説明

洗濯機

【課題】洗濯物の汚れの強さに応じた濃度の次亜塩素酸水を洗濯槽に供給し、洗濯物を効率よく殺菌、漂白することができる洗濯機を提供すること。
【解決手段】洗濯物に含まれる塩分を少量の水で抽出して塩水を生成し、その塩水を電解槽43で電気分解してできた次亜塩素酸水を洗濯兼脱水槽34に供給する。これによって、塩分を多く含んだ汚れの強い洗濯物から抽出した濃度の高い塩水を電気分解すると高濃度の次亜塩素酸水が生成され、塩分を少量含んだ汚れの弱い洗濯物から抽出した濃度の低い塩水を電気分解すると低濃度の次亜塩素酸水が生成されることになり、洗濯物の汚れの強さに応じた濃度の次亜塩素酸水を生成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩水の電気分解により生成した次亜塩素酸ナトリウムにより殺菌洗浄を
行う洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の洗濯機は、まず規定量の塩を伴って外槽内の低い位置に設定した水位まで給水を行い、その後にドラムを低速で回転させて塩の溶解を促進する。その後、電解部の電極間に所定電圧を印加し流れる電流を測定し、その電流値が許容値に収まるまで追加給水を行う。そして所定時間、塩水を電気分解することにより漂白水を生成した後、ドラム内の洗濯物全体が水に浸るような水位まで補給水を行ってからドラムを低速回転させて漂白洗いを実行する。塩分濃度の高い塩水を電気分解することで効率良く次亜塩素酸イオンを生成することができ、電解時間を短縮することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−247186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来構成のものでは、まず規定量の塩を投入する必要があり不便であった。また、洗濯物の汚れの強さに関係なく次亜塩素酸ナトリウムの生成濃度が決まるので、汚れが弱い時は、濃度が高すぎて衣類の色落ちが発生する場合がある。汚れが強い時は、濃度が低すぎて十分細菌できない場合があった。また、塩を自動投入する場合は、塩を保管するスペースが必要になり、電解デバイスが大きくなるという課題があった。
【0005】
本発明は前記従来の課題を解決するもので、塩を投入するなどの手間がなく、洗濯物の汚れの強さに応じた濃度の次亜塩素酸水を洗濯槽に供給し、洗濯物を効率よく殺菌、漂白することができる洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、洗濯物に含まれる塩分を少量の水で抽出して塩水を生成し、その塩水を電解槽で電気分解してできた次亜塩素酸水を洗濯兼脱水槽に供給したものである。
【0007】
これによって、塩分を多く含んだ汚れの強い洗濯物から抽出した濃度の高い塩水を電気分解すると高濃度の次亜塩素酸水が生成され、塩分を少量含んだ汚れの弱い洗濯物から抽出した濃度の低い塩水を電気分解すると低濃度の次亜塩素酸水が生成されることになる。すなわち、洗濯物の汚れの強さに応じた濃度の次亜塩素酸水を生成することができる。更に、洗濯物に含まれる塩分を利用するので塩を投入する必要がなく手間がかからない。
【発明の効果】
【0008】
本発明の洗濯機は、洗濯物に含まれる塩分を利用するので、洗濯物の汚れ具合に応じた濃度の次亜塩素酸水を簡単で安価に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1における電解装置の横断面図
【図2】本発明の実施の形態2における電解装置の横断面図
【図3】本発明の実施の形態3における電解装置の横断面図
【図4】本発明の実施の形態3における電解装置の横断面図
【図5】本発明の実施の形態4における電解装置の横断面図
【図6】本発明の実施の形態5における電解装置の横断面図
【図7】本発明の実施の形態6における電解装置の横断面図
【図8】本発明の実施の形態6における電解装置の横断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の発明の洗濯機は、外槽と、
前記外槽内に回転自在に配設された洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を回転させる駆動手段と、前記外槽に水道水を供給する給水手段と、一対の電極を有する電解槽と、前記外槽と前記電解槽をつなぐ連通部と、前記連通部に設けられた開閉手段と、前記駆動手段、前記給水手段、前記開閉手段を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記外槽に所定量給水し、前記駆動手段により前記洗濯兼脱水槽を所定時間回転させてから、前記開閉手段を開いて前記外槽内の水を前記電解槽に送水し、前記電解槽で電気分解して生成した電解水を前記外槽内に戻すようにしたものである。これにより、塩分を多く含んだ汚れの強い洗濯物から抽出した濃度の高い塩水を電気分解すると高濃度の次亜塩素酸水が生成される。塩分を少量含んだ汚れの弱い洗濯物から抽出した濃度の低い塩水を電気分解すると低濃度の次亜塩素酸水が生成される。すなわち、洗濯物の汚れの強さに応じた濃度の次亜塩素酸水を生成することができる。更に、洗濯物に含まれる塩分を利用するので塩を投入する必要がなく手間がかからないというものである。
【0011】
第2の発明は、特に、第1の発明の洗濯機は、前記制御手段は、前記外槽に給水すると共に前記洗濯兼脱水槽を回転するようにしたものである。このため、給水された水が洗濯物に均一に浸透し洗濯物に含まれる塩分を効率よく抽出することができる。
【0012】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の洗濯機は、前記制御手段は、前記洗濯兼脱水槽の所定時間回転時において、前記洗濯兼脱水槽の回転数が脱水回転数と洗い回転数とを繰り返すようにしたものである。これにより、洗濯物は吸水と脱水を繰り返すことになり、洗濯物に含まれる塩分を更に効率よく抽出することができる。
【0013】
第4の発明は、特に、第1の発明の洗濯機は、前記外槽の開口部に前記洗濯兼脱水槽内に向かって水を噴出する噴出手段を設け、前記制御手段は、前記噴出手段から水を噴出すると共に前記洗濯兼脱水槽を回転するものである。これにより、洗濯物に直接水をかけることになり、少ない水を洗濯物に均一に浸透させ、洗濯物の塩分を抽出した水の塩分濃度を高くすることができる。また、この水を利用した電気分解で生成される次亜塩素酸水の濃度も高くなり、殺菌効果に優れた電解水を生成することができる。
【0014】
第5の発明は、特に、第4の発明の洗濯機は、前記外槽内の水を循環する循環手段を設け、前記循環手段へ水を吸い込む吸い込み口が前記外槽に接続し、前記循環手段から水を吐出する吐出口が前記噴出手段に接続し、前記制御手段は前記外槽内の水を前記循環手段により循環させるものである。これにより、洗濯物に含まれる塩分を少ない水で効率よく抽出することができる。
第6の発明は、特に、第5の発明の洗濯機は、前記制御手段は、前記洗濯兼脱水槽の回転数を洗い回転数と脱水回転数とで繰り返し変化させ、前記洗い回転数の時に前記循環手段を稼動させ、前記脱水回転数の時に前記循環手段を停止させるものである。これにより、少ない水で洗濯物は吸水と脱水を繰り返すことになり、短時間で洗濯物に含まれる塩分を効率よく抽出することができる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態1〜6について、図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
図1において、洗濯機外枠30は、3本の弾性体31と、2本の減衰装置32により外槽33を弾性支持している。洗濯兼脱水槽34は、外槽33内に回転自在に配設している。
【0017】
駆動手段であるモータ35は、ブラシレス直流モータから成っており、インバータ制御されている。このため、回転速度が自在に変化できる、直接、洗濯兼脱水槽34を回転させている。
【0018】
給水手段36は洗濯兼脱水槽34内と、洗剤投入手段37に給水する。切り替え手段42は、洗濯兼脱水槽34への直接給水と、洗剤投入手段37を経由する間接給水を切り替える電磁式の2方弁である。
水位検知手段(図示せず)は、外槽33内の水位を検知する。排水手段38は、外槽33内の水を排水するものである。
【0019】
制御手段39は、洗濯機外枠30の前面下部に設けられている。制御手段39は、洗濯機外枠30の前面上部に設けられた操作表示手段40により入力された設定内容に基づいて制御を行う。制御手段39は、パワースイッチング手段(図示せず)を介してモータ35、給水手段36、排水手段38などを制御し、洗い、すすぎ、脱水の各工程を逐次制御する。
【0020】
減衰装置32は、オイルを作動流体とする粘性ダンパーで、脱水起動時の外槽33の共振振動振幅を低減する。減衰装置32は、洗濯機外枠30の底部30aと外槽33の底部33aの間に固定されている。脚41はゴムなどの弾性材料で構成され、洗濯機外枠30の底部30aの四隅に配置されている。
【0021】
電解槽43は、洗濯機外枠の底部30aに設置されている。外槽の底部33aと電解槽43は開閉手段44を介して連通部45で接続されている。電解水供給手段46の吸水部46aは、電解槽43の底部に接続されている。電解水の吐出部46bと電解水投入部47は送水チューブ48で接続されている。電解槽43内には、電気分解用の一対の電極43aが対面して設けられている。
【0022】
以上のように構成された洗濯機について、以下その動作、作用を説明する。
【0023】
まず、使用者は、洗濯兼脱水槽34内に洗濯物を投入し、洗剤投入手段37内に洗剤を入れた後、操作表示手段40を操作して運転を開始する。切り替え手段42は直接給水側に設定され、給水手段36が動作し、洗濯兼脱水槽34内に給水される。
【0024】
少なくとも洗濯物の一部が浸水する所定量の給水がなされると、制御手段39は、モータ35を駆動する。このときの洗濯兼脱水槽34の回転数は、洗濯兼脱水槽34内の洗濯物が上昇と落下を繰り返す、例えば45r/minである。洗濯兼脱水槽34が回転を始めると、洗濯物は、洗濯兼脱水槽34の側壁34aに設けられたバッフル34bによって持ち上げられ、上部から落下する。制御手段39は、洗濯兼脱水槽34が1〜2分回転後、停止させる。停止と共に、開閉手段44が開くと、外槽33の底部33aに溜まった水は連通部45を通って電解槽43内に流れ込む。このときの水は洗濯物の塩分を含んだ塩水である。電極43aに電圧が印加され、その電圧は電流が1.5Aを維持するように制御手段39により制御される。
【0025】
切り替え手段42によって間接給水に切り替わり、給水手段36が動作して洗剤投入手段37に給水され、洗剤が溶けた洗濯水となって外槽33内に流れ込む。水位検知手段が設定水位を検知すると、制御手段39は給水手段36を停止する。制御手段39は、モータ35を駆動し洗浄工程を開始する。洗濯兼脱水槽34は、例えば45r/minで正転と反転を繰り返し行い、洗濯物を上げては落とすたたき洗いを10分間行う。この間に、電解槽43内では塩水の電気分解が進み塩水の濃度に応じた濃度の次亜塩素酸水が生成される。
【0026】
洗浄工程終了後、制御手段39は、排水手段38を開き外槽33内の汚れを溶かし込んだ洗濯水を排水する。
【0027】
脱水後、制御手段39は、排水手段38を閉じ、給水手段36を動作させて給水し、すすぎ工程を開始する。切り替え手段42によって間接給水に切り替わっており洗剤投入手段37に給水される。しかし、洗剤が無いので水道水のみが流れる。制御手段39は電解水供給手段46を駆動し、電解槽43内で生成された次亜塩素酸水を電解槽43の底部に接続した給水部46aから供給する。供給した水を、吐出部46bに接続した送水チューブ48を通して電解水投入部47へ送水する。電解水投入部47には洗剤投入手段37からの水道水も流れており、水道水と次亜塩素酸水が混合されて濃度の低い次亜塩素酸水となって外槽33内に流れ込む。このようにすることで、濃度の濃い次亜塩素酸水が洗濯物に付着することを防止することができる。
【0028】
水位検知手段が設定水位を検知すると、制御手段39は給水手段36を停止する。また、次亜塩素酸水の量は100cc程度で、すすぎ水の20リットルと比較して少ないので、給水手段36が停止する前に送水を完了している。
【0029】
制御手段39は、モータ35を駆動し、すすぎ工程を開始する。洗濯兼脱水槽34は例えば45r/minで正転と反転を繰り返し行い、洗濯物を上げては落とすたたきすすぎを所定時間行う。次亜塩素酸のロスが少ないすすぎ工程に次亜塩素酸水を投入したことで、洗濯物の漂白や除菌が効率よく行われる。
【0030】
ここで、本発明の実施の形態1で用いた次亜塩素酸水について説明する。人は1日に約500mlの汗を掻く。汗の塩分濃度はおよそ0.65%である。従って、洗濯物には1人当たり約3.3gの塩が含まれることになる。家族4人として13gである。これを2000mlの水で抽出すると、抽出水の塩分濃度は、0.65%になる。抽出水の1部80ccを電解槽43で10分間電気分解すると塩素濃度約1000ppmの次亜塩素酸水を生成することができる。この電解水をすすぎ水20リットルで希釈すると塩素濃度が約6.5ppmになり漂白や除菌を行うのに最適な塩素濃度になる。汚れや汗の量が多い夏場では、人は1日に約1000mlの汗を掻き、洗濯物には一人当たり約6.5gの塩が含まれることになる。家族4人として26.0gである。これを2000mlの水で抽出すると、抽出水の塩分濃度は、約1.30%になる。抽出水の1部80ccを電解槽43で10分間電気分解すると塩素濃度約1400ppmの次亜塩素酸水を生成することができる。この電解水をすすぎ水20リットルで希釈すると塩素濃度が約9.0ppmになり、汚れの多さにより塩素にロスが発生しても、漂白や除菌を行うのに十分な塩素濃度を確保することができる。
【0031】
以上のように本実施の形態においては、洗濯物に含まれる塩分を抽出し、その抽出水を電気分解したことにより、洗濯物の汚れの強さに応じた濃度の次亜塩素酸水を生成することができる。更に、洗濯物に含まれる塩分を利用するので塩を投入する必要がなく手間がかからない。
【0032】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2の洗濯機の横断面図を示すものである。図2において、第2の発明の制御手段239は、外槽233に給水すると共に洗濯兼脱水槽234を回転するようにしたものである。その他の構成は、本発明の実施の形態1と同様である。これにより、一部の洗濯物だけが吸水して他の洗濯物に水が吸水されないという現象が発生せず、給水された水が洗濯物に均一に浸透し洗濯物に含まれる塩分を効率よく抽出することができる。
【0033】
(実施の形態3)
図3、図4は、本発明の実施の形態3の洗濯機の横断面図を示すものである。図3、図4において、制御手段339は、外槽333に給水し、洗濯兼脱水槽334を所定時間回転させる時に、洗濯兼脱水槽334の回転数が脱水回転数と、洗い回転数とを繰り返すようにしたものである。脱水回転数は、例えば900r/minであり、洗い回転数は、例えば、45r/minである。その他の構成は、本発明の実施の形態2と同様である。
【0034】
これにより、先ず、給水しながら洗い回転数で洗濯兼脱水槽334を回転すると、洗濯物全体が均一に吸水し、洗濯物に含まれる塩分は吸水した水に溶け込む。次に、脱水回転数で洗濯兼脱水槽334を高速回転して塩分が溶け込んだ水を洗濯物から分離する。再び洗い回転数で洗濯兼脱水槽334を回転して洗濯物に吸水させ、洗濯物に残った塩分を溶かし込む。そして脱水回転数で洗濯兼脱水槽334を高速回転して残った塩分も溶け込んだ水を洗濯物から再度分離する。この操作を数回繰り返すことで洗濯物に含まれる塩分を更に効率よく抽出することができる。
【0035】
(実施の形態4)
図5は、本発明の第4の実施の形態の洗濯機の横断面図を示すものである。図5において、本発明の実施の形態4の洗濯機は、制御手段439が、外槽433の開口部433bに洗濯兼脱水槽434内の側壁434aの全周に向かって水を噴出する噴出手段49を設け、噴出手段49から水を噴出すると共に洗濯兼脱水槽434を回転するようにするものである。その他の構成は、本発明の実施の形態1と同様である。これにより、洗濯物に直接水をかけて給水することになり、水をロスなく洗濯物に均一に浸透させ、洗濯物の塩分を更に効率よく抽出し、水の塩分濃度を高くすることができる。この水を利用した電気分解で生成される次亜塩素酸水の濃度も高くなり、殺菌効果に優れた電解水を生成することができる。
【0036】
(実施の形態5)
図6は、本発明の第5の実施の形態の洗濯機の横断面図を示すものである。図6において、本発明の実施の形態5の洗濯機は、外槽533内の水を循環する循環手段50を設け、循環手段50へ水を吸い込む吸い込み口50aを外槽533に接続し、循環手段50から水を吐出する吐出口50bを噴出手段549に接続している。このような構成によって制御手段539は、外槽533内の水を循環手段50によって循環するようにしたものである。その他の構成は、本発明の実施の形態4と同様である。これにより、洗濯物は吸水と、自然排水を繰り返し、洗濯物に含まれる塩分は徐々に水に溶かし込まれ、この操作を数分繰り返すことで洗濯物に含まれる塩分を少ない水で効率よく抽出することができる。
【0037】
(実施の形態6)
図7、図8は、本発明の実施の形態6の洗濯機の横断面図を示すものである。図7、図8において、本発明の実施の形態6の洗濯機は、制御手段639が、洗濯兼脱水槽634の回転数を洗い回転数(45r/min)から脱水回転数(900r/min)に繰り返し変化させ、洗い回転数の時に循環手段50を稼動させ、脱水回転数の時に循環手段50
を停止させたものである。洗い回転数は、例えば洗い回転数は45r/minである。脱水回転数は、例えば900r/minである。その他の構成は、本発明の実施の形態5と同様である。
【0038】
先ず、図7のように、外槽633内に給水後、循環手段650を駆動して洗濯物に噴出手段49から水を吹きかける。この操作で洗濯物は均一に吸水することになる。洗濯物6kg(4人分)に水量4リットルを使用すると、水は全て洗濯物に吸水され、循環手段650であるポンプはエアがみを発生する。図8のように、この時点で循環手段650を停止し、洗濯兼脱水槽34を脱水回転数で数分高速回転させ、洗濯物から塩分の溶け込んだ水を分離する。分離される水量は約2リットル前後になる。次に再び循環手段650を駆動して洗濯物に噴出手段649から水を吹きかける。この操作を数回繰り返すことで洗濯物に含まれる塩分の大部分が水に溶かし込まれ、分離した約2リットルの水の塩分濃度は高いものになる。以上のように、少ない水で洗濯物は吸水と脱水を繰り返すことになり、短時間で洗濯物に含まれる塩分を効率よく抽出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、洗濯物に含まれる塩分を利用するので、洗濯物の汚れ具合に応じた濃度の次亜塩素酸水を簡単で安価に生成することができ、生成される電解水で洗濯物の漂白、除菌を行えるので業務用の洗濯機にも応用可能である。
【符号の説明】
【0040】
30 洗濯機外枠
31 弾性体
32 減衰装置
33、233、333、433、533、633 外槽
33b、433b 開口部
34、234、334、434,634 洗濯兼脱水槽
34a、434a 側壁
35 モータ(駆動手段)
36 給水手段
37 洗剤投入手段
38 排水手段
39、239、339、439、539、639 制御手段
41 脚
42 切り替え手段
43 電解槽
43a 電極
44 開閉手段
45 連通部
46 電解水供給手段
47 電解水投入部
48 送水チューブ
49、549、649 噴出手段
50、650 循環手段
50a 吸い込み口
50b 吐出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外槽と、
前記外槽内に回転自在に配設された洗濯兼脱水槽と、
前記洗濯兼脱水槽を回転させる駆動手段と、
前記外槽に水道水を供給する給水手段と、
一対の電極を有する電解槽と、
前記外槽と前記電解槽をつなぐ連通部と、
前記連通部に設けられた開閉手段と、
前記駆動手段、前記給水手段、前記開閉手段を制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記外槽に所定量給水し、前記駆動手段により前記洗濯兼脱水槽を所定時間回転させてから、前記開閉手段を開いて前記外槽内の水を前記電解槽に送水し、前記電解槽で電気分解して生成した電解水を前記外槽内に戻すようにした洗濯機。
【請求項2】
前記制御手段は、前記外槽に給水すると共に前記洗濯兼脱水槽を回転するようにした請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記制御手段は、前記洗濯兼脱水槽の所定時間回転時において、前記洗濯兼脱水槽の回転数が脱水回転数と洗い回転数とを繰り返すようにした請求項1または2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記外槽の開口部に前記洗濯兼脱水槽内に向かって水を噴出する噴出手段を設け、
前記制御手段は、前記噴出手段から水を噴出すると共に前記洗濯兼脱水槽を回転する請求項1に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記外槽内の水を循環する循環手段を設け、前記循環手段へ水を吸い込む吸い込み口が前記外槽に接続し、前記循環手段から水を吐出する吐出口が前記噴出手段に接続し、
前記制御手段は前記外槽内の水を前記循環手段により循環させる請求項4に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記制御手段は、前記洗濯兼脱水槽の回転数を洗い回転数と脱水回転数とで繰り返し変化させ、前記洗い回転数の時に前記循環手段を稼動させ、前記脱水回転数の時に前記循環手段を停止させる請求項5に記載の洗濯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−90812(P2013−90812A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234863(P2011−234863)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】