説明

注出容器

【課題】 透明な容器本体の胴壁に、表裏両面に装飾されたラベルを取着することにより、容器外部より容器本体の胴壁を通してラベルの裏面を視認することができ、なおかつ、面白みのある装飾性の優れた注出容器を提供すること。
【解決手段】 注出容器として、容器本体上部に内容物を吸上げるポンプを装着し、容器本体内部に内容物の減少に伴って上昇する摺動底板を備えた注出容器であって、内容物として、不透明なものを収納し、容器本体の胴壁を透明の合成樹脂で形成し、胴壁に、裏面に装飾を施したラベルを取着し、内容物の使用により、容器本体内部の摺動底板を上昇させ、容器外部から容器本体内の摺動底板から下方部のラベルの裏面装飾を視認できることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注出容器、とくに容器の胴壁に装飾となるラベルを取着したクリーム状物注出容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
容器本体口部に内容物を吸上げるポンプを装着し、容器本体内部に内容物の減少に伴って上昇する摺動底板を備えた注出容器は、従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記の特許文献1記載の容器を始め一般の注出容器では、容器本体の胴壁に、転写フィルムなどによる印刷、直接印刷、または印刷を施したシュリンクフィルムなどを取着して、商品表示や、模様などの装飾を施していた。
【特許文献1】実用新案登録第2535750号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の注出容器の装飾では、容器本体の胴壁表面しか装飾面としていないので、装飾面の範囲が狭く、模様も多様なものが得られなかった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決することを課題として、透明な容器本体の胴壁に、表裏両面に装飾されたラベルを取着することにより、容器外部より容器本体の胴壁を通してラベルの裏面を視認することができ、なおかつ、面白みのある装飾性の優れた注出容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するため、注出容器として、容器本体上部に内容物を吸上げるポンプを装着し、容器本体内部に内容物の減少に伴って上昇する摺動底板を備えた注出容器であって、内容物として、不透明なものを収納し、容器本体の胴壁を透明の合成樹脂で形成し、胴壁に、裏面に装飾を施したラベルを取着し、内容物の使用により、容器本体内部の摺動底板を上昇させ、容器外部から容器本体内の摺動底板から下方部のラベルの裏面装飾を視認できることを特徴とする構成を採用する。
【0007】
ラベルの取着方法として、ラベルが、容器本体の胴壁にインサート成形で一体化されて取着されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の注出容器は、容器本体を透明の合成樹脂により形成し、胴壁に裏面に装飾を施したラベルを取着したので、容器外から内容物の残量を確認することができ、さらに、ラベルの裏面の装飾を、内容物を吸上げるごとに胴壁を通して徐々に見えてくるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明注出容器の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1において、Aは容器本体、Bは容器本体Aにインサート成形により取着されるラベル、Cはポンプを容器本体Aの口部に取着する取付キャップである。
【0010】
容器本体Aは、図1に示すように、胴壁1と摺動底板2とからなり、内部に不透明の内容物nを収納するようになっている。
胴壁1は、透明の合成樹脂によって形成され、口部と肩部、底部が開放された円筒状の胴筒部3とを具えている。
摺動底板2は、側周にスカート状壁4が設けられ、胴筒部3の内周に摺動自在に嵌挿されるようになっている。
【0011】
ラベルBは、転写、印刷等により、説明表示、模様等を施した表面表示部Baと、模様等の装飾を施した裏面装飾Bbとを有しており、容器本体Aの胴壁1の胴筒部3にインサート成形により貼着される。
【0012】
取付キャップCは、容器本体Aの口部に装着され、ポンプを支持し、容器本体Aの口部に取着するものであればよい。
【0013】
ポンプは、その上部に取着したノズルヘッド5を押下げ操作することにより、容器本体Aより内容物nを吸上げるとともに、容器本体A内を負圧とし、摺動底板2を上昇させ、ノズルヘッド5の吐出ノズル6から内容物nを吐出するものであればよく、その内部構造として、従来公知の様々なタイプのものが用いられる。
【0014】
次に、本実施形態の使用態様と作用効果について説明する。
容器の使用にあたっては、ノズルヘッド5を押下げ操作すると、ポンプによって容器本体A内から内容物nが吸上げられ、吐出ノズル6から吐出される。
【0015】
内容物nの吸上げに応じて、摺動底板2が上方に摺動され、容器本体A内の摺動底板2の下方には空間が形成される。
【0016】
本実施形態の注出容器は、容器本体Aの胴壁1が透明であるので、容器外から内容物nの残量を確認することができる。
また、内容物nの吸上げ前には、図2に示すように、容器本体Aの胴壁1は透明であるが内容物nが不透明であるため、容器外から容器本体Aに取着されたラベルBの裏面装飾Bbを視認することはできないが、内容物nを吸上げるごとに容器本体A内で内容物nおよび摺動底板2が上昇することにより、図1に示すように、摺動底板2から下方部の裏面装飾Bbを、胴壁1を通して視認することができる。
【0017】
ラベルBの裏面装飾Bbの装飾に、キャラクターや物語、4コマ漫画などを描くことで、内容物nを吸上げるごとに、キャラクターや物語、4コマ漫画などが徐々に見えてくるようになり楽しむことができる。
【0018】
上記実施形態では、ラベルBは容器本体Aの胴筒部3にインサート成形により取着されるラベルとしたが、ラベルとして、内容物nを吸上げるごとに摺動底板2の底部から下方部の裏面装飾Bbを、容器本体Aの胴壁1を通して視認できるものであればよいので、例えば、ラベルの容器本体への取着方法として、容器本体Aの成形後、両面印刷したラベルの裏面に透明性の接着剤を塗布して容器本体Aの胴壁に貼着したものでもよい。
ラベルの容器本体への取着方法は、上記実施形態の取着方法に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、容器本体の胴壁を透明の合成樹脂により形成したことで、容器外から内容物の残量を確認することができ、化粧品、薬品、その他の容器として広く利用できる。
【0020】
さらに、両面印刷したラベルを取着し、内容物を吸上げるごとにラベルの裏面の装飾が容器本体の胴壁を通して徐々に見えてくるようにすることができるので、容器としての表示効果や、商品としてのプレミアム性を高めることができる。
また、ラベルの裏面に、くじや、占いなどの模様を施すことで、商品の販売促進に役立てることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態容器の説明図である。
【図2】本実施形態容器の内容物使用前の説明図である。
【符号の説明】
【0022】
A 容器本体
B ラベル
Ba 表面表示部
Bb 裏面装飾
C 取付キャップ
n 内容物
1 胴壁
2 摺動底板
3 胴筒部
4 スカート状壁
5 ノズルヘッド
6 吐出ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体上部に内容物を吸上げるポンプを装着し、容器本体内部に内容物の減少に伴って上昇する摺動底板を備えた注出容器であって、
内容物として、不透明なものを収納し、
容器本体の胴壁を透明の合成樹脂で形成し、胴壁に、裏面に装飾を施したラベルを取着し、
内容物の使用により、容器本体内部の摺動底板を上昇させ、容器外部から容器本体内の摺動底板から下方部のラベルの裏面装飾を視認できることを特徴とする注出容器。
【請求項2】
ラベルが、容器本体の胴壁にインサート成形で一体化されて取着されていることを特徴とする請求項1記載の注出容器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−8490(P2007−8490A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−188698(P2005−188698)
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】