説明

洗濯機及びその包装装置

【課題】簡易的手段を用いて水槽を揺動不能に固定保持し、包装箱が横倒し、あるいは角部や稜線部から落下した場合でも十分な強度を確保できる洗濯機及びその包装装置を提供する。
【解決手段】洗濯機100は、箱体1と、箱体1内に吊り下げ収容される水槽2とを備え、水槽2の下側に、水槽2の下側で固定される輸送金具20を取り付け、水槽2の背面側を、水槽2の背面側に配設されたネジ穴を有するブラケットA22と箱体1の背面を構成する背面パネル31とをボルトA24を用いて締結することによって、ブラケットA22を介して背面パネル31に固定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水槽を傾斜させた状態で固定するようにした洗濯機及びその包装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、洗濯機の包装方法においては、一般的に、水槽の下部に配設した輸送金具と、水槽上部に嵌め込んだ槽押えとにより、水槽を固定し、水槽の揺動を抑制して洗濯機の運搬・輸送時の振動・衝撃を吸収するようになっている。近年、箱体内に水槽を吊り下げて弾性支持し、水槽を箱体の前方側に傾斜させた洗濯機が広く普及するようになっている。このような洗濯機では、洗濯機の運搬・輸送時の振動・衝撃から適切に保護するために、水槽を傾斜させたままの状態で水槽を揺動不能に固定保持するように包装することが要求されている。
【0003】
そのようなものとして、「外枠上部に蓋を有するトップカバーを備え、前記外枠内に外槽を吊下げ支持し、外槽内に内槽を配し、内槽内底部に回転翼を有し、外槽外底部にはモーター等の機構部を取り付けた一槽式洗濯機の、前記外槽全体の揺動を阻止する梱包部材において、前記洗濯機のトップカバー,外槽および内槽の各開口部端縁に嵌合密着する固定材を合成樹脂製の箱形材によって構成し、前記箱形固定材の上端開口部に、洗濯機トップカバー上に係合するフランジを形成することに加えて、さらに前記箱形固定材の内部に、この箱形固定材の内部空間を仕切る仕切壁を交差して設けた一槽式洗濯機の梱包部材」が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
この梱包部材と適用した洗濯機は、水槽の下部に輸送金具を取り付け、輸送金具の底面形状に合せた底部緩衝体を包装時に取り付けて上下方向の位置決めを行い、上下揺動した時の床への振動・衝撃荷重を受けるとともに、水槽の上部に嵌め込んだ槽押えにより、水槽に加わる運搬・輸送時の振動・衝撃に対して、水槽の揺動を抑制する構造となっていた。この輸送金具の取付中心軸と槽押えの中心軸とは、水槽中心軸とほぼ一致しており、上下方向の振動・衝撃に対して水槽の揺動を抑制する構造となっていた。また、吊り棒の上側を箱体に設けられた球面座に吊り下げ、下側を水槽の受け座に引っ掛けることによって水槽を箱体に吊り下げているが、輸送金具によって水槽を持ち上げることにより、吊り棒、箱体の球面座及び水槽の受け座にかかる荷重を小さくする構造となっていた。
【0005】
【特許文献1】特開平6−156572号公報(第4頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような構造では、水槽の傾斜角を前後に可動できるようにした洗濯機や、水槽を箱体の前方側に傾斜させた洗濯機に対して箱体内に水槽を確実に固定することができないという問題があった。また、このような構造では、水槽の揺動を抑制し切れず、運搬・輸送時の振動・衝撃により水槽が箱体に衝突してしまい、水槽が変形したり破損したりするという問題があった。さらに、底部緩衝体に過度の荷重が加わることになり、底部緩衝体も破損してしまうという問題があった。
【0007】
一方、このような構造を水槽の傾斜角を前後に可動できるようにした洗濯機や、水槽を機体の前方側に傾斜させた形態の洗濯機に適用した場合、水槽を傾斜させたまま包装すると、水槽が傾斜している分、輸送金具は水槽中心軸に対して傾斜して取り付けられるようになる。そうすると、槽押えの中心軸は水槽中心軸と一致しているため、輸送金具の取付中心軸と槽押えの中心軸とが傾斜してしまい、水槽が傾斜しない洗濯機に比べて水槽の揺動を抑制しにくくなるという問題もあった。つまり、水槽が箱体に衝突して水槽が変形・破損したり、底部緩衝体に過度の荷重が加わって底部緩衝体が破損したりする危険性が増大してしまうのである。
【0008】
特に、包装箱が後倒しになった場合に、槽押えは水槽が背面側に動くのを止められない方向に保持しているため、さらに水槽が箱体に衝突しやすくなる恐れがあった。また、吊り棒、箱体の球面座、水槽の受け座及び内部部品がさらに損傷を受けやすいという問題があった。さらに、複雑な手段で水槽を確実に固定したとしても、取り扱いも複雑で難しいものとなってしまうという問題もあった。
【0009】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、簡易的手段を用いて水槽を揺動不能に固定保持し、包装箱が横倒し、あるいは角部や稜線部から落下した場合でも十分な強度を確保できる洗濯機及びその包装装置を提供するものである。また、簡易的手段で水槽を揺動不能に固定保持し、輸送荷重に対して洗濯機を適切に保護するとともに、家宅での据付時に簡単に取り外しできる洗濯機及びその包装装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る洗濯機は、箱体と、箱体内に吊り下げ収容される水槽とを備え、水槽の下側に、水槽の下側で固定される輸送金具を取り付け、水槽の背面側を、水槽の背面側に配設されたネジ穴を有する第1のブラケットと箱体の背面を構成する背面パネルとをボルトを用いて締結することによって、該第1のブラケットを介して背面パネルに固定したことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る洗濯機は、箱体と、箱体内に吊り下げ収容される水槽と、水槽の下側に取り付けられ、水槽の下側で固定される輸送金具と、水槽の背面側または側面側に配設されたネジ穴を有する第1のブラケットと、水槽の底面または側面に配設され、第1のブラケットの一端を係合する金属板と備え、水槽の背面側または側面側を、第1のブラケット及び金属板と、箱体の背面を構成する背面パネルまたは側面を構成する側面パネルとをボルトを用いて締結することによって、該第1のブラケット及び該金属板を介して背面パネルまたは前記側面パネルに固定したことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る洗濯機の包装装置は、上記の洗濯機を載置する底ケースと、底ケースに収納され、輸送金具を嵌め込む底部緩衝体と、底ケースの上から被せられ、洗濯機を収納する外装ケースとで構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る洗濯機は、箱体と、箱体内に吊り下げ収容される水槽とを備え、水槽の下側に、水槽の下側で固定される輸送金具を取り付け、水槽の背面側を、水槽の背面側に配設されたネジ穴を有する第1のブラケットと箱体の背面を構成する背面パネルとをボルトを用いて締結することによって、該第1のブラケットを介して背面パネルに固定したので、複雑な構造にすることなく確実に水槽を固定保持することができ、輸送時の荷重、振動及び衝撃から保護するとともに、横倒したり、角部や稜線部から落下したりしたときでも十分な強度を確保することができる。
【0014】
本発明に係る洗濯機は、箱体と、箱体内に吊り下げ収容される水槽と、水槽の下側に取り付けられ、水槽の下側で固定される輸送金具と、水槽の背面側または側面側に配設されたネジ穴を有する第1のブラケットと、水槽の底面または側面に配設され、第1のブラケットの一端を係合する金属板と備え、水槽の背面側または側面側を、第1のブラケット及び金属板と、箱体の背面を構成する背面パネルまたは側面を構成する側面パネルとをボルトを用いて締結することによって、該第1のブラケット及び該金属板を介して背面パネルまたは前記側面パネルに固定したので、複雑な構造にすることなく確実に水槽を固定保持することができ、輸送時の荷重、振動及び衝撃から保護するとともに、横倒したり、角部や稜線部から落下したりしたときでも十分な強度を確保することができる。
【0015】
また、本発明に係る洗濯機の包装装置は、上記の洗濯機を載置する底ケースと、底ケースに収納され、輸送金具を嵌め込む底部緩衝体と、底ケースの上から被せられ、洗濯機を収納する外装ケースとで構成したので、上記の洗濯機の効果を有するとともに、横倒したり、角部や稜線部から落下したりした場合でも洗濯機の外部の損傷を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る洗濯機100を側面から見た概略構成を示す透視図である。図1に基づいて、実施の形態1に係る洗濯機100及び包装装置200の構成について説明する。この洗濯機100は、箱体1内に水槽2を前吊り棒3及び後吊り棒4で吊り下げ支持する構成となっている。
【0017】
この図1では、洗濯機100が包装装置200内に包装され、床面27に置かれている場合を表している。また、この図1には、水槽2の中心軸である水槽中心軸28と、輸送金具20の中心を通る鉛直方向の軸である輸送金具取付中心軸40とを併せて図示している。なお、図1を含め、以下の図面では、各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、図の左側を洗濯機前方とし、右側を洗濯機後方として説明する。
【0018】
図1に示すように、洗濯機100は、箱体1内に水槽2を前吊り棒3及び後吊り棒4で吊り下げ、傾斜配置させた構成となっている。水槽2の内部には、衣類等の洗濯物を収容し、その洗濯物の洗浄や脱水、乾燥等を行なう脱水槽12が回転自在に配置されている。この水槽2は、脱水時に脱水槽12から飛散する水を受ける役目を果たすようになっている。また、脱水槽12の上部には、脱水槽12で発生する振動を減衰させるリング状のバランサ25が配設されている。
【0019】
水槽2の下側には、脱水槽12を回転駆動するための電動機13が配設されている。この電動機13は、図示省略のDCモータやギア、クラッチ等で構成されている。なお、箱体1内には、電動機13内のモータの回転数を制御するための図示省略の制御手段が設けられている。この制御手段は、ユーザからの指示に基づいて洗濯機100全体の動作(洗浄工程や脱水工程、乾燥工程)を統括制御するようになっており、たとえばマイクロコンピュータ等で構成されている。
【0020】
また、箱体1の上部には、衣類等の洗濯物を出し入れする投入口16が形成されており、この投入口16を蓋15によって開閉可能になっている。この箱体1は、4本の脚10で支えられるようになっている。なお、水槽2を吊り下げる前吊り棒3及び後吊り棒4は、箱体1の前後方向に少なくとも1つずつ設けられていればよく、特に本数を限定するものではない。また、前吊り棒3の長さと後吊り棒4の長さとが異なっていてもよい。さらに、前吊り棒3の本数と、後吊り棒4の本数とが異なっていてもよい。
【0021】
前吊り棒3及び後吊り棒4は、上部が箱体1に設けられている球面座9に吊り下げられるようになっており、下部が水槽2の外周に設けられている受け座11に貫通するようになっている。つまり、前吊り棒3及び後吊り棒4の本数に応じた球面座9及び受け座11が前吊り棒3及び後吊り棒4の上部及び下部に配置されているのである。この球面座9は、箱体1内に固定されており、前吊り棒3及び後吊り棒4を貫通支持するようになっている。
【0022】
なお、水槽2を予め所定の角度で傾斜させてもよく、球面座9が前吊り棒3及び後吊り棒4を上下方向に移動することによって水槽2を任意の角度で傾斜させてもよい。たとえば、制御手段が洗濯機100の運転工程に応じて球面座9を制御することで、水槽2の傾斜角度を調整可能にするとよい。なお、球面座9は、前吊り棒3及び後吊り棒4を吊り下げるものであればよく、特に種類や機構を限定するものではない。
【0023】
受け座11は、水槽2の下方外周に設けられており、前吊り棒3及び後吊り棒4と水槽2とを連結するようになっている。また、この受け座11の下方には、水槽2を弾性支持するための前防振装置7及び後防振装置8が設けられている。受け座11は、前吊り棒3及び後吊り棒4を貫通させて水槽2と前吊り棒3及び後吊り棒4とを連結する役目を果たすようになっている。つまり、この受け座11は、前吊り棒3及び後吊り棒4を受け入れて前吊り棒3及び後吊り棒4と水槽2とを連動可能に連結しているのである。
【0024】
前防振装置7及び後防振装置8は、前吊り棒3及び後吊り棒4の下端に設けられており、前吊り棒3及び後吊り棒4が抜けてしまうのを防止するとともに、受け座11を下側から弾性支持する役目を果たすようになっている。また、この前防振装置7及び後防振装置8は、受け座11を介して水槽2を下側から弾性支持するととともに、受け座11を介して伝播する振動(運転時の電動機13による加振力)を吸収する役目を果たすようになっている。なお、前防振装置7及び後防振装置8の種類を特に限定するものではないが、たとえばダンパーやサスペンション、コイルバネ、防振用バネ、空気バネ等で構成するとよい。
【0025】
水槽2の下側には、電動機13の下側を囲むように輸送金具20が配設されている(図5参照)。この輸送金具20は、ボルトC38で水槽2の下側を固定するようになっており、洗濯機100の包装時には、その底面形状に合せた穴を設けた底部緩衝体(緩衝体)19に嵌め込まれるようになっている。また、水槽2の上部には、投入口16、水槽2及び脱水槽12の各開口部縁に勘合する槽押え21が嵌め込まれるようになっている。さらに、水槽2の背面側にはネジ穴を有する第1のブラケットであるブラケットA22が配設されており、ボルトA24及びスペーサA23を用いて締結することによって、箱体1の背面を構成する背面パネル31に水槽2を固定保持している。
【0026】
包装装置200は、外装ケース41及び底ケース14で構成されている。洗濯機100は、その箱体1の上部が上部緩衝体17を挟んで外装ケース41内に収納されるようになっている。また、洗濯機100は、その箱体1の下部が脚部緩衝体18を挟んで底ケース14内に載置されるようになっている。つまり、包装装置200は、箱体1が載置されている底ケース14の上から、外装ケース41を被せることで構成されている。そして、この包装装置200は、床面27に置かれるようになっている。この包装装置200は、洗濯機100の外部の損傷を防止する役目を果たしている。
【0027】
図2は、輸送金具20の構成の一例を示す斜視図である。図2に基づいて、実施の形態1に係る輸送金具20について説明する。この輸送金具20は、図2に示すようにU字状に形成されている。この輸送金具20は、その内側で上述したように電動機13の下側を囲むようになっている。また、輸送金具20の両端は、折り曲げられてフランジが形成されており、水槽2の底面に取り付けるための穴39が開けられ、ボルトC38を用いて水槽2を固定する構造となっている。
【0028】
次に、洗濯機100及び包装装置200の作用について説明する。
まず、図1に示したように、洗濯機100の包装時においては、水槽2の下部に設けられた輸送金具20を、その底面形状に合せた底部緩衝体19に嵌め込んで上下方向の位置決めを行う。そして、その高さにおいて水槽2の背面側に設けたブラケットA22の穴位置と、背面パネル31に設けた穴位置とが一致(対向)するようになっており、ボルトA24及びスペーサA23を用いて締結することにより背面パネル31に水槽2を固定保持する。
【0029】
次に、投入口16、水槽2及び脱水槽12の各開口部縁に勘合する槽押え21を嵌め込んで蓋15を閉じ、水槽2及び脱水槽12の揺動を抑制する。それから、脚部緩衝体18を挟んで洗濯機100の箱体1を底ケース14に入れ、上部緩衝体17を挟んで外装ケース41を上から被せることで包装装置200が出来上がる。最後に、図示省略の樹脂製バンドを用いて包装装置200を緊縛することで洗濯機100の包装が完了する。なお、実施の形態1において、ブラケットA22は、水槽2と別部品である場合に限定するものではなく、水槽2の一部にブラケットA22の機能を併せ持たせてもよい。
【0030】
以上のように、実施の形態1に係る洗濯機100は、水槽2の下部に輸送金具20を配設し、輸送金具20の底面形状に合せた底部緩衝体19を包装時に取り付けて上下方向の位置決めを行い、上下揺動した時の床面27への荷重、振動及び衝撃を受けるようになっている。また、底部緩衝体19によって上方に持ち上げられた水槽2の背面側に設けたブラケットA22を背面パネル31にボルトA24で締結することによって、輸送金具取付中心軸40と水槽中心軸28とが傾斜(交差)していても、つまり水槽2が傾斜していても輸送時の荷重、振動及び衝撃に対して洗濯機100を適切に保護できる。
【0031】
この包装装置200が横倒した場合、あるいは角部や稜線部から落下した場合でも、輸送金具20及びボルトA24で荷重を受けるため、水槽2の揺動を抑制し、前吊り棒3、後吊り棒4、箱体1の球面座9、水槽2の受け座11及び図示省略の各種内部部品が損傷することを防止できる。また、水槽2を確実に固定保持できるので、水槽2が動いて箱体1に衝突して変形や破損を生じたり、底部緩衝体19に過度の荷重が加わって破損したりすることも防止できる。さらに、簡易的手段で水槽2を揺動不能に固定保持し、輸送荷重に対して洗濯機100を適切に保護するとともに、家宅での据付時に簡単に取り外すことができる。
【0032】
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2に係る洗濯機100aを側面から見た概略構成を示す透視図である。図3に基づいて、実施の形態2に係る洗濯機100aの構成について説明する。この洗濯機100aは、箱体1内に水槽2を前吊り棒3及び後吊り棒4で吊り下げ支持する構成となっている。この図3では、洗濯機100aが包装装置200内に包装され、床面27に置かれている場合を表している。
【0033】
なお、実施の形態2では実施の形態1との相違点を中心に説明するものとし、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。また、この図3には、水槽中心軸28及び輸送金具取付中心軸40の他に、水槽20の重心である水槽重心26と、この水槽重心26を通る鉛直線29と、水槽重心までの高さである水槽重心高さ30とを併せて図示している。
【0034】
上述した実施の形態1では、水槽2の背面側に設けたブラケットA22を背面パネル31にボルトA24で締結することによって水槽2を固定保持し、洗濯機100を輸送時の荷重、振動及び衝撃から保護するとともに、横倒したり、角部や稜線部から落下したりしたときでも強度を確保可能にした場合を示したが、この実施の形態2では、輸送金具取付中心軸40を鉛直線29と一致させ、かつ、ブラケットA22の取り付け高さを水槽重心高さ30と一致させた場合を示している。
【0035】
図3に示すように、実施の形態2に係る洗濯機100aでは、鉛直線29と輸送金具取付中心軸40とを一致させるようになっており、かつ、水槽2の背面側に設けたブラケットA22の取り付け高さ(ブラケットA22のネジ穴中心線の高さ)と水槽重心高さ30とを一致させるようになっている。なお、ここでいう水槽重心26とは、水槽2単体の重心ではなく、脱水槽12、電動機13、バランサ25及び輸送金具20等を含む、水槽2及び水槽2に組み付けられた部品全体の重心を示すものとする。
【0036】
次に、洗濯機100aの作用について説明する。
実施の形態2においては、鉛直線29と輸送金具取付中心軸40とが一致しており、輸送時の振動及び衝撃によって水槽2に作用する上下方向の加振力が輸送金具20を介して底部緩衝体19に鉛直方向真っ直ぐに伝達されるようになっている。そのため、水槽2には前後左右方向のモーメント力は発生せず、水槽2を前後左右に揺動させないように固定保持することが可能になる。したがって、底部緩衝体19も下向きの荷重を受け持つだけなので、前後左右に穴が広げられるような損傷を受けずに済む。
【0037】
また、水槽2の背面側に設けたブラケットA22の取り付け高さと水槽重心高さ30とが一致しており、輸送時の振動及び衝撃によって水槽2に作用する前後方向の加振力がボルトA24及びスペーサA23を介して背面パネル31に水平方向真っ直ぐに伝達されるようになっている。そのため、水槽2にはブラケットA22及びボルトA24の締結部(以下、単にボルトA締結部という)を中心とした、上下方向のモーメント力は発生せず、水槽2を上下に揺動させないように固定保持することが可能になる。
【0038】
こうすることにより、この洗濯機100aでは、前吊り棒3、後吊り棒4、箱体1の球面座9、水槽2の受け座11及び各種内部部品の損傷をさらに効果的に防止することができる。なお、実施の形態2において、鉛直線29と輸送金具取付中心軸40とを完全に一致させる必要はなく、たとえば輸送金具20の底面において、前後左右の幅の範囲内に、鉛直線29があればよい。同様に、ブラケットA22の取り付け高さと水槽重心高さ30とを完全に一致させる必要もない。
【0039】
以上のように、実施の形態2に係る洗濯機100aは、鉛直線29と輸送金具取付中心軸40とを一致させることにより、水槽2に作用する上下方向の加振力が輸送金具20を介して鉛直方向真っ直ぐに底部緩衝体19に伝達されるようになっているため、水槽2に前後左右方向のモーメント力が発生せず、水槽2を前後左右に揺動させないように固定することができる。
【0040】
また、洗濯機100aは、ブラケットA22の取り付け高さと水槽重心高さ30とを一致させることにより、水槽2に作用する前後方向の加振力がボルトA24及びスペーサA23を介して水平方向真っ直ぐに背面パネル31に伝達されるようになっているため、水槽2に上下方向のモーメント力は発生せず、水槽2は上下に揺動させないように固定することができる。つまり、洗濯機100aは、より強固に水槽2を固定保持することが可能になっているのである。したがって、前吊り棒3、後吊り棒4、箱体1の球面座9、水槽2の受け座11及び各種内部部品が損傷することをさらに効果的に防止できる。
【0041】
実施の形態3.
図4は、本発明の実施の形態3に係る洗濯機100bを側面から見た概略構成を示す透視図である。図4に基づいて、実施の形態3に係る洗濯機100bの構成について説明する。この洗濯機100bは、箱体1内に水槽2を前吊り棒3及び後吊り棒4で吊り下げ支持する構成となっている。この図4では、洗濯機100bが包装装置200内に包装され、床面27に置かれている場合を表している。なお、実施の形態3では実施の形態1及び実施の形態2との相違点を中心に説明するものとし、実施の形態1及び実施の形態2と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
【0042】
上述した実施の形態2では、鉛直線29と輸送金具取付中心軸40とを一致させ、かつ、ブラケットA22の取り付け高さと水槽重心高さ30とを一致させることにより、水槽2の上下、前後、左右方向の揺動を抑制して前吊り棒3、後吊り棒4、箱体1の球面座9、水槽2の受け座11及び各種内部部品が損傷することを効果的に防止する場合を示したが、実施の形態3では、実施の形態2に係る洗濯機100aの構成に加えて背面パネル31の内側あるいは外側に第1の補強板である補強板A32を取り付けて、ブラケットA22及びボルトA24の締結部の強度を向上するようにした場合を示している。
【0043】
図4に示すように、実施の形態3に係る洗濯機100bでは、背面パネル31の内側に補強板A32が取り付けられ、ボルトA24が背面パネル31、補強板A32及びスペーサA23を介してブラケットA22に締結されるようになっている。ここでは、この補強板A32が背面パネル31の内側、つまり箱体1の内部に取り付けられている場合を例に示しているが、背面パネル31の外側、つまり箱体1の外部に取り付けるようにしてもよい。なお、補強板A32の材質を特に限定するものではなく、金属や樹脂、木材等で構成するとよい。
【0044】
次に、洗濯機100bの作用について説明する。
実施の形態3においては、背面パネル31の内側に補強板A32が取り付けられ、ボルトA24が背面パネル31、補強板A32及びスペーサA23を介してブラケットA22に締結されるようになっている。通常、背面パネル31は、0.6mm(ミリメートル)程度の薄い鋼板で構成されているので、洗濯機100bの輸送時や取扱い時における振動及び衝撃等により局所的に大きな荷重を受けると、背面パネル31のボルトA締結部が変形あるいは破損することが予想される。
【0045】
そこで、洗濯機100bは、背面パネル31のボルトA締結部に補強板A32を取り付けることにより、輸送時の振動及び衝撃によって上下、前後、左右方向の加振力が水槽2に作用しても、背面パネル31のボルトA締結部周辺に生じる応力を低減することができるようになっている。この包装装置200が横倒した場合、あるいは角部や稜線部から落下した場合でも、同様に背面パネル31のボルトA締結部周辺に生じる応力を低減することができ、このボルトA締結部の変形や破損などを効果的に防止できる。
【0046】
以上のように、実施の形態3に係る洗濯機100bは、背面パネル31の内側あるいは外側に補強板A32を取り付けることにより、輸送時の振動及び衝撃や、取扱い時における転倒及び落下に対して、背面パネル31のボルトA締結部周辺に生じる応力を低減し、このボルトA締結部の変形や破損などを効果的に防止している。したがって、実施の形態1に係る洗濯機100及び実施の形態2に係る洗濯機100aの有する効果に加えて、背面パネル31のボルトA締結部周辺の変形や破損を効果的に防止できるのである。
【0047】
実施の形態4.
図5は、本発明の実施の形態4に係る洗濯機100cを背面から見た概略構成を示す透視図である。図5に基づいて、実施の形態4に係る洗濯機100cの構成について説明する。この洗濯機100cは、箱体1内に水槽2を前吊り棒3及び後吊り棒4で吊り下げ支持する構成となっている。この図5では、洗濯機100cが包装装置200内に包装され、床面27に置かれている場合を表している。なお、実施の形態4では実施の形態1〜実施の形態3との相違点を中心に説明するものとし、実施の形態1〜実施の形態3と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
【0048】
上述した実施の形態2では、鉛直線29と輸送金具取付中心軸40とを一致させ、かつ、ブラケットA22の取り付け高さと水槽重心高さ30とを一致させることにより、水槽2の上下、前後、左右方向の揺動を抑制して前吊り棒3、後吊り棒4、箱体1の球面座9、水槽2の受け座11及び各種内部部品が損傷することを効果的に防止する場合を示したが、実施の形態4では、実施の形態1に係る洗濯機100〜実施の形態3に係る洗濯機100bの構成に加えて水槽2の左右方向に複数のブラケットA22を設けるか、あるいはブラケットA22を左右方向に長くするなどして、複数箇所で複数のボルトA24と締結することにより、さらに左右方向の水槽2の揺動を抑制するようにした場合を示している。
【0049】
図5に示すように、実施の形態4に係る洗濯機100cでは、ブラケットA22が水槽中心軸28(実際には、水槽中心軸28を水槽2の正面側から水槽外周壁に投影したときに形成される投影中心軸28’)をはさんで左右2箇所(対称位置)に設けられており、それぞれがボルトA24、スペーサA23及び補強板A32を介して背面パネル31に締結されるようになっている。ここでは、2つのブラケットA22を水槽中心軸28をはさんで対称位置に配設した場合を例に示しているが、これに限定するものではない。たとえば、1つのブラケットA22を左右方向に長くした形状にしてもよい。この場合には、水槽中心軸28をはさんで複数箇所をボルトA24で締結すればよい。
【0050】
なお、この図5では、補強板A32が背面パネル31の左右方向に長くした形状を例に示しているが、これに限定するものではない。たとえば、ブラケットA22の形状に対応させたような形状にしてもよい。つまり、ボルトA締結部周辺に補強板Aが設けられていればよいのである。また、ブラケットA22を2つ設けた場合を例に示しているが、これに限定するものではなく、それ以上のブラケットA22を設けるようにしてもよい。
【0051】
次に、洗濯機100cの作用について説明する。
上述した実施の形態2においては、鉛直線29と輸送金具取付中心軸40とを一致させ、かつ、ブラケットA22の取り付け高さと水槽重心高さ30とを一致させることにより、上下方向及び前後方向の荷重に対して水槽2の揺動を抑制することができるが、上下方向及び前後方向に比べると左右方向に対する拘束力が弱いものとなってしまうことが予想される。
【0052】
そこで、実施の形態4においては、ブラケットA22が水槽中心軸28をはさんで左右2箇所に設けられ、それぞれがボルトA24、スペーサA23及び補強板A32を介して背面パネル31に締結されており、水槽2の左右方向の揺動をより強固に抑制することができる。また、上下方向及び前後方向の荷重に対しても、背面パネル31のボルトA締結部1箇所当りで受け持つ荷重を小さくすること、つまり荷重を分割することができるので、更にボルトA締結部の変形や破損等を防止することができる。
【0053】
実施の形態5.
図6は、本発明の実施の形態5に係る洗濯機100dを背面から見た概略構成を示す透視図である。図6に基づいて、実施の形態5に係る洗濯機100dの構成について説明する。この洗濯機100dは、箱体1内に水槽2を前吊り棒3及び後吊り棒4で吊り下げ支持する構成となっている。この図6では、洗濯機100dが包装装置200内に包装され、床面27に置かれている場合を表している。なお、実施の形態5では実施の形態1〜実施の形態4との相違点を中心に説明するものとし、実施の形態1〜実施の形態4と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
【0054】
上述した実施の形態4では、水槽2の左右方向に複数のブラケットA22を設けるか、あるいはブラケットA22を左右方向に長くするなどして、複数箇所で複数のボルトA24と締結することにより、左右方向の水槽2の揺動を抑制するようにした場合を示したが、実施の形態5では、実施の形態1に係る洗濯機100〜実施の形態4に係る洗濯機100cの構成に加えて水槽2の左右にネジ穴を有する第2のブラケットであるブラケットB33を配設し、箱体1の左右の側面パネル37からブラケットB33ネジ穴に側面パネル37を貫通するようにボルトB35を取り付けて水槽2を更に揺動不能に固定保持した場合を示している。
【0055】
図6に示すように、実施の形態5に係る洗濯機100dでは、水槽2の左右の側面それぞれにブラケットB33が配設されており、ボルトB35及びスペーサB34を用いて締結することにより側面パネル37に水槽2を固定保持するようになっている。また、洗濯機100dは、洗濯機100a〜洗濯機100cと同様に鉛直線29と輸送金具取付中心軸40とを一致させるとともに、ブラケットA22と同様にブラケットB33の取り付け高さと水槽重心高さ30とを一致させている。
【0056】
次に、洗濯機100dの作用について説明する。
まず、図6に示したように、洗濯機100dの包装時においては、水槽2の下部に設けられた輸送金具20を、その底面形状に合せた底部緩衝体19に嵌め込んで上下方向の位置決めを行う。そして、その高さにおいて水槽2の左右の側面に設けたブラケットB33の穴位置と、側面パネル37に設けた穴位置とが一致するようになっており、ボルトB35及びスペーサB34を用いて締結することにより側面パネル37に水槽2を固定保持する。
【0057】
この洗濯機100dでは、実施の形態2と同様に、鉛直線29と輸送金具取付中心軸40とを一致させており、輸送時の振動及び衝撃によって水槽2に作用する上下方向の加振力が輸送金具20を介して底部緩衝体19に鉛直方向真っ直ぐに伝達されるようになっているため、水槽2には前後左右方向のモーメント力は発生せず、水槽2を前後左右に揺動させないように固定保持することができる。
【0058】
この洗濯機100dによれば、水槽2の側面側に設けたブラケットB33の取り付け高さと水槽重心高さ30とを一致させており、輸送時の振動及び衝撃によって水槽2に作用する左右方向の加振力がボルトB35及びスペーサB34を介して側面パネル37に水平方向真っ直ぐに伝達されるようになっているため、水槽2にはブラケットB33及びボルトB35の締結部(以下、単にボルトB締結部という)を中心とした、上下方向のモーメント力は発生せず、水槽2を上下に揺動させないように固定保持することができる。
【0059】
また、前後方向の加振力に対しても、ブラケットB33の取り付け高さと水槽重心高さ30とが一致していることにより、ボルトB締結部には前後方向のせん断力が生じるのみで、このボルトB締結部を中心とした上下方向のモーメント力は発生せず、水槽2を上下に揺動させないように固定保持することができる。さらに、上下方向の加振力に対しても、水槽2の左右の側面を固定することにより、さらに効果的に水槽2の揺動を抑制できる。なお、実施の形態5において、ブラケットB33は、水槽2と別部品である場合に限定するものではなく、水槽2の一部にブラケットB33の機能を併せ持たせてもよい。
【0060】
以上のように、実施の形態5に係る洗濯機100dは、水槽2の左右の側面に設けたブラケットB33及び側面パネル37をボルトB35及びスペーサB34を用いて締結して側面パネル37に水槽2を固定保持することにより、水槽2の揺動を抑制することができる。さらに言えば、洗濯機100dは、鉛直線29と輸送金具取付中心軸40とが一致しているため、水槽2に作用する上下、前後、左右方向の加振力に対して水槽2の揺動を効果的に抑制することができる。
【0061】
実施の形態6.
図7は、本発明の実施の形態6に係る洗濯機100eを背面から見た概略構成を示す透視図である。図7に基づいて、実施の形態6に係る洗濯機100eの構成について説明する。この洗濯機100eは、箱体1内に水槽2を前吊り棒3及び後吊り棒4で吊り下げ支持する構成となっている。この図7では、洗濯機100eが包装装置200内に包装され、床面27に置かれている場合を表している。なお、実施の形態6では実施の形態1〜実施の形態5との相違点を中心に説明するものとし、実施の形態1〜実施の形態5と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
【0062】
上述した実施の形態5では、水槽2の下部に設けた輸送金具20を底部緩衝体19に嵌め込み、かつ、水槽2の左右に設けたブラケットB33と側面パネル37とを締結することにより、水槽2の揺動を抑制した場合を示したが、実施の形態6では、実施の形態1の洗濯機100a〜実施の形態5の洗濯機100dの構成に加えて側面パネル37の内側あるいは外側に第2の補強板である補強板B36を取り付けて、ボルトB締結部の強度を更に向上するようにした場合を示している。
【0063】
図7に示すように、側面パネル37の内側に補強板B36が取り付けられ、ボルトB35が側面パネル37、補強板B36及びスペーサB34を介してブラケットB33に締結されるようになっている。ここでは、この補強板B36が側面パネル37の内側、つまり箱体1の内部に取り付けられている場合を例に示しているが、側面パネル37の外側、つまり箱体1の外部に取り付けるようにしてもよい。なお、補強板B36の材質を特に限定するものではなく、金属や樹脂、木材等で構成するとよい。
【0064】
次に、洗濯機100eの作用について説明する。
実施の形態6においては、側面パネル37の内側に補強板B36が取り付けられ、ボルトB35が側面パネル37、補強板B36及びスペーサB34を介してブラケットB33に締結されるようになっている。通常、側面パネル37は、0.6mm程度の薄い鋼板で構成されているので、洗濯機100eの輸送時や取扱い時における振動及び衝撃等により局所的に大きな荷重を受けると、側面パネルB37のボルトB締結部が変形あるいは破損することが予想される。
【0065】
そこで、洗濯機100eは、側面パネル37のボルトB締結部に補強板B36を取り付けることにより、輸送時の振動及び衝撃によって上下、前後、左右方向の加振力が水槽2に作用しても、側面パネル37のボルトB締結部周辺に生じる応力を低減することができる。この包装装置200を横倒した場合、あるいは角部や稜線部から落下した場合でも、同様に側面パネル37のボルトB締結部周辺に生じる応力を低減することができ、このボルトB締結部の変形や破損などを効果的に防止できる。
【0066】
以上のように、実施の形態6に係る洗濯機100eは、側面パネル37の内側あるいは外側に補強板B36を取り付けることにより、輸送時の振動及び衝撃や、取扱い時における転倒及び落下に対して、側面パネル37のボルトB締結部周辺に生じる応力を低減し、このボルトB締結部の変形や破損などを効果的に防止している。したがって、実施の形態5に係る洗濯機100dの有する効果に加えて、側面パネル37のボルトB締結部周辺の変形や破損を更に効果的に防止可能になっているのである。
【0067】
実施の形態7.
図8は、本発明の実施の形態7に係る洗濯機100fを背面から見た概略構成を示す透視図である。図8に基づいて、実施の形態7に係る洗濯機100fの構成について説明する。この洗濯機100fは、箱体1内に水槽2を前吊り棒3及び後吊り棒4で吊り下げ支持する構成となっている。この図8では、洗濯機100fが包装装置200内に包装され、床面27に置かれている場合を表している。なお、実施の形態7では実施の形態1〜実施の形態6との相違点を中心に説明するものとし、実施の形態1〜実施の形態6と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
【0068】
上述した実施の形態4では、水槽2と背面パネル31とをボルトA24を用いて締結することにより水槽2の揺動を抑制する場合を、上述した実施の形態6では、水槽2と側面パネル37とをボルトB36を用いて締結することにより水槽2の揺動を抑制する場合をそれぞれ示したが、実施の形態7では、水槽2と背面パネル31及び水槽2と左右両方の側面パネル37とをそれぞれボルトA24及びボルトB35で締結することにより、水槽2の揺動を更に抑制するようにした場合を示している。
【0069】
図8に示すように、ブラケットA22は水槽中心軸28(実際には、水槽中心軸28を水槽2の正面側から水槽外周壁に投影したときに形成される投影中心軸28’)をはさんで左右2箇所に設けられており、それぞれがボルトA24、スペーサA23及び補強板A32を介して背面パネル31に締結されるようになっている。また、水槽2の左右の側面にはブラケットB33が取り付けられており、ボルトB35及びスペーサB34を用いて締結することにより側面パネル37に水槽2を固定保持するようになっている。また、洗濯機100fは、洗濯機100a〜洗濯機100eと同様に鉛直線29と輸送金具取付中心軸40とを一致させるとともに、ブラケットA22及びブラケットB33の取り付け高さと水槽重心高さ30とを一致させている。
【0070】
次に、洗濯機100fの動作について説明する。
まず、図8に示したように、洗濯機100fの包装時においては、水槽2の下部に設けられた輸送金具20を、その底面形状に合せた底部緩衝体19に嵌め込んで上下方向の位置決めを行う。そして、その高さにおいて水槽2の左右の背面に設けたブラケットA24の穴位置と、背面パネル31に設けた穴位置とが一致するようになっており、ボルトA24及びスペーサA23を用いて締結することにより背面パネル31に水槽2を固定保持する。
【0071】
同様に、その高さにおいて水槽2の左右の側面に設けたブラケットB33の穴位置と、側面パネル37に設けた穴位置とが一致するようになっており、ボルトB35及びスペーサB34を用いて締結することにより側面パネル37に水槽2を固定保持する。この洗濯機100fでは、実施の形態2と同様に、鉛直線29と輸送金具取付中心軸40とを一致させており、水槽2に作用する上下方向の加振力が輸送金具20を介して底部緩衝体19に鉛直方向真っ直ぐに伝達されるため、水槽2には前後左右方向のモーメント力は発生せず、水槽2を前後左右に揺動させないように固定保持することができる。
【0072】
この洗濯機100fによれば、水槽2の背面側に設けたブラケットA22の取り付け高さと水槽重心高さ30とを一致させており、水槽2に作用する前後方向の加振力がボルトA24及びスペーサA23を介して背面パネル31に水平方向真っ直ぐに伝達されるため、水槽2にはボルトA締結部を中心とした、上下方向のモーメント力は発生せず、水槽2を上下に揺動させないように固定保持することができる。
【0073】
また、実施の形態5と同様に、水槽2の側面側に設けたブラケットB33の取り付け高さと水槽重心高さ30とが一致しており、水槽2に作用する左右方向の加振力がボルトB35及びスペーサB34を介して側面パネル37に水平方向真っ直ぐに伝達されるため、水槽2にはボルトB締結部を中心とした、上下方向のモーメント力は発生せず、水槽2を上下に揺動させないように固定保持することができる。
【0074】
前後方向の加振力に対しても、ブラケットB33の取り付け高さと水槽重心高さ30が一致していることにより、ボルトB締結部には前後方向のせん断力が生じるのみで、このボルトB締結部を中心とした上下方向のモーメント力は発生せず、水槽2を上下に揺動させないように固定することができる。さらに、上下方向の加振力に対しても、水槽2の左右の側面を固定することにより、さらに効果的に水槽2の揺動を抑制することができる。なお、実施の形態7において、ブラケットA22及びブラケットB33は、水槽2と別部品である場合に限定するものではなく、水槽2の一部にブラケットA22及びブラケットB33の機能を持たせてもよい。
【0075】
以上のように、実施の形態7に係る洗濯機100fは、水槽2及び背面パネル31と、水槽2及び左右両方の側面パネル37とをボルトA24及びボルトB35で締結することにより、さらに水槽2の揺動を抑制することができる。さらに言えば、洗濯機100fは、鉛直線29と輸送金具取付中心軸40とが一致しているため、水槽2に作用する上下、前後、左右方向の加振力に対して水槽2の揺動を効果的に抑制することができる。
【0076】
実施の形態8.
図9は、本発明の実施の形態8に係る洗濯機100gを上側から透視して見た状態を示す透視平面図である。図9に基づいて、実施の形態8に係る洗濯機100gの構成について説明する。この洗濯機100gは、箱体1内に水槽2を前吊り棒3及び後吊り棒4で吊り下げ支持する構成となっている。この図9では、水槽2の後方側面に金属板50を配設している状態を表している。なお、実施の形態8では実施の形態1〜実施の形態7との相違点を中心に説明するものとし、実施の形態1〜実施の形態7と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
【0077】
上述した実施の形態1では、水槽2の背面側に設けたブラケットA22を背面パネル31にボルトA24で締結することによって水槽2を固定保持し、洗濯機100を輸送時の荷重、振動及び衝撃から保護するとともに、横倒したり、角部や稜線部から落下したりしたときでも強度を確保可能にした場合を示したが、この実施の形態8では、水槽2とブラケットA22との間に切欠部51を形成した金属板50を配設し、水槽2を固定保持させた場合を示している。
【0078】
図9に示すように、実施の形態8に係る洗濯機100gでは、水槽2の背面側に金属板50を配設している。この金属板50には、切欠部51が形成されており、この切欠部51にブラケットA22の一端が係合されるようになっている。具体的には、ブラケットA22の一端に設けられている引っかけ部52が切欠部51に係合するようなっている。また、切欠部51は、金属板50の上下方向が切り欠けられるように形成されており、ブラケットA22の一端(引っかけ部52も含む)が所定範囲(ここでは、上下方向)に移動可能になっている。
【0079】
図10は、金属板50を説明するための説明図である。図10に基づいて、金属板50の構成を詳細に説明する。また、図10(a)が洗濯機100gの背面側底部を側面から見た状態を拡大して示す拡大側面図を、図10(b)が金属板50を斜めから見た斜視図をそれぞれ示している。図9で説明したように、金属板50は、水槽2の背面側に配設されている。詳細には、金属板50の一端が水槽2の底面に固定され、所定の角度で折り曲げられて水槽2の背面側に配設されるようになっている。また、切欠部51は、金属板50の背面側に配設される部分に形成されているが、この切り欠けた部分も折り曲げられて所定の隙間が形成されるようになっている。そして、ブラケットA22の一端に設けられている引っかけ部52を金属板50の切欠部51に係合させている。
【0080】
図11は、背面パネル31aの構成を示す構成図である。図11に基づいて、背面パネル31aの構成について説明する。この図11では、ボルトA24がスリット53の最下部に挿入されている場合を例に示している。図11に示すように、背面パネル31aには、ボルトA24を挿入するためのスリット53が形成されている。このスリット53は、ボルトA24が所定範囲(ここでは、上下方向)に移動可能なように形成されている。つまり、スリット53は、上下方向が長くなるように形成されているのである。
【0081】
次に、洗濯機100gの作用について説明する。
実施の形態8においては、水槽2の背面側に設けた金属板50及びブラケットA22をボルトA24で締結することによって、水槽2を背面パネル31aに固定するようにしている。そして、金属板50にはブラケットA22の一端(引っかけ部52を含む)が所定範囲で移動可能な切欠部51が形成されており、背面パネル31aにはボルトA24が所定範囲で移動可能なスリット53が形成されている。こうすることにより、輸送時の振動及び衝撃で背面パネル31aに伝達するモーメント力によって、背面パネル31aの破壊や損傷、変形を効果的に防止できる。また、水槽2からの衝撃力をスリット53のある方向のみに遊びがあることで、背面パネル31aに伝達させることなく、スリット53のない方向で効果的に水槽2の振動を抑制することができる。
【0082】
以上のように、実施の形態8に係る洗濯機100gは、切欠部51を形成した金属板50と、スリット53を形成した背面パネル31aとによって、ブラケットA22が所定の範囲で移動可能なので、ブラケットA22を遊びを持ってボルトA24で締結することができ、背面パネル31aを効果的に保護することができる。すなわち、輸送時の振動及び衝撃によって、ブラケットA22を介して背面パネル31aに伝達するモーメント力を切欠部51及びスリット53によって緩和させているのである。
【0083】
なお、この実施の形態8では、金属板50に切欠部51を形成した場合を例に説明したが、これに限定するものではない。たとえば、金属板50の一部に開口部を形成して、ブラケットA22の一端を係合するようにしてもよい。また、引っかけ部52は、切欠部51や開口部に引っかけれて、金属板50を係合できる形状であればよく、特に形状を限定するものではない。さらに、水槽2を背面パネル31aで固定する場合を例に説明したが、水槽2を側面パネル37で固定してもよい。
【0084】
実施の形態9.
図12は、本発明の実施の形態9に係る洗濯機200aを説明するための説明図である。図12に基づいて、実施の形態9に係る包装装置200aの構成について説明する。図12では、包装装置200a内に、実施の形態1〜実施の形態8のいずれかの洗濯機が包装されている場合を例に示している。なお、実施の形態9では実施の形態1〜実施の形態8との相違点を中心に説明するものとし、実施の形態1〜実施の形態8と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
【0085】
包装装置200aは、包装装置200と基本的な構成は同様であるが、底部緩衝体、脚部緩衝体及び槽押えが包装装置200と異なっている。つまり、底部緩衝体19aに、この底部緩衝体19aの剛性とは異なる剛性の突起部60を、輸送金具20aに、突起部60を装着する開口部61をそれぞれ設け、突起部60を開口部61に装着することで、輸送金具20aを底部緩衝体19aに固定するようにしている。また、底ケース14の底面4隅に脚部緩衝体18aを設けるようにしている。さらに、槽押え21aを分割構造としている。
【0086】
図12に示すように、脚部緩衝体18aは、底ケース14の底面4隅に設けられ、それぞれが底部緩衝体19aと接続するようになっている。また、底部緩衝体19aの上面中央部には、突起部60が設けられている。この突起部60は、底部緩衝体19aの剛性と異なる剛性の材料で構成されている。つまり、底部緩衝体19aの剛性よりも高い剛性となる材料、たとえばポリプロピレン(PP)等の合成樹脂や金属を材料として、突起部60を構成するとよい。
【0087】
こうすることによって、輸送金具20aの位置決めが容易にできるとともに、輸送金具20aと底部緩衝体19aとのズレを低減することができる。この包装装置200aが横倒した場合、あるいは角部や稜線部から落下した場合でも、輸送金具20aで荷重を受けるため、水槽2の揺動を抑制し、前吊り棒3、後吊り棒4、箱体1の球面座9、水槽2の受け座11及び図示省略の各種内部部品が損傷することを防止できる。また、脚部緩衝体18aを4分割とし、底部緩衝体19aと接続させたので、脚部緩衝体18aを構成する材料を節約するとともに、底部緩衝体19aに加わる荷重を分散することができる。
【0088】
図13は、突起部60が設けられた底部緩衝体19aを上から見た状態を示す平面図である。図13に基づいて、突起部60の構成について詳細に説明する。なお、図13には、脚部緩衝体18aを併せて図示している。上述したように、突起部60は、底部緩衝体19aとは剛性の異なる材料で構成されている。図13に示すように、突起部60は、底部緩衝体19aの上面中央部に形成されている凹部65に設けられている。底部緩衝体19aの上面中央部に凹部65を形成することによって、突起部60を確実に底部緩衝体19aに設けることができるのである。なお、底部緩衝体19aに凹部65を形成せずに、突起部60を設けるようにしてもよい。
【0089】
そして、この突起部60が輸送金具20aの開口部61に装着された状態において、突起部60の少なくとも一部を、輸送金具20a及び底部緩衝体19aと接するようにしている。この実施の形態9では、突起部60の底面が底部緩衝体19aに接し、突起部60のいずれかの側面が開口部61を介して輸送金具20aに接するようになっている。なお、この突起部60の形状は、底部緩衝体19aに設けることができ、輸送金具20aの開口部61に装着可能であればよく、特に限定するものではない。また、図13では、脚部緩衝体18aと底部緩衝体19aとが分離している場合を例に示しているが、脚部緩衝体18aと底部緩衝体19aとを一体的に形成してもよい。
【0090】
図14は、槽押え21a及び第2槽押え66の断面構成を示す縦断面図である。図14に基づいて、槽押え21a及び第2槽押え66の構成について詳細に説明する。図14に示すように、槽押え21aは、分割構造となっている点で、槽押え21とは異なっている。また、槽押え21aは、蓋15に接していない点で、槽押え21とは異なっている。そして、槽押え21aには、水槽2の開口部縁に引っかけられるつば部67が形成されている。つまり、つば部67を水槽2の開口部縁に引っかけることで、脱水槽12の内部に落下するのを防止しているのである。また、つば部67は、箱体1の開口部と水槽2の開口部との間に引っかけるようにしてもよい。
【0091】
槽押え21aを分割構造とすると、たとえば水槽2の開口部が箱体1の開口部よりも広くなっているような場合でも、水槽2及び脱水槽12の各開口部縁に槽押え21aを嵌め込むことができ、水槽2及び脱水槽12の揺動を抑制することができる。つまり、槽押え21aを分割した状態で、水槽2及び脱水槽12の各開口部縁に嵌め込むことができるのである。また、この槽押え21aは、投入口16及び水槽2の開口部縁に嵌め込まれた状態において、空間部63が形成されるようになっている。槽押え21aを分割構造としたことによって、各分割した部分の間には所定の隙間ができてしまい、この隙間を空間部63として利用するようにしている。
【0092】
槽押え21aを分割した状態で、水槽2及び脱水槽12の各開口部縁に嵌め込むことができるものの、所定の隙間ができてしまうことで、槽押え21が脱水槽12の内部に落下してしまうことがある。そこで、空間部63に、槽押え21aとは別の第2槽押え66を挿入することで、槽押え21aを水槽2及び脱水槽12の各開口部縁に確実に嵌め込むこようにしている。この第2槽押え66は、空間部63に挿入され、槽押え21aを内側から外側に荷重をかける機能を有している。こうすることで、水槽2及び脱水槽12の揺動を効果的に抑制することができる。
【0093】
実施の形態1〜実施の形態8に係る洗濯機100〜洗濯機100gは、水槽2を傾斜させた状態で強固に固定することができるので、洗濯機100〜洗濯機100gの輸送時の振動及び衝撃や、取扱い時における転倒及び落下から洗濯機100〜洗濯機100gを効果的に保護するようになっている。また、実施の形態1〜実施の形態8に係る洗濯機100〜洗濯機100gは、実施の形態1〜実施の形態8で説明した内容に限定されることなく、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内において適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】実施の形態1に係る洗濯機を側面から見た概略構成を示す透視図である。
【図2】輸送金具の構成の一例を示す斜視図である。
【図3】実施の形態2に係る洗濯機を側面から見た概略構成を示す透視図である。
【図4】実施の形態3に係る洗濯機を側面から見た概略構成を示す透視図である。
【図5】実施の形態4に係る洗濯機を背面から見た概略構成を示す透視図である。
【図6】実施の形態5に係る洗濯機を背面から見た概略構成を示す透視図である。
【図7】実施の形態6に係る洗濯機を背面から見た概略構成を示す透視図である。
【図8】実施の形態7に係る洗濯機を背面から見た概略構成を示す透視図である。
【図9】実施の形態8に係る洗濯機の背面側の一部を透視して見た状態を示す透視図である。
【図10】洗濯機の背面側底部を側面から見た状態を拡大して示す拡大側面図である。
【図11】背面パネルの構成を示す構成図である。
【図12】実施の形態9に係る洗濯機を斜めから見た概略構成を示す透視図である。
【図13】固定部の構成を示す分解図である。
【図14】槽押え及び第2槽押えの構成を示す分解図である。
【符号の説明】
【0095】
1 箱体、2 水槽、3 前吊り棒、4 後吊り棒、7 前防振装置、8 後防振装置、9 球面座、10 脚、11 受け座、12 脱水槽、13 電動機、14 底ケース、15 蓋、16 投入口、17 上部緩衝体、18 脚部緩衝体、18a 脚部緩衝体、19 底部緩衝体、19a 底部緩衝体、20 輸送金具、20a 輸送金具、21 槽押え、21a 槽押え、22 ブラケットA、23 スペーサA、24 ボルトA、25 バランサ、26 水槽重心、27 床面、28 水槽中心軸、28’ 投影中心軸、29 鉛直線、30 水槽重心高さ、31 背面パネル、31a 背面パネル、32 補強板A、33 ブラケットB、34 スペーサB、35 ボルトB、36 補強板B、37 側面パネル、38 ボルトC、39 穴、40 輸送金具取付中心軸、41 外装ケース、50 金属板、51 切欠部、 52 引っかけ部、53 スリット、60 突起部、61 開口部、63 空間部、65 凹部、66 第2槽押え、67 つば部、100 洗濯機、100a 洗濯機、100b 洗濯機、100c 洗濯機、100d 洗濯機、100e 洗濯機、100f 洗濯機、100g 洗濯機、200 包装装置、200a 包装装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体と、
前記箱体内に吊り下げ収容される水槽とを備え、
前記水槽の下側に、前記水槽の下側で固定される輸送金具を取り付け、
前記水槽の背面側を、前記水槽の背面側に配設されたネジ穴を有する第1のブラケットと前記箱体の背面を構成する背面パネルとをボルトを用いて締結することによって、該第1のブラケットを介して前記背面パネルに固定した
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
箱体と、
前記箱体内に吊り下げ収容される水槽と、
前記水槽の下側に取り付けられ、前記水槽の下側で固定される輸送金具と、
前記水槽の背面側または側面側に配設されたネジ穴を有する第1のブラケットと、
前記水槽の底面または側面に配設され、前記第1のブラケットの一端を係合する金属板と備え、
前記水槽の背面側または側面側を、
前記第1のブラケット及び前記金属板と、前記箱体の背面を構成する背面パネルまたは側面を構成する側面パネルとをボルトを用いて締結することによって、該第1のブラケット及び該金属板を介して前記背面パネルまたは前記側面パネルに固定した
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
前記金属板の一部に開口部または切欠部を形成し、
前記開口部又は前記切欠部で前記第1のブラケットの一端を係合する
ことを特徴とする請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記背面パネルまたは前記側面パネルに前記ボルトが所定範囲で移動可能なスリットを形成するとともに、
前記開口部又は前記切欠部を前記第1のブラケットの一端が所定範囲で移動可能な大きさとして形成した
ことを特徴とする請求項3に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記第1のブラケットの一端に引っかけ部を設け、
前記引っかけ部で前記開口部又は前記切欠部に係合する
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項6】
前記輸送金具の中心を通る鉛直方向の軸と前記水槽の重心を通る鉛直線とを略一致させ、かつ、前記第1のブラケットのネジ穴中心線の高さと前記重心の高さとを略一致させた
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項7】
前記第1のブラケットを、
前記水槽の中心軸を該水槽の正面側から水槽外周壁に投影したときに形成される投影中心軸をはさんで複数箇所で締結した
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項8】
前記第1のブラケットを複数設け、
前記第1のブラケットのそれぞれを、前記投影中心軸をはさんで対称位置に配設した
ことを特徴とする請求項7に記載の洗濯機。
【請求項9】
前記背面パネルの内側または外側であって前記第1のブラケットに対応する位置に第1の補強板を設けた
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項10】
前記水槽の左右に配設され、ネジ穴を有する第2のブラケットを備え、
前記第2のブラケットと前記箱体の背面を構成する側面パネルとをボルトを用いて締結することによって、前記第2のブラケットを介して前記水槽を前記背面パネルに固定した
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項11】
前記第2のブラケットの取り付け高さと前記重心の高さとを略一致させた
ことを特徴とする請求項10に記載の洗濯機。
【請求項12】
前記側面パネルの内側または外側であって前記第2のブラケットに対応する位置に第2の補強板を設けた
ことを特徴とする請求項9または10に記載の洗濯機。
【請求項13】
前記請求項1〜12のいずれかに記載の洗濯機を載置する底ケースと、
前記底ケースに収納され、前記輸送金具を嵌め込む底部緩衝体と、
前記底ケースの上から被せられ、前記洗濯機を収納する外装ケースとで構成した
ことを特徴とする包装装置。
【請求項14】
前記底部緩衝体に前記底部緩衝体の剛性とは異なる剛性の突起部を設け、
前記輸送金具に前記突起部を装着する開口部を設け、
前記突起部を前記開口部に装着することで、前記輸送金具を前記底部緩衝体に固定可能にした
ことを特徴とする請求項13に記載の包装装置。
【請求項15】
前記突起部の少なくとも一部が、前記輸送金具及び前記底部緩衝体と接している
ことを特徴とする請求項14に記載の包装装置。
【請求項16】
前記底ケースの底面4隅に脚部緩衝体を設け、
前記底部緩衝体を前記脚部緩衝体と接続させた
ことを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の包装装置。
【請求項17】
前記箱体内の上部には投入口が形成されており、
前記投入口及び前記水槽の開口部縁に嵌め込まれる槽押えを分割構造とした
ことを特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載の包装装置。
【請求項18】
前記槽押えは、
空間部を形成するように前記投入口及び前記水槽開口部縁に嵌め込まれ、
前記空間部に前記槽押えとは別の第2槽押えを挿入した
ことを特徴とする請求項17に記載の包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−62021(P2008−62021A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−66219(P2007−66219)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000004422)日本建鐵株式会社 (152)
【Fターム(参考)】