洗浄用具
【課題】 柄の向きに関係なく洗浄面を洗浄液で濡らすことができるようにする。自動車足回りのタイヤホイールのように手を差し入れにくい狭いスペースにブラシ部を挿入して楽に洗浄することができるようにする。
【解決手段】 内部空間が液溜め空間11になっている柄10に、内部空間が液導入路31になっているコア部30を連設し、コア部30にブラシ部80を設けてある。柄10とコア部30とが分割されていて、それらが着脱機構69によって着脱される。柄10を手で挟圧して変形させると、液溜め空間11が加圧されて洗浄液が液導入路31に流入し、コア部30の液吐出孔32から出る。
【解決手段】 内部空間が液溜め空間11になっている柄10に、内部空間が液導入路31になっているコア部30を連設し、コア部30にブラシ部80を設けてある。柄10とコア部30とが分割されていて、それらが着脱機構69によって着脱される。柄10を手で挟圧して変形させると、液溜め空間11が加圧されて洗浄液が液導入路31に流入し、コア部30の液吐出孔32から出る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄液を洗浄面に積極的に給送しながら洗浄作業を行うことのできの洗浄用具に関して、その耐久性を高めるための対策が講じられている洗浄用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗浄液で濡らした洗浄面を作業者が手作業で洗浄するという洗浄作業に用い得る洗浄用具には、様々な構造を備えるものが多く提案されている(たとえば、特許文献1、特許分献2、特許分献3参照)。
【0003】
そして、特許文献1や特許分献2、特許分献3、特許分献4には、洗浄作業中に洗浄液を洗浄面に給送してその洗浄面を濡らしながらブラシ部で擦ることができるようにしたものが記載されている。また、特許分献1や特許分献2、特許分献3には、作業者が手で握る柄の前方にブラシ部を突き出させてあると共に、柄を中空としてその柄に溜めた洗浄液を洗浄面に給送することを可能にすることが記載されている。また、柄の先に取り付けたブラシ部を交換可能にした洗浄用具も提案されている(上記特許文献3、特許文献5参照)。
【0004】
さらに、用途を自動車のアルミホイールに備わっている狭いスペースの洗浄に特化した洗浄用具が種々提案されている(たとえば、特許文献6、特許分献7、特許分献8、特許文献9参照)。そのほか、先端にヘッドを備えた柄に弾力性を付与することは、布団を叩いて清掃する目的で使用される清掃具の分野で公知である(たとえば、特許文献10参照)。
【特許文献1】実開平7−30964号公報
【特許文献2】特開2003−310515号公報
【特許文献3】特開2002−45326号公報
【特許文献4】実用新案登録第3032592号公報
【特許文献5】特開平11−18991号公報
【特許文献6】実用新案登録第3085006号公報
【特許文献7】特開2006−224755号公報
【特許文献8】特開2004−262378号公報
【特許文献9】実開平6−66366号公報
【特許文献10】実開平6−62964号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上掲の特許文献の中で、特許文献1〜4によって提案されているものは、1個の柄に対してブラシ部を交換することが考慮されていない。そのため、ブラシ部が劣化したり損傷したしたときにブラシ部だけを交換して使用することができない。その結果、全体の耐久性が劣化したり損傷したりしやすいブラシ部の耐久性の影響を受けることになるため、洗浄用具としての耐久性がそれほど優れたものではなかったということが云える。また、これらの各文献1〜4の洗浄用具に採用されているブラシ部は、自動車の車体表面などの洗浄に適するように広い擦り面を備えているために、自動車足回りのタイヤホイールなどのように狭いスペースにブラシ部を挿入して擦る必要がある箇所の洗浄に用いることには無理がある。これと同様の状況は、上掲の特許文献5によって提案されている洗浄用具についても云える。
【0006】
一方、特許文献6〜9によって提案されているものは、その用途が自動車のタイヤホイールに特化されていて、特に特許文献6に記載されているものは、ブラシ部の外形が略細長棒状になっているので、タイヤホイールのスポーク相互間隙間のような手の届きにくい狭いスペースに挿入してその箇所を洗浄することが可能であるという利点を有している。
【0007】
しかしながら、特許文献6によって提案されているような洗浄用具を用いると、その洗浄用具自体に洗浄液を給送する機能が備わっていないため、ブラシ部を洗浄液に浸けた後にそのブラシ部で洗浄面を擦ることによってはじめて、洗浄液で濡れた洗浄面の洗浄が可能になる。そこで、特許文献1などによって提案されている技術、すなわち柄を中空としてその柄に溜めた洗浄液を洗浄面に給送するという技術を特許文献6の洗浄用具に適用することが考えられる。
【0008】
一方、洗浄用具の全体の耐久性を改善するためには、たとえば特許文献5に見られるようにブラシ部を交換可能にすることが有益である。しかし、ブラシ部を柄に対して交換可能にして全体の耐久性を改善した場合に、洗浄用具自体に洗浄液をどのようにして給送するかについては、上掲のどの特許文献にも記載されていない。
【0009】
そこで、本発明は、柄に溜めた洗浄液を洗浄面に給送してその洗浄面を濡らしながらブラシ部で洗浄することを可能にすることと共に、1個の柄に対してブラシ部を交換することを可能にして全体の耐久性を高めることのできる洗浄用具を提供することを目的とする。
【0010】
併せて、本発明は、柄を下に向けて行う洗浄作業においては勿論、柄を横向きにしたり上向きにしたりして行う洗浄作業をも、洗浄面を洗浄液で濡らしながら行うことのできる洗浄用具を提供することを目的とする。
【0011】
さらに併せて、本発明は、自動車足回りのタイヤホイールなどのように手を差し入れにくい狭いスペースにブラシ部を挿入して擦る必要がある場合であっても、洗浄面を洗浄液で濡らしながらその作業を容易に行うことができるようになる洗浄用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る洗浄用具は、中空に形成されてその内部空間が液溜め空間とされている柄に、中空に形成されてその内部空間が液導入路とされているコア部が突出状態に連設され、作業者が手に持った上記柄を変形させて上記液溜め空間を加圧することによりその液溜め空間に貯留されている洗浄液が上記液導入路に圧送されるように構成されていると共に、上記コア部に液吐出孔が開設されてその液吐出孔から出た液で上記洗浄面を濡らすことができるようになっている。そして、上記柄と上記コア部とを分割してそれら両者を着脱するための着脱機構を追加して、上記柄に装着することによりその柄に組み合わせて使用される上記コア部を交換可能としてある。
【0013】
この発明の洗浄用具は、作業者が手に持った上記柄を変形させてその柄の液溜め空間を加圧すると、洗浄液が液溜め空間からコア部の液導入路に圧送されるように構成されている洗浄用具において、柄とコア部とを分割してそれら両者を着脱するための着脱機構を追加したものであるので、1つの柄に対してコア部を交換しても、柄の液溜め空間からコア部の液導入路に洗浄液を圧送することが可能である。そのため、柄に溜めた洗浄液を洗浄面に給送してその洗浄面を濡らしながらブラシ部で洗浄することが可能になるにもかかわらず、1個の柄に対してブラシ部を交換して全体の耐久性を高めることが可能になる。
【0014】
また、作業者が手に持った柄を変形させて液溜め空間を加圧することにより、その液溜め空間に貯留されている洗浄液を、コア部の液導入路に圧送することができるので、柄を下に向けて行う洗浄作業においては勿論、柄を横向きにしたり上向きにしたりして行う洗浄作業をも、洗浄面を洗浄液で濡らしながら行うことができる。
【0015】
本発明では、上記柄が、作業者が手のひらで掴むことのできる長さの中空樹脂成形体により形成されていると共に、上記柄の液溜め空間の出口と上記コア部の液導入路の入口との相互間に液溜め空間を液導入路に連通させる液通路を具備させ、その液通路に、液溜め空間から液導入路に向かう液流を通過させて液導入路から液溜め空間に向かう液流を遮断する逆止弁機構が介在されている、という構成を採用することが可能である。これによれば、たとえば柄を上向きにして、柄の液溜め空間からコア部の液導入路に洗浄液を圧送しつつ洗浄作業を行う場合に、液通路に一旦圧送された洗浄液が液溜め空間に逆流するという事態が起こらなくなるので、作業者にとっては、柄を変形させる動作を行う回数が少なくしても洗浄面を洗浄液で十分に濡らすことが可能になるという利点がある。
【0016】
本発明では、上記コア部に洗浄面を擦るブラシ部が付加され、上記柄と上記コア部と上記ブラシ部とを含む全体部分の外形を略細長形状として上記コア部及びそのコア部に付加されている上記ブラシ部を作業者の手の入らない狭少スペースに挿入可能としてあると共に、上記着脱機構が、上記柄に設けられた受部とこの受部を相手方として着脱可能な着脱部とを備えていて、その着脱部が、形状又はサイズの異なる複数種類の上記ブラシ部が各別に付加されている複数の上記コア部のそれぞれに設けられている、という構成を採用することが可能である。
【0017】
これによれば、自動車足回りのタイヤホイールなどのように手を差し入れにくい狭いスペースにブラシ部を挿入して擦る必要がある場合に、略細長形状のコア部とそのコア部に付加されているブラシ部でその要求を満たすことができる。また、スペースの広さに見合う形状やサイズのブラシ部が付加されたコア部を、そのスペースの広さに応じて使い分けることが可能になるという利点もある。
【0018】
本発明の洗浄用具にあっては、上記ブラシ部と上記コア部とが共に細長棒状に形成されていて、コア部の全体が、そのコア部に装着された柔軟な樹脂発泡体でなる上記ブラシ部によって被覆されるようになっているものであっても、上記ブラシ部が、上記コア部に取外し不能に装備されている植毛体又は柔軟な樹脂発泡体でなるものであってもよい。さらに、上記コア部が、上記ブラシ部を洗浄面に押し付けたときに曲り変形する弾性を備えているものであってもよい。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明に係る洗浄用具によれば、柄の液溜め空間に溜めた洗浄液を、洗浄作業中にコア部の液導入路や液吐出孔を通じて洗浄面に給送してその洗浄面を濡らしつつ、ブラシ部で洗浄面を洗浄することが可能になるものでありながら、1個の柄に対してブラシ部を交換することが可能である。そのため、洗浄液で洗浄面を濡らしながら洗浄作業を連続して行うことができるという利点があるだけでなく、ブラシ部が劣化したり損傷したりしたときには、そのブラシ部を交換するだけで洗浄作業を行うことが可能であるために、洗浄用具全体の耐久性が改善されるという利点がある。このような利点は、柄を下に向けて行う洗浄作業においては勿論、柄を横向きにしたり上向きにしたりして行う洗浄作業においても得られる。
【0020】
また、本発明において、コア部に洗浄面を擦るブラシ部を付加し、柄とコア部とブラシ部とを含む全体部分の外形を略細長形状としてコア部及びコア部に付加されているブラシ部を作業者の手の入らない狭少スペースに挿入可能としたものでは、自動車足回りのタイヤホイールのスポーク相互間隙間のような狭いスペースであっても、無理なく洗浄することができるようになる。特に、着脱機構の着脱部が、形状又はサイズの異なる複数種類のブラシ部が各別に付加されている複数のコア部のそれぞれに設けられているものでは、スペースの広さに見合う形状やサイズのブラシ部が付加されたコア部を、そのスペースの広さに応じて使い分けることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は本発明の実施形態に係る洗浄用具の概略側面図、図2は同洗浄用具の一部を破断して示した分解側面図である。
【0022】
この洗浄用具は、洗浄作業に際して作業者で手のひらで掴むことのできる長さを有する柄10と、その柄10からまっすぐに突き出て外形が略細長形状に形成されたコア部30とを有している。柄10は中空筒状の樹脂成形体でなり、その内部空間が液溜め空間11として形成されている。コア部30も中空筒状の樹脂成形体でなり、その内部空間が液導入路31として形成されていると共に、コア部30の外壁の複数箇所にはその軸線方向や周方向に並んだ複数箇所に液吐出孔32が改正されている。そして、作業者が手に持った柄10を挟圧して変形させることにより液溜め空間11を加圧すると、その液溜め空間11に貯留されている洗浄液(不図示)がコア部30の液導入路31に圧送された後、液吐出孔32が出るようになっている。そのため、洗浄作業時には、コア部30の液吐出孔32から出た洗浄液で洗浄面(不図示)が濡れる。
【0023】
この洗浄用具において、柄10とコア部30とは分割されている。そして、柄10とコア部30とを着脱するための着脱機構60が追加されている。着脱機構60は、柄10に一体成形されて設けられている筒状の受部61とこの受部61を相手方として着脱可能な筒状の着脱部65とを備えていて、着脱部65がコア部30に一体成形されて設けられている。したがって、受部61に着脱部65を装着すると、その着脱機構60の内部通路によって柄10の液溜め空間11にコア部30の液導入路31が連通されて、液溜め空間11から液導入路31に洗浄液が導入させることができるようになる。
【0024】
ここで、着脱機構60の着脱部65は、別々の複数のコア部30のそれぞれに設けられていて、それら複数のコア部30を1個の共通の柄10に択一的に組み合わせて装着することができるようになっている。このことから、異なる複数のコア部30…を1個の共通の柄10に対して交換使用することが可能である。また、着脱部65を、形状又はサイズの異なる複数種類のブラシ部(後述する)が各別に付加されている複数のコア部30…のそれぞれに設けておくと、それらの複数のコア部30から選んだ1個のコア部30を柄10に装着することができるので、それらのコア部30を使い分けることが可能である。
【0025】
図1又は図2のように、コア部30には、洗浄面を擦ることに用いられるブラシ部80が付加されている。図1又は図2に示した事例では、柄10とコア部30とそのコア部30に付加されているブラシ部80とを含む全体部分の外形を略細長形状に構成することによって、コア部30及びブラシ部80を作業者の手の入らない狭少スペースに挿入可能としてある。狭少スペースとしては、自動車足回りのタイヤホイールのスポーク相互間隙間を一例として挙げることができる。また、この事例では、ブラシ部80とコア部30とが共に細長棒状に形成されていて、コア部30の全体が、そのコア部30に装着された柔軟な樹脂発泡体(たとえばスポンジ)でなるブラシ部80によって被覆されている。ブラシ部80とコア部30との関係をこのように定めておくと、洗浄作業中に洗浄面がブラシ部80によって傷付けられたりすることがなく、また、コア部30が洗浄面と干渉して損傷するという事態も生じない。
【0026】
図1及び図2に示した事例では、柄10の根元にフック部12を設けることにより、フック部12を利用してコア部30を連設した柄10、又は、コア部30を取り外した柄10だけを吊下げ保管することができるように構成してある。また、フック部12を、柄10の開放した根元に着脱可能なキャップ15に一体成形してある。そして、このキャップ15を取り外すことによって、柄10の開放した根元からその柄10の液溜め空間11に洗浄液を入れることができるようになっている。
【0027】
以上の構成を備える洗浄用具を用いて洗浄作業を行う場合、柄10を下向きにした状態では、柄10の液溜め空間11の洗浄液が着脱機構60の内部通路を経てコア部30の液導入路31に入った後、液吐出孔32から出るので、その洗浄液が洗浄面を濡らす。そのため、洗浄面を洗浄液で濡らしながらブラシ部80で擦ることにより、連続して洗浄作業を行うことができる。
【0028】
また、柄10を横向きや上向きにした状態では、作業者が柄10を手で掴んでその柄10を挟圧して変形させるといった方法で液溜め空間11を加圧する。そして、このように液溜め空間11を加圧して、柄10の液溜め空間11の洗浄液を着脱機構60の内部通路を経てコア部30の液導入路31に圧送すると、その洗浄液が液吐出孔32から出るので、その洗浄液が洗浄面を濡らす。柄10を横向きや上向きにした状態であっても、洗浄面を洗浄液で濡らしながらブラシ部80で擦ることにより、連続して洗浄作業を行うことができる。
【0029】
さらに、ブラシ部80が劣化したり損傷したりしてその継続使用が不能になったときには、柄10に対してブラシ部80を交換すれば継続使用が可能になる。そのため、ブラシ部80の劣化や損傷によって洗浄用具全体が使用不能に陥ることはない。また、自動車足回りのタイヤホイールのスポーク相互間隙間のような狭いスペースを洗浄するときには、そのスペースに見合う形状又はサイズのブラシ部80をコア部30に付け替えるだけで洗浄作業を楽に行うことができるようになる。なお、上記したブラシ部80の交換ないし付け替えは、コア部30に対して別のブラシ部80を装着することによって行っても、別のブラシ部をあらかじめ装着してあるコア部30を柄10に付け替えることによって行ってもよい。
【0030】
図3〜図8に、採用し得る種々の着脱機構60を例示してある。
【0031】
図3は着脱機構60の概略分解側面図である。この着脱機構60は、柄10に一体成形されて外周に雄ねじ62を有する筒状の受部61と、コア部30に一体成形されて内周に上記雄ねじ62にねじ合わせ可能な雌ねじ(不図示)を有する筒状の着脱部65とでなる。この着脱機構60では、受部61に着脱部65をねじ込んで柄10にコア部30を連設させると、着脱機構60の内部通路を経て柄10の液溜め空間にコア部30の液導入路が連通される。
【0032】
図4は他の着脱機構60の概略分解側面図である。この着脱機構60は、柄10に一体成形されて外周の1箇所又は複数箇所に突起63を有する筒状の受部61と、コア部30に一体成形されて周壁に傾斜した溝67を有する筒状の着脱部65とでなる。この着脱機構60では、受部61に着脱部65を嵌め込むことによって、溝67を突起63に係合させると、柄10にコア部30が連設されて着脱機構60の内部通路を経て柄10の液溜め空間にコア部30の液導入路が連通される。
【0033】
図5はさらに他の着脱機構60の概略分解側面図である。この着脱機構60は、柄10に一体成形されて外周に係合部64を有する筒状の受部61と、コア部30に一体成形されて周壁内周面の突起68を有する筒状の着脱部65とでなる。この着脱機構60では、受部61に着脱部65を嵌め込むことによって、係合部64に突起68に係合させると、柄10にコア部30が連設されて着脱機構60の内部通路を経て柄10の液溜め空間にコア部30の液導入路が連通される。
【0034】
図6はさらに他の着脱機構60の概略分解側面図である。この着脱機構60は、柄10に一体成形されて外周の1箇所又は複数箇所に設けられた割り溝71と外周に設けられた雄ねじ72とを有する筒状の受部61と、上記雄ねじ72にねじ合わせ可能な雌ねじ76と受部61を締付けて縮径させることのできるテーパ面77とを内周面に備えた締め輪としての着脱部65とでなる。この着脱機構60では、受部61にコア部30を差し込み、そのコア部30に外嵌した着脱部65を受部61にねじ込んで締め付けると、柄10にコア部30が連設されて着脱機構60の内部通路を経て柄10の液溜め空間にコア部30の液導入路が連通される。
【0035】
図7はさらに他の着脱機構60の概略分解側面図である。この着脱機構60は、柄10に一体成形されて外周に雄ねじ73を有する筒状の受部61と、上記雄ねじ73にねじ合わせ可能な雌ねじ77を有する締め輪としての着脱部65とでなる。この着脱機構60では、受部61にコア部30を差し込み、そのコア部30に外嵌した着脱部65を受部61にねじ込んで締め付けると、コア部30に一体成形されている鍔部33が受部73の端面に押し付けられて柄10にコア部30が連設され、着脱機構60の内部通路を経て柄10の液溜め空間にコア部30の液導入路が連通される。
【0036】
図8(A)(B)はさらに他の着脱機構60の概略分解側面図である。この着脱機構60は、柄10に一体成形されて、内部に、ばね74により付勢されて同図(A)のように閉状態を保っている弁体75を収容している筒状の受部61と、上記弁体75を押し下げて開状態を保つための当り部78を有する筒状の着脱部65とでなる。この着脱機構60では、同図(B)のように受部61に着脱部65を差し込むことによって、当り部78で弁体75を押し下げると、弁体75が開いて着脱機構60の内部通路を経て柄10の液溜め空間にコア部30の液導入路が連通される。
【0037】
なお、この発明において採用し得る着脱機構60の構成は、図3〜図8を参照して説明した事例に限定されないことは勿論である。
【0038】
図9〜図14に、採用し得る種々のブラシ部80の構成を例示してある。
【0039】
図9はコア部30に装着されたブラシ部80の概略縦断面図である。このブラシ部80は、細長形状のコア部30に嵌脱することによって着脱される細長形状の樹脂発泡体でなるブラシ部本体81と、このブラシ部本体81を包み込んでそのブラシ部本体81の欠け落ちや破れなどを防いでいるネット体82とでなる。
【0040】
図10はコア部30に装着された他のブラシ部80の概略縦断面図である。このブラシ部80は、多数の小さな多角形の樹脂発泡体83をワイヤ(不図示)で連結することによって細長形状に形成されていて、コア部30に嵌脱することによって着脱可能である。
【0041】
図11はコア部30に装着されたさらに他のブラシ部80の概略縦断面図である。このブラシ部80は、三角柱状の樹脂発泡体でなり、コア部30に嵌脱することによって着脱可能である。なお、樹脂発泡体の形状を四角柱などの他の多角柱状や円柱状に形成することも可能である。
【0042】
図12はコア部30に装着されたさらに他のブラシ部80の概略縦断面図である。この事例において、ブラシ部80は直方体状の樹脂発泡体でなり、コア部30の先端に備わっている平坦な板片部34に装備されている。この事例において、ブラシ部80は、板片部34に対して着脱可能であっても、板片部34に取外し不能に固着されていてもよい。
【0043】
図13はコア部30に装備されたブラシ部80の概略縦断面図である。このブラシ部80は、コア部30の全体に亘って一様に取外し不能に装備されている植毛体でなる。
【0044】
図14はコア部30に装備された他のブラシ部80の概略縦断面図である。このブラシ部80は、コア部30の一部に取外し不能に装備されている植毛体でなり、あたかも汎用の歯ブラシに似た形状になっている。
【0045】
図15にコア部30の変形例を示してある。このコア部30は、医療用注射針のように細長く形成されていて、その先端に液吐出孔32を有している。このコア部30にはブラシ部(不図示)を着脱可能であって、きわめて狭いスペースに差し込むことができるという利点がある。
【0046】
ところで、この発明の洗浄用具において、柄10を横向きや上向きにして作業者がその柄10を挟圧して変形させるといった方法で液溜め空間11を加圧することにより、洗浄剤をコア部30の液導入路31に圧送することを可能にするためには、柄10を挟圧することによって変化する液溜め空間11の内容積の変化量を十分に大きくすることが必要であるけれども、そのような挟圧を作業者が行うと、作業者に大きな負担がかかる。この点を改善する対策を図16に例示してある。
【0047】
図16には柄10の要部の内部構造を示してある。同図の事例では、柄10に備わっている液溜め空間11の出口13に、その液溜め空間11の底部(柄10の根元)に達するチューブ14を接続してある。また、チューブ14と出口13との接続部分には正倒立バルブ機構20を設けてある。この正倒立バルブ機構20は、周囲複数箇所に液流入口22を備えて内部にボール弁23を収容している筒状の弁箱21を有している。そして、同図(A)のように柄10を上向きにして挟圧したときには、洗浄液Lがチューブ14を経て出口13から吐出され、同図(B)矢印Yのように柄10を下向き倒して挟圧したときには、洗浄液Lが弁箱21の液流入口22を経て出口13から吐出されるようになっている。このように作用する正倒立バルブ機構20を設けておくことにより、上記したような作業者に加わる負担が軽減されることになる。
【0048】
また、この発明の洗浄用具においては、柄10が、下向きであるか、横向きであるか、上向きであるか、ということに関係なく、コア部30の液吐出孔32から洗浄液が出過ぎないようにしておいたり、15出孔32から出る洗浄液の量が不足しないようにしておいたりしておくことは、洗浄液の無駄な消費を防いだり、円滑な洗浄作業を続ける上で有益である。そこで、そのような要求に対処するための対策として、逆止弁機構90を採用する事例を図17〜図19を参照して説明する。
【0049】
図17は逆止弁機構90の一例を示した断面図である。同図の逆止弁機構90はゴム板92でなり、このゴム板92の作用によって、液溜め空間11から液導入路に向かう液流が出口13を通過したり、液導入路から液溜め空間11に向かう液流が遮断されたりする。この逆止弁機構90に採用されているゴム板92は、柄10の液溜め空間11の出口13とコア部の液導入路の入口(図2参照)との相互間に具備されて液溜め空間11を液導入路に連通させる液通路91に配備されている。この逆止弁機構90によると、液溜め空間11が加圧されて洗浄液が出口13から押し出されると、その液流によりゴム板92が反り変形して出口13を開く。また、液溜め空間11が加圧されていないときには、ゴム板92がそれ自体の弾性により初期形状に復帰して出口13を閉じる。
【0050】
図18(A)は逆止弁機構90の他の例を示した断面図である。同図の逆止弁機構90はゴム板93の中央部に切り目94を形成することによって構成されている。このゴム板93の作用によって、液溜め空間11から液導入路に向かう液流が出口13を通過したり、液導入路から液溜め空間11に向かう液流が遮断されたりする。この逆止弁機構90に採用されているゴム板93は、柄10の液溜め空間11の出口13とコア部の液導入路の入口(図2参照)との相互間に具備されて液溜め空間11を液導入路に連通させる液通路91に配備されている。この逆止弁機構90によると、液溜め空間11が加圧されて洗浄液が出口13から押し出されると、その液流によりゴム板93の切り目94が開いて出口13を開く。また、液溜め空間11が加圧されていないときには、ゴム板93がそれ自体の弾性により初期形状に復帰して切り目94が塞がり、出口13が閉じられる。図18(B)はゴム板93の切り目94を十字形に形成した事例であり、同(C)は切り目94をY字形に形成した事例を示している。なお、切り目94の形状は図18(B)(C)に示したものに限定されない。
【0051】
図19は逆止弁機構90の他の例を示した断面図である。同図の逆止弁機構90は、柄10の液溜め空間11の出口13とコア部の液導入路の入口(図2参照)との相互間に具備されて液溜め空間11を液導入路に連通させる液通路91に配備されて、ばね95と、出口13に設けられている弁座96と、ばね95によって弁座96に着座する方向に常時弾発付勢されている弁体97とを備えている。この逆止弁機構90によると、液溜め空間11が加圧されて洗浄液が出口13から押し出されると、その液流により弁体97がばね95の付勢に抗して仮想線で示したように後退して出口13を開く。また、液溜め空間11が加圧されていないときには、弁体97がばね95による付勢により弁座96に着座して出口13を閉じる。
【0052】
なお、図17〜図19に示した逆止弁機構90が配備されている液通路91は、上記した着脱機構60の内部通路によって形成することが可能であるほか、着脱機構60の内部通路と液溜め空間11の出口13との間に介在させることも可能である。
【0053】
ところで、図1、図2、図9〜図15などに示されているコア部30は、ブラシ部80で洗浄面を擦るときに、ブラシ部80を洗浄面に押し付けている力の反力を受ける。そのため、このコア部30が曲がりにくい剛性を備えていると、ブラシ部80を洗浄面に押し付ける力が大きくなりすぎて洗浄面を傷付けたりブラシ部80を早期に損傷したりするおそれがある。この点を改善するためには、コア部30に弾性を付与しておいて、ブラシ部80を洗浄面に押し付けたときに、洗浄面に対するブラシ部80の必要な押圧力を確保し得て、押圧力が大きくなりすぎないようにしておくことがことが望まれる。このような要望は、コア部30を樹脂成形体によって形成してそのコア部30に樹脂特有の弾性を付与することによって容易に満たされる。そのようにしておくと、ブラシ部80が洗浄面に適切な力で押し付けられるようになるので、洗浄面が傷付いたりブラシ部80が早期に損傷したりするおそれがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態に係る洗浄用具の概略側面図である。
【図2】同洗浄用具の一部を破断して示した分解側面図である。
【図3】着脱機構の概略分解側面図である。
【図4】他の着脱機構の概略分解側面図である。
【図5】さらに他の着脱機構の概略分解側面図である。
【図6】さらに他の着脱機構の概略分解側面図である。
【図7】さらに他の着脱機構の概略分解側面図である。
【図8】さらに他の着脱機構60の概略分解側面図であり、(A)は受部と着脱部とが離れている状態を示し、(B)受部に着脱部65を差し込んだ状態を示している。
【図9】コア部に装着されたブラシ部の概略縦断面図である。
【図10】コア部に装着された他のブラシ部の概略縦断面図である。
【図11】コア部に装着されたさらに他のブラシ部の概略縦断面図である。
【図12】コア部に装着されたさらに他のブラシ部の概略縦断面図である。
【図13】コア部に装備されたブラシ部の概略縦断面図である。
【図14】コア部に装備された他のブラシ部の概略縦断面図である。
【図15】コア部の変形例を示した概略斜視図である。
【図16】柄の要部の内部構造を示した断面図であり、(A)は正立状態を示し、(B)倒立状態を示している。
【図17】逆止弁機構の一例を示した断面図である。
【図18】(A)は逆止弁機構90の他の例を示した断面図である。(B)はゴム板の切り目を十字形に形成した事例の正面図、(C)はゴム板の切り目をY字形に形成した事例の正面図である。
【図19】逆止弁機構の他の例を示した断面図である。
【符号の説明】
【0055】
10 柄
11 液溜め空間
13 液溜め空間の出口
30 コア部
31 液導入路
32 液吐出孔
34 液導入路の入口
60 着脱機構
61 着脱機構の受部
65 着脱機構の着脱部
80 ブラシ部
90 逆止弁機構
91 液通路
L 洗浄液
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄液を洗浄面に積極的に給送しながら洗浄作業を行うことのできの洗浄用具に関して、その耐久性を高めるための対策が講じられている洗浄用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗浄液で濡らした洗浄面を作業者が手作業で洗浄するという洗浄作業に用い得る洗浄用具には、様々な構造を備えるものが多く提案されている(たとえば、特許文献1、特許分献2、特許分献3参照)。
【0003】
そして、特許文献1や特許分献2、特許分献3、特許分献4には、洗浄作業中に洗浄液を洗浄面に給送してその洗浄面を濡らしながらブラシ部で擦ることができるようにしたものが記載されている。また、特許分献1や特許分献2、特許分献3には、作業者が手で握る柄の前方にブラシ部を突き出させてあると共に、柄を中空としてその柄に溜めた洗浄液を洗浄面に給送することを可能にすることが記載されている。また、柄の先に取り付けたブラシ部を交換可能にした洗浄用具も提案されている(上記特許文献3、特許文献5参照)。
【0004】
さらに、用途を自動車のアルミホイールに備わっている狭いスペースの洗浄に特化した洗浄用具が種々提案されている(たとえば、特許文献6、特許分献7、特許分献8、特許文献9参照)。そのほか、先端にヘッドを備えた柄に弾力性を付与することは、布団を叩いて清掃する目的で使用される清掃具の分野で公知である(たとえば、特許文献10参照)。
【特許文献1】実開平7−30964号公報
【特許文献2】特開2003−310515号公報
【特許文献3】特開2002−45326号公報
【特許文献4】実用新案登録第3032592号公報
【特許文献5】特開平11−18991号公報
【特許文献6】実用新案登録第3085006号公報
【特許文献7】特開2006−224755号公報
【特許文献8】特開2004−262378号公報
【特許文献9】実開平6−66366号公報
【特許文献10】実開平6−62964号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上掲の特許文献の中で、特許文献1〜4によって提案されているものは、1個の柄に対してブラシ部を交換することが考慮されていない。そのため、ブラシ部が劣化したり損傷したしたときにブラシ部だけを交換して使用することができない。その結果、全体の耐久性が劣化したり損傷したりしやすいブラシ部の耐久性の影響を受けることになるため、洗浄用具としての耐久性がそれほど優れたものではなかったということが云える。また、これらの各文献1〜4の洗浄用具に採用されているブラシ部は、自動車の車体表面などの洗浄に適するように広い擦り面を備えているために、自動車足回りのタイヤホイールなどのように狭いスペースにブラシ部を挿入して擦る必要がある箇所の洗浄に用いることには無理がある。これと同様の状況は、上掲の特許文献5によって提案されている洗浄用具についても云える。
【0006】
一方、特許文献6〜9によって提案されているものは、その用途が自動車のタイヤホイールに特化されていて、特に特許文献6に記載されているものは、ブラシ部の外形が略細長棒状になっているので、タイヤホイールのスポーク相互間隙間のような手の届きにくい狭いスペースに挿入してその箇所を洗浄することが可能であるという利点を有している。
【0007】
しかしながら、特許文献6によって提案されているような洗浄用具を用いると、その洗浄用具自体に洗浄液を給送する機能が備わっていないため、ブラシ部を洗浄液に浸けた後にそのブラシ部で洗浄面を擦ることによってはじめて、洗浄液で濡れた洗浄面の洗浄が可能になる。そこで、特許文献1などによって提案されている技術、すなわち柄を中空としてその柄に溜めた洗浄液を洗浄面に給送するという技術を特許文献6の洗浄用具に適用することが考えられる。
【0008】
一方、洗浄用具の全体の耐久性を改善するためには、たとえば特許文献5に見られるようにブラシ部を交換可能にすることが有益である。しかし、ブラシ部を柄に対して交換可能にして全体の耐久性を改善した場合に、洗浄用具自体に洗浄液をどのようにして給送するかについては、上掲のどの特許文献にも記載されていない。
【0009】
そこで、本発明は、柄に溜めた洗浄液を洗浄面に給送してその洗浄面を濡らしながらブラシ部で洗浄することを可能にすることと共に、1個の柄に対してブラシ部を交換することを可能にして全体の耐久性を高めることのできる洗浄用具を提供することを目的とする。
【0010】
併せて、本発明は、柄を下に向けて行う洗浄作業においては勿論、柄を横向きにしたり上向きにしたりして行う洗浄作業をも、洗浄面を洗浄液で濡らしながら行うことのできる洗浄用具を提供することを目的とする。
【0011】
さらに併せて、本発明は、自動車足回りのタイヤホイールなどのように手を差し入れにくい狭いスペースにブラシ部を挿入して擦る必要がある場合であっても、洗浄面を洗浄液で濡らしながらその作業を容易に行うことができるようになる洗浄用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る洗浄用具は、中空に形成されてその内部空間が液溜め空間とされている柄に、中空に形成されてその内部空間が液導入路とされているコア部が突出状態に連設され、作業者が手に持った上記柄を変形させて上記液溜め空間を加圧することによりその液溜め空間に貯留されている洗浄液が上記液導入路に圧送されるように構成されていると共に、上記コア部に液吐出孔が開設されてその液吐出孔から出た液で上記洗浄面を濡らすことができるようになっている。そして、上記柄と上記コア部とを分割してそれら両者を着脱するための着脱機構を追加して、上記柄に装着することによりその柄に組み合わせて使用される上記コア部を交換可能としてある。
【0013】
この発明の洗浄用具は、作業者が手に持った上記柄を変形させてその柄の液溜め空間を加圧すると、洗浄液が液溜め空間からコア部の液導入路に圧送されるように構成されている洗浄用具において、柄とコア部とを分割してそれら両者を着脱するための着脱機構を追加したものであるので、1つの柄に対してコア部を交換しても、柄の液溜め空間からコア部の液導入路に洗浄液を圧送することが可能である。そのため、柄に溜めた洗浄液を洗浄面に給送してその洗浄面を濡らしながらブラシ部で洗浄することが可能になるにもかかわらず、1個の柄に対してブラシ部を交換して全体の耐久性を高めることが可能になる。
【0014】
また、作業者が手に持った柄を変形させて液溜め空間を加圧することにより、その液溜め空間に貯留されている洗浄液を、コア部の液導入路に圧送することができるので、柄を下に向けて行う洗浄作業においては勿論、柄を横向きにしたり上向きにしたりして行う洗浄作業をも、洗浄面を洗浄液で濡らしながら行うことができる。
【0015】
本発明では、上記柄が、作業者が手のひらで掴むことのできる長さの中空樹脂成形体により形成されていると共に、上記柄の液溜め空間の出口と上記コア部の液導入路の入口との相互間に液溜め空間を液導入路に連通させる液通路を具備させ、その液通路に、液溜め空間から液導入路に向かう液流を通過させて液導入路から液溜め空間に向かう液流を遮断する逆止弁機構が介在されている、という構成を採用することが可能である。これによれば、たとえば柄を上向きにして、柄の液溜め空間からコア部の液導入路に洗浄液を圧送しつつ洗浄作業を行う場合に、液通路に一旦圧送された洗浄液が液溜め空間に逆流するという事態が起こらなくなるので、作業者にとっては、柄を変形させる動作を行う回数が少なくしても洗浄面を洗浄液で十分に濡らすことが可能になるという利点がある。
【0016】
本発明では、上記コア部に洗浄面を擦るブラシ部が付加され、上記柄と上記コア部と上記ブラシ部とを含む全体部分の外形を略細長形状として上記コア部及びそのコア部に付加されている上記ブラシ部を作業者の手の入らない狭少スペースに挿入可能としてあると共に、上記着脱機構が、上記柄に設けられた受部とこの受部を相手方として着脱可能な着脱部とを備えていて、その着脱部が、形状又はサイズの異なる複数種類の上記ブラシ部が各別に付加されている複数の上記コア部のそれぞれに設けられている、という構成を採用することが可能である。
【0017】
これによれば、自動車足回りのタイヤホイールなどのように手を差し入れにくい狭いスペースにブラシ部を挿入して擦る必要がある場合に、略細長形状のコア部とそのコア部に付加されているブラシ部でその要求を満たすことができる。また、スペースの広さに見合う形状やサイズのブラシ部が付加されたコア部を、そのスペースの広さに応じて使い分けることが可能になるという利点もある。
【0018】
本発明の洗浄用具にあっては、上記ブラシ部と上記コア部とが共に細長棒状に形成されていて、コア部の全体が、そのコア部に装着された柔軟な樹脂発泡体でなる上記ブラシ部によって被覆されるようになっているものであっても、上記ブラシ部が、上記コア部に取外し不能に装備されている植毛体又は柔軟な樹脂発泡体でなるものであってもよい。さらに、上記コア部が、上記ブラシ部を洗浄面に押し付けたときに曲り変形する弾性を備えているものであってもよい。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明に係る洗浄用具によれば、柄の液溜め空間に溜めた洗浄液を、洗浄作業中にコア部の液導入路や液吐出孔を通じて洗浄面に給送してその洗浄面を濡らしつつ、ブラシ部で洗浄面を洗浄することが可能になるものでありながら、1個の柄に対してブラシ部を交換することが可能である。そのため、洗浄液で洗浄面を濡らしながら洗浄作業を連続して行うことができるという利点があるだけでなく、ブラシ部が劣化したり損傷したりしたときには、そのブラシ部を交換するだけで洗浄作業を行うことが可能であるために、洗浄用具全体の耐久性が改善されるという利点がある。このような利点は、柄を下に向けて行う洗浄作業においては勿論、柄を横向きにしたり上向きにしたりして行う洗浄作業においても得られる。
【0020】
また、本発明において、コア部に洗浄面を擦るブラシ部を付加し、柄とコア部とブラシ部とを含む全体部分の外形を略細長形状としてコア部及びコア部に付加されているブラシ部を作業者の手の入らない狭少スペースに挿入可能としたものでは、自動車足回りのタイヤホイールのスポーク相互間隙間のような狭いスペースであっても、無理なく洗浄することができるようになる。特に、着脱機構の着脱部が、形状又はサイズの異なる複数種類のブラシ部が各別に付加されている複数のコア部のそれぞれに設けられているものでは、スペースの広さに見合う形状やサイズのブラシ部が付加されたコア部を、そのスペースの広さに応じて使い分けることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は本発明の実施形態に係る洗浄用具の概略側面図、図2は同洗浄用具の一部を破断して示した分解側面図である。
【0022】
この洗浄用具は、洗浄作業に際して作業者で手のひらで掴むことのできる長さを有する柄10と、その柄10からまっすぐに突き出て外形が略細長形状に形成されたコア部30とを有している。柄10は中空筒状の樹脂成形体でなり、その内部空間が液溜め空間11として形成されている。コア部30も中空筒状の樹脂成形体でなり、その内部空間が液導入路31として形成されていると共に、コア部30の外壁の複数箇所にはその軸線方向や周方向に並んだ複数箇所に液吐出孔32が改正されている。そして、作業者が手に持った柄10を挟圧して変形させることにより液溜め空間11を加圧すると、その液溜め空間11に貯留されている洗浄液(不図示)がコア部30の液導入路31に圧送された後、液吐出孔32が出るようになっている。そのため、洗浄作業時には、コア部30の液吐出孔32から出た洗浄液で洗浄面(不図示)が濡れる。
【0023】
この洗浄用具において、柄10とコア部30とは分割されている。そして、柄10とコア部30とを着脱するための着脱機構60が追加されている。着脱機構60は、柄10に一体成形されて設けられている筒状の受部61とこの受部61を相手方として着脱可能な筒状の着脱部65とを備えていて、着脱部65がコア部30に一体成形されて設けられている。したがって、受部61に着脱部65を装着すると、その着脱機構60の内部通路によって柄10の液溜め空間11にコア部30の液導入路31が連通されて、液溜め空間11から液導入路31に洗浄液が導入させることができるようになる。
【0024】
ここで、着脱機構60の着脱部65は、別々の複数のコア部30のそれぞれに設けられていて、それら複数のコア部30を1個の共通の柄10に択一的に組み合わせて装着することができるようになっている。このことから、異なる複数のコア部30…を1個の共通の柄10に対して交換使用することが可能である。また、着脱部65を、形状又はサイズの異なる複数種類のブラシ部(後述する)が各別に付加されている複数のコア部30…のそれぞれに設けておくと、それらの複数のコア部30から選んだ1個のコア部30を柄10に装着することができるので、それらのコア部30を使い分けることが可能である。
【0025】
図1又は図2のように、コア部30には、洗浄面を擦ることに用いられるブラシ部80が付加されている。図1又は図2に示した事例では、柄10とコア部30とそのコア部30に付加されているブラシ部80とを含む全体部分の外形を略細長形状に構成することによって、コア部30及びブラシ部80を作業者の手の入らない狭少スペースに挿入可能としてある。狭少スペースとしては、自動車足回りのタイヤホイールのスポーク相互間隙間を一例として挙げることができる。また、この事例では、ブラシ部80とコア部30とが共に細長棒状に形成されていて、コア部30の全体が、そのコア部30に装着された柔軟な樹脂発泡体(たとえばスポンジ)でなるブラシ部80によって被覆されている。ブラシ部80とコア部30との関係をこのように定めておくと、洗浄作業中に洗浄面がブラシ部80によって傷付けられたりすることがなく、また、コア部30が洗浄面と干渉して損傷するという事態も生じない。
【0026】
図1及び図2に示した事例では、柄10の根元にフック部12を設けることにより、フック部12を利用してコア部30を連設した柄10、又は、コア部30を取り外した柄10だけを吊下げ保管することができるように構成してある。また、フック部12を、柄10の開放した根元に着脱可能なキャップ15に一体成形してある。そして、このキャップ15を取り外すことによって、柄10の開放した根元からその柄10の液溜め空間11に洗浄液を入れることができるようになっている。
【0027】
以上の構成を備える洗浄用具を用いて洗浄作業を行う場合、柄10を下向きにした状態では、柄10の液溜め空間11の洗浄液が着脱機構60の内部通路を経てコア部30の液導入路31に入った後、液吐出孔32から出るので、その洗浄液が洗浄面を濡らす。そのため、洗浄面を洗浄液で濡らしながらブラシ部80で擦ることにより、連続して洗浄作業を行うことができる。
【0028】
また、柄10を横向きや上向きにした状態では、作業者が柄10を手で掴んでその柄10を挟圧して変形させるといった方法で液溜め空間11を加圧する。そして、このように液溜め空間11を加圧して、柄10の液溜め空間11の洗浄液を着脱機構60の内部通路を経てコア部30の液導入路31に圧送すると、その洗浄液が液吐出孔32から出るので、その洗浄液が洗浄面を濡らす。柄10を横向きや上向きにした状態であっても、洗浄面を洗浄液で濡らしながらブラシ部80で擦ることにより、連続して洗浄作業を行うことができる。
【0029】
さらに、ブラシ部80が劣化したり損傷したりしてその継続使用が不能になったときには、柄10に対してブラシ部80を交換すれば継続使用が可能になる。そのため、ブラシ部80の劣化や損傷によって洗浄用具全体が使用不能に陥ることはない。また、自動車足回りのタイヤホイールのスポーク相互間隙間のような狭いスペースを洗浄するときには、そのスペースに見合う形状又はサイズのブラシ部80をコア部30に付け替えるだけで洗浄作業を楽に行うことができるようになる。なお、上記したブラシ部80の交換ないし付け替えは、コア部30に対して別のブラシ部80を装着することによって行っても、別のブラシ部をあらかじめ装着してあるコア部30を柄10に付け替えることによって行ってもよい。
【0030】
図3〜図8に、採用し得る種々の着脱機構60を例示してある。
【0031】
図3は着脱機構60の概略分解側面図である。この着脱機構60は、柄10に一体成形されて外周に雄ねじ62を有する筒状の受部61と、コア部30に一体成形されて内周に上記雄ねじ62にねじ合わせ可能な雌ねじ(不図示)を有する筒状の着脱部65とでなる。この着脱機構60では、受部61に着脱部65をねじ込んで柄10にコア部30を連設させると、着脱機構60の内部通路を経て柄10の液溜め空間にコア部30の液導入路が連通される。
【0032】
図4は他の着脱機構60の概略分解側面図である。この着脱機構60は、柄10に一体成形されて外周の1箇所又は複数箇所に突起63を有する筒状の受部61と、コア部30に一体成形されて周壁に傾斜した溝67を有する筒状の着脱部65とでなる。この着脱機構60では、受部61に着脱部65を嵌め込むことによって、溝67を突起63に係合させると、柄10にコア部30が連設されて着脱機構60の内部通路を経て柄10の液溜め空間にコア部30の液導入路が連通される。
【0033】
図5はさらに他の着脱機構60の概略分解側面図である。この着脱機構60は、柄10に一体成形されて外周に係合部64を有する筒状の受部61と、コア部30に一体成形されて周壁内周面の突起68を有する筒状の着脱部65とでなる。この着脱機構60では、受部61に着脱部65を嵌め込むことによって、係合部64に突起68に係合させると、柄10にコア部30が連設されて着脱機構60の内部通路を経て柄10の液溜め空間にコア部30の液導入路が連通される。
【0034】
図6はさらに他の着脱機構60の概略分解側面図である。この着脱機構60は、柄10に一体成形されて外周の1箇所又は複数箇所に設けられた割り溝71と外周に設けられた雄ねじ72とを有する筒状の受部61と、上記雄ねじ72にねじ合わせ可能な雌ねじ76と受部61を締付けて縮径させることのできるテーパ面77とを内周面に備えた締め輪としての着脱部65とでなる。この着脱機構60では、受部61にコア部30を差し込み、そのコア部30に外嵌した着脱部65を受部61にねじ込んで締め付けると、柄10にコア部30が連設されて着脱機構60の内部通路を経て柄10の液溜め空間にコア部30の液導入路が連通される。
【0035】
図7はさらに他の着脱機構60の概略分解側面図である。この着脱機構60は、柄10に一体成形されて外周に雄ねじ73を有する筒状の受部61と、上記雄ねじ73にねじ合わせ可能な雌ねじ77を有する締め輪としての着脱部65とでなる。この着脱機構60では、受部61にコア部30を差し込み、そのコア部30に外嵌した着脱部65を受部61にねじ込んで締め付けると、コア部30に一体成形されている鍔部33が受部73の端面に押し付けられて柄10にコア部30が連設され、着脱機構60の内部通路を経て柄10の液溜め空間にコア部30の液導入路が連通される。
【0036】
図8(A)(B)はさらに他の着脱機構60の概略分解側面図である。この着脱機構60は、柄10に一体成形されて、内部に、ばね74により付勢されて同図(A)のように閉状態を保っている弁体75を収容している筒状の受部61と、上記弁体75を押し下げて開状態を保つための当り部78を有する筒状の着脱部65とでなる。この着脱機構60では、同図(B)のように受部61に着脱部65を差し込むことによって、当り部78で弁体75を押し下げると、弁体75が開いて着脱機構60の内部通路を経て柄10の液溜め空間にコア部30の液導入路が連通される。
【0037】
なお、この発明において採用し得る着脱機構60の構成は、図3〜図8を参照して説明した事例に限定されないことは勿論である。
【0038】
図9〜図14に、採用し得る種々のブラシ部80の構成を例示してある。
【0039】
図9はコア部30に装着されたブラシ部80の概略縦断面図である。このブラシ部80は、細長形状のコア部30に嵌脱することによって着脱される細長形状の樹脂発泡体でなるブラシ部本体81と、このブラシ部本体81を包み込んでそのブラシ部本体81の欠け落ちや破れなどを防いでいるネット体82とでなる。
【0040】
図10はコア部30に装着された他のブラシ部80の概略縦断面図である。このブラシ部80は、多数の小さな多角形の樹脂発泡体83をワイヤ(不図示)で連結することによって細長形状に形成されていて、コア部30に嵌脱することによって着脱可能である。
【0041】
図11はコア部30に装着されたさらに他のブラシ部80の概略縦断面図である。このブラシ部80は、三角柱状の樹脂発泡体でなり、コア部30に嵌脱することによって着脱可能である。なお、樹脂発泡体の形状を四角柱などの他の多角柱状や円柱状に形成することも可能である。
【0042】
図12はコア部30に装着されたさらに他のブラシ部80の概略縦断面図である。この事例において、ブラシ部80は直方体状の樹脂発泡体でなり、コア部30の先端に備わっている平坦な板片部34に装備されている。この事例において、ブラシ部80は、板片部34に対して着脱可能であっても、板片部34に取外し不能に固着されていてもよい。
【0043】
図13はコア部30に装備されたブラシ部80の概略縦断面図である。このブラシ部80は、コア部30の全体に亘って一様に取外し不能に装備されている植毛体でなる。
【0044】
図14はコア部30に装備された他のブラシ部80の概略縦断面図である。このブラシ部80は、コア部30の一部に取外し不能に装備されている植毛体でなり、あたかも汎用の歯ブラシに似た形状になっている。
【0045】
図15にコア部30の変形例を示してある。このコア部30は、医療用注射針のように細長く形成されていて、その先端に液吐出孔32を有している。このコア部30にはブラシ部(不図示)を着脱可能であって、きわめて狭いスペースに差し込むことができるという利点がある。
【0046】
ところで、この発明の洗浄用具において、柄10を横向きや上向きにして作業者がその柄10を挟圧して変形させるといった方法で液溜め空間11を加圧することにより、洗浄剤をコア部30の液導入路31に圧送することを可能にするためには、柄10を挟圧することによって変化する液溜め空間11の内容積の変化量を十分に大きくすることが必要であるけれども、そのような挟圧を作業者が行うと、作業者に大きな負担がかかる。この点を改善する対策を図16に例示してある。
【0047】
図16には柄10の要部の内部構造を示してある。同図の事例では、柄10に備わっている液溜め空間11の出口13に、その液溜め空間11の底部(柄10の根元)に達するチューブ14を接続してある。また、チューブ14と出口13との接続部分には正倒立バルブ機構20を設けてある。この正倒立バルブ機構20は、周囲複数箇所に液流入口22を備えて内部にボール弁23を収容している筒状の弁箱21を有している。そして、同図(A)のように柄10を上向きにして挟圧したときには、洗浄液Lがチューブ14を経て出口13から吐出され、同図(B)矢印Yのように柄10を下向き倒して挟圧したときには、洗浄液Lが弁箱21の液流入口22を経て出口13から吐出されるようになっている。このように作用する正倒立バルブ機構20を設けておくことにより、上記したような作業者に加わる負担が軽減されることになる。
【0048】
また、この発明の洗浄用具においては、柄10が、下向きであるか、横向きであるか、上向きであるか、ということに関係なく、コア部30の液吐出孔32から洗浄液が出過ぎないようにしておいたり、15出孔32から出る洗浄液の量が不足しないようにしておいたりしておくことは、洗浄液の無駄な消費を防いだり、円滑な洗浄作業を続ける上で有益である。そこで、そのような要求に対処するための対策として、逆止弁機構90を採用する事例を図17〜図19を参照して説明する。
【0049】
図17は逆止弁機構90の一例を示した断面図である。同図の逆止弁機構90はゴム板92でなり、このゴム板92の作用によって、液溜め空間11から液導入路に向かう液流が出口13を通過したり、液導入路から液溜め空間11に向かう液流が遮断されたりする。この逆止弁機構90に採用されているゴム板92は、柄10の液溜め空間11の出口13とコア部の液導入路の入口(図2参照)との相互間に具備されて液溜め空間11を液導入路に連通させる液通路91に配備されている。この逆止弁機構90によると、液溜め空間11が加圧されて洗浄液が出口13から押し出されると、その液流によりゴム板92が反り変形して出口13を開く。また、液溜め空間11が加圧されていないときには、ゴム板92がそれ自体の弾性により初期形状に復帰して出口13を閉じる。
【0050】
図18(A)は逆止弁機構90の他の例を示した断面図である。同図の逆止弁機構90はゴム板93の中央部に切り目94を形成することによって構成されている。このゴム板93の作用によって、液溜め空間11から液導入路に向かう液流が出口13を通過したり、液導入路から液溜め空間11に向かう液流が遮断されたりする。この逆止弁機構90に採用されているゴム板93は、柄10の液溜め空間11の出口13とコア部の液導入路の入口(図2参照)との相互間に具備されて液溜め空間11を液導入路に連通させる液通路91に配備されている。この逆止弁機構90によると、液溜め空間11が加圧されて洗浄液が出口13から押し出されると、その液流によりゴム板93の切り目94が開いて出口13を開く。また、液溜め空間11が加圧されていないときには、ゴム板93がそれ自体の弾性により初期形状に復帰して切り目94が塞がり、出口13が閉じられる。図18(B)はゴム板93の切り目94を十字形に形成した事例であり、同(C)は切り目94をY字形に形成した事例を示している。なお、切り目94の形状は図18(B)(C)に示したものに限定されない。
【0051】
図19は逆止弁機構90の他の例を示した断面図である。同図の逆止弁機構90は、柄10の液溜め空間11の出口13とコア部の液導入路の入口(図2参照)との相互間に具備されて液溜め空間11を液導入路に連通させる液通路91に配備されて、ばね95と、出口13に設けられている弁座96と、ばね95によって弁座96に着座する方向に常時弾発付勢されている弁体97とを備えている。この逆止弁機構90によると、液溜め空間11が加圧されて洗浄液が出口13から押し出されると、その液流により弁体97がばね95の付勢に抗して仮想線で示したように後退して出口13を開く。また、液溜め空間11が加圧されていないときには、弁体97がばね95による付勢により弁座96に着座して出口13を閉じる。
【0052】
なお、図17〜図19に示した逆止弁機構90が配備されている液通路91は、上記した着脱機構60の内部通路によって形成することが可能であるほか、着脱機構60の内部通路と液溜め空間11の出口13との間に介在させることも可能である。
【0053】
ところで、図1、図2、図9〜図15などに示されているコア部30は、ブラシ部80で洗浄面を擦るときに、ブラシ部80を洗浄面に押し付けている力の反力を受ける。そのため、このコア部30が曲がりにくい剛性を備えていると、ブラシ部80を洗浄面に押し付ける力が大きくなりすぎて洗浄面を傷付けたりブラシ部80を早期に損傷したりするおそれがある。この点を改善するためには、コア部30に弾性を付与しておいて、ブラシ部80を洗浄面に押し付けたときに、洗浄面に対するブラシ部80の必要な押圧力を確保し得て、押圧力が大きくなりすぎないようにしておくことがことが望まれる。このような要望は、コア部30を樹脂成形体によって形成してそのコア部30に樹脂特有の弾性を付与することによって容易に満たされる。そのようにしておくと、ブラシ部80が洗浄面に適切な力で押し付けられるようになるので、洗浄面が傷付いたりブラシ部80が早期に損傷したりするおそれがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態に係る洗浄用具の概略側面図である。
【図2】同洗浄用具の一部を破断して示した分解側面図である。
【図3】着脱機構の概略分解側面図である。
【図4】他の着脱機構の概略分解側面図である。
【図5】さらに他の着脱機構の概略分解側面図である。
【図6】さらに他の着脱機構の概略分解側面図である。
【図7】さらに他の着脱機構の概略分解側面図である。
【図8】さらに他の着脱機構60の概略分解側面図であり、(A)は受部と着脱部とが離れている状態を示し、(B)受部に着脱部65を差し込んだ状態を示している。
【図9】コア部に装着されたブラシ部の概略縦断面図である。
【図10】コア部に装着された他のブラシ部の概略縦断面図である。
【図11】コア部に装着されたさらに他のブラシ部の概略縦断面図である。
【図12】コア部に装着されたさらに他のブラシ部の概略縦断面図である。
【図13】コア部に装備されたブラシ部の概略縦断面図である。
【図14】コア部に装備された他のブラシ部の概略縦断面図である。
【図15】コア部の変形例を示した概略斜視図である。
【図16】柄の要部の内部構造を示した断面図であり、(A)は正立状態を示し、(B)倒立状態を示している。
【図17】逆止弁機構の一例を示した断面図である。
【図18】(A)は逆止弁機構90の他の例を示した断面図である。(B)はゴム板の切り目を十字形に形成した事例の正面図、(C)はゴム板の切り目をY字形に形成した事例の正面図である。
【図19】逆止弁機構の他の例を示した断面図である。
【符号の説明】
【0055】
10 柄
11 液溜め空間
13 液溜め空間の出口
30 コア部
31 液導入路
32 液吐出孔
34 液導入路の入口
60 着脱機構
61 着脱機構の受部
65 着脱機構の着脱部
80 ブラシ部
90 逆止弁機構
91 液通路
L 洗浄液
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空に形成されてその内部空間が液溜め空間とされている柄に、中空に形成されてその内部空間が液導入路とされているコア部が突出状態に連設され、作業者が手に持った上記柄を変形させて上記液溜め空間を加圧することによりその液溜め空間に貯留されている洗浄液が上記液導入路に圧送されるように構成されていると共に、上記コア部に液吐出孔が開設されてその液吐出孔から出た液で上記洗浄面を濡らすことができるようになっている洗浄用具であって、
上記柄と上記コア部とを分割してそれら両者を着脱するための着脱機構を追加して、上記柄に装着することによりその柄に組み合わせて使用される上記コア部を交換可能としてあることを特徴とする洗浄用具。
【請求項2】
上記柄が、作業者が手のひらで掴むことのできる長さの中空樹脂成形体により形成されていると共に、上記柄の液溜め空間の出口と上記コア部の液導入路の入口との相互間に液溜め空間を液導入路に連通させる液通路を具備させ、その液通路に、液溜め空間から液導入路に向かう液流を通過させて液導入路から液溜め空間に向かう液流を遮断する逆止弁機構が介在されている請求項1に記載した洗浄用具。
【請求項3】
上記コア部に洗浄面を擦るブラシ部が付加され、上記柄と上記コア部と上記ブラシ部とを含む全体部分の外形を略細長形状として上記コア部及びそのコア部に付加されている上記ブラシ部を作業者の手の入らない狭少スペースに挿入可能としてあると共に、上記着脱機構が、上記柄に設けられた受部とこの受部を相手方として着脱可能な着脱部とを備えていて、その着脱部が、形状又はサイズの異なる複数種類の上記ブラシ部が各別に付加されている複数の上記コア部のそれぞれに設けられている請求項1又は請求項2に記載した洗浄用具。
【請求項4】
上記ブラシ部と上記コア部とが共に細長棒状に形成されていて、コア部の全体が、そのコア部に装着された柔軟な樹脂発泡体でなる上記ブラシ部によって被覆されるようになっている請求項3に記載した洗浄用具。
【請求項5】
上記ブラシ部が、上記コア部に取外し不能に装備されている植毛体又は柔軟な樹脂発泡体でなる請求項3に記載した洗浄用具。
【請求項6】
上記コア部が、上記ブラシ部を洗浄面に押し付けたときに曲り変形する弾性を備えている請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載した洗浄用具。
【請求項1】
中空に形成されてその内部空間が液溜め空間とされている柄に、中空に形成されてその内部空間が液導入路とされているコア部が突出状態に連設され、作業者が手に持った上記柄を変形させて上記液溜め空間を加圧することによりその液溜め空間に貯留されている洗浄液が上記液導入路に圧送されるように構成されていると共に、上記コア部に液吐出孔が開設されてその液吐出孔から出た液で上記洗浄面を濡らすことができるようになっている洗浄用具であって、
上記柄と上記コア部とを分割してそれら両者を着脱するための着脱機構を追加して、上記柄に装着することによりその柄に組み合わせて使用される上記コア部を交換可能としてあることを特徴とする洗浄用具。
【請求項2】
上記柄が、作業者が手のひらで掴むことのできる長さの中空樹脂成形体により形成されていると共に、上記柄の液溜め空間の出口と上記コア部の液導入路の入口との相互間に液溜め空間を液導入路に連通させる液通路を具備させ、その液通路に、液溜め空間から液導入路に向かう液流を通過させて液導入路から液溜め空間に向かう液流を遮断する逆止弁機構が介在されている請求項1に記載した洗浄用具。
【請求項3】
上記コア部に洗浄面を擦るブラシ部が付加され、上記柄と上記コア部と上記ブラシ部とを含む全体部分の外形を略細長形状として上記コア部及びそのコア部に付加されている上記ブラシ部を作業者の手の入らない狭少スペースに挿入可能としてあると共に、上記着脱機構が、上記柄に設けられた受部とこの受部を相手方として着脱可能な着脱部とを備えていて、その着脱部が、形状又はサイズの異なる複数種類の上記ブラシ部が各別に付加されている複数の上記コア部のそれぞれに設けられている請求項1又は請求項2に記載した洗浄用具。
【請求項4】
上記ブラシ部と上記コア部とが共に細長棒状に形成されていて、コア部の全体が、そのコア部に装着された柔軟な樹脂発泡体でなる上記ブラシ部によって被覆されるようになっている請求項3に記載した洗浄用具。
【請求項5】
上記ブラシ部が、上記コア部に取外し不能に装備されている植毛体又は柔軟な樹脂発泡体でなる請求項3に記載した洗浄用具。
【請求項6】
上記コア部が、上記ブラシ部を洗浄面に押し付けたときに曲り変形する弾性を備えている請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載した洗浄用具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2009−45309(P2009−45309A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−215617(P2007−215617)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(000227331)株式会社ソフト99コーポレーション (84)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(000227331)株式会社ソフト99コーポレーション (84)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]