説明

注出具及びそれを備える収納容器

【課題】包装袋に容易に装着可能な注出具及びそれを備える収納容器を提供する。
【解決手段】上端に注出口30aを開口した筒状の注出部10と、注出部10に螺合して注出口30aを塞ぐ蓋部20とを備え、袋状の包装袋に挿入口を介して熱接着される注出具10であって、注出部10が下端に向かって縮径するとともに先端30bが閉口した傾斜部38を有し、傾斜部38の周面に一または複数の開口部38bを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流体物を収納する収納容器の注出口を形成する注出具に関する。また、本発明は、注出口を有して流体物を収納する収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、樹脂フィルムやアルミニウム箔等の金属箔などを適宜組み合わせた積層体からなる包装袋を有する収納容器に液状やゲル状の流体物が充填されて多数市販されている。このような収納容器には樹脂成形された注出具を装着して注出口が形成される。
【0003】
特許文献1に開示される注出具は上端に注出口を開口した筒状の注出部と注出部の上面を開閉する冠状の蓋部とで構成されている。また、注出具は包装袋に設けられた挿入口から挿入され、包装袋を構成するフィルム状の積層体により挟持されながら包装袋と熱接着している。このとき、注出具の下端は軸方向と直交する開口面が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−105315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の収納容器によると、包装袋の挿入口の内径が注出具の外径に対して大きすぎると、熱溶着によって包装袋と注出具との間に隙間が形成されて歩留まりが低下する。しかしながら、収納容器の歩留まり低下を防止するために挿入口の内径を注出具の外径に略一致させると、注出具の挿入が困難になる問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑み、包装袋に容易に装着可能な注出具及びそれを備えた収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、上端に注出口を開口した筒状の注出部と、前記注出部に螺合して前記注出口を塞ぐ蓋部とを備え、袋状の包装袋に挿入口を介して挿入して熱接着される注出具であって、前記注出部が下端に向かって縮径するとともに先端が閉口した傾斜部を有し、前記傾斜部の周面に一または複数の開口部を設けたことを特徴としている。
【0008】
この構成によると、注出具は傾斜部の下端から包装袋の挿入口に挿入されて熱接着される。蓋部を開くと包装袋内に収納される流体物は開口部を介して注出部内を流通し、注出口から流出する。
【0009】
また、本発明の注出具は、上記構成において、前記開口部の開口面積の総和が前記注出口の開口面積よりも大きいことを特徴としている。
【0010】
また、本発明の注出具は、上記構成において、前記注出部は前記蓋部と前記傾斜部との間の外周面において径方向に突出する第1突出部及び第2突出部が軸方向に並設され、第1突出部の下方に第2突出部を配したことを特徴としている。
【0011】
この構成によると、第1突出部と第2突出部の間を保持して注出具が包装袋の挿入口に挿入される。包装袋の上端と下方に配した第2突出部との当接により注出具と包装袋との相対位置を位置決めして注出具が熱接着される。
【0012】
また、本発明の注出具は、上記構成において、第2突出部と前記傾斜部との間の外周面から径方向に突出するとともに第1突出部及び第2突出部より突出量が小さい環状のリブを設けたことを特徴としている。この構成によると、包装袋と注出具との熱接着時にリブが溶融する。
【0013】
また、本発明の注出具は、上記構成において、前記リブは下方に行くにほど径が小さくなることを特徴としている。
【0014】
また、本発明の注出具は、上記構成において、前記注出部は第2突出部と前記傾斜部との間が円筒状に形成されていることを特徴としている。
【0015】
また、本発明の注出具は、上記構成において、前記注出部がポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂により形成されていることを特徴としている。
【0016】
また、本発明の注出具は、上記構成において、前記注出部及び前記蓋部がPCO−1810規格又はALCOA−1716規格に基づくことを特徴としている。
【0017】
また、本発明の収納容器は、上記構成の注出具をフィルム状の積層体により形成される袋状の包装袋に挿入口を介して挿入して熱接着したことを特徴としている。
【0018】
また、本発明の収納容器は、上記構成の注出具をフィルム状部材により形成される袋状の包装袋に挿入口を介して挿入して熱接着した収納容器であって、第2突出部と前記包装袋の上端が当接するとともに前記リブが熱溶着によって溶融することを特徴としている。
【0019】
また、本発明の収納容器は、上記構成において、熱接着前の前記挿入口の内径が前記注出部の外径に略等しいことを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、注出部が下端に向かって縮径しているため、包装袋の挿入口に注出具を容易に挿入することができる。また、注出部の先端が閉口しているため、注出部の強度が向上し、挿入口に挿入時の注出部の変形を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る注出具を備える収納容器の斜視図
【図2】本発明の実施形態に係る注出具の縦断面図
【図3】図2中のA−A線断面図
【図4】本発明の実施形態に係る注出具を備える収納容器の包装袋の層構成を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は注出具10を備える収納容器1の斜視図を示している。
【0023】
収納容器1は包装袋40の上端の挿入口43に注出具10を挿入して形成される。包装袋40は後述する少なくとも基材層61とバリア層62と熱接着層63とを含む積層体60(図4参照)により形成される。包装袋40は最内層の熱接着層63を対向させて所定幅で周縁部の熱接着部41を熱接着することにより形成され、流体物を収納するための収納空間48を有する。
【0024】
包装袋40の上部には管状の管状部42が上方に突出し、管状部42の上端に挿入口43が開口している。このとき、挿入口40が包装袋40の上端となる。挿入口43には樹脂成型された注出具10が挿嵌されている。注出具10は注出部30と蓋部20とで構成され、注出部30の外周面と管状部42の内周面とが当接する接着部44で熱接着している。管状部42を突出して設けることにより、接着部44を大きく設けることができる。これにより、注出部30の外周を安定的に密封することができる。
【0025】
図2は注出具10の縦断面図を示している。図3は図2のA−A線断面図を示している。注出部30は上端に注出口30aを開口する筒状体である。また、注出部30の下部には下端に向かって縮径するとともに先端が閉口した傾斜部38が設けられている。傾斜部38の傾斜面38aには複数の開口部38bが設けられている。
【0026】
傾斜部38が下端に向かって縮径しているため、挿入口43から注出具10を容易に挿入することができる。これにより、挿入口43の内径を小さく形成して挿入後の管状部42の内周面と注出部30の外周面との間に形成される隙間を小さくすることができる。したがって、熱接着によって注出部30の外周を安定的に密封することができる。なお、熱接着前の挿入口43の内径を注出部30の外径と略等しく形成することにより、注出部30の外周をより安定的に密封することができる。
【0027】
また、注出部30の先端は閉口しており、注出部30の先端30bは強度が高く、挿入時に管状部42の内周面に注出部30の先端30bが当たった場合でも変形しにくい。
【0028】
また、傾斜面38aおいて複数設けられた開口部38bの開口面積の総和は注出口30aの開口面積よりも大きく形成されている。これにより、多量の流体物を開口部38bから注出口30aに送り込み、流体物を円滑に注出することができる。
【0029】
また、蓋部20と傾斜部38との間に注出部30の外周面から径方向に突出する第1突出部35及び第2突出部36が軸方向に並設されている。このとき、第1突出部35の下方に第2突出部36が配される。これにより、注出具10を挿入口43に挿入したとき、包装袋40の上端である挿入口43が第2突出部36に当接して注出具10が係止される。したがって、包装袋40における注出具10の相対位置を位置決めして注出具10が包装袋40に熱接着される。
【0030】
注出具10は注出部30の外周面において第2突出部36と傾斜部38の間の領域で包装袋40と熱接着する。また、第2突出部36と傾斜部38との間には注出部30の外周面から径方向に突出する環状のリブ37が軸方向に複数並設されている。リブ37は第1突出部35及び第2突出部36より突出量が小さい。このため、リブ37は熱接着の熱により容易に熱溶融する。したがって、リブ37と包装袋40の最内層に配された熱接着層63とが熱溶融により一体となる。これにより、注出部30と包装袋40とをより安定的に接着することができる。
【0031】
なお、リブ37は下方に行くにほど径が小さく形成されている。これにより、注出具10の挿入時にリブ37が管状部42の内周面に係止するのを防止することができる。また、注出部30の熱接着される第2突出部36と傾斜部38との間は円筒状に形成されている。これにより、管状に形成された管状部42に注出具10を容易に挿入することができる。
【0032】
また、注出部30の外周面において径方向に突出する第1突出部35及び第2突出部36の間に囲まれる領域が注出具10を保持する領域となる。この領域を保持部材で挟持することにより、上方及び下方に形成された第1突出部35及び第2突出部36が保持部材と当接する。これにより、包装袋40に挿入された注出具10を安定して保持することができ、熱接着する際に接着部44が上下にズレるのを防ぐことができる。
【0033】
また、注出部30の上端に設けられた注出口30aの下方にはネジ部31が形成されている。ネジ部31は蓋部20の内周面に設けられたネジ部21と螺合する。
【0034】
ネジ部31の下方には径方向に突出する環状の凸部34が凸設されている。蓋部20にはネジ部21の下方に接続部23を介して環状のリング部22が連結されている。接続部23は周方向に所定間隔で設けられている。これにより、接続部23はリング部22を固定した状態で蓋部23を周方向に回転させることにより容易に切断される。
【0035】
リング部22の内周面には径方向に突出して凸部34に係合する係合部24が周方向に所定間隔で突設されている。また、係合部24は接続部23に近づくにつれてリング部22から離れる方向に突出している。蓋部20はリング部22が連結された状態で注出部30の外側に螺合方向に回転させながら挿入して注出部30に螺着される。
【0036】
このとき、蓋部20の係合部24が注出部30の外周面のネジ部31に当接すると、係合部24がリング部22側に屈曲しながら挿入され、リグ部22の係合部24が注出部30の凸部34に係合したときに蓋部20が注出部30に固定される。一旦、凸部34に係合した係合部24は蓋部20の挿脱方向において固定され、接続部23を切断しなければ蓋部20を注出部30から螺脱して注出部30を開封することはできない。
【0037】
係合部24が凸部34に嵌合した蓋部20を螺脱方向に力を入れて回すと、ネジ部21がネジ部31に沿って回転して蓋部20が注出部30から螺脱する。一方、リング部22は係合部24が凸部34と係合して注出部30に固定されており、蓋部20を螺脱方向に回してもリング部22は螺脱しない。
【0038】
これにより、リング部22と切り離された蓋部20を螺脱方向に回し続けることにより蓋部20が注出部30から外れて注出部30が開封される。このとき、リング部22は係合部24と凸部34が係合して脱離不能な状態で注出部30の外周面に残る。開封後に蓋部20を再度螺合することによって注出口30aが塞がれ、流体物が残った状態で収納容器1を携行することができる。
【0039】
なお、樹脂成形された注出部30はポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂で構成することが好ましい。これにより、熱接着層63と注出部30とを安定的に熱接着することができる。
【0040】
また、注出部30及び蓋部20はPCO−1810規格又はALCOA−1716規格に対応することが好ましい。PCO−1810規格及びALCOA−1716規格は日本国内で飲料用ペットボトル容器のキャップに最も多く使用されている規格である。この規格で注出部30及び蓋部20を形成することにより、飲料用ペットボトル容器のキャップを蓋部20に転用することができる。
【0041】
図4は、包装袋40を構成する積層体60の層構成を示す断面図である。包装袋40を構成する積層体60は、最外層である基材層61と最内層である熱接着層63と中間層であるバリア層62を順次積層して構成される。各層は、例えば、ドライラミネート接着剤により接着している。
【0042】
基材層61は、収納容器1が物理的及び化学的に過酷な条件におかれる場合、収納容器1に高い密封性、耐突き刺し(耐ピンホール)性、耐熱性、耐光性、品質保全性、作業性、衛生性等を付与するものである。
【0043】
基材層61としては、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロース等の公知の樹脂フィルムないしシートを任意に選択して使用することができる。
【0044】
熱接着層63は、熱によって溶融して対向する積層体60を相互に融着するとともに注出部30と安定して熱接着し得るものであればよい。例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)を使用して重合したエチレン・α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマール酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂等から選ばれた1種ないし2種以上を使用することができる。好ましいものとしては、直鎖状低密度ポリエチレンを挙げることができる。熱接着層63の厚さとしては、ヒートシール性等を考慮すると、10μm〜100μm程度、特に15μm〜50μm程度であることが好ましい。
【0045】
バリア層62はアルミニウム、ニッケルなどの金属、酸化珪素、アルミナ等を蒸着したフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートの耐熱性樹脂を使用することができる。また、バリア層62を省略して軟質性の積層体60とすることもできる。
【0046】
ドライラミネート接着剤は、積層体60を構成する基材層61、バリア層62、熱接着層63を強固に密着させて層間剥離(デラミネーション)の発生を防止するものである。ドライラミネート接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸のエチル、ブチル、2−エチルヘキシルエステル等のホモポリマー、あるいは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマーとの共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着剤等を使用することができる。
【0047】
本実施形態によると、注出部30を下端に向かって縮径するとともに先端30bが閉口する傾斜部38を形成することにより、包装袋40の挿入口43に注出具10を容易に挿入することができる。また、注出部30の先端が閉口しているため、注出部30の強度が向上し、挿入口43に挿入時の注出部30の変形を防ぐことができる。
【0048】
また、熱接着前の挿入口43の内径を注出部30の外径と略等しく形成することにより、挿入後、挿入口43の内周面と注出部30の外周面との間に形成される隙間が小さくなる。したがって、熱接着により注出部30の外周を安定的に密封することができる。
【0049】
また、傾斜部38に設けられた開口部38bの開口面積の総和が注出口30aの開口面積よりも大きいため、多量の流体物を開口部38bから注出口30aに送り込み、流体物を円滑に注出することができる。
【0050】
また、蓋部20と傾斜部38との間に外周面から径方向に突出する第1突出部35及び第2突出部36を軸方向に並設し、第1突出部36の下方に第2突出部36を配すことにより、挿入口43から注出具10を挿入したとき包装袋40の上端である挿入口43が第2突出部36に当接して注出具10が係止される。したがって、包装袋40に対する相対的な注出具10の位置決めを容易に行うことができる。
【0051】
また、注出部30の外周面において径方向に突出する第1突出部35及び第2突出部36の間に囲まれる領域を保持部材で挟持することにより、上方及び下方に形成された第1突出部35及び第2突出部36が保持部材と当接する。これにより、包装袋40に挿入された注出具10を安定して保持することができ、熱接着する際に接着部44が上下にズレが生じるのを防ぐことができる。
【0052】
また、第2突出部36と傾斜部38との間の外周面から径方向に突出するリブ37を設け、リブ37を第1突出部35及び第2突出部36より小さく形成する。これによりリブ37は熱接着の熱により容易に熱溶融する。したがって、リブ37と包装袋40の最内層に配された熱接着層63とが熱溶融により一体となる。これにより、注出部30と包装袋40とをより安定的に接着することができる。
【0053】
また、リブ37を下方に行くにほど径が小さく形成することにより、注出具10の挿入時にリブ37が管状部42の内周面に係止するのを防止することができる。また、注出部30の熱接着される第2突出部36と傾斜部38との間を円筒状に形成することにより、外方に突出して形成された管状部42に注出具10を容易に挿入することができる。
【0054】
また、注出部30をポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂により形成することにより、包装袋40を構成する積層体60と注出部30とを安定的に熱接着することができる。
【0055】
また、注出部30及び蓋部20をPCO−1810規格又はALCOA−1716規格に基づいて形成することにより、飲料用ペットボトル容器のキャップを蓋部20に転用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、流体物として液状、ゲル状等の食品や日用品、医薬製剤を包装する収納容器に取り付けられる注出具に利用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 収納容器
10 注出具
20 蓋部
21 ネジ部
22 リング部
23 接続部
24 係合部
30 注出部
30a 注出口
30b 先端
31 ネジ部
34 凸部
35 第1突出部
36 第2突出部
37 リブ
38 傾斜部
38a 傾斜面
38b 開口部
40 包装袋
41 熱接着部
42 管状部
43 挿入口
44 接着部
48 収納空間
60 積層体
61 基材層
62 バリア層
63 熱接着層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端に注出口を開口した筒状の注出部と、前記注出部に螺合して前記注出口を塞ぐ蓋部とを備え、袋状の包装袋に挿入口を介して挿入して熱接着される注出具であって、前記注出部が下端に向かって縮径するとともに先端が閉口した傾斜部を有し、前記傾斜部の周面に一または複数の開口部を設けたことを特徴とする注出具。
【請求項2】
前記開口部の開口面積の総和が前記注出口の開口面積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の注出具。
【請求項3】
前記注出部は前記蓋部と前記傾斜部との間の外周面において径方向に突出する第1突出部及び第2突出部が軸方向に並設され、第1突出部の下方に第2突出部を配したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の注出具。
【請求項4】
第2突出部と前記傾斜部との間の外周面から径方向に突出するとともに第1突出部及び第2突出部より突出量が小さい環状のリブを設けたことを特徴とする請求項3に記載の注出具。
【請求項5】
前記リブは下方に行くにほど径が小さくなることを特徴とする請求項4に記載の注出具。
【請求項6】
前記注出部は第2突出部と前記傾斜部との間が円筒状に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の注出具。
【請求項7】
前記注出部がポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の注出具。
【請求項8】
前記注出部及び前記蓋部がPCO−1810規格又はALCOA−1716規格に基づくことを特徴とする請求項1〜請求項7に記載の注出具。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれかに記載の注出具をフィルム状の積層体により形成される袋状の包装袋に挿入口を介して挿入して熱接着したことを特徴とする収納容器
【請求項10】
請求項4または請求項5に記載の注出具をフィルム状部材により形成される袋状の包装袋に挿入口を介して挿入して熱接着した収納容器であって、第2突出部と前記包装袋の上端が当接するとともに前記リブが熱溶着によって溶融することを特徴とする収納容器。
【請求項11】
熱接着前の前記挿入口の内径が前記注出部の外径に略等しいことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−86867(P2013−86867A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231762(P2011−231762)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】