説明

洗浄流体を供給するためのパイプシステムと相互に接続された貯蔵タンクシステムにおける自動サンプリング装置および方法

本発明は、洗浄流体を供給するためのパイプシステムと相互に接続された貯蔵タンクシステム(1)における自動サンプリング装置および方法に関し、特に、数個のタンクおよび全てのタンクと常設配管によってそれぞれ結ばれているサンプリング装置からなる貯蔵タンクシステムを備えた、食品飲料産業における、微生物学的な品質要求が高い処理システムにおける自動サンプリング装置および方法に関する。この発明によって、組み込まれた全てのバルブを含むサンプリングシステム全体を、それぞれのタンクの中身に関係なく、フロースルー方法で洗浄及び無菌化することができる。更に、サンプリングは、サンプルされる流体の損失なく行われる。このことは、手続き的に下記の通り行われる。即ち、サンプルされる流体(P)の体積流量(Q(p))が、選択されたタンク(1.i)から流用され、この体積流量(Q(p))がサンプリング装置(5)に供給され、サンプリング装置から選択されたタンク(1.i)に戻され、そして、サンプルされる流体(P)の品質管理がフロースルー方法で行われ、そして/または、サンプルされる流体(P)のサンプル量(PR)が、第1の位置から第2の位置への体積流量(Q(p))の循環の間に、サンプリング装置(5)内で体積流量から流用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄流体を供給するためのパイプシステムと相互に接続された貯蔵タンクシステムにおける自動サンプリング装置および方法に関し、特に、微生物学的な品質要求が高い食品飲料産業における製品の処理および搬送のための処理システムにおける自動サンプリング装置および方法、更に数個のタンクおよび全てのタンクと常設配管によってそれぞれ結ばれているサンプリング装置からなる貯蔵タンクシステムを備えたビールなどの醸造所における自動サンプリング装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品飲料産業特にビール等の醸造所における関連する従来の技術においては、手動または自動で作動させるサンプリングバルブが各タンクの所定の領域に配置されていた。これらのサンプリングバルブは、通常、常設される配管を介して中央に配置されるサンプリング装置に結合されていた。サンプリングバルブによってタンクから流用される、サンプルされる流体(製品)はそれぞれの配管を介してサンプリング装置に送り込まれる。サンプリング装置において、サンプルされる流体はフロースルー(流れ)方式によってその位置において分析され(例えば、密度判定またはO2またはCO2濃度)、または、サンプルされる流体のあるサンプル量をサンプルコンテナに満たし、他の場所で、研究室条件下でその中身を分析することができる。
【0003】
それぞれ選択されたタンクからサンプルされる流体を取り出す(流用する)に先立って、サンプリングバルブを含みこの流体に曝されるサンプリングシステム全体を洗浄および無菌化処理する必要がある。これは次のように行われる。即ち、タンクを洗浄する間に、適用可能な場合には、このタンクと結合されているサンプリングシステムも同様に、タンクを通って延伸する洗浄回路によって、洗浄される。サンプリングバルブを含むサンプリングシステムの洗浄および無菌化は、通常、タンクが流体に曝されている間は実施することができない。その理由は、洗浄および無菌化は、バルブシート表面を洗浄するために、タンクの内部に向かってサンプリングバルブを開放する必要があるからである。このサンプリング方法の他の問題点は、サンプルのために流用される流体の量から実際のサンプル量をとり除いた量は、戻されることなく、廃棄される。上述した流体の廃棄は、環境影響をもたらし、または、サンプリング量が多いときには、好ましくない材料損失をもたらす。
【0004】
しかし、解決策がある。そこでは、タンクに設けられたそれぞれのサンプリングバルブは更なる配管に接続されることなく、あるサンプルの量をサンプルコンテナに引き入れる制御可能な排液スリーブを備えている。排液スリーブは、無菌化のために焼くことができる。サンプル量と接触するサンプリングバルブの領域は、上述したタンクの洗浄と並行して洗浄および無菌化され、そして、バルブシート表面を通過する必要があるので、対応する量の洗浄溶剤が廃棄される。サンプリング間の製品損失が最小であることを除いて、このサンプリング方法も、複数のサンプリングバルブと中央サンプリング装置間における上述した常設の配管という同じ問題点を有している。
【0005】
アメリカ特許(US 6 637 277B2)には、既にサンプリングシステムが開示されている。サンプリングシステムは、サンプルフィード(供給)ラインおよびリターン(戻し)ラインを備え、サンプルを分析システムに取り込むために機能する全てのサンプリング点に対する共通の閉鎖循環パイプラインを備え、サンプルされる溶媒は好ましくはガス流体からなっており、サンプルされる溶媒によってサンプリングシステムを流す手段を備えている。類似のシステムがアメリカ特許(US 7 028 563 B2)およびアメリカ特許(US 5 469 751)から公知である。
【0006】
アメリカ特許(US 4 993 271)には、自動サンプリングおよび分析方法が開示されている。自動サンプリングおよび分析方法においては、サンプルは数個のコンテナからなるコンテナシステムの1つのコンテナからそれぞれ得られ、そして、分析後、もとのコンテナに戻される。類似の方法は、ドイツ特許公開DE 43 32 386 A1、アメリカ特許(US 6 764 651 B2)、アメリカ特許(US 6 923 076 B2)、ドイツ特許公開DE 10 2004 062 166 A1から公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】アメリカ特許(US 6 637 277B2)
【特許文献2】アメリカ特許(US 7 028 563 B2)
【特許文献3】アメリカ特許(US 5 469 751)
【特許文献4】アメリカ特許(US 4 993 271)
【特許文献5】ドイツ特許公開DE 43 32 386 A1
【特許文献6】アメリカ特許(US 6 764 651 B2)
【特許文献7】アメリカ特許(US 6 923 076 B2)
【特許文献8】ドイツ特許公開DE 10 2004 062 166 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、サンプリング実施間にサンプルされる流体に曝される全ての統合されたバルブを備えたサンプリングシステム全体を、タンクのそれぞれの中身に係らず、流れ方式で洗浄および無菌化することができる、自動サンプリング装置および方法を提供することを目的とする。更に、サンプルされる流体の著しい損失を伴うことなくサンプリングができることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の目的は、請求項1に記載された特徴を備えた装置によって達成される。装置の好ましい態様によって、従属請求項の目的が達成される。請求項1の特徴を備えた自動サンプリング装置によって実行することができる洗浄流体を供給するパイプシステムと相互に接続される貯蔵タンクシステムにおける自動サンプリングの方法は、請求項10のステップによって特定される。方法の好ましい態様によって、従属請求項の目的を達成する。
【0010】
この発明の装置および方法は、下記の効果を備えている。
サンプルされる流体をタンクから流すフィードバルブ、および、タンクからサンプルされる流体を戻すリターンバルブは、自動で作動され、ダブルシールおよび非混合(混ざらない)様式で設計され、洗浄可能なバルブシートを備えている。
【0011】
タンクの中身を示すサンプリングは、中央サンプリング装置および手動によって自動的に各タンクで行われる。
【0012】
サンプルされる流体の品質管理は、中央サンプリング装置において流れ方式で行うことができる。
【0013】
関連するバブルシート表面を備えたフィードバルブおよびリターンバルブを備えたサンプリングシステム全体を、流れ方式で洗浄および無菌化することができる。
【0014】
サンプリングは、サンプルされる流体の著しい損失をもたらすことなく行われる。サンプリングを実施する間、流体の切り替えは精密なものではなく、脱塩水によってサンプルされる流体を除去する間、安全の観点から、タンクに戻すために通常必要とされる量に損失が限定される。
【0015】
中央サンプリング装置による提案にかかるサンプリングは、複数のタンク例えば10個のタンクに適用することができる。
【0016】
発明の解法の1つの重要な態様は、各タンクの下部領域に設けられた2つのバルブ、即ちフィードバルブおよびリターンバルブからなり、相互に所定距離を隔てて位置しており、それぞれのバルブシート領域においてダブルシールおよび非混合方式で設計され、洗浄可能なバルブシートを備えている。バルブは第1の接続スリーブおよび第2の接続スリーブ、並びに、それぞれの割り当てられたタンクの内部に接続されるタンク接続部を備えたスルーハウジングからなっており、指定されたバルブによって切り替えることができる。
【0017】
発明の他の一つの主要な態様によると、タンクは、フィードバルブのそれぞれの接続スリーブを通って延伸しているフィードライン、および、リターンバルブのそれぞれの接続スリーブを通って延伸するリターンラインによってそれぞれ相互に直列で接続され、フィードラインおよびリターンラインは、洗浄流体を供給するパイプシステムの反対側に位置するそれぞれの端部で、サンプリング装置によって相互に接続されて、閉鎖循環パイプラインを形成する。
【0018】
発明の第3の主要な態様によると、シャットオフバルブがフィードラインおよびリターンラインの所定の位置にそれぞれ設けられ、これらのシャットオフバルブは、サンプリングのために所定のタンクを選択し、上述した第1の態様に従ってタンクの上のそれぞれのフィードバルブおよびリターンバルブを接続し、そして、上述した第3の態様に従ってタンク間を相互に直列に接続して、サンプルされる流体の体積流量をそのタンクから流し、サンプリング装置を通ってこの体積流量を循環し、そして、引き続いて体積流量をタンクに衛生的に最適な条件で戻すことができる。これによって、サンプルされる流体を著しく損失することなく、サンプリングを行うことができる。更に、それぞれのタンクに配置されたフィードバルブおよびリターンバルブを含むサンプリングシステム全体の関連する領域が流れ方式で洗浄され、無菌化される。
【0019】
フィードバルブおよびリターンバルブの設計に関して、この発明では、所謂ダブルシートバルブまたは所謂ダブルシールバルブを提供している。ダブルシートバルブは、例えば、会社のパンフレットGEA Tuchenhagen、VARIVENT(登録商標)バルブ、610d−05/06から公知であり、VARIVENT(登録商標)ダブルーシートタンクボトムバルブT型と称する。提案している自動サンプリング装置に適する1つの態様は、上述した製造会社の代替部品リストに示された、2006年8月16日付の所謂ダブルシートボトムバルブT_RC,221ELI004791G_0.docである。この目的のために適している他のダブルシートバルブとして、上述した製造会社の会社広報“▲u▼ber UNS”の2006年第2編ページ4に記載されており、リフト機能付VARIVENT(登録商標)ダブルシートボトムバルブDN25,1”ODのタイトルで示されている。
【0020】
バルブシートの洗浄を確実にするためのダブルシール閉塞部材および部分ストロークに関する限り、提案するダブルシールバルブの基本設計は、例えば、DE 198 22 424 C2から公知である。この公報に示されている実施態様においては、2つのハウジングパーツと、この2つのハウジングパーツを接続する接続開口からなるステップハウジングを備えており、バルブ閉塞部材によって制御することができるけれども、公知のダブルシールバルブは発明の装置の一部として接続されるためには適していない。
【0021】
流れ方式によって発明の装置を洗浄し無菌化するためには、そして、脱塩水によってサンプル流体を所望の程度で除去するために、更に、サンプリングシステム全体に大量の脱塩水および無菌空気を流し込むためには、以下のものが提案される。即ち、フィードラインおよびリターンラインを介して貯蔵タンクシステムとそれぞれ接続される、洗浄流体を供給するためのパイプシステムは、洗浄溶剤を供給するための第1のライン、洗浄溶剤を除去するための第2のライン、脱塩水を供給するための第3のライン、および熱水を供給するための第4のライン、および、無菌空気を供給するための第5のラインを備えている。
【0022】
他の提案によると、搬送装置、好ましくは遠心ポンプ、および、サンプリングバルブがサンプリング装置の流れ方向に沿って配置されている。後者(サンプリングバルブ)は、サンプルされる流体の循環する体積流量から少量のサンプリング量をサンプリングボトルに流すことができる。
【0023】
サンプル装置の有利な態様によると、搬送装置とサンプリングバルブの間に、流れ方向に沿って流量計および品質管理装置が配置されている。流量計によって、関連するパイプライン部分から相対的に僅かの除去を制御することが可能になり、その結果、製品の著しい損失がない。品質管理装置によって、サンプルされる流体の分析をスポットでフロースルーで行うことができる。発明の装置をビール等の醸造所で使用するときには、分析は、密度判定および/または製品のO2および/またはCO2濃度の判定からなっている。
【0024】
相互に十分離して配置する必要があるフィードバルブおよびそれぞれ割り当てられたリターンバルブが、対応するタンクの円筒状の表面または円錐形の底部の上方領域に同一高さで配置されると、得られたサンプルが一層優れたものになる。これによって、タンクの円錐部に堆積する冷えたスラッジ粒子が撹拌される、特にリターンバルブの領域で撹拌されるのを防止することができる。
【0025】
他の提案によると、迂回させたサンプルされる流体の体積流量と戻ってくる流体の堆積流量との間の短絡(ショートサーキット)は、フィードバルブとそれぞれ指定されたリターンバルブが、タンクの長軸と垂直の方向に延びる面に関して、相互に90°≦α≦180°、好ましくは120°の角度で配置されると、効果的に回避することができる。
【0026】
1つの好ましい実施態様によると、フィードバルブのリーケージキャビティとその周辺の間の接続パスを手動によるサンプルが可能なように設計することによって、提案されたダブルシートまたはダブルシールバルブを使用して、非常に簡単な方法で、手動によるサンプリングを実現することができる。
【0027】
この発明の自動サンプリング装置は、洗浄流体を供給するためのパイプシステムに相互に接続された貯蔵タンクシステムにおける自動サンプリングの方法の実現を可能にする。自動サンプリング装置は、上述した利点を備え、次の特徴を有している。
サンプルされる流体の体積流量は、第1の位置における選択されたタンクから自動的に流用される。
上述した体積流量は、サンプリング装置に送られ、第2の位置において、サンプリング装置から上記選択されたタンクに戻される。
サンプルされる流体の品質管理は、フロースルー方法で行われ、そして/または、流体のサンプル量は、体積流量の第1の位置から第2の位置への移動間に、サンプリング装置内において体積流量から流用される。
貯蔵タンクシステムにおける自動サンプリング装置を、フィードラインおよびリターンラインによって、洗浄流体を供給するパイプシステムに接続することによって、全サンプリングシステムを適切な流体によって洗浄および/または無菌化、および、充満することができる、この方法の好ましい付加的な改良を実現することができる。この付加的な改良によると、タンクの内容に関係なくタンクの1つからサンプリングするに先立って、サンプリング工程の間にサンプルされる流体に曝される全システムが、洗浄溶剤によってフロースルー方法で洗浄され、または熱水によってフロースルー方法で無菌化され、または、脱塩水または無菌空気によって完全に充満される。これらの流体は、パイプシステムを経由して供給される。
【0028】
提案された方法の他の好ましい実施態様によると、サンプルされる流体の体積流量の循環のために指定された領域に位置する脱塩水または他の流体は、選択されたタンクの1つのサンプリングに先立って、サンプルされる流体によって、上述した指定された領域から排除されるので、サンプルされる流体と、サンプリングシステムに残存する脱塩水または他の流体とが混ざり合うことなく、サンプリングが確実に行われる。ここでは、サンプルされる流体は、第1の位置のサンプルされるタンクから流用される。
【0029】
提案された方法を付加的に改良すると、サンプリングの工程においてサンプルされる流体の損失を微量に減少する。即ち、改良は、次の通り行われる。サンプルされる流体の体積流量の循環のために指定された領域に位置するサンプルされる流体を、選択されたタンクの1つにおけるサンプリングに続いて、第2の位置において、脱塩水によってこの領域から完全に排除してサンプルされるタンクに送る。
【0030】
流量計が体積流量の循環する領域に設けられ、そして、流量計がそれぞれの排除を制御するとき、脱塩水またはサンプルされる流体の排除は、相対的に最小の幅を有する、関連するパイプライン部分と相互に作用することによって正確に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1は、この発明の装置の概要を示し、例えば、一方で洗浄流体を供給するパイプシステム、他方でサンプリング装置と相互に接続された5つのタンクを備えた装置の概要を示す。
図2は、図1に示す貯蔵タンクシステムの平面図の詳細であり、中央サンプリング装置と関連する配管を、図1におけるよりもより現実的に示している。
図3は、図1による装置の概要を示し、フィードバルブおよびリターンバルブを含むサンプリングシステム全体を、相互に接続されたパイプシステムによってフロースルーによって洗浄することが示されている。
図4は、図1による装置の概要を示し、選択されたタンクのために続いて使用されるパイプライン領域から脱塩水を排除することが示されている。
図5は、図1による装置の概要を示し、選択されたタンクのサンプリングが示されている。
図6は、図1による装置の概要を示し、サンプルされた流体をサンプリングのための選択されたタンクに、損失無しに送ることを示す。
図7は、図1による装置の概要を示し、洗浄流体を供給するために、接続されたパイプシステムを介して、フィードバルブおよびリターンバルブを含むサンプリングシステム全体が脱塩水に曝される。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、一般的にn個のタンク、即ち、タンク1.1から1.nからなる貯蔵タンクシステム1を示す。中央サンプリング装置5に向かうパイプの長さが過度に長くなるのを避けるために、サンプリング装置5に割り当てられる最大数のタンクは概ねn=10に限定される。
【0033】
図2は、個々のタンク1.1から1.nの実際の配管を示す。図1では、機能を説明するために、配管の概要を示している。この場合には、タンク1.1から1.n(n=5)が図1に示され、左側から3番目のタンクは、1.iで示され、右側に隣接するタンクは1.i+1で示されている。図2は中央サンプリング装置5に接続されている全てのタンクを示していない。しかしながら、タンク1.1および最後のタンク1.nは、6以上の数のタンクの現在のマトリックス形の配列において相互に直接隣接して位置していることが示されている。その間に位置するタンクは、1.i−2から1.i+1で示されている。
【0034】
タンク1.1から1.nの各々は、液体製品(サンプリングされる流体P)を収納し、そこから、必要によりサンプリング装置5において代表的なサンプルが採集される。タンクを満たしそして空にする機能をはたすタンク1.1から1.nの配管は、それぞれの円錐形の底部に接続された短い管の形で示されている。フィードバルブV1.1a、V1.2a、・・・V1.ia、V1.i+1a、・・・V1.naおよびリターンバルブV1.1b、V1.2b、・・・V1.ib、V1.i+1b、・・・V1.nbは、各タンク1.1から1.nの下方領域、好ましくは、円錐形の底部の少し上の円筒状の表面にそれぞれ設けられている。そこでは、フィードバルブとリターンバルブは指定されたタンクの上で相互にある距離で配置され、それぞれのバルブシート領域でダブルシールの方式、同様に、ミックスプルーフ(混ざり合わない)方式で設計され、洗浄可能なバルブシートを備えている。例えば、この目的のために、上述したダブルシートバルブまたはダブルシールバルブまたは所望の特性を備えた類似のバルブが考えられる。これらフィードバルブV1.1a、V1.2a、・・・V1.ia、V1.i+1a、・・・V1.naおよびリターンバルブV1.1b、V1.2b、・・・V1.ib、V1.i+1b、・・・V1.nbの各々は、それぞれ第1接続スリーブaおよび第2接続スリーブb、および、タンク接続部cを備えたスルーハウジングであり、タンク接続部は指定されたタンク1.1から1.nの内部とそれぞれ接続され、指定されたフィードバルブまたはリターンバルブによって切り替えることができる。
【0035】
洗浄液を供給するパイプシステム4が、貯蔵タンクシステム1に割り当てられており、パイプシステム4は、洗浄溶剤RMを供給する第1のライン4.1(所謂洗浄溶剤フィードRV)、洗浄溶剤RMを回収する第2のライン4.2(所謂洗浄溶剤リターンRR)、脱塩水EWを供給する第3のライン4.3、Dまたは熱水HWを供給する第4のライン4.4および無菌空気SLを供給する第5のライン4.5からなっている。上記ライン4.1および4.3から4.5は、遠隔制御バルブV4.1からV4.4によって、フィードライン2に接続され、リターンライン3は、第5のバルブV4.5によって第5のライン4.5に、第6のバルブV4.6によって第4のライン4.4に、そして、第7のバルブV4.7によって第3のライン4.2に接続されている。第1のドレインバルブV4.8は、第6のバルブV4.6と第7のバルブV4.7との間に設けられ、上記ドレインバルブによって第1の溝(ガリ)4.6に流れて、リターンライン3を空にすることができる。
【0036】
洗浄溶剤RM、脱塩水EW、Dまたは熱水HWおよび無菌空気SLは、必要により、所謂CIP(その場洗浄)またはSIP(その場無菌化)処理を行うために、上述したパイプシステム4を介してこの発明の自動サンプリング装置に供給される。上述した流体は、装置から第2のライン4.2、洗浄溶剤リターンRRまたは第1の溝(ガリ)4.6を介して除去される。
【0037】
フィードライン2は第1のタンク1.1に設けられた第1のフィードバルブV1.1aのスルーハウジング上の第1の接続スリーブaに接続され、第2の接続スリーブbを介して第2のタンク1.2の第2のフィードバルブV1.2aへと続く。他のタンク1.iから1.nは、それぞれ割り当てられたフィードバルブV1.ia、V1.i+1aおよびV1.naによって、同様に相互に直列に接続される。タンク1.1から1.nは、リターンバルブV1.1b、V1.2b、・・・、V1.ib、V1.i+1b、・・・、V1.nbのそれぞれの接続スリーブa、bを通って延伸するリターンライン3によって相互に直列に接続される。
【0038】
マトリックス形に配置したタンクのフィードライン2およびリターンライン3の実際の配管は、図2に示されている。図示するように、フィードバルブV1.iaからV1.naおよびリターンバルブV1.1bからV1.nbは、それぞれタンクにグループで配置(例えば、フィードバルブV1.i−1a、V1.ia、V1.i+1a、およびV1.na)されて、長さに関して最適の結果で配管が行われている。フィードバルブV1.naおよびリターンバルブV1.nbは、実際には、タンク1.nに相互に関連して配置されている。タンク1.nの長軸に垂直な方向に延伸する面に関して、好ましくはα=120度で、相互に関連して配置されている。垂直方向に関して、フィードバルブV1.naおよび割り当てられたリターンバルブV1.nbは、円筒の表面領域で同一高さに配置されているか、または、タンク1.nの円錐形の底部の上方領域において同一高さに配置されている。好ましい配置は、同様に他のタンクに対しても適用される。
【0039】
フィードライン2およびリターンライン3は、パイプシステム4(図1)の反対側に位置するサンプリング装置5によって、端部が相互に接続されて、閉鎖された循環パイプライン2/3を形成している。流れ方向に関して、サンプリング装置5は、運搬装置5.1好ましくは遠心力ポンプ、流量計5.2例えば誘導流量計、品質管理装置5.3例えば比重計および/またはO2−CO2濃度を判定する測定装置、サンプリングバルブV5.1および、それによって第2の溝(ガリ)に流して閉鎖循環パイプライン2/3を空にすることができる第2ドレインバルブV5.2を備えている。サンプリング装置5に入っていくフィードライン2の部分をインレットライン2.5と称し、サンプリング装置5から出て行くリターンライン3の部分をアウトレットライン3.5と称する。
【0040】
図2に示す実際の配管によって、インレットライン2.5およびアウトレットライン3.5、並びに、パイプシステム4に通ずるフィードライン2およびリターンライン3は、貯蔵タンクシステム1から中央サンプリング装置5へと、束になって延伸していることが示されている。割り当てられる第2のサンプリング装置1*を備えた対応する第2の貯蔵タンクシステム5*(図示しない)は、同様に実現される。2つのサンプリング装置5、5*は、好ましくは相互に空間的に近く配置されて、最も単純で、最も明確に配置され、使用者にとって最も容易な貯蔵タンクシステム1、1*を可能にする。
【0041】
第1のフィードシャットオフバルブV2.1は、第1のフィードバルブV1.1aに延伸するフィードライン2(図2)に設けられて、それ自体とフィードバルブV1.1aの間における、タンク1.1のフィードラインの第1の部分2.1aを形成する。フィードシャットオフバルブV2.2からV2.nは、それぞれフィードライン2の他の部分、即ち、次のフィードバルブV1.2aからV1.naの間の部分に設けられている。従って、それぞれのフィードシャットオフバルブV2.2からV2.nは、隣接するフィードバルブV1.2aからV1.naの間に位置する割り当てられたフィードライン2の部分を2つの部分に分割している。フィードバルブV1.1aとV1.2aの間は、タンク1.1のフィードラインの第2の部分2.1bと、タンク1.2のフィードラインの第1の部分2.2aからなっている。タンク1.2とタンク1.iとの間は、部分2.2bおよび部分2.iaからなっており、タンク1.iとタンク1.i+1との間は、部分2.ibおよび部分2.i+1aからなっており、そして、タンク1.i+1とタンク1nとの間は、部分2.i+1bおよび部分2.naからなっている。
【0042】
第1のリターンシャットオフバルブV3.1は、第1のリターンバルブV1.1bに延伸するリターンライン3に設けられて、それ自体とリターンバルブV1.1bの間における、タンク1.1のリターンラインの第2の部分3.1bを形成する。リターンシャットオフバルブV3.2からV3.nは、それぞれリターンライン3の他の部分、即ち、次のリターンバルブV1.2bからV1.nbの間の部分に設けられている。従って、それぞれのリターンシャットオフバルブV3.2からV3.nは、隣接するリターンバルブV1.2bからV1.nの間に位置する割り当てられたリターンライン3の部分を2つの部分に分割している。リターンバルブV1.1bとV1.2bの間は、タンク1.1のリターンラインの第1の部分3.1aと、タンク1.2のリターンラインの第2の部分3.2bからなっている。タンク1.2とタンク1.iとの間は、部分3.2aおよび部分3.ibからなっており、タンク1.iとタンク1.i+1との間は、部分3.iaおよび部分3.i+1bからなっており、そして、タンク1.i+1とタンク1.nとの間は、部分3.i+1aおよび部分3.nbからなっている。
【0043】
貯蔵タンクシステム1における自動サンプリングの方法、図1および図2を参照して説明した構造、準備およびそれに続く手続きのステップは、以下に述べるように実行される。タンク1.1から1.nのそれぞれの1つのサンプリングに先立って、サンプリングの間にサンプリングされる流体Pに曝されるサンプリングシステム全体を、タンク1.1から1.nの個々の内容物に関係なく、洗浄溶剤RMで流し去る要領で洗浄し、または、Dまたは熱水HWで流し去る要領で無菌化し、または、脱塩水EWまたは無菌空気SLで完全に洗い落とす。これらの流体RM、D、HW、EW、SLは、パイプシステム4(図1)を介して供給される。
【0044】
図3は、洗浄溶剤RMを使用する所謂CIP洗浄の例を示す。洗浄溶剤RMはパイプシステム4の第1のライン4.1を介して供給される。即ち、洗浄溶剤フィードRVは、第1のバルブV4.1によってフィードライン2内に導かれ、続いて、フィードライン2のそれぞれ割り当てられる部分2.1bから2.5に関して、第1のフィードシャットオフバルブV2.1の下流の全ての部分2.1aから2.naを洗浄する。洗浄溶剤RMは、インレットライン2.5を通ってサンプリング装置5内に導かれ、その中の部品5.1、5.2、5.3、V5.1およびV5.2を洗浄する。同時にサンプリングバルブV5.1のサンプル分岐を洗浄し、次いで、閉鎖循環パイプライン2/3およびアウトプットライン3.5を通って、リターンライン3のそれぞれ割り当てられた部分3.i+1aから3.1aに関して、直列に接続された部分3.nbから3.1bに流れ込み、最終的に、パイプシステム4の第2のライン4.2、即ち、リターンライン3、第1リターンシャットオフバルブV3.1の下流の第7のバルブV4.7を介して洗浄溶剤RRに戻る。
【0045】
上述した流路は、それぞれのフィードバルブV1.1aからV1.naおよびリターンバルブV1.1bからV1.nbのバルブシート表面を洗浄するためにも使用される。このことは、それぞれのタンク1.1から1.nの内部から離れる側に面するダブルシールフィードバルブおよびダブルシールリターンバルブのバルブシート表面のことに関係している。その理由は、この発明は、タンクが製品と接触している一方で、洗浄プロセスを実行することを可能にするからである。
【0046】
上述したサンプリングシステム全体を、Dまたは熱水HWによって、または脱塩水EWまたは無菌空気SLに曝して、SIP処理を施すことは十分に行われ、その際には、パイプシステム4内の流体D、HW、EW、SLの対応する供給源への流路だけ、即ち、ライン4.3から4.5の1つが開放される。
【0047】
図7は、サンプリングシステムの全体を脱塩水EWに曝す場合の例を示す。選択されたタンク1.1から1.nのサンプリングに先立って、サンプリングのための完璧な開始条件を作り出すために、対応する曝しが行われる。脱塩水EWは、第3のライン4.3および第2のバルブV4.2を介して、フィードライン2およびそれに続く部分に導き、閉鎖循環パイプライン2/3およびサンプリング装置5、リターンライン3および第1ドレインバルブV4.8を介して第1の溝(ガリ)4.6に排出する。脱塩水EWの第1の溝(ガリ)4.6への噴出による損失を最小にするために、サンプリングシステム全体の脱塩水EWへの曝しは、流量計5.2によって制御される。
【0048】
例えば、タンク1.iのサンプリングに先立って、サンプリングシステムの全体が脱塩水EWに完全に曝される(図4)。サンプリングを実行するために(図5参照)、先ず、フィードバルブV1.iaとリターンバルブV1.ibの間の領域の閉鎖循環パイプライン2/3を含む、フィードライン2の部分とリターンライン3の部分から脱塩水EWを完全に除去する(関係するパイプラインを太線で示す)。この除去は、サンプリングされる流体Pを、タンク1.iからリターンバルブV1.ibの下流側に位置するリターンライン部分を通って流し、第1の溝(ガリ)に排出させることによって行われる。この場合には、フィードシャットオフバルブV2.iは閉じられ、流れ方向に関して下流側の他のフィードシャットオフバルブV2.i+1およびV2.nは開放される。リターンシャットオフバルブV3.iおよび他の全てのリターンシャットオフバルブは開放される。脱塩水EWの除去は、サンプリング装置5の流量計5.2によって正確に制御される。
【0049】
現時点で、選択されたタンク1.iのサンプリングのための必要条件が満たされた。他のタンク例えば第1のタンク1.1のサンプリングには、フィードバルブV1.1aとリターンバルブV1.1bの間のフィードライン2およびリターンラインの関係する部分から脱塩水EWを除去することが必要である。
【0050】
関係する領域から脱塩水EWを除去し、そして、サンプリングされる流体Pによって置き換えた後、サンプルされる流体Pの体積流量Q(P)が自動的に選択されたタンク1.iからフィードバルブV1.iaによって流出される(図5)。
【0051】
この体積流量Q(P)は、部分2.ib、2.i+1a、2.i+1b、2.naおよびインレットライン2.5を通ってサンプリング装置5に送られ、次いで、サンプリング装置からアウトレットライン3.5、部分3.nb、3.i+1a、3.i+1bを通り、リターンバルブV1.ibが接続されている部分3.iaを通ってタンク1.iに戻される。循環のために関係するパイプラインは太線で示されている。サンプリング装置5内では、サンプルされる流体Pの品質制御が、体積流量Q(P)の循環中に装置5によって、フロースルー(流れ)の要領で行われる。体積流量Q(P)から流体Pのサンプル量PRがサンプリングバルブV5.1によって流されて、体積流量Q(P)マイナス流されたサンプル量PR(即ち、体積流量Q(P)−PR)がアウトレットライン3.5からタンクに戻される。
【0052】
選択されたタンク1.1から1.nのそれぞれのサンプリング、この態様ではタンク1.i(図6)のサンプリングが終了した後、サンプル流体Pの体積流量Q(P)の循環のために割り当てられた領域に存在するサンプル流体Pが、脱塩水EWによってこの領域から完全に除去されてサンプルタンク1.1から1.n(この態様ではタンク1.i)内に押し流される。これを達成するために、タンク1.iのリターンバルブV1.ibは開放されたままで、フィードバルブV1.1aは閉じられる。リターンシャットオフバルブV3.iは閉じられたままで、フィードシャットオフバルブV2.iは開放される。他のフィードシャットオフバルブおよびリターンシャットオフバルブは開放されたままである。脱塩水EWは第3のライン4.3および第2のバルブV4.2を介して供給される。脱塩水EWの除去は、流量計5.2によって正確に制御される。上述したように、サンプル流体Pの損失を非常に少なくしてサンプリングを行うことが示されている。
【符号の説明】
【0053】
1 貯蔵タンクシステム
1* 第2貯蔵タンクシステム
1.1から1.n タンク(タンク1.1、1.2、・・・、1.i−2、1.i−1、1.i、1.i+1、・・・、1.n)
1.i タンク1.1から1.nの1つのタンク
2 フィードライン
2.1a タンク1.1のフィードラインの第1部分
2.2a タンク1.2のフィードラインの第1部分
2.ia タンク1.iのフィードラインの第1部分
2.ia+1 タンク1.i+1のフィードラインの第1部分
2.na タンク1.nのフィードラインの第1部分
2.1b タンク1.1のフィードラインの第2部分
2.2b タンク1.2のフィードラインの第2部分
2.ib タンク1.iのフィードラインの第2部分
2.i+1b タンク1.i+1のフィードラインの第2部分
2.5 (サンプリング装置5への)インレットライン
2/3 閉鎖された循環パイプライン
3 リターンライン
3.1a タンク1.1のリターンラインの第1部分
3.2a タンク1.2のリターンラインの第1部分
3.ia タンク1.iのリターンラインの第1部分
3.i+1a タンク1.i+1のリターンラインの第1部分
3.1b タンク1.1のリターンラインの第2部分
3.2b タンク1.2のリターンラインの第2部分
3.ib タンク1.iのリターンラインの第2部分
3.i+1b タンク1.i+1のリターンラインの第2部分
3.nb タンク1.nのリターンラインの第2部分
3.5 (サンプリング装置5からの)アウトレットライン
4 洗浄流体を供給するためのパイプシステム
4.1 第1のライン(洗浄溶剤RMのためのフィードRV)
4.2 第2のライン(洗浄溶剤RMのためのリターンRV)
4.3 第3のライン(脱塩水EWのための)
4.4 第4のライン(Dまたは熱水HWのための)
4.5 第5のライン(無菌空気SLのための)
4.6 第1の溝(ガリ)
5 サンプリング装置
5* 第2サンプリング装置
5.1 搬送装置
5.2 流量計
5.3 品質管理装置(例えば、密度、O2濃度)
5.4 第2の溝(ガリ)
α 相対角度
D 蒸気
EW 脱塩水
HW 熱水
Q(P) サンプルされる流体Pの体積流量
Q(P)−PR サンプルされる流体Pの体積流量−流用(迂回)されるサンプル量PR
P サンプルされる流体(製品)またはサンプルされた流体
PR サンプル量
RM 洗浄溶剤
RR 洗浄溶剤リターン
RV 洗浄溶剤フィード
SL 無菌空気
バルブ
サンプル装置5におけるバルブ
V5.1 サンプリング装置
V5.2 第2のドレインバルブ
フィードライン2におけるバルブ
V1.1a 第1のフィードバルブ(自動的に作動可能、混合されない、洗浄可能なバルブシートを備えている)([*])
V1.2a 第2のフィードバルブ([*])
V1.ia i番目のフィードバルブ([*])
V1.i+1a i+1番目のフィードバルブ([*])
V1.na n番目のフィードバルブ([*])
V2.1 第1のフィードシャットオフバルブ
V2.2 第2のフィードシャットオフバルブ
V2.i i番目のフィードシャットオフバルブ
V2.i+1 i+1番目のフィードシャットオフバルブ
V2.n n番目のフィードシャットオフバルブ
リターンライン3におけるバルブ
V1.1b 第1のリターンバルブ(自動的に作動可能、混合されない、洗浄可能なバルブシートを備えている)([*])
V1.2b 第2のリターンバルブ([*])
V1.ib i番目のリターンバルブ([*])
V1.i+1b i+1番目のリターンバルブ([*])
V1.nb n番目のリターンバルブ([*])
V3.1 第1のリターンシャットオフバルブ
V3.2 第2のリターンシャットオフバルブ
V3.i i番目のリターンシャットオフバルブ
V3.i+1 i+1番目のリターンシャットオフバルブ
V3.n n番目のリターンシャットオフバルブ
a (フィードバルブまたはリターンバルブのスルーハウジング上の)第1の接続スリーブ
b (フィードバルブまたはリターンバルブのスルーハウジング上の)第2の接続スリーブ
c (フィードバルブまたはリターンバルブ上の)(切り替え可能な)タンク接続部
バルブおよびパイプシステム4
V4.1 第1のバルブ
V4.2 第2のバルブ
V4.3 第3のバルブ
V4.4 第4のバルブ
V4.5 第5のバルブ
V4.6 第6のバルブ
V4.7 第7のバルブ
V4.8 第1のドレインバルブ
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のタンク(1.1、1.2、・・・1.i、・・・1.n)からなる貯蔵タンクシステム(1)および永久配管によって全てのタンク(1.1、1.2、・・・1.i、・・・1.n)とそれぞれ連絡するサンプリング装置(5)を備え、洗浄流体を供給するパイプシステム(4)に相互に接続された貯蔵タンクシステム(1)における自動サンプリング装置であって、
前記パイプシステム(4)は、異なる洗浄流体を供給する、複数の平行なライン(4.1、4.3から4.5)、洗浄溶剤(RM)を押し出すライン(4.2)および第1の溝(ガリ)からなっており、前記貯蔵タンクシステム(1)は、フィードライン(2)およびリターンライン(3)を介して前記パイプシステムに接続され、そして、リターンライン(3)およびライン(4.1から4.5)は、フィードライン及びリターンライン(2、3)、または、フィードライン(2)に選択的に接続され、そして、リターンライン(3)は、第1の溝(ガリ)(4、6)に接続され、
フィードバルブ(V1.1a、V1.2a、・・・、V1.ia、・・・、V1.na)およびリターンバルブ(V1.1b、V1.2b、・・・、V1.ib、・・・、V1.nb)は、それぞれ各タンク(1.1、1.2、・・・1.i、・・・1.n)の下方領域に取り付けられ、前記フィードバルブおよび前記リターンバルブは、相互に所定距離を隔てて配置され、それぞれのバルブシート領域においてダブルシール仕様、および、混合防止仕様で設計され、そして、洗浄可能なバルブシートを備えており、
前記フィードバルブ(V1.1a、V1.2a、・・・、V1.ia、・・・、V1.na)およびリターンバルブ(V1.1b、V1.2b、・・・、V1.ib、・・・、V1.nb)の各々は、指定されたタンクのそれぞれの内部に接続された、第1の接続スリーブ(a)、第2の接続スリーブ(b)およびタンク接続部(c)を有するスルーハウジングを備えており、そして、指定されたバルブによって切り替え可能であり、
前記タンク(1.1、1.2、・・・1.i、・・・1.n)は、フィードバルブ(V1.1a、V1.2a、・・・、V1.ia、・・・、V1.na)のそれぞれの接続スリーブ(a,b)を通って延伸するフィードライン(2)、および、リターンバルブ(V1.1b、V1.2b、・・・、V1.ib、・・・、V1.nb)のそれぞれの接続スリーブ(a,b)を通って延伸するリターンライン(3)によって、相互に直列に接続され、
前記フィードライン(2)および前記リターンライン(3)は、前記パイプシステム(4)と反対側の端部において、サンプリング装置によって相互に接続されて、閉鎖循環パイプライン(2/3)を形成し、
1つのフィードシャットオフバルブ(V2.1、V2.2、・・・、V2.i、・・・、V2.n)は、それぞれ、フィードバルブ(V1.1a、V1.2a、・・・、V1.ia、・・・、V1.na)の流れ方向に関して上流側に位置するフィードライン(2.1a、2.2a、・・・、2.ia、・・・、2.na)の各第1部分に設けられ、そして
1つのリターンシャットオフバルブ(V3.1、V3.2、・・・、V3.i、・・・、V3.n)は、リターンバルブ(V1.1b、V1.2b、・・・、V1.ib、・・・、V1.nb)の流れ方向に関して下流側に位置するリターンライン(3.1b、3.2b、・・・、3.ib、・・・、3.nb)の各第2部分に設けられていることを特徴とする自動サンプリング装置。
【請求項2】
前記フィードバルブ(V1.1a、V1.2a、・・・、V1.ia、・・・、V1.na)および前記リターンバルブ(V1.1b、V1.2b、・・・、V1.ib、・・・、V1.nb)は、スライディングピストンの形で前記タンク接続部(c)に隣接して位置する第1の閉塞部材、および、バルブシートディスクの形で実現された第2の閉塞部材を備えたダブルシートバルブの形でそれぞれ実現され、
前記2つの閉塞部材は、タンク接続部(c)、および、2つの接続スリーブ(a,b)を収容するスルーハウジングの間の接続開口を制御し、そして、2つの閉塞部材は、ダブルシートバルブの閉じられた位置、および、開かれた位置において、相互間に、少なくとも1つの接続通路を介してダブルシートバルブの周辺に接続されるリーケージキャビティを形成し、ダブルシートバルブの開放操作間に、第1の閉塞部材が第2の閉塞部材と接触し、そして、第2の閉塞部材を開放位置へと移動させ、
前記開放操作は、タンク(1.1、1.2、・・・1.i、・・・1.n)から離れる方向に行われ、そして、
それぞれのバルブシートを洗浄するために、第1の閉塞部材は、開放操作と反対方向への第1の部分ストロークによって、部分的に開放された位置に移動することができ、そして、第2の閉塞部材は、開放操作と同一方向への第2の部分ストロークによって、部分的に開放された位置に移動することができることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記フィードバルブ(V1.1a、V1.2a、・・・、V1.ia、・・・、V1.na)およびリターンバルブ(V1.1b、V1.2b、・・・、V1.ib、・・・、V1.nb)は、軸的に相互に離隔した2つのシーリングポイントによって、円筒状のバルブシート表面と協同するスライディングピストンの形の閉塞部材を備えたダブルシートバルブの形でそれぞれ実現され、
前記円筒状のバブルシート表面は、タンク接続部(c)と2つの接続スリーブ(a,b)を収容するスルーハウジングとを接続する接続開口と隣接し、そして、前記接続開口は閉塞部材によって制御され、
少なくとも1つの接続通路を介してダブルシールバルブの周辺に接続されるリーケージキャビティは、前記シーリングポイント間に形成され、そして、
前記閉塞部材の部分ストロークは、それぞれのバルブシートを洗浄するため、一方または他方のシーリングポイントを露出することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記パイプシステム(4)は、洗浄溶剤(RM)を供給するための第1のライン(4.1)、洗浄溶剤(RM)を排除するための第2のライン(4.2)、脱塩水(ES)を供給する第3のライン(4.3)、蒸気(D)または熱水(HW)を供給するための第4のライン(4.4)および無菌空気(SL)を供給する第5のライン(4.5)を備えていることを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記サンプリング装置(5)は、流れ方向に関して、搬送装置(5.1)およびサンプリングバルブ(V5.1)を備えていることを特徴とする、請求項1から4の何れか1項に記載の装置。
【請求項6】
流量計(5.2)および品質管理装置(5.3)は、流れ方向に関して、前記搬送装置(5.1)とサンプリングバルブ(V5.1)との間に配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記フィードバルブ(V1.1a、V1.2a、・・・、V1.ia、・・・、V1.na)およびそれぞれ指定されたリターンバルブ(V1.1b、V1.2b、・・・、V1.ib、・・・、V1.nb)は、対応するタンク(1.1、1.2、・・・1.i、・・・1.n)の円筒状表面エリアまたは円錐形の底部の上方部において、同一高さに配置されていることを特徴とする、請求項1から6の何れか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記フィードバルブ(V1.1a、V1.2a、・・・、V1.ia、・・・、V1.na)およびそれぞれ指定されたリターンバルブ(V1.1b、V1.2b、・・・、V1.ib、・・・、V1.nb)は、タンクの長軸に垂直に延伸する面に関して、相互に、90°≦α≦180°の角度、好ましくはα=120°の角度で配置されていることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記フィードバルブ(V1.1a、V1.2a、・・・、V1.ia、・・・、V1.na)の前記リーケージキャビティと、その周辺の間の接続通路は、手動サンプルが得られるように設計されていることを特徴とする、請求項2から8の何れか1項に記載の装置。
【請求項10】
複数のタンク(1.1、1.2、・・・1.i、・・・1.n)からなる貯蔵タンクシステム(1)および永久配管によって全てのタンク(1.1、1.2、・・・1.i、・・・1.n)とそれぞれ連絡するサンプリング装置(5)を備え、洗浄流体を供給するパイプシステム(4)に相互に接続された貯蔵タンクシステム(1)における自動サンプリング方法であって、
請求項1に記載の特徴を備えた自動サンプリング装置を使用し、
第1の位置において、サンプルされる流体(P)の体積流量(Q(p))が自動的に流用され、前記体積流量(Q(p))が前記サンプリング装置に供給され、そして、第2の位置において、前記サンプリング装置から選択されたタンク(1.i)に戻され、そして、
サンプルされる流体(P)の品質管理がフロースルー方法で行われ、そして/または、サンプルされる流体(P)のサンプル量(PR)が、第1の位置から第2の位置への体積流量(Q(p))の循環の間に、サンプリング装置(5)内で体積流量から流用されることを特徴とする自動サンプリング方法。
【請求項11】
タンクの内容に関係なくタンクの1つからそれぞれサンプリングするに先立って、如何なるサンプリング工程の間にサンプルされる流体に曝される全システムが、洗浄溶剤(RM)によってフロースルー方法で洗浄され、または蒸気(D)熱水(HW)によってフロースルー方法で無菌化され、または、脱塩水(EW)または無菌空気(SL)によって完全に充満され、これらの流体(RM、D、HW、EW、SL)は、パイプシステム(4)を経由して供給されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
選択されたタンク(1.1、1.2、・・・1.i、・・・1.n)の1つのそれぞれのサンプリングに先立って、前記サンプルされる流体(P)の体積流量(Q(p))の循環のために指定された領域に位置する脱塩水(EW)は、サンプルされる流体(P)によって上記領域から前記パイプシステム(4)に排出され、サンプルされる流体(P)がタンク(1.1、1.2、・・・1.i、・・・1.n)から流用されて、前記第1の位置でサンプルされることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
選択されたタンク(1.1、1.2、・・・1.i、・・・1.n)の1つのそれぞれのサンプリングに続いて、前記サンプルされる流体(P)の体積流量(Q(p))の循環のために指定された領域に位置するサンプルされた流体(P)は、第2の位置で脱塩水(EW)によって、上記領域から完全に排出されて、サンプルされたタンク(1.1、1.2、・・・1.i、・・・1.n)へ完全に搬送されることを特徴とする、請求項10から12の何れか1項に記載の方法。
【請求項14】
脱塩水(EW)またはサンプルされた流体(P)の前記排出は、循環する体積流量(Q(p))の領域に設けられた流量計によって制御されることを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。

【公表番号】特表2010−513849(P2010−513849A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540611(P2009−540611)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【国際出願番号】PCT/EP2007/009562
【国際公開番号】WO2008/074377
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(509168690)ゲーウーアー ブルアリー システムズ ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】