説明

注文管理装置、装着ボードおよびこれらを備えた注文管理システム並びに注文管理装置の制御方法およびプログラム

【課題】注文受付端末を変更することなく、注文情報を表示するための表示装置をシステムに追加することができる注文管理装置、装着ボードおよびこれらを備えた注文管理システム並びに注文管理装置の制御方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】注文受付端末および表示装置に接続されて用いられる注文管理装置(装着ボード6A)であって、注文受付端末から、注文票を印刷するためのデータであって、注文者を識別する識別コードおよび注文内容を示す注文情報を含む印刷データを取得する印刷データ取得部(コントローラI/F部11)と、取得した印刷データから、識別コードおよび1以上の注文情報を抽出し、各注文情報を識別コードごとに分類して、表示装置に表示するための表示データを生成する表示データ生成部21と、生成した表示データを、表示装置に出力する表示データ出力部(ディスプレイI/F部13)と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文情報を管理する注文管理装置、装着ボードおよびこれらを備えた注文管理システム並びに注文管理装置の制御方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コントローラ(注文受付端末)が、発券機から取得した注文情報に所定の処理を施し、ディスプレイを有したキッチンプリンターに送信する発券機オーダーエントリーシステムが知られている(特許文献1参照)。当該キッチンプリンターは、取得した注文情報をディスプレイに表示し、調理済みの品物に貼付するためのシールを印刷する。
当該システムによれば、顧客の発券機操作に基づく注文情報がダイレクトにキッチンに伝わるため、混雑時における品物の提供時間を短縮すると共に、顧客の回転率の向上が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−103285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、飲食店等の店舗におけるキッチンの拡張やカウンターの配置変更等、または、顧客へ注文情報を提示するために、上記のようなシステムに、注文情報を表示する表示装置をさらに追加したいという要望がある。この場合、表示装置を追加するために、コントローラ(注文受付端末)を含めたシステム全体を交換する必要があり、コストがかかるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、注文受付端末を変更することなく、注文情報を表示するための表示装置をシステムに追加することができる注文管理装置、装着ボードおよびこれらを備えた注文管理システム並びに注文管理装置の制御方法およびプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の注文管理装置は、注文受付端末および表示装置に接続されて用いられる注文管理装置であって、注文受付端末から、注文票を印刷するためのデータであって、注文者を識別する識別コードおよび注文内容を示す注文情報を含む印刷データを取得する印刷データ取得部と、取得した印刷データから、識別コードおよび1以上の注文情報を抽出し、各注文情報を識別コードごとに分類して、表示装置に表示するための表示データを生成する表示データ生成部と、生成した表示データを、表示装置に出力する表示データ出力部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の注文管理装置の制御方法は、注文受付端末および表示装置に接続されて用いられる注文管理装置の制御方法であって、注文管理装置が、注文受付端末から、注文票を印刷するためのデータであって、注文者を識別する識別コードおよび注文内容を示す注文情報を含む印刷データを取得する印刷データ取得ステップと、取得した印刷データから、識別コードおよび1以上の注文情報を抽出し、各注文情報を前記識別コードごとに分類して、前記表示装置に表示するための表示データを生成する表示データ生成ステップと、生成した表示データを、表示装置に出力する表示データ出力ステップと、を実行することを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、注文管理装置が、注文受付端末が生成した印刷データから、表示装置に表示する表示データを生成するため、注文受付端末の構成を変更することなくシステムに表示装置を追加することができる。また、注文管理装置が生成する表示データは、注文者ごとに注文情報が分類されるため、注文者を示す識別コードを、例えば、飲食店等における客テーブルごとの識別コードとすれば、表示装置によりテーブルごとの注文情報を確認することができる。
【0009】
この場合、印刷データ取得部が印刷データを取得した取得時刻からの経過時間を計測する時間計測部と、表示装置の表示制御を行う表示制御部と、をさらに備え、表示制御部は、表示データに基づいて表示される各注文情報に、取得時刻および経過時間を関連付けて表示することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、表示装置により、各注文情報の取得時刻および取得時刻からの経過時間を確認することができる。また、経過時間の表示により注文された品物の提供時間を可視化することで、注文品物に対する作業の効率化を促すことができる。
【0011】
また、注文受付端末は、料理の注文を受付けるための端末であり、表示装置は、タッチパネル画面を有するキッチンディスプレイであり、表示制御部は、タッチパネル画面に、各注文情報に対して調理終了操作するための調理終了ボタンを関連付けて表示すると共に、表示装置から、調理終了ボタンの操作信号を取得した場合、当該調理終了ボタンを非表示にすることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、調理終了ボタンの表示および非表示によって、各注文情報が調理済みか否かを容易に確認することができる。このため、注文情報の数が多い場合や調理者が複数いる場合に、重複調理を防止することができる。
【0013】
この場合、印刷装置にさらに接続されて用いられ、同じ識別コードに分類されたすべての注文情報に対して調理終了ボタンが押下された場合、当該識別コードおよび当該注文情報を含んだ印刷データを、印刷装置に出力する印刷データ出力部をさらに備えていることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、1つの識別コードに分類された注文情報についてすべて調理が終了した時点で、自動的に注文票を印刷することができる。これにより、調理者だけでなく料理を配膳する配膳者も、当該識別コードのすべての料理が調理終了したことを確認することができる。
【0015】
これらの場合、表示制御部は、各注文情報に対して調理状況を示す調理状況情報を関連付けて表示し、調理終了ボタンの操作信号を取得した場合、当該調理状況情報の表示を変化させることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、例えば、調理終了ボタンが押下されていない間は、「調理中です」という調理状況情報を表示し、調理終了ボタンが押下された後は、「調理が終了しました」という調理状況情報を表示するようにすれば、調理状況を明確に知らせることができる。なお、当該表示装置は、客に注文情報を提示するための表示装置でもよい。
【0017】
また、表示装置は、調理内容に応じて複数接続され、表示データ生成部は、各注文情報を調理内容ごとに分類して、各表示装置に表示するための調理別表示データを生成し、表示データ出力部は、調理別表示データを、対応する表示装置に出力することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、表示装置を各調理内容の調理を行う調理場所に設置すれば、当該調理場所で調理を行う料理を示す注文情報のみが表示されるため、調理者は、現在どの料理の調理をすればいいのかを迅速に確認することが出来る。
【0019】
本発明の装着ボードは、上記の注文管理装置として機能し、印刷装置に装着されて用いられることを特徴とする。
【0020】
本発明の装着ボードは、上記の注文管理装置として機能し、表示装置に装着されて用いられることを特徴とする。
【0021】
これらの構成によれば、印刷装置または表示装置周りの省スペース化を実現することができる。
【0022】
本発明の注文管理システムは、上記の装着ボードが装着された印刷装置と、注文受付端末と、表示装置と、を備えたことを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、注文受付端末の構成を変更することなく表示装置を追加することのできる注文受付システムを実現することができる。
【0024】
本発明の他の注文管理システムは、上記の注文管理装置と、注文受付端末と、表示装置と、を備えたことを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、紙媒体(注文票)を必要としないペーパーレスの注文管理システムを実現することができる。
【0026】
本発明のプログラムは、コンピューターに、上記の注文管理装置の制御方法における各ステップを実行させることを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、注文受付端末の構成を変更することなく表示装置を追加する注文受付システムを実現可能なプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態に係る注文管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】表示データ生成処理を示すフローチャートである。
【図3】キッチンディスプレイに対する表示処理を示すフローチャートである。
【図4】店内ディスプレイに対する表示処理を示すフローチャートである。
【図5】各ディスプレイに対する表示終了処理を示すフローチャートである。
【図6】キッチンディスプレイに表示する表示画面の一例である。
【図7】店内ディスプレイに表示する表示画面の一例である。
【図8】第2実施形態に係る注文管理システムの構成を示すブロック図である。
【図9】ホストキッチンディスプレイに表示する表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付の図面を参照して、本発明の各実施形態にかかる注文管理装置およびこれを備えた注文管理システムについて説明する。本実施形態の注文管理装置およびこれを備えた注文管理システムは、飲食店において配膳者が受けた注文、および当該注文に対する調理を管理するために使用されるものである。
【0030】
[第1実施形態]
図1ないし図7を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態では、本発明の注文管理装置として、印刷装置であるキッチンプリンターに装着された装着ボードを例示する。
【0031】
図1は、本実施形態に係る注文管理システムSY1の構成を示したブロック図である。図示のように、注文管理システムSY1は、オーダー入力端末1と、オーダーコントローラ2と、キッチンプリンター3と、複数のキッチンディスプレイ4a,4b,4cと、店内ディスプレイ5と、キッチンプリンター3に装着された装着ボード6Aと、を備えている。
【0032】
オーダー入力端末1およびオーダーコントローラ2、オーダーコントローラ2およびキッチンプリンター3に装着されている装着ボード6Aは、店内LAN等のネットワークNT1,NT2により接続されている。一方、装着ボード6Aと、キッチンディスプレイ4a,4b,4cおよび店内ディスプレイ5とは、それぞれ独立したインターフェース(例えば、USB(Universal Serial Bus)インターフェース)を介して接続されている。
【0033】
なお、請求項にいう「注文受付端末」とは、オーダー入力端末1およびオーダーコントローラ2を指す。また、請求項にいう「表示装置」とは、キッチンディスプレイ4a,4b,4cおよび店内ディスプレイ5を指す。
【0034】
オーダー入力端末1は、配膳者が個々に携帯し、注文内容およびテーブル番号を入力するためのものである。オーダー入力端末1は、注文内容およびテーブル番号が入力されると、各注文内容を示す注文情報とテーブル番号(注文者)を示す識別コードとを、オーダーコントローラ2に送信する。なお、オーダー入力端末1は、レジカウンターに設置されたPOS端末と一体型の入力装置や、顧客が直接操作する券売機等により構成してもよい。この場合は、会計処理時に顧客(注文者)を示す識別コードを店員の操作によって、または自動的に入力することが好ましい。また、本実施形態では、識別コードとテーブル番号とが一致するものとする。
【0035】
オーダーコントローラ2は、例えば、店舗のバックヤードに設置され、オーダー入力端末1から取得した注文情報と識別コードから、注文票を印刷するための印刷データを生成し、生成した印刷データをキッチンプリンター3に出力する。印刷データには、店舗情報、日時情報、識別コード、注文情報、金額情報等が含まれている。なお、店舗情報を示す画像データ、金額情報および注文票の印刷レイアウトは、オーダーコントローラ2が予め記憶しているものとする。なお、オーダーコントローラ2を、POS端末で構成しても良い。
【0036】
キッチンプリンター3は、注文票を印刷するためのものであり、例えば、店舗の配膳カウンターに設置されている。キッチンプリンター3は、着脱可能に取り付けられた装着ボード6Aと、印刷機能を成すプリンター本体7と、を有している。
【0037】
装着ボード6Aは、オーダーコントローラ2から印刷データを入力するためのコントローラI/F部11(印刷データ取得部)と、キッチンプリンター3に印刷データを出力するためのプリンターI/F部12(印刷データ出力部)と、キッチンディスプレイ4a,4b,4cおよび店内ディスプレイ5に表示データを出力するためのディスプレイI/F部13(表示データ出力部)と、時間計測部14と、表示用メモリー15と、入出力制御部16と、を備えている。
【0038】
時間計測部14は、いわゆるRTC(リアルタイムクロック:real time clock)であり、現在時刻を計時する。本実施形態では、時間計測部14が計測した各注文情報の取得時刻および取得時刻からの経過時間が、入出力制御部16によって読み出される。
【0039】
表示用メモリー15は、各ディスプレイの表示に必要なデータを記憶している。具体的には、キッチンディスプレイ4a,4b,4cおよび店内ディスプレイ5の画像レイアウト、キッチンディスプレイ4a,4b,4cに表示する調理終了ボタン35の画像データ、店内ディスプレイ5に表示する調理状況を示す調理状況情報、注文情報の調理別テーブルを記憶している。調理状況情報は、「調理中です」および「調理が終了しました」の2種類の情報を有し、調理別テーブルは、全注文情報が「和食」「洋食」「中華」のいずれかの調理内容に分類されテーブル化されたものである。
【0040】
入出力制御部16は、プリンター本体7、キッチンディスプレイ4a,4b,4cおよび店内ディスプレイ5の入出力制御を行うもので、各ディスプレイに表示する表示データを生成する表示データ生成部21と、表示データ生成部21が生成した表示データに後述の処理を施すキッチン用表示処理部22および店内用表示処理部23と、を有している。なお、請求項にいう「表示制御部」とは、キッチン用表示処理部22および店内用表示処理部23を指す。
【0041】
表示データ生成部21は、取得した印刷データから、キッチンディスプレイ4a,4b,4cに表示するキッチン用表示データと、店内ディスプレイ5に表示する店内用表示データと、を生成する。具体的には、印刷データに含まれる識別コードおよび注文情報を抽出して、識別コードや調理内容別に注文情報を分類する。また、1日に取得した注文情報を記憶した記憶部(図示省略)を参照し、各注文情報の取得回数を集計して、ランキングデータを生成する(図7参照)。なお、表示データ生成処理については後に詳述する。
【0042】
キッチン用表示処理部22は、表示データ生成部21が生成したキッチン用表示データに対して各キッチンディスプレイ4a,4b,4cに表示させるための処理を行う。具体的には、キッチン用表示データに含まれる注文情報に対して、時間計測部14が計測した注文情報の取得時刻および取得時刻からの経過時間(以下、取得時間情報という)および調理終了ボタン35を関連付ける(図6参照)。また、キッチンディスプレイ4a,4b,4cから、調理終了ボタン35の操作信号を受信すると、調理終了ボタン35を非表示にする、または、注文情報の表示を消去する。
【0043】
店内用表示処理部23は、表示データ生成部21が生成した店内用表示データに対して店内ディスプレイ5に表示させるための処理を行う。具体的には、店内用表示データに含まれる注文情報に対して、取得時間情報、調理状況情報および調理中品数を関連付ける(図7参照)。また、キッチンディスプレイ4a,4b,4cから、調理終了ボタン35の操作信号を受信すると、調理状況情報および調理中品数の表示を変更させる、または、注文情報の表示を消去する。なお、調理中品数とは、同じ識別コードに分類されている注文情報が示す注文品のうち、調理中である品数であり、キッチン用表示処理部22による識別コードに対する調理終了ボタン35の表示数で算出することができる。なお、各ディスプレイに対する表示処理については、後に詳述する。
【0044】
プリンター本体7は、入出力制御部16からの制御信号にしたがって、取得した印刷データに基づいた注文票を印刷する。注文票には、店舗情報、日時情報、識別コード、注文情報、金額情報等が印刷されている。注文票は、注文品の配膳がすべて完了したテーブルに配布され、会計処理に使用される。
【0045】
キッチンディスプレイ4a,4b,4cは、各調理内容に対応しており、各調理が行われる調理場所に設置されている。本実施形態では、キッチンディスプレイ4aは洋食調理場所に設置され、「洋食」に分類された注文情報を含むキッチン用表示データに基づいた画面を表示する。キッチンディスプレイ4bは、和食調理場所に設置され、「和食」に分類された注文情報を含むキッチン用表示データに基づいた画面を表示する。キッチンディスプレイ4cは、中華料理調理場所に設置され、「中華」に分類された注文情報を含むキッチン用表示データに基づいた画面を表示する。また、各キッチンディスプレイ4a,4b,4cは、それぞれタッチパネル画面30a,30b,30cを有し、調理終了ボタン35を調理者が押下操作できるようになっている(いずれも図6参照)。
【0046】
店内ディスプレイ5は、複数の客用テーブルが備えられたフロア内に設置された大型の表示装置であり、顧客に対して注文情報を提示するためのものである。店内ディスプレイ5は、店内用表示データおよびランキングデータに基づいた画面を表示する。なお、店内ディスプレイ5は、各客用テーブル上に設置される小型の表示装置で構成しても良い。
【0047】
図2を参照し、表示データ生成処理について説明する。まず、装着ボード6A(入出力制御部16)は、印刷データを取得すると(S01)、表示データ生成部21によって印刷データから識別コードおよび1以上の注文情報を抽出する(S02)。抽出した1以上の注文情報を識別コードごとに分類する(店内用表示データの生成、S03)。さらに、識別コードごとに分類された注文情報を、表示用メモリー15の調理別テーブルを参照して調理内容別に分類する(キッチン用表示データ(調理別表示データ)の生成、S04)。そして、1日に(開店時刻から現在時刻までに)取得した各注文情報の取得回数を集計してランキングデータを生成する(S05)。
【0048】
図3を参照し、キッチンディスプレイ4に対する表示処理について説明する。装着ボード6A(入出力制御部16)は、キッチン用表示処理部22によって、キッチン用表示データに含まれる注文情報に対して、取得時間情報を関連付ける(S11)。また、注文情報に対して調理終了ボタン35を関連付ける(S12)。そして、キッチン用表示データを調理内容別に各キッチンディスプレイ4a,4b,4cに出力する(S13)。
【0049】
図4を参照し、店内ディスプレイ5に対する表示処理について説明する。まず、装着ボード6A(入出力制御部16)は、店内用表示処理部23によって、店内用表示データに含まれる注文情報に対して、取得時間情報を関連付ける(S21)。また、注文状況情報を関連付ける(S22)。具体的には、キッチン用表示処理部22によって調理終了ボタン35が関連付けられている注文情報に対して「調理中です」を示す注文状況情報を関連付ける。さらに、識別コードに対して調理中品数を関連付ける(S23)。具体的には、キッチン用表示処理部22によって調理終了ボタン35が関連付けられている注文情報をカウントして調理中品数を算出する。そして、店内用表示データおよびランキングデータを店内ディスプレイ5に出力する(S24)。
【0050】
図5を参照し、各ディスプレイに対する表示終了処理について説明する。装着ボード6A(入出力制御部16)は、各キッチンディスプレイ4のいずれかから調理終了ボタン35の操作信号を取得すると(S31)、操作信号を取得した調理終了ボタン35を非表示にする(S32)と共に、店内ディスプレイ5に表示している調理状況情報と調理中品数を変更する(S33)。調理状況情報について具体的には、調理状況情報を「調理中です」から「調理が終了しました」に変更する。続いて、同じ識別コードに分類されたすべての注文情報に対して調理終了ボタン35の操作信号を取得すると(S34:YES)、当該識別コードに対応するキッチンディスプレイ4および店内ディスプレイ5の表示を消去する(S35)。そして、当該識別コードの印刷データをプリンター本体7に出力する(S36)。一方、同じ識別コードに分類されたすべての注文情報に対して調理終了ボタン35の操作信号を取得していない場合は(S34:NO)、S31〜S34の動作を繰り返す。
【0051】
図6を参照し、各キッチンディスプレイ4a,4b,4cに表示する画面について説明する。同図(a)は、洋食調理場所に設置されたキッチンディスプレイ4aに表示される画面の一例であり、同図(b)は、和食調理場所に設置されたキッチンディスプレイ4bに表示される画面の一例であり、同図(c)は、中華料理調理場所に設置されたキッチンディスプレイ4cに表示される画面の一例である。
【0052】
各画面は、識別コード表示領域31、注文情報表示領域32、取得時間情報表示領域33および調理終了確認表示領域34を有している。識別コード表示領域31には、テーブル番号を示す識別コードが表示される。各キッチンディスプレイ4a,4b,4cの各注文情報表示領域32には、「洋食」「和食」「中華」に分類された各注文内容および数量が表示される。取得時間情報表示領域33には、各注文情報の取得時間および経過時間が表示される。調理終了確認表示領域34には、調理終了操作するための調理終了ボタン35が表示される。調理終了ボタン35は、1度押下操作されると非表示となる。すなわち、図6に示すように、印刷データから抽出された注文情報が、調理内容別に分類されて各キッチンディスプレイ4a,4b,4cに、表示される。なお、各キッチンディスプレイ4に、調理状況情報をさらに表示させてもよい。
【0053】
図7は、店内ディスプレイ5に表示される画面の一例である。店内ディスプレイ5には、ランキング表示領域36、識別コード表示領域31および注文情報表示領域32、調理状況表示領域37が表示される。ランキング表示領域36には、表示データ生成部21によって生成したランキングデータに基づいた「本日の人気ランキング」が表示される。識別コード表示領域31には、テーブル番号を示す識別コードが表示される。注文情報表示領域32には、識別コードごとにソーティングされた注文内容および数量が表示される。調理状況表示領域37には、注文内容に対する調理状況情報および識別コードに対する調理中品数が表示される。上記したように、各キッチンディスプレイ4a,4b,4cの調理終了ボタン35が押下されると、調理状況情報および調理中品数の表示は変化する。
【0054】
[第2実施形態]
以下、図8および図9を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、本発明の注文管理装置として、表示装置であるキッチンディスプレイに装着された装着ボードを例示する。なお、以下の説明では、上記の第1実施形態と同様の構成については、同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0055】
図8に示すように、本実施形態に係る注文管理システムSY2は、印刷装置(第1実施形態におけるキッチンプリンター3)を備えておらず、メインキッチンディスプレイ8およびサブキッチンディスプレイ4a,4b,4c(第1実施形態におけるキッチンディスプレイ4a,4b,4cと同様の構成)を備えている。メインキッチンディスプレイ8は、着脱可能に装着された装着ボード6Bと、表示装置の機能を成すディスプレイ本体9と、を有している。装着ボード6Bは、ディスプレイ本体9にメイン表示データ(第1実施形態でいう店内用表示データ)を出力するためのメインキッチンディスプレイI/F部17と、サブキッチンディスプレイ4a,4b,4cに調理別表示データ(第1実施形態でいうキッチン用表示データ)を出力するためのサブディスプレイI/F部12と、を有している点で、第1実施形態の装着ボード6Aと異なっている。
【0056】
メインキッチンディスプレイ8は、例えば、店舗の配膳カウンターに設置され、配膳者が注文情報を確認するためのものである。装着ボード6B(入出力制御部16)は、第1実施形態に記述した他に、メイン表示データに含まれた注文情報に対して取得時間情報および調理状況情報を関連付ける。
【0057】
図9は、メインキッチンディスプレイ8に表示する画面の一例である。メインキッチンディスプレイ8は、識別コード表示領域31、注文情報表示領域32、取得時間情報表示領域33および調理状況表示領域37を有している。識別コード表示領域31には、テーブル番号を示す識別コードが表示される。注文情報表示領域32には、識別コードごとにソーティングされた注文内容および数量が表示される。調理状況表示領域37には、注文内容に対する調理状況情報が表示される。また、各キッチンディスプレイ4a,4b,4cの調理終了ボタン35が押下されると、調理状況情報の表示は、店内ディスプレイ5と同様に変化する。
【0058】
このように、第2実施形態によれば、注文票を印刷することがないため、ペーパーレスの注文管理システムを実現することができる。また、注文票の印刷にかわって、メインキッチンディスプレイ8に注文情報を表示することによって、配膳者も、注文情報や調理状況を確認することが出来る。なお、装着ボード6Bをサブキッチンディスプレイ4a,4b,4cのいずれかに装着してもよい。
【0059】
これまで説明してきた本発明の注文管理装置および注文管理システムSY1,SY2によれば、オーダーコントローラ2の構成を変更することなく、表示装置を追加することができる。また、キッチンディスプレイの操作によって、注文の品に対する調理状況を表示・変更させる、または表示自体を消去させることで、調理者、配膳者、顧客に調理状況を提示できるため、効率的な注文管理を行うことができる。
【0060】
なお、装着ボード6A,6Bは独立した注文管理装置として構成しても良い。また、上記の各実施形態では、各キッチンディスプレイ4がタッチパネル画面を有していたが、別に入力装置を設けて、調理終了ボタン35の押下操作を行うようにしてもよい。また、経過時間によって調理状況情報を変化させてもよい。例えば、所定時間経過ごとに、調理状況情報の表示色を変化させたり、調理状況情報の文言を変化させてもよい。これによれば、調理者、顧客が一目で経過時間を把握することが出来る。
【0061】
なお、上記の各実施形態で実行可能な注文管理システムSY1,SY2の処理工程をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを各種記録媒体(CD−ROM、フラッシュメモリー等)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピューターを、注文管理システムSY1,SY2の各構成要素として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0062】
1:オーダー入力端末 2:オーダーコントローラ 3:キッチンプリンター 4:キッチンディスプレイ 5:店内ディスプレイ 6A,6B:装着ボード 14:時間計測部 16:入出力制御部 21:表示データ生成部 22:キッチン用表示処理部 23:店内用表示処理部 30:タッチパネル画面 35:調理終了ボタン SY1,SY2:注文管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注文受付端末および表示装置に接続されて用いられる注文管理装置であって、
前記注文受付端末から、注文票を印刷するためのデータであって、注文者を識別する識別コードおよび注文内容を示す注文情報を含む印刷データを取得する印刷データ取得部と、
取得した前記印刷データから、前記識別コードおよび1以上の前記注文情報を抽出し、各注文情報を前記識別コードごとに分類して、前記表示装置に表示するための表示データを生成する表示データ生成部と、
生成した前記表示データを、前記表示装置に出力する表示データ出力部と、を備えたことを特徴とする注文管理装置。
【請求項2】
前記印刷データ取得部が前記印刷データを取得した取得時刻からの経過時間を計測する時間計測部と、
前記表示装置の表示制御を行う表示制御部と、をさらに備え、
前記表示制御部は、前記表示データに基づいて表示される各注文情報に、前記取得時刻および前記経過時間を関連付けて表示することを特徴とする請求項1に記載の注文管理装置。
【請求項3】
前記注文受付端末は、料理の注文を受付けるための端末であり、
前記表示装置は、タッチパネル画面を有するキッチンディスプレイであり、
前記表示制御部は、前記タッチパネル画面に、各注文情報に対して調理終了操作するための調理終了ボタンを関連付けて表示すると共に、前記表示装置から、前記調理終了ボタンの操作信号を取得した場合、当該調理終了ボタンを非表示にすること特徴とする請求項2に記載の注文管理装置。
【請求項4】
印刷装置にさらに接続されて用いられ、
同じ前記識別コードに分類されたすべての前記注文情報に対して前記調理終了ボタンが押下された場合、当該識別コードおよび当該注文情報を含んだ前記印刷データを、前記印刷装置に出力する印刷データ出力部をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の注文管理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、各注文情報に対して調理状況を示す調理状況情報を関連付けて表示し、前記調理終了ボタンの操作信号を取得した場合、当該調理状況情報の表示を変化させることを特徴する請求項3または4に記載の注文管理装置。
【請求項6】
前記表示装置は、調理内容に応じて複数接続され、
前記表示データ生成部は、各注文情報を前記調理内容ごとに分類して、各表示装置に表示するための調理別表示データを生成し、
前記表示データ出力部は、前記調理別表示データを、対応する前記表示装置に出力することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の注文管理装置。
【請求項7】
請求項4に記載の注文管理装置として機能し、
前記印刷装置に装着されて用いられることを特徴とする装着ボード。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の注文管理装置として機能し、
前記表示装置に装着されて用いられることを特徴とする装着ボード。
【請求項9】
請求項7に記載の装着ボードが装着された印刷装置と、
前記注文受付端末と、
前記表示装置と、を備えたことを特徴とする注文管理システム。
【請求項10】
請求項1、2、3、5、6のいずれか1項に記載の注文管理装置と、
前記注文受付端末と、
前記表示装置と、を備えたことを特徴とする注文管理システム。
【請求項11】
注文受付端末および表示装置に接続されて用いられる注文管理装置の制御方法であって、
前記注文管理装置が、
前記注文受付端末から、注文票を印刷するためのデータであって、注文者を識別する識別コードおよび注文内容を示す注文情報を含む印刷データを取得する印刷データ取得ステップと、
取得した前記印刷データから、前記識別コードおよび1以上の前記注文情報を抽出し、各注文情報を前記識別コードごとに分類して、前記表示装置に表示するための表示データを生成する表示データ生成ステップと、
生成した前記表示データを、前記表示装置に出力する表示データ出力ステップと、を実行することを特徴とする注文管理装置の制御方法。
【請求項12】
コンピューターに、請求項11に記載の注文管理装置の制御方法における各ステップを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−8632(P2012−8632A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141509(P2010−141509)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】