説明

洗浄弁、真空吸引式トイレシステム及び真空吸引式トイレシステムの水を流す方法

本発明の装置および方法は、容器からの排泄物の真空排出を制御する制御弁を提供する。洗浄弁は、容器から排泄物を受け入れる導入ポートと、導入ポートに対向し、これと流体連通する排出ポートと、排出ポートに接続された真空源と、導入ポートと排出ポートとの間に配置されて、それらの間の流体流れを阻止する、独自設計の排出ディスクとを含む。好ましい実施形態では、洗浄弁は、排泄物容器スタンドの格子構造パネルと統合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の相互参照
本特許出願は、2008年10月3日に出願の米国仮特許出願第61/102,674号の利益を主張するものである。
【0002】
技術分野
本発明は、概略的には真空吸引式排泄物処理システムに関し、より詳細には、真空吸引式トイレなどの真空排泄物容器用の洗浄弁に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
真空吸引式排泄物処理システムは、航空機などの輸送用乗り物で使用することが当技術分野で公知である。真空吸引式排泄物処理システムは通常、真空パイプによって排泄物タンクに接続された便器を含む。洗浄弁は、便器と真空パイプとの間に配置される。洗浄弁が開くと、真空下にある配管内の空気圧は、便器内の周囲空気圧よりも低いので、便器の内容物は、差圧によって排泄物タンクに送られる。洗浄弁は、便器内の周囲空気と、パイプおよび排泄物タンクの低圧部との間の圧力境界を維持する。航空機において、パイプは、約16,000フィートより低い高度では真空源によって真空圧力下に置くことができる。約16,000フィート以上の高度では、パイプ内の真空圧力は、機室と機外との間の大気差圧によって供給することができる。
【0004】
便器から排泄物タンクへの排泄物の移動を制御するための従来の洗浄弁および方法は公知である。そのような先行洗浄弁は、排泄物が通り抜けることができる開孔を有する大型の回転ディスクを使用することがある。そのような大型のディスクを使用することは、それにより、洗浄弁全体が、大きく、重く、かつ航空機のトイレなどの狭い場所で使用するのに扱いにくくなるので望ましくない。
【0005】
さらに、開孔を有するディスクを使用する場合、便器から、排泄物タンクに通じるパイプに移動する排泄物が、ディスクの開孔の周縁部や、ディスクの連続した部分に引っかかるか、または集積して、ディスクが動かなくなったり、または適切に封止しなくなったりすることがないように、排泄物導入口の上に開孔を正確に位置決めしなければならない。さらに、時間が経過すると、通常の摩耗のために、そのようなディスク開孔の位置決めの精度は低下する傾向にあり、前述の問題を悪化させる。
【0006】
排泄物がディスクを通り抜けることを可能にする開孔を設けたディスクを使用する従来の洗浄弁に関する別の問題は、使用者が手動で洗浄弁を開くことができないことである。この結果として、洗浄弁が閉鎖位置で動かなくなった場合に、不衛生にも排泄物が便器内に停滞して、便器からトイレ領域にあふれ出ることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
真空吸引式トイレシステムにおいて、便器からの排泄物の移動を制御するのに、開孔を有するディスクを利用しない、より小型で、容易に設置でき、より効率的な洗浄弁が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
本発明は、概略的には、真空吸引式排泄物処理システムにおいて、排泄物を便器から排出する際の電力消費、効率、および信頼性を改善し、航空機のトイレ室の狭い領域で使用される従来の洗浄弁よりも空間を占有しない、より簡素化された小型の洗浄弁構造を提供することを目的とする。本発明の装置および方法は、独自の形状の排出ディスクを利用する洗浄弁によって上記目的を達成する。かかる排出ディスクは開孔を含まず、洗浄弁排出口を封止するのに過不足のない大きさとされる。排出ディスクは、先行の洗浄弁で使用される排出ディスクよりも小さくかつ軽い。ディスクはより小さく、独自の形状とされるので、ディスクが動作するのにあまり空間を必要とせず、従来の洗浄弁と比較して電流引き込みが比較的小さい。さらに、好ましい実施形態では、洗浄弁は、独自の格子構造の軽量トイレスタンドの組み込み部品である。この従来にない一体構造により、弁の重量および所要空間がさらに最小化される。これらは、航空機業界において、重量、空間、および電力消費の最小化が、設計上一番の考慮事項であることから重要な利点である。
【0009】
さらに、この弁は、信頼性を高めるために手動優先機能を含む。さらに別の態様では、使用される真空源は、ブラシレスDCモータによって駆動される単一インペラの遠心真空発生装置である。この真空発生装置の構造は、先行の真空発生装置の構造よりも熱を発生しにくいので、インペラおよび発生装置のハウジングは、工業用ポリマーで形成することができ、それによって、航空機の洗浄弁と共に使用される従来の真空発生装置アセンブリと比べて、発生装置の重量が劇的に低減される。さらに、より小さく、より軽いインペラがモータシャフトに直接取り付けられ、それによって、慣性モーメントが小さくなり、真空発生装置が、従来の真空発生装置よりも少ない電力を使用しながら目標真空圧力に達し、これを維持するのを可能にする。本発明のこれらのおよび他の利点が、本明細書に提示した本発明の説明から明らかになるであろう。
【0010】
本発明の上記のおよび他の利点が、添付の図面に関連させて本明細書に提示した本発明の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】格子構造トイレスタンドの1つの側面の背面外観斜視図であり、本発明の洗浄弁の基本構成要素をトイレスタンド側面の組み込み部品として示している。
【図2】洗浄弁構成要素を囲むカバーが付いた、図1に示すトイレスタンド側面の前面斜視図である。
【図3】本発明の実施形態による洗浄弁のカバーの斜視図である。
【図4】図1の4−4線に沿って切り取った図1の断面図である。
【図5】本発明の実施形態による洗浄弁内にある排出ディスクの斜視図である。
【図6】先行技術の洗浄弁ディスクの大きさおよび形状と比較した図5のディスクの斜視図である。
【図7】本発明による真空発生装置の斜視図である。
【図8】本発明による真空発生装置の斜視図である。
【図9】9−9線に沿って切り取った図8の真空発生装置の断面図である。
【図10】トイレスタンドの斜視図であり、洗浄弁を組み込んだサイドパネルを示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施形態の詳細な説明
下記に開示する本発明の実施形態はそれに尽きるものではない、すなわち、開示したその構造および動作に本発明を限定することを意図するものではない。むしろ、下記に詳細に説明する実施形態は、当業者がその教示を最も深く理解できるように、本発明の原理およびその応用と、動作および使用法とについて説明するために選択および記載されている。
【0013】
本発明は、概略的には、特に航空機の真空吸引式排泄物処理システムを含む真空吸引式排泄物処理システムにおいて、便器からの排泄物の排出を制御する洗浄弁および方法に関する。以下の例は、本発明をさらに説明しているが、決してその範囲を限定すると解釈すべきでない。
【0014】
ここで図1〜4を参照すると、真空吸引式排泄物処理システムにおいて、便器からの排泄物の排出を制御する本発明の洗浄弁の実施形態が符号10で示されている。本発明のこの実施形態では、洗浄弁10は、真空吸引式トイレ排泄物容器47用の便器支持スタンド40(図10)の組み込み構成要素として設計されている。便器支持スタンド40は、4つの連結した側面41、42、43、44を有し、各側面は、重量を最小化し、構造強度を最大化するために、図示するように、開放型格子構造を有する。スタンド40は、「真空吸引式排泄物処理システムおよび同システムを使用するための方法」と題して2008年10月3日に出願された米国仮特許出願第61/102,812号に詳細に説明されている。スタンドの構造に関するこの同時出願の開示は、参照により援用するものとする。
【0015】
側面42、44は、スタンドの隣接するパネル41、43のダブテール受け48(図10)に連結するための、一連の連結用ダブテール28(図1〜2および図10)をその縁部に有する。他の実施形態では、側面42、44は、スタンドの隣接するパネル41、43のダブテールに連結するための、一連のダブテール受けをその縁部に有してよい。図1〜2に示すスタンド側面44には、スタンドの側面44の構成要素として本発明の洗浄弁10が示されている。弁の基本構成要素には、排出ディスク16、駆動体ギア18、従動子ギア20、アクチュエータシャフト22(図4)、従動子シャフト24、およびセンサ25(図4)が含まれ、これらのすべては、図示するように、スタンド側面44に取り付けられている。前部弁カバー14は、ねじ付き留め具45または他の適切な手段によって、スタンドパネル44に取り付けられて、サイドパネル44とカバー14との間の空洞に配置された排出ディスク16を少なくとも部分的に囲んでいる。ガスケット(図示せず)は、サイドパネル44とカバー14との間に挿入されて、空洞からの漏れを防止するシールを形成する。
【0016】
スタンド側面44は、(図4に最もよく示すように)排出ポート31が前部弁カバー14内の対応する導入ポート27と一列に整列した状態で、排出ディスクの上に配置された組み込み環状フランジ30を含む。カバー14は、便器(図示せず)から排泄物を受け入れる導入ポート27を有する環状フランジ26を含む。排出ポート31はパイプ(図示せず)に取り付けられ、(後で説明するように)排出ディスク16が開いたときに、導入ポート27および排泄物タンク(図示せず)と流体連通する。
【0017】
(図4に概略的に示すように)従来からの適切な洗浄弁アクチュエータ46は、組み込みアクチュエータシャフト22を有する。好ましい実施形態では、洗浄弁アクチュエータは28VDCモータである。アクチュエータシャフト22は、駆動体ギア18に取り付けられており、洗浄弁アクチュエータが作動すると、駆動体ギア18を回転させる。駆動体ギアは、洗浄弁を手動で開閉するための一体延長アーム32を有する。図1および図4に最もよく示すように、従動子ギア20は、駆動体ギア18と噛み合い、排出ディスク16に取り付けられた従動子シャフト24を回転させる(図4)。
【0018】
排出ディスク16は、導入ポート27と排出ポート31との間に配置されている。排出ディスク16は、回転部23およびカバー部29を含む。排出ディスク16の回転部23は、排出ディスク16の、従動子シャフト24に取り付けられた部分である。カバー部29は、排出ディスク16の、排出ポート31の大きさおよび形状に対応する大きさおよび形状とされた部分である。カバー部29は、開孔または穴を何ら含まない限り連続的である。回転部23は、従動子シャフト24によって、サイドパネル44に取り付けられている。回転部分23は、閉鎖位置(図1)と開放位置との間を双方向に回転し、開放位置では、排出ディスク16のカバー部29は、導入ポートと排出ポートとの間の境界全体が実質的に開通するように、排出ポート31から実質的に除かれる。好ましい実施形態では、ディスクは、閉鎖位置と開放位置との間を約0.7秒かけてほぼ90°面内回転する。開放位置では、洗浄弁の導入ポート27および排出ポート31は、互いに流体連通している。図1に示すような閉鎖位置にある場合、ディスク16のカバー部29は、導入ポート27と排出ポート31との間の流体連通(または圧力境界)を遮断し、便器から排泄物を受け入れないように排出ポート31を封止する。好ましくはポリエチレンからなるスリーブシール33は、排出ポート31の環状フランジ30内で排出ポート31の周縁部に隣接して配置されている。シールの面はカバー部29と接触し、32μmまたはそれより良好な仕上げ面を有するのが好ましい。ディスク16が閉鎖位置にある場合、排出ポート31内は真空になり、スリーブシール33は、排泄物の漏れを防止するシールを形成する。カバー部29は、完全な閉鎖を保証するために、シール33よりも若干大きくなるように寸法を決められる。
【0019】
好ましい実施形態では、排出ディスク16は、図5に示すような涙形状とされる。涙形状の排出ディスク16では、回転部23は、排出ディスク16の細い方の後尾部分であり、カバー部29は、排出ディスク16の幅広い方の先導部分である。図6に示すように、領域49内の機能しない材料がディスク16にはないので、示した涙形状は、従来の洗浄弁で通常使用される排出ディスク17よりもかなり小さく、したがって軽量である。排出ディスク16の形状は涙形状に限定されない。便器から排泄物を受け入れないようにカバー部分29が排出ポート31を封止する限り、機能しない材料の様々な部分を削除して、それらに限定するものではないが、円形形状、三角形形状、または多角形形状を含む他の適切な形状を使用することができる。「機能しない材料」とは、回転部の完全性を維持するのに必要でない回転部の材料、および導入ポート27と排出ポート31との間の境界に覆いをするのに必要でないカバー部の材料を意味する。細い方の後尾部分のない形状を有する排出ディスクでは、回転部23は、排出ディスク16の、従動子シャフト24に取り付く部分であり、カバー部29は、排出ディスク16の、排出ポート31の大きさおよび形状に対応する大きさおよび形状の部分である。一部の実施形態では、排出ディスク16は、形状を組み合わせたものであってもよい。回転部23は、カバー部29とは異なる形状であってもよい。例えば、排出ディスク16は、柄に似た細長い回転部23と、ピンポンラケットの面の形状に似た、より幅広く、丸みのあるカバー部29とを有するパドル形状であってよい。
【0020】
図4に最もよく示すように、アクチュエータシャフト22は、ポテンショメータなどのセンサ25に取り付けられ、これを回転させる。サイドパネル44に取り付けられた組み込みシステムコントローラ(ISC)34(図1)は、センサ25に電気的に接続され、アクチュエータシャフト22の角度位置に関する、センサからのデータを受け取る。アクチュエータシャフト22はまた、駆動体ギア18を回転させ、次ぎに、駆動体ギアは、従動子ギア20およびディスク16を回転させるので、ISCは、ディスク16の位置を間接的に読み取る。
【0021】
任意の適切な真空発生装置を使用して、弁が開いたときに、パイプに接続された排泄物タンクから空気を引き抜くことにより、洗浄弁排出ポート31に取り付けられたパイプ内に差圧を生じさせることができる。ただし、好ましい真空発生装置は、ブラシレスDCモータを備えた、単一段の遠心真空発生装置である。この真空発生装置は、より小型でかつより軽量であり、他のタイプの真空発生装置よりも電力の使用が少なく、さらに、目標の真空に素速く到達できるため好ましい。この真空発生装置は単一のインペラを有し、好ましくは、高速回転のブラシレスDCモータで駆動される。
【0022】
図7〜9に示す好ましい遠心真空発生装置50は、渦巻形の上部ハウジング52、渦巻形の底部ハウジング54、単一インペラ56(図9)、真空発生装置コントローラ(VGC)57、DCブラシレスモータ58、吸気フランジ59、および排気フランジ61を含む。したがって、空気は、排泄物タンクから、渦巻形上部ハウジング52の吸気フランジ59によって形成された吸気開孔60を通って、真空発生装置に引き込まれる。インペラ56は、空気を外方に向かって回転させて渦巻形チャンバ内に導き、渦巻形チャンバは、その空気を排気フランジ61によって形成された排気開孔62に送る。ハウジング52、54およびインペラ56は、それらの重量を低減し、構造をコンパクトに保ち、寒空での動作中の着氷に耐えるために、工業用ポリマーで構築されるのが好ましい。インペラは、DCモータ58に連結されたモータシャフト64(図9)に取り付けられ、ハウジング52、54内で約40,000rpm〜90,000rpm、好ましくは40,000rpm〜50,000rpmで回転する。インペラ56は小型かつ軽量であるので、DCモータ58のモータシャフト64に直接取り付けることができ、それにより、慣性モーメントが小さくなって、真空発生装置アセンブリが目標回転数に素速く到達するのが可能になる。さらに、結果として、同様の用途に使用される従来の真空発生装置と比べて慣性モーメントが小さくなったことで、より小さいDCモータを使用することが可能になり、電流引き込みが減る。VGC57はモータ58を制御し、排泄物タンク(図示せず)上の液位センサ(図示せず)から入力を受け取り、オプションでシステムヒータ(図示せず)を制御する。
【0023】
使用者がトイレの水を流すためにスイッチを入れると、スイッチは、洗浄弁アクチュエータ46を作動させる組み込みシステムコントローラ34への電気信号を発生させる。それに応答して、洗浄弁アクチュエータは、アクチュエータシャフト22と、それに取り付けてある、駆動ギア歯19を有する駆動体ギア18(図1及び図4)とを回転させる。好ましい実施形態では、アクチュエータシャフトおよび駆動体ギアは、時計方向にほぼ90°回転する。駆動ギア歯19と従動子ギア20の歯21との噛合により、従動子シャフト24と従動子シャフトに取り付けられた排出ディスク16とは、ほぼ90°反時計方向に、開放位置まで回転する。開放位置では、導入ポート27が排出ポート31と流体連通するように、排出ディスクは導入ポート27および排出ポート31の両方の縁部から除かれる。回転方向は、必要に応じて、反時計方向ではなく時計方向であってもよい。同様に、回転の範囲も所望通りに変えることができる。他の実施形態では、ディスクが導入ポートから完全に除かれるのを確実にするために、排出ディスクの回転度をより大きくするのが望ましいこともある。
【0024】
排出ディスクが開いた状態にあると、便器内にある周囲空気と、便器(図示せず)と排泄物タンクとの間のパイプ内の低い方の空気圧との間の圧力差により、排泄物を便器からパイプを経由して排泄物タンクに移動させる吸引力が発生する。パイプ内の低い方の空気圧は、約16,000フィートより低い高度では、真空発生装置(好ましくは上記の発生装置50)によって生成され、約16,000フィート以上の高度では、機外の大気圧によって生成される。
【0025】
洗浄弁が開いて約1秒後、システムコントローラ34は、アクチュエータシャフト22および駆動体ギア18をほぼ90°反時計方向に回転させるよう洗浄弁アクチュエータに信号を送る。これにより、従動子シャフト24および排出ディスク16はほぼ90°時計方向に回転するので、導入ポート27と排出ポート31との間の流体接続がディスク16およびシール33によって閉じられ、便器からさらに排泄物を受け入れないように封止される。
【0026】
洗浄弁アクチュエータに電力障害が発生した場合、洗浄弁は手動で動かすことができる。洗浄弁を手動で動かすために、延長アーム32が使用者によってほぼ90°回転されて洗浄弁を開き、次いで反対の方向にほぼ90°戻されて洗浄弁を閉じる。したがって、洗浄弁が動かない、すなわち、閉鎖位置で動かなくなった場合、延長アーム32が使用者によって回転されて、洗浄弁を開くことができる。この新規の機能は、洗浄弁が閉じていることによる、便器内での排泄物の不衛生な滞留、および便器からトイレ領域への排泄物の起こり得る流出を防止する。
【0027】
本明細書に記載した、出版物、特許出願、および特許を含むすべての参考文献は、それぞれの参考文献が参照により援用されると個々にかつ具体的に指摘され、本明細書にその全体を記載されたのと同様の範囲で、参照により本明細書に援用するものとする。
【0028】
本発明を記載する文脈の中で(特に、添付の特許請求の範囲の文脈の中で)用語「a」および「an」および「the」は、本明細書に別途指摘がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方が含まれると解釈すべきである。本明細書における各値の範囲の記載は、本明細書に別途指摘がない限り、単に、その範囲に包含される各別個の値を個々に参照することに対する簡便な方法となることを意図されており、各別個の値は、これが本明細書に個々に記載されているのと同様に本明細書に援用される。本明細書で説明したすべての方法は、本明細書で別途指摘がない限り、または別段に文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書に提示したあらゆる例、または例示的な言い回し(例えば「〜など」)を使用することは、単に本発明の理解をより容易にすることを意図しており、別途請求項で主張されない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書の言い回しが、請求項で主張されない任意の要素を本発明の実施に必須のものであるとして示していると解釈すべきでない。
【0029】
本発明を実施するための、本発明人に周知の最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態が本明細書に記載されている。当然のことながら、図示した実施形態は単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものとみなすべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空吸引式トイレシステムで使用する洗浄弁であって、
真空源と接続するための排出口と、前記排出口と流体連通する導入口とを有するハウジングと、
回転部およびカバー部を備える排出ディスクであって、前記カバー部は連続的であり、前記排出口の大きさおよび形状に対応する大きさおよび形状とされ、前記回転部は、前記導入口と流体連通しないように前記カバー部が前記排出口を封止する閉鎖位置と、前記カバー部が前記排出口から実質的に除かれる開放位置との間で回転動作するように前記ハウジングに取り付けられる、排出ディスクと、
を含む洗浄弁。
【請求項2】
前記真空源は真空発生装置である、請求項1に記載の洗浄弁。
【請求項3】
前記真空発生装置は、モータシャフトに直接取り付けられたインペラを有する単段遠心真空発生装置である、請求項2に記載の洗浄弁。
【請求項4】
前記排出ディスクは、涙形、円形、およびパドル形からなる群から選択された形状とされる、請求項1に記載の洗浄弁。
【請求項5】
前記排出ディスクは涙形状であり、前記回転部は、前記涙形状の細い方の後尾部分にあり、前記カバー部分は、前記涙形状の幅広い方の先導部分にある、請求項1に記載の洗浄弁。
【請求項6】
前記排出ディスクを回転させる駆動アセンブリと、
前記駆動アセンブリに動作可能に連結されたモータと、
をさらに含む、請求項1に記載の洗浄弁。
【請求項7】
前記駆動アセンブリを手動で回転させて、前記開放位置と前記閉鎖位置との間で前記排出ディスクを移動させるために、前記駆動アセンブリに連結された延長アームをさらに含む、請求項6に記載の洗浄弁。
【請求項8】
回転動作の範囲は約90°である、請求項1に記載の洗浄弁。
【請求項9】
前記ハウジング内で、前記排出口と前記排出ディスクとの間に配置されたスリーブシールをさらに含み、前記スリーブシールは、前記排出口の周縁部と当接して、前記排出ディスクが前記閉鎖位置にあるときに前記排出口を封止する、請求項1に記載の洗浄弁。
【請求項10】
前記排出ディスクの位置を測定するように構成されたセンサをさらに含む、請求項1に記載の洗浄弁。
【請求項11】
前記センサは、アクチュエータシャフトの回転位置を測定するために、前記アクチュエータシャフトに取り付けられたポテンショメータである、請求項10に記載の洗浄弁。
【請求項12】
真空吸引式トイレシステムで使用する洗浄弁であって、
真空源と接続するための排出口と、前記排出口と流体連通する導入口とを有するハウジングと、
回転部およびカバー部を備える排出ディスクであって、前記カバー部は連続的であり、前記排出口の大きさおよび形状に対応する大きさおよび形状とされ、前記回転部は、前記導入口と流体連通しないように前記カバー部が前記排出口を封止する閉鎖位置と、前記カバー部が前記排出口から実質的に除かれる開放位置との間で回転動作するように前記ハウジングに取り付けられる、排出ディスクと、
前記ハウジングに取り付けられたアクチュエータシャフトと、
前記ハウジングに取り付けられ、前記排出ディスクを回転させるように構成された従動子ギアと、
前記アクチュエータシャフトに取り付けられ、前記従動子ギアを回転させるように構成された駆動体ギヤと、
前記洗浄弁を手動で開くための、前記駆動体ギアと一体の延長アームと、
を含む洗浄弁。
【請求項13】
組み込み洗浄弁を備えた真空吸引式トイレシステムであって、
排泄物容器スタンドによって支持された真空吸引式トイレ排泄物容器と、
排出口と、前記排泄物容器から排泄物を受け入れる導入口を有する洗浄弁カバーとを含む組み込み洗浄弁パネルを有する前記スタンドであって、前記導入口が前記パネル排出口と流体連通する前記スタンドと、
回転部およびカバー部を備える排出ディスクであって、前記カバー部は連続的であり、前記排出口の大きさおよび形状に対応する大きさおよび形状とされ、前記回転部は、前記導入口と流体連通しないように前記カバー部が前記排出口を封止する閉鎖位置と、前記カバー部が前記排出口から実質的に除かれる開放位置との間で回転動作するようにハウジングに取り付けられる、排出ディスクと、
前記パネルに取り付けられて、加えられた駆動力に応じて前記洗浄弁排出ディスクを回転させるギア装置と、
前記パネル排出口と流体連通した真空発生装置と、
を含むシステム。
【請求項14】
前記排出ディスクは、涙形、円形、およびパドル形からなる群から選択された形状とされる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記真空発生装置は、単段遠心真空発生装置である、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記パネルの少なくとも一部は、開放型格子構造を有する、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記真空発生装置は、工業用ポリマーから構築されたインペラを囲むハウジングを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記インペラは、約40,000rpm〜50,000rpmで回転する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記スタンドは、ダブテールおよびダブテール受けの1つを含み、前記洗浄弁パネルは、対応するダブテール受けおよびダブテールの1つを含み、前記洗浄弁パネルは、前記ダブテールと前記ダブテール受けとを連結することで前記スタンドに取り付けられる、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
真空吸引式トイレシステムの水を流す方法であって、
排出ディスクと、真空源に接続するための排出口と、前記排出口と流体連通する導入口とを有する洗浄弁を設け、前記排出ディスクは、回転部およびカバー部を含み、前記カバー部は連続的であり、前記排出口の大きさおよび形状に対応する大きさおよび形状とされ、前記回転部は、前記導入口と流体連通しないように前記カバー部が前記排出口を封止する閉鎖位置と、前記カバー部が前記排出口から実質的に除かれる開放位置との間で回転動作するようにサイドパネルに取り付けられ、
前記排出ディスクを、前記カバー部が前記排出口を封止する閉鎖位置から、前記カバー部が前記排出口から実質的に除かれる開放位置まで、第1の方向に回転させる、
ことを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−504526(P2012−504526A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530210(P2011−530210)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際出願番号】PCT/US2009/059167
【国際公開番号】WO2010/039916
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(500413696)ビーイー・エアロスペース・インコーポレーテッド (20)
【Fターム(参考)】