説明

洗浄用具

【課題】洗浄作業効率の向上と洗浄効果の向上とを同時に実現した洗浄用具を提供する。
【解決手段】容器3に収容された洗浄剤32が、本体部2に収容された送液機構4によって吐水管5を介して擦掃部6の近傍に設けられた吐出口53から吐出される。これにより、被洗浄箇所に洗浄剤32を吐出しながら、洗浄用具1を持ち替えることなく洗浄作業を行うことが可能となる。また、形状が複雑な被洗浄箇所、例えばトイレの便器等を洗浄する場合、擦掃部6を便器裏側まで入り込ませることができ、また、便器裏側に対して直接洗浄剤32を吐出することができるため、隅々まで均一に洗浄することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄剤を吐出して被洗浄箇所を洗浄する洗浄用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に、トイレ、浴室、厨房等の床や壁のタイルや便器等の硬表面の洗浄は、容器入りの洗浄剤を直接被洗浄箇所に吐出、塗布してブラシ等の洗浄用具で擦掃するか、又は前記洗浄剤をブラシに吐出して滲み込ませてから被洗浄箇所を擦掃することによって行っていた。
【0003】
しかしながら、この方法では、ブラシ及び洗浄剤容器が別個に独立しているため、洗浄作業中に容器から洗浄剤を吐出して、被洗浄箇所又はブラシへ洗浄剤を供給する作業が煩雑となり、洗浄作業の効率の点で改善が望まれていた。
【0004】
洗浄作業の効率を改善するため、ブラシ等の擦掃部と洗浄剤容器とを一体化した洗浄用具が提案されている。例えば、清掃用液剤を収納した液剤容器と、流出孔を有する隔壁を有する中間支持体と、この中間支持体に取り付けられた弾性塗布体などよりなり、前記液剤容器には予めこの液剤容器を密封する蓋材が設けられて清掃用液剤が密封包装された洗浄用具が知られている。こうした洗浄用具は、使用時に前記中間支持体に液剤容器を取り付け、流出孔より清掃用液剤を弾性塗布体に流出させ、前記液剤容器の容器本体の頸部には係合部が設けられ、一方、前記中間支持体には、前記液剤容器の頸部と係合接続する容器接続部が設けられ、且つ前記隔壁が押圧によって変形して開口するように設けられている(例えば、特許文献1)。
【0005】
また、洗浄剤を収容した容器が洗浄用具の柄部となるように構成され、弾性変形させることによって洗浄剤を吐出する容器と、擦掃部の背部に設けられて前記容器が脱着可能に取り付けられる中空筒と、該中空筒に設けられ、前記容器から吐出された洗浄剤が貯留される洗浄剤溜と、球弁によって前記容器から洗浄剤溜への洗浄剤の吐出を防止する弁と、擦掃部の背部から擦掃部へ通ずる通孔とを具備した洗浄用具が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0006】
また、擦掃部の手持ちの柄の一端に、洗浄剤を収容した容器を把持する洗浄剤把持具を取り付けた洗浄用具が提案されている(例えば、特許文献3)。
【0007】
さらに、洗浄剤を収容する容器と、該容器内に洗浄剤を吐出するノズル及び該ノズルの操作部と、擦掃部が取り付けられた棒状のロッド部材と、前記ノズルの操作部に係合されてロッド部材の基端側へ延伸される引張部材と、該引張部材を前記ロッド部材の基端側へ向けて引っ張る操作部材とを具備した洗浄用具が提案されている(例えば、特許文献4)。
【特許文献1】特開平7−313421号公報
【特許文献2】実開昭62−92723号公報
【特許文献3】特開2000−79020号公報
【特許文献4】登録実用新案第3081943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献1に記載の洗浄用具は、使用時に中間支持体に密封包装された液剤容器を取り付け、隔壁が押圧によって変形して開口するように設けた流出孔より清掃用液剤を弾性塗布体に流出させ、清掃あるいはワックス掛けに用いるものである。
しかしながら、こうした洗浄用具では、洗浄剤を容器から弾性塗布体に流出させる際に、中間支持体あるいはそれに取り付けられたロッドを被洗浄面に押し当てる操作が必要になり、洗浄剤を吐出するために比較的大きな力を要し、操作性が悪いという課題があった。また、この吐出操作にあたって、吐出される洗浄剤の量を把握しづらく、しばしは適量よりも多い洗浄剤を吐出させて液垂れを招いてしまったり、逆に吐出量が適量よりも少なすぎて十分な洗浄効果が得られないといった使用上の課題があった。
【0009】
一方、特許文献2に記載の洗浄用具は、該洗浄用具を上方に向けて立てて球弁を移動させて弁を解除した状態とし、容器を弾性変形させて洗浄剤を中空筒に吐出し、中空筒の洗浄剤溜に貯留した洗浄剤が通孔から擦掃部に供給され、該擦掃部で被洗浄箇所を洗浄するというものである。
しかしながら、この洗浄用具では、洗浄剤を容器から洗浄剤溜に吐出させる際は、上述のように、弁を解除するために球弁を移動させる複雑な操作が必要となり、また、洗浄作業中に球弁が移動することによって洗浄剤が流出する虞がある。
【0010】
特許文献3に記載の洗浄用具は、洗浄剤が収容された容器と擦掃部とが、柄の両端に分けて設けられているため、洗浄剤を被洗浄箇所に対して吐出する際は柄の持ち替えが必要となり、洗浄作業が煩雑となって作業効率が低下する虞がある。また、使用者が持つ柄と擦掃部とは直線的に連なった形となっており、トイレの便器裏側等に擦掃部が行き届かず、洗浄が不完全になる虞がある。また、柄を持ち替える際に、洗浄作業に使用した擦掃部
が直接衣服に触れたり、擦掃部への付着物が衣服や作業場所周辺に飛散することによって汚してしまう虞があった。
【0011】
さらに、特許文献4に記載の洗浄用具は、ノズルの吐出方向と擦掃部のブラシ形成方向とが異なる向きとなっているため、洗浄剤を被洗浄箇所に吐出して、ロッド部材を持ち替える等の操作によって擦掃部のブラシ形成方向を被洗浄箇所に向け、ブラシ洗浄することになり、作業が煩雑で作業効率が低下する虞がある。また、擦掃部は、ロッド部材一端側の長さ方向に沿った位置と、ロッド部材一端に垂直に設けられた延出部材に沿った位置で、互いに垂直となるように取り付けられているため、トイレ便器等の裏側に擦掃部が行き届かず、洗浄が不完全になる虞があった。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、洗浄作業効率の向上および洗浄効果の向上とを同時に実現可能な洗浄用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明によれば、洗浄剤を圧送する送液機構が内部に収容された筒部と、該筒部の一端から延出したアーム部と、前記アーム部の先端に設けられた基台部とを有する本体部と、前記筒部の他端側に着脱自在又は固定的に取り付けられ、内部に収容された洗浄剤を前記送液機構に供給するための容器と、前記アーム部の内部に配設されて、前記送液機構から洗浄剤が送液される吐出管と、前記基台部に取り付けられる擦掃部と、前記擦掃部近傍に配設され、前記吐出管から送込まれた洗浄剤を吐出する吐出口とを具備してなることを特徴とする洗浄用具が提供される。
【0014】
また、本発明によれば、洗浄剤を圧送する送液機構が内部に収容され、把持部を有する筒部と、該筒部の一端から延出したアーム部と、前記アーム部の先端に設けられた基台部とを有する本体部と、前記筒部の他端側に着脱自在又は固定的に取り付けられ、内部に収容された洗浄剤を前記送液機構に供給するための容器と、前記アーム部の内部に配設されて、前記送液機構から洗浄剤が送液される吐出管と、前記基台部に取り付けられる擦掃部と、前記擦掃部近傍に配設され、前記吐出管から送込まれた洗浄剤を吐出する吐出口とを具備してなり、前記擦掃部を弾性変形が可能な弾性材で形成したことを特徴とする洗浄用具が提供される。
【0015】
前記筒部の長さ方向に対する前記擦掃部の上面の角度が20〜90°であればよい。また、前記筒部の長さ方向に対する前記吐出口からの洗浄剤の吐出角度が20〜110°であればよい。前記吐出口は、吐出された前記洗浄剤が前記擦掃部の表面または内部に広がるような位置に形成されればよい。前記擦掃部と前記基台部とを互いに着脱自在にする脱着機構を更に備えていてもよい。前記洗浄剤には、少なくとも界面活性剤が含有されていればよい。
【0016】
前記本体部に、前記送液機構の操作部が設けられており、前記送液機構は、ポンプ式であればよい。あるいは、前記本体部に、前記送液機構の操作部が設けられており、前記容器はエアゾール式で洗浄剤を容器外に吐出するものであり、前記送液機構は、前記容器から吐出された洗浄剤を前記吐出管に送液するものであればよい。また、前記把持部またはその近傍に、前記送液機構を操作して前記吐出管から前記洗浄剤を吐出させる操作部を形成してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の洗浄用具によれば、容器に収容された洗浄剤が、本体部に収容された送液機構によって吐出管を介して擦掃部またはその近傍に設けられた吐出口から吐出される。これにより、被洗浄箇所を洗浄剤の含まれた擦掃部で洗浄用具を持ち替えることなく洗浄作業を行うことが可能となる。また、形状が複雑な被洗浄箇所、例えばトイレの便器等を洗浄する場合、擦掃部を弾性変形させ、便器裏側まで入り込ませることができ、また、洗浄剤を擦掃部に吐出することができるため、洗浄剤を無駄なく洗浄することが可能となる。これにより、洗浄作業の効率向上と洗浄効果の向上とを同時に実現することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る洗浄用具の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1及び図2は、本発明の第1の実施形態における洗浄用具の一例を示すものであり、この洗浄用具1は、洗浄剤32を圧送する送液機構4が内部に収容された筒部21と、筒部21の一端である基端部21fから延出したアーム部22と、アーム部22の先端に設けられた基台部23とを有する本体部2と、筒部21の他端に着脱自在に取り付けられ、内部に収容された洗浄剤32を送液機構4に供給する容器3と、アーム部22の内部に配設されて、送液機構4から洗浄剤32が送液される吐出管5と、基台部23に取り付けられる擦掃部6と、基台部23に取り付けられて擦掃部6の上面61近傍に配設され、吐出管5から送込まれた洗浄剤32を吐出する吐出口53とから概略構成される。
【0019】
図1に示すように、本体部2は、中空の筒部21と、この筒部21の一端の基端部21fから下方に延出したアーム部22と、このアーム部22の先端に設けられた基台部23とを有している。筒部21の他端には開口部21aが設けられており、この開口部21aから後述する容器3が筒部21内部に入り込むように収容されている。開口部21aの内面側には、開口部21aに沿って環状に容器係止爪21bが形成されている。
【0020】
筒部21の中ほどは、この洗浄用具1を把持するための把持部9とされる。筒部21の長さ方向略中央には、容器受部21cが設けられており、この容器受部21cと前記開口部21aとの間に形成された空間は容器収容部21dとして確保される。筒部21内部の容器受部21cと基端部21fとの間に形成された空間は送液機構収容部21eとして確保され、後述する送液機構4が収容されている。
【0021】
アーム部22の内部には、送液機構4に接続された吐出管5が配設されている。図示例では、アーム部22は細長に形成され、基端部21fから先端方向へ向けて全体的にカーブした曲線状となっているが、直線状であっても、他の形状であっても良い。また、図示例では、アーム部22は中空形状となっているが、例えばU字状やH字状に形成しても良い。
【0022】
基台部23は、アーム部22の先端にアーム部22よりも太くなるように設けられており、その端部23aに擦掃部6が一体に取り付けられている。また、基台部23の側部から、吐出管5の先端部52aが突き出され、その吐出口53は、擦掃部6の表面に向けて洗浄剤32が吐出される角度に設けられている。
【0023】
本体部2の筒部21は、洗浄用具1を使用する際に把持部9として機能する。筒部21の太さは、使用者が筒部21を把持して作業することを考慮し、直径が15〜45mmであることが好ましい。筒部21が15mm未満の場合、使用者が持ちにくくなったり、洗浄作業がしにくくなる虞がある。筒部21が45mmを越える場合、使用者が把持することはできるが、洗浄作業がしにくくなる虞がある。
【0024】
また、本体部2の全長は、後述する擦掃部6を含めて200〜500mmであることが好ましい。擦掃部6を含めた本体部2の全長が200mm未満の場合、洗浄作業時にはねた水が手にかかる虞があり、衛生上の問題がある。500mmを越える場合は、洗浄用具1の操作性が低下する虞がある。
【0025】
筒部21は、長さ方向に分割した構成とすることもできる。筒部21を分割して、洗浄用具1の購入後又は使用時に連結する構成とすれば、洗浄用具1を構成する1部品あたりの寸法を最大限短くすることが可能となる。これにより、洗浄用具1の収納性が向上し、また、収納用具1の販売時の陳列性や携帯性を向上させることができる。
【0026】
容器3は、内部に洗浄剤32等の液体が収容される有底筒状の容器であり、口部31には送液穴31aが形成される。容器3の胴部33の長さ方向略中央には、係止溝33cが形成されている。容器3は、前記筒部21の開口部21aに対して、口部31側を入り込ませるようにして筒部21内に収容され、容器3の胴部33のうち、係止溝3aよりも口部31寄りの被収容部33aが、前記筒部21内部に収容されるようになっている。
【0027】
胴部33のうち、係止溝3aよりも底部34寄りの露出部33b及び底部34は筒部21の外部に露出するようになっている。口部31は、筒部21の容器受部21cによって支持される。容器3は、係止溝31aと筒部21の容器係止爪21bとが係合することによって筒部21に着脱可能に固定されている。
【0028】
図示例では、容器3が、長さ方向の略半分程度が筒部21に収容されるようになっているが、容器3が完全に筒部21内に収容されるように構成しても良いし、又は容器3のほぼ全体が筒部21の外に露出するように構成しても良く、図示例には限定されない。また、容器3は、筒部21(本体部2)に対して固定した構成としても良く、この場合は、容器3に洗浄剤32を補給する補給口を設けておけば良い。また、容器3は口部31がネジとなっているネジ式ボトルでもよい。また、容器3の形状は、断面形状を円形又は楕円形とすれば、容器3の強度確保の点で好ましいが、断面形状が矩形であっても良いし、角部が曲面状に形成された矩形や矩形と曲面の組み合わされた形状であっても良い。
【0029】
容器3の材質は、特に限定されない。例えば、アルミニウム、チタン等の金属類や各種合金、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリエステル、ABS、アクリル等のプラスチック類、木材、カーボンファイバー、エラストマー、ゴム等の素材を、1種類或いは2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
【0030】
また、容器3の長さ方向の形状としては、図示例では直線状のものを用いているが、これには限定されず、例えば、湾曲状、くの字状、部分的にカーブした形状等、適宜決定できる。容器3の容量は、20〜400mlが好ましく、40〜300mlであればより好ましい。さらに、40〜200mlであればより一層好ましい。容器3の容量が20ml未満の場合、洗浄用具1を使用した際に洗浄剤切れが頻繁に起こる虞がある。また、容器3の容量が400mlを越える場合、洗浄用具1全体が重くなることによって操作性が低下する虞がある。また、図示例では、洗浄剤32を収容した容器3を1台だけ使用しているが、複数であっても良い。例えば、筒部21への付け替えや洗浄剤32の詰め替えが行われる容器とは別に、補助容器を設けても良い。
【0031】
容器3に収容される洗浄剤32は界面活性剤が含まれていることが好ましい。界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤など、特に限定されることなく従来公知のものを任意に用いることができる。その代表的な例としては次の通りであり、これらは単独で用いても、あるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。
(1)陰イオン性界面活性剤としては、疎水基の炭素数が8〜22(C8からC22)のアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルリン酸エステル塩などが挙げられ、これらの対イオンとしての陽イオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アルカノールアンモニウムイオン、アンモニウムイオンなどが挙げられる。
(2)陽イオン性界面活性剤としては、疎水基の炭素数が8〜22(C8からC22)のアルキルトリメチルアンモニウム塩、牛脂アルキルトリメチルアンモニウム塩、硬化牛脂アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキル・エチル・ジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩などが挙げられ、これらの対イオンとしての陰イオンとしては、クロライド塩、ブロマイド塩、硫酸塩、メチルサルフェート塩、メチルスルホネート塩、アセテート塩などが挙げられる。具体例としては、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロリド、パルミチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド及び相当するブロミド、ヨージドを挙げることができる。この他に、アルキル基がヒドロキシエチル基又はベンジル基のもの、例えば、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、パルミチルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セタルコニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ドデシルピリジニウムを挙げることができる。また、対イオンがアルキル硫酸残基のもの、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、平均炭素数が16〜18のアルキルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、ステアリルトリメチルアンモニウムエチルサルフェートなども用いることができる。
(3)両性界面活性剤としては、疎水基の炭素数が8〜22(C8からC22)のアルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン、アルカノイルアミドプロピルベタインなどのベタイン型両性界面活性剤、イミダゾリン型両性界面活性剤、アミノ酸型両性界面活性剤が挙げられる。具体例としては、ラウリルアミドプロピル−N,N−ジメチル−酢酸ベタイン、ヤシアルキルアミドプロピル−N,N−ジメチル−酢酸ベタイン、ラウリルアミドプロピル−N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルスルホベタイン、ヤシアルキルアミドプロピル−N,N−ジメチルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルアミドプロピル−N,N−ジメチルプロピルスルホベタイン、ヤシアルキルアミドプロピル−N,N−ジメチルプロピルスルホベタイン、ラウリル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン、ヤシアルキル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン、2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ヤシアルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾニウムベタインなどが挙げられる。
(4)非イオン性界面活性剤としては、疎水基の炭素数が8〜22(C8からC22)のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルジメチルアミンオキシド(ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ヤシアルキルジメチルアミンオキシド、ミリスチル-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミンオキシド、ヤシアルキル-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミンオキシドなど)、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類等が挙げられる。
洗浄剤組成物の界面活性剤以外の成分としては、溶剤、ハイドロトロープ剤、酸、アルカリ剤、キレート剤、ビルダー、再汚染防止剤、pH調整剤としての酸性物質やアルカリ剤、高分子、防腐剤、抗菌剤、除菌剤、殺菌剤、防カビ剤、漂白剤(次亜塩素酸ナトリウムなど)、シリコーンなどのすすぎ向上剤、酵素、蛍光増白剤、天然物などのエキス、香料、消臭剤、色素、酸化防止剤、増粘剤、減粘剤、紫外線吸収剤など通常洗浄剤に使用されるものならばどのようなものでもよく、特に限定されるものではない。また、本発明の液体洗浄剤組成物の残部は、水(精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水、海洋深層水など)である。
【0032】
以下、容器3に収容される洗浄剤32の好ましい組み合わせ例をいくつか挙げる。
(1)
ラウリルジメチルアミンオキシド (1.0%)
C16−18 アルキルトリメチルアンモニウムメトサルフェート (0.7%)
グリコール酸 (0.3%)
クエン酸 (0.5%)
キシレンスルホン酸 (0.7%)
精製水 (残部)
(2)
ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム (0.7%)
C16−18 アルキルトリメチルアンモニウムメトサルフェート (0.35 %)
クエン酸3ナトリウム (0.118%)
クエン酸 (0.141%)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル (5.0%)
香料 (0.3%)
精製水 (残部)
(3)
ラウリン酸アミドプロピルベタイン (0.7%)
C16−18 アルキルトリメチルアンモニウムメトサルフェート (0.3 %)
エチレンジアミン4酢酸 (1.0%)
水酸化カリウム (0.51%)
エタノール (5.0%)
香料 (0.3%)
精製水 (残部)
(4)
ラウリン酸アミドプロピルベタイン (0.7%)
C16−18 アルキルトリメチルアンモニウムメトサルフェート (0.3%)
クエン酸 (3.0%)
水酸化カリウム (1.8%)
エタノール (10%)
香料 (0.3%)
精製水 (残部)
(5)
ラウリン酸アミドプロピルベタイン (0.3%)
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸 (0.7 %)
エデト酸(エチレンジアミン4酢酸) (1.0%)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル (5.0%)
香料 (0.3%)
色素(青色1号) (0.0015%)
水酸化カリウム (pH調整量(pH=6.5))
精製水 (残部)
(6)
ラウリン酸アミドプロピルベタイン (0.3%)
AES(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム) (0.7 %)
エデト酸(エチレンジアミン4酢酸) (1.0%)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル (5.0%)
香料 (0.3%)
色素(青色1号) (0.0015%)
水酸化カリウム (pH調整量(pH=6.5))
精製水 (残部)
【0033】
さらに、具体的な洗浄剤組成物の例としては、特開平11−217600記載の「洗浄剤組成物」、特開2004−322078記載の「スプレー型洗浄製品」、特願2003−294946記載の「トイレ用洗浄剤組成物」、特許第3558907号記載の「硬表面防汚抗菌洗浄剤組成物」、特開平8−259997記載の「液体洗浄剤組成物」、特許第3464593号記載の「液体洗浄剤組成物」、特願2003−335786記載の「袋状容器入り液体洗浄剤」、特開2003−171688や特開2000−129292記載の「中性液体洗浄剤組成物」、特許第3155071号記載の「エアゾール型洗浄剤」、特願2003−429694記載の「液体漂白剤組成物および液体漂白剤製品」、特開2003−253297記載の「洗浄剤及び洗浄剤製品」、特開平10−330793記載の「殺菌力増強剤、殺菌力増強方法及び殺菌洗浄剤組成物」をあげることができるが、特に限定されるものではない。
【0034】
送液機構4は、容器3に収容された洗浄剤32を吐出管5へ送り出すものである。送液機構4は、一端側が容器3の口部31に形成された送液孔31aに挿通されている送液パイプ41と、この送液パイプ41の他端側に入口42aが接続されたポンプ42と、このポンプ42を作動させる押し板44及び押し板44に連結された操作部(吐出操作部)45と、前記送液パイプ41に取り付けられた空気取り込み弁43とから構成される。操作部(吐出操作部)45は、筒部21の把持部9に形成され、把持部9で洗浄用具1を把持した状態で洗浄剤32の吐出操作を容易に行えるようになっている。
【0035】
ここで、ポンプ42は、伸縮性を有する蛇腹部42bが設けられた蛇腹式のポンプであり、蛇腹部42bの圧縮(図1のF方向)と伸長復帰の繰り返しにより、入口42aからの吸引と出口42dからの吐出とを繰り返すものである。
【0036】
図2(a)、(b)に示すように、送液機構4によって洗浄剤32を送液する際は、操作部45をF方向へ引き上げて、押し板44をF方向へ移動させる。押し板44は、ガイド部44aにガイドされながら、ポンプ42の蛇腹部42bを押し上げるようにF方向へ移動して蛇腹部42bを圧縮する。操作部45を復帰させ、蛇腹部42bが伸長復帰する時、送液パイプ41を通じて容器3内の洗浄剤32を蛇腹部42b内部に吸引する。この際、空気取り込み弁43から容器3内に空気が取り込まれる。
【0037】
操作部45を再びF方向へ移動して蛇腹部42bを圧縮し、蛇腹部42b内に吸引してあった洗浄剤32を、ダンパ部42cを通じて出口42dから吐出する。操作部45を操作して蛇腹部42bの伸縮作用を繰り返し行うことにより、容器3内から出口42dへの洗浄剤32の送液を行い、出口42dから吐出する。図1に示すように、出口42dから吐出された洗浄剤32は、出口42dに接続された吐出管5に送込まれる。
【0038】
本例においては、ポンプ42を蛇腹式ポンプで構成して説明しているが、他の方式であっても良く、例えば、図3に示すように、ディスペンサー式のポンプ46を把持部9に形成した操作部45aによって操作する構成としても良いし、トリガースプレーを用いた構成としても良い。
【0039】
また、図4に示すように、洗浄剤32が収容されたエアゾール式の容器13を使用して、送液機構4に送液弁47を設けた構成としても良い。図4に示した例では、把持部9に形成した操作部45bを操作することによって送液弁47の開閉動作を行い、容器13から吐出される洗浄剤32の吐出管5への送液を制御するようになっている。なお、図3、図4においては、図面を見易くするために、筒部21及びアーム部22においては、その輪郭のみを表示した。
【0040】
図1に示したようなポンプを用いた送液機構4では、洗浄作業中に操作部45を操作することが必要となるが、使用者が洗浄用具1を把持した状態で、容易に操作できる把持部9に操作部45が設けられている。図示例では、使用者が把持する筒部21の把持部9に形成した側面に引き上げ式の操作部45を配設しているが、これには限定されず、例えば指で操作する押しボタンやレバー及び引き具等を把持部9の側面に設けても良い。
【0041】
洗浄用具1では、液送機構4にポンプ式のものを用いる場合、上方の容器3より洗浄剤32を取り込んで下方に吐出する構成となるため、倒立使用可能なポンプを用いることが好ましいが、倒立使用において洗浄剤32の漏れが生じないものであれば、通常のポンプも使用することができる。
【0042】
吐出管5は、一端側に設けられた接続端51と、送液部52と、他端側に設けられた吐出口53とを有し、送液部52がアーム部22内に配設されている。送液部52の先端部である吐出端部52aは、アーム部22の先端に設けられた基台部23から突出して設けられており、図示例では、吐出管5の長さ方向において、吐出端部52aの部分が、擦掃部6の表面に向けて洗浄剤32が吐出されるように曲がった形状となっている。
【0043】
図1にあるように、基台部23に吐出端部52aが設けられている必要は無く、アーム部22に吐出端部52aが設けられていても良い。また、吐出端部52aは図では基台部23から突出して設けられているが、必ずしも突出している必要はなく、吐出端部52aは基台部23あるいはアーム部22に内設され、洗浄剤が吐出できるように基台部23あるいはアーム部22に開口部が設けられていても良い。
【0044】
接続端51には、前記送液機構4の出口42dが接続されており、出口42dから吐出された洗浄剤32が接続端51から吐出管5内に送込まれ、送液部52内を送液されて、吐出口53から外部へ吐出されるようになっている。吐出端部52aの経路には逆止弁54が設けられている。図示例では、吐出端部52aに逆止弁54を設けているが、この逆止弁54は、吐出管5の経路において、吐出口53側に最大限寄せた位置に設けることが、吐出口53からの洗浄剤32の漏れを最小限にする点で好ましい。
【0045】
擦掃部6は、基台部23の端部23aに取り付けられ、端部23aへの取付面として機能する上面61と、該上面61と反対側の下面62と、先端面63とを有している。擦掃部6は、トイレ便器等の被洗浄箇所に押し当てて擦ることによって汚れを擦掃するものであり、様々な被洗浄面が容易に洗浄できるように弾性変形が可能な弾性材で形成されている。こうした弾性変形が可能な弾性材を擦掃部6に使用することで、被洗浄面に倣った形に擦掃部6が弾性変形して、被洗浄面に擦掃部6を密着させることが可能になる。これにより、被洗浄面に付着した汚れをムラなく確実に除去することが可能になる。
【0046】
擦掃部6の材質としては、布、紙、不織布、プラスチック、ゴム、エラストマー、プラスチック又はゴム又はエラストマーの発泡体、海綿、金属などが挙げられる。好ましくは発泡体、不織布、更に好ましくは脱膜処理したウレタンスポンジ、エアレイド・スパンレースなどが挙げられる。最も好ましくはニードルパンチ、メルトブロー等の手法で作られた嵩高い不織布や、不織布とウレタンスポンジを積層した複合素材が挙げられる。また、擦掃部6は、一種類の素材だけでなく、2種類以上の素材を積層あるいは部分的に組み合わせた擦掃部を用いても良い。
【0047】
擦掃部6は適度な含水率を有することで、洗浄時の泡立ち性、水切れ性を良好に保つことができる。含水率が高すぎると擦掃部が重くなり、操作がしづらくなったり、清掃後の水切りが面倒となる。逆に含水率が低すぎると、洗浄剤を使用する際に泡立たせにくくなり、泡立てることに時間がかかってしまう。こうした擦掃部6の好ましい含水率は、擦掃部のみを25℃の水道水に完全に水没させ水中にて約2kgの荷重で10秒間に10回擦掃部を圧縮しその後引き上げて30秒後の擦掃部重量と、含水前の擦掃部重量との重量比を含水率とした時に、100.1〜400%であることが好ましい。
【0048】
前記含水率が400%を超えると擦掃部6が重くなり、操作がしづらくなったり、清掃後の水切りが面倒となる。前記含水率が100.1%未満では、洗浄剤を使用する際に泡立たせにくくなり、泡立てることに時間がかかってしまう。
【0049】
擦掃部6は、植毛タイプ、不織布巻き付けタイプ、スポンジタイプ等、素材については適宜選択できるが、擦掃部全体の25%圧縮硬さ(JISK6400(2004)準拠)が0.015N/cm〜50N/cmであることが好ましい。より良くは、0.06N/cm〜7N/cmであり、更に良くは、0.22N/cm〜3.2N/cmが好ましい。また、擦掃部6の素材は1種類で構成される必要は無く、ウレタンスポンジと不織布とを張り合わせたものや、3種類のスポンジを層状に貼り合わせたものなど、多素材の組合わせ、多層構造のものでもよい。除膜型ポリウレタンフォームが水切れ性及び被洗浄箇所への追随性(フィット性)の点で好ましく、素材の1つとして利用することが好ましい。
【0050】
擦掃部6の端部23aへの取り付けについては、接着やねじ止め等、既存の方法を用いることができる。図1では、端部23aが擦掃部6の内部に入り込む形で取り付けられているが、取り付け形態は図1に示す形態には限定されず、端部23aと上面61とが面一となるように取り付けても良い。更には、基台部(擦掃部6の端部23a)と擦掃部に脱着機構を備えていても良く、基台部に錨状突起部を配し擦掃部を突き刺す方法や擦掃部に脱着機構のための部材を配し、基台部と嵌合させる方法等、様々な機構を用いることが出来る。
【0051】
擦掃部6の端部23aへの取り付け方法のバリエーションとしては、例えば、図5に示すように、吐出管91の先端に形成したネジ91aで吐出管91と擦掃部90とを連結するもの(図5a)、吐出管92の先端に形成した抜け止め楔を有する針92aで擦掃部90を突き刺して吐出管92と擦掃部90とを連結するもの(図5b)、吐出管93の先端に形成したスライドレール93aで吐出管93と擦掃部90とを連結するもの(図5c)などが挙げられる。擦掃部が脱着できることで、擦掃部が傷んだり破損した場合に交換することが出来、洗浄用具全体を交換あるいは購入し直す必要が無く、無駄がない。また、擦掃部の用途に合わせて付け替えることが出来るので、様々な形状の被洗浄面に対応可能となる。
【0052】
擦掃部6はどのような形状であっても良いが、擦掃部の上面から投影された形状がほぼ円状あるいは最外郭を滑らかに結んだ図形がほぼ円状(対称形→点対称、線対称)であることが好ましい。対称形であることでどのような洗浄対称面にも適応でき、擦掃部を均一に使うことが出来る。また、均一に使うことで、擦掃部の劣化を遅らせることが出来る。
【0053】
擦掃部の大きさとしては、50cm〜1000cmであることが好ましい。擦掃部の大きさが小さすぎると洗浄面積が大きいときに手間がかかり、擦掃部の大きさが大きすぎると、洗浄面積が小さい場面に対応できず、また、操作が大変になる。こうした擦掃部の50%以上が脱膜処理されたウレタンスポンジであり、そのセル数(JIS K6400(2004))が4〜20個/1インチであってもよい。脱膜処理されたウレタンスポンジを使用することで、弾性変形と水切れ性の両方を確保することが出来る。
【0054】
こうした擦掃部6の上面形状のバリエーションを図6にいくつか示しておく。また、擦掃部の側面形状のバリエーションを図7にいくつか示しておく。擦掃部6をさまざまな形状にすることによって、被洗浄面の形状に応じて最適な擦掃力を発揮できるようになる。
【0055】
擦掃部6の上面61の上方近傍には、吐出管5の吐出端部52aが配設されている。図示例では、吐出端部52a先端の吐出口53の向きは、擦掃部6の先端側を向くように、設けられている。洗浄剤は吐出口より吐出された後、擦掃部前方に掛かるように設定されることが好ましいが、擦掃部全体に掛かるように吐出口を配したり、擦掃部の内部に吐出口を配してもよい。
【0056】
洗浄剤が吐出される吐出口は図1の如く擦掃部6の上面に向けて形成される以外にも、例えば、図8に示すように、擦掃部81の内部に吐出管82を延長し、擦掃部81の内部に吐出口84を形成するようにしても良い。こうした構造にすることで、洗浄剤が擦掃部81の内部に吐出され、擦掃部81に含浸される。これにより、洗浄剤を無駄なく洗浄することが可能となり、洗浄作業の効率向上と洗浄効果の向上とを同時に実現することが出来る。
【0057】
また、吐出口は1つである必要は無く、2つ以上あってもよい。また、吐出口の形状としては、吐出方向に対して垂直方向から見た形状が円形の他、楕円形、矩形、星型、十字型、葉型、涙型など規定されない。
【0058】
洗浄用具1を用いて洗浄作業を行う際の洗浄剤32の吐出量は、操作部45の操作1回当りで0.1〜5mlが好ましく、0.2〜3mlであればより好ましい。また、0.2〜1mlであればより一層好ましい。操作部45の操作1回当りの洗浄剤32の吐出量が0.1ml未満の場合は、何度も操作部45を操作して洗浄剤32を吐出させなければならず、操作が煩雑となる虞がある。また、吐出量が5mlを越える場合は、必要以上に洗浄剤32を吐出してしまう虞がある。
【0059】
図9(a)、(b)に示すように、本例における洗浄用具1は、筒部21の長さ方向Lに対する擦掃部6の上面61の傾き角度αが20〜90°の範囲となるように構成されていればよい。図9(a)は、傾き角度αが90°の場合を示し、図9(b)は、傾き角度αが45°の場合を示している。
【0060】
以下、本発明に係る洗浄用具を使用して洗浄作業を行う形態の一例について、トイレ便器の洗浄作業を例に説明する。図11に示すように、トイレ便器7は、上縁にリム部71が設けられており、便器開口部72側から見て、リム裏部73、74が隠れた状態になっている。洗浄用具1では、筒部21の長さ方向Lに対する擦掃部6の上面61の傾き角度αを20〜90°の範囲となるように構成することによって、以下のような作用が得られる。
【0061】
図12(a)に示す例のように、傾き角度αが90°の場合、洗浄用具1を便器開口部72から便器内に挿入することにより、擦掃部6の下面62或いは先端面63をリム裏部73、74に入り込ませて擦掃することができる。図12(b)に示した例では、傾き角度αを20°としており、図12(c)に示した例では傾き角度αを40°としているが、何れの場合も図12(a)に示した例と同様、擦掃部6の下面62或いは先端面63をリム裏部73、74に入り込ませて擦掃することができる。これにより、トイレ便器等の被洗浄箇所を隅々まで均一に洗浄することができる。
【0062】
本発明の洗浄用具では、傾き角度αが20°〜90°の範囲であれば、トイレ便器7のリム裏部73、74にまで擦掃部6を入り込ませて擦掃することができる。傾き角度αが20°未満の場合及び傾き角度αが90°を越える場合は、洗浄用具1をトイレ便器7の便器開口部71から挿入して、擦掃部6をリム裏部73、74にまで入り込ませるのが困難になる。
【0063】
本例においては、洗浄用具1を用いてトイレ便器7を洗浄する形態を例に説明しているが、トイレ便器以外の複雑な形状を持つ対象物を洗浄した場合においても同様の効果が得られることは言うまでも無い。
【0064】
次に、本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。図13及び図14は、本発明の第2の実施形態の洗浄用具を示すものであり、この洗浄用具101は、洗浄剤132を圧送する送液機構104が内部に収容された筒部121と、筒部121の一端である基端部121fから延出したアーム部122と、アーム部122の先端に設けられた基台部123とを有する本体部102と、筒部121の他端に着脱自在に取り付けられ、内部に収容された洗浄剤132を送液機構104に供給する容器103と、アーム部122の内部に配設されて、送液機構104から洗浄剤132が送液される吐出管105と、基台部123に取り付けられる擦掃部106と、基台部123に取り付けられて擦掃部106の上面161近傍に配設され、吐出管105から送込まれた洗浄剤132を吐出する吐出口153とから概略構成される。
【0065】
図13に示すように、本体部102は、中空の筒部121と、この筒部121の一端の基端部121fから下方に延出したアーム部122と、このアーム部122の先端に設けられた基台部123とを有している。筒部121の他端には開口部121aが設けられており、この開口部121aから後述する容器103が筒部121内部に入り込むように収容されている。開口部121aの内面側には、開口部121aに沿って環状に容器係止爪121bが形成されている。筒部121の長さ方向略中央には、容器受部121cが設けられており、この容器受部121cと前記開口部121aとの間に形成された空間は容器収容部121dとして確保される。筒部121内部の容器受部121cと基端部121fとの間に形成された空間は送液機構収容部121eとして確保され、後述する送液機構104が収容されている。
【0066】
アーム部122の内部には、送液機構104に接続された吐出管105が配設されている。図13では、アーム部122は細長に形成され、基端部121fから先端方向へ向けて全体的にカーブした曲線状となっているが、直線状であっても、他の形状であっても良い。また、図示例では、アーム部122は中空形状となっているが、例えばU字状やH字状に形成しても良い。
【0067】
基台部123は、アーム部122の先端にアーム部122よりも太くなるように設けられており、その端部123aに擦掃部106が一体に取り付けられている。また、基台部123の側部から、吐出管105の先端部152aが突き出され、その吐出口153は、擦掃部106の先端面163側を向くように設けられている。
【0068】
本体部102の筒部121は、洗浄用具101を使用する際に把持部として機能する。
筒部121の太さは、使用者が筒部121を把持して作業することを考慮し、直径が15〜45mmであることが好ましい。筒部121が15mm未満の場合、使用者が持ちにくくなったり、洗浄作業がしにくくなる虞がある。筒部121が45mmを越える場合、使用者が把持することはできるが、洗浄作業がしにくくなる虞がある。また、本体部102の全長は、後述する擦掃部106を含めて200〜500mmであることが好ましい。擦掃部106を含めた本体部102の全長が200mm未満の場合、洗浄作業時にはねた水が手にかかる虞があり、衛生上の問題がある。500mmを越える場合は、洗浄用具101の操作性が低下する虞がある。
【0069】
筒部121は、長さ方向に分割した構成とすることもできる。 筒部121を分割して、洗浄用具101の購入後又は使用時に連結する構成とすれば、洗浄用具101を構成する1部品あたりの寸法を最大限短くすることが可能となる。これにより、洗浄用具101の収納性が向上し、また、収納用具101の販売時の陳列性や携帯性を向上させることができる。
【0070】
容器103は、内部に洗浄剤32等の液体が収容される有底筒状の容器であり、口部131には送液穴131aが形成される。容器103の胴部133の長さ方向略中央には、係止溝133cが形成されている。容器103は、前記筒部121の開口部121aに対して、口部131側を入り込ませるようにして筒部121内に収容され、容器103の胴部133のうち、係止溝103aよりも口部131寄りの被収容部133aが、前記筒部121内部に収容されるようになっている。胴部133のうち、係止溝103aよりも底部134寄りの露出部133b及び底部134は筒部121の外部に露出するようになっている。口部131は、筒部121の容器受部121cによって支持される。容器103は、係止溝131aと筒部121の容器係止爪121bとが係合することによって筒部121に着脱可能に固定されている。
【0071】
図示例では、容器103が、長さ方向の略半分程度が筒部121に収容されるようになっているが、容器103が完全に筒部121内に収容されるように構成しても良いし、又は容器103のほぼ全体が筒部121の外に露出するように構成しても良く、図示例には限定されない。また、容器103は、筒部121(本体部102)に対して固定した構成としても良く、この場合は、容器103に洗浄剤132を補給する補給口を設けておけば良い。また、容器103の形状は、断面形状を円形又は楕円形とすれば、容器103の強度確保の点で好ましいが、断面形状が矩形であっても良いし、角部が曲面状に形成された矩形であっても良い。
【0072】
容器103の材質は、特に限定されない。例えば、アルミニウム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ABS、アクリル、木材、カーボン、チタン、各種合金、エラストマー、ゴム等の素材を、1種類或いは2種類以上を組み合わせて用いることもできる。また、容器103の長さ方向の形状としては、図示例では直線状のものを用いているが、これには限定されず、例えば、湾曲状、くの字状、部分的にカーブした形状等、適宜決定できる。
容器103の容量は、20〜400mlが好ましく、50〜300mlであればより好ましい。さらに、80〜200mlであればより一層好ましい。容器103の容量が20ml未満の場合、洗浄用具101を使用した際に洗浄剤切れが頻繁に起こる虞がある。また、容器103の容量が400mlを越える場合、洗浄用具101全体が重くなることによって操作性が低下する虞がある。また、図示例では、洗浄剤132を収容した容器103を1台だけ使用しているが、複数であっても良い。例えば、筒部121への付け替えや洗浄剤132の詰め替えが行われる容器とは別に、補助容器を設けても良い。
【0073】
送液機構104は、容器103に収容された洗浄剤132を吐出管105へ送り出すものである。送液機構104は、一端側が容器103の口部131に形成された送液孔131aに挿通されている送液パイプ141と、この送液パイプ141の他端側に入口142aが接続されたポンプ142と、このポンプ142を作動させる押し板144及び押し板144に連結された操作部145と、前記送液パイプ141に取り付けられた空気取り込み弁143とから構成される。ここで、ポンプ142は、伸縮性を有する蛇腹部142bが設けられた蛇腹式のポンプであり、蛇腹部142bの圧縮(図13のF方向)と伸長復帰の繰り返しにより、入口142aからの吸引と出口142dからの吐出とを繰り返すものである。
【0074】
図14(a)、(b)に示すように、送液機構104によって洗浄液132を送液する際は、操作部145をF方向へ引き上げて、押し板144をF方向へ移動させる。押し板144は、ガイド部144aにガイドされながら、ポンプ142の蛇腹部142bを押し上げるようにF方向へ移動して蛇腹部142bを圧縮する。操作部145を復帰させ、蛇腹部142bが伸長復帰する時、送液パイプ141を通じて容器103内の洗浄剤132を蛇腹部142b内部に吸引する。この際、空気取り込み弁143から容器103内に空気が取り込まれる。操作部145を再びF方向へ移動して蛇腹部142bを圧縮し、蛇腹部142b内に吸引してあった洗浄剤132を、ダンパ部142cを通じて出口142dから吐出する。操作部145を操作して蛇腹部142bの伸縮作用を繰り返し行うことにより、容器103内から出口142dへの洗浄液132の送液を行い、出口142dから吐出する。図13に示すように、出口142dから吐出された洗浄液132は、出口142dに接続された吐出管105に送込まれる。
【0075】
本例においては、ポンプ142を蛇腹式ポンプで構成して説明しているが、他の方式であっても良く、例えば、図15に示すように、ディスペンサー式のポンプ146を操作部145aによって操作する構成としても良いし、トリガースプレーを用いた構成としても良い。また、図16に示すように、洗浄剤132が収容されたエアゾール式の容器113を使用して、送液機構104に送液弁147を設けた構成としても良い。図16に示した例では、操作部145bを操作することによって送液弁147の開閉動作を行い、容器113から吐出される洗浄剤132の吐出管105への送液を制御するようになっている。なお、図15、図16においては、図面を見易くするために、筒部121及びアーム部122においては、その輪郭のみを表示した。
【0076】
図13に示したようなポンプを用いた送液機構104では、洗浄作業中に操作部145を操作することが必要となるが、使用者が洗浄用具101を把持した状態で、容易に操作できる位置に操作部145を設けるのが好ましい。図示例では、使用者が把持する筒部121の側面に引き上げ式の操作部145を配設しているが、これには限定されず、例えば指で操作する押しボタンやレバー及び引き具等を筒部121の側面に設けても良い。洗浄用具101では、液送機構104にポンプ式のものを用いる場合、上方の容器103より洗浄剤132を取り込んで下方に吐出する構成となるため、倒立使用可能なポンプを用いることが好ましいが、倒立使用において洗浄剤132の漏れが生じないものであれば、通常のポンプも使用することができる。
【0077】
吐出管105は、一端側に設けられた接続端151と、送液部152と、他端側に設けられた吐出口153とを有し、送液部152がアーム部122内に配設されている。送液部152の先端部である吐出端部152aは、アーム部122の先端に設けられた基台部123から突出して設けられており、図示例では、吐出管105の長さ方向において、吐出端部152aの部分が基台先端123b側を向くように曲がった形状となっている。接続端151には、前記送液機構104の出口142dが接続されており、出口142dから吐出された洗浄液132が接続端151から吐出管105内に送込まれ、送液部152内を送液されて、吐出口153から外部へ吐出されるようになっている。吐出端部152aの経路には逆止弁154が設けられている。図示例では、吐出端部152aに逆止弁154を設けているが、この逆止弁154は、吐出管105の経路において、吐出口153側に最大限寄せた位置に設けることが、吐出口153からの洗浄剤132の漏れを最小限にする点で好ましい。
【0078】
擦掃部106は、基台部123の端部123aに取り付けられ、端部123aへの取付面として機能する上面161と、該上面161と反対側の下面162と、先端面163とを有している。擦掃部106は、トイレ便器等の被洗浄箇所に押し当てて擦ることによって汚れを擦掃するものであり、植毛タイプ、不織布巻き付けタイプ、スポンジタイプ等、素材については適宜選択できるが、除膜型ポリウレタンフォームが水切れ性及び被洗浄箇所への追随性(フィット性)の点で好ましい。擦掃部106の端部123aへの取り付けについては、接着やねじ止め等、既存の方法を用いることができる。また、図示例では、端部123aが擦掃部106の内部に入り込む形で取り付けられているが、取り付け形態は図示例に限定されず、端部123aと上面161とが面一となるように取り付けても良い。
【0079】
こうした擦掃部106は、第1の実施形態における段落「0046」〜「0049」に列記した材質、物理的特性を備えたもので構成されれば良い。また、擦掃部106の端部123aへの取り付けについても、第1の実施形態における段落「0050」「0051」に記載した取付方法が採用されればよい。さらに、こうした擦掃部106の形状に関しても、第1の実施形態における段落「0052」〜「0054」に記載した各種形状が採用されればよい。
【0080】
擦掃部106の上面161の上方近傍には、吐出管105の吐出端部152aが配設されている。図示例では、吐出端部152a先端の吐出口153の向きは、擦掃部106の先端側を向くように、上面161と平行な向きに設けられている。
【0081】
洗浄用具101を用いて洗浄作業を行う際の洗浄剤132の吐出量は、操作部145の操作1回当りで0.1〜5mlが好ましく、0.2〜3mlであればより好ましい。また、0.3〜2mlであればより一層好ましい。操作部145の操作1回当りの 洗浄剤132の吐出量が0.1ml未満の場合は、何度も操作部145を操作して洗浄剤132を吐出させなければならず、操作が煩雑となる虞がある。また、吐出量が5mlを越える場合は、必要以上に洗浄剤132を吐出してしまう虞がある。
【0082】
なお、こうした洗浄用具101に収容される洗浄剤132は、第1の実施形態における段落「0031」〜「0033」に列記された各種界面活性剤を含むものが採用されればよい。
【0083】
図17(a)、(b)に示すように、本例における洗浄用具101は、筒部121の長さ方向Lに対する擦掃部106の上面161の傾き角度αが20〜90°の範囲となるように構成されている。図17(a)は、傾き角度αが90°の場合を示し、図17(b)は、傾き角度αが45°の場合を示している。
【0084】
図18(a)、(b)に示すように、本例における洗浄用具101は、筒部121の長さ方向Lに対する吐出口153の向きの角度、つまり筒部121の長さ方向に対する吐出口153からの洗浄剤132の吐出角度βが20〜110°の範囲となるように構成されている。図18(a)は、傾き角度αが90°の場合の、傾き角度αと吐出角度β(20〜110°)との関係を示している。図18(b)は、傾き角度αが45°の場合の、傾き角度αと吐出角度β(20〜110°)との関係を示している。
【0085】
上述した第2の実施形態の洗浄用具を使用して洗浄作業を行う形態の一例について、トイレ便器の洗浄作業を例に説明する。図19に示すように、トイレ便器107は、上縁にリム部171が設けられており、便器開口部172側から見て、リム裏部173、174が隠れた状態になっている。洗浄用具101では、筒部121の長さ方向Lに対する擦掃部106の上面161の傾き角度αを20〜90°の範囲となるように構成することによって、以下のような作用が得られる。
【0086】
図20(a)に示す例のように、傾き角度αが90°の場合、洗浄用具101を便器開口部172から便器内に挿入することにより、擦掃部106の下面162或いは先端面163をリム裏部173、174に入り込ませて擦掃することができる。
図20(b)に示した例では、傾き角度αを20°としており、図20(c)に示した例では傾き角度αを40°としているが、何れの場合も図20(a)に示した例と同様、擦掃部106の下面162或いは先端面163をリム裏部173、174に入り込ませて擦掃することができる。これにより、トイレ便器等の被洗浄箇所を隅々まで均一に洗浄することができる。
【0087】
本発明の洗浄用具では、傾き角度αが20°〜90°の範囲であれば、トイレ便器107のリム裏部173、174にまで擦掃部106を入り込ませて擦掃することができる。傾き角度αが20°未満の場合及び傾き角度αが90°を越える場合は、洗浄用具101をトイレ便器107の便器開口部171から挿入して、擦掃部106をリム裏部173、174にまで入り込ませるのが困難になる。
【0088】
また、洗浄用具101では、筒部121の長さ方向Lに対する吐出口153の向きの角度、つまり筒部121の長さ方向吐出口153からの洗浄剤132の吐出角度βが20〜110°の範囲となるように構成することによって、以下のような作用が得られる。
【0089】
図20(a)に示す例のように、吐出角度βが110°の場合、洗浄用具101を便器開口部172から便器内に挿入することにより、吐出口153から吐出される洗浄剤132をリム裏部173、174に直接吐出、塗布することができる。また、図示例では傾き角度αが90°であるため、リム裏部173、174に洗浄剤132を直接吐出してから、擦掃部106で擦掃することができる。図20(b)に示した例では吐出角度βを20°、傾き角度αを20°としており、図20(c)に示した例では、吐出角度βを110°傾き角度αを40°としている。このため、何れに示した例でも、図20(a)に示した例と同様に、吐出口153から吐出される洗浄剤132をリム裏部173、174に直接吐出、塗布することができ、リム裏部173、174を擦掃部106で擦掃することができる。これにより、トイレ便器等の被洗浄箇所を隅々まで均一に洗浄することができる。
【0090】
本発明の洗浄用具では、吐出角度βが20°〜110°の範囲であれば、トイレ便器107のリム裏部173、174に向けて洗浄剤132を直接吐出、塗布することができる。吐出角度βが20°未満の場合、リム裏部173、174に向けて洗浄剤132が直接吐出、塗布することが困難となり、トイレ便器107内の他の箇所に向けて吐出される虞がある。また、吐出角度βが110°を越える場合は、吐出口153から吐出される洗浄剤132が便器開口部172から外部へ向けて吐出される虞がある。トイレ便器の掃除においては、洗浄剤132を効率よくリム裏部173、174に吐出、塗布することが求められるが、本発明の洗浄用具では、上述の構成により、洗浄作業の効率向上と洗浄効果の向上とを同時に実現することが出来る。
【0091】
なお、上述の傾き角度αと吐出角度βとの関係については適宜決定して組み合わせれば良い。例えば、吐出口153から吐出された洗浄液132が擦掃部106に触れることなく、被洗浄箇所に向けて直接吐出されるような角度の組み合わせとしても良い。また、擦掃部106の上面161から下面162又は先端部163に向けて貫通孔を設け、吐出口153から吐出された洗浄液132が、擦掃部106に設けられた貫通孔内を通って被洗浄箇所に向けて吐出されるように構成しても良い。
【0092】
以上示した2つの実施形態においては、洗浄用具を用いてトイレ便器を洗浄する形態を例に説明しているが、トイレ便器以外の複雑な形状を持つ対象物を洗浄した場合においても同様の効果が得られることは言うまでも無い。
【実施例】
【0093】
以下、上述した第1および第2の実施形態に関して、実施例として本発明の洗浄用具の具体的な構成を列記する。なお、本発明はこうした構成に限定されるものではもちろんない。
(実施例1)
擦掃部素材: 基台部側より順に「セル膜除去ウレタンスポンジ(商品名:モルトフィルター脱膜ウレタン(セル数7個/インチ(株)イノアックコーポレーション製)」+「ウレタンスポンジ(商品名:モルトプレンSC((株)イノアックコーポレーション製)」+「不織布(商品名:KH90−253S(金井重要工業(株)製)」
擦掃部厚さ: 基台部側より順に、モルトフィルター脱膜ウレタン22mm,モルトプレンSC3mm,不織布5mm
擦掃部形状: 上面よりの投影図がφ80mmの歯車型
擦掃部着脱機構: 擦掃部の上面側に基台部が靴を履くように嵌め込まれるための部材を接着し、その部材に基台部を嵌め込み、擦掃部後方から、ネジにて固定する。
擦掃部と基台部の接合位置: 基台部は擦掃部の上面中央に深さ10〜15mmの位置まで潜るように入り込み、擦掃部の着脱のための部材にはめ込まれ固定される。
擦掃部と把持部の角度: 1擦掃部の下面と把持部の軸方向との成す角度は70度、擦掃部の下面とアーム部が基台部と接続されるアーム部の軸方向との成す角度が40度、擦掃部上面より50mmの位置でアーム部の角度を滑らかに70度→40度に変える。
洗浄剤容量: 80ml
洗浄剤容器径: φ36mm
容器接続: ネジ式
全長(最大長): (擦掃部および容器含む)440mm
洗浄剤吐出方法: トリガー式
洗浄剤吐出操作部位置: 容器底部よりトリガーまでの距離が120mm
吐出口位置: 基台部底面より上20mm、基台部内部にあり、外部に突出していない。
吐出口形状: φ0.5mm〜3mmの円形
吐出口向き: 擦掃部上面に対して25度の角度
洗浄剤の掛かる位置: 擦掃部上面
洗浄剤組成: 段落「0031」の(3)に示す組成による
(実施例2)
擦掃部素材: (実施例1)に同じ
擦掃部厚さ: MF−8 30mm
擦掃部形状: クローバー型(外接円直径約96mm)
擦掃部着脱機構: (実施例1)に同じ
擦掃部と基台部の接合位置: (実施例1)に同じ
擦掃部と把持部の角度: (実施例1)に同じ
洗浄剤容量: (実施例1)に同じ
洗浄剤容器径: (実施例1)に同じ
容器接続: 筒部に固定、洗浄剤を入れる補給口を有する
全長(最大長): (実施例1)に同じ
洗浄剤吐出方法: (実施例1)に同じ
洗浄剤吐出操作部位置: (実施例1)に同じ
吐出口位置: (実施例1)に同じ
吐出口形状: (実施例1)に同じ
吐出口向き: (実施例1)に同じ
洗浄剤の掛かる位置: (実施例1)に同じ
洗浄剤組成: (実施例1)に同じ
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の第1実施形態における洗浄用具の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す洗浄用具の要部を示す概略図である。
【図3】本発明の洗浄用具の他例を示す断面図である。
【図4】本発明の洗浄用具の他例を示す断面図である。
【図5】擦掃部の着脱機構のバリエーションを示す平面図である。
【図6】擦掃部の上面形状バリエーションを示す平面図である。
【図7】擦掃部の側面形状バリエーションを示す平面図である。
【図8】本発明の洗浄用具の他例を示す断面図である。
【図9】本発明の洗浄用具の一例を示す概略図である。
【図10】本発明の洗浄用具の一例を示す概略図である。
【図11】本発明の洗浄用具の一使用形態を説明する概略図である。
【図12】本発明の洗浄用具の一使用形態を説明する概略図である。
【図13】本発明の第2実施形態における洗浄用具の一例を示す断面図である。
【図14】図13に示す洗浄用具の要部を示す概略図である。
【図15】本発明の洗浄用具の他例を示す断面図である。
【図16】本発明の洗浄用具の他例を示す断面図である。
【図17】本発明の洗浄用具の一例を示す概略図である。
【図18】本発明の洗浄用具の一例を示す概略図である。
【図19】本発明の洗浄用具の一使用形態を説明する概略図である。
【図20】本発明の洗浄用具の一使用形態を説明する概略図である。
【符号の説明】
【0095】
1…洗浄用具、2…本体部、21…筒部、21f…基端部、22…アーム部、23…基台部、3、13…容器、32…洗浄剤、4…送液機構、42…ポンプ(蛇腹式)、45、45a、45b…操作部、46…ポンプ(ディスペンサー式)、47…送液弁、5…吐出管、53…吐出口、6…擦掃部、61…上面、63…先端面、101…洗浄用具、102…本体部、121…筒部、121f…基端部、122…アーム部、123…基台部、103、113…容器、132…洗浄剤、104…送液機構、142…ポンプ(蛇腹式)、145、145a、145b…操作部、146…ポンプ(ディスペンサー式)、147…送液弁、105…吐出管、153…吐出口、106…擦掃部、161…上面、163…先端面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄剤を圧送する送液機構が内部に収容された筒部と、該筒部の一端から延出したアーム部と、前記アーム部の先端に設けられた基台部とを有する本体部と、前記筒部の他端側に着脱自在又は固定的に取り付けられ、内部に収容された洗浄剤を前記送液機構に供給するための容器と、前記アーム部の内部に配設されて、前記送液機構から洗浄剤が送液される吐出管と、前記基台部に取り付けられる擦掃部と、前記擦掃部近傍に配設され、前記吐出管から送込まれた洗浄剤を吐出する吐出口とを具備してなることを特徴とする洗浄用具。
【請求項2】
洗浄剤を圧送する送液機構が内部に収容され、把持部を有する筒部と、該筒部の一端から延出したアーム部と、前記アーム部の先端に設けられた基台部とを有する本体部と、前記筒部の他端側に着脱自在又は固定的に取り付けられ、内部に収容された洗浄剤を前記送液機構に供給するための容器と、前記アーム部の内部に配設されて、前記送液機構から洗浄剤が送液される吐出管と、前記基台部に取り付けられる擦掃部と、前記擦掃部近傍に配設され、前記吐出管から送込まれた洗浄剤を吐出する吐出口とを具備してなり、前記擦掃部を弾性変形が可能な弾性材で形成したことを特徴とする洗浄用具。
【請求項3】
前記筒部の長さ方向に対する前記擦掃部の上面の角度が20〜90°であることを特徴とする請求項1または2に記載の洗浄用具。
【請求項4】
前記筒部の長さ方向に対する前記吐出口からの洗浄剤の吐出角度が20〜110°であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の洗浄用具。
【請求項5】
前記吐出口は、吐出された前記洗浄剤が前記擦掃部の表面または内部に広がるような位置に形成されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の洗浄用具。
【請求項6】
前記擦掃部と前記基台部とを互いに着脱自在にする脱着機構を更に備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の洗浄用具。
【請求項7】
前記洗浄剤には、少なくとも界面活性剤が含有されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の洗浄用具。
【請求項8】
前記本体部に、前記送液機構の操作部が設けられており、前記送液機構は、ポンプ式であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の洗浄用具。
【請求項9】
前記本体部に、前記送液機構の操作部が設けられており、前記容器はエアゾール式で洗浄剤を容器外に吐出するものであり、前記送液機構は、前記容器から吐出された洗浄剤を前記吐出管に送液するものであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の洗浄用具。
【請求項10】
前記把持部またはその近傍に、前記送液機構を操作して前記吐出管から前記洗浄剤を吐出させる操作部を形成したことを特徴とする請求項2ないし9のいずれか1項に記載の洗浄用具。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−37967(P2007−37967A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−345246(P2005−345246)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】