さく、注入が不可能となることがあった。
【0005】
また、従来の注入材では、注入の際、ポンプ圧送性の向上や、地盤中への浸透性を増す目的で水量を増す場合があるが、その結果、硬化が遅れ、強度が低くなる等のおそれがあった。
【0006】
微粒子セメント、微粒子スラグ、アルミノケイ酸カルシウム、石膏、凝結調整剤、及び減水剤を含有する注入材が提案されている(特許文献5参照)。しかしながら、凝結調整剤、及び減水剤の使用は、硬化時間の制御の難しさや、ブリーディング率が増加するため、本発明の使用とは異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−33057号公報
【特許文献2】特公昭57−10058号公報
【特許文献3】特開2004−149685号公報
【特許文献4】特開2006−016543号公報
【特許文献5】特開2002−88364号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決すべく種々検討した結果、特定の材料を使用することにより、従来、問題の多かったブリーディング即ち粒子の沈降を無くし、凝結の早い、1ショット方式での注入を可能となるという知見を得て本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0009】
即ち、本発明は、(1)微粉セメント、微粉スラグ、アルミノケイ酸カルシウムガラス、石膏、及び硫酸アルミニウムおよび/または炭酸塩を以下の割合で含有してなる注入材。
(A)微粉セメントと微粉スラグの割合が、微粉セメント3〜30質量部に対して微粉スラグ97〜70質量部
(B)石膏の使用量が、アルミノケイ酸カルシウムガラス100質量部に対して50〜200質量部
(C)微粉セメントと微粉スラグの合計とアルミノケイ酸カルシウムガラスと石膏の合計の割合が、セメントと高炉スラグの合計95〜99.5質量部に対してアルミノケイ酸カルシウムガラスと石膏の合計5〜0.5質量部
(D)硫酸アルミニウム及び/または炭酸塩の使用量が、微粉セメント、微粉スラグ、アルミノケイ酸カルシウムガラス、及び石膏の合計100質量部に対して0.05〜1質量部
であり、
(2)95%積算粒子径が10μm以下である(1)の注入材であり、
(3)(1)または(2)の注入材において、微粉セメント、微粉スラグ、アルミノケイ酸カルシウムガラス、石膏、及び硫酸アルミニウムおよび/または炭酸塩を予め混合したものを水と混合して、1ショット方式で注入することを特徴とする注入工法、
である。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、ブリーディングが少なく、閉塞等のトラブルを無く、注入後の凝結が早い注入材が得られ、1ショットでの注入が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明で使用する微粉セメントは、普通、早強、及び超早強等の各種ポルトランドセメントを粉砕または分級により、好ましくは平均粒子径10μm以下の超微粒子セメントにしたものである。より好ましくは7μm以下である。10μmを超えると、注入時の浸透性が低下することに加え、初期の強度発現性の向上を十分示さない場合がある。
【0013】
本発明で使用する微粉スラグは、鉄鋼製造の過程で高炉から排出される溶融状態のスラグを水等で急冷してガラス質にし、粉砕して微粉末化したもので、潜在水硬性を有しており、アルカリの刺激作用により硬化する性質を持つものである。これ以外の、例えば、都市ゴミや下水汚泥等を溶融したスラグ、脱燐スラグ、徐冷スラグ等も使用することができる。
【0014】
微粉スラグを含有することで高い注入性と長期強度の発現性が付与される。スラグの95%積算粒子径が、好ましくは10μm以下、より好ましくは7μm以下である。10μmを超えると、注入時の浸透性が低下することに加え、短・長期の強度発現性の向上を十分に示さない場合がある。
【0015】
微粉セメントと微粉スラグの割合は、微粉セメント3〜30質量部に対して微粉スラグ97〜70質量部が好ましく、微粉セメント5〜20質量部に対して微粉スラグ95〜80質量部質量部がより好ましい。微粉セメントの使用量が3質量部未満では短期強度が小さい場合があり、30質量部を超えると注入材を懸濁液としたときの粘度が大きくなり、浸透性が低下する場合がある。
【0016】
本発明で使用するアルミノケイ酸カルシウム(以下、CASという)は、CaO、Al、およびSiOを含有するものであり、石膏との併用により主として、遅延剤を使用しなくても、初期の硬化を防ぎ、緩やかな凝結促進およびブリーディング低下、粒子の沈降防止に寄与するものである。
【0017】
CASの組成は、CaO含有率20〜60%、Al含有率20〜70%、及びSiO含有率5〜30%が好ましく、CaO含有率30〜55%、Al含有率30〜60%、及びSiO含有率10〜20%がより好ましい。この範囲外では短期強度が小さくなる場合がある。
【0018】
CASは、石灰石等のカルシア原料、アルミナ、ボーキサイト、長石、及び粘土等のアルミナ原料、並びに、ケイ石、ケイ砂、石英、およびケイ藻土等のシリカ原料等を所定の割合で配合した後、ロータリーキルン等で焼成、又は、電気炉や高周波炉等で溶融することにより製造する。
【0019】
CASとしては、2CaO・Al・SiOやCaO・Al・2SiO等の結晶性化合物を使用することも可能であるが、短期強度が大きい点で、溶融物を急冷して得られるガラス質のものが好ましい。
【0020】
CASのガラス化率は、CASを1000℃で2時間加熱後、5℃/分の冷却速度で徐冷し、粉末X線回折法により結晶鉱物のメインピークの面積Sを求め、CASの結晶のメインピークSから、X(%)=100×(1−S/S)として求められるものである。CASのガラス化率は、短期強度の点で、50%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上が最も好ましい。50%未満では短期強度が小さい場合がある。
【0021】
CASの粒度は、95%積算粒子径が、好ましくは10μm以下、より好ましくは7μm以下である。10μmを超えると、注入時の浸透性が低下し、短期の強度発現性の向上が不良な場合がある。
【0022】
本発明で使用する石膏としては、無水石膏、半水石膏、および二水石膏が挙げられる。さらに、天然石膏や、リン酸副生石膏、排脱石膏、およびフッ酸副生石膏等の化学石膏、またはこれらを熱処理して得られる石膏等が挙げられる。これらの中では、強度発現性が大きい点で無水石膏が好ましい。
【0023】
石膏の粒度は、95%積算粒子径が、好ましくは10μm以下、より好ましくは7μm以下である。10μmを超えると注入時の浸透性が低下する場合がある。
【0024】
石膏の使用量は、CAS100質量部に対して50〜200質量部が好ましく、70〜150質量部がより好ましい。50質量部未満では短期強度が小さい場合があり、200質量部を超えるとブリーディンが悪くなる場合がある。
【0025】
微粉セメントと微粉スラグの合計(以下、主材という)と、CASと石膏の合計(以下、促進材という)の割合は、微粉セメントと微粉スラグの合計95〜99.5質量部に対して促進材5〜0.5質量部が好ましく、微粉セメントと微粉スラグの合計が96〜99質量部に対して促進材4〜1質量部がより好ましい。促進材が0.5質量部未満ではブリーディング防止効果が無く、凝結が遅くなり、短期強度の発現が不良の場合があり、促進材が5質量部を超えると短時間での硬化が発生し、ミキサやポンプを固めてしまい、浸透性が悪くなる場合がある。
【0026】
本発明では、更にブリーディングを減じ、所定の凝結が得られるように、硫酸アルミニウムおよび/または炭酸塩(以下、添加剤と言う)を使用する。
【0027】
本発明で使用する硫酸アルミニウムとしては、無水物と含水物があるが、本発明ではどちらでも使用できる。硫酸アルミニウム無水物は空気中の水分により潮解する場合があるので、保管場所やセメントに吸着する可能性があり、効果が低減するので吸水しないようにする必要がある。一方、硫酸アルミニウム含水物は吸水力が弱く、比較的作業性や溶解性もよい。
【0028】
硫酸アルミニウムは溶解性であるので、その粒度は大きな問題では無いが、溶解度から最大粒子径は1mm以下が好ましい。1mmを越えると溶解度が悪くなる場合がある。
【0029】
炭酸塩としては、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムが挙げられ、溶解性等から炭酸ナトリウムが好ましい。
硫酸アルミニウムと炭酸塩の使用量は、硫酸アルミニウム0〜100質量部に対して炭酸塩100〜0質量部、好ましくは、硫酸アルミニウム30〜100質量部に対して炭酸塩70〜0質量部である。
【0030】
添加剤の使用量は、水比に応じて調整するため特に限定されるものではないが、微粉セメント、微粉スラグ、アルミノケイ酸カルシウムガラス、および石膏の合計100質量部に対して0.05〜1質量部、0.1〜0.7質量部がより好ましい。0.05質量部未満ではブリーディング防止の確保がしにくい場合があり、1質量部を超えると凝結時間が短くなり、注入に不具合が生ずる場合がある。
【0031】
本発明における注入材の95%積算粒子径は、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、7μm以下がさらに好ましい。20μmを超えると地盤の地質によっては微細な間隙への注入が困難になる場合がある。
【0032】
本注入材の粒度の調製方法は、特に限定されるものではないが、各材料を別々にボ−ルミル等の粉砕機で粉砕し、分級により20μm以下のものを集め、その後混合する方法や、各材料を混合した後に粉砕し、分級により20μm以下のものを集める方法のいずれも使用可能である。しかしながら、各材料を混合した後に粉砕し、分級すると、各材料の密度差により混合比が変わることがある。本注入材の粒度の調製方法は、各材料を別々に粉砕後、分級し、その後混合する方法が好ましい。
【0033】
注入材を懸濁液とする場合の水の使用量はポンプで圧送できれば特に限定されるものではないが、注入材100質量部に対して、100〜500質量部が好ましく、150〜300質量部がより好ましい。100質量部未満では懸濁液の粘度が高くなり、浸透性が小さくなる場合があり、500質量部を超えるとブリーディングを抑えることが難しく、凝結が極端に遅れ、硬化しない場合がある。
【0034】
本発明では、地盤中への浸透性を向上させるため、減水剤を使用することが可能である。
減水剤としては、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩系、リグニンスルホン酸系、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物塩系、ポリカルボン酸塩系、及びポリエ−テル系の高性能減水剤が挙げられる。これらの中では、注入材の懸濁液の粘度が小さい点で、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩系、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物塩系が好ましい。
【0035】
減水剤の使用量は、注入材100質量部に対して固形分概算で2質量部以下が好ましい。
ただし、減水剤の使用は、ブリーディングの一因となるので、使用量を決定する際は、水比の管理や施工法等に注意を払う必要がある。
【0036】
注入材の練り混ぜ方法や注入方法は、特に限定されるものではない。注入管の種類により、単管ロット工法、単管ストレーナー工法、二重管単相工法、二重管複相工法、二重管ダブルパッカ−工法等、現在使用されている工法に適用可能である。
【0037】
懸濁液を地盤内に注入する方法として、1ショット方式、1.5ショット方式、2ショット方式がある。
1ショット方式とは、セメントと高炉スラグからなる主材と急硬材を所定の配合比率で薬液ミキサにより予め撹拌混合し、主材と促進材を混合した1材状態の懸濁液を圧送して地盤に注入する方式である。
1.5ショット方式は、主材と促進材をポンプで個別に注入管に送り、注入管の頭部で2材を混合し、混合した懸濁液を注入管の先端から吐出して地盤に注入する方式である。
2ショット方式とは、1.5ショット方式と同様に、主材と急硬材をポンプで個別に注入管に送り、注入管の先端から吐出される瞬間に2材を混合する方式である。
本発明は、1材状態のゲル化時間を確保でき、ミキサやポンプを固めないので、1ショット方式に適用できる。1ショット方式の場合、セメントミルクと急硬材スラリーを予め混合するので、ミキサやポンプが1台で済み、施工性が簡便という利点を有する。
【実施例】
【0038】
以下、実験例により本発明を詳細に説明する。
【0039】
実験例1
セメント、スラグ、CAS、石膏を分級、粉砕した。その後、微粉セメント20質量部と微粉スラグ80質量部からなる主材97質量部と、CAS100質量部と石膏100質量部からなる促進材3質量部を混合し、95%積算粒子径が7μmの注入材を作製した。主材+促進材100質量部に対して表1に示す種類と量の添加剤と、水200質量部を混合し、1液すなわち1ショット型懸濁液を作製した。懸濁液を作製後、ブリーディングおよび凝結時間の測定を行った。結果を表1に示す。
【0040】
<使用材料>
微粉セメント:普通ポルトランドセメント分級品
微粉スラグ:高炉水砕スラグ微粉砕品CAS:CaO45%、Al40%、およびSiO15%の組成のガラス質、ガラス化率95%微粉砕品石膏:天然無水石膏微粉砕品硫酸アルミニウム:市販品、無水物炭酸ナトリウム:市販品
水:水道水
【0041】
<測定方法>
ブリーディング率:JSCE−F522−1999「プレパックド」コンクリートの注入モルタルのブリーディング率および膨張率試験方法(ポリエチレン袋法)による。
凝結時間:懸濁液をカップに入れてから、懸濁液を入れたカップを傾けた時点で、懸濁液表面に粘度上昇により「しわ」が出来る状態までの時間。
粒子径:レーザー回折法により粒度分布を測定し積算径を算出。機種は、LA−920(堀場製作所社製)を使用した。
【0042】
【表1】

【0043】
実験例2
表2に示す微粉セメントと微粉スラグおよび急硬材からなる注入材を使用し、懸濁液を作製したこと以外は、実験例1と同様に懸濁液を作製し、試験を実施した。結果を表2に示した。
【0044】
<測定方法>
浸透長さ:直径5cmの土木学会基準ビニル袋に豊浦硅砂を20cmになるように充填し、作製した懸濁液20mlを上部面より静かに注ぎ入れ、自然浸透させた。2時間後、模擬砂層への浸透長さを測定した。
1日強度:硬化時間の測定において、硬化してから24時間後の圧縮強度を測定。供試体寸法は4×4×16cm圧縮強度の測定はJIS R 5201に準じた。
【0045】
【表2】

【0046】
実験例3
95%積算粒子径を変えたこと以外は、実験例1と同様に懸濁液を作製し、試験を実施した。結果を表3に示す。
【0047】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明により、ブリーディングが少なく、閉塞等のトラブルを無く、注入後の凝結が早い注入材が得られ、1ショットでの注入が可能となるので、主に、土木、建築分野で使用可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粉セメント、微粉スラグ、アルミノケイ酸カルシウムガラス、石膏、及び硫酸アルミニウムおよび/または炭酸塩を以下の割合で含有してなる注入材。
(A)微粉セメントと微粉スラグの割合が、微粉セメント3〜30質量部に対して微粉スラグ97〜70質量部
(B)石膏の使用量が、アルミノケイ酸カルシウムガラス100質量部に対して50〜200質量部
(C)微粉セメントと微粉スラグの合計とアルミノケイ酸カルシウムガラスと石膏の合計の割合が、セメントと微粉スラグの合計95〜99.5質量部に対してアルミノケイ酸カルシウムガラスと石膏の合計5〜0.5質量部
(D)硫酸アルミニウム及び/または炭酸塩の使用量が、微粉セメント、微粉スラグ、アルミノケイ酸カルシウムガラス、及び石膏の合計100質量部に対して0.05〜1質量部
【請求項2】
95%積算粒子径が10μm以下である請求項1に記載の注入材。
【請求項3】
請求項1または2に記載の注入材において、微粉セメント、微粉スラグ、アルミノケイ酸カルシウムガラス、石膏、及び硫酸アルミニウムおよび/または炭酸塩を予め混合したものを水と混合して、1ショット方式で注入することを特徴とする注入工法。

【公開番号】特開2011−122018(P2011−122018A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−279338(P2009−279338)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(000003296)電気化学工業株式会社 (1,539)
【Fターム(参考)】