説明

洗浄方法、露光装置及びデバイスの製造方法

【課題】露光液体LQ1と接触する液浸部材6を良好に洗浄できる技術の案出が望まれている。
【解決手段】
露光装置EXは、露光液体LQ1と接触する液浸部材6を備えている。液浸部材6と振動部材Cとの間で液浸空間LSを形成した状態で、振動部材Cを振動させ、音波を液浸部材6に伝播することで、液浸部材6の洗浄を行う。液浸部材6のうち洗浄する場所によって、液浸部材6と振動部Cとの位置関係もしくは、音波の波長の少なくとも一方を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄方法、露光装置及びデバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス等のマイクロデバイスの製造工程において、露光光で基板を露光する露光装置が使用される。露光装置の部材、部品が汚染されると、例えば基板に形成されるパターンに欠陥が生じる等、露光不良が発生し、その結果、不良デバイスが発生する可能性がある。そのため、例えば下記特許文献に開示されているような、露光装置内の所定部材を洗浄する技術が案出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0018867号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
露光不良の発生を抑制するために、所定部材を洗浄することは有効である。そのため、露光装置内の所定部材を良好に洗浄できる技術の案出が望まれる。
【0005】
本発明の態様は、露光不良の発生を抑制できる洗浄方法を提供することを目的とする。また本発明の態様は、露光不良の発生を抑制できる露光装置を提供することを目的とする。また本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に従えば、第1液体を介して基板を露光する露光装置の、第1液体に接触する接液部材の洗浄方法であって、接液部材を、第2液体に接触させることと、振動部を振動させることによって、第2液体中に発生する音波を第2液体中で伝播させ、接液部材の表面の第1点に所定方向から到達させることで、第1点を洗浄することと、振動部を振動させることによって、第2液体中に発生する音波を第2液体中で伝播させ、接液部材の表面の第1点とは異なる第2点に所定方向から到達させることで、第2点を洗浄することと、第1点の洗浄と第2点の洗浄とで、音波の波長と、接液部材と振動部との所定方向の位置関係との少なくとも一方を変更することと、を含む洗浄方法が、提供される。
【0007】
本発明の第2の態様に従えば、第1の態様の洗浄方法で、接液部材を洗浄することと、基板を露光することと、露光した基板を現像することと、を含むデバイスの製造方法が、提供される。
【0008】
本発明の第3の態様に従えば、第1液体を介して基板を露光する露光装置であって、第1液体に接触する接液部材と、振動部と、を備え、接液部材と、第2液体とを接触させた状態で、振動部を振動させることによって、第2液体中に発生する音波を接液部材に伝播し、接液部材の表面に所定方向から到達させることで、接液部材を洗浄する場合に、所定方向からの音波を到達することで、接液部材の表面の第1点を洗浄する時と、所定方向からの音波を到達することで、接液部材の表面の第1点とは異なる第2点を洗浄する時とで、音波の波長と、接液部材と振動部との所定方向の位置関係との少なくとも一方を変更する露光装置が提供される。
【0009】
本発明の第4の態様に従えば、第3の態様の露光装置で接液部材を洗浄することと、基板を露光することと、露光した基板を現像することと、を含むデバイスの製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の態様によれば、露光不良の発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
【0012】
〈第1実施形態〉
図1は、本実施形態における露光装置EXの一例を示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、露光液体LQ1を介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、露光光ELの光路の少なくとも一部が露光液体LQ1で満たされるように液浸空間LSが形成される。液浸空間は、液体で満たされた部分(空間、領域)である。基板Pは、液浸空間LSの露光液体LQ1を介して露光光ELで露光される。本実施形態においては、露光液体LQ1として、水(純水)を用いる。本実施形態の露光装置EXは、基板Pの一部に液浸空間LSを形成し、基板Pを露光する局所液浸方式を用いる。
【0013】
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、基板Pを保持せずに、露光光ELを計測する計測部材(計測器)を保持して移動可能な計測ステージIと、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光光ELの光路の少なくとも一部が露光液体LQ1で満たされるように液浸空間LSを形成可能な液浸部材6と、露光装置EX全体の動作を制御する不図示の制御装置とを備えている。
【0014】
なお、基板を保持して移動可能な基板ステージ2と、基板を保持せずに、露光光を計測する計測部材(計測器)を保持して移動可能な計測ステージIとを備えた露光装置の一例が、例えば米国特許第6897963号明細書、欧州特許出願公開第1713113号明細書等に開示されており、その内容を援用して本文の記載の一部とする。
【0015】
ここで、本実施形態では、露光装置EXとしてマスクMと基板Pとを走査方向における互いに異なる向き(逆向き)に同期移動しつつマスクMに形成されたパターンを基板Pに露光する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)を使用する場合を例にして説明する。なお、露光装置EXとしてマスクMと基板Pとの走査方向を同じ向きに同期移動し露光する走査型露光装置でも構わない。以下の説明において、投影光学系PLの光軸AXと一致する方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な平面内でマスクMと基板Pとの同期移動方向(走査方向)をY軸方向、Z軸方向及びY軸方向に垂直な方向(非走査方向)をX軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。なお、ここでいう「基板」は半導体ウエハ上にレジストを塗布したものを含み、「マスク」は基板上に縮小投影されるデバイスパターンを形成されたレチクルを含む。
【0016】
照明系ILは、所定の照明領域IRに露光光ELを照射する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を、均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。なお、レーザ光源から射出される露光光ELを照明領域IRに引き回すための光学系は、例えば、米国特許出願公開第2009/0316132号明細書に一例が開示されている。
【0017】
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板と、その透明板上にクロム等の遮光材料を用いて形成されたパターンとを有する透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。
【0018】
マスクステージ1は、マスクMを保持した状態で、照明領域IRを含む不図示のベース部材のガイド面上を移動可能である。マスクステージ1は、例えばリニアモータ等を含む駆動システムの作動により、ガイド面上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
【0019】
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影領域PRは、投影光学系PLから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは、等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸は、Z軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。投影光学系PLは、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する射出面11を有する終端光学素子10を備えている。終端光学素子10は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い光学素子である。
【0020】
基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えば半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された感光膜とを含む。感光膜は、感光材(フォトレジスト)の膜である。また、基板Pが、感光膜に加えて別の膜を含んでもよい。例えば、基板Pが、反射防止膜を含んでもよいし、感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
【0021】
液浸部材6は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子10の近傍に配置される。本実施形態においては、液浸部材6の少なくとも一部が、終端光学素子10の周囲に配置されている。液浸部材6により形成される液浸空間LSと、液浸部材6の少なくとも一部とは接触する。
【0022】
終端光学素子10の射出面11と、露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)に対向して配置される物体の間の露光光ELの光路が露光液体LQ1で満たされるように、液浸部材6は液浸空間LSを形成することができる。本実施形態において、投影領域PRに配置可能な物体は、投影光学系PLの像面側(終端光学素子10の射出面11側)で投影領域PRに対して移動可能な物体であり、基板ステージ2、基板ステージ2に保持された基板P、計測ステージIを含む。
【0023】
図2に示すように、液浸部材6は、露光液体LQ1を供給する供給部7と、露光液体LQ1を回収する回収部8と、射出面11から射出される露光光ELが通過する開口6Kを備える平坦部材Fとを備えている。図2は、本実施形態における液浸部材6の一例を示す図である。なお、液浸部材6として、例えば米国特許出願公開第2007/0132976号明細書、欧州特許出願公開第1768170号明細書に開示されているような液浸部材(ノズル部材)を用いることができる。
【0024】
供給部7により露光液体LQ1を供給し、供給された露光液体LQ1を回収部8で回収することにより、液浸空間LSを形成する。形成される液浸空間LSと、回収部8の少なくとも一部及び平坦部材Fの少なくとも一部とが接触する。本実施形態においては、図2に示すように、終端光学素子10と回収部8との間に供給部7が配置される。すなわち、回収部8に比べて、供給部7は終端光学素子10に近い側に配置される。また、回収部8は、平坦部材Fを囲んでいる。すなわち、開口6Kを通過する露光光ELの光路を囲むように、露光液体LQ1を回収することが可能である。なお、図2においては、終端光学素子10の射出面11と、基板Pとの間を露光液体LQ1で満たしてしている様子を示している。本実施形態において、液浸部材6の表面には、回収部8の少なくとも一部及び平坦部材Fの少なくとも一部が含まれる。
【0025】
供給部7は、供給口7aを有する。供給部7は、液体供給装置に接続され、液体供給装置を動作させることで、供給口7aから露光液体LQ1を供給することができる。供給口7aから供給された露光液体LQ1は、開口6Kを通過する。液浸部材6と物体とが対向して配置される場合に、開口6K6Kを通過した露光液体LQ1により、終端光学素子10の射出面11と、物体との間の露光光ELの光路が露光液体LQ1で満たされる。
【0026】
本実施形態においては、液体供給装置は、露光液体LQ1とは異なる液体(非露光液体LQ2)を供給することが可能である。非露光液体LQ2は、例えば、物質を含む水溶液である。物質を含む水溶液は、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液、コリン水溶液、オゾンを含む水溶液、過酸化水素を含む水溶液である。また、非露光液体LQ2は、水溶液に限られず、例えば、メチルアルコールやイソプロピルアルコールなどのアルコールを含む液体でも構わない。
【0027】
図3には、本実施形態における回収部8の一例を示している。本実施形態において、回収部8は、投影領域PRの少なくとも一部に配置される物体と対向可能な回収口8aを有する。回収口8aには、複数の孔(openingsあるいはpores)を含むプレート状の多孔部材19が配置されている。なお、回収部8に、網目状に多数の小さい孔が形成された多孔部材であるメッシュフィルタが配置されてもよい。回収部8の下面8bには、多孔部材19が含まれる。
【0028】
回収部8は、液体回収装置に接続され、液体回収装置を動作させることで、回収口8aから液体を回収することができる。供給口7aから供給される露光液体LQ1は、開口6Kを通過し、平坦部材Fと対向して配置される物体との間の空間を介して、回収口8aで回収される。
【0029】
本実施形態においては、基板Pに露光光ELが照射されているとき(露光時)に形成される液浸空間LSの界面(メニスカス、エッジ)の少なくとも一部は、回収部8の下面8bと基板Pの表面との間に形成される。また、露光時に形成される液浸空間LSの界面は、回収部8の下面8bのうち、多孔部材19に形成される。
【0030】
図4には、本実施形態における多孔部材19の一例を示している。本実施形態において、下面8aには凹凸部Oが含まれている。凹凸部Oは、多孔部材19に配置されている。したがって、本実施形態における多孔部材19の形状は、凹凸を含む。凹凸部Oは、凹部Bと凸部Dとが含まれている。したがって、凹凸部Oは、XY平面において、凹部Bと凸部DのZ軸方向の位置が異なる。本実施形態では、Z軸方向に沿って、凸部Dと凹部BはギャップG離れている。ギャップGの距離は、後述する音波の波長の1/4よりも大きい。
【0031】
本実施形態における、回収口8aの位置情報は、制御装置に記憶されている。例えば、投影光学系PLの光軸から多孔部材19の距離である。また、多孔部材19の位置情報として、多孔部材19に配置される凹凸部Oの凹部Bと凸部DのギャップGの距離に関する情報も記憶されている。したがって、多孔部材19と対向する物体の所定の場所と投影光学系PLの光軸との距離に基づいて、所定の場所と多孔部材19との位置関係が算出できる。また、所定の場所と、対向する(例えば、Z軸方向)多孔部材19の形状の凹凸部Oの情報(凹部Bと凸部DのギャップGの有無など)が分かる。
【0032】
基板ステージ2は、基板Pを支持するものであって、基板Pを脱着可能に保持する基板保持部PHを介して保持するZステージ21と、Zステージ21を支持するXYステージ22とを備えている。Zステージ21及びXYステージ22を含む基板ステージ2はステージベースBに支持されている。基板ステージ2はリニアモータ等の駆動システムにより駆動され、投影領域PRを含むベース部材Bの表面Ba上を移動可能である。Zステージ21を駆動することにより、Zステージ21に保持されている基板PのZ軸方向における位置(フォーカス位置)、及びθX、θY方向における位置が制御される。また、XYステージ22を駆動することにより、基板PのXY方向における位置(投影光学系PLの像面と実質的に平行な方向の位置)が制御される。すなわち、Zステージ21は、基板Pのフォーカス位置及び傾斜角を制御して基板Pの表面をオートフォーカス方式、及びオートレベリング方式で投影光学系PLの像面に合わせ込み、XYステージ22は、基板PのX軸方向及びY軸方向における位置決めを行う。なお、Zステージ21とXYステージ22とを一体的に設けてよいことは言うまでもない。基板保持部PHの周囲には、Zステージ21の表面Hが配置される。Zステージ21の表面Hは、基板保持部PHに保持された基板Pの表面の周囲に配置される。表面Hはほぼ平坦であり、基板保持部PHに保持された基板Pの表面とほぼ同一平面内(XY平面内)に配置される。すなわち、Zステージの表面Hと、基板保持部PHに保持された基板Pの表面とは、ほぼ面一である。
【0033】
計測ステージIは、振動を発生することが可能な振動部材Cと、不図示の計測部材(計測器)とを保持するものであって、振動部材Cを保持するZステージI1と、ZステージI1を支持するXYステージI2とを備えている。ZステージI1及びXYステージI2を含む計測ステージIはステージベースBに支持されている。計測ステージIは、リニアモータ等の駆動システムにより駆動され、投影領域PRを含むベース部材Bの表面Ba上を移動可能である。ZステージI1を駆動することにより、ZステージI1に保持される振動部材CのZ軸方向における位置、及びθX、θY方向における位置が制御される。また、XYステージI2を駆動することにより、振動部材CのXY方向における位置(投影光学系PLの像面と実質的に平行な方向の位置)が制御される。したがって、ZステージI1を駆動することにより、振動部材Cと、振動部材Cと対向する物体との位置関係を、Z軸方向における位置、及びθX、θY方向において変更することが可能である。また、XYステージI2を駆動することにより、振動部材Cと、振動部材Cと対向する物体との位置関係を、XY方向において変更することが可能である。振動部材Cと対向する物体とは、例えば、液浸部材6の回収部8の多孔部材19がある。したがって、振動部材Cと多孔部材19の位置関係から、例えばZ軸方向に沿う振動部材Cと対向する多孔部材19の形状に関する情報が分かる。さらに、振動部材CのZ軸方向の位置が制御されているので、Z軸方向に沿った振動部材Cと多孔部材19との距離を算出することができる。
【0034】
なお、ZステージI1とXYステージI2とを一体的に設けてよいことは言うまでもない。なお、ZステージI1は、振動部材Cを脱着可能に保持しても構わない。振動部材Cの周囲には、ZステージI1の表面Sが配置される。ZステージI1の表面Sは、振動部材Cの表面Caの周囲に配置される。表面Caはほぼ平坦であり、振動部材Cの表面Caとほぼ同一平面内に(XY平面内)に配置される。すなわち、Zステージ21の表面Hと、振動部材Cの表面Caとは、ほぼ面一である。
【0035】
本実施形態において、振動部材Cは周波数950KHzの振動を発生することが可能である。振動部材Cは、圧電セラミック素子を作動させることにより、振動を発生する。なお、振動部材Cは950KHzに限られず、1KHz〜2MHz程度の振動子を搭載することが可能である。なお、振動部材Cは、例えば圧電セラミック素子に限られず、圧電高分子膜、ZnO薄膜振動子でも構わない。
【0036】
振動部材Cが発生する振動は、液体にて音波として伝播することができる。液体に伝播する音波の波長は、以下の式1で示すことができる。
【0037】
音波の波長 = 液体中での音波の速度 / 振動部材Cの周波数 --- 式1
したがって、本実施形態において振動部材Cの周波数は、950KHzおよび、音波が電波する液体における音波の速度に基づいて、その音波の波長が定まる。
【0038】
図5において、液体に伝播する音波の様子を示している。振動部材Cにより液体に与えた振動は振幅が生じる。液体には、伝播する音波の方向に沿って振幅の大きい腹部分Rが所定の間隔で生じ、各腹部分Rの間には節部分Fが生じる。本実施形態における1波長には、図5に示すように二つの腹と、二つの節が含まれる。すなわち1/2波長は、腹部分Rが一つと、節部分Fが二つ含まれる。本実施形態において、1/4波長には、腹部分Rが一つと、節部分Fが一つ含まれる。したがって、1/4波長以内には、必ず腹部分Rが含まれることになる。振動を音波として対象物に伝播する場合に、腹部分Rで到達した場合に対象物に到達する振動と、節部分Fで到達した場合に対象物に到達する振動とは異なる。本実施形態においては、振動を腹部分Rで到達した場合の振動が、節部分Fで到達した場合の振動よりも大きい。
【0039】
本実施形態においては、振動部材Cの振動により、図4に示すように、液体に発生する音波は直進しながら、伝播する。したがって、振動部材Cによる対象物の洗浄は、振動部材Cにより発生した音波が直進し、対象物において、音波が到達した部分のみが、振動部材Cにより洗浄される。したがって、XY平面において、振動部材Cにより発生する音波の断面積で、断面積よりも広い面積の対象物を洗浄する場合には、XY平面において、振動部材Cと対象物とを相対移動させる必要がある。XY平面において、振動部材Cにより発生する音波の断面積は、振動部材Cの面積と同じである。なお、XY平面において、振動部材Cにより発生する音波の断面積は、振動部材Cの面積と異なっていても構わない。
【0040】
振動部材Cの表面Caは、露光液体LQ1に対して撥液性である。本実施形態では、接触角は90°以上であることが望ましい。なお、振動部材Cの表面Caは撥液性でなくても構わなく、例えば親液性でも構わない。
【0041】
計測部材(計測器)は、アライメントセンサ用のマークのような基準マークが形成された基準部材、各種の光電センサを含む。計測器は、例えば米国特許第4,465,368号に開示される照度むらセンサ、例えば米国特許出願公開第2002/0041377号に開示される、投影光学系PLにより投影されるパターンの空間像(投影像)の光強度を計測する空間像計測器、例えば米国特許出願公開第2002/0061469号に開示される照度モニタ、及び欧州特許第1,079,223号に開示される波面収差計測器である。計測器は、アライメントセンサ用のマークのような基準マークが形成された基準部材、各種の光電センサを含む。計測器は、例えば米国特許第4,465,368号に開示される照度むらセンサ、例えば米国特許出願公開第2002/0041377号に開示される、投影光学系PLにより投影されるパターンの空間像(投影像)の光強度を計測する空間像計測器、例えば米国特許出願公開第2002/0061469号に開示される照度モニタ、及び欧州特許第1,079,223号に開示される波面収差計測器である。
【0042】
次に上述の露光装置EXの動作の一例について説明する。
【0043】
まず、露光前の基板Pは、所定の搬送装置を用いて、基板ステージ2にロ−ドされる。
【0044】
露光前の基板Pが基板ステージ2に保持された後に、終端光学素子10と計測ステージIとの間に形成されている液浸空間LSを、基板ステージ2に移動させる。終端光学素子10と基板Pとが対向するように、基板ステージ2を投影光学系PLの下方に移動し、基板ステージ2と計測ステージIとが近接または接触した状態で、液浸空間LSを計測ステージの表面Sから、基板ステージ2の表面Hに移動させる。基板ステージ2を移動させることで、液浸空間LSを基板ステージ2の表面Hから基板Pの表面に移動させる。したがって、射出面11と基板Pの表面とが対向し、基板Pの表面の一部に投影領域PRが配置される。射出面11と対向する基板Pの表面の一部の領域を覆うように、液浸空間LSが配置される。
【0045】
終端光学素子11と基板Pとの間の露光光ELの光路が露光液体LQ1で満たされた状態で、照明系ILより露光光ELが射出される。射出面11より射出された露光光ELは、マスクMを照明する。マスクMを介した露光光ELは、投影光学系PL及び液浸空間LSの液体LQを介して、基板Pに照射される。これにより、マスクMのパタ−ンの像が基板Pの表面Paに投影され、基板Pは露光光ELで露光される。上述したように、露光時においては、液浸空間LSの露光液体LQ1と液浸部材6(例えば、回収口8a)とが接触する。
【0046】
基板Pの露光が終了した後に、基板ステージ2に計測ステージIが近接又は接触する。投影光学系PLの下方に液浸空間LSを維持した状態で、液浸空間LSを基板Pの上から基板ステージ2の表面Hに移動させ、基板ステージ2の表面Hから計測ステージIの表面Sに液浸空間LSを移動させる。この間、液浸空間LSの露光液体LQ1と、射出面11とが接触している。露光光ELで露光された基板P(露光後の基板P)は、基板保持部PHからアンロードされる。
【0047】
基板ステージが所定の位置にて、露光した基板Pをアンロードし、露光前の基板Pをロードしている間に、計測ステージIの計測器は、計測ステージIの表面Sに液浸空間LSを維持した状態で、液浸空間LSの液体を介した状態で、計測する。
【0048】
ところで、基板Pの露光中、基板Pから発生(溶出)した物質(例えば感光材等の有機物)が、異物(汚染物、パーティクル)として液浸空間LSの露光液体LQ1中に混入する可能性がある。液浸空間LSの露光液体LQ1中に異物が混入すると、液浸部材6の回収部8に異物が付着する可能性がある。それら露光液体LQ1と接触する露光装置EX内の所定部材の表面(液体接触面)に異物が付着している状態を放置しておくと、その異物が露光中に基板Pに付着する可能性がある。また、液浸部材6の回収部8が汚染されると、例えば液浸空間LSを良好に形成できなくなる可能性もある。その結果、露光不良が発生する可能性がある。
【0049】
本実施形態では、露光液体LQ1と接触する部材の内、液浸部材6の回収部8の多孔部材19に付着した異物を除去する洗浄を例に説明する。なお、洗浄する場所は、多孔部材19に限られず、例えば、終端光学素子10、平坦部材Fでも構わない。
【0050】
本実施形態においては、計測ステージIに搭載される振動部材Cを用いて多孔部材19に付着した異物を除去する洗浄を行なう。本実施形態では、多孔部材19の洗浄では、露光液体LQ1を用いる。
【0051】
本実施形態では、所定枚数の基板の露光、若しくは所定期間の露光をした後に、多孔部材19の洗浄を行う。なお、不図示の観察装置(例えば、カメラ)を用い、例えば下面8aを観察し、異物を除去する洗浄が必要だと判断された場合に、多孔部材19の洗浄を開始しても構わない。この場合に、多孔部材19とは異なる場所(例えば基板ステージ2の表面H)を観察し、多孔部材19に付着している異物を除去する洗浄の必要の有無を判断しても構わない。
【0052】
図6に示すように、多孔部材19の洗浄では、液浸部材6と計測ステージIとを対向した状態で、露光液体LQ1による液浸空間LSを形成する。供給口7aから露光液体LQ1を供給し、供給された露光液体LQ1は、回収口8aから回収することで、露光液体LQ1による液浸空間LSを形成する。多孔部材19の洗浄時は、露光液体LQ1による液浸空間LSと多孔部材19とが接触する。また、基板Pの露光時においては、露光液体LQ1の界面が、多孔部材19にあったが、多孔部材19の洗浄時には、露光液体LQ1の界面は、多孔部材19の外側(開口6Kに対して、外側)にある方が望ましい。基板Pの露光時の露光液体LQ1の液浸空間LSの大きさと、多孔部材19の洗浄時の非露光液体LQ2の液浸空間LSの大きさとは、同じでなくても構わない。
【0053】
供給口7aからの露光液体LQ1の供給と、供給された露光液体LQ1の回収口8aの回収とを行いながら、液浸空間LSを形成した状態で、露光液体LQ1を介して、振動部材Cと多孔部材19とを対向させる。本実施形態においては、XY平面において、振動部材Cの振動により露光液体LQ1に発生する音波の断面積で、その断面積よりも広い面積の多孔部材19を洗浄するので、XY平面において、計測ステージIを駆動させることにより振動部材Cを移動させる。すなわち、XY平面において、振動部材Cの面積は、多孔部材19の面積よりも小さい。振動部材Cを移動させることで、多孔部材19において、音波が到達する部分が変わる。本実施形態においては、図4に示す凹部Bを洗浄した後に、振動部材Cを移動させて、凸部Dの洗浄を行う。なお、凸部Dを凹部Bよりも先に洗浄しても構わない。
【0054】
ところで、上述したように、多孔部材19には凹部Bと凸部Dとが含まれているので、XY平面に沿って振動部材Cを移動させると、凹部Bを洗浄するときの凹部と振動部材CとのZ軸方向における距離と、凸部Dを洗浄するときの凸部Dと振動部材CとのZ軸方向における距離とが異なる。本実施形態において、振動部材Cの表面は、XY平面と平行なので、振動部材Cの振動による音波は、Z軸方向に沿って伝播する。したがって、凹部Bを洗浄するときの露光液体LQ1を音波が伝播する距離と、凸部Dを洗浄するときの露光液体LQ1を音波が伝播する距離とは異なる。したがって、凹部Bと凸部Dとに、音波の腹部分Rが到達しないために、凹部Bと凸部Dとに到達する音波の振動が、腹部分Rに比べて小さくなり、洗浄効率が低下する可能性がある。
【0055】
本実施形態においては、XY平面に沿って振動部材Cを移動させると、凹部Bでは音波の腹部分Rでの洗浄、凸部Dでは音波の節部分Fでの洗浄になる場合を例に説明する。
【0056】
凹部Bの洗浄では、振動部材CのZ軸方向の位置と凹部BのZ軸方向の位置とが算出され、Z軸方向に沿った振動部材Cと凹部Bとの距離が算出される。また、本実施形態では、すでに洗浄に用いる液体(露光液体LQ1)と、振動部材Cの周波数とから、音波の波長が算出される。これらに基づいて、凹部Bの洗浄では、音波の腹部分Rが到達するための、振動部材Cの位置が決定される。
【0057】
本実施形態では、凹部Bの洗浄した後に、XY平面に沿って振動部材Cを、凸部Dを洗浄する場所まで移動させる。凸部Dで音波の腹部分Rでの洗浄となるように、音波の伝播するZ軸方向に沿った、振動部材Cと凸部Dとの距離が、変更される。すでに算出した振動部材Cの振動により露光液体LQ1に発生する音波の波長から、腹部分Rでの洗浄となるように振動部材Cと凸部Dとの距離を算出する。算出された距離となるように、凸部Dを洗浄する場所において、振動部材CをZ軸方向に沿って移動させる。上述したように、液体中を伝播する音波は、腹部分Rと節部分Fとが1/4波長毎に繰り返すので、凸部Dを洗浄する場所において、振動部材CをZ軸方向に沿って、1/4波長よりも短い範囲内で移動させる。移動する方向は、振動部材Cと多孔部材19との距離を短くする+Z軸方向でも構わないし、振動部材Cと多孔部材19との距離を長くする−Z軸方向でも構わない。振動部材Cの移動距離が短くなるように、+Z軸方向、−Z軸方向に移動させるのが望ましい。本実施形態では、多孔部材19に凹凸部Oが含まれている場合でも、多孔部材19の全てに音波の腹部分Rを到達させ、多孔部材19を洗浄することができる。多孔部材19の洗浄が終了した後に、基板ステージ2に保持された基板Pの露光を開始する。
【0058】
なお、本実施形態では、多孔部材19の凹凸部Oには凹部Bと凸部Dがそれぞれ一つ設けられているが、複数設けられていても構わない。また、本実施形態では、凹部Bと凸部Dとが隣りあって設けられていたが、所定面において、凹部Bと凸部Dとが別々に、分離して設けられていても構わない。
【0059】
なお、上述したように、Z軸方向において、凸部Dと凹部Bとは1/4波長以上離れているので、凸部Dを洗浄する際に、振動部材Cを1/4波長以上の範囲で移動させても構わない。例えば、凹部Bの洗浄で、腹部分Rが到達する様な凹部Bと振動部Cとの距離を算出したが、その算出された距離を維持したまま、多孔部材19の凹凸部Oの形状に基づいて、振動部材Cを移動させ、洗浄しても構わない。
【0060】
なお、本実施形態では、凹部Bを洗浄した後に、XY平面に沿って振動部Cを移動させ、凸部Dの洗浄をするために、Z軸方向に振動部Cを移動させたが、振動部Cの移動方向はこれに限られない。例えば、凹部Bを洗浄した後に、XY平面と交差する平面に沿って振動部Cを移動させても構わない。
【0061】
以上、説明したように、本実施形態では、液浸部材6を洗浄する場合に、液浸部材6のうち洗浄する場所によって、液浸部材6と振動部Cとの位置関係を変更した。したがって、液浸部材6に対して、振動部材Cの振動により発生する音波の腹部分Rを到達することができる。したがって、振動部Cを用い、液浸部材6を良好に洗浄することができる。したがって、露光不良を抑制することができる。
【0062】
〈第2実施形態〉
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については、同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0063】
本実施形態では、多孔部材19を洗浄する際に、多孔部材19と振動部材Cとの間の露光液体LQ1の温度を調整する。
【0064】
上述した通り、液体中の音波の速度に基づいて、音波の波長は変わる。また、その液体の温度に基づいて、液体中の音波の速度は変わる。そこで、本実施形態では、多孔部材19を洗浄する際に、多孔部材19と振動部材Cとの間の露光液体LQ1の温度を調整し、露光液体LQ1中の音波の波長を変える。本実施形態では、予め露光形態LQ1の各温度における、所定周波数の振動部材Cにより発生する露光液体LQ1中の音波の波長の情報を、制御装置が記憶している。
【0065】
本実施形態においては、XY平面に沿って振動部材Cを移動させると、凹部Bでは音波の腹部分Rでの洗浄、凸部Dでは音波の節部分Fでの洗浄になる場合を例に説明する。
【0066】
凹部Bでの洗浄した後に、XY平面に沿って振動部材Cを移動させたときの、Z軸方向に沿った凹部Bと振動部材Cとの距離を算出する。記憶されている、露光液体LQ1の各温度における、露光液体LQ1での音波の波長と、算出されたZ軸方向に沿った凹部Bと振動部材Cとの距離とから、凸部Dに腹部分Rを到達させるために必要な露光液体LQ1の温度を算出する。算出された温度となるように、供給部7から供給される露光液体LQ1の温度を、液体供給装置を用いて調整する。
【0067】
なお、液体中の音波の波長と、液浸部材6と振動部材Cとの位置関係の一方のみではなく、両方を変更しても構わない。また、洗浄において液体の温度変化にともない、液体中の音波の波長が変化しないように、所定温度の液体を振動部材Cに供給するようにしても構わない。
【0068】
以上、本実施形態では、液浸部材6を洗浄する場合に、液浸部材6のうち洗浄する場所によって、液体中の音波の波長を変更した。したがって、液浸部材6に対して、振動部材Cの振動により発生する音波の腹部分Rを到達することができる。したがって、振動部材Cを用い、液浸部材6を良好に洗浄することができる。したがって、露光不良を抑制することができる。
【0069】
〈第3実施形態〉
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については、同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0070】
本実施形態においては、多孔部材19を洗浄する際に、多孔部材19と振動部材Cとの間を非露光液体LQ2で満たして、多孔部材19の洗浄を実行する。本実施形態では、非露光液体LQ2として、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液を用いる。
【0071】
多孔部材19の洗浄では、液浸部材6と計測ステージIとを対向した状態で、非露光液体LQ2による液浸空間LSを形成する。供給口7aから非露光液体LQ2を供給し、供給された非露光液体LQ2は、回収口8aから回収することで、非露光液体LQ2による液浸空間LSを形成する。多孔部材19の洗浄時は、非露光液体LQ2による液浸空間LSと多孔部材19とが接触する。また、基板Pの露光時においては、露光液体LQ1の界面が、多孔部材19にあったが、多孔部材19の洗浄時には、非露光液体LQ2の界面は、多孔部材19の外側(開口6Kに対して、外側)にある方が望ましい。基板Pの露光時の露光液体LQ1の液浸空間LSの大きさと、多孔部材19の洗浄時の非露光液体LQ2の液浸空間LSの大きさとは、異なっていても構わない。
【0072】
本実施形態においては、第1の実施形態における露光液体LQ1を用いた多孔部材19の洗浄した後に、露光液体LQ1とは異なる非露光液体LQ2を用いた多孔部材19の洗浄を行う場合を説明する。本実施形態では、予め液体の種類毎の、所定周波数の振動部材Cにより発生する液体中の音波の波長の情報を、制御装置が記憶している。
【0073】
露光液体LQ1と非露光液体LQ2で液体の種類が異なるので、それぞれの液体中での音波の速度が異なる。したがって、露光液体LQ1と非露光液体LQ2での音波の波長が異なる。そこで、本実施形態では、非露光液体のLQ2の音波の波長から、凹部Bに腹部分Rが到達するように、Z軸方向に沿った凹部Bと振動部材Cとの距離、凸部Dと振動部材Cとの距離を算出し、算出された距離に基づいて洗浄を行う。本実施形態において、露光液体LQ1と非露光液体LQ2とは異なり、液体中の音波の波長が異なるので、算出される距離も液体の種類によって異なる。
【0074】
なお、上述の実施形態では、供給口7aから供給される非露光液体LQ2により液浸空間LSを形成したが、供給口7aとは異なる場所から供給される非露光液体LQ2により液浸空間LSを形成しても構わない。例えば、液浸部材6の供給口7aとは異なる、非露光液体LQ2を供給する供給口を、液浸部材6の回収口8の外側に設け、非露光液体LQ2を供給しても構わない。また、例えば、計測ステージIに非露光液体LQ2を供給する供給口を設け、非露光液体LQ2を供給しても構わない。また、例えば、液浸部材6の回収口8から非露光液体LQ2を供給しても構わない。この場合に、供給された非露光液体LQ2を回収可能な回収口を回収部8の外側に設け、供給された非露光液体LQ2を回収しても構わない。
【0075】
なお、非露光液体LQ2の洗浄は、露光液体LQ1の洗浄した後でなくても構わない。また、非露光液体LQ2の洗浄は、用いる液体の種類を変えて複数回行っても構わない。また、露光液体LQ1の洗浄と非露光液体LQ2の洗浄とを複数回繰り返しても構わない。
【0076】
以上、説明したように、本実施形態では、液浸部材6を洗浄する場合に、液浸部材6と振動部材Cとの間の液体の種類に基づいて、液体中の音波の波長を算出した。算出された音波の波長に基づいて、液浸部材6のうち洗浄する場所によって、液浸部材6と振動部材Cとの位置関係を変更した。したがって、液浸部材6に対して、振動部材Cの振動により発生する音波の腹部分Rを到達することができる。したがって、振動部材Cを用い、液浸部材6を良好に洗浄することができる。したがって、露光不良を抑制することができる。
【0077】
なお、液浸部材6と振動部材Cとの位置関係を変更する場合は、上述の凹凸部Oに限られない。例えば、多孔部材19にZ軸方向に対して垂直なXY平面と交差する傾斜部を備えている場合も、液浸部材6と振動部材Cとの位置関係を変更する。図7には、傾斜部を備える多孔部材19の一例を示している。図7に示すように、傾斜部の第1部分Jと、傾斜部の第2部分Kとを洗浄する場合を例に説明する。傾斜部の場合においても、第1点の洗浄でのZ軸方向における振動部材Cと第1点Jとの距離と、第2点の洗浄でのZ軸方向における振動部材Cと第2点Kとの距離とが異なる。したがって、凹凸部Dと同様に、洗浄対象に音波の腹部分Rが到達するように、傾斜部と振動部材Cとの位置関係を変更する。
【0078】
なお、振動部材Cの振動による液体中の音波が伝播する距離を、振動部材CをZ軸方向に沿って移動して変えたがこれに限られない。例えば、洗浄対象である液浸部材6を駆動可能として、Z軸方向に沿って移動させても構わない。また、例えば、図8に示すように、振動部材Cを、Y軸を中心に(θY)傾けることで、液体中の音波が液浸部材6までの伝播する距離を変えることができる。液体中の音波が伝播する方向は、また、例えば、図9に示すように、液体中の音波を反射する反射部材を配置することで、音波の伝播する距離を変えることができる。
【0079】
なお、上述の実施形態では、計測ステージIに振動部材Cを搭載して、振動部材Cを振動させて、液浸部材6を洗浄したが、振動を発生する方法はこれに限られない。例えば、計測ステージIと液浸部材6との間に液浸空間LSを形成した状態で、計測ステージIを所定の周期で振動させ、液浸空間LSに音波を発生させても構わない。
【0080】
なお、上述の実施形態では、振動部材Cを搭載させる場所は、計測ステージIに限られない。例えば、基板ステージ2でも構わない。この場合に、基板に振動子Cを搭載し、振動子Cを搭載した基板を、基板保持部PHで保持しても構わない。また、基板ステージ2及び計測ステージIとは異なるステージを設け、その異なるステージに振動子Cを搭載しても構わない。
【0081】
なお、上述の実施形態では、計測ステージIのZステージI1をZ軸方向に沿って移動させ、Z軸方向に沿って振動部材Cを移動させたが、振動部材Cの位置の変更方法はこれに限られない。例えば、計測ステージIと独立して振動部材Cを駆動可能としても構わない。
【0082】
なお、上述の実施形態では、一つの振動部材Cを搭載したが、複数の振動部材Cを搭載しても構わない。例えば、複数の振動部材CのZ軸方向における位置が異なっていても構わない。Z軸方向において振動部材Cの位置が異なるので、Z軸方向における振動部材Cと洗浄対象との距離も、複数の振動部材Cのそれぞれで異なる。したがって、複数の振動部材Cの内、洗浄対象において、腹部分Rの音波を到達できる振動部材Cを、複数の振動部材Cの中から選択して、洗浄に使用しても構わない。
【0083】
なお、上述の実施形態では、振動部材Cから発生する振動の周波数は、一つであったが、複数の周波数から選択できるようにしても構わない。上述したように、周波数に基づいて、発生する音波の波長を変えることができる。したがって、複数の周波数の内、洗浄対象において、腹部分Rの音波を到達できる周波数を、複数の周波数の中から選択して、洗浄に使用しても構わない。
【0084】
なお、上述の実施形態では、液浸部材6と振動部材Cを搭載した計測ステージとを対向して、液浸部材6を洗浄したが、対向させる物体を、露光装置EXの外部から内部に搬入し、洗浄しても構わない。例えば、米国特許出願公開第2008/018867号明細書に開示されているようなメンテナンス機器を対向して、洗浄しても構わない。メンテナンス機器に搭載した振動部材と液浸部材との位置関係を変更しても構わない。
【0085】
なお、上述の各実施形態においては、露光液体LQ1として水を用いているが、水以外の液体であってもよい。露光液体LQ1としては、露光光ELに対して透過性であり、露光光ELに対して高い屈折率を有し、投影光学系PLあるいは基板Pの表面を形成する感光材(フォトレジスト)などの膜に対して安定なものが好ましい。例えば、露光液体LQ1として、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等を用いることも可能である。また、露光液体LQ1として、種々の流体、例えば、超臨界流体を用いることも可能である。
【0086】
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
【0087】
なお、露光装置EXとしては、スキャニングステッパを用いた、露光装置はこれに限らない。マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次移動させるステップ・リピート方式でも構わない。
【0088】
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
【0089】
また、例えば対応米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
【0090】
また、本発明は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
【0091】
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0092】
また、上述の各実施形態では、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光を発生する光源装置として、ArFエキシマレーザを用いてもよいが、例えば、米国特許第7023610号明細書に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。さらに、上記実施形態では、前述の各照明領域と、投影領域がそれぞれ矩形状であるものとしたが、他の形状、例えば円弧状などでもよい。
【0093】
なお、上述の各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、反射型マスクでも構わない。また、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。可変成形マスクは、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)等を含む。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等が挙げられる。
【0094】
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。
【0095】
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
【0096】
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0097】
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図10に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンを用いて露光光で基板を露光すること(露光処理)、及び露光された基板を現像することを含む基板処理を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0098】
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
【符号の説明】
【0099】
6---液浸部材、C---振動部材、LQ1---露光液体、LS---液浸空間
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本実施形態における露光装置EXの一例を示す概略構成図である。
【図2】基板ステージ2に液浸空間LSが形成されている状態を示す図である。
【図3】本実施形態における回収部8の一例を示す図である。
【図4】本実施形態における多孔部材19の一例を示す図である。
【図5】本実施形態における、液体に伝播する音波の様子の一例を示す図である。
【図6】計測ステージIに液浸空間LSが形成されている状態を示す図である。
【図7】本実施形態における多孔部材19の一例を示す図である。
【図8】本実施形態における、液体に伝播する音波の様子の一例を示す図である。
【図9】本実施形態における、液体に伝播する音波の様子の一例を示す図である。
【図10】マイクロデバイスの製造工程の一例を示すフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1液体を介して基板を露光する露光装置の、前記第1液体に接触する接液部材の洗浄方法であって、
前記接液部材を、第2液体に接触させることと、
振動部を振動させることによって、前記第2液体中に発生する音波を前記第2液体中で伝播させ、前記接液部材の表面の第1点に所定方向から到達させることで、前記第1点を洗浄することと、
前記振動部を振動させることによって、前記第2液体中に発生する音波を前記第2液体中で伝播させ、前記接液部材の表面の前記第1点とは異なる第2点に前記所定方向から到達させることで、前記第2点を洗浄することと、
前記第1点の洗浄と前記第2点の洗浄とで、前記音波の波長と、前記接液部材と前記振動部との前記所定方向の位置関係との少なくとも一方を変更することと、を含む洗浄方法。
【請求項2】
前記接液部材の表面の形状に基づいて、前記音波の波長と、前記接液部材と前記振動部との位置関係との少なくとも一方が変更される請求項1に記載の洗浄方法。
【請求項3】
前記所定方向において、前記第1、第2点の位置が異なる請求項1又は2に記載の洗浄方法。
【請求項4】
前記第1、第2点の位置が、前記音波の1/4以上離れている請求項3に記載の洗浄方法。
【請求項5】
前記接液部材の表面の形状には、凹凸が含まれ、
前記凹凸に、前記第1、第2点が配置される請求項3又は4に記載の洗浄方法。
【請求項6】
前記露光装置は、前記露光光を射出する投影光学系を備え、
前記接液部材の表面の形状には、前記投影光学系の光軸に対して垂直な面に対する傾斜部分が含まれ、
前記傾斜部分に前記第1、第2点が配置される請求項3〜5の何れか一項に記載の洗浄方法。
【請求項7】
前記第1点の洗浄で前記音波の伝播する距離と、前記第2点の洗浄で前記音波の伝播する距離との差が、前記音波の波長の1/4より短い範囲となるように、前記所定方向において前記接液部材と前記振動部との位置関係を変更する請求項1〜6の何れか一項に記載の洗浄方法。
【請求項8】
前記接液部材は、前記露光光の光路の少なくとも一部が前記第1液体で満たされるように前記基板との間で前記第1液体を保持し、
前記接液部材は、前記第1液体を供給する供給口と前記供給された第1液体を回収する回収口との少なくとも一方を備える請求項1〜7のいずれか一項に記載の洗浄方法。
【請求項9】
前記回収口には、多孔部材が配置される請求項8に記載の洗浄方法。
【請求項10】
前記供給口と前記回収口との少なくとも一方を用い、前記第2液体の供給と前記第2液体の回収との少なくとも一方を行う請求項8又は9に記載の洗浄方法。
【請求項11】
前記第2液体は、前記接液部材に対向して物体が配置された状態で供給される請求項1〜10のいずれか一項に記載の洗浄方法。
【請求項12】
前記物体は移動可能なステージを含み、
前記ステージに、前記振動部が搭載される請求項11に記載の洗浄方法。
【請求項13】
前記ステージは、前記基板を保持せずに、前記露光光を計測する計測器を搭載する請求項12に記載の洗浄方法。
【請求項14】
前記第1液体と前記第2液体とは同じである請求項1〜13の何れか一項に記載の洗浄方法。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか一項に記載の洗浄方法で、前記接液部材を洗浄することと、
前記基板を露光することと、
前記露光した前記基板を現像することと、を含むデバイスの製造方法。
【請求項16】
第1液体を介して基板を露光する露光装置であって、
前記第1液体に接触する接液部材と、
振動部と、を備え、
前記接液部材と、第2液体とを接触させた状態で、前記振動部を振動させることによって、前記第2液体中に発生する音波を前記接液部材に伝播し、前記接液部材の表面に所定方向から到達させることで、前記接液部材を洗浄する場合に、前記所定方向からの前記音波を到達することで、前記接液部材の表面の第1点を洗浄する時と、前記所定方向からの前記音波を到達することで、前記接液部材の表面の前記第1点とは異なる第2点を洗浄する時とで、前記音波の波長と、前記接液部材と前記振動部との前記所定方向の位置関係との少なくとも一方を変更する露光装置。
【請求項17】
前記接液部材の表面の形状に基づいて、前記音波の波長と、前記接液部材と前記振動部の位置関係との少なくとも一方が変更される請求項16に記載の露光装置。
【請求項18】
前記所定方向において、前記第1、第2点の位置が異なる請求項16又は17に記載の露光装置。
【請求項19】
前記第1、第2点の位置が、前記音波の1/4以上離れている請求項18に記載の露光装置。
【請求項20】
前記接液部材の表面の形状には、凹凸が含まれ、
前記凹凸に、前記第1、第2点が配置される請求項18又は19に記載の露光装置。
【請求項21】
さらに、前記露光光を射出する投影光学系を備え、
前記接液部材の表面の形状には、前記投影光学系の光軸に対して垂直な面に対する傾斜部が含まれ、
前記傾斜部に前記第1、第2点が配置される請求項18〜20の何れか一項に記載の露光装置。
【請求項22】
前記第1点の洗浄で前記音波の伝播する距離と、前記第2点の洗浄で前記音波の伝播する距離との差が、前記音波の波長の1/4より短い範囲内となるように、前記所定方向において前記接液部材と前記振動部の位置関係を変更する請求項16〜21の何れか一項に記載の露光装置。
【請求項23】
さらに、前記接液部材は、前記露光光の光路の少なくとも一部が前記第1液体で満たされるために、前記第1液体を供給する供給口と前記供給された第1液体を回収する回収口とを含む請求項16〜22の何れか一項に記載の露光装置。
【請求項24】
前記回収口には、多孔部材が配置される請求項23に記載の露光装置。
【請求項25】
前記第1、第2供給口及び前記回収口の少なくとも一つを用い、前記第2液体を供給し、前記第2供給口と前記回収口の少なくとも一つを用い前記供給された第2液体を回収する請求項23又は24に記載の露光装置
【請求項26】
さらに、前記振動部を搭載し、移動可能なステージとを備え、
前記第2液体は、前記接液部材に対向して前記ステージが配置された状態で供給される請求項16〜25の何れか一項に記載の露光装置。
【請求項27】
前記ステージは、前記基板を保持せずに、前記露光光を計測する計測器を搭載する請求項26に記載の露光装置。
【請求項28】
前記第1液体と前記第2液体とは同じである請求項16〜27の何れか一項に記載の露光装置。
【請求項29】
請求項16〜28の何れか一項に記載の露光装置で、前記接液部材を洗浄することと、
前記基板を露光することと、
前記露光した前記基板を現像することと、を含むデバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−94794(P2012−94794A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243052(P2010−243052)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】