説明

注出口付包装袋

【課題】注出口の開口性および保形性を向上し、内容物の注出を容易にするとともに、生産性を向上させた注出口付包装袋を提供する。
【解決手段】積層フィルム4,4´からなる包装袋の一端部に、開封手段(ハーフカット線11およびノッチ12)を備える注出口部3を設け、この注出口部3を開封して形成した注出口3aの内側には、積層フィルム4,4´の内側面に取付けた注出補助部材14を備え、注出口3aから注出補助部材14を介して包装袋の内容物を注出させるとともに、この注出補助部材14は、長手方向に開放部14aを有する樋状の弾性部材からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
積層フィルムからなる包装袋の一端部に、開封手段を備える注出口部を設け、この注出口部を開封して形成した注出口の内側には、積層フィルムの内側面に取付けた注出補助部材を備え、注出口から注出補助部材を介して包装袋の内容物を注出する注出口付包装袋に関し、より詳細には、注出補助部材が、長手方向に開放部を有する樋状の弾性部材からなり、内容物を容易に注出できるようにした注出口付包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液状飲料などの流動性を有する内容物を密封包装した、積層フィルムからなる注出口付包装袋には、例えば、開封手段を設けた包装袋の一端に、狭い幅を有する内容物の注出口が備えられており、この注出口を構成する積層フィルムに、内容物の流路を形成するための溝状の窪みを設け、その窪みにプラスチック製などからなる円筒状の小管をスポット溶接などで固定し、注出補助部材としてのこの小管によって、流路の確保および潰れを防止できる(例えば特許文献1)ものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−132069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような注出口付包装袋では、積層フィルムに、上述したような溝状の窪みを設けるため、包装袋の製造の際、製造工程数の増加や、製造装置が複雑になるとともに生産速度も抑制され、生産性が悪いという問題があった。また、小管が、硬い材質からなる円筒形状を有するため、包装袋の製造工程における成形型(シール型)のシール位置がずれるなどした際、小管を固定した包装袋の表面および裏面を構成する積層フィルムが、緊張して破損したり、あるいは緩んで皺を生じるなど製造上の不都合があった。
従って、この発明の目的は、注出口付包装袋に、注出口の開口性および保形性を向上させ、内容物の注出を容易とした注出補助部材を設けることで、注出性および生産性を向上させた注出口付包装袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため、請求項1に記載の発明は、積層フィルムからなる包装袋の一端部に、開封手段を備える注出口部を設け、該注出口部を開封して形成した注出口の内側には、前記積層フィルムの内側面に取付けた注出補助部材を備え、前記注出口から前記注出補助部材を介して前記包装袋の内容物を注出する注出口付包装袋において、前記注出補助部材は、長手方向に開放部を有する樋状の弾性部材からなることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の注出口付包装袋おいて、前記注出補助部材は、前記開放部に対向する部分の長手方向に、薄肉部を形成したことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の注出口付包装袋おいて、前記注出補助部材は、少なくとも内側層部および外側層部からなる二層構造を有し、前記内側層部を構成する材質は、前記外側層部を構成する材質より融点が高いことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の注出口付包装袋おいて、前記注出補助部材の外周縁部には、外側方に向けて突出させた突部を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1および4に記載の注出口付包装袋おいて、前記突部は、前記開放部に対向する部分から前記注出補助部材外周縁部の接線に沿い両側方に向けて均等に設けた板状部材であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、積層フィルムからなる包装袋の一端部に、開封手段を備える注出口部を設け、この注出口部を開封して形成した注出口の内側には、積層フィルムの内側面に取付けた注出補助部材を備え、注出口から注出補助部材を介して包装袋の内容物を注出する注出口付包装袋において、注出補助部材は、長手方向に開放部を有する樋状の弾性部材からなるので、包装袋の表面および裏面を構成する積層フィルムの内側面に注出補助部材を取付ける際、注出補助部材が弾性変形することにより、積層フィルムに掛かる引張力や外力を軽減させることができるため、積層フィルムの損傷や皺の発生を防止することができる。
【0011】
また、注出補助部材は、弾性変形して、取り付けられる前の状態より外径が小さくなるよう包装袋に取り付けられるため、常に外向きの力が働き、注出口における内容物の注出経路の開口性と保形性を経時的に安定維持でき、内容物の注出性を向上することができる。さらには、注出補助部材を、注出口を構成する積層フィルム間に取付けるだけでよく、積層フィルムに窪みなどを形成する必要がないため、製造工程数を減少させて、製造装置の簡素化とともに生産速度を上昇でき、生産性を向上させることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、注出補助部材は、開放部に対向する部分の長手方向に、薄肉部を形成したので、注出補助部材の弾性変形を容易に行わせることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、注出補助部材は、少なくとも内側層部および外側層部からなる二層構造を有し、内側層部を構成する材質は、外側層部を構成する材質より融点が高いので、注出補助部材を包装袋にヒートシールしたときに内側層部が溶融しにくくなるため、注出口が閉塞しにくくなり、注出口の開口性および保形性を向上させることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、注出補助部材の外周縁部には、外側方に向けて突出させた突部を設けたので、注出口付包装袋の製造工程において、長尺の巻取状に作製しておいた注出補助部材をローラー上で必要な長さに切断する際、突部をローラー面に接触させることで、注出補助部材がローラー上で安定な姿勢を保ち、開放部を一定方向に揃えて注出補助部材を搬送することができる。このため、ローラー上での注出補助部材の搬送速度を低下させることなく、注出補助部材を所定の長さで迅速に切断できる結果、注出口付包装袋の生産速度をより上げることができ、注出口付包装袋の生産効率を向上させることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、突部は、開放部に対向する部分から注出補助部材外周縁部の接線に沿い両側方に向けて均等に設けた板状部材であるので、突部のローラー面への接触面積を大きくすることで、注出補助部材をローラー上で、より安定支持することができる。また、包装袋を構成する積層フィルムの内側面に注出補助部材を仮付けする際、板状部材が平坦であるため、注出補助部材を積層フィルムに仮付けし易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一例を示す注出口付包装袋を示した全体側面図である。
【図2】注出口付近の拡大側面図である。
【図3】開封した注出口から内容物の注出を示す説明図である。
【図4】注出口の拡大平面図である。
【図5】注出補助部材の正面図(a)および斜視図(b)である。
【図6】注出補助部材が2層からなるときの平面断面図である。
【図7】包装袋一側の内側面に注出補助部材を取付ける成形工程の平面模式図である。
【図8】包装袋他側の内側面に注出補助部材を取付ける成形工程の平面模式図(a)および成形を終えた完成図(b)である。
【図9】シール型のシール位置により積層フィルムの緊張に伴う注出補助部材の撓みを示す注出補助部材の平面図(a)および弾性により注出補助部材が元の形状に戻った注出補助部材の平面図(b)である。
【図10】他の形状の注出補助部材を例示した平面図である。
【図11】補助部材の他の取付例を示す注出口付近の拡大側面図である。
【図12】板状部材からなる幅の狭い突部を備える注出補助部材の断面側面図(a)、幅広の突部を備える注出補助部材の断面側面図(b)および一方向に設けた突部を備える注出補助部材の断面側面図(c)である。
【図13】積層フィルムにヒートシールさせた、注出口シール部に達しない幅の狭い突部を備える注出補助部材の断面側面図(a)および注出口シール部に達する幅広の突部を備える注出補助部材の断面側面図(b)である。
【図14】ローラー間における、円柱状部材からなる突部を開放部とは対向位置に2つ備える注出補助部材の断面側面図(a)、薄板状部材からなる突部を開放部とは対向位置に備える注出補助部材の断面側面図(b)、円柱状部材からなる突部を3つ備える注出補助部材の断面側面図(c)および円柱状部材からなる突部を開放部近傍に2つ備える注出補助部材の断面側面図(d)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1
は本発明の一例を示す注出口付包装袋を示した全体側面図、図2は注出口付近の拡大側面図、図3は開封した注出口から内容物の注出を示す説明図、図4は注出口の拡大平面図である。
【0018】
本願発明の注出口付包装袋1は、例えば、化粧水、乳液などの化粧品あるいはジュース、醤油、酢、油などの食用品(あるいは、医薬品や工業品であってもよい)をはじめとする液状など流動性を有する内容物を収容する、図1に示した周知のスタンディングパウチ(限定しない)などであり、本体(包装袋)2と、注出口部3とから構成される。
【0019】
そして、この注出口付包装袋1は、本体2の底部を、表側および裏側の側面フィルム(積層フィルム)4,4´の下部の間に、底面フィルムを内側に折り返して底面フィルム折返部5まで挿入してなるガセット部6を有する形式で形成し、内側に折り込まれた底面フィルムの両側下端近傍には、半円形の底面フィルム切欠部7a,7bを設け、ガセット部6を、内側が両側から中央部にかけて湾曲線状に凹状となる船底形の底部シール部7でヒートシールして形成するとともに、本体2の胴部は、前後の壁面フィルム(積層フィルム)4,4´の両側の端縁部が側部シール部8a,8bでヒートシールして形成される。
【0020】
また、本体2上部の一方のコーナー部(図例では左側のコーナー部)には、その外周を注出口シール部9でヒートシールしてなる先細り形状の、斜め外側上方を向く狭い幅の注出口部3が、その両側に切欠部10a,10bが突設されている。
【0021】
さらに、注出口部3先端側の開封位置には、図2に示すように、開封手段としてのハーフカット線11と、その上側(下側または上下両側であってもよい)の端部にノッチ12とを設けることができる。なお、本体2上部のうち、注出口部3を設けていない部分は、上部シール部13でヒートシールするが、この部分は、内容物の充填口に使用するため、内容物の充填前は未シールの開口部とし、内容物の充填後にヒートシールするものである。
【0022】
従って、本願発明の注出口付包装袋1から内容物を注出する際には、ノッチ12を起点としてハーフカット線11に沿って注出口部3を構成する壁面フィルム(積層フィルム)4,4´を破断させ、注出口部3におけるハーフカット線11よりも上側の積層フィルム4,4´を切り取って注出口3aを開封し、図3に示すように、この注出口3aから内容物を注出させる。
【0023】
なお、本願発明の注出口付包装袋は、上述したようなスタンディングパウチのほか、周知の平パウチであってもよく、また、注出口部の位置も、本体上端部右側や上端部左側もしくは上端部中央などに設けてもよく、さらに注出口部の形状も限定されるものではない。
【0024】
本発明の注出口付包装袋1に用いる積層フィルム4,4´としては、主にプラスチックを主体とする基材フィルム層にシーラント層を積層した積層フィルムが用いられるが、本体2に充填される内容物や、内容物充填後の加熱処理の有無などの使用条件、あるいは、水蒸気その他のガスバリヤー性、遮光性、各種の機械的強度など必要とされる性能に応じてさらに上述の基材フィルム層とシーラント層との間などに水蒸気その他のガスバリヤー層や、遮光層、強度向上層などを積層した構成の積層フィルムを使用することができる。なお、上述した基材フィルム層や水蒸気その他のガスバリヤー層、遮光層、強度向上層、シーラント層などは、それぞれを単独の層で形成してもよいが、複数の層を積層して形成してもよい。
【0025】
この基材フィルム層には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルの二軸延伸フィルムのほか、ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などのポリアミドの二軸延伸フィルム、そして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムなどを好適に使用することができる。そして、これらは単独で使用してもよく、また、複数を組み合わせて積層して使用することもできる。
【0026】
また、ガスバリヤー層としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)などのフィルムのほか、アルミニウム箔、あるいは、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの蒸着層やPVDCの塗膜層を設けた二軸延伸ナイロンフィルム(ONフィルム)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)などを使用することができる。そして、これらのうち、アルミニウム箔またはアルミニウム蒸着層を設けたフィルムは、不透明であるため遮光層を兼ねることもできる。
【0027】
上述した強度向上層としては、前記基材フィルムのいずれかを適宜追加積層させても
よく、二軸延伸高密度ポリエチレンフィルムなどを防湿層を兼ねて積層することもできる。前記基材フィルム層と、ガスバリヤー層、遮光層、強度向上層との積層には、公知のドライラミネーション法または押し出しラミネーション法(サンドイッチラミネーション法)を用いることができる。
【0028】
また、前記シーラント層には、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L・LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アイオノマーのほか、ポリプロピレンまたはその共重合体などを使用することができる。
【0029】
前記シーラント層の積層は、上記の樹脂をフィルム状に製膜し、ドライラミネーショ
ン法または押し出しラミネーション法で積層する方法、あるいは、上記の樹脂を押し出しコートして積層する方法などを採ることができる。但し、内容物がシーラント層に浸透しやすいものの場合は、ドライラミネーション法で積層することが好ましい。
【0030】
次に、本願発明の特徴である、注出口における注出補助部材について、その具体的構
成を説明する。図5は注出補助部材の正面図(a)および斜視図(b)、図6は注出補助部材が2層からなるときの平面断面図である。図2や図4に示すように、この注出口3aの内側であって、ハーフカット線11よりもやや下方から本体2内側方に向けて積層フィルム4,4´の内側面に、注出補助部材14が熱成形などして取付けられる。なお、上述したように、注出補助部材14上端部の位置が、ハーフカット線11の位置と重複しないように、注出補助部材14が注出口3aの内側に取付けられる。
【0031】
この注出補助部材14は、図5〜6に示すように、長手方向に開放部14a(隙間)を有する、全体が樋状(断面視略C字)の弾性部材からなるものである。また、注出補助部材14は開放部14aと対向する部分から積層フィルム4に取り付けられるが、そのとき、積層フィルム4には注出補助部材14の開放部14aに向かって、引っ張られる力が働く。注出補助部材14が開放部14aを有し、且つ弾性体であることにより、注出補助部材14が弾性変形して取り付ける前の状態の外径より小さくなり、積層フィルム4に掛かる引張力や外力を軽減させることができるため、積層フィルム4の損傷や皺の発生を防止することができる。積層フィルム4´についても同様である。注出補助部材14が筒状体のような開放部14aを有しない形状では、弾性変形しても外径を小さくさせることができず(外周の周長を短くすることができず)、積層フィルム4,4´に掛かる引張力や外力を軽減させることができない。また、注出補助部材14は取り付けられる前の状態より外径が小さくなるように取り付けられるため、常に外向きの力が働き、注出口における内容物の注出経路の開口性と保形性を経時的に安定維持でき、内容物の注出性を向上することができる。なお、注出補助部材14の開放部14aを含む中央の空洞部が内容物を注出する流体の流通経路(図4の斜線部)となる。なお、注出補助部材14の開放部14aを含む中央の空洞部が内容物を注出する流体の流通経路(図4の斜線部)となる。そして、この注出補助部材14は、その製造工程において、長尺の巻取状に作製されたものを、後述する図14に示すようなローラーR間におけるこれらローラーRに沿って牽引搬送し、このローラーR上で必要な長さに切断されて、注出口付包装袋1に取付けられる。
【0032】
図10は他の形状の注出補助部材を例示した平面図である。この図10に示すように、注出補助部材14´,14´´,14´´´の開放部14aに対向する部分の長手方向に薄肉部14bを設けた場合は、薄肉部14bを中心として両側の厚肉部14dが左右に弾性変形しやすくなり、より一層積層フィルム4,4´に掛かる引張力や外力を軽減させることができる。図10(a)及び(b)は略円形の一部分が欠けた形状、図10(c)は略楕円形の一部分が欠けた形状となっている。これら図10(a)〜(c)は、積層フィルム4,4´に取付けることで、弾性変形によって、欠けた面積が全体の面積の半分未満となり、注出口における内容物の注出経路の開口性と保形性および内容物の排出性をより一層向上させることができる。なお、図10(a)の注出補助部材14´では、積層フィルム4,4´に取付けた状態で弾性変形により、欠けた面積が全体の面積の半分未満となるため、注出口3a(流通経路)の開口面積を広くすることができ、例えば高粘度を有する内容物などの注出性に優れる。また、図10(c)のように注出補助部材14´´´を略楕円形とした場合は、注出口付包装袋1を整列させた際に並べ易くなる。また、薄肉部14bは外面を凹状あるいは略平坦にしてもよい。薄肉部14bの外面を平坦にした場合は、注出補助部材14〜14´´´を積層フィルム4の内側面により確実に取り付けることができる。
【0033】
なお、この注出補助部材14〜14´´´のサイズ例として、例えば、注出口付包装袋1の注出口3aを構成する積層フィルム4,4´の幅(ヒートシール部を含む)が約11mmである場合には、注出補助部材14〜14´´´の断面における幅aを4mm程度、厚肉部14dの厚みbを0.6mm〜0.7mm程度、薄肉部14bの厚みcを0.3mm〜0.4mmとする。これは詰め替え容器の口部の内径が11mmのものに対応しており、注出口部3aの幅は注出補助部材の幅a(4mm)+注出口シール部9の幅(3mm)+注出口シール部9の幅(3mm)+ノッチの幅(1mm)で決定される。従って、注出口シール部9の幅が3mm、ノッチの幅を1mmとすると、詰め替え容器の口部の内径が15mmの場合は、注出補助部材14の幅aを8mm程度、詰め替え容器の口部の内径が23mmの場合は、注出補助部材14の幅aを16mm程度とすることができる。本願の注出補助部材14は、注出口3aの幅が11〜23mmのような小口径の注出口付包装袋1に最適である。小口径の注出口付包装袋1において、注出補助部材14が筒状体のような開放部14aを有しない形状では曲率半径が小さくなり、積層フィルム4,4´に引張力や外力が掛かりやすくなるため、積層フィルム4,4´が破損しやすく、また、注出補助部材14がフィルムの少なくとも一方の端部に凸条が設けられた形状では注出口シール部をヒートシールしたときに凸条が溶融してしまうため、注出口3aの開口性と保形性が得られなくなる。
【0034】
この注出補助部材14〜14´´´は、弾性を有するが、ここでいう弾性とは、積層フィルム4,4´の剛性よりも低い弾性のことを指す。注出補助部材14の弾性が積層フィルム4,4´の剛性より高いと、積層フィルム4,4´が損傷し、場合によっては裂けてしまう。注出補助部材14の弾性は材質や厚みで決まり、積層フィルム4,4´の剛性より低くなるよう適宜設計することができる。また、注出補助部材14の取り付け方法については特に限定されないが、生産性や高温高湿度下でも接着性が安定していることから、ヒートシールにて取り付けることが好ましい。その場合、注出補助部材14は、積層フィルム4,4´のシーラント層とヒートシールできる材質とし、例えば、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどから構成することができる。成形性の点から、注出補助部材14の材質は積層フィルム4,4´のシーラント層と同じ材質とすることが好ましい。
【0035】
また、図10(b)の形状を有する注出補助部材14において、その断面における幅aを4mm程度、厚肉部14dの厚みbを0.6mm〜0.7mm程度、薄肉部14bの厚みcを0.3mm〜0.4mm程度、開放部14aの間隔を1.0mm程度、開放部14aの幅を1.0mm程度、材質を密度0.915の低密度ポリエチレンとし、薄肉部14bを上面にして10cm×10cmの板を被せ、注出補助部材14が変形し始める圧縮力を測定したところ、圧縮力は15kgf(0.15kgf/cm2)であった。
【0036】
また、注出補助部材14(14´〜14´´´でもよい)は、図6に示すような、少なくとも内側層部14iおよび外側層部14oからなる二層構造で構成してもよい。この場合、外側層部14oを構成する材質を、例えば密度0.915前後、融点100度前後の低密度ポリエチレンとし、内側層部14iを構成する材質を、例えば密度0.930前後、融点130度前後の高密度ポリエチレンとする。
【0037】
このような構成にすることで、内側層部14iの材質は外側層部14oの材質より融点が高いので、注出補助部材14を積層フィルム4,4´の内側面にヒートシールしたときに、内側層部14iは溶融しにくいため、注出口3aが閉塞しにくくなり、注出口3aの開口性および保形性を向上させることができる。また、上述の図10(a)〜(c)に示したような注出補助部材14´〜14´´´では、薄肉部14bの位置する外周部分を平らな形状(後述するローラRの接触面に水平となる水平面を有する)としているため、注出補助部材14´〜14´´´を積層フィルム4の内側面に仮付けする際には、図示しない平坦な上下シールバーを使用し、該下シールバーを積層フィルム4の下面に位置させ、開放部14aから前記上シールバーを注出補助部材14´〜14´´´の開放部14aと対向する部分に押し当てて、この開放部14aと対向する部分の外周部分を積層フィルム4の内側面に安定的に仮付けすることができる。なお、この仮付けする長さは、注出補助部材14´〜14´´´の全長の2/3以下の長さとされる。
【0038】
ここで、注出補助部材14を積層フィルム4,4´の内側面にヒートシールして取付け
る方法について説明する。図7は包装袋一側の内側面に注出補助部材を取付ける成形工程の平面模式図、図8は包装袋他側の内側面に注出補助部材を取付ける成形工程の平面模式図(a)および成形を終えた完成図(b)、図9はシール型のシール位置により積層フィルムの緊張に伴う注出補助部材の撓みを示す注出補助部材の平面図(a)および弾性により注出補助部材が元の形状に戻った注出補助部材の平面図(b)、図10はシール型のシール位置により積層フィルムの緩みに伴う注出補助部材の収縮を示す注出補助部材の平面図(a)および弾性により注出補助部材が元の形状に戻った注出補助部材の平面図(b)である。
【0039】
まず、図7に示すように、注出口3aを構成する表側(または裏側)の積層フィルム4の内側面に、開放部14aから注出補助部材14の内側部に向けて凸型の成形金型15aを挿入した注出補助部材14の開放部14aと対向位置(図10の注出補助部材であれば薄肉部14b)を、成形金型15aにより押圧するとともに、開放部14aと対向位置(図10の注出補助部材であれば薄肉部14b)が位置する積層フィルム4の外側面は、凹型の成形金型15bの凹部に成形金型15aの押圧により嵌合させ、積層フィルム4の内側面と、注出補助部材14の周面とを熱プレス成形により溶着させる。
【0040】
このとき、上述したように、注出補助部材14に、外面が平坦な薄肉部14bを有していれば、その外面の平坦部が、積層フィルム4,4´の内側面に熱成形で平面的に固定されるため、注出補助部材14を積層フィルム4,4´の内側面に確実に溶着固定させることができる。なお、成形金型15a,15bは周知技術であるため、それら詳細な説明は省略する。
【0041】
次いで、図8(a)に示すように、注出口3aを構成する裏側(または表側)の積層フィルム4´の内側面に、注出補助部材14の開放部14a側を接触させるとともに、これら開放部14a側が位置する積層フィルム4´の外側面を、凹型の成形金型15cの凹部に嵌合させ、積層フィルム4´の内側面と、注出補助部材14の開放部14a側における所定の長さの周面とを熱プレス成形により溶着させる。そして、図8(b)に示すように、注出補助部材14は取り付けられる前の状態より外径が小さくなるため、開放部14aの間隔も取り付けられる前の状態より狭くなっている。開放部14aは取り付けられたときに閉じてもよいが、取り付けられた状態でも開放部14aがある場合は、注出口3aの開口面積を広くすることができ、注出量を増やすことができるため、例えば、内容物を高粘度のものとしたときに有効である。
【0042】
このように、積層フィルム4,4´の内側面に注出補助部材14を成形シール後、冷却するとともに、上述したように注出口部3を注出口シール部9でヒートシールして注出口付包装袋1が成形される。
【0043】
ここで、例えば、図9に示すように、内側面に注出補助部材14を固定させた積層フィルム4,4´の成形金型15b,15cによるヒートシール位置がずれた場合などには、シール位置のずれに伴い積層フィルム4,4´の引っ張りに追従して、注出補助部材14が、薄肉部14bを中心として両側の厚肉部が左右に弾性変形することで、積層フィルム4,4´が応動する。従って、積層フィルム4,4´に無理な張力がかからず、積層フィルム4,4´の破断を防ぐことができる。
【0044】
また、上記とは異なる形状の成形金型15b´,15c´(図示しない)によりヒートシールすることもできるため、一つの注出補助部材14で様々な形状に対応することができる。
【0045】
なお、注出補助部材14の形状は、上述した形状に限定されない。
【0046】
さらに、注出口3aへの注出補助部材14の取付方向も上述に限定しない。図11は
補助部材の他の取付例を示す注出口付近の拡大側面図である。
【0047】
この場合、注出補助部材14は、図11に示すように、開放部14aを、注出口3aを構成する積層フィルム4,4´のヒートシールされた溶着部の方向(図例では、右方向だが、左方向でもよい)を向くようにして、上述同様に積層フィルム4,4´の内側面に注出補助部材14を熱プレス成形により溶着させてもよい。
【0048】
このような構成にすることで、注出補助部材14の中央空洞部が、開放部14aを介して注出補助部材14外方である、積層フィルム4,4´のヒートシールされた溶着部までの隙間と連通するため、内容物の流通面積を大きくでき、注出性をいっそう向上させることができる。
【0049】
以上詳述したように、この例の注出口付包装袋1は、積層フィルム4,4´からなる包装袋の一端部に、開封手段(ハーフカット線11およびノッチ12)を備える注出口部3を設け、この注出口部3を開封して形成した注出口3aの内側には、積層フィルム4,4´の内側面に取付けた注出補助部材14を備え、注出口3aから注出補助部材14を介して包装袋の内容物を注出させるとともに、この注出補助部材14は、長手方向に開放部14aを有する樋状の弾性部材からなるものである。
【0050】
次に、上述したように注出補助部材14は、その製造工程において、長尺の巻取状に作製されたものを、後述する図14に示すようなローラーR間であって、このローラーRに沿って牽引搬送され、ローラーR上で必要な長さに切断される。
【0051】
以下の記載では、この注出口付包装袋1の製造を、より迅速かつ容易にしたものである。
【0052】
図12は板状部材からなる幅の狭い突部を備える注出補助部材の断面側面図(a)、幅広の突部を備える注出補助部材の断面側面図(b)および一方向に設けた突部を備える注出補助部材の断面側面図(c)、図13は積層フィルムにヒートシールさせた、注出口シール部に達しない幅の狭い突部を備える注出補助部材の断面側面図(a)および注出口シール部に達する幅広の突部を備える注出補助部材の断面側面図(b)である。
【0053】
この注出補助部材は、例えば、上述した図10(b)に示す形状のものを例に用い、その外周縁部に、外側方に向けて突出させた突部を設けたものである。
【0054】
この場合、例えば図12(a)に示すように、注出補助部材16として、開放部14aに対向する部分(薄肉部14b)から注出補助部材16の外周縁部oにおける、図示する接線Lに沿い左右両側方に向けて略均等に、板状部材からなる突出幅fおよび厚みeを有する突部w1が、注出補助部材16の長さ方向(搬送方向)に亘って取付けられる。そして、この突部w1は、左右各突出幅fを1.0mm程度、厚みeを0.2〜0.3mm程度とすることができる。さらに、この場合の注出補助部材16の幅aを4.0mm程度、厚肉部14dの厚みbを0.6mm〜0.7mm程度、薄肉部14bの厚みcを0.3mm〜0.4mmとすることができる。なお、注出補助部材16本体の幅gは4.6mm程度、左右の突出幅fと開放部14aに対向する部分(薄肉部14bの長さ)を足した長さdを5.0mm程度とすることができる。このように突部w1を注出補助部材16本体に対して左右均等に突設させているため、注出補助部材16を、後述する図14に示すローラーR上で安定的に搬送させることができる。
【0055】
この突部w1(後述するw2〜w7を含む)は、上述した注出補助部材16(後述する16´〜16´´を含む)の材質と同じ材質を用いてもよく、また、これら突部を、注出補助部材と一体成形させたり、あるいは別個に成形したものを後の工程で互いに溶着させるなど、その製造方法は限定しない。
【0056】
また、図12(b)に示すように、上述した突部w1よりも左右の各突出幅fを長くした、厚みeを有するw2を設けた注出補助部材16´とすることもできる。
【0057】
なお、これら突部w1,w2の左右の各突出幅fは、図12(b)に示す広い場合で、両端部が注出口シール部9に到達するまで(注出口シール部9を超えて、外方にはみ出さない長さまで)の幅を有するものであり、図12(a)に示す狭い場合には、図14に示すようなローラーR上で注出補助部材を同じ向き(姿勢)で保てるように安定的に支持可能とする幅(短かすぎると注出補助部材を安定支持できない)であればよい。また、注出補助部材16´では、突部w2の左右各突出幅fが、注出補助部材16の突部w1の左右各突出幅fより長いため、ローラーRとの接触面積を大きくできることから、注出補助部材16に比べてさらに安定性を有するものである。
【0058】
また、厚みeが薄すぎると、注出補助部材を安定支持させることができず、厚みeが厚すぎると、注出口3aを構成する積層フィルム4,4´の内側面にヒートシールする際、ヒートシール性を阻害してしまうほか、注出補助部材の厚肉部14dよりも厚い場合には、注出補助部材の弾性変形を妨げてしまうおそれがあるため、これらのことを勘案し、厚みeを30μm〜注出補助部材の厚肉部14dの厚みb未満とすることが好ましい。
【0059】
また、図12(c)に示す注出補助部材16´´のように、開放部14aに対向する部分(薄肉部14b)から注出補助部材16の外周縁部oにおける、図示する接線Lに沿い左右のいずれか一側方に向けて板状部材からなる左右各突出幅fおよび厚みeを有する突部w3を、注出補助部材16の長さ方向に亘って取付けたものにしてもよい。なお、この場合も、突部w3の突出幅fは、先端が注出口シール部9に到達する位置から、注出補助部材16´´をローラーR上に安定支持可能とするまでの幅を有するものとされる。
【0060】
そして、このような突部w1,w2,w3を備える注出補助部材16,16´,16´´にすることで、注出口付包装袋1の製造工程において、長尺の巻取状に作製しておいた注出補助部材16,16´,16´を、ローラーR上で必要な長さに切断する際、突部w1,w2,w3を、ローラーR面に接触させることで、ローラーR上で任意の外周方向(搬送方向に対して左右側方)に転位せず、注出補助部材16,16´,16´´がローラーR上で安定な姿勢を保ち、開放部16aを一定方向に揃えて注出補助部材16,16´,16´´を搬送することができる。
【0061】
特に、突部w1,w2,w3は、開放部14aに対向する部分に設けた板状部材であるので、突部w1,w2,w3のローラーR面への接触面積を大きくすることで、注出補助部材16,16´,16´をローラーR上で、より安定支持することができる。また、この例のように、開放部14aに対向する部分(薄肉部14b)も平坦にした場合は、更にローラーRとの接触面積が増えるため、安定支持することができる。
【0062】
このため、ローラーR上での注出補助部材16,16´,16´´の搬送速度を低下させることなく、注出補助部材16,16´,16´´を所定の長さで迅速に切断できる結果、注出補助部材16,16´,16´´および注出口付包装袋1の生産速度が上がり、注出口付包装袋1の生産効率を向上させることができる。
【0063】
なお、この突部を備える注出補助部材を、注出口3aを構成する積層フィルム4,4´の内側面に上述した成形金型15a,15b,15cを用いてヒートシールする際には、例えば、突出幅fが短く、注出口シール部9まで達しない突出幅fを有する突部w1を備えた注出補助部材16の場合、図13(a)に示すように、突部w1が注出補助部材16の外周縁部oに沿って外周縁部o中途部まで、注出補助部材16の外周面と積層フィルム4の内側面との間にヒートシールされる。
【0064】
また、例えば、突出幅fが長く、注出口シール部9まで達する突出幅fを有する突部w2を備えた注出補助部材16´の場合、図13(b)に示すように、突部w2が、注出補助部材16の外周縁部oに沿って、注出補助部材16の外周面と積層フィルム4の内側面との間にヒートシールされるとともに、突部w2の先端部は、注出口シール部9中途部の積層フィルム4,4´内側面間にヒートシールされる。
【0065】
さらに、上述の図12〜図13に示したような注出補助部材16〜16´´では、開放部14aに対向する部分および突部w1〜w3の底部を平坦な形状(ローラRの接触面に水平となる水平面を有する)としているため、注出補助部材16〜16´´を、上述したように図示しない平坦な上下シールバーを使用し、該下シールバーを積層フィルム4の下面に位置させ、開放部14aから前記上シールバーを注出補助部材16〜16´´の開放部14aと対向する部分を含む突部w1〜w3の底部に押し当てて、この開放部14aと対向する部分を含む突部w1〜w3の底部を積層フィルム4の内側面に仮付けする際、双方平坦部分の押し当てにより、注出補助部材16〜16´´を積層フィルム4の内側面によりいっそう安定的に仮付けすることができる。
【0066】
そして、上記のように成形金型15b,15cを用いて注出補助部材16〜16´´を積層フィルム4,4´にヒートシール中に、注出補助部材16〜16´´が弾性体であるため、開放部14aの両近傍部分は、積層フィルム4´を介して成形金型15cの押圧に追従し、互いに近づく方向(外径が小さくなるように)に弾性変形することで開放部14aが略閉塞して開放部14a側の注出補助部材16〜16´´がシール成形されるとともに、弾性体である突部w1〜w2も積層フィルム4を介して成形金型15bに追従してシール成形される。このため、積層フィルム4,4´に掛かる引張力や外力を軽減させることで、積層フィルム4,4´の損傷や皺の発生を防止することができる。
【0067】
また、本願注出補助部材の突部は、図14に例示するような形状および取付位置にすることもできる。図14はローラー間における、円柱状部材からなる突部を開放部とは対向位置に2つ備える注出補助部材の断面側面図(a)、板状部材からなる突部を開放部とは対向位置に備える注出補助部材の断面側面図(b)、円柱状部材からなる突部を3つ備える注出補助部材の断面側面図(c)および円柱状部材からなる突部を開放部近傍に2つ備える注出補助部材の断面側面図(d)である。
【0068】
この場合、例えば(a)に例示すように、注出補助部材17aの開放部14aに対向する部分(薄肉部14b)に位置する両端の外周縁部oに、円柱状の突部w4を、注出補助部材17aの長さ方向に亘って設け、この突部w4を介してローラーR面上に注出補助部材17aを安定載置させてもよい。
【0069】
また、(b)に例示すように、注出補助部材17bの開放部14aに対向する部分(薄肉部14b)の外周縁部oから外側方へ垂直向きに板状の突部w5を、注出補助部材17bの長さ方向に亘って設け設けることもできる。この場合、例えば、ローラーR内側の所定位置に規制部材18を設けてもよく、注出補助部材17bが転位しようとしても、突部w5が規制部材に接触して、注出補助部材17bの転位を防ぐため、ローラーR間で、注出補助部材17bの搬送姿勢を一定に保つことができる。
【0070】
また、(c)に例示すように、注出補助部材17cの厚肉部14dにおける外周縁部oの所定位置に複数個所で円柱状の突部w6を、注出補助部材17cの長さ方向に亘って設けたり、あるいは(d)に例示すような注出補助部材17dの開放部14a近傍の両外周縁部oに円柱状の突部w7を、注出補助部材17dの長さ方向に亘って設けてもよく、上記同様にそれら突部w6または突部w7を介して注出補助部材17c,17dを安定載置し、注出補助部材17c,17dの搬送姿勢を一定に保つことができる。
【0071】
なお、これら突部w4〜w7は、上述した突部w1〜w3の材質および成形方法と同じものであり、また、その大きさも、ヒートシール性を阻害せずに注出補助部材17a〜17dの姿勢を一定に保ち、安定支持できる大きさに適宜することができるものであって、それら大きさおよび形状は限定されるものではない。
【0072】
従って、このような突部w4〜w7を備える注出補助部材17a〜17dにすることで、注出口付包装袋1の製造工程において、長尺の巻取状に作製しておいた注出補助部材17a〜17dを、ローラーR上で必要な長さに切断する際、突部w4〜w7を、ローラーR面に接触させることで、注出補助部材17a〜17dがローラーR上で安定な姿勢を保ち、開放部14aを一定方向に揃えて注出補助部材17a〜17dを搬送することができるため、ローラーR上での注出補助部材17a〜17dの搬送速度を低下させることなく、注出補助部材17a〜17dを所定の長さで迅速に切断できる結果、注出補助部材17a〜17dおよび注出口付包装袋1の生産速度が上がり、注出口付包装袋1の生産効率を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
なお、この発明は、流動性を有する内容物を密閉包装し、注出口より内容物を注出させる、上述したスタンディングパウチのほか、平パウチでもよく、また、注出口部の位置や形状も限定されない、注出口部を備えるあらゆる包装袋に適用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 注出口付包装袋
2 本体
3 注出口部
3a 注出口
4,4´ 積層フィルム
11 ハーフカット線
14,16 注出補助部材
14a 開放部
14b 薄肉部
14c 直線部
14d 厚肉部
w1〜w7 突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層フィルムからなる包装袋の一端部に、開封手段を備える注出口部を設け、
該注出口部を開封して形成した注出口の内側には、前記積層フィルムの内側面に取付けた注出補助部材を備え、
前記注出口から前記注出補助部材を介して前記包装袋の内容物を注出する注出口付包装袋において、
前記注出補助部材は、長手方向に開放部を有する樋状の弾性部材からなることを特徴とする注出口付包装袋。
【請求項2】
前記注出補助部材は、前記開放部に対向する部分の長手方向に、薄肉部を形成したことを特徴とする、請求項1に記載の注出口付包装袋。
【請求項3】
前記注出補助部材は、少なくとも内側層部および外側層部からなる二層構造を有し、前記内側層部を構成する材質は、前記外側層部を構成する材質より融点が高いことを特徴とする、請求項1に記載の注出口付包装袋。
【請求項4】
前記注出補助部材の外周縁部には、外側方に向けて突出させた突部を設けたことを特徴とする、請求項1に記載の注出口付包装袋。
【請求項5】
前記突部は、前記開放部に対向する部分から前記注出補助部材外周縁部の接線に沿い両側方に向けて均等に設けた板状部材であることを特徴とする、請求項1および4に記載の注出口付包装袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−101855(P2012−101855A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1178(P2011−1178)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】